タイトル: | 公開特許公報(A)_pHを調整した低エキス分のビールテイスト飲料 |
出願番号: | 2013162069 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C12G 3/02,C12G 3/04,C12C 5/02,A23L 2/00 |
寺西 健 本橋 斎 JP 2013255504 公開特許公報(A) 20131226 2013162069 20130805 pHを調整した低エキス分のビールテイスト飲料 サントリーホールディングス株式会社 309007911 小野 新次郎 100140109 小林 泰 100075270 竹内 茂雄 100101373 山本 修 100118902 梶田 剛 100129458 寺西 健 本橋 斎 JP 2011255388 20111122 C12G 3/02 20060101AFI20131129BHJP C12G 3/04 20060101ALI20131129BHJP C12C 5/02 20060101ALI20131129BHJP A23L 2/00 20060101ALI20131129BHJP JPC12G3/02C12G3/04C12C5/02A23L2/00 BA23L2/00 G 63 2013110731 20121119 OL 23 4B015 4B017 4B015AG03 4B015AG04 4B015AG17 4B015LG03 4B015LH12 4B015LP02 4B017LC02 4B017LG13 4B017LK08 4B017LK11 4B017LP18 本発明は、飲み応えのある低エキス分のビールテイスト飲料、その製造方法、及び低エキス分のビールテイスト飲料に飲み応えを付与する方法に関する。 消費者の健康志向が高まる中、ビール、発泡酒、ビールテイスト飲料などの嗜好性飲料においても低カロリーや低糖質といった商品の需要が高まっている。具体例としては、ライトビールや、カロリーカットタイプあるいは糖質カットタイプのビールテイスト飲料などの様々なタイプのビールテイスト飲料の需要が高まってきている。また、道路交通法改正による飲酒運転の罰則強化により低アルコールもしくはアルコール度が0.00%のノンアルコールのビールテイスト飲料の需要が増加している。これらの健康志向のビールテイスト飲料を設計する場合、低エキス分の飲料とする方法を用いることができるが、エキス分の総量が低い飲料、即ち低エキス分のビールテイスト飲料においては、飲み応えが必ずしも十分ではない場合があった。特に、アルコール分の少ない、又はアルコール分を含まないビールテイスト飲料において、飲み応えを付与することは重要な課題である。 ノンアルコールビール飲料の風味に関する報告がいくつか存在する。特許文献1は、重量分率で0.01〜5%の添加剤として香味料、着色料、pH調整剤等を含むことを特徴とする、既存の醸造ビールと同等の風味を有するノンアルコールビールを開示している。特許文献2は、大豆ペプチド粉末、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、などから製造され、3.6〜4.8のpH値、0.18重量部〜0.40重量部の全酸、5重量部未満の全糖、及び9°〜10°の甘味度を有するビール様飲料及びその製造方法を開示している。特許文献3は、無アルコール麦芽飲料の優れた香味を維持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造に際して、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩と共に、有機酸を添加して、製品のpHを調整することができることを開示している。特開平1−165358号公報特表2009−532042号公報特開2011−139687号公報 しかし、ビールテイスト飲料、特に、麦芽などの成分濃度が低い、低エキス分のビールテイスト飲料に飲み応えを付与する手段は十分に検討されていない。本発明は、エキス分の総量が低いビールテイスト飲料であって飲み応え感が付与された飲料を提供することを目的とする。 本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した。その結果、エキス分の総量が低いビールテイスト飲料においては、pHをある特定の範囲に調整することにより飲み応え感が付与され、更に適度な酸味が付与されることを見出し、本発明を完成した。 本発明は、以下のものに関するが、これらに限定されるわけではない。1.エキス分の総量が2.0重量%以下であるビールテイスト飲料であって、pHが2.7以上4.5以下である、前記飲料。2.エキス分の総量が1.0重量%以下である、1に記載のビールテイスト飲料。3.エキス分の総量が0.5重量%以下である、2に記載のビールテイスト飲料。4.エキス分の総量が0.3重量%以下である、3に記載のビールテイスト飲料。5.エキス分の総量が0.01重量%以上である、1〜4のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。6.pHが3.0以上4.5以下である、1〜5のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。7.pHが3.0以上4.2以下である、6に記載のビールテイスト飲料。8.pH調整剤として、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、コハク酸、及びそれらの塩からなる群から選択される一種又はそれ以上を含んでなる、1〜7のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。9.pH調整剤として、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、及びコハク酸からなる群から選択される一種又はそれ以上を含んでなる、8に記載のビールテイスト飲料。10.pH調整剤として、乳酸又はその塩及びクエン酸又はその塩、乳酸又はその塩及びリン酸又はその塩、乳酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、乳酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びリン酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、リン酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、リン酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、及びリンゴ酸又はその塩及びコハク酸又はその塩からなる、酸又は塩の組み合わせの群から選択される一又はそれ以上の組み合わせを含んでなる、8又は9に記載のビールテイスト飲料。11.カロリーが8.0kcal/100ml以下である、1〜10のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。12.カロリーが5.0kcal/100ml以下である、11に記載のビールテイスト飲料。13.カロリーが2.0kcal/100ml以下である、12に記載のビールテイスト飲料。14.カロリーが1.4kcal/100ml以下である、13に記載のビールテイスト飲料。15.カロリーが0.04kcal/100ml以上である、11〜14のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。16.糖質の含量が2.0g/100ml以下である、1〜15のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。17.糖質の含量が0.5g/100ml以下である、16に記載のビールテイスト飲料。18.糖質の含量が0.3g/100ml以下である、17に記載のビールテイスト飲料。19.糖質の含量が0.01g/100ml以上である、16〜18のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。20.ビールテイスト飲料がノンアルコールのビールテイスト飲料である、1〜19のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。21.ビールテイスト飲料が非発酵のビールテイスト飲料である、1〜20のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。22.ビールテイスト飲料の製造方法であって、 飲料のエキス分の総量が2.0重量%以下となるようにエキス分の総量を調整する工程、及び 前記飲料のpHをpH調整剤により2.7以上4.5以下に調整する工程、を含む、前記方法。23.飲料のエキス分の総量が1.0重量%以下となるようにエキス分の総量を調整する、22に記載の製造方法。24.飲料のエキス分の総量が0.5重量%以下となるようにエキス分の総量を調整する、23に記載の製造方法。25.飲料のエキス分の総量が0.3重量%以下となるようにエキス分の総量を調整する、24に記載の製造方法。26.飲料のエキス分の総量が0.01重量%以上となるようにエキス分の総量を調整する、22〜25のいずれか1項に記載の製造方法。27.飲料のpHを3.0以上4.5以下に調整する、22〜26のいずれか1項に記載の製造方法。28.飲料のpHを3.0以上4.2以下に調整する、27に記載の製造方法。29.pH調整剤が、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、コハク酸、及びそれらの塩からなる群から選択される一種又はそれ以上を含んでなる、22〜28のいずれか1項に記載の製造方法。30.pH調整剤が、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、及びコハク酸からなる群から選択される一種又はそれ以上を含んでなる、29に記載の製造方法。31.pH調整剤が、乳酸又はその塩及びクエン酸又はその塩、乳酸又はその塩及びリン酸又はその塩、乳酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、乳酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びリン酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、リン酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、リン酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、及びリンゴ酸又はその塩及びコハク酸又はその塩からなる、酸又は塩の組み合わせの群から選択される一又はそれ以上の組み合わせを含んでなる、29又は30に記載の製造方法。32.ビールテイスト飲料のカロリーを8.0kcal/100ml以下に調整する工程をさらに含む、22〜31のいずれか1項に記載の製造方法。33.ビールテイスト飲料のカロリーを5.0kcal/100ml以下に調整する、32に記載の製造方法。34.ビールテイスト飲料のカロリーを2.0kcal/100ml以下に調整する、33に記載の製造方法。35.ビールテイスト飲料のカロリーを1.4kcal/100ml以下に調整する、34に記載の製造方法。36.ビールテイスト飲料のカロリーを0.04kcal/100ml以上に調整する、32〜35のいずれか1項に記載の製造方法。37.ビールテイスト飲料中の糖質の含量を2.0g/100ml以下に調整する工程をさらに含む、22〜36のいずれか1項に記載の製造方法。38.ビールテイスト飲料中の糖質の含量を0.5g/100ml以下に調整する、37に記載の製造方法。39.ビールテイスト飲料中の糖質の含量を0.3g/100ml以下に調整する、38に記載の製造方法。40.ビールテイスト飲料中の糖質の含量を0.01g/100ml以上に調整する、37〜39のいずれか1項に記載の製造方法。41.ビールテイスト飲料がノンアルコールのビールテイスト飲料である、22〜40のいずれか1項に記載の製造方法。42.非発酵性の方法である、22〜41のいずれか1項に記載の製造方法。43.ビールテイスト飲料への飲み応え及び適度な酸味の付与方法であって、飲料のエキス分の総量が2.0重量%以下となるようにエキス分の総量を調整し、飲料のpHをpH調整剤により2.7以上4.5以下に調整することによる、前記方法。44.飲料のエキス分の総量が1.0重量%以下となるようにエキス分の総量を調整する、43に記載の方法。45.飲料のエキス分の総量が0.5重量%以下となるようにエキス分の総量を調整する、44に記載の方法。46.飲料のエキス分の総量が0.3重量%以下となるようにエキス分の総量を調整する、45に記載の方法。47.飲料のエキス分の総量が0.01重量%以上となるようにエキス分の総量を調整する、43〜46のいずれか1項に記載の方法。48.pHを3.0以上4.5以下に調整する、43〜47のいずれか1項に記載の方法。49.pHを3.0以上4.2以下に調整する、48に記載の方法。50.pH調整剤が、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、コハク酸、及びそれらの塩からなる群から選択される一種又はそれ以上を含んでなる、43〜49のいずれか1項に記載の方法。51.pH調整剤が、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、及びコハク酸からなる群から選択される一種又はそれ以上を含んでなる、50に記載の方法。52.pH調整剤が、乳酸又はその塩及びクエン酸又はその塩、乳酸又はその塩及びリン酸又はその塩、乳酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、乳酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びリン酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、リン酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、リン酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、及びリンゴ酸又はその塩及びコハク酸又はその塩からなる、酸又は塩の組み合わせの群から選択される一又はそれ以上の組み合わせを含んでなる、50又は51に記載の方法。53.ビールテイスト飲料のカロリーを8.0kcal/100ml以下に調整する工程をさらに含む、43〜52のいずれか1項に記載の方法。54.ビールテイスト飲料のカロリーを5.0kcal/100ml以下に調整する、53に記載の方法。55.ビールテイスト飲料のカロリーを2.0kcal/100ml以下に調整する、54に記載の方法。56.ビールテイスト飲料のカロリーを1.4kcal/100ml以下に調整する、55に記載の方法。57.ビールテイスト飲料のカロリーを0.04kcal/100ml以上に調整する、53〜56のいずれか1項に記載の方法。58.ビールテイスト飲料中の糖質の含量を2.0g/100ml以下に調整する工程をさらに含む、43〜57のいずれか1項に記載の方法。59.ビールテイスト飲料中の糖質の含量を0.5g/100ml以下に調整する、58に記載の方法。60.ビールテイスト飲料中の糖質の含量を0.3g/100ml以下に調整する、59に記載の方法。61.ビールテイスト飲料中の糖質の含量を0.01g/100ml以上に調整する、58〜60のいずれか1項に記載の方法。62.ビールテイスト飲料がノンアルコールのビールテイスト飲料である、43〜61のいずれか1項に記載の方法。63.非発酵性の方法である、43〜62のいずれか1項に記載の方法。 本発明により、飲み応え感が付与され、更には適度な酸味が付与されたエキス分の総量が低いビールテイスト飲料が提供される。 本明細書において、「飲み応え」又は「飲み応え感」とは、ボディ感及び口当たりが適度に強く、コクがあることを意味する。 本発明は、エキス分の総量が2.0重量%以下であるビールテイスト飲料であってpHが2.7以上4.5以下である飲料、その製造方法、エキス分の総量が低いビールテイスト飲料に飲み応えを付与する方法に関する。 (ビールテイスト飲料) 本明細書における「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつ炭酸飲料をいう。つまり、本明細書のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、酵母による発酵工程の有無に拘わらず、ビール風味を有するいずれの炭酸飲料をも包含する。 本明細書における「ノンアルコールのビールテイスト飲料」とは、アルコールを含まないビールテイスト飲料をいう。ここで、アルコールを含まないとは、検出できない程度の極く微量のアルコールを含むことを除くものではない。アルコール度数が四捨五入により0.0%となる飲料、中でも、アルコール度数が四捨五入により0.00%となる飲料は、本発明のアルコールを含まないビールテイスト飲料に包含される。本発明は、飲み応え感が付与され、更には適度な酸味が付与されたエキス分の総量が低いビールテイスト飲料に関するが、特にノンアルコールの低エキス分のビールテイスト飲料の場合に顕著にその効果が発揮される。 上記ノンアルコールのビールテイスト飲料は、アルコールを含まないビールテイスト飲料であることから、発酵工程を経ないで製造される飲料、すなわち、非発酵のビールテイスト飲料であってもよい。本明細書において、「発酵工程を経ないで」との用語は、微生物による有機物の分解が起こらないこと、特に、酵母による有機物の分解によってアルコールが生成しないことをいう。本明細書において、「発酵工程を経ない」方法は、「非発酵性」の方法とも記載され、前記の「非発酵のビールテイスト飲料」は、非発酵性の製造方法により製造された飲料も意味する。非発酵のノンアルコールビールテイスト飲料の種類としては、例えば、ノンアルコールのビールテイスト飲料、ビールテイストの清涼飲料などが含まれる。 本明細書においては、ビールテイスト飲料のアルコール度数は、飲料中のアルコール分の含有量(v/v%)を意味し、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。具体的には、飲料から濾過又は超音波によって炭酸ガスを抜いた試料を調製し、そして、その試料を直火蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。アルコール度が1.0%未満の低濃度の場合は、市販のアルコール測定装置や、ガスクロマトグラフィーを用いても良い。 ビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスの量は、飲料の炭酸ガス圧によって表され、これは、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されない。典型的には、飲料の炭酸ガス圧の上限は4.0kg/cm2、3.4kg/cm2、又は2.8kg/cm2であり、下限は0.2kg/cm2、0.9kg/cm2、又は1.5kg/cm2であり、これらの上限及び下限のいずれを組み合わせてもよい。例えば、飲料の炭酸ガス圧は、0.2kg/cm2以上4.0kg/cm2以下、0.2kg/cm2以上3.4kg/cm2以下、0.9kg/cm2以上2.8kg/cm2以下、又は1.5kg/cm2以上2.8kg/cm2以下であってよい。本明細書におけるガス圧とは、特別な場合を除き、容器内におけるガス圧をいう。圧力の測定は、当業者によく知られた方法、例えば20℃にした試料をガス内圧計に固定した後、一度ガス内圧計の活栓を開いてガスを抜き、再び活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達したときの値を読み取る方法を用いて、または市販のガス圧測定装置(例えば、京都電子工業株式会社[ガスボリューム測定装置 GVA−500A]等)を用いて測定することができる。 (エキス分) 本発明のビールテイスト飲料は、エキス分の総量が低い飲料である。飲料中のエキス分の総量が低いほど健康志向に沿った飲料(低カロリーや低糖質の飲料)と認知されやすくなる。本発明は、そのような、エキス分の総量が低いビールテイスト飲料に対して有効な技術である。 一般的なビールや発泡酒のエキス分の総量は、2重量%を超え、4重量%以下程度である場合が多く、ノンアルコールのビールテイスト飲料でも、エキス分の総量を同程度の設計とすることが考えられる。しかしながら、本発明の効果、すなわち、飲み応え感の付与及び適度な酸味付与効果は、上記のようにエキス分を一定量以上で含む飲料においては特に必要とされない。ビールテイスト飲料中のエキス分には、主に麦芽などの麦に由来する成分が含まれることが多いため、エキス分の総量が多い飲料においてはそれら成分によって飲み応えが付与されることが期待できるからである。 そして、エキス分を一定量以上で含むビールテイスト飲料においては、pHを特定の範囲に調整することによって飲み応えを付与するという本発明の効果は発揮されないものと考えられる。本発明の技術は、飲み応えが必ずしも十分ではない飲料において有効である。 例えば、実施例においては、エキス分の総量が2.0重量%より高いビールテイスト飲料においては、本発明による飲み応えの付与効果は発揮されず、エキス分の総量が2重量%以下の飲料において、飲み応えの付与効果が認められた。従って、本明細書でいうエキス分の総量が低いとは、例えば、ビールテイスト飲料のエキス分の総量が、2.0重量%以下、好ましくは1.0重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.4重量%以下、さらに好ましくは0.3重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下であることをいう。なお、本発明の技術は、飲み応えの乏しい飲料において有効であることから、エキス分の総量の下限は特に限定されないが、例えば、0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上である。これらの上限及び下限を有する数値範囲は全て採用し得る。例えば、ビールテイスト飲料のエキス分の総量は、0.01重量%以上2.0重量%以下、0.01重量%以上1.0重量%以下、0.01重量%以上0.5重量%以下、0.01重量%以上0.4重量%以下、0.01重量%以上0.3重量%以下、0.01重量%以上0.1重量%以下、0.05重量%以上2.0重量%以下、0.05重量%以上1.0重量%以下、0.05重量%以上0.5重量%以下、0.05重量%以上0.4重量%以下、0.05重量%以上0.3重量%以下、又は0.05重量%以上0.1重量%以下となり得る。 本発明のビールテイスト飲料において、エキス分は、麦芽、米、トウモロコシ、コウリャン、バレイショ、デンプン、麦芽以外の麦、及び糖類などの原料に由来して増減する。また、厳密にはホップや香料など、他の成分によっても増減する。 エキス分の総量を調整する方法は特に限定されないが、例えば、原料として用いる麦芽などの麦の様な、エキス分をもたらす原料の量を調整する方法、中間製品を希釈する方法などが挙げられる。 本明細書における「エキス分の総量」は、飲料のアルコール度数が0.005%以上の場合、日本の酒税法におけるエキス分、すなわち、温度15度の時において原容量100立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数をいい、アルコール度数が0.005%未満の飲料においては、脱ガスしたサンプルをビール酒造組合国際技術委員会(BCOJ)が定める「ビール分析法(2004年11月1日改訂版) 7.2 エキス」に従い測定したエキス値(重量%)をいう。 (pH) 本発明において、低エキス分のビールテイスト飲料のpHは、一定の範囲に調整される。すなわち、pHを2.7以上、且つ4.5以下とすることによって、ビールテイスト飲料に飲み応えを付与する効果及び適度な酸味付与効果が得られる。pHの上限については、pH4.5以下であり、pH4.2以下が好ましく、pH4.0以下が特に好ましい。pHの下限については、pH2.7以上であり、pH3.0以上が好ましく、pH3.5以上が特に好ましい。pHが2.7未満の場合は、不快な酸味が感じられ得る。これらの上限及び下限を有する数値範囲は全て採用し得る。例えば、ビールテイスト飲料のpHは、2.7以上4.5以下、2.7以上4.2以下、2.7以上4.0以下、3.0以上4.5以下、3.0以上4.2以下、3.0以上4.0以下、3.5以上4.5以下、3.5以上4.2以下、又は3.5以上4.0以下となり得る。 ビールテイスト飲料のpHは、pH調整剤を用いて調整することができる。pH調整剤としては公知のものを用いることができ、食品に添加することが認められているものを好適に用いることができる。 pH調整剤としては、アルカリ化剤や酸味料を用いることができる。ビールテイスト飲料は、弱酸性となる場合が多いため、酸味料を好ましく用いることができる。酸味料として、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、アスコルビン酸、酒石酸、フィチン酸、グルコノデルタラクトンを含むグルコン酸、炭酸などが挙げられる。ビールテイスト飲料における味の調和の観点から、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸またはコハク酸が好ましい。これらの酸味料は、カリウム塩やナトリウム塩といった塩の形態で使用することも可能であるし、緩衝液の形態で用いることも可能である。 これらのpH調整剤は単独で用いても良く、2又はそれ以上を組み合わせて用いても良い。例えば、pH調整剤は、乳酸又はその塩及びクエン酸又はその塩、乳酸又はその塩及びリン酸又はその塩、乳酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、乳酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びリン酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、リン酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、リン酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、及びリンゴ酸又はその塩及びコハク酸又はその塩からなる、酸又は塩の組み合わせの群から選択される一又はそれ以上の組み合わせを含んでいてもよい。好ましい組み合わせは、乳酸又はその塩及びリン酸又はその塩である。 pH調整剤の使用量は、適宜調整することができる。使用するpH調整剤によって使用量は異なるが、例えば、フリー体換算で、0.0001mg/100L以上、1kg/100L以下程度になる量を用いることができる。 (低糖質又は低カロリー) 本発明のビールテイスト飲料の好ましい態様の一つは、低糖質又は低カロリーのビールテイスト飲料である。これらの特徴を実現するために、低エキス分の飲料とする必要があることから、本発明の技術を好適に用いることができる。 本発明の低糖質のビールテイスト飲料における糖質の含有量の上限は、2.0g/100ml以下であり、好ましくは1.9g/100ml以下であり、より好ましくは1.0g/100ml以下であり、より好ましくは0.9g/100ml以下であり、より好ましくは0.5g/100ml以下であり、より好ましくは0.3g/100ml以下である。前記飲料における糖質の含有量の下限は、特に限定されないが、0.01g/100ml以上、好ましくは0.04g/100ml以上、より好ましくは0.1g/100ml以上、より好ましくは0.2g/100ml以上である。これらの上限及び下限を有する数値範囲は全て採用し得る。例えば、ビールテイスト飲料中の糖質の含有量は、0.01g/100ml以上2.0g/100ml以下、0.01g/100ml以上1.9g/100ml以下、0.01g/100ml以上1.0g/100ml以下、0.01g/100ml以上0.9g/100ml以下、0.01g/100ml以上0.5g/100ml以下、0.01g/100ml以上0.3g/100ml以下、0.04g/100ml以上2.0g/100ml以下、0.04g/100ml以上1.9g/100ml以下、0.04g/100ml以上1.0g/100ml以下、0.04g/100ml以上0.9g/100ml以下、0.04g/100ml以上0.5g/100ml以下、0.04g/100ml以上0.3g/100ml以下、0.1g/100ml以上2.0g/100ml以下、0.1g/100ml以上1.9g/100ml以下、0.1g/100ml以上1.0g/100ml以下、0.1g/100ml以上0.9g/100ml以下、0.1g/100ml以上0.5g/100ml以下、0.1g/100ml以上0.3g/100ml以下、0.2g/100ml以上2.0g/100ml以下、0.2g/100ml以上1.9g/100ml以下、0.2g/100ml以上1.0g/100ml以下、0.2g/100ml以上0.9g/100ml以下、0.2g/100ml以上0.5g/100ml以下、又は0.2g/100ml以上0.3g/100ml以下となり得る。 本明細書における糖質とは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)に基づく糖質をいう。飲料中の糖質の量は、当該飲料全体の重量から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、アルコール分及び水分の量を控除することにより算定できる。この場合に、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定できる。具体的には、タンパク質の量は窒素定量換算法で測定でき、脂質の量はエーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法又はレーゼゴットリーブ法で測定でき、食物繊維の量は高速液体クロマトグラフ法又は硫酸添加灰化法で測定でき、水分の量はカールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧過熱乾燥法、常圧加熱乾燥法又はプラスチックフィルム法で測定できる。これらの測定方法は、当業者間で一般に知られている。 本発明の低カロリーのビールテイスト飲料におけるカロリーの上限は、8.0kcal/100ml以下、好ましくは7.7kcal/100ml以下、より好ましくは5.0kcal/100ml以下、より好ましくは4又は4.0kcal/100ml以下、より好ましくは3.8kcal/100ml以下、より好ましくは2.0kcal/100ml以下、より好ましくは1.6kcal/100ml以下、より好ましくは1.4kcal/100ml以下である。前記飲料におけるカロリーの下限は、特に限定されないが、0.04kcal/100ml以上、好ましくは0.1kcal/100ml以上、より好ましくは0.4kcal/100ml以上、より好ましくは1kcal/100ml以上である。これらの上限及び下限を有する数値範囲は全て採用し得る。例えば、ビールテイスト飲料のカロリーは、0.04kcal/100ml以上8.0kcal/100ml以下、0.04kcal/100ml以上7.7kcal/100ml以下、0.04kcal/100ml以上5.0kcal/100ml以下、0.04kcal/100ml以上4又は4.0kcal/100ml以下、0.04kcal/100ml以上3.8kcal/100ml以下、0.04kcal/100ml以上2.0kcal/100ml以下、0.04kcal/100ml以上1.6kcal/100ml以下、0.04kcal/100ml以上1.4kcal/100ml以下、0.1kcal/100ml以上8.0kcal/100ml以下、0.1kcal/100ml以上7.7kcal/100ml以下、0.1kcal/100ml以上5.0kcal/100ml以下、0.1kcal/100ml以上4又は4.0kcal/100ml以下、0.1kcal/100ml以上3.8kcal/100ml以下、0.1kcal/100ml以上2.0kcal/100ml以下、0.1kcal/100ml以上1.6kcal/100ml以下、0.1kcal/100ml以上1.4kcal/100ml以下、0.4kcal/100ml以上8.0kcal/100ml以下、0.4kcal/100ml以上7.7kcal/100ml以下、0.4kcal/100ml以上5.0kcal/100ml以下、0.4kcal/100ml以上4又は4.0kcal/100ml以下、0.4kcal/100ml以上3.8kcal/100ml以下、0.4kcal/100ml以上2.0kcal/100ml以下、0.4kcal/100ml以上1.6kcal/100ml以下、0.4kcal/100ml以上1.4kcal/100ml以下、1kcal/100ml以上8.0kcal/100ml以下、1kcal/100ml以上7.7kcal/100ml以下、1kcal/100ml以上5.0kcal/100ml以下、1kcal/100ml以上4又は4.0kcal/100ml以下、1kcal/100ml以上3.8kcal/100ml以下、1kcal/100ml以上2.0kcal/100ml以下、1kcal/100ml以上1.6kcal/100ml以下、又は1kcal/100ml以上1.4kcal/100ml以下となり得る。 飲料におけるカロリーは、基本的に健康増進法に関連して公表されている「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に従って算出する。すなわち、原則として、定量した各種栄養成分の量に、それぞれの成分のエネルギー換算係数(タンパク質:4kcal/g、脂質:9kcal/g、糖質:4kcal/g、食物繊維:2kcal/g、アルコール:7kcal/g、有機酸:3kcal/g)を乗じたものの総和として算出することができる。詳細は、「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」を参照されたい。飲料に含まれる各栄養成分量の具体的な測定手法は、健康増進法「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に記載の各種分析法に従えばよい。または、財団法人 日本食品分析センターに依頼すれば、このような熱量及び/又は各栄養成分量を知ることができる。 (その他の添加物) 本発明では、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、様々な成分を添加してもよい。例えば、甘味料、香料、酵母エキス、カラメル色素等の着色料、コーンや大豆などの植物タンパク質及びペプチド含有物等のタンパク質系物質、食物繊維やアミノ酸などの調味料、アスコルビン酸等の酸化防止剤、各種酸味料を、本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて添加することができる。 (ビールテイスト飲料の製造) 本発明のビールテイスト飲料は、例えば以下に記載の方法で製造することができる。 すなわち、麦芽等の麦の他、必要に応じて他の穀物、でんぷん、糖類、苦味料、又は着色料などの原料を仕込釜又は仕込槽に投入し、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行ない、ろ過し、必要に応じてホップなどを加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除く。糖化工程、煮沸工程、固形分除去工程などの条件は、適宜好ましい条件を選択すればよい。 本明細書でいう麦とは、ビールや発泡酒の製造において一般的に用いられる、外見が類似するイネ科の穀物(通常は、その実である)及びその加工品を意味する。前記麦として、例えば、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦等が挙げられ、好ましくは大麦を用いる。上記の麦は、発芽した麦、未発芽の麦のいずれでもよいが、本発明においては発芽した麦が好ましい。当該発芽した麦のうち麦芽がさらに好ましい。本明細書でいう麦芽とは、発芽した麦を乾燥し、除根したものをいう。これらの麦は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を複数組合わせて用いてもよい。 ビールテイスト飲料においては、香味がビールに類似する傾向にあることから、原料の一部にホップを用いることが望ましい。ホップを使用する際には、ビール等の製造に使用される通常のペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキスを、所望の香味に応じて適宜選択して使用することができる。また、イソ化ホップ、還元ホップなどのホップ加工品を用いてもよい。本発明におけるホップには、これらのものが包含される。また、ホップの添加量は特に限定されないが、典型的には、飲料全量に対して0.0001重量%以上、1重量%以下程度である。 本発明のビールテイスト飲料は、アルコールが生成しない非発酵性の方法によって製造することが好ましい。例えば、発酵工程を経ることなく、上記固形分除去工程に次いで、貯蔵、炭酸ガス添加、濾過、容器詰め、必要により殺菌の工程を経て、非発酵のノンアルコールビールテイスト飲料を得ることができる。 本発明の技術は、低エキス分であれば、いずれのビールテイスト飲料に対しても適用することができる。例えば、アルコール度数が1%以下の低アルコールのビールテイスト飲料についても適用することができる。このような低アルコールのビールテイスト飲料は、発酵工程を経て製造してもよい。例えば、上記固形分除去工程に次いで、酵母を添加して発酵を行なわせ、ろ過機などで酵母を取り除いて製造することができる。発酵条件は、公知の知見に基づいて適宜設定すればよい。必要であれば、膜処理や希釈などの公知の方法によりアルコール濃度を低減させることもできる。あるいは、発酵工程を経る代わりに、非発酵のノンアルコールビールテイスト飲料にスピリッツなどアルコール分を有する原料を添加することによって、低アルコールのビールテイスト飲料を製造してもよい。 更に、貯蔵、必要により炭酸ガス添加、濾過、容器詰め、必要により殺菌の工程を経て、低アルコールのビールテイスト飲料を得ることができる。 本発明の製造方法は、ビールテイスト飲料のエキス分の総量が2.0重量%以下となるようにエキス分の総量を調整する工程を含む。エキス分の好ましい総量及びその調整方法等は、ビールテイスト飲料に関して上記した通りである。 また、本発明の製造方法は、ビールテイスト飲料のpHを、pH調整剤により2.7以上4.5以下に調整する工程も含む。好ましいpH範囲、用いられ得るpH調整剤、その好ましい例、使用量等は、ビールテイスト飲料に関して上記した通りである。 また、当該製造方法は、必要に応じて、ビールテイスト飲料における糖質の含有量を調整する工程も含む。飲料中の糖質の含有量等は、ビールテイスト飲料に関して上記した通りである。 また、当該製造方法は、必要に応じて、ビールテイスト飲料におけるカロリーを調整する工程も含む。飲料中のカロリー値等は、ビールテイスト飲料に関して上記した通りである。 エキス分の総量、pH、糖質の含有量、カロリーの調整は、製造工程の内のいずれのタイミングで行ってもよい。例えば、いずれかの工程の前、最中、又は後において行ってもよく、また、複数の工程の前、最中又は後で行ってもよい。最終的な飲料において、目的の範囲内となればよい。例えば、pHを調整する工程は、製造の容易性から、濾過前に行うのが好ましい。 上記の調整工程の順序は限定されず、また、それらの工程の2以上を同時に行ってもよい。 (飲み応え及び適度な酸味の付与方法) 本発明のビールテイスト飲料は、エキス分の総量が2.0重量%以下となるようにエキス分の総量が調整され、飲料のpHが2.7以上4.5以下に調整されることにより、飲み応え感と適度な酸味が付与される。 本発明の飲み応え及び適度な酸味の付与方法は、ビールテイスト飲料のエキス分の総量が2.0重量%以下となるようにエキス分の総量を調整する工程を含む。エキス分の好ましい総量及びその調整方法等は、ビールテイスト飲料に関して上記した通りである。 また、当該方法は、ビールテイスト飲料のpHを、pH調整剤により2.7以上4.5以下に調整する工程も含む。好ましいpH範囲、用いられ得るpH調整剤、その好ましい例、使用量等は、ビールテイスト飲料に関して上記した通りである。 また、当該方法は、必要に応じて、ビールテイスト飲料における糖質の含有量を調整する工程も含む。飲料中の糖質の含有量等は、ビールテイスト飲料に関して上記した通りである。 また、当該方法は、必要に応じて、ビールテイスト飲料におけるカロリーを調整する工程も含む。飲料中のカロリー値等は、ビールテイスト飲料に関して上記した通りである。 エキス分の総量、pH、糖質の含有量、カロリーの調整は、ビールテイスト飲料製造における、又は製造後のいずれのタイミングで行ってもよい。例えば、いずれかの製造工程の前、最中、又は後において行ってもよく、また、複数の工程の前、最中又は後で行ってもよい。最終的な飲料において、目的の範囲内となればよい。例えば、pHを調整する工程は、製造の容易性から、濾過前に行うのが好ましい。 上記の調整工程の順序は限定されず、また、それらの工程の2以上を同時に行ってもよい。 飲み応え感や適度な酸味の評価は、よく訓練された評価者による官能試験により評価することができる。 <容器詰飲料> 本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料は、容器に充填・密閉して、容器詰めとすることができる。いずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、ビン、缶、樽、又はペットボトルが挙げられる。 実施例において、具体例を挙げて本発明について説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。 [実施例1] <ノンアルコールのビールテイスト飲料の製造> ノンアルコールのビールテイスト飲料を、以下の方法により製造した。麦芽20kgを適当な粒度に粉砕して仕込槽に入れ、これに120Lの温水を加え、約50℃のマッシュを作った。50℃で30分保持後、徐々に昇温して65℃〜72℃で60分間、糖化を行った。糖化が完了したマッシュを77℃まで昇温後、麦汁濾過槽に移し濾過を行い、濾液を得た。 得られた濾液の一部をとり、温水を加え、その際、濾液と温水の混合割合は、煮沸完了時のエキス分の総量が約4.0重量%になるよう調整した。製造スケールを100Lとし、ホップを約100g、市販のカラメル色素(クラスI)約40gを添加し、100℃で80分間煮沸した。煮沸後の液からオリを分離し、約2℃に冷却した。 当該冷却液の一部をとり、最終製品のエキス分の総量が、0.01重量%となるように冷水を適量添加して希釈した。pH調整剤として乳酸を用い、当該希釈液に対して、pH調整剤(1回目)、酸化防止剤、香料、甘味料を各々適量加え、約24時間貯蔵した。その後、pH調整剤(2回目)を添加し、炭酸ガスを適量添加し、濾過・瓶詰め・殺菌(65℃以上で10分間加熱)の工程を経て、非発酵のノンアルコールビールテイスト飲料を調製した。pH調整剤(1回目と2回目)の量を調整することにより、pHが5.5の対照品1、及び、それよりもpH調整剤を多く用いたpHが3.0の発明品1を調製した。同様にして、pHが5.5に調整された対照品2〜5(エキス分の総量が0.1〜2.0重量%)、及びpHが3.0に調整された発明品2〜5(エキス分の総量が0.1〜2.0重量%)を調製した。 <香味の評価> 上記において製造されたビールテイスト飲料の飲み応えを、評点法による官能試験により評価した。その際、通常のビールや発泡酒に比較して、本試験の試料のエキス分の総量は極めて低いことを念頭に、ボディ感、口当たりの強さやコクについて総合的に飲み応えとして評価した。専門パネリスト4名が、飲み応えの程度を、4点満点:「感じる」=4点、「やや感じる」=3点、「わずかに感じる」=2点、「感じない」=1点で評価し、評価点の平均を算出した。平均点に応じて3段階の評価を設けた: 平均点1.0以上〜2.0未満 ×; 平均点2.0以上〜3.0未満 △; 平均点3.0以上〜4.0以下 ○。 結果を表1に示す。 エキス分の総量が0.01重量%の発明品1及び対照品1を比較すると、pHが3.0に調整された発明品1は、pHが5.5に調整された対照品1に比べて、飲み応えの評価が良かった。エキス分の総量が0.1重量%の発明品2及び対照品2との比較においても同様に、pHが3.0に調整された発明品2は、pH5.5の対照品2に比べて、飲み応えの評価が良かった。エキス分の総量が高くなるにつれて、pHが3.0に調整された発明品とpHが5.5に調整された対照品の飲み応えに対する評価の差は小さくなる傾向が示されたが、エキス分の総量が高くとも2.0%以下、より好ましくは1.0%以下であれば、本発明品は、対照品に比べて、飲み応えがあることが示された。即ち、エキス分の総量が2.0重量%以下、好ましくは1.0重量%以下という極端にエキス分の総量が低い飲料においては、pHをコントロールすることによって、飲み応えの付与効果が得られることがわかった。 [実施例2] <pHの至適範囲の検討> エキス分の総量が0.1重量%に調整されたノンアルコールのビールテイスト飲料を実施例1の方法に準じて製造した。その際、pH調整剤(1回目と2回目)を添加することにより、飲料のpHを2.5に調整して対照品6、pHを2.7〜4.5に調整して本発明品6〜10、そしてpHを5.0〜6.0に調整して対照品7及び8を製造した。 得られた各ビールテイスト飲料の飲み応えと酸味を評価した。専門パネリスト4名が評点法による官能試験を行い、4点満点で飲み応えと酸味を評価した。 飲み応えの評価については実施例1の方法に準じた。 酸味については、「感じない」=4点、「わずかに感じる」=3点、「やや感じる」=2点、「感じる」=1点と評価した。 評価点の平均点を算出し、平均点に応じて3段階の評価を設けた: 平均点1.0以上〜2.0未満 ×; 平均点2.0以上〜3.0未満 △; 平均点3.0以上〜4.0以下 ○。 結果を表2に示す。飲み応えの評価結果より、pHが5.0及び6.0に調整された対照品7及び8は、飲み応えの評価が悪かった。一方、pHが4.5以下に調整された発明品6〜10及び対照品6については、飲み応えの評価が良いことが示された。 酸味の評価結果より、pHが2.5に調整された対照品6については、酸味の評価が低かった。一方、pHが2.7以上に調整された発明品6〜10及び対照品7及び8については、酸味の評価は良好であった。 以上のことより、飲み応えと酸味のいずれにおいても良好な評価が得られたのは、pHが2.7〜4.5に調整された発明品6〜10のみであることが示された。pHを2.7〜4.5の範囲にすることによって、エキス分の総量が低いビールテイスト飲料に不快な酸味を発生させることなく、飲み応えを与えることができることが示された。 [製造例1] <ノンアルコールビールテイスト飲料の製造> エキス分の総量が所望の範囲内(0.2重量%、0.3重量%、及び0.4重量%)にある、本発明のビールテイスト飲料(発明品11〜13)を、以下の方法により製造した。麦芽20kg(全麦芽のうち色麦芽であるカラメル麦芽の占める割合が60重量%)を用い、麦芽を適当な粒度に粉砕したものを仕込槽に入れ、これに120Lの温水を加え、約50℃のマッシュを作った。50℃で30分保持後、徐々に昇温して65℃〜72℃で60分間、糖化を行った。糖化が完了したマッシュを77℃まで昇温後、麦汁濾過槽に移し濾過を行い、濾液を得た。得られた濾液の一部をとり、温水を加え、その際、濾液と温水の混合割合は、煮沸完了時のエキス分の総量が目標とする値になるよう調整した。製造スケールを100Lとし、ホップを約100g添加し、100℃で80分間煮沸をした。煮沸後の液からオリを分離し、約2℃に冷却後、酸化防止剤、香料、酸味料(最終的に得られる飲料のpHが3.5となる量の乳酸を添加)、甘味料、必要によりカラメル色素を各々適量加えて約24時間貯蔵した。その間、炭酸ガスを適量添加した。その後、濾過・瓶詰め・殺菌(65℃以上で10分間加熱)の工程を経て、本発明のビールテイスト飲料11〜13を得た。エキス分の総量が0.2重量%である発明品11のアルコール度は0.00%で、カロリーは0.7kcal/100ml、糖質は0.2g/100mlであった。エキス分の総量が0.3重量%である発明品12のアルコール度は0.00%で、カロリーは1.2kcal/100ml、糖質は0.3g/100mlであった。エキス分の総量が0.4重量%である発明品13のアルコール度は0.00%で、カロリーは1.6kcal/100ml、糖質は0.4g/100mlであった。これらの飲料の味(飲み応え及び酸味)は良好であり、発明品7〜9と比較して遜色なかった。 [製造例2] <ノンアルコールビールテイスト飲料の製造> 実施例1と同様の方法により、エキス分の総量が0.35重量%、pHが4.2又は3.2に調整された、本発明のビールテイスト飲料を2種類製造した。製造された2種類のビールテイスト飲料のアルコール度数は0.00%、カロリーは1.4kcal/100ml、糖質は0.3g/100mlであった。この飲料の味(飲み応え及び酸味)は良好であり、発明品7〜9と比較して遜色なかった。 [製造例3] <ノンアルコールのビールテイスト飲料の製造> 実施例1と同様の方法により、エキス分の総量が0.45重量%、pHが4.2又は3.2に調整された、本発明のビールテイスト飲料を2種類製造した。製造された2種類のビールテイスト飲料のアルコール度数は0.00%で、カロリーは2kcal/100ml、糖質は0.4g/100mlであった。この飲料の味(飲み応え及び酸味)は良好であり、発明品7〜9と比較して遜色なかった。 [製造例4] <低アルコールビールテイスト飲料の製造> カラメル麦芽の占める割合が50重量%の麦芽を用いて、実施例1と同様の方法(使用する糖化後の濾液の量は調整した)にて、エキス分の総量が0.2重量%であるビールテイスト飲料を製造した。これらにエタノール濃度が0.95v/v%となるようエタノール水溶液を添加し、アルコール度数が1%未満のビールテイスト飲料を製造した。この飲料のアルコール度は0.95%で、カロリーは6.1kcal/100ml、糖質は0.1g/100mlであった。この飲料の味(飲み応え及び酸味)は良好であった。 [製造例5] <ノンアルコールのビールテイスト飲料の製造> pH調整剤としてコハク酸を用いて、ノンアルコールのビールテイスト飲料を製造した。pH調整剤としてコハク酸を用いたこと以外は、製造例2と同様の方法により、エキス分の総量が0.35重量%、pHが4.2又は3.2に調整された、本発明のビールテイスト飲料を2種類製造した。製造された2種類のビールテイスト飲料のアルコール度数は0.00%で、カロリーは2kcal/100ml、糖質は0.4g/100mlであった。この飲料の味(飲み応え及び酸味)は良好であった。 [実施例3] pH調整剤としてクエン酸またはリンゴ酸を用いて、実施例2の方法に準じて、表3に示すノンアルコールのビールテイスト飲料を製造した。エキス分の総量はそれぞれ、0.6重量%(クエン酸)または1重量%(リンゴ酸)とした。得られたビールテイスト飲料について、飲み応えと酸味を評価した。専門パネリスト5名が評点法による官能試験を行い、4点満点で飲み応えと酸味を評価した。評価基準は、実施例1及び2と同じであった。結果を表3に示す。 pH調整剤としてクエン酸またはリンゴ酸を用いた場合についても、pHを一定の範囲にすることによって、エキス分の総量が低いビールテイスト飲料に不快な酸味を発生させることなく、飲み応えを与えることができることが示された。 [実施例4] pH調整剤としてリン酸を用いてノンアルコールのビールテイスト飲料を製造した。この飲料は、pH調整剤としてリン酸を用いたこと以外は実施例2に準じて製造した。また、別に、pH調整剤として乳酸とリン酸を併用して、ビールテイスト飲料を製造した。pH調整剤としては、あらかじめ、乳酸とリン酸(モル比で1:1)を混合したものを用いた。それ以外は実施例2に準じて、この飲料を製造した。得られたノンアルコールのビールテイスト飲料について、飲み応えと酸味を評価した。専門パネリスト5名が評点法による官能試験を行い、4点満点で飲み応えと酸味を評価した。評価基準は、実施例1及び2と同じであった。結果を表4および表5に示す。 pH調整剤として、リン酸を用いた場合、または、乳酸とリン酸を併用した場合についても、pHを一定の範囲にすることによって、エキス分の総量が低いビールテイスト飲料に不快な酸味を発生させることなく、飲み応えを与えることができることが示された。 エキス分の総量が2.0重量%以下であるビールテイスト飲料であって、pHが2.7以上4.5以下である、前記飲料。 エキス分の総量が1.0重量%以下である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。 エキス分の総量が0.5重量%以下である、請求項2に記載のビールテイスト飲料。 エキス分の総量が0.3重量%以下である、請求項3に記載のビールテイスト飲料。 エキス分の総量が0.01重量%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。 pHが3.0以上4.5以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。 pHが3.0以上4.2以下である、請求項6に記載のビールテイスト飲料。 pH調整剤として、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、コハク酸、及びそれらの塩からなる群から選択される一種又はそれ以上を含んでなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。 pH調整剤として、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、及びコハク酸からなる群から選択される一種又はそれ以上を含んでなる、請求項8に記載のビールテイスト飲料。 pH調整剤として、乳酸又はその塩及びクエン酸又はその塩、乳酸又はその塩及びリン酸又はその塩、乳酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、乳酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びリン酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、リン酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、リン酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、及びリンゴ酸又はその塩及びコハク酸又はその塩からなる、酸又は塩の組み合わせの群から選択される一又はそれ以上の組み合わせを含んでなる、請求項8又は9に記載のビールテイスト飲料。 カロリーが8.0kcal/100ml以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。 カロリーが5.0kcal/100ml以下である、請求項11に記載のビールテイスト飲料。 カロリーが2.0kcal/100ml以下である、請求項12に記載のビールテイスト飲料。 カロリーが1.4kcal/100ml以下である、請求項13に記載のビールテイスト飲料。 カロリーが0.04kcal/100ml以上である、請求項11〜14のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。 糖質の含量が2.0g/100ml以下である、請求項1〜15のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。 糖質の含量が0.5g/100ml以下である、請求項16に記載のビールテイスト飲料。 糖質の含量が0.3g/100ml以下である、請求項17に記載のビールテイスト飲料。 糖質の含量が0.01g/100ml以上である、請求項16〜18のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。 ビールテイスト飲料がノンアルコールのビールテイスト飲料である、請求項1〜19のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。 ビールテイスト飲料が非発酵のビールテイスト飲料である、請求項1〜20のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。 ビールテイスト飲料の製造方法であって、 飲料のエキス分の総量が2.0重量%以下となるようにエキス分の総量を調整する工程、及び 前記飲料のpHをpH調整剤により2.7以上4.5以下に調整する工程、を含む、前記方法。 飲料のエキス分の総量が1.0重量%以下となるようにエキス分の総量を調整する、請求項22に記載の製造方法。 飲料のエキス分の総量が0.5重量%以下となるようにエキス分の総量を調整する、請求項23に記載の製造方法。 飲料のエキス分の総量が0.3重量%以下となるようにエキス分の総量を調整する、請求項24に記載の製造方法。 飲料のエキス分の総量が0.01重量%以上となるようにエキス分の総量を調整する、請求項22〜25のいずれか1項に記載の製造方法。 飲料のpHを3.0以上4.5以下に調整する、請求項22〜26のいずれか1項に記載の製造方法。 飲料のpHを3.0以上4.2以下に調整する、請求項27に記載の製造方法。 pH調整剤が、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、コハク酸、及びそれらの塩からなる群から選択される一種又はそれ以上を含んでなる、請求項22〜28のいずれか1項に記載の製造方法。 pH調整剤が、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、及びコハク酸からなる群から選択される一種又はそれ以上を含んでなる、請求項29に記載の製造方法。 pH調整剤が、乳酸又はその塩及びクエン酸又はその塩、乳酸又はその塩及びリン酸又はその塩、乳酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、乳酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びリン酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、リン酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、リン酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、及びリンゴ酸又はその塩及びコハク酸又はその塩からなる、酸又は塩の組み合わせの群から選択される一又はそれ以上の組み合わせを含んでなる、請求項29又は30に記載の製造方法。 ビールテイスト飲料のカロリーを8.0kcal/100ml以下に調整する工程をさらに含む、請求項22〜31のいずれか1項に記載の製造方法。 ビールテイスト飲料のカロリーを5.0kcal/100ml以下に調整する、請求項32に記載の製造方法。 ビールテイスト飲料のカロリーを2.0kcal/100ml以下に調整する、請求項33に記載の製造方法。 ビールテイスト飲料のカロリーを1.4kcal/100ml以下に調整する、請求項34に記載の製造方法。 ビールテイスト飲料のカロリーを0.04kcal/100ml以上に調整する、請求項32〜35のいずれか1項に記載の製造方法。 ビールテイスト飲料中の糖質の含量を2.0g/100ml以下に調整する工程をさらに含む、請求項22〜36のいずれか1項に記載の製造方法。 ビールテイスト飲料中の糖質の含量を0.5g/100ml以下に調整する、請求項37に記載の製造方法。 ビールテイスト飲料中の糖質の含量を0.3g/100ml以下に調整する、請求項38に記載の製造方法。 ビールテイスト飲料中の糖質の含量を0.01g/100ml以上に調整する、請求項37〜39のいずれか1項に記載の製造方法。 ビールテイスト飲料がノンアルコールのビールテイスト飲料である、請求項22〜40のいずれか1項に記載の製造方法。 非発酵性の方法である、請求項22〜41のいずれか1項に記載の製造方法。 ビールテイスト飲料への飲み応え及び適度な酸味の付与方法であって、飲料のエキス分の総量が2.0重量%以下となるようにエキス分の総量を調整し、飲料のpHをpH調整剤により2.7以上4.5以下に調整することによる、前記方法。 飲料のエキス分の総量が1.0重量%以下となるようにエキス分の総量を調整する、請求項43に記載の方法。 飲料のエキス分の総量が0.5重量%以下となるようにエキス分の総量を調整する、請求項44に記載の方法。 飲料のエキス分の総量が0.3重量%以下となるようにエキス分の総量を調整する、請求項45に記載の方法。 飲料のエキス分の総量が0.01重量%以上となるようにエキス分の総量を調整する、請求項43〜46のいずれか1項に記載の方法。 pHを3.0以上4.5以下に調整する、請求項43〜47のいずれか1項に記載の方法。 pHを3.0以上4.2以下に調整する、請求項48に記載の方法。 pH調整剤が、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、コハク酸、及びそれらの塩からなる群から選択される一種又はそれ以上を含んでなる、請求項43〜49のいずれか1項に記載の方法。 pH調整剤が、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、及びコハク酸からなる群から選択される一種又はそれ以上を含んでなる、請求項50に記載の方法。 pH調整剤が、乳酸又はその塩及びクエン酸又はその塩、乳酸又はその塩及びリン酸又はその塩、乳酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、乳酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びリン酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、リン酸又はその塩及びリンゴ酸又はその塩、リン酸又はその塩及びコハク酸又はその塩、及びリンゴ酸又はその塩及びコハク酸又はその塩からなる、酸又は塩の組み合わせの群から選択される一又はそれ以上の組み合わせを含んでなる、請求項50又は51に記載の方法。 ビールテイスト飲料のカロリーを8.0kcal/100ml以下に調整する工程をさらに含む、請求項43〜52のいずれか1項に記載の方法。 ビールテイスト飲料のカロリーを5.0kcal/100ml以下に調整する、請求項53に記載の方法。 ビールテイスト飲料のカロリーを2.0kcal/100ml以下に調整する、請求項54に記載の方法。 ビールテイスト飲料のカロリーを1.4kcal/100ml以下に調整する、請求項55に記載の方法。 ビールテイスト飲料のカロリーを0.04kcal/100ml以上に調整する、請求項53〜56のいずれか1項に記載の方法。 ビールテイスト飲料中の糖質の含量を2.0g/100ml以下に調整する工程をさらに含む、請求項43〜57のいずれか1項に記載の方法。 ビールテイスト飲料中の糖質の含量を0.5g/100ml以下に調整する、請求項58に記載の方法。 ビールテイスト飲料中の糖質の含量を0.3g/100ml以下に調整する、請求項59に記載の方法。 ビールテイスト飲料中の糖質の含量を0.01g/100ml以上に調整する、請求項58〜60のいずれか1項に記載の方法。 ビールテイスト飲料がノンアルコールのビールテイスト飲料である、請求項43〜61のいずれか1項に記載の方法。 非発酵性の方法である、請求項43〜62のいずれか1項に記載の方法。 【課題】エキス分の総量が低いビールテイスト飲料であっても飲み応え感が付与された飲料の提供。【解決手段】具体的には、エキス分の総量が2.0重量%以下の低いビールテイスト飲料において、pH調整剤として、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、コハク酸、及びそれらの塩からなる群から選択される一種又はそれ以上を加え、pHを2.7〜4.5に調整することにより、飲み応えの付与された飲料になる。糖質の含量が、2.0g/100ml以下、特に好ましくは0.01g/100mlであり、カロリーが8.0kcal/100ml以下であり、特に好ましくは0.04〜1.4kcal/100mlであるビールテイスト飲料。該ビールテイスト飲料が非発酵のビールテイストである。【選択図】なし