タイトル: | 公開特許公報(A)_胆汁酸同時分析方法 |
出願番号: | 2013159727 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | G01N 30/88,G01N 30/72,G01N 30/26,G01N 30/34,G01N 30/14 |
中井 恵子 江見 怜子 JP 2015031541 公開特許公報(A) 20150216 2013159727 20130731 胆汁酸同時分析方法 株式会社LSIメディエンス 591122956 川口 嘉之 100100549 佐貫 伸一 100126505 丹羽 武司 100131392 中井 恵子 江見 怜子 G01N 30/88 20060101AFI20150120BHJP G01N 30/72 20060101ALI20150120BHJP G01N 30/26 20060101ALI20150120BHJP G01N 30/34 20060101ALI20150120BHJP G01N 30/14 20060101ALI20150120BHJP JPG01N30/88 LG01N30/72 CG01N30/26 AG01N30/34 EG01N30/14 Z 9 1 OL 16 本発明は、生体由来の試料中に含まれる多種類の胆汁酸を同時に分析する方法に関する。 胆汁の主要構成成分として知られる胆汁酸は、ステロイド核を有する炭素数24のカルボン酸である。中でも、コール酸、ジヒドロキシコール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸が主要な胆汁酸であるが、水酸基の数や位置、配置の異なる構造類似体が多数存在する。 胆汁酸は、肝臓で生合成された一次胆汁酸が、腸管で微生物による代謝・変換を受け二次胆汁酸となり、胆嚢に輸送され更に胆嚢から十二指腸へ分泌される。 胆汁酸の機能としては、十二指腸において脂質とミセルを形成し、腸管からの脂質の吸収に重要な役割を果たしていることが知られている。一方で、高濃度ではその界面活性作用から生体膜を溶かすなどの毒性を有し、濃度により機能が異なることを示す報告もあるなど、その役割が十分には解明されていない。 個別の胆汁酸を分析する方法としては、酵素を使用する方法、抗体を使用する方法、などが古くから知られていた。しかし、個別の胆汁酸を分析して得られる情報だけでは十分とは言えず、組織や血中における濃度やその分布を示すプロファイルを明らかにしていくことが求められている。しかし、胆汁酸についての研究は十分に進んでいるとは言い難い。その理由の一つとして、適切な同時分析の方法が存在しないことが挙げられる。 HPLCなどの機器分析法の発達により、特定の胆汁酸だけを分析対象とするのではなく、試料中に含まれる胆汁酸を同時に分析すること(特許文献1)、更に、質量分析装置を備えたLC−MSを使用することによって高感度な同時分析をすること(特許文献2、非特許文献1)が報告されているが、これらは同時分析とはいってもその分析可能な胆汁酸の種類に制限があるなど、未だ十分なものではなかった。特開平4−365500号公報特開2003−139753号公報J. Lipid Res. 50; 173−180, 2009 特許文献1ではHPLCによる胆汁酸の同時分析方法が開示されているが、分離用と酵素反応用の2種類のカラムを使用しなければならず煩雑であり、前処理から分析まで必要な時間が長いといった問題がある。 特許文献2ではHPLCと質量分析(MS)を組み合わせたLC−MSによる胆汁酸の同時分析方法が開示されているが、分析に必要とする検体量が多すぎること、分析可能な胆汁酸成分の種類数が十分でないこと、特許文献1の方法よりは短縮されているものの、それでも分析時間が長いなどの問題がある。 非特許文献1ではHPLCよりも高感度に分離を行える超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)とMSを組み合わせたUPLC−MSによる胆汁酸の同時分析方法が開示されている。しかし、分析に必要とする検体量が多いこと、ヒトやマウスに比べて血中胆汁酸濃度の高いラットの血漿中胆汁酸の分析結果であるため、高感度な分析方法とは言い難いといった問題がある。 また、適切な分析方法が存在しない理由として前処理方法が挙げられる。前処理操作により試料中に含有される胆汁酸の損失が起こり、同時分析を妨げる要因と成っている。この損失を回避するためには、抽出工程と濃縮工程を複数回繰り返して行う必要があり、分析を行う際の煩雑さが増す原因となっていた。 従って、本発明は多種類の胆汁酸を、簡便且つ高感度に、同時に分析する方法を提供することを課題とする。 本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、UPLCとMSを組み合わせて測定することで20種類以上の胆汁酸を同時に分析することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。 すなわち、本発明は以下を提供する。(1)試料中に含まれる、α−ムリコール酸(αMCA)、β−ムリコール酸(βMCA)、コール酸(CA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)、デオキシコール酸(DCA)、ヒオコール酸(HCA)、ヒオデオキシコール酸(HDCA)、12−ケトリトコール酸(KLCA)、リトコール酸(LCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、グリコ−α−ムリコール酸(GαMCA)、グリコ−β−ムリコール酸(GβMCA)、グリココール酸(GCA)、グリコケノデオキシコール酸(GCDCA)、グリコデオキシコール酸(GDCA)、グリコヒオコール酸(GHCA)、グリコヒオデオキシコール酸(GHDCA)、グリコリトコール酸(GLCA)、グリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)、タウロ−α−ムリコール酸(TαMCA)、タウロ−β−ムリコール酸(TβMCA)、タウロコール酸(TCA)、タウロケノデオキシコール酸(TCDCA)、タウロデオキシコール酸(TDCA)、タウロヒオコール酸(THCA)、タウロヒオデオキシコール酸(THDCA)、タウロリトコール酸(TLCA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)、の中から選ばれた組み合わせである20種類以上の胆汁酸を同時に分析する方法であって、(i)UPLCにより試料に含まれる胆汁酸を分離する工程、(ii)前記(i)の工程で分離された胆汁酸を質量分析計で分析する工程、を含む方法。(2)前記20種類以上の胆汁酸は、12−ケトリトコール酸、グリコヒオコール酸、タウロ−β−ムリコール酸、タウロヒオコール酸、タウロウルソデオキシコール酸のいずれかを少なくとも1種類以上含む、(1)に記載の方法。(3)前記胆汁酸が23種類以上である、(1)又は(2)に記載の方法。(4)UPLCによって胆汁酸を分離する前記工程(i)において、UPLCの移動相に蟻酸とアセトニトリルを使用する、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。(5) 前記工程(i)が、移動相中でのアセトニトリルの濃度を増大させる工程を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。(6) 前記工程(i)が、移動相中でのアセトニトリルの濃度を第1のアセトニトリル濃度から第2のアセトニトリル濃度まで増大させる工程を含み、アセトニトリル濃度を20%〜70%の範囲内で増大させる、(5)に記載の方法。(7) 前記工程(i)が、移動相中での蟻酸の濃度を減少させる工程を含む、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。(8) 前記工程(i)が、移動相中での蟻酸濃度を第1の蟻酸濃度から第2の蟻酸濃度まで減少させる工程を含み、蟻酸濃度を0.08%〜0.03%の範囲内で減少させる、(7)に記載の方法。(9)(i)試料に試料の倍量以上のエタノールを添加する工程、 (ii)4℃で15,000回転、3分間遠心分離する工程、 (iii)遠心分離後の試料の上清を得る工程、 を含む試料前処理工程を含む、(1)〜(8)のいずれかに記載の方法。(10)前記前処理法の工程(i)において、試料に添加する溶媒に、更に、クロロホルム、およびメタノールを添加する、(9)に記載の方法。 本発明によれば、多種類の胆汁酸を、簡便且つ高感度に、同時に分析し同定、定量することが可能である。例えば、少ない検体量で、かつ、従来よりも大幅に短い時間で高感度に分析することが可能である。また、ラットだけでなく血中胆汁酸濃度が低いヒト、マウスにおいても、試料中に含まれる胆汁酸を分析することが可能である。図1は、健常人血漿中に含まれる胆汁酸を同時分析した結果である。図2は、糖尿病モデルのラットを使用して、血漿中に含まれる胆汁酸を同時分析した結果である。図3は、糖尿病モデルのマウスを使用して、血漿中に含まれる胆汁酸を同時分析した結果である。 以下において、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。 本発明において、α-ムリコール酸(αMCA)、β−ムリコール酸(βMCA)、コール酸(CA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)、デオキシコール酸(DCA)、ヒオコール酸(HCA)、ヒオデオキシコール酸(HDCA)、12−ケトリトコール酸(KLCA)、リトコール酸(LCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、グリコ−α−ムリコール酸(GαMCA)、グリコ−β−ムリコール酸(GβMCA)、グリココール酸(GCA)、グリコケノデオキシコール酸(GCDCA)、グリコデオキシコール酸(GDCA)、グリコヒオコール酸(GHCA)、グリコヒオデオキシコール酸(GHDCA)、グリコリトコール酸(GLCA)、グリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)、タウロ−α−ムリコール酸(TαMCA)、タウロ−β−ムリコール酸(TβMCA)、タウロコール酸(TCA)、タウロケノデオキシコール酸(TCDCA)、タウロデオキシコール酸(TDCA)、タウロヒオコール酸(THCA)、タウロヒオデオキシコール酸(THDCA)、タウロリトコール酸(TLCA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)など既知の胆汁酸28種類を分析対象とすることができる。これらの胆汁酸のうち、20種類以上を適宜必要に応じて組み合わせて、同時分析の対象とすることができる。どの胆汁酸を選択するかは当業者であれば選択することができる。少なくとも20種以上、好ましくは22種以上、より好ましくは23種以上、さらに好ましくは24種以上の胆汁酸を選択して同時に分析することができる。 また、上記同時分析の対象とする胆汁酸は、12−ケトリトコール酸、グリコヒオコール酸(GHCA)、タウロ−β−ムリコール酸(TβMCA)、タウロヒオコール酸(THCA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)のうち少なくとも1種類以上の胆汁酸を含むことが好ましい。 上記胆汁酸に加え、UPLCによって分離された未知の胆汁酸についても分析対象とすることができる。該未知の胆汁酸を分析対象とした場合、或いは、未知の胆汁酸であると推定された場合には、本発明の分析方法によって得られた結果に加えて、当業者であれば適宜方法を選択して、構造を推定し胆汁酸であることを同定することができる。 新規の胆汁酸であることが同定された場合には、本発明の分析方法において得られた結果を用いて、胆汁酸の同定、定量に使用することができる。 本発明において分析対象とする動物種は、ヒト、サルなどの霊長目、マウス、ラットなどの齧歯目、ウサギなどの重歯目、ブタなどの偶蹄目、鳥類を対象として使用することができるが、ヒト、マウス、ラットを分析対象とすることが好ましい。特に、ヒト、マウス等の胆汁酸含有量の低い動物においては特に有用性が高い。 分析に使用することのできる検体の種類は、上記動物生体に由来し胆汁酸を含む生体試料であればよく、例えば、血液、組織、尿、便、胆汁などが好ましい。 上記生体試料は、本発明の方法による分析前に、適宜前処理に供されてもよい。前処理としては、例えば、希釈、濃縮、凍結、融解、加熱、乾燥、破砕、懸濁、滅菌、固形分の除去、固相抽出などが挙げられる。本発明において前処理は、分析対象とする胆汁酸の種類や夾雑物の種類等の諸条件に応じて適宜選択できるが、熱エタノール抽出法、酸を加える方法などによって前処理することで蛋白質などの分離阻害物質を除去することができる。より簡便に前処理を行うために、抽出に用いられるエタノールの組成や洗浄用および溶出用溶媒の組成を、分析対象の胆汁酸の種類や夾雑物の種類等の諸条件に応じて適宜選択してもよい。また、該前処理は、単独の方法で実施してもよく、適宜複数の方法を組み合わせて行ってもよい。 本発明においては、エタノール抽出法を改変してより簡便に実施することができる。これは、溶出液をそのまま生体試料として使用できることから、少量の検体で分析可能となる点で好ましい。また、適宜濃縮等して生体試料として分析に供することもできる。 具体的には、ポリプロピレン製マイクロチューブに血漿試料20μlを採取し、エタノールを80μl及び内部標準溶液(IS)を20μl添加して攪拌し、4℃で15,000回転、3分間遠心分離を行う。遠心分離後に得られた上清は、分析試料として使用することができる。このような前処理操作は、UPLCのような高感度の分析装置を使用した場合に特に効果を発揮し、大幅な時間短縮を図れることに加えて、以下に記載する容器への吸着防止の観点からも好ましい。 従来使用されているエタノールを使用した前処理法は、エタノールに加えてクロロホルムやメタノールなどと組み合わせて実施されており、エタノール単独で前処理を行うことは困難であると考えられていたところ(J.lipid res.45;295−300,2004)、エタノールのみで蛋白質等の夾雑物質を除去することができ、しかもUPLC−MSのような高感度な機器分析において使用可能な試料が得られたことは意外な効果であった。 前処理工程によって得られた試料は適宜LC−MSに適した溶媒に溶解して使用することができる。生体試料を溶媒に溶解させる場合、生体試料に含まれる分析対象とする胆汁酸がポリプロピレン等へ吸着するのを防止できる組成の溶媒を用いるのが好ましい。分析対象とする胆汁酸の標準物質を溶媒に溶解させる場合も同様である。そのような溶媒組成は、分析対象とする胆汁酸の種類等の諸条件に応じて適宜選択できるが、例えば、水と蟻酸を適宜混合した液を希釈液として使用することができる。溶媒中の酸の濃度は、例えば、0.1%〜5%であってよく、例えば、生体試料由来の胆汁酸を分析対象とする場合、溶媒として0.1%蟻酸を使用することができる。 前記前処理を施された胆汁酸を含む試料の分析は、液体クロマトグラフ(LC)装置と質量分析計(MS)を利用して実施することができる。液体クロマトグラフ装置と質量分析計は、互いに直列に接続されていてもよいし、それぞれ独立した装置であってもよい。本発明の方法に用いられる装置としては、例えば、液体クロマトグラフ装置と質量分析計を直列につないで構成された、LC−MSシステムを用いることができる。LC−MSシステムを用いることにより、液体クロマトグラフィーにより分離された成分を、続けて質量分析することができる。また、液体クロマトグラフィーに質量分析装置を接続したLC−MS以外にも、LC−MS/MS、LC−MS/MS/MSなどを使用することができる。 液体クロマトグラフ装置としては、より迅速に高感度で分離分析が可能なUPLC装置を用いる。UPLC、すなわち、超高速液体クロマトグラフィーは100MPa程度での高圧送液が可能な液体クロマトグラフィーのことを意味し、超高速液体クロマトグラフィー(Ultra High Performance Liquid Chromatography,UHPLC)とも呼ばれ、より高速・高分離能での分析が可能な装置をさす。本発明においては、UPLCの他、UHPLC等と称されるものもUPLC装置に含まれる。 UPLC装置は、分離カラム、および分離溶液を分離カラムに送り込むポンプを備える点においてHPLC装置と共通し、それ以外の要素、例えば、オートサンプラー、ヒーター、分離された成分を検出する検出器等、を備えていてもよい。検出器としては、例えば、UV検出器や示差屈折率計が挙げられる。 UPLCは、高圧に耐え得る粒子を充填したカラムを使用しており、HPLC装置に比べてより迅速に高感度で分離分析が可能な点で好ましい。 UPLCによる分離条件はHPLCの条件設定を行う場合の検討と同様に行うことができ、当業者であれば適宜条件を設定できる。また、既知のHPLC分析法の条件をUPLCに適用する場合には、ACQUITY UPLC Columns Calculatorなどのソフトウェアを使用して条件検討を行うこともできる。 液体クロマトグラフィーに用いられる分離溶液(移動相)は、例えば、水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、などが挙げられる。特に本発明においては蟻酸とアセトニトリルを使用して分析を行うことが好ましい。蟻酸およびアセトニトリルを含有する溶液、例えば水溶液、である。蟻酸を利用することにより、適度に、液体クロマトグラフィーによる分離を向上させつつ、質量分析の際の胆汁酸のイオン化を促進できる。また、アセトニトリルを利用することにより、液体クロマトグラフィーにおける溶出時間を調節でき、且つ、質量分析による胆汁酸の検出感度を向上できる。分離溶液は、分析対象の胆汁酸を分析できる限り、他の成分を含有していてもよい。 更に、上記溶媒に加えて、分離溶液として蟻酸とアセトニトリルを使用する場合には添加剤は使用せずに実施することが可能であるが、分離溶液のpHを安定させる目的で、添加剤を加えて使用することもできる。使用可能な添加剤としては、酢酸、水酸化アンモニウム、蟻酸アンモニウム(塩濃度=10mM以下)、酢酸アンモニウム(塩濃度=10mM以下)、不揮発性塩(リン酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩等)、トリフルオロ酢酸(TFA)、トリエチルアミン(TEA)、テトラヒドロフラン(THF)などが挙げられる。本発明の分析法では、必要に応じて適宜添加剤を使用することができる。 UPLCによる分離工程においては、生体試料中に含有される分析対象の胆汁酸が他の成分と分離され、且つ、分析対象の複数種類の胆汁酸どうしが全て分離されカラムから溶出されるように、分離溶液の組成を適宜変化させることができる。すなわち、分離工程においては、分離溶液中の蟻酸および/またはアセトニトリルなどの分離溶液の濃度を変化させることができる。蟻酸およびアセトニトリルは、分離工程の全期間において分離溶液に含有されていてもよく、そうでなくてもよい。変化は、連続的な変化(グラジエント)であってもよく、断続的な変化(ステップワイズ)であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。グラジエントやステップワイズの条件は、分析対象の胆汁酸の種類や夾雑物の種類等の諸条件に応じて適宜設定できる。具体的なグラジエントの条件としては、例えば、後述する実施例に記載の条件が挙げられる。同条件は、特に、生体試料中に含まれる胆汁酸を同時分析する際に好適に用いることができる。なお、以下のグラジエントに関する説明は、ステップワイズにも準用できる。 具体的には、分離工程は、分離溶液中のアセトニトリル濃度を増大させる工程を含んでいてよい。すなわち、例えば、分離溶液中のアセトニトリル濃度(v/v)が第1の濃度(M1)から第2の濃度(M2)まで徐々に増大するよう、アセトニトリル濃度にグラジエントをかけることができる。M1およびM2は、分析対象とする胆汁酸の種類や夾雑物の種類等の諸条件に応じて適宜設定できる。M1は、例えば、0%以上、10%以上、または20%以上であってよい。M2は、例えば、20%以上または30%以上であってよく、70%以下であってよい。具体的には、例えば、分離溶液中のアセトニトリル濃度(v/v)が20%から70%まで徐々に上昇するよう、アセトニトリル濃度にグラジエントをかけてよい。アセトニトリル濃度の変化速度は、一定であってもよく、そうでなくてもよい。アセトニトリル濃度は、M1からM2に変化するまでに、増減を繰り返してもよい。アセトニトリル濃度は、M2に到達した後、さらに変化してもよい。例えば、アセトニトリル濃度は、M2に到達した後、さらに増大してもよく、減少してもよく、増減を繰り返してもよい。例えば、アセトニトリル濃度は、M2に到達した後、再度M1に変化するまでに増減を繰り返してもよい。例えば、M2に到達した後、20%まで減少してもよい。 また、具体的には、分離工程は、分離溶液中の蟻酸濃度を減少させる工程を含んでいてよい。すなわち、例えば、分離溶液中の酢酸濃度(v/v)がA1からA2まで徐々に減少するよう、蟻酸濃度にグラジエントをかけることができる。A1およびA2は、分析対象の胆汁酸の種類や夾雑物の種類等の諸条件に応じて適宜設定できる。A1およびA2は、例えば、0.08%〜0.03%の範囲内で設定することができる。具体的には、例えば、分離溶液中の蟻酸濃度(v/v)が0.08%から0.03%まで徐々に減少するよう、蟻酸濃度にグラジエントをかけてよい。蟻酸濃度の変化速度は、一定であってもよく、そうでなくてもよい。蟻酸濃度は、増減を繰り返してもよい。蟻酸濃度は、A2に到達した後、さらに変化してもよい。例えば、蟻酸濃度は、A2に到達した後、さらに減少してもよく、増大してもよく、増減を繰り返してもよい。例えば、蟻酸濃度は、M2に到達した後、0.08%まで増大してもよい。 濃度のグラジエントは、組成の異なる2種またはそれ以上の溶液を、混合比率を変化させながら混合することで、形成することができる。溶液の組み合わせは、所望のグラジエントが形成されるよう、適宜選択することができる。 グラジエントは、蟻酸およびアセトニトリルの濃度にまとめてかけてよい。例えば、蟻酸を含有しアセトニトリルを含有しない第1の溶液と、アセトニトリルを含有し蟻酸を含有しない第2の溶液とを、混合比率を変化させながら混合することで、蟻酸およびアセトニトリルの両濃度にグラジエントをかけることができる。第1の溶液としては、例えば、蟻酸そのものや蟻酸含有水溶液が挙げられる。第2の溶液としては、アセトニトリルそのものやアセトニトリル含有水溶液が挙げられる。 2種またはそれ以上の溶液を混合して分離溶液を調製する場合、当該2種またはそれ以上の溶液中の蟻酸およびアセトニトリルの濃度は、混合後の分離溶液中の蟻酸およびアセトニトリルの濃度が上記例示した分離溶液中の蟻酸およびアセトニトリルの濃度となるよう、混合比率に応じて適宜設定することができる。例えば、蟻酸含有水溶液とアセトニトリルとを混合して分離溶液として用いる場合、蟻酸含有水溶液中の蟻酸濃度(v/v)は、0.05%以上または0.1%以上であってよく、0.4%以下または0.2%以下であってよい。同場合の蟻酸含有水溶液中の蟻酸濃度(v/v)は、具体的には、例えば、0.1%〜0.2%であってよい。 分離溶液のpHは、分析対象とする胆汁酸の種類や夾雑物の種類等の諸条件に応じて適宜設定できる。 分離溶液の組成及びpHの好ましい範囲は、液体クロマトグラフィーに続いて実施される質量分析において分析対象とする胆汁酸のイオン化効率が高くなるように設定することができる。すなわち、具体的には、分析対象とする胆汁酸がカラムから溶出される時点の分離溶液の組成及びpHが、質量分析において分析対象とする胆汁酸のイオン化効率が高くなるように設定されるのが好ましく、例えば、イオン化された割合を示すイオンカウントを使用して分離溶液の組成及びpHを設定することもできる。 液体クロマトグラフィーにおける分離溶液の流速は、分離カラムの内径等の諸条件に応じて適宜選択できる。分離溶液の流速は、分離工程を通じて一定であってもよく、そうでなくてもよい。分離溶液の流速は、例えば、0.2〜1.0mL/minであってよく、0.8mL/minが好ましい。また、液体クロマトグラフィーにおけるカラム温度は、分析対象の胆汁酸の種類等の諸条件に応じて適宜選択できる。カラム温度は、例えば、40〜70℃であってよく、具体的には50℃であってよい。 液体クロマトグラフィーに用いられる分離カラムは、特に制限されず、分析対象の胆汁酸の種類や夾雑物の種類等の諸条件に応じて適宜選択できる。分離カラムとしては、逆相カラムを用いることができる。逆相カラムとしては、例えば、オクタデシルシリル化シリカゲル充填剤を充填したカラム(ODSカラム)、C8カラム、C2カラム、これらにイオン交換樹脂を配合したカラムが挙げられる。特に、UPLCによる分析を行う場合には、粒径が2.0μm以下のオクタデシルシリル化シリカゲル充填剤を充填したカラム(ODSカラム)を使用することが好ましく、更に好ましくは粒径が1.7μm以下のODSカラムが好ましい。 質量分析計は、公知の質量分析計が使用できるが、特にLC装置に直列に接続することが可能なものは簡便に使用できるので好ましい。用いられる質量分析計は、1つであってもよく、2つまたはそれ以上であってもよい。2つまたはそれ以上の質量分析計は、直列に接続して用いることができる。すなわち、LC−MSシステムは、例えば、直列に接続された2つまたはそれ以上の質量分析計を備える、LC−MS/MSやLC−MS/MS/MSであってよい。具体的には、例えば、Xevo TQ MS(Waters社製)が挙げられる。 質量分析計における検出方式としては、例えば、イオントラップ型、四重極型、四重極タンデム型、イオントラップ四重極ハイブリッド型、セクター型、飛行時間型、および四重極飛行時間ハイブリッド型が挙げられる。質量分析計におけるイオン化法としては、エレクトロスプレー法(ESI)、大気圧化学イオン化法(APCI)、高速原子衝撃法(FAB)、光イオン化法(APPI)、および音速イオン化法(SSI)が挙げられる。検出方式やイオン化法は、分析対象とする胆汁酸の種類等の諸条件に応じて適宜選択できる。 質量分析により得られるイオンの検出比率(イオン比)は物質固有の値であるため、標準品の分析により得られたイオン比と生体試料の分析により得られたイオン比を比較して、生体試料に含まれる胆汁酸を同定することができる。具体的には、分析対象とする胆汁酸について精製された或いは合成された胆汁酸を標準品として使用し、標準品を分析して得られるクロマトグラムと分析対象とする試料から得られたクロマトグラムとを比較して、試料中に含まれる胆汁酸を同定することができる。 また、標準品が存在しない胆汁酸については、それが未知の胆汁酸である場合には、UPLCによって分離された物質が胆汁酸であることを構造推定などによって確認した上で、本発明の同時分析の対象に加えることができる。未知の胆汁酸を確認する方法は当業者であれば適宜選択して実施することが可能であり、例えば、単離精製などをして胆汁酸であることを確認することができる。 質量分析の結果に基づき、分析対象の胆汁酸を定量することができる。胆汁酸の定量は、常法により行うことができる。具体的には、例えば、検出された分析対象の胆汁酸のピーク面積値を濃度既知の内部標準物質のピーク面積値で除したピーク面積比に基づいて、分析対象の胆汁酸を定量することができる。 UPLC装置、質量分析計、それらに備わる各種要素は、上記例示した分析条件を参照して、分析対象の胆汁酸の種類や夾雑物の種類等の諸条件に応じて適宜選択できる。 ヒトを対象に分析を行う場合、疾患が疑われる患者、例えば糖尿病患者を分析対象として試料中の胆汁酸を同時分析により同定、定量してそのプロファイルを健常人と比較することで疾患特有のマーカー探索や治療により変化するマーカー探索などに使用することができる。 また、疾患様の症状を呈するモデル動物を対象に分析を行い、特定の疾患マーカーの探索や、薬剤のスクリーニング等に使用することもできる。 例えば、病態モデル動物としては、糖尿病のモデルマウス(db/db)、モデルラット(ZDF及びZDL)を使用することができる。正常ラットと糖尿病モデルラット、又は、正常マウスと糖尿病モデルマウスを比較した場合において、特徴的な変化を示す胆汁酸成分、或いは病態のステージ等と関連付けた場合の胆汁酸全体のプロファイル等から、上記マーカー探索や薬剤スクリーニング等を実施することもできる。 糖尿病モデルラットにおいては、正常ラットと比較して、ヒオデオキシコール酸(HDCA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)、デオキシコール酸(DCA)、α−ムリコール酸(αMCA)、β−ムリコール酸(βMCA)、コール酸(CA)、グリココール酸(GCA)及びタウロコール酸(TCA)の濃度が著しく変化しており、当該胆汁酸成分を指標としてマーカーとしたり、薬剤スクリーニング等をすることができる。 糖尿病モデルマウスにおいては、正常マウスと比較して、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)、デオキシコール酸(DCA)、コール酸(CA)、グリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)、グリコデオキシコール酸(GDCA)、グリココール酸(GCA)、タウロケノデオキシコール酸(TCDCA)、タウロ−β−ムリコール酸(TβMCA)及びタウロコール酸(TCA)の濃度が著しく変化しており、当該胆汁酸成分を指標としてマーカーとしたり、薬剤スクリーニング等をすることができる。 また、生体肝臓を模倣した肝細胞培養系において、様々な薬物処理条件下や遺伝子型における胆汁酸組成の分析を行うことで、ヒト肝細胞から排泄される代謝物の推定やヒト肝細胞を用いた薬物胆汁うっ滞の評価に使用することができる。 次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、下記実施例は本発明について具体的な認識を得る一助としてのみ挙げたものであり、これによって本発明の範囲が何ら制限されるものではない。実施例1;試薬の調製 本発明に使用する標準物質として、本発明の検討においては表1に示した胆汁酸をそれぞれ購入して使用したが、これらに限定されることなく、一般に購入可能な胆汁酸の中から適宜選択して使用することができる。 内部標準物質(IS)には、ナプラタム(和光純薬工業社製)を用いた。また、標準溶液及び内標準溶液は,エタノール(純正化学社製)で調製した。 水は純粋製造装置(メルク社製)で精製したものを用いた。前処理における除蛋白液として、エタノール(純正化学社製)を用いた。希釈液には水とギ酸(和光純薬工業社製)を1000:1(v/v)の割合で混合したものを使用した。UPLCの移動相Aには、水とギ酸を1000:1、v/vの割合で混合したもの、移動相Bにはアセトニトリル(純正化学社製)を用いた。ニードル洗浄液にはメタノール(純正化学社製)を用いた。また、ブランク血漿として、ヒトブランク血漿を「コージンバイオ社」から購入し,使用した。実施例2;試料の前処理 ポリプロピレン製マイクロチューブに血漿試料(検量線の場合は水)20μLを採取した。エタノール(検量線試料の場合は混合標準溶液)80μL及び内部標準溶液(IS)を20μL添加後撹拌し、4°Cで15,000回転、3分間遠心分離を行った。得られた上清80μLを採取し、希釈液を80μL添加後攪拌したものを、分析試料とした。実施例3;胆汁酸の分析 実施例1において調製した胆汁酸溶液を用いて、表3に示すUPLCによる分離条件及び表3に示すMSによる胆汁酸の同定、定量条件によって、胆汁酸の同時分析を試みた。分析装置としては、UPLC装置(ACQUITY Ultra Performance LC、Waters社製)、質量分析装置(Xevo TQ MS、Waters社製)を使用した。 その結果、図1のようなクロマトグラムが得られ、胆汁酸24成分が全て分離され、一度に同定、定量を行うことが可能であった。実施例4;マウス、ヒト、ラットの結果 ラット、マウスの血漿を用いて血漿中の胆汁酸同時分析を試みた。前処理方法及び分析方法は実施例2及び3に記載の方法と同様の方法で行った。 その結果、ヒト以外のマウス及びラットを使用した場合においても血漿中の胆汁酸を同時分析し同定、定量することが可能であった。ヒト、マウス、ラットの結果を比較した結果を表4に示す。比較例1;生化学的手法を用いた総胆汁酸濃度の分析 血漿中の総胆汁酸濃度を、生化学的試薬を使用して分析し、本発明の方法との比較を行った。分析試薬としては酵素サイクリング法(3α−HSD)法による総胆汁酸測定用試薬(アクアオート カイノス TBA試薬、カイノス社製)を、分析装置には自動生化学分析装置(TBA−200FR、東芝製)を使用し、分析方法は分析試薬の能書に記載の方法に従って実施した。 生化学的試薬によって分析された総胆汁酸濃度と、本発明により定量された各胆汁酸成分分析値の合計を比較したところ、ほぼ一致する結果となり、本発明の分析方法が血漿中の胆汁酸分析に有用であることが確認された(表5)。マウスの総胆汁酸濃度については、検出下限未満となり、濃度を決定することができなかったが、ヒトだけでなくラットを使用して分析した結果についても同様に血漿中の総胆汁酸濃度とほぼ一致する値となった。実施例5;病態モデル動物を使用した胆汁酸の同時分析 本発明の胆汁酸同時分析法を用いて、疾患特異的なマーカーとして使用可能な胆汁酸が存在するか、その探索を試みた。 糖尿病の病態モデルとされる実験動物を使用して、血漿中の胆汁酸の分析を行った。病態モデル動物として、マウス(db/db)、ラット(ZDF及びZDL)を対象としそれぞれの血漿中に含まれる胆汁酸の同時分析を、実施例2及び3に記載の方法で行った。 分析結果を表6に示す。それぞれの成分について得られた定量値をグラフで示した(図2,3)。 正常ラットと比較して、糖尿病モデルラットにおいては、ヒオデオキシコール酸(HDCA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)、デオキシコール酸(DCA)、α−ムリコール酸(αMCA)、β−ムリコール酸(βMCA)、コール酸(CA)、グリココール酸(GCA)及びタウロコール酸(TCA)の濃度が著しく変化していることが見出された。 また、正常マウスと比較して、糖尿病モデルマウスにおいては、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)、デオキシコール酸(DCA)、コール酸(CA)、グリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)、グリコデオキシコール酸(GDCA)、グリココール酸(GCA)、タウロケノデオキシコール酸(TCDCA)、タウロ−β−ムリコール酸(TβMCA)及びタウロコール酸(TCA)の濃度が著しく変化していることが見出された。 以上のように、胆汁酸を同時に分析することによって、マウスとラットとでは変化の見られる胆汁酸の種類に違いがあり、そのプロファイルが異なることが見出されたことから、新たなマーカーの探索やモデル動物を使用した薬剤のスクリーニングに有用である可能性が示唆された。 本発明によれば、多種類の胆汁酸を同時に分析し同定、定量することが可能である。しかも、少ない検体量で、かつ、従来よりも大幅に短い時間で高感度に分析することが可能である。また、ヒトだけでなく、ラット、マウスに由来する試料を使用して試料中に含まれる胆汁酸を分析することが可能である。ヒトや疾患様の症状を呈するモデル動物を対象にして、疾患特有のマーカー探索薬剤のスクリーニング等に使用することもできる。 試料中に含まれる、α−ムリコール酸(αMCA)、β−ムリコール酸(βMCA)、コール酸(CA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)、デオキシコール酸(DCA)、ヒオコール酸(HCA)、ヒオデオキシコール酸(HDCA)、12−ケトリトコール酸(KLCA)、リトコール酸(LCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、グリコ−α−ムリコール酸(GαMCA)、グリコ−β−ムリコール酸(GβMCA)、グリココール酸(GCA)、グリコケノデオキシコール酸(GCDCA)、グリコデオキシコール酸(GDCA)、グリコヒオコール酸(GHCA)、グリコヒオデオキシコール酸(GHDCA)、グリコリトコール酸(GLCA)、グリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)、タウロ−α−ムリコール酸(TαMCA)、タウロ−β−ムリコール酸(TβMCA)、タウロコール酸(TCA)、タウロケノデオキシコール酸(TCDCA)、タウロデオキシコール酸(TDCA)、タウロヒオコール酸(THCA)、タウロヒオデオキシコール酸(THDCA)、タウロリトコール酸(TLCA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)、の中から選ばれた組み合わせである20種類以上の胆汁酸を同時に分析する方法であって、(i)超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)により試料に含まれる胆汁酸を分離する工程、(ii)前記(i)の工程で分離された胆汁酸を質量分析計で分析する工程、を含む方法。 前記20種類以上の胆汁酸は、12−ケトリトコール酸、グリコヒオコール酸、タウロ−β−ムリコール酸、タウロヒオコール酸、タウロウルソデオキシコール酸のいずれかを少なくとも1種類以上含む、請求項1に記載の方法。 前記胆汁酸が23種類以上である、請求項1又は2に記載の方法。 UPLCによって胆汁酸を分離する前記工程(i)において、UPLCの移動相に蟻酸とアセトニトリルを使用する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 前記工程(i)が、移動相中でのアセトニトリルの濃度を増大させる工程を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。 前記工程(i)が、移動相中でのアセトニトリルの濃度を第1のアセトニトリル濃度から第2のアセトニトリル濃度まで増大させる工程を含み、アセトニトリル濃度を20%〜70%の範囲内で増大させる、請求項5に記載の方法。 前記工程(i)が、移動相中での蟻酸の濃度を減少させる工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。 前記工程(i)が、移動相中での蟻酸濃度を第1の蟻酸濃度から第2の蟻酸濃度まで減少させる工程を含み、蟻酸濃度を0.08%〜0.03%の範囲内で減少させる、請求項7に記載の方法。(i)試料に試料の倍量以上のエタノールを添加する工程、(ii)4℃で15,000回転、3分間遠心分離する工程、(iii)遠心分離後の試料の上清を得る工程、を含む試料前処理工程を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。 【課題】多数の胆汁酸を、簡便且つ高感度に、同時に分析する方法の提供。【解決手段】試料中に含まれる20種類以上の胆汁酸を同時に分析する方法であって、(i)超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)により試料に含まれる胆汁酸を分離する工程、(ii)前記(i)の工程で分離された胆汁酸を質量分析計で分析する工程、を含む方法。【選択図】図1