タイトル: | 公開特許公報(A)_洗浄剤組成物 |
出願番号: | 2013151409 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | C11D 1/06,C11D 3/20,A61K 8/37,A61K 8/33,A61Q 19/00 |
鬼塚 恵育 荒居 彩子 遠野 弘美 松江 由香子 JP 2015021087 公開特許公報(A) 20150202 2013151409 20130722 洗浄剤組成物 クラシエホームプロダクツ株式会社 306018365 鬼塚 恵育 荒居 彩子 遠野 弘美 松江 由香子 C11D 1/06 20060101AFI20150106BHJP C11D 3/20 20060101ALI20150106BHJP A61K 8/37 20060101ALI20150106BHJP A61K 8/33 20060101ALI20150106BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20150106BHJP JPC11D1/06C11D3/20A61K8/37A61K8/33A61Q19/00 1 OL 8 4C083 4H003 4C083AA032 4C083AA112 4C083AC122 4C083AC172 4C083AC231 4C083AC232 4C083AC542 4C083AC712 4C083AD041 4C083AD042 4C083AD202 4C083AD332 4C083CC23 4C083EE06 4C083EE07 4C083EE12 4H003AB05 4H003BA12 4H003DA02 4H003EB04 4H003EB05 4H003ED02 4H003ED28 4H003FA18 4H003FA21 4H003FA39本発明は洗浄剤組成物に関し、詳しくは、洗浄時に角質層のアミノ酸を洗い流さない溶出抑制効果によって肌のうるおいを保ち、泡立ち、泡質(クリーミィ性)も良好な洗浄剤組成物に関する。従来の洗浄剤組成物には、泡立ちが早く、低刺激な界面活性剤としてドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウムに代表されるヒドロキシエーテルカルボン酸型界面活性剤を配合しているもの(例えば、特許文献1、2参照。)がある。しかしながら、これらの洗浄剤組成物は、泡立ちや泡質(クリーミィ性)、洗浄時における角質層のアミノ酸を洗い流さない溶出抑制効果の点では、十分に要望を満たしているとはいえなかった。ヒドロキシエーテルカルボン酸型界面活性剤を配合する洗浄剤組成物において、泡立ちや泡質(クリーミィ性)の向上や、タオルドライ後の滑らかさやしっとりとした肌感触の付与を両立させる目的で、油性成分を配合すること(例えば、特許文献3参照。)や、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルアリルアンモニウム共重合体とヒドロキシアルキル多価アルコール化合物を配合すること(例えば、特許文献4参照。)や、N−アシルアミノ酸塩を配合すること(例えば、特許文献5参照。)が知られている。しかしながら、これらを配合した場合でも、洗浄時における角質層のアミノ酸を洗い流さない溶出抑制効果の点では満足のいくものではなく、また油性成分やヒドロキシアルキル多価アルコール化合物を配合した場合には、常温から低温において白濁しやすいという問題がある。また、ヒドロキシエーテルカルボン酸型界面活性剤を配合する洗浄剤組成物において、刺激性の低下や、使用性、安定性の向上の目的で多価アルコールを配合するもの(例えば、特許文献6、7参照。)がある。しかしながら、他の多価アルコールと比べてジプロピレングリコールが特に洗浄時における角質層のアミノ酸を洗い流さない溶出抑制効果に優れていることについて技術的思想を示唆するものは何ら開示されていなかった。なお、本出願人は、洗浄時における角質層のアミノ酸を洗い流さない溶出抑制効果の目的で、アニオン性界面活性剤とN−アセチルグルコサミンを組み合わせること(例えば、特許文献8参照。)を提案している。特公平07−122072号公報特公平06−096490号公報特許第5078130号公報特開2007−254573号公報特開平07−304652号公報特許第4442792号公報特開2006−028096号公報特開2012−116898号公報上記従来技術を背景とした本発明の目的は、洗浄時に角質層のアミノ酸を洗い流さない溶出抑制効果によって肌のうるおいを保ち、泡立ち、泡質(クリーミィ性)も良好な洗浄剤組成物を提供することにある。本発明者等は、本発明の目的を達成するために鋭意研究した結果,ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウムと、ジプロピレングリコールを特定比率で組み合わせて配合すれば、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(a)ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム、及び(b)ジプロピレングリコールを含有し、含有比(a):(b)が1:1〜1:10であることを特徴とする洗浄剤組成物である。本発明によれば、洗浄時に角質層のアミノ酸を洗い流さない溶出抑制効果によって肌のうるおいを保ち、泡立ち、泡質(クリーミィ性)も良好な洗浄剤組成物を提供することができる。以下、本発明の洗浄剤組成物について詳細に説明する。本発明で用いられる(a)ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウムの配合量は特に限定されないが、泡立ち、泡質の点から0.01〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましい。また(a)成分は市販品を用いることができ、例えば三洋化成工業株式会社製のビューライトSHAAなどがこれに該当する。本発明で用いられる(b)ジプロピレングリコールは、重量比で(a):(b)=1:1〜1:10となるよう配合することが必須である。(b)成分が(a)成分1に対して1よりも小さいと、洗浄時における角質層のアミノ酸を洗い流さない溶出抑制効果が低下し、(b)成分が(a)成分1に対して10よりも大きい場合では泡立ちや泡質(クリーミィ性)が阻害される。角質層のアミノ酸を洗い流さない溶出抑制効果と、泡立ち、泡質(クリーミィ性)をより両立させるためには、(a):(b)=1:5〜1:8が好ましい。本発明の皮膚洗浄剤組成物は、上述した成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン化高分子、非イオン性高分子、粉体(顔料、色素、樹脂等)、防腐剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、パール化剤、中和剤、pH調整剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。上記アニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、例えばα−ラウロイルスルホン酸ナトリウム、ミリストイルアリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテル硫酸カリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、パルチミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸グルタミン酸カリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。上記両性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、β−アミノプロピオン酸ナトリウム、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。上記ノニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばポリオキシエチレンセチルエーテル、モノステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノイソステアレート、ポリオキシエチレンジオレイン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。上記カチオン化高分子としては、特に限定されるものではないが、例えば塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]グァーガム、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、及びアクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。上記非イオン性高分子としては、特に限定されるものではないが、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、及びポリビニルアルコール等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。また、上記粉体としては、例えば赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状など)に特に制限はない。上記生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。上記生理活性成分は、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分や、化合物等が挙げられるが、これらの中でも、特に天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が安全性の点で好ましい。上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分の例としては、例えばアシタバエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アロエエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カキョクエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クロレラエキス、クワエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コラーゲン、サルビアエキス、サボンソウエキス、サンザシエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、センキュウエキス、センブリエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウニンエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、ブクリョウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。また、上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分以外の成分としては、例えばデオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミン類(A、B2、B6、C、D、E)、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤、l−メントール、ハッカ油等の冷感剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤等が挙げられる。次に本発明の洗浄剤組成物について実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。実施例に先立ち、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。a)ヒト洗浄試験ヒト前腕内側部を用い、ガラス製カップを装着し、実施例及び比較例の各処方の洗浄剤組成物溶液を適用し洗浄液状態を再現した。評価は角質層のバリア機能を示す経表皮水分蒸散量(TEWL)と、回収した洗浄液からアミノ酸量を測定した。それぞれの測定条件を以下に示す。1)TEWL測定洗浄液を回収後に十分にすすぎ洗いし、残った水分を拭き取った後、TewameterTM300(CK社製)を用いて定められた方法に従い測定した。尚、測定は22℃50%RHの環境下、20分間順化させた後に行った。2)アミノ酸溶出量回収した洗浄液中のアミノ酸量を市販のHPLCシステムにて分析した。システムは島津製作所のHPLCを使用し、カラムはWakosil−PTCaアミノ酸分析用カラムを用い、検出はUV(254nm)を用いた。アミノ酸溶出量及びTEWL値は、実施例及び比較例の各処方において、ジプロピレングリコールを配合しない場合の値(比較例9)を基準とし、実施例及び比較例の各処方の変化量を下記基準の評価指標とした。従って、ジプロピレングリコールを配合しない比較例9の処方では評価指標は“0”となる。 2・・・有意に減少した(P>0.05) 1・・・有意差はないが、減少傾向がある 0・・・変化なし、または増加b)使用感専門の評価者により、使用試験を実施し、1)泡立ち、2)泡質(クリーミィ性)を官能評価した。また評価の基準を次のように設定した。 ◎・・・極めて良好 評価者の85%以上が良好と回答 ○・・・良好 評価者の70%以上85%未満が良好と回答 △・・・やや悪い 評価者の55%以上70%未満が良好と回答 ×・・・悪い 評価者の55%未満が良好と回答実施例1〜7、比較例1〜9表1及び表2に示す組成のボディシャンプーを調製し、これらを使用した時のアミノ酸溶出量、TEWL、泡立ち、泡質(クリーミィ性)について調べた。結果を併せて表1に示す。表1及び表2より明らかなように、本発明の成分を用いた実施例1〜7のボディシャンプー組成物は比較例1〜9の組成物に比べていずれも優れた性能を見出した。以下、本発明の洗顔料組成物のその他の処方例を実施例8として挙げる。なお、これらの実施例の洗顔料組成物についても、アミノ酸溶出量、TEWL、泡立ち、泡質(クリーミィ性)について調べた。実施例8 洗顔料(1)ドデカン‐1,2‐ジオール酢酸エーテルナトリウム 2.0(2)ジプロピレングリコール 10.0(3)N−アセチルグルコサミン 0.1(4)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.0(5)ラウラミドプロピルベタイン 2.0(6)チャエキス 0.1(7)乳酸桿菌/ブドウ果汁発酵液 0.1(8)ヒアルロン酸ナトリウム 0.1(9)フェノキシエタノール 0.3(10)ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸三ナトリウム液 0.1(11)香料 0.2(12)精製水 残 部常法により上記組成の洗顔料を調製し、アミノ酸溶出量、TEWL、泡立ち、泡質(クリーミィ性)を評価したところ、いずれの特性も優れており良好な結果を得た。(a)ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム、及び(b)ジプロピレングリコールを含有し、含有比(a):(b)が1:1〜1:10であることを特徴とする洗浄剤組成物。 【課題】洗浄時に角質層のアミノ酸を洗い流さない溶出抑制効果によって肌のうるおいを保ち、泡立ち、泡質(クリーミィ性)も良好な洗浄剤組成物を提供する。【解決手段】(a)ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム、及び(b)ジプロピレングリコールを含有し、含有比(a):(b)が1:1〜1:10であることを特徴とする洗浄剤組成物。【選択図】なし