生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_乳化用リン脂質組成物
出願番号:2013143959
年次:2015
IPC分類:A61K 8/55,A61K 8/34,A61K 8/06,A61K 8/37,A61K 8/36,A61K 8/63,A61Q 19/00


特許情報キャッシュ

池田 隆彦 JP 2015007022 公開特許公報(A) 20150115 2013143959 20130624 乳化用リン脂質組成物 池田物産株式会社 391056701 池田 隆彦 A61K 8/55 20060101AFI20141212BHJP A61K 8/34 20060101ALI20141212BHJP A61K 8/06 20060101ALI20141212BHJP A61K 8/37 20060101ALI20141212BHJP A61K 8/36 20060101ALI20141212BHJP A61K 8/63 20060101ALI20141212BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20141212BHJP JPA61K8/55A61K8/34A61K8/06A61K8/37A61K8/36A61K8/63A61Q19/00 2 書面 8 4C083 4C083AA122 4C083AC022 4C083AC071 4C083AC072 4C083AC241 4C083AC242 4C083AC421 4C083AC422 4C083AD491 4C083AD492 4C083AD571 4C083AD572 4C083BB01 4C083CC05 4C083DD31 4C083EE01 4C083EE03 4C083FF01 本発明はリン脂質を主要成分とする乳化用組成物に関する。さらに詳しくは、界面活性剤として、植物を起源とするリン脂質を主要成分とした、化粧料の乳化に適した組成物に関する。 従来、化粧料には多種多様の界面活性剤が用いられている。その中でリン脂質は両性界面活性剤としての性質を持ち、その集合体はラメラ構造をなす2分子膜を形成する一方、球状になってリポソームを形成する。 このリン脂質は、通常工業的には、大豆、卵黄から製造されるが、近年ヒマワリの種子を起源とするものも入手できるようになった。 これらのリン脂質は従来、単独で供給され、両性界面活性剤として化粧料の乳化に用いられてきたが、他の非イオン界面活性剤やアニオン界面活性剤に比べて乳化力が小さい傾向にあり、乳化安定性の点で不安定なところがあった。そこで、乳化する油性成分によっては適切な配合量や補助的な界面活性剤を都度検討する必要があり、乳化物の調製に困難な面があった。 一方、肌の保湿を目的としたクリームの乳化粒子がラメラ構造を持つ時、肌上で「保湿」の機能をより発揮するという知見が知られており、近年幅広く研究されている。 しかしながら、このラメラ構造を持つクリームを調製するには、界面活性剤の他に特定の成分を併存させる必要があり、実用的に適切な種類、配合量を見出すことが困難であった。 本発明は、上記のような状況下でなされたものであり、リン脂質に高級アルコールを組み合わせることにより、上記の課題が解決されることを見い出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。 (1)1)リン脂質と2)高級アルコールを含有することを特徴とする乳化用リン脂質組成物。(2)更にステアリン酸グリセリル、高級脂肪酸、ダイズステロールから選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする(1)に記載の乳化用リン脂質組成物。 本発明によって得られた乳化用リン脂質組成物を用いれば、リン脂質を主乳化剤として安全で安定な、ラメラ構造の乳化粒子を持つ化粧料用乳化物を得ることができる。 以下、本発明について詳述する。本発明に含有されるリン脂質は特に限定されず、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン、或いはヒマワリの種子から得られるレシチンが用いられる。更にこれらのレシチンを精製して得られる、フォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルセリンなどのリン脂質、これらのリゾ体、或いはアシル基の不飽和結合に水素添加した水添リン脂質、水酸基を導入した水酸化レシチンなども用いることができる。 本発明の乳化用リン脂質組成物において、リン脂質は前記の1種または2種以上が含有され、その含有量は5〜50重量%である。 本発明に含有される高級アルコールは特に限定されないが、乳化粒子のラメラ構造の作り易さ、他の成分との相溶性、融点等の観点から炭素数12個から24個の直鎖アルコールが好ましい。本発明の乳化用リン脂質組成物において、高級アルコールは1種または2種以上が含有され、その含有量は10〜70重量%である。 本発明に含有されるステアリン酸グリセリル、高級脂肪酸、ダイズステロールは、他の必須成分と共にリン脂質の乳化性、特に乳化粒子のラメラ構造生成に寄与する。 本発明に含有される高級脂肪酸は特に限定されないが、乳化粒子のラメラ構造の作り易さ、他の成分との相溶性、融点等の観点から炭素数12個から24個の直鎖脂肪酸が好ましい。 本発明の乳化用リン脂質組成物において、ステアリン酸グリセリル、高級脂肪酸、ダイズステロールは、1種または2種以上が含有され、その含有量は夫々1〜70重量%である。 本発明の乳化用リン脂質組成物には上記の必須成分以外に、通常、化粧品や医薬品等の原料として使用される他の成分を配合することができる。かかる他の成分としては下記成分が例示される。 油性成分として次のものを挙げることができる。オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アボガド油、小麦胚芽油、サフラワー油、モリンガ油、綿実油、大豆油、茶実油、ヒマワリ油、月見草油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、牛脂、馬脂、カカオ脂、モクロウ等の油脂類、カルナバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリン等のロウ類、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等の炭化水素、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、オクタン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セチル、ペンタエリスリトールテトラエステル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリエチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸フィトステアリル、エトキシジグリコールベヘネート、エトキシジグリコールオレエート、ヤシ油脂肪酸ブチレングリコール等のエステル類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルシリコーン油、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、3次元網目構造シリコーン、シリコーンゴム等のシリコーン。 多価アルコールとして次のものを挙げることができる。グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ペンタンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール等。 糖類として次のものを挙げることができる。ソルビトール、マンニトール、ショ糖、乳糖、キシリトール、マルチトール、トレハロース等。 高分子化合物として次のものを挙げることができる。グアーガム、クインスシード、ペクチン、マンナン、カンテン、カラギーナン、キサンタンガム、カードラン、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン等の天然高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、POE・POP共重合体等の合成高分子、ベントナイト、ヘクトライト、マグネシウムケイ酸ナトリウム等の無機系増粘剤、両性メタクリル酸エステル共重合体、カチオン化セルロース、ポリ塩化ジメチルピペリジニウム、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、高分子シリコーン、シリコーンレジン等の被膜形成性高分子。 界面活性剤として次のものを挙げることができる。高級脂肪酸石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アシルN−メチルタウリン塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩、α‐オレフィンスルホン酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩等のアニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム等のカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油、POEアルキルエーテル、POEPOPアルキルエーテル、POEアルキルアミン・脂肪酸アミド、PEG脂肪酸エステル、アルキルアミンオキサイド等の非イオン性界面活性剤。 色剤及び粉体、粒体として次のものを挙げることができる。黒酸化鉄、ベンガラ、黄酸化鉄、群青、カーボンブラック等の無機顔料、パール顔料、有機顔料、タール色素、天然色素等の色素、タルク、カオリン、雲母、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、無水ケイ酸、酸化チタン、雲母チタン、亜鉛華、ゼオライト等の無機粉体、ナイロンパウダー、ポリエチレン末、セルロースパウダー、シルクパウダー等の有機粉体、ナイロン、ポリエチレン、セルロース、ワックス、脂肪酸エステル、天然物からなる粒体。 動植物抽出物として次のものを挙げることができる。ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のムコ多糖類、キチン・キトサン、コラーゲン、エラスチン、ペプチド等の動物抽出物、アロエエキス、オオバクエキス、オドリコソウエキス、カモミラエキス、カンゾウエキス、シコンエキス、シラカバエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、茶エキス、トウキエキス、ニンニクエキス、ニンジンエキス、ハマメリスエキス、ヒノキチオール、ビワ葉エキス、ブナの木の幼芽エキス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ヤナギランエキス、ケーパーエキス、キバナオランダセンニチエキス、クルミ種子エキス、オオヒレアザミ花エキス、モモ葉エキス、ユーカリエキス、ローズ水、アスパラゴプシスアルマタエキス等の植物抽出物。 鉱物抽出物として次のものを挙げることができる。孔雀石、菱マンガン鉱石、菱亜鉛鉱石、赤鉄鉱等の抽出物。 殺菌・防腐剤として次のものを挙げることができる。安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル(メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等)、トリクロロカルバニリド、フェノキシエタノール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン、ジンクピリチオン、トリクロサン等。 酸化防止剤として次のものを挙げることができる。没食子酸エステル、亜硫酸水素ナトリウム等。酸化防止助剤としては次のものを挙げることができる。リン酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマール酸、ケファリン、フィチン酸、EDTA等。 金属封鎖剤として次のものを挙げることができる。エデト酸塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸、リン酸、クエン酸、コハク酸、フィチン酸等。 紫外線吸収剤として次のものを挙げることができる。2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等のベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸オクチル、ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等のメトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸オクチル等のサリチル酸誘導体、ウロカニン酸等。 pH調整剤として次のものを挙げることができる。水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールアミン等のアルカリ剤、クエン酸、リン酸等の酸。 各種薬剤として次のものを挙げることができる。アルブチン、コウジ酸、ビタミンC類等の美白剤、センブリエキス、γ−オリザノール、トウガラシチンキ、ニコチン酸ベンジルエステル、エストラジオール、エチニルエストラジオール、パントテン酸、感光素301等の育毛用薬剤、β−グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、ε−アミノカプロン酸、酸化亜鉛、硫酸アルミニウム、タンニン酸、乳酸、メントール、副腎皮質ホルモン、抗ヒスタミン剤等の肌荒れ防止用薬剤、イオウ、サリチル酸、レゾルシン、塩化ベンザルコニウム、ハロカルバン等のニキビ用薬剤、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、酸化亜鉛等の制汗剤、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル(塩)、アスコルビン酸ジパルミテート等のビタミンC類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート、ビタミンEニコチネート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、タウリン、アルギニン、ヒスチジン等のアミノ酸とこれらの塩酸塩。 本発明の乳化用リン脂質組成物の剤型は液体、粉末、ペースト、固形、乳液、クリーム状、ゲル、粉末分散系など、通常の乳化用組成物として用いられる形態をとることができる。 次に本発明について、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。配合量は特に断りがない限り質量%で示す。 実施例1 乳化用リン脂質組成物(1) 大豆レシチン 30.0 ベヘニルアルコール 30.0 ステアリン酸グリセリル 30.0 ダイズステロール 10.0 100.0 実施例2 乳化用リン脂質組成物(2) 水添大豆レシチン 30.0 セチルアルコール 40.0 パルミチン酸 30.0 100.0 実施例3 乳化用リン脂質組成物(3) 卵黄レシチン 25.0 ステアリルアルコール 50.0 ステアリン酸 25.0 100.0 実施例4 乳化用リン脂質組成物(4) ヒマワリ由来レシチン 10.0 セチルアルコール 45.0 パルミチン酸 15.0 ステアリン酸グリセリル 30.0 100.0 実施例5 乳化用リン脂質組成物(5) リゾレシチン 30.0 ベヘニルアルコール 45.0 パルミチン酸 25.0 100.0 実施例6 乳化用リン脂質組成物(6) フォスファチジルコリン 10.0 ステアリルアルコール 50.0 ステアリン酸グリセリル 40.0 100.0 次に本発明の乳化用リン脂質組成物の前記実施例を用いた乳液の調製例を示す。実施例7 乳液 マカデミアナッツ油 2.0 グリセリン 5.0 乳化用リン脂質組成物(1) 2.0 防腐剤 適量 香料 適量 精製水 残部 100.0 本発明の乳化用リン脂質組成物を用いたクリームの調製例を示す。実施例8 クリーム マカデミアナッツ油 2.0 スクワラン 5.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 乳化用リン脂質組成物(2) 4.0 防腐剤 適量 香料 適量 精製水 残部 100.0 1)リン脂質と2)高級アルコールを含有することを特徴とする乳化用リン脂質組成物。 更にステアリン酸グリセリル、高級脂肪酸、ダイズステロールから選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の乳化用リン脂質組成物。 【課題】 リン脂質を化粧料の乳化に用いようとした時、非イオン界面活性剤やアニオン界面活性剤に比べて乳化力が小さい傾向にあり、乳化安定性の点で不安定なところがあり、更にラメラ構造を持つクリームを調製するには、界面活性剤の他に特定の成分を併存させる必要があるため、実用的に適切な種類、配合量を見出すことが困難であった。【解決手段】 (1)リン脂質と2)高級アルコールを含有することを特徴とする乳化用リン脂質組成物。 (2)更にステアリン酸グリセリル、高級脂肪酸、ダイズステロールから選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする(1)に記載の乳化用リン脂質組成物。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る