生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_酵素の安定化方法
出願番号:2013138572
年次:2015
IPC分類:C12N 9/96


特許情報キャッシュ

角田 洋輔 馬島 肇一 JP 2015008707 公開特許公報(A) 20150119 2013138572 20130702 酵素の安定化方法 東洋紡株式会社 000003160 角田 洋輔 馬島 肇一 C12N 9/96 20060101AFI20141216BHJP JPC12N9/96 2 OL 9 4B050 4B050CC07 4B050HH02 4B050KK11 4B050KK14 4B050LL01 4B050LL02 4B050LL03 本発明は酵素を安定化する方法に関する。 酵素は、触媒機能を持った蛋白質の一種であり、その作用が温和な条件で起こることや、触媒反応の選択性が高いことなどの特性を有することから、さまざまな用途に広く用いられている(非特許文献1)。一例を挙げると、分子生物学用途の分析用試薬、生化学用途の分析試薬、体外診断薬、液状体外診断薬、チップ状またはスリット状に加工したドライ系の体外診断薬、酵素センサーや酵素電極、医薬品、食品および飲料などである。酵素を含む組成物を長期間使用可能な状態にするためには、言うまでもなく酵素活性を安定的に保持する事が重要である。酵素を安定化するために、これまで種々の方法が検討されてきた。例えば、酵素に種々のアミノ酸、糖、ポリオール、金属イオンなどを共存させて安定化させる方法が知られている。また、その安定化機構についても研究されている(非特許文献2)。しかし、その安定化の効果は酵素の種類によって異なり、結局は試行錯誤で安定化剤を選択しているのが現状である。特表2002−517204号特許4720614号日本国特許庁ホームページ 技術分野別特許マップ 化学1 酵素利用技術(平成9年度作成)(http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/map/kouso/frame.htm)蛋白質 核酸 酵素 Vol. 30(10), pp 1115−1126 (1985) 本発明の目的は、酵素を構成成分とし、酵素の機能を利用した組成物における酵素を安定化することである。 本発明者らは、ポリ−γ−L−グルタミン酸(以下、L−PGAとも記載する。)に、酵素を安定化する効果があることを見出し、本発明を完成させた。 すなわち、本発明は以下のようなものである。(項1)ポリ−γ−L−グルタミン酸を含むことを特徴とする酵素組成物。(項2)ポリ−γ−L−グルタミン酸を酵素と共存させることを特徴とする酵素の安定化方法。 本発明により酵素が安定化するため、酵素の機能を利用した分子生物学用途の分析用試薬、生化学用途の分析試薬、体外診断薬、液状体外診断薬、チップ状またはスリット状に加工したドライ系の体外診断薬、酵素センサーや酵素電極、医薬品、食品および飲料などの組成物を、長期間使用可能な状態にすることが出来る。(ポリ−γ−L−グルタミン酸) 本発明で用いるポリ−γ−L−グルタミン酸は、L−グルタミン酸のα−アミノ基とγ−カルボキシル基とがアミド結合したポリアミノ酸であり、その構造は下記式(1)にて示される構造を有する(特許文献2)。(式(1)においてnは重合数を示す) 本発明に係る皮膚外用剤に含まれるL−PGAの平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは130万以上、より好ましくは200万以上、さらに好ましくは350万以上である。なお、ここで「平均分子量」とは、プルラン標準物質の分子量換算にて算出した数平均分子量(Mn)を意図する。L−PGAの入手方法は特に限定されず、従来公知の種々の方法で得たL−PGAを用いればよく、例えば、L−PGAを生産する微生物を用いて得たL−PGAを用いればよい。たとえば、ナトリアルバ エジプチアキア(Natrialba aegyptiaca)に属する微生物を培養し、その培養液からL−PGAを回収することにより製造することが出来る(特許文献2)。L−PGAを検出および/または定量する方法については、種々の公知の方法を用いることができ、特に限定されない。例えば、市販のL−グルタミン酸測定キット(例えばヤマサ醤油社製)を利用してもよい。酵素組成物中のL−PGAの存在がこれらのいずれかの方法により検出された場合、当該酵素組成物にはL−PGAが含まれていると推定する。(酵素組成物) 本発明の安定化の対象となる酵素は、その使用目的や種類、濃度、存在形態などは特に限定されない。例えば、酵素を構成成分とし、酵素の機能を利用した組成物中に存在するものであれば、分子生物学用途の分析用試薬、生化学用途の分析試薬、体外診断薬、液状体外診断薬、チップ状またはスリット状に加工したドライ系の体外診断薬、酵素センサーや酵素電極、医薬品、食品および飲料などの組成物が例示できる。これらの組成物は、既にそれぞれの産業分野において製造技術、利用技術が確立されている。よって、その知見を本発明に適用して、各種組成物中に存在する酵素のうち少なくとも1種を安定化することができ、その態様は特に制限されない。これらの試薬に適用する酵素は、単純蛋白質であってもよいし、ヘム、ビタミン誘導体、脂質、糖質のような非アミノ酸成分を含む複合蛋白質であってもよい。また、色素やビオチンまたはアビジンなどの標識化合物による標識、各種化合物による修飾、抗体とのコンジュゲート化等を受けていてもよい。以下に、いくつかの産業分野を採り上げて例示する。(分子生物学用途の分析用試薬)分子生物学用途の分析用試薬や研究用試薬に用いられる酵素としては、特に限定されないが、例えば、サンドイッチELISAなどに用いるペルオキシダーゼやアルカリホスファターゼが挙げられる。一般に、ペルオキシダーゼやアルカリホスファターゼは基質との酵素反応により、発色、発光、または蛍光を生じ、定性、定量を可能とする。発色基質としては各種トリンダー試薬と4−アミノアンチピリン、テトラゾリウム塩類とフエナジンメトサルフェートなどの電子キャリヤー、ロイコ系試薬などの色素類などが利用できる。発光基質としてはECL(電気化学発光)試薬や、蛍光物質である10−アセチル−3,7−ジヒドロキシフェノキサジンなどが利用できる。分子生物学用途の分析用試薬において、ペルオキシダーゼやアルカリホスファターゼは、酵素標識化合物の状態であっても良い。例えば、抗体とコンジュゲート化されたもの、抗原とコンジュゲート化されたもの、色素やビオチン、またはアビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジンなどの化合物を標識したもの等であっても、本書ではそれぞれペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼに含まれる。本発明は、これらの酵素のうち少なくとも1種の安定化に適用することができる。分子生物学用途の分析用試薬や研究用試薬に用いられる他の酵素としては、レポーターアッセイおよびその周辺分野で用いられるルシフェラーゼが挙げられる。これまでに、ホタル科、ヒカリコメツキ科、ホタルモドキ科およびイリオモテボタル科などの甲虫から分離された種々のルシフェラーゼが知られている。これらのルシフェラーゼは、さらに、発光スペクトルの波長を変える等の目的で改変を加えたものであってもよい。分子生物学用途の分析用試薬や研究用試薬に用いられる他の酵素としては、PCRやRT−PCR、およびその周辺分野で用いられるDNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、逆転写酵素などが挙げられる。DNAポリメラーゼとしては、Taq、Tthなどのfamily A(PolI型)、および、KOD、Pfuなどのfamily B(α型)が挙げられ、そのどちらであってもよい。RNAポリメラーゼとしては、T3、T7、SP6などのファージに由来するものが挙げられる。逆転写酵素は、M−MLV(Moloney Murine Leukemia Virus)やAMV(Avian Myeloblastosis Virus)などのレトロウイルスに由来するものが挙げられる。本発明は、これらの酵素のうち少なくとも1種の安定化に適用することができる。さらには、遺伝子操作やクローニングおよびその周辺分野で用いられるリガーゼ、ヌクレアーゼ、制限酵素、DNA修飾酵素、糖鎖解析およびその周辺分野で用いられる各種グリコシダーゼ、蛋白質解析およびその周辺分野で用いられる各種プロテアーゼなどが挙げられる。本発明は、これらの酵素のうち少なくとも1種の安定化に適用することができる。(生体成分測定試薬) 生体成分測定試薬用途に用いられる酵素としては、特に限定されない。生体成分測定試薬には、生化学用途の分析試薬、体外診断薬、液状体外診断薬などが含まれる。また、広義には、チップ状またはスリット状に加工したドライ系の体外診断薬、酵素センサーや酵素電極なども含まれる。これらの生体成分測定試薬は、生体成分を測定しうるように設計されていれば、その形態は問われず、測定実施時に調製してもよいし、事前に調製され保存されていてもよく、あらかじめキット化されていてもよい。生体成分測定試薬として、例えば、酵素法による生体成分測定方法に用いる試薬であって、特に酸化酵素−ペルオキシダーゼ−酸化還元発色試薬(以下、発色剤とも表記する。)系による方法、すなわち検体中の測定対象物質を酵素反応させて過酸化水素を発生させ、これをペルオキシダーゼの存在下で発色剤と反応させて比色定量する方法を利用する試薬が挙げられる。このような生体成分測定方法は既に当該技術分野において確立されている。よって、その知見を本発明に適用して、各種試料中の生体成分の量または濃度を測定することができ、その態様は特に制限されない。例えば、尿酸(UA)、クレアチニン(CRE)、トリグリセライド(TG)、コレステロール(CHO)などの生体成分等を測定するための試薬が例示できる。本発明を適用する酵素組成物において、酵素の由来等は特に限定されず、市販品などを用いることが出来る。また、酸化還元系発色試薬は、過酸化水素と反応して呈色するものであれば、いかなる種類の色素を用いてもよく、例えば水素供与体とカップラーの組み合わせ(いわゆるトリンダー試薬)、ロイコ体、テトラゾリウム塩等が挙げられる。その使用量や添加の形態などについては特に限定されない。これらはいずれも、市販品などを入手することができる。例えば、UA測定試薬は、UAを基質とするウリカーゼの反応により生成した過酸化水素をペルオキシダーゼ−発色剤系により定量するよう設計されているので、試薬にはウリカーゼおよびペルオキシダーゼが含まれる。本発明は、これらの酵素のうち少なくとも1種の安定化に適用することができる。他方、CRE測定試薬は、CREを基質とするクレアチニンアミジノヒドロラーゼの反応で生じたクレアチニンを、さらにクレアチンアミドヒドロラーゼと反応させてサルコシンを生じさせ、さらに、サルコシンをサルコシンオキシダーゼを用いて過酸化水素を生じさせる、いわゆる共役反応を設計することにより、ペルオキシダーゼ−発色剤系によるCRE濃度の定を可能にしている。したがって、この試薬には、クレアチニンアミジノヒドロラーゼ、クレアチンアミドヒドロラーゼ、サルコシンオキシダーゼおよびペルオキシダーゼが含まれる。本発明は、これらの酵素のうち少なくとも1種の安定化に適用することができる。TGを測定する場合は、TGを基質とするリポプロテインリパーゼ、および、共役酵素としてグリセロールキナーゼ、グリセロール3リン酸オキシダーゼを用いて過酸化水素を生じさせることにより、ペルオキシダーゼ−発色剤系によるTG濃度の定量が可能になる。したがって、この試薬には、リポプロテインリパーゼ、グリセロールキナーゼ、グリセロール3リン酸オキシダーゼおよびペルオキシダーゼが含まれる。本発明は、これらの酵素のうち少なくとも1種の安定化に適用することができる。上記のほか、コレステロールエステラーゼおよびコレステロールオキシダーゼを共役させてコレステロール(遊離コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロールなどのリポ蛋白分画されたコレステロールを含む)を測定する方法、プリンヌクレオチドホスホリラーゼおよびキサンチンオキシダーゼ(場合によってはさらにウリカーゼ)を共役させて無機リンまたはイノシンを測定する方法、グルコースオキシダーゼを用いてグルコースを測定する方法、ピルビン酸オキシダーゼを用いてピルビン酸を測定することによりALT(GPT)を測定する方法、などが例示できる。 ところで、これらの方法では、血清などの試料中に共存する妨害物質、例えばアスコルビン酸、ビリルビンなどの生体内還元物質の影響を受けやすい問題点が知られていたが、それぞれの妨害物質に応じて、いわゆる消去系など種々の対策が検討され、克服されてきた。例えば、アスコルビン酸に対しては、試料にアスコルビン酸オキシダーゼを作用させることにより消去できる。また、ビリルビンに対しては、試料にビリルビンオキシダーゼを作用させることにより消去できる。 さらに、数段階の共役反応を設計した場合は、反応中間体が試料に含まれることにより正誤差を発生するので、これらについても消去系が検討されている。代表的な方法は、測定対象物質に直接作用する酵素以外の酵素を試料に作用させて過酸化水素を生じさせ、反応中間体をカタラーゼで消去した後、測定対象物質に直接作用する酵素を反応系に追加して過酸化水素を発生させ、これをペルオキシダーゼの存在下で発色剤と反応させると同時に、カタラーゼの作用を事実上停止させて比色定量する方法である。CRE測定の場合は、クレアチニンアミジノヒドロラーゼ以外の酵素(クレアチンアミドヒドロラーゼおよびサルコシンオキシダーゼ)を試料に作用させて、反応中間体(クレアチンなど)に起因して発生した過酸化水素をカタラーゼで消去した後、クレアチニンアミジノヒドロラーゼを反応系に追加して、測定対象であるCREに起因して発生した過酸化水素をペルオキシダーゼの存在下で発色剤と反応させて比色定量する(このとき、同時に、カタラーゼの作用を実質的に停止させる。)方法である。 このような方法を採用した試薬には、アスコルビン酸オキシダーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、カタラーゼなどが含まれる。本発明は、これらの酵素のうち少なくとも1種の安定化に適用することができる。 酵素法による生体成分測定方法には、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)依存性脱水素酵素によるNADの酸化還元を利用する方法もある。この方法も既に当該技術分野において確立されているので、公知の方法に従い、各種試料中の生体成分の量又は濃度を測定することができる。その態様は特に限定されないが、例えば、グルコース測定用組成物の場合は、グルコース脱水素酵素反応によりNADが還元されて生じたNADHが340nmの吸収を有することを利用して、グルコースの濃度を求めることができる。あるいは、さらにDCPIPなどの電子受容体を還元させて自身はNADに戻り、DCPIPの構造が変化することによって生じる吸光度の差を比色定量することにより、グルコースの濃度を求めることができる。この方法においても、共役反応を設計することにより、いろいろな生体成分を測定することが出来る。例えば、グルコースのほか、ラクテートデヒドロゲナーゼ(LDH)による乳酸測定および総分岐鎖アミノ酸(BCAA)などの生体成分等を測定するための試薬が例示できる。 乳酸を測定する場合は、LDHが補酵素NADの存在下でL−乳酸を脱水素しピルビン酸を生成させ、その過程で生成するNADHの紫外領域波長の吸収に基づく吸光度増加量を測定することにより乳酸を測定できる。したがって、この試薬には、ラクテートデヒドロゲナーゼが含まれる。 総分岐鎖アミノ酸(BCAA)を測定する場合は、検体中のBCAA(バリン,ロイシン,イソロイシン)にロイシンデヒドロゲナーゼを作用させると、これらのBCAAが各々のα−ケト酸となる際に、NADからNADHが生成する。このNADHの紫外領域波長の吸収に基づく吸光度増加量を測定することによりBCAAを測定できる。なおこの測定系の場合は、さらに以下の反応を共役させてもよい。生成したNADHにより、ジアホラーゼの作用を介し、還元系発色試薬であるWST−1を還元させホルマザンを生成させる。このホルマザンの発色の吸光度変化を測定することによりBCAAを求めることができる。したがって、この試薬には、ロイシンデヒドロゲナーゼおよびジアホラーゼが含まれる。 上記のほか、例えば、リンゴ酸脱水素酵素を用いてオキザロ酢酸を測定することによりAST(GOT)を測定する方法、乳酸脱水素酵素を用いてピルビン酸を測定することによりALT(GPT)を測定する方法などが挙げられる。 本発明は、これらの酵素のうち少なくとも1種の安定化に適用することができる。 なお、NAD以外であっても、酸化状態と還元状態とにおける紫外部または可視部などの吸収の差を利用して上記と同様の測定系を組むことができる。例えば、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、β−チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(チオNAD)が挙げられる。上記の方法を実施するための手段としては、汎用の自動分析機(例えば、日立7170形自動分析機)に適用できるよう構成された液状試薬(またはキット)を用いる方法、凍結乾燥などの手段により製造された乾燥製剤と溶解液の組み合わせで構成された試薬(またはキット)を用いる方法、適当な担体に酵素などを担持させた形態のいわゆるドライシステム等と呼ばれるキットやセンサーを用いる方法など種々の形態が例示できる。好ましくは、試薬を2つに分包した液状試薬(以下、2試薬系の液状試薬とも記載する。)を用いて自動分析機で分析する方法である。この方法では、試料にまず1種類目の試薬(以下、第一試薬またはR1とも記載する。)を添加して一定時間反応させ、次いで2種類目の試薬(以下、第一試薬またはR1とも記載する。)をさらに添加して反応させ、この間の吸光度の変化を測定することにより目的成分を定量することが出来る。本発明の組成物において、L−PGAの含有量は特に限定されない。液状での濃度として好ましくは0.1%以上であり、より好ましくは0.2%以上である。また、好ましくは1%以下である。本発明の組成物には、緩衝液成分、防腐剤、塩類、酵素安定化剤、色原体安定化剤などを添加してもよい。その使用量や添加の形態などについては特に限定されない。これらはいずれも、市販品などを入手することができる。緩衝液成分としては、例えばリン酸緩衝液、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液、グッド緩衝液などが挙げられる。グッド緩衝液としてはMES、Bis−Tris、ACES、BES、MOPS、PIPES、TES、HEPES、Tricine、Bicine、POPSO、TAPS、CHES、CAPSなどが例示される。これらの緩衝液成分によって、本発明の組成物のpHは5.0〜9.0の範囲内で維持されることが好ましい。防腐剤としては、アジ化物、キレート剤、抗生物質、抗菌剤などが挙げられる。抗菌剤としては、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CMIT)、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)等のイソチアゾリン系防腐剤、イミダゾリジニルウレア等が挙げられる。また、一般に市販されているものとしては、混合物としてプロクリン150(スペルコ製、シグマアルドリッチジャパンより入手)、プロクリン300(スペルコ製、シグマアルドリッチジャパンより入手)、アクチサイドMBS(ソー・ジャパン製)、単一製品としてアクチサイドB20(N)(ソー・ジャパン製)、MIT(ロシュ製、シグマ製)等が挙げられる。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸およびその塩等が挙げられる。抗生物質としては、ゲンタマイシン、カナマイシン、クロラムフェニコール等が挙げられる。塩類としては塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アルミニウム等が挙げられる。酵素安定化剤としては、シュークロース、トレハロース、シクロデキストリン、グルコン酸塩、アミノ酸類等が挙げられる。色原体安定化剤としては、エチレンジアミン四酢酸およびその塩等のキレート剤、シクロデキストリン等が挙げられる。 本発明において、「酵素組成物が安定である」とは、加温処理に対しても酵素活性が維持されていることを意味し、35℃7日間保存後の残存酵素活性があること、好ましくは保存前と比較して10%以上、さらに好ましくは20%以上、さらに好ましくは40%以上、さらに好ましくは60%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上維持されていることをいう。L−PGAを含む酵素組成物が、この要件を満たしている場合、当該酵素組成物はL−PGAを含むことにより安定化されていると推定する。なお、酵素活性測定法は、公知の方法、例えば、カタログや添付文書に記載の方法(市販品の場合)、文献等に記載の方法などの中から当業者が適宜採用することができる。 以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は実施例により特に限定されるものではない。(実施例1) 表1に記載の各種酵素を3U/mL、L−PGAを5g/L含有するように調製し、35℃で7日間保存した後の残存活性(溶解直後の活性値に対する保存後の活性値の割合)を検討した。いずれの酵素においても35℃で7日間保存した後、酵素活性が残存した。本発明は、分子生物学用途の分析用試薬、生化学用途の分析試薬、体外診断薬、液状体外診断薬、チップ状またはスリット状に加工したドライ系の体外診断薬、酵素センサーや酵素電極、医薬品、食品および飲料などの組成物などに適用できる。ポリ−γ−L−グルタミン酸を含むことを特徴とする酵素組成物。ポリ−γ−L−グルタミン酸を酵素と共存させることを特徴とする酵素の安定化方法。 【課題】酵素を構成成分とし、酵素の機能を利用した酵素組成物における酵素を安定化方法の提供。【解決手段】L−グルタミン酸のα−アミノ基とγ−カルボキシル基とがアミド結合したポリアミノ酸であるポリ−γ−L−グルタミン酸を酵素と共存させた組成物、および該組成物により酵素を安定化する。【選択図】なし


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