タイトル: | 特許公報(B2)_大麦若葉末とコラーゲンを含有する懸濁用組成物 |
出願番号: | 2013134459 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A23J 3/04,A61K 47/42 |
池 功二郎 JP 5655901 特許公報(B2) 20141205 2013134459 20130627 大麦若葉末とコラーゲンを含有する懸濁用組成物 株式会社東洋新薬 398028503 池 功二郎 20150121 A23J 3/04 20060101AFI20141225BHJP A61K 47/42 20060101ALI20141225BHJP JPA23J3/04 501A61K47/42 A23J 1/00− 7/00 A61K 47/00−47/48 特開2006−288350(JP,A) 特開2007−319076(JP,A) 1 2008147971 20080605 2013223505 20131031 7 20130628 名和 大輔 本発明は、大麦若葉末とコラーゲンを含有した懸濁用組成物に関する。 近年、健康や美容に対する意識が高まるにつれて、様々な効果を目的とした医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品などが開発されてきた。コラーゲンも多様な製品に配合され、様々な美容や効能を訴求する製品として普及している(例えば特許文献1)。コラーゲンは大別して豚由来、魚由来のものが汎用されているが、豚由来のコラーゲンは獣臭い、魚由来のコラーゲンは生臭いという問題点が存在していた。この問題点を解決する方法としては、特許文献2に開示されているようにスクラロースを添加するといった方法が取られてきた。しかし健康食品を摂取する人々の中に、このような甘味料などの化学的な添加物の存在を好まない人は多く存在し、こういった人々の需要を満たすために添加物を用いないコラーゲン臭の改善方法が望まれていた。特開2001−252048号公報WO00/24273号公報 本発明は、化学的な添加物を添加することなく、コラーゲンの臭い及び味を改善することを目的とする。 本発明は大麦若葉末とコラーゲンを含有し、大麦若葉末とコラーゲンが1:5〜3:5の範囲の重量比で配合され、前記コラーゲンが、豚由来のコラーゲンと魚由来のコラーゲンの混合物であって、豚由来のコラーゲンと魚由来のコラーゲンを2:3〜3:2の範囲の重量比で配合したコラーゲンであることを特徴とする懸濁用組成物に関する。 本発明によれば、化学的な添加物を添加することなく、コラーゲンの臭い及び味を改善することが出来る。 以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、下記実施形態の記載により限定して解釈するべきでなく、特許請求の範囲における記載の範囲内で種々の変更が可能である。 本発明に用いられる大麦若葉としては特に制限されるものではなく、通常入手可能な大麦若葉末が用いられる。 本発明に用いられる大麦若葉末の製造方法としては特に制限されるものではないが、例えば特許3428956号に開示されるような方法で製造される。 本発明に用いられる大麦若葉末はコラーゲンに対して、1:5〜3:5の範囲の重量比で配合される、さらに好ましくは2:5〜3:5の範囲の重量比で配合される。 本発明に用いられるコラーゲンとしては特に制限されるものではないが、好ましくは豚由来のコラーゲンまたは魚由来のコラーゲン、さらに好ましくは豚由来のコラーゲンと魚由来のコラーゲンの混合物、最も好ましくは豚由来のコラーゲンと魚由来のコラーゲンが2:3〜3:2の範囲の重量比で配合されたコラーゲンが用いられる。 本発明に添加可能な成分としては特段の制限はなく、通常医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品に配合される成分、甘味料、酸味料、香料、pH調整剤、賦形剤、酸度調整剤、着色料、保存料などを配合することが出来、嗜好性及び機能性の更なる向上を目的とする場合には抹茶粉末やビタミンCなどを添加することが好ましい。 以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定して解釈すべきではなく、特許請求の範囲における記載の範囲内で種々の変更が可能である。以下の調製例1ないし21のうち、調製例16ないし18、20及び21は本発明の調製例であり、それ以外は参考例である。 (調製例1) 大麦若葉末250mgと豚由来のコラーゲン2,500mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例1とした。 (調製例2) 大麦若葉末500mgと豚由来のコラーゲン2,500mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例2とした。 (調製例3) 大麦若葉末1,000mgと豚由来のコラーゲン2,500mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例3とした。 (調製例4) 大麦若葉末1,500mgと豚由来のコラーゲン2,500mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例4とした。 (調製例5) 大麦若葉末2,000mgと豚由来のコラーゲン2,500mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例5とした。 (調製例6) 大麦若葉末2,500mgと豚由来のコラーゲン2,500mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例6とした。 (調製例7) 大麦若葉末3,000mgと豚由来のコラーゲン2,500mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例7とした。 (調製例8) 大麦若葉末250mgと魚由来のコラーゲン2,500mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例8とした。 (調製例9) 大麦若葉末500mgと魚由来のコラーゲン2,500mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例9とした。 (調製例10) 大麦若葉末1,000mgと魚由来のコラーゲン2,500mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例10とした。 (調製例11) 大麦若葉末1,500mgと魚由来のコラーゲン2,500mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例11とした。 (調製例12) 大麦若葉末2,000mgと魚由来のコラーゲン2,500mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例12とした。 (調製例13) 大麦若葉末2,500mgと魚由来のコラーゲン2,500mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例13とした。 (調製例14) 大麦若葉末3,000mgと魚由来のコラーゲン2,500mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例14とした。 (調製例15)大麦若葉末1,000mg、豚由来のコラーゲン2,000mg、魚由来のコラーゲン500mgとを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例15とした。 (調製例16)大麦若葉末1,000mg、豚由来のコラーゲン1,500mg、魚由来のコラーゲン1,000mgとを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例16とした。 (調製例17)大麦若葉末1,000mg、豚由来のコラーゲン1,250mg、魚由来のコラーゲン1,250mgとを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例17とした。 (調製例18)大麦若葉末1,000mg、豚由来のコラーゲン1,000mg、魚由来のコラーゲン1,500mgとを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例18とした。 (調製例19)大麦若葉末1,000mg、豚由来のコラーゲン500mg、魚由来のコラーゲン2000mgとを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例19とした。 (調製例20)大麦若葉末1,000mg、豚由来のコラーゲン1,250mg、魚由来のコラーゲン1,250mg、抹茶粉末125mgとを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例20とした。 (調製例21)大麦若葉末1,000mg、豚由来のコラーゲン1,250mg、魚由来のコラーゲン1,250mg、抹茶粉末125mg、ビタミンC1.6mgとを混合し、100mlの水に懸濁させたものを調製例21とした。 (比較例1)豚由来のコラーゲン2,500mg、無味無臭のデキストリン1,000mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを比較例1とした。 (比較例2)魚由来のコラーゲン2,500mg、無味無臭のデキストリン1,000mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを比較例2とした。 (比較例3)豚由来のコラーゲン1,250mg、魚由来のコラーゲン1,250mg、無味無臭のデキストリン1,000mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを比較例3とした。 (比較例4)豚由来のコラーゲン1,250mg、魚由来のコラーゲン1,250mg、ケール末1,000mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを比較例4とした。 (比較例5)豚由来のコラーゲン1,250mg、魚由来のコラーゲン1,250mg、明日葉末1,000mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを比較例5とした。 (比較例6)豚由来のコラーゲン1,250mg、魚由来のコラーゲン1,250mg、スクラロース2.5mgと無味無臭のデキストリン997.5mgを混合し、懸濁後の重量が250gとなるように水を添加した。前記懸濁液のうち100mlを量り取ったものを、比較例6とした。これは、特許文献2の実施例II−1−3(1)中で、最も好適な結果を示した配合量を参考にしたものである。 (比較例7)無味無臭のデキストリン2,500mgと大麦若葉末1,000mgを混合し、100mlの水に懸濁させたものを比較例7とした。 (効果の検証)調製例1〜21及び比較例1〜7を、4群に分けた健常な被験者24人に各日7検体ずつ、4日に分け、全てのサンプルを色や処方内容が分からない状態で摂取してもらい、味の好ましさ、臭いの好ましさの2つの評価項目について下記の評点で評価してもらった。なお、各検体の摂取量は、評価が出来る量を摂取すれば良いとし、検体を摂取毎に水で口腔洗浄を行ってもらった。それぞれの項目についての平均点を表1、表2、表3に示す。 (味の好ましさの評点)10を最高評価、0を最低評価とし、VisualAnalogueScale(以下VASとする)アンケートに記入させた。 (臭いの好ましさの評点)10を最高評価、0を最低評価とし、VASアンケートに記入させた。表1、表2及び表3に記載の結果から、大麦若葉末とコラーゲンの組み合わせにより、コラーゲンの臭い及び味が改善されることを確認した。またその中でも、大麦若葉末とコラーゲンを2:5〜3:5の重量比で配合した場合に好適な効果を示すことが確認された。さらに大麦若葉末と、豚由来コラーゲンと魚由来のコラーゲンを2:3〜3:2の範囲の重量比で配合したコラーゲンを組み合わせた場合に、特に良好なコラーゲンの臭い及び味の改善効果が確認された。また表3の比較例6に結果を示すスクラロースは、従来からコラーゲンの風味改善のために用いられてきたが、味の改善には有効な一方、臭いの改善においては有効とはいえない結果を示した。 本発明の大麦若葉とコラーゲンを含有する懸濁用組成物は、従来甘味料などの添加により解決されてきたコラーゲンの臭い及び味の問題点を解決し、健康志向の人々を満足させるに足る、嗜好性に優れた飲食品を提供することを可能とする。大麦若葉末とコラーゲンを含有した懸濁用組成物であって、大麦若葉末とコラーゲンが1:5〜3:5の範囲の重量比で配合され、前記コラーゲンが、豚由来のコラーゲンと魚由来のコラーゲンの混合物であり、豚由来のコラーゲンと魚由来のコラーゲンを2:3〜3:2の範囲の重量比で配合したコラーゲンであることを特徴とする、懸濁用組成物。