生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ホルムアルデヒド滅菌用インジケータ
出願番号:2013115312
年次:2014
IPC分類:G01N 31/00,A61L 2/26,A61L 2/20,G01N 31/22,G01N 21/77,G01N 21/78


特許情報キャッシュ

櫻井 信夫 JP 2014235030 公開特許公報(A) 20141215 2013115312 20130531 ホルムアルデヒド滅菌用インジケータ 日油技研工業株式会社 000232922 小宮 良雄 100088306 大西 浩之 100126343 櫻井 信夫 G01N 31/00 20060101AFI20141118BHJP A61L 2/26 20060101ALI20141118BHJP A61L 2/20 20060101ALI20141118BHJP G01N 31/22 20060101ALI20141118BHJP G01N 21/77 20060101ALI20141118BHJP G01N 21/78 20060101ALI20141118BHJP JPG01N31/00 VA61L2/26 CA61L2/20 HG01N31/22 122G01N31/22 121CG01N21/77 AG01N21/78 A 4 1 OL 11 2G042 2G054 4C058 2G042AA05 2G042BD08 2G042CA10 2G042CB01 2G042DA08 2G042FA01 2G042FA11 2G042FB07 2G042FC01 2G042HA07 2G054AA01 2G054CA30 2G054CE02 2G054EA06 2G054GA03 2G054GB04 2G054GE06 2G054GE07 4C058AA12 4C058BB07 4C058DD15 4C058EE13 4C058JJ13 本発明は、医療機器等の被滅菌物に滅菌を施すホルムアルデヒド滅菌処理に使用されるホルムアルデヒド滅菌用インジケータに関するものである。 医療機器等の被滅菌物の滅菌処理として、ホルムアルデヒドを用いた滅菌処理が採用されている。この滅菌処理には、ホルムアルデヒド含有水蒸気に被滅菌物を暴露する低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理と、ホルムアルデヒドガスに被滅菌物を暴露するホルムアルデヒドガス滅菌処理とがある。これらの滅菌処理では、滅菌が終了したとき、被滅菌物がホルムアルデヒドと十分に接触して滅菌されたことを作業者等が認識できるように、それぞれ専用のホルムアルデヒド滅菌用インジケータが用いられる。例えば、特許文献1に、クロモトロプ酸2ナトリウムを含有するホルムアルデヒドガス滅菌処理完了確認用のインキ組成物が開示され、特許文献2に、コンゴーレッド等の有機染料を含有する低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理完了確認用の化学指示薬インクが開示されている。 しかし、これらは、単独で、他方の滅菌処理の完了を確認できない。低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理とホルムアルデヒドガス滅菌処理との各々で専用のホルムアルデヒド滅菌用インジケータを用いることは煩雑であり、ホルムアルデヒド滅菌用インジケータの管理が複雑化する。特開平9−26420号公報特開2003−222620号公報 本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理とホルムアルデヒドガス滅菌処理との両滅菌処理で用いることのできるホルムアルデヒド滅菌用インジケータを提供することを目的とする。 前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載されたホルムアルデヒド滅菌用インジケータは、ホルムアルデヒドと接触して変色する変色成分として、少なくともヒドラジン化合物と、ピリミジン化合物と、有機酸と、スルファニル酸、4-アセトアミド安息香酸、アミノ安息香酸、アミノナフトールスルホン酸、アミノナフタレンスルホン酸、アミノトルエンスルホン酸、アミノ酢酸、アミノニコチン酸、アミノナフトエ酸、アミノヒドロキシ安息香酸、アミノフェニル酢酸及びアミノプロピオン酸から選ばれるアミノ化合物とが含有され、被滅菌物をホルムアルデヒド含有水蒸気に暴露する低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理とホルムアルデヒドガスに暴露するホルムアルデヒドガス滅菌処理との両滅菌処理に使用され、前記被滅菌物の滅菌が終了したとき、前記変色成分が変色することを特徴とするものである。 請求項2に記載されたホルムアルデヒド滅菌用インジケータは、請求項1に記載されたものであって、前記変色成分は、その組成比が前記ヒドラジン化合物2〜30重量部、前記ピリミジン化合物1〜20重量部、前記有機酸1〜20重量部及び前記アミノ化合物1〜20重量部であることを特徴とする。 請求項3に記載されたホルムアルデヒド滅菌用インジケータは、請求項1又は請求項2に記載されたものであって、前記変色成分が、滅菌バッグの外側に形成されたインキ層に含有されていることを特徴とする。 請求項4に記載されたホルムアルデヒド滅菌用インジケータは、請求項1又は請求項2に記載されたものであって、前記変色成分が、滅菌カードの基材とラミネートフィルムとの間に形成されたインキ層に含有されていることを特徴とする。 本発明のホルムアルデヒド滅菌用インジケータによれば、低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理及びホルムアルデヒドガス滅菌処理との両滅菌処理で使用でき、作業者は被滅菌物がホルムアルデヒドガスと十分に接触して滅菌されたことを確認できる。また、本発明のホルムアルデヒド滅菌用インジケータは、両滅菌処理で使用できることから、インジケータの管理を簡素化できる。本発明のホルムアルデヒド滅菌用インジケータを用いた滅菌バッグの一例を示す斜視図である。図1に示す滅菌バッグのホルムアルデヒド滅菌用インジケータの部分拡大断面図である。本発明のホルムアルデヒド滅菌用インジケータを用いた滅菌カードの他の例を示す正面図である。図3に示す滅菌カードのホルムアルデヒド滅菌用インジケータの部分拡大断面図である。 以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。 本発明のホルムアルデヒド滅菌用インジケータ(以下、単にインジケータと称する)を用いた滅菌バッグの一例を図1に示す。図1に示す滅菌バッグ10は、多層フィルム12と滅菌紙14とが周縁部で熱融着された袋状体である。多層フィルム12は、図2に示すようにフィルム12aとフィルム12cとがラミネート層12bで貼り合わされて一体化されている。フィルム12aは、厚さ5〜20μm、更に好ましくは8〜15μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを好適に用いることができる。また、フィルム12cは、厚さ15〜100μm、更に好ましくは20〜40μmの透明な無延伸ポリプロピレンフィルムを用いることが好ましい。 多層フィルム12の周縁部で熱融着された滅菌紙14には、その表面側の略中央部にインジケータとしてのホルムアルデヒド滅菌用インジケータインキ層16(以下、インキ層16と称する)が円形状に形成されている。 インキ層16には、ホルムアルデヒドガスと接触して変色する変色成分として、少なくともヒドラジン化合物と、ピリミジン化合物と、有機酸と、スルファニル酸、4-アセトアミド安息香酸、アミノ安息香酸、アミノナフトールスルホン酸、アミノナフタレンスルホン酸、アミノトルエンスルホン酸、アミノ酢酸、アミノニコチン酸、アミノナフトエ酸、アミノヒドロキシ安息香酸、アミノフェニル酢酸、およびアミノプロピオン酸から選ばれるアミノ化合物とを含有している。 ヒドラジン化合物としては、例えば塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、安息香酸ヒドラジン、カルバジン酸、アセトヒドラジド、ベンズヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジド、2,4-ジニトロフェニルヒドラジド、マレイン酸ヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド、p-トルエンスルホニルヒドラジドが使用できる。 ピリミジン化合物としては、例えば4-アミノ−5-アミノメチル−2-メチルピリミジンジクロライド、4-アミノ−6-クロロ−2-メルカプトピリミジン、2-アミノ−4-クロロ−6-メチルピリミジン、2-アミノ−6-クロロ−4-ピリミジノール、2-アミノ−4,6-ジクロロピリミジン、2-アミノ−4,6-ジヒドロキシピリミジン、4-アミノ−2,6-ジヒドロキシピリミジン、2-アミノ−4,6-ジメチルピリミジン、4-アミノ−6-ヒドロキシ−2-メルカプトピリミジン、2-アミノ−4-ヒドロキシ−6-メチルピリミジン、4-アミノ−2-メルカプトピリミジン、2-アミノ−4-メチルピリミジン、2-アミノ−5-ニトロピリミジン、2-アミノピリミジン、4-アミノピリミジン、4-クロロ−2,6-ジアミノピリミジン、6-クロロ−2,4-ジメトキシピリミジン、4-クロロ−2-メチルチオピリミジン、2-クロロピリミジン、5,6-ジアミノ−2,4-ジヒドロキシピリミジン、2,4-ジアミノ−6-ヒドロキシピリミジン、2,4-ジアミノ−6-メルカプトピリミジン、4,5-ジアミノピリミジン、2,4-ジクロロ−6-メチルピリミジン、4,6-ジクロロ−2-メチルチオ−5-フェニルピリミジン、4,6-ジクロロ−5-ニトロピリミジン、2,4-ジヒドロキシ−5,6-ジメチルピリミジン、4,6-ジヒドロキシ−2-メルカプトピリミジン、4,6-ジヒドロキシ−2-メチルメルカプトピリミジン、2,4-ジヒドロキシ−6-メチルピリミジン、4,6-ジヒドロキシ−5-ニトロピリミジン、4,6-ジヒドロキシピリミジン、2,4-ジヒドロキシピリミジン−5-カルボン酸、2,4-ジメチル−6-ヒドロキシピリミジン、4,6-ジメチル−2-ヒドロキシピリミジン、4,6-ジメチル−2-メルカプトピリミジン、2-ヒドロキシ−4-メチルピリミジン塩酸塩、4-ヒドロキシピラゾロ[3,4d]ピリミジン、2,4,5-トリアミノピリミジン、2-メルカプトピリミジン、5-ニトロ−4,6-トリアミノピリミジンが使用できる。 有機酸としては、例えばマレイン酸、安息香酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、マロン酸、没食子酸、サリチル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸およびこれらの各種誘導体や金属塩に加え、スルホサリチル酸ソーダ、p-トルエンスルホン酸や3-ヒドロキシ−2-ナフトエ酸が使用できる。 アミノ化合物としては、例えばスルファニル酸、4-アセトアミド安息香酸、アミノ安息香酸、アミノナフトールスルホン酸、アミノナフタレンスルホン酸、アミノトルエンスルホン酸、アミノ酢酸、アミノニコチン酸、アミノナフトエ酸、アミノヒドロキシ安息香酸、アミノフェニル酢酸、アミノプロピオン酸が使用できる。 これらの変色成分は、それぞれ単独で使用するとは限らず二種以上組み合わせて使用してもよい。 また、必要に応じ、発色増強剤として上述した変色成分以外の窒素化合物、例えばサリチル酸アンモニウム若しくは硫酸アンモニウムなどのアンモニウム塩類、塩酸エチルアミン若しくはアミノフェノール等のアミン類、ベンゼンスルホンアミド若しくはニコチン酸アミドなどのアミド類、1,2,4-トリアゾール若しくは2-メルカプトベンゾチアゾール等の環状構造を持つ窒素化合物、又は上述した変色成分以外の有機硫黄化合物、例えばジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、2,2’−ジベンゾチアゾリルジスルフィド、L−シスチン若しくは2,2’−ジトリルチオ尿素などのチオ尿素化合物を添加してもよい。 上述した変色成分の組成比は、ヒドラジン化合物2〜30重量部、ピリミジン化合物1〜20重量部、有機酸1〜20重量部及びアミノ化合物1〜20重量部とすることが好ましい。 これらの変色成分を含有するインキ層16は、樹脂を溶剤に溶解したインキ用ビヒクルに所定の変色成分を分散した印刷用インキを滅菌紙14の一面側に印刷して形成できる。樹脂としては、インジケータとしての変色性を損なわないもの、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース、ブチラール樹脂、アクリル酸エステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、マレイン酸樹脂、スチレン樹脂、合成ゴム系樹脂が使用できる。溶剤は、これらの樹脂を完全に溶解するもので、例えば水、アルコール類、セロソルブ類、芳香族炭化水素類、石油類、エステル類、ケトン類を主成分とする溶剤をビヒクルの樹脂種と印刷方式に応じて使用できる。 また、インキ用ビヒクルとして、例えばアルコール類、セロソルブ類、石油類、エステル類、ケトン類、芳香族炭化水素類を主溶剤とした市販品を使用してもよい。更に、得られたインキには印刷適正向上のための沈降防止剤、増粘剤および界面活性剤等の各種添加物を加えてもよい。 上述した変色成分をインキ用ビヒクルに分散した印刷用インキは、変色成分とインキ用ビヒクルとをボールミル、ロールミル、サンドミル、ライカイ機等の分散機を用いて混合して得ることができる。印刷用インキとしては、例えばグラビア印刷用インキ、スクリーン印刷用インキ、フレキソ印刷用インキとすることができる。得られた印刷用インキを滅菌紙16の一面側に円形状に印刷して、インジケータとしてのインキ層16を形成する。印刷としては、例えばグラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷を採用できる。次いで、滅菌紙16と多層フィルム12とを、滅菌紙16の他面側と多層フィルム12との一面側とが対向するように重ね合せた後、三方をヒートシーラで熱融着して開口部が一方に形成された滅菌バッグ10を得ることができる。この滅菌バッグ10の開口部から被滅菌物を挿入し、開口部を熱融着して被滅菌物を封入する。 このように被滅菌物が封入された滅菌バッグ10を低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理に供する。低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理は、密閉可能な滅菌室内に滅菌バッグ10を封入した後、ホルムアルデヒド水溶液(ホルムアルデヒドの濃度2%)を超音波等で水蒸気化したホルムアルデヒド含有水蒸気を滅菌室に導入し、滅菌室内の湿度を80%RH以上、室内温度を55℃に維持しつつ45分間保持して滅菌処理を施す。次いで、滅菌室内の残留ホルムアルデヒド含有水蒸気を除去した後、滅菌バッグ10を取り出す。取り出した滅菌バッグ10のインジケータとしてのインキ層16は変色している。 低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理に供したと同一構成の滅菌バッグ10を、ホルムアルデヒドガス滅菌処理に供することができる。ホルムアルデヒドガス滅菌処理は、密閉可能な滅菌室内に滅菌バッグ10と、焼石膏にホルムアルデヒドを吸着させたような顆粒状ホルムアルデヒド製剤等のホルムアルデヒド発生剤とを封入した後、滅菌室内の湿度を50〜60%RHで且つ室内温度を約50℃程度に維持しつつ180分間保持して滅菌処理を施す。次いで、滅菌室内の残留ホルムアルデヒドガスを除去した後、滅菌バッグ10を取り出す。取り出した滅菌バッグ10のインジケータとしてのインキ層16は変色している。 このように図1及び図2に示す滅菌バッグ10のインジケータとしてのインキ層16は、低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理及びホルムアルデヒドガス滅菌処理のいずれの滅菌処理でも変色する。このことから、インジケータとしてのインキ層16が設けられた滅菌バッグ10を準備しておくことにより、低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理及びホルムアルデヒドガス滅菌処理のいずれにも用いることができ、滅菌バッグ10の管理を簡単化できる。 本発明のインジケータは、図3に示す滅菌カード20にも適用できる。滅菌カード20は長方形状のカードの中央部近傍に、インジケータとして楕円形状のインキ層24が配されている。インキ層24は滅菌バッグ10のものと同一構成である。インキ層24は、図4に示すように滅菌紙等の基材26の一面側に形成され、透明なポリエチレンテレフタレートフィルムや無延伸ポリプロピレンフィルム等のラミネートフィルム22で覆われている。 図3及び図4に示す滅菌カード20は、上述した変色成分をインキ用ビヒクルに分散した印刷用インキを、滅菌紙等の基材26の一面側に印刷してインキ層24を形成した後、インキ層24を形成した基材22の一面側をラミネートフィルム22で覆って形成できる。 図3及び図4に示す滅菌カード20を用いて被滅菌物に低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理を施す際には、密閉可能な滅菌室内に被滅菌物と滅菌カード20を封入した後、滅菌室内にホルムアルデヒド含有水蒸気を滅菌室に導入する。また、滅菌カード20を用いて被滅菌物にホルムアルデヒドガス滅菌処理を施す際には、密閉可能な滅菌室内に被滅菌物と滅菌カード20と顆粒状ホルムアルデヒド製剤等のホルムアルデヒド発生剤とを封入する。 以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。(実施例1)滅菌バッグ10の作製(1)印刷用インキの調製 下記表1に記載の原料をボールミルで72時間混練して印刷用インキを調製した。(2)滅菌バッグの製作 表1の水準A〜Gの原料を用いて調製した各種印刷用インキを滅菌紙14の一面側にグラビア印刷し、インジケータとしての円形状のインキ層16を形成した。次いで、滅菌紙16と多層フィルム12とを、滅菌紙16の他面側(インキ層16の非形成面)と多層フィルム12との一面側とが対向するように重ね合せた後、三方をヒートシーラで熱融着して開口部が一方に形成された図1に示す滅菌バッグ10を得た。(3)低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌 表1の水準A〜Gの原料を用いて調製した各種印刷用インキで印刷してインジケータとしてのインキ層16を形成した各種滅菌バッグ10に低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理を施した。この低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理は、GETINGE社製の低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌器(HS66TurboLTSF)を用いて行った。滅菌処理条件は、ホルムアルデヒド水溶液(ホルムアルデヒドの濃度2%)を超音波等で水蒸気化したホルムアルデヒド含有水蒸気を、滅菌バッグ10を封入した滅菌室内に導入し、滅菌室内の湿度を80%RH以上、室内温度を55℃に維持しつつ45分保持した。次いで、滅菌室内の残留ホルムアルデヒド含有水蒸気を除去した後に低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌器から取り出した各種滅菌バッグ10のインキ層16はいずれも変色していた。(4)ホルムアルデヒドガス滅菌 表1の水準A〜Gの原料を用いて調製した各種印刷用インキで印刷してインジケータとしてのインキ層24を形成した各種滅菌バッグ10にホルムアルデヒドガス滅菌処理を施した。このホルムアルデヒドガス滅菌処理は、株式会社メディエート製のホルムアルデヒドガス滅菌器(エコーパルサーPS−140R)を用いて行った。滅菌処理条件は、滅菌バッグ10を封入した滅菌室のホルムアルデヒド濃度が2500〜3000ppmとなるように顆粒状ホルムアルデヒド製剤を滅菌室内に封入し、滅菌室内の湿度を50〜60%RHで且つ室内温度を約50℃程度に維持しつつ180分間保持した。次いで、滅菌室内の残留ホルムアルデヒドガスを除去した後にホルムアルデヒドガス滅菌器から取り出した各種滅菌バッグ10のインキ層16はいずれも変色していた。(実施例2)滅菌カードの作製(1)印刷用インキの調製 下記表2に記載の原料をボールミルで72時間混練して印刷用インキを調製した。(2)滅菌カードの製作 表2の水準H〜Nの原料を用いて調製した各種印刷用インキを長方形状の滅菌紙26の一面側にスクリーン印刷し、インジケータとしての楕円形状のインキ層24を形成した。次いで、滅菌紙26の一面側(インキ層24の形成面)にラミネートフィルム22を重ね合せた後、ヒートシーラで両者の全面を熱融着して図3に示す滅菌カード20を得た。(3)低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌 表2の水準H〜Nの原料を用いて調製した各種印刷用インキで印刷してインジケータとしてのインキ層24を形成した各種滅菌カード20に、実施例1と同様に低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理を施した。滅菌処理後に低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌器から取り出した各種滅菌バッグ10のインキ層24はいずれも変色していた。(4)ホルムアルデヒドガス滅菌 表2の水準H〜Nの原料を用いて調製した各種印刷用インキで印刷してインジケータとしてのインキ層24を形成した各種滅菌カード20に、実施例1と同様にホルムアルデヒドガス滅菌処理を施した。滅菌処理後にホルムアルデヒドガス滅菌器から取り出した各種滅菌カード20のインキ層24はいずれも変色していた。(比較例1) ホルムアルデヒド滅菌用インジケータとして、gke社製の滅菌カード(商品名:Self-adhesive package monitoring indicator)を用いた。この滅菌カードに実施例1と同様に低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理とホルムアルデヒドガス滅菌処理とを施した。この滅菌カードのインク層は、低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理では変色したことが認められたものの、ホルムアルデヒドガス滅菌処理では変色は認められなかった。(比較例2) ホルムアルデヒド滅菌用インジケータである滅菌カードとして、福沢商事株式会社から購入した ACE testバイオロジカルインジケータ付属のケミカルインジケータ(商品名:ACE test バイオロジカルインジケータ(ホルマリン滅菌用)に付属しているケミカルインジケータ)を用いた。この滅菌カードに実施例1と同様に低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理とホルムアルデヒドガス滅菌処理とを施した。この滅菌カードのインク層は、低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理では変色したことが認められたものの、ホルムアルデヒドガス滅菌処理では変色は認められなかった。(比較例3) Tempil社製のホルムアルデヒド滅菌用のインキ(商品名:TempilinkTIFGFRG492)を長方形の滅菌紙26の一面側にフレキソ印刷し、インジケータとしての楕円形状のインキ層24を形成した。次いで、滅菌紙26の一面側(インキ層24の形成面)にラミネートフィルム22を重ね合せた後、ヒートシーラで両者の全面を熱融着して図3に示す滅菌カード20を得た。得た滅菌カード20に、実施例1と同様に低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理とホルムアルデヒドガス滅菌処理とを施した。この滅菌カード20のインク層24は、低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理では変色したことが認められたものの、ホルムアルデヒドガス滅菌処理では変色は認められなかった。 本発明のホルムアルデヒド滅菌用インジケータは、低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理とホルムアルデヒドガス滅菌処理との両滅菌処理のインジケータに使用できる。 10は滅菌バッグ、12は多層フィルム、12a、12cはフィルム、12bはラミネート層、14、26は滅菌紙、16、24はインキ層、22はラミネートフィルムである。 ホルムアルデヒドと接触して変色する変色成分として、少なくともヒドラジン化合物と、ピリミジン化合物と、有機酸と、スルファニル酸、4-アセトアミド安息香酸、アミノ安息香酸、アミノナフトールスルホン酸、アミノナフタレンスルホン酸、アミノトルエンスルホン酸、アミノ酢酸、アミノニコチン酸、アミノナフトエ酸、アミノヒドロキシ安息香酸、アミノフェニル酢酸及びアミノプロピオン酸から選ばれるアミノ化合物とが含有され、 被滅菌物をホルムアルデヒド含有水蒸気に暴露する低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理とホルムアルデヒドガスに暴露するホルムアルデヒドガス滅菌処理との両滅菌処理に使用され、前記被滅菌物の滅菌が終了したとき、前記変色成分が変色することを特徴とするホルムアルデヒド滅菌用インジケータ。 前記変色成分は、その組成比が前記ヒドラジン化合物2〜30重量部、前記ピリミジン化合物1〜20重量部、前記有機酸1〜20重量部及び前記アミノ化合物1〜20重量部であることを特徴とする請求項1に記載のホルムアルデヒド滅菌用インジケータ。 前記変色成分が、滅菌バッグの外側に形成されたインキ層に含有されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホルムアルデヒド滅菌用インジケータ。 前記変色成分が、滅菌カードの基材とラミネートフィルムとの間に形成されたインキ層に含有されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホルムアルデヒド滅菌用インジケータ。 【課題】低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理とホルムアルデヒドガス滅菌処理との両方で使用できるホルムアルデヒド滅菌用インジケータを提供する。【解決手段】ホルムアルデヒド滅菌用インジケータ16は、ホルムアルデヒドと接触して変色する変色成分としてヒドラジン化合物、ピリミジン化合物、有機酸、スルファニル酸、4-アセトアミド安息香酸、アミノ安息香酸、アミノナフトールスルホン酸、アミノナフタレンスルホン酸、アミノトルエンスルホン酸、アミノ酢酸、アミノニコチン酸、アミノナフトエ酸、アミノヒドロキシ安息香酸、アミノフェニル酢酸、アミノプロピオン酸から選ばれるアミノ化合物が含有され、被滅菌物をホルムアルデヒド含有水蒸気に暴露する低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌処理とホルムアルデヒドガスに暴露するホルムアルデヒドガス滅菌処理との両滅菌処理に使用され、前記被滅菌物の滅菌が終了したとき、前記変色成分が変色する。【選択図】図1


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