生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ジェル状皮膚化粧料
出願番号:2013106799
年次:2014
IPC分類:A61K 8/895,A61K 8/891,A61K 8/37,A61K 8/31,A61K 8/92,A61K 8/04,A61K 8/81


特許情報キャッシュ

吉田 雅俊 小田 義士 JP 2014227364 公開特許公報(A) 20141208 2013106799 20130521 ジェル状皮膚化粧料 日油株式会社 000004341 米田 圭啓 100124349 吉田 雅俊 小田 義士 A61K 8/895 20060101AFI20141111BHJP A61K 8/891 20060101ALI20141111BHJP A61K 8/37 20060101ALI20141111BHJP A61K 8/31 20060101ALI20141111BHJP A61K 8/92 20060101ALI20141111BHJP A61K 8/04 20060101ALI20141111BHJP A61K 8/81 20060101ALI20141111BHJP JPA61K8/895A61K8/891A61K8/37A61K8/31A61K8/92A61K8/04A61K8/81 1 OL 13 4C083 4C083AA112 4C083AA121 4C083AA122 4C083AC012 4C083AC121 4C083AC122 4C083AC351 4C083AC352 4C083AD021 4C083AD022 4C083AD091 4C083AD092 4C083AD112 4C083AD151 4C083AD152 4C083AD161 4C083AD162 4C083AD171 4C083AD172 4C083CC02 4C083CC03 4C083DD41 4C083EE06 4C083EE12 4C083EE13 本発明はジェル状皮膚化粧料に関する。 近年、女性が積極的に社会進出するようになるとともに、旅行や出張による外泊の機会が増加することに伴い、化粧をより短時間で行うことへの要望が高まっており、化粧水や乳液、クリーム、さらに化粧下地の機能を集約した、「ツーインワン」や「オールインワン」タイプの化粧料が提案されている。このような商品では、単独で使用されることが多いため、十分な保湿効果を有することが必要であり、またみずみずしい使用感のものが好まれる傾向にあるため、剤形としてゲル状(ジェル状)のものが多くなっている。また、このような商品は、「朝夜兼用」の化粧料として数多く上市されている一方、朝の化粧をより短時間で行いたい人たちの増加により、「朝用」の化粧料として使用されることが多い。そのため、「朝用」の化粧料として重要視される化粧下地料の機能(化粧ノリの良さや化粧崩れの防止等)について強く求められる傾向にある。 一方で、肌の老化は、乾燥、加齢、紫外線などにより進行し、しみ、くすみやしわの増加などが生じる。最近では、消費者のアンチエイジング志向の高まりによって、肌のしみ、くすみやしわの改善効果を訴求した化粧料が各種提案されており、「ツーインワン」や「オールインワン」タイプの化粧料についても同様の効果を有することが望まれている。しかしながら、肌のしみ、くすみやしわの改善は、化粧水、乳液やクリームなどのスキンケア用皮膚化粧料を複数併用することにより十分な効果が得られることが多く、「ツーインワン」や「オールインワン」タイプの化粧料のように単独使用ではその効果は不十分となる傾向にあった。 前述のように、「ツーインワン」や「オールインワン」タイプの化粧料は、単独で使用されることが多いため、1本で皮膚に十分な保湿効果を付与する必要がある。皮膚に保湿効果を与える方法としては、多価アルコール類により角質水分量を向上させる方法や油分の閉塞性により水分蒸発を抑制する方法が提案されている。例えば、多価アルコールとカルボキシビニルポリマーを組み合わせた保湿用化粧料(特許文献1)や液状油と水溶性高分子を組み合わせた皮膚外用剤(特許文献2)等が挙げられる。これらの化粧料や外用剤を塗布した場合、しっとり感があり、保湿効果を付与することができるものの、肌へのなじみが悪くなることや、多価アルコールや油特有のべたつき感が生じるなど、使用感を損ねる場合があった。さらに、皮膚に塗布された多価アルコールや油により、化粧崩れを起こしやすかった。 そこで、なじみの改善やべたつき感の低減を目的として、また化粧崩れの防止を目的として、皮膚化粧料にシリコーンエラストマーを配合する方法が提案されている。なじみの改善やべたつき感の低減を目的としては、例えば、シリコーンエラストマーとアミノ酸を組み合わせた肌改善皮膚化粧料(特許文献3)やシリコーンエラストマー、グリセリン、炭化水素油およびカルボキシビニルポリマーを組み合わせた皮膚外用剤(特許文献4)が挙げられる。これらの化粧料や外用剤は、べたつきが少なくさらさらした使用感があるものの、化粧崩れを起こしやすく、化粧下地料としての機能を十分に満たしていなかった。 また、化粧崩れの防止を目的としては、例えば、シリコーンエラストマーとシリコーン油を組み合わせた化粧下地料(特許文献5)が挙げられる。しかし、このような化粧料では化粧崩れを防止する効果はあるものの、皮膚に十分な保湿効果を与え難く、またみずみずしくしっとりした感触に欠けていた。 このように、シリコーンエラストマーを皮膚化粧料に配合することは以前より試みられていたが、しっとり感や保湿効果と、化粧崩れ防止の効果とを両立することは容易ではなかった。また、塗布時にこれら化粧料が、よれ、垢のようなフレーキングを起こすことがあり、使用感を損ねていた。 この課題を解決するために、シリコーンエラストマー、界面活性剤、水相、油相を特定の重量比で組み合わせた油中水型ジェル状化粧料(特許文献6)が提案されている。しかしながら、依然としてフレーキングを起こすことがあるとともに、塗布直後はしっとり感が得られるものの、塗布後しばらくすると乾燥やかさついた感触となり、しっとり感の持続性という点では十分に満足のいくものではなかった。また、ファンデーションなどのメイク化粧料とのなじみが悪く、化粧ノリは不十分であった。さらに、単独使用でのしわの改善効果に乏しいため、アンチエイジング志向の消費者に対して十分には満足のいくものではなかった。特開2010−064986号公報特開2009−040706号公報特開2012−020989号公報特開2011−219383号公報特開平10−045536号公報特開2012−188392号公報 本発明は、上記の課題に鑑み、肌に直接塗布して使用した際に、肌へのなじみが良好であるとともに、フレーキングを起こし難く、べたつき難くさらさら感があり、塗布直後から持続的なしっとり感が得られ、また化粧ノリが良好であり、化粧崩れを起こし難く、さらに、しわ改善効果に優れるジェル状皮膚化粧料を提供することを目的とする。 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、下記の特定の6成分を組み合わせることによって、肌に直接塗布して使用した際に、肌へのなじみが良好であるとともに、フレーキングを起こし難く、べたつき難くさらさら感があり、塗布直後から持続的なしっとり感が得られ、また化粧ノリが良好であり、化粧崩れを起こし難く、さらに、しわ改善効果に優れるジェル状皮膚化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。 すなわち本発明は、下記の(A)成分を0.1〜1質量%、(B)成分を0.5〜15質量%、(C)成分を0.1〜5質量%、(D)成分を10〜30質量%、(E)成分を0.05〜0.6質量%、(F)成分を0.1〜1質量%含有するジェル状皮膚化粧料である。 (A)シリコーンエラストマー (B)25℃における粘度が2〜100mm2/sであるシリコーン油 (C)いずれも25℃で液状であるエステル油、炭化水素又は油脂 (D)炭素数3〜6の多価アルコール (E)アクリル酸ナトリウム又はアクリル酸ヒドロキシエチルと、アクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体 (F)カルボキシビニルポリマー又はアルキル変性カルボキシビニルポリマー 本発明のジェル状皮膚化粧料によれば、肌に直接塗布して使用した際に、肌へのなじみが良好であるとともに、フレーキングを起こし難く、べたつき難くさらさら感があり、塗布直後から持続的なしっとり感が得られ、また化粧ノリが良好であり、化粧崩れを起こし難く、さらに、しわ改善効果に優れるといった効果が得られる。 以下、本発明の実施形態を説明する。 本発明のジェル状皮膚化粧料は、下記の(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分および(F)成分を含有する。以下、各成分について説明する。 なお、以下ではジェル状皮膚化粧料を単に皮膚化粧料ともいう。また、本明細書において記号「〜」を用いて規定された数値範囲は「〜」の両端(上限および下限)の数値を含むものとする。例えば「2〜5」は2以上5以下を表す。 〔(A)成分〕 本発明に用いられる(A)成分は、シリコーンエラストマーであり、主にジメチルシリコーンが立体的に架橋された三次元構造物である。例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマー、メチルハイドロジェンポリシロキサンとビニルメチルフェニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマー、メチルハイドロジェンポリシロキサンとアルケンとの反応によるクロスポリマー等が挙げられる。中でも、メチルハイドロジェンポリシロキサンとアルケンとの反応によるクロスポリマーが好ましく、一般的に化粧品分野において「ジメチコンクロスポリマー」として市販されている。通常、市販されているジメチコンクロスポリマーは、作業性(ハンドリング性)を向上させるため、重合度が3〜100の直鎖または環状のシリコーンあるいは炭化水素油等による膨潤物となっている。このようなジメチコンクロスポリマーの具体的な製品として、東レ・ダウコーニング株式会社製「DC 9040 Silicone Elastomer Blend」、「DC 9041 Silicone Elastomer Blend」、「DC 9045 Silicone Elastomer Blend」等が挙げられる。また、メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマーの具体的な製品として、信越化学工業株式会社製「KSG−15」等が挙げられる。 シリコーンエラストマーは、1種又は2種以上を用いることができる。 〔(B)成分〕 本発明に用いられる(B)成分は、25℃における粘度が2〜100mm2/sであるシリコーン油である。具体的には、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の直鎖シリコーン油、シクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シリコーン油が挙げられる。25℃における粘度が2mm2/sを下回るとしっとり感が得られ難くなることがあり、100mm2/sを超えると肌上でのなじみが悪くなることがあり、また、べたつき感が生じることがある。シリコーン油は、1種又は2種以上を用いることができる。なお、シリコーン油の25℃における粘度は、JIS Z8803に準じてウベローデ粘度計により測定することができる。 〔(C)成分〕 本発明に用いられる(C)成分は、いずれも25℃で液状であるエステル油、炭化水素又は油脂であり、通常の化粧品に用いられるものである。なお、エステル油、炭化水素、及び油脂から選ばれる2種以上を併用することもできる。 25℃で液状のエステル油は、酸とアルコールとからの脱水縮合物である。酸としては、好ましくは炭素数8〜30の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の脂肪酸が挙げられ、アルコールとしては、好ましくは炭素数2〜30であり、水酸基が1個の1価アルコール又は水酸基が2個以上の多価アルコールが挙げられる。具体的なエステル油としては、2−エチルへキサン酸セチル、2−エチルへキサン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸エチル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、エルカ酸オクチルドデシル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジエチルへキサン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸プロパンジオール、トリエチルへキサン酸エリスリチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラエチルへキサン酸ペンタエリスリチル、ネオデカン酸オクチルドデシル等が挙げられる。中でも、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、エルカ酸オクチルドデシルが好ましい。エステル油は、1種又は2種以上を用いることができる。 25℃で液状の炭化水素は、炭素原子と水素原子からなる化合物であり、通常、化粧品で用いられるものは炭素数15以上のものである。具体的には、流動パラフィン、水添ポリイソブテン、スクワラン、スクワレン、流動イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。炭化水素は、1種又は2種以上を用いることができる。 25℃で液状の油脂としては、通常、化粧品で用いられるものが用いられ、例えば、動植物類から採取された油を脱臭、脱色等の精製処理がされたものが用いられる。具体的には、ダイズ油、オリーブ油、ククイナッツ油、ブドウ種子油、サフラワー油、アーモンド油、トウモロコシ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油、月見草油、メドウフォーム油、牛脂等が挙げられる。油脂は、1種又は2種以上を用いることができる。 〔(D)成分〕 本発明に用いられる(D)成分は、炭素数3〜6の多価アルコールであり、炭素数3〜6で水酸基が2個以上の水溶性アルコール類を指す。具体的には、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール等が挙げられる。多価アルコールは、1種又は2種以上を用いることができる。 〔(E)成分〕 本発明に用いられる(E)成分は、アクリル酸ナトリウム又はアクリル酸ヒドロキシエチルと、アクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体である。すなわち、アクリル酸ナトリウムとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体、又はアクリル酸ヒドロキシエチルとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体である。 これらの共重合体は、化粧品原料として市販されている製品を使用することができる。具体的な製品としては、SEPPIC社製の「SIMULGEL EG」と、SEPPIC社製の「SIMULGEL NS」が挙げられる。 「SIMULGEL EG」は、アクリル酸ナトリウムとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(ポリソルベート80)、及びイソヘキサデカンの混合物であり、アクリル酸ナトリウムとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体を35〜40質量%含有している。 「SIMULGEL NS」は、アクリル酸ヒドロキシエチルとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、及びスクワランの混合物であり、アクリル酸ヒドロキシエチルとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体を35〜40質量%含有している。 アクリル酸ナトリウムとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体及びアクリル酸ヒドロキシエチルとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体は、いずれか単独で使用することができ、又は併用することもできる。 〔(F)成分〕 本発明に用いられる(F)成分は、カルボキシビニルポリマー又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーである。なお、カルボキシビニルポリマーとアルキル変性カルボキシビニルポリマーを併用してもよい。 カルボキシビニルポリマーは、アリルショ糖やペンタエリスリトールのアリルエーテル等で架橋された、主としてアクリル酸の重合体である。また、アルキル変性カルボキシビニルポリマーは、アクリル酸あるいはメタクリル酸と、アクリル酸アルキルあるいはメタクリル酸アルキルとの共重合体である。 (F)成分は、pH=5.5に調整した0.5質量%水溶液において粘度が50〜300Pa・sであるものが好適に用いられる。通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、リジンやアルギニン等の塩基性アミノ酸等で中和することによって、(F)成分含有水溶液の粘度を上昇させることができる。 カルボキシビニルポリマー又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、化粧品原料として市販されている製品を使用することができる。具体的な製品としては、カルボキシビニルポリマーでは、住友精化株式会社製の「AQUPEC HV−505E」、Lubrizol Advanced Materials社製の「カーボポール940」、「カーボポール941」、3Vシグマ社製の「シンタレンK」、「シンタレンL」等が挙げられ、アルキル変性カルボキシビニルポリマーでは、住友精化株式会社製の「AQUPEC HV−501ER」、Lubrizol Advanced Materials社製の「カーボポール1342」、「カーボポールETD2020」等が挙げられる。 カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、それぞれ1種又は2種以上を用いることができる。 〔各成分の含有量〕 上記の(A)成分の含有量は、皮膚化粧料中に、0.1〜1質量%であり、好ましくは0.15〜0.8質量%であり、さらに好ましくは0.2〜0.6質量%である。0.1質量%未満では、べたつきが生じ、化粧崩れを起こし易く、しわ改善効果に乏しくなることがあり、1質量%を超えると、なじみ難く、持続的なしっとり感が不十分となることがある。 上記の(B)成分の含有量は、皮膚化粧料中に、0.5〜15質量%であり、好ましくは3〜12質量%であり、さらに好ましくは5〜10質量%である。0.5質量%未満では、なじみ難く、化粧ノリが悪くなることがあり、15質量%を超えると、配合量に見合った効果が得られないことがある。 上記の(C)成分の含有量は、皮膚化粧料中に、0.1〜5質量%であり、好ましくは0.5〜4.5質量%であり、さらに好ましくは1〜4質量%である。0.1質量%未満では、フレーキングを起こし易く、しわ改善効果に乏しくなることがあり、5質量%を超えると、べたつきが生じ、化粧崩れを起こし易くなることがある。 上記の(D)成分の含有量は、皮膚化粧料中に、10〜30質量%であり、好ましくは12〜28質量%であり、さらに好ましくは15〜25質量%である。10質量%未満では、持続的なしっとり感が不十分であり、化粧ノリが悪く、しわ改善効果に乏しくなることがあり、30質量%を超えると、フレーキングを起こし易く、べたつき感を生じ、化粧ノリが悪くなることがある。 上記の(E)成分の含有量は、皮膚化粧料中に、0.05〜0.6質量%であり、好ましくは0.1〜0.5質量%であり、さらに好ましくは0.15〜0.4質量%である。0.05質量%未満では、しわ改善効果に乏しく、また皮膚化粧料の経時安定性が低下することがあり、0.6質量%を超えると、なじみ難くなり、べたつきが生じ、化粧崩れを起こし易くなることがある。 上記の(F)成分の含有量は、皮膚化粧料中に、0.1〜1質量%であり、好ましくは0.2〜0.8質量%であり、さらに好ましくは0.3〜0.7質量%である。0.1質量%未満では、持続的なしっとり感が不十分となることがあり、1質量%を超えると、なじみ難くなり、フレーキングを起こし易く、化粧ノリが悪くなることがある。 (B)成分と(C)成分の各含有量の合計に対する(A)成分の含有量の質量比〔(A)/(B+C)〕は、肌上でのなじみやしわ改善効果の観点から、4/50以下であることが好ましく、3/50以下であることがさらに好ましい。 また、(E)成分と(F)成分の各含有量の合計に対する(A)成分の含有量の質量比〔(A)/(E+F)〕は、フレーキングや化粧崩れ防止、しわ改善効果の観点から、1/5以上であることが好ましく、2/5以上であることがさらに好ましい。 本発明のジェル状皮膚化粧料は、上記(A)〜(F)成分と水とを混合して調製することができる。本発明のジェル状皮膚化粧料は、pHが4.0〜8.0であることが好ましく、4.5〜6.5であることがさらに好ましい。pHが高すぎると皮膚化粧料の経時安定性が低下することがあり、また皮膚刺激性が生じることがある。pHが低すぎると皮膚化粧料の経時安定性が低下することがある。なお、pHは水酸化カリウム等のアルカリ性化合物を用いて調整することができる。 また、本発明のジェル状皮膚化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料に常用されている他の成分を配合することも可能である。 以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、下記の%は質量%を意味する。 〔実施例1〜10および比較例1〜10〕 ジェル状皮膚化粧料として、表1に示す組成物を調製し、下記の方法により評価を行った。その結果を表1に示す。なお、各組成物は水酸化カリウムによりpH5.5付近に調整した。また、実施例及び比較例で用いたシリコーン油の25℃における粘度を表1中に記載する。 (1)肌へのなじみ 20名の女性(22〜50才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料(約2g)を塗布した際の肌の感触について、下記の基準で評価した。 2点:肌へのなじみが良いと感じた。 1点:肌へのなじみがやや良いと感じた。 0点:肌へのなじみが良くないと感じた。 20名の合計値を求めて、下記の基準で評価して、表1中に表示した。 ◎:合計点が35点以上。肌へのなじみが非常に良好な化粧料である。 ○:合計点が30点以上、35点未満。肌へのなじみが良好な化粧料である。 △:合計点が20点以上、30点未満。肌へのなじみがやや悪い化粧料である。 ×:合計点が20点未満。肌へのなじみが悪い化粧料である。 (2)フレーキング 20名の女性(22〜50才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料(約2g)を塗布した際の肌を擦った感触について、下記の基準で評価した。 2点:ゲルポロ(粉かす)が生じない(フレーキングを起こさない)と感じた。 1点:ゲルポロ(粉かす)がやや生じる(フレーキングがやや起こる)と感じた。 0点:ゲルポロ(粉かす)が生じる(フレーキングが起こる)と感じた。 20名の合計値を求めて、下記の基準で評価して、表1中に表示した。 ◎:合計点が35点以上。フレーキングが起きない化粧料である。 ○:合計点が30点以上、35点未満。フレーキングがほとんど起きない化粧料である。 △:合計点が20点以上、30点未満。フレーキングがやや起きる化粧料である。 ×:合計点が20点未満。フレーキングが起きる化粧料である。 (3)べたつき感 20名の女性(22〜50才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料(約2g)を塗布し、10分後の肌の感触について、下記の基準で評価した。 2点:肌がべたつかないと感じた。 1点:肌がややべたつくと感じた。 0点:肌がべたつくと感じた。 20名の合計値を求めて、下記の基準で評価して、表1中に表示した。 ◎:合計点が35点以上。べたつきを感じない化粧料である。 ○:合計点が30点以上、35点未満。べたつきをほとんど感じない化粧料である。 △:合計点が20点以上、30点未満。ややべたつきを感じる化粧料である。 ×:合計点が20点未満。べたつきを感じない化粧料である。 (4)持続的なしっとり感 20名の女性(22〜50才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料(約2g)を塗布し、5時間後の肌の感触について、下記の基準で評価した。 2点:肌がしっとりすると感じた。 1点:肌がややしっとりすると感じた。 0点:肌がしっとりしないと感じた。 20名の合計値を求めて、下記の基準で評価して、表1中に表示した。 ◎:合計点が35点以上。肌がとてもしっとりする化粧料である。 ○:合計点が30点以上、35点未満。肌がしっとりする化粧料である。 △:合計点が20点以上、30点未満。肌がややしっとりする化粧料である。 ×:合計点が20点未満。肌がしっとりしない化粧料である。 (5)化粧ノリ 20名の女性(22〜50才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料(約2g)を塗布してから市販の固形ファンデーションでメイクした際の肌の状態について、下記の基準で評価した。 2点:ファンデーションの付き具合が良いと感じた。 1点:ファンデーションの付き具合がまあまあ良いと感じた。 0点:ファンデーションの付き具合が悪いと感じた。 20名の合計値を求めて、下記の基準で評価して、表1中に表示した。 ◎:合計点が35点以上。化粧ノリが非常に良好な化粧料である。 ○:合計点が30点以上、35点未満。化粧ノリが良好な化粧料である。 △:合計点が20点以上、30点未満。化粧ノリがやや悪い化粧料である。 ×:合計点が20点未満。化粧ノリが悪い化粧料である。 (6)化粧崩れ 20名の女性(22〜50才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料(約2g)を塗布してから市販の固形ファンデーションでメイクし、5時間後の肌の状態について、下記の基準で評価した。 2点:化粧崩れを起こしていないと感じた。 1点:化粧崩れをやや起こしていると感じた。 0点:化粧崩れを起こしていると感じた。 20名の合計値を求めて、下記の基準で評価して、表1中に表示した。 ◎:合計点が35点以上。化粧崩れを起こさない化粧料である。 ○:合計点が30点以上、35点未満。化粧崩れをほとんど起こさない化粧料である。 △:合計点が20点以上、30点未満。化粧崩れをやや起こす化粧料である。 ×:合計点が20点未満。化粧崩れを起こす化粧料である。 (7)しわ改善効果 20名の女性(22〜50才)をパネラーとし、皮膚化粧料(約2g)を1日2回ずつ連日4週間塗布した際の肌の状態について、下記の基準で評価した。 2点:しわが明らかに少なくなったと感じた。 1点:しわがやや少なくなったと感じた。 0点:しわが減少しない、もしくはしわが増加したと感じた。 20名の合計値を求めて、下記の基準で評価して、表1中に表示した。 ◎:合計点が35点以上。しわ改善効果に非常に優れる化粧料である。 ○:合計点が30点以上、35点未満。しわ改善効果に優れる化粧料である。 △:合計点が20点以上、30点未満。しわ改善効果がある化粧料である。 ×:合計点が20点未満。しわ改善効果がほとんどない化粧料である。 ※1:「DC 9040 Silicone Elastomer Blend」(東レ・ダウコーニング株式会社製)表1中の数字は「DC 9040 SiliconeElastomer Blend」に含まれるシリコーンエラストマーとしての含有量を表す。(DC 9040 Silicone Elastomer Blendの組成:シリコーンエラストマー(ジメチコンクロスポリマー)12%、シクロペンタシロキサン88%) ※2:「KSG−15」(信越化学工業株式会社製)表1中の数字は「KSG−15」に含まれるシリコーンエラストマーとしての含有量を表す。(KSG−15の組成:シリコーンエラストマー(メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマー)5%、シクロペンタシロキサン95%) ※3:「パールリーム4」(日油株式会社製) ※4:「SIMULGEL EG」(SEPPIC社製)表1中の数字は「SIMULGEL EG」に含まれるアクリル酸ナトリウムとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体としての含有量を表す。(SIMULGEL EGの組成:アクリル酸ナトリウムとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体37.5%、イソヘキサデカン22.5%、ポリソルベート80を7.5%、水32.5%) ※5:「SIMULGEL NS」(SEPPIC社製)表1中の数字は「SIMULGEL NS」に含まれるアクリル酸ヒドロキシエチルとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体としての含有量を表す。(SIMULGEL NSの組成:アクリル酸ヒドロキシエチルとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体37.5%、スクワラン25.5%、ポリソルベート80を5.5%、水31.5%) ※6:「AQUPEC HV−505E」(住友精化株式会社製)(カルボキシビニルポリマー)(0.5%水溶液(pH=5.5)粘度190Pa・s) ※7:「AQUPEC HV−501ER」(住友精化株式会社製)(アルキル変性カルボキシビニルポリマー)(0.5%水溶液(pH=5.5)粘度140Pa・s) 実施例1〜10の結果より、本発明のジェル状皮膚化粧料は、いずれも肌へのなじみが良好であるとともに、フレーキングを起こし難く、べたつき難くさらさら感があり、塗布直後から持続的なしっとり感が得られ、また化粧ノリが良好であり、化粧崩れを起こし難く、さらに、しわ改善効果に優れることが分かる。 他方、比較例1〜10では十分な性能が得られていない。 すなわち、比較例1では、(A)成分の含有量が本発明規定の上限値を超えていることから、なじみがやや悪く、持続的なしっとり感が不十分であった。 比較例2では、(A)成分が配合されていないことから、べたつきが生じ、化粧崩れを起こし易く、またしわ改善効果が弱くなっていた。 比較例3では、(C)成分の含有量が本発明規定の上限値を超えていることから、べたつきがやや生じ、化粧崩れをやや起こし易くなっていた。 比較例4では、(D)成分の含有量が本発明規定の下限値を下回っていることから、持続的なしっとり感が不十分であり、化粧ノリがやや悪く、またしわ改善効果に乏しくなっていた。 比較例5では、(E)成分の含有量が本発明規定の上限値を超えていることから、なじみがやや悪く、べたつきがやや生じ、また化粧崩れをやや起こし易くなっていた。 比較例6では、(F)成分の含有量が本発明規定の上限値を超えていることから、なじみが悪く、フレーキングが起きており、また化粧ノリがやや悪くなっていた。 比較例7では、(C)成分に代えて、(C)成分とは異なる成分が配合されていることから、なじみがやや悪く、べたつきがやや生じており、また化粧崩れをやや起こし易く、さらにしわ改善効果が弱くなっていた。 比較例8では、(B)成分に代えて、(B)成分とは異なる成分が配合されていることから、フレーキングをやや起こし、べたつきがやや生じており、また化粧ノリがやや悪く、さらにしわ改善効果が弱くなっていた。 比較例9では、(D)成分に代えて、(D)成分とは異なる成分が配合されていることから、べたつきをやや生じ、化粧ノリがやや悪く、また化粧崩れをやや起こし易く、さらにしわ改善効果が弱くなっていた。 比較例10では、(B)成分及び(F)成分が配合されていないことから、なじみがやや悪く、持続的なしっとり感が不十分であり、また化粧ノリがやや悪く、さらにしわ改善効果が弱くなっていた。 下記の(A)成分を0.1〜1質量%、(B)成分を0.5〜15質量%、(C)成分を0.1〜5質量%、(D)成分を10〜30質量%、(E)成分を0.05〜0.6質量%、(F)成分を0.1〜1質量%含有するジェル状皮膚化粧料。 (A)シリコーンエラストマー (B)25℃における粘度が2〜100mm2/sであるシリコーン油 (C)いずれも25℃で液状であるエステル油、炭化水素又は油脂 (D)炭素数3〜6の多価アルコール (E)アクリル酸ナトリウム又はアクリル酸ヒドロキシエチルと、アクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体 (F)カルボキシビニルポリマー又はアルキル変性カルボキシビニルポリマー 【課題】肌に直接塗布して使用した際に、肌へのなじみが良好であるとともに、フレーキングを起こし難く、べたつき難くさらさら感があり、塗布直後から持続的なしっとり感が得られ、また化粧ノリが良好であり、化粧崩れを起こし難く、さらに、しわ改善効果に優れるジェル状皮膚化粧料の提供。【解決手段】下記の(A)成分を0.1〜1質量%、(B)成分を0.5〜15質量%、(C)成分を0.1〜5質量%、(D)成分を10〜30質量%、(E)成分を0.05〜0.6質量%、(F)成分を0.1〜1質量%含有するジェル状皮膚化粧料。 (A)シリコーンエラストマー (B)25℃における粘度が2〜100mm2/sであるシリコーン油 (C)いずれも25℃で液状であるエステル油、炭化水素又は油脂 (D)炭素数3〜6の多価アルコール (E)アクリル酸ナトリウム又はアクリル酸ヒドロキシエチルと、アクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体 (F)カルボキシビニルポリマー又はアルキル変性カルボキシビニルポリマー【選択図】なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る