生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_抗ストレス組成物
出願番号:2013096847
年次:2014
IPC分類:A23L 2/52,A61K 36/899,A61K 36/18,A61K 36/23,A61K 31/198,A61K 36/28,A61K 31/7008,A61K 36/48,A61K 38/17,A61K 36/00,A61K 36/25,A61K 36/53,A61K 35/74,A61P 25/22,A61P 25/20,A61P 43/00,A23L 1/305,A23L 2/38,A23L 1/30


特許情報キャッシュ

小林 稔 古庄 愛 JP 2014217287 公開特許公報(A) 20141120 2013096847 20130502 抗ストレス組成物 株式会社エモテント 504245033 中嶋 伸介 100106448 小林 稔 古庄 愛 A23L 2/52 20060101AFI20141024BHJP A61K 36/899 20060101ALI20141024BHJP A61K 36/18 20060101ALI20141024BHJP A61K 36/23 20060101ALI20141024BHJP A61K 31/198 20060101ALI20141024BHJP A61K 36/28 20060101ALI20141024BHJP A61K 31/7008 20060101ALI20141024BHJP A61K 36/48 20060101ALI20141024BHJP A61K 38/17 20060101ALI20141024BHJP A61K 36/00 20060101ALI20141024BHJP A61K 36/25 20060101ALI20141024BHJP A61K 36/53 20060101ALI20141024BHJP A61K 35/74 20060101ALI20141024BHJP A61P 25/22 20060101ALI20141024BHJP A61P 25/20 20060101ALI20141024BHJP A61P 43/00 20060101ALI20141024BHJP A23L 1/305 20060101ALI20141024BHJP A23L 2/38 20060101ALI20141024BHJP A23L 1/30 20060101ALI20141024BHJP JPA23L2/00 FA61K35/78 UA61K35/78 CA61K35/78 NA61K31/198A61K35/78 TA61K31/7008A61K35/78 JA61K37/12A61K35/78 AA61K35/78 MA61K35/78 BA61K35/78 QA61K35/74 AA61P25/22A61P25/20A61P43/00 121A61K35/78 WA23L1/305A23L2/38 JA23L1/30 BA23L2/38 NA23L2/38 CA23L2/38 G 6 OL 15 4B017 4B018 4C084 4C086 4C087 4C088 4C206 4B017LE08 4B017LG06 4B017LG10 4B017LG12 4B017LG14 4B017LG15 4B017LG16 4B017LK11 4B017LK14 4B017LK15 4B017LK21 4B017LP01 4B018LB08 4B018MD19 4B018MD20 4B018MD27 4B018MD48 4B018MD49 4B018MD50 4B018MD51 4B018MD59 4B018MD61 4B018MD64 4B018MD86 4B018ME14 4B018MF01 4B018MF02 4B018MF13 4C084AA01 4C084AA02 4C084BA44 4C084MA02 4C084MA52 4C084NA14 4C084ZA031 4C084ZA051 4C084ZC751 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA02 4C086GA17 4C086MA02 4C086MA03 4C086MA04 4C086MA17 4C086MA52 4C086NA14 4C086ZA03 4C086ZA05 4C086ZC75 4C087AA01 4C087AA02 4C087BC56 4C087CA09 4C087MA02 4C087MA17 4C087MA52 4C087NA14 4C087ZA03 4C087ZA05 4C087ZC75 4C088AA06 4C088AB02 4C088AB12 4C088AB18 4C088AB26 4C088AB38 4C088AB39 4C088AB40 4C088AB45 4C088AB59 4C088AB61 4C088AB74 4C088AB77 4C088AB78 4C088AB81 4C088AC01 4C088AC04 4C088AC05 4C088AC11 4C088BA08 4C088BA09 4C088MA07 4C088MA08 4C088MA17 4C088MA52 4C088NA14 4C088ZA03 4C088ZA05 4C088ZC75 4C206AA01 4C206AA02 4C206GA18 4C206GA22 4C206KA18 4C206MA02 4C206MA03 4C206MA04 4C206MA37 4C206MA72 4C206NA14 4C206ZA03 4C206ZA05 4C206ZC75 本発明は、抗ストレス組成物に関し、より詳細にはとうもろし茶を主成分とする抗ストレス組成物に関する。 緑茶、紅茶等の嗜好性飲食品には、リラックス作用があるが、これらの嗜好品の作用の原因は、主にテアニンであるとされている。例えば、非特許文献1及び2では、集中力を向上させる作用や気分を落ち着かせるリラックス作用が報告されている。 テアニンには、抗ストレス作用があることも知られ、これを利用した飲食品も提案されている(特許文献1)。特許文献1の発明によれば、安全性の高い有効成分を含み、嗜好飲料的性格を持たせて、ストレスの予防および/または軽減のために常用可能であるとする。特許文献2からは、テアニンと、ハーブ、GABA及びパラチノースからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする抗ストレス及びリラックス用組成物が提案される。また、特許文献3は、紫色食用色素とストレス解消成分としてテアニンを必須成分とする事を特徴とする紫色の飲料または食品を開示する。特開平6−100442特開2005−232045特開2009−178068Kimura K et al.L−Theanine reduces psychological and physiological stress responces,Biol Psychol.,2007,74,39−45上田智子他、PMSと健康食品−L−テアニンの月経前症候群改善効果に関する研究−女性心身医学、2001,6,234−239 従来知られているテアニン以外の飲料系材料もまた、その組み合わせ方によっては、抗ストレス作用の発現が期待される。そこで、本発明は、従来知られている飲食物材料でありながら、その組み合わせが新規であって、優れた抗ストレス作用を発揮する組成物を提供することにある。 本発明者等は、上記課題を鋭意検討した結果、以下の成分を処方した組成物によれば、上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は、乾燥基準で40〜99重量%のとうもろこし茶、及び0.01〜60重量%のニルギリ種紅茶を含有する抗ストレス組成物を提供する。本明細書において、「抗ストレス組成物」という用語は、その摂取によりヒトに抗ストレス性を付与する意味で使用される。 上記組成物は、それぞれ0.01〜30重量%のディル、カルダモン及びテアニンのいずれか一種を含有することが好ましい。 上記組成物は、さらに、さらに、乾燥基準でそれぞれ0.01〜30重量%の蓮の葉茶、蒲公英根及び紅景天から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。 上記組成物は、さらに、乾燥基準で0.01〜50重量%のNアセチルグルコサミンを含有することが好ましい。 上記組成物は、さらに、乾燥基準でそれぞれ0.01〜30重量%のおから、玄米、はとむぎ、コラーゲン、霊芝、山扁豆葉、高麗人参、カカオ、イチョウ葉エキス、まんねんろう、玉露及び乳酸菌から選ばれる少なくとも一種を含有することがこのましい。 本発明は、また、上記の抗ストレス組成物を用いて調製された飲料を提供する。 本発明の抗ストレス組成物を、例えば飲料に混ぜて摂取することにより、ヒトに抗ストレス作用を付与する。本発明の組成物を用いて作製した飲食品(例えば飲料)は、以前にも増してストレスの多い現代社会において、働き盛りの社会人や受験期の学生、あるいはストレスのかかる職種に非常に有益な効果をもたらす。本発明の抗ストレス組成物は、単回摂取でも抗ストレス性を発揮するが、常習的に摂取することで抗ストレス性を顕著に発揮する。 本発明の抗ストレス組成物は、主成分としてとうもろこし茶を必須成分とした配合してなる。とうもろこし茶は、収穫したとうもろこしの実を自然乾燥し、焙煎した後、挽割加工することにより得られる。焙煎時の温度は、特に制限ないが、通常、65〜100℃である。本発明には、市販のとうもろこし茶を使用可能である。 本発明において、とうもろこし茶の含有量は、乾燥基準で40〜99重量%であり、好ましくは60〜98重量%であり、さらに好ましくは80〜95重量%である。 本発明の抗ストレス組成物は、副成分としてニルギリ種紅茶もまた必須に含む。ニルギリ種紅茶は、アッサム種紅茶に比べて、テアニン及びビタミンCが少ない反面、ビタミンA及びEを多く含む。 本発明において、ニルギリ種紅茶の含有量は、乾燥基準で0.01〜60重量%であり、好ましくは0.05〜40重量%、より好ましくは0.05〜20重量%である。 本発明の抗ストレス組成物は、好ましくはディル、カルダモン及びテアニンのいずれか一種を含む。一般的な飲料であるお茶や紅茶には、テアニンは含まれているが、ディルとカルダモンは含まれていない。本発明の組成物は、これらの成分がとうもろこし茶成分及びニルギリ種紅茶と組み合わさって抗ストレス性に相乗効果を付与する特に好ましくは、本発明の組成物は、ディル、カルダモン及びテアニンを含む。 デイルは、セリ科の1〜2年草で、南ヨーロッパから西アジアが原産のハーブの一種である。デイルは、消化促進作用、安眠効果、鎮静効果、口臭防止等の効果が期待して薬用や食用に利用されている。例えば、種は、ハーブティーや香辛料として、そして、葉は、魚料理のつま、スープ、ソース等に利用される。 カルダモンは、ショウガ科の多年草で、インド、スリランカ、マレー半島で栽培されるスパイスの一種である。カルダモンの種子がカレー料理等の香り付けに利用される。 テアニンは、L−テアニン、D−テアニン、及びL−又はD−グルタミン酸−γ−アルキルアミド又はその誘導体の少なくとも1種を用いることができる。テアニンは、それを含む茶葉からの抽出、微生物培養、発酵、化学合成等により得られる。天然由来であり、食品添加物として許可されているL−テアニンが好ましい。 本発明において、ディル、カルダモン又はテアニンの含有量は、それぞれ、乾燥基準で0.01〜30重両%であり、好ましくは1.0〜10重量%である。 本発明の組成物は、さらに蓮の葉茶、蒲公英根、紅景天、Nアセチルグルコサミン、おから、玄米、はとむぎ、コラーゲン、霊芝、山扁豆葉、高麗人参、カカオ、イチョウ葉エキス、まんねんろう、玉露及び乳酸菌からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。おからからは主としてレシチンが供給される。乳酸菌からは主としてフラボンが供給される。Nアセチルグルコサミンの含有量は、通常、0.01〜50重量%でよく、好ましくは0.1〜30重量%、好ましくは1.0〜10重量%である。おから、玄米、はとむぎ、コラーゲン、霊芝、山扁豆葉、高麗人参、カカオ、イチョウ葉エキス、まんねんろう、玉露又は乳酸菌の含有量は、通常、0.01〜30重量%でよく、好ましくは0.05〜10、より好ましくは0.05〜5重量%である。 本発明の抗ストレス組成物は、とうもろこし茶及びニルギリ種紅茶、並びに適宜のその他成分を配合することにより得られる。 本発明の抗ストレス組成物の使用方法は、通常のお茶と同様である。すなわち、組成物を水又は温湯に抽出して得られる飲料を摂取する。したがって、本発明は、抗ストレス組成物を用いて調製された飲料を提供する。 本発明の抗ストレス組成物は、飲料への使用以外に、食品の添加物としても使用可能である。そのような食品には、菓子類、加工食品等が挙げられる。 本発明の抗ストレス組成物は、単回摂取すると抗ストレス性が発揮されるが、常習的に摂取することで抗ストレス性を顕著に発揮できる。その効果は、血清及び唾液中のコルチゾール値の減少作用、並びにセロトニン分泌の増大作用において顕著である。コルチゾールはストレスの負荷によっても分泌されるので、低下は抗ストレスの改善を意味する。一方、セロトニンは精神疾患と関連があり、セロトニン濃度の上昇がパニック障害や不安障害の改善に有効であることが報告されている(不安障害の薬物治療の最前線、井上猛、日本薬理学雑誌 2005;125:297−300)。したがって、本発明は、1週間以上、好ましくは4週間以上、特に好ましくは8週間以上、摂取するように包装された抗ストレス組成物を提供する。 以下に本発明の実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。〔実施例1〕 表1に示す本発明の抗ストレス組成物を調合し、ストレスを感じている40歳代の男女を対象とし、本発明の組成物を8週間摂取させ、精神的なストレス負荷をかけた際のストレス反応について検討を行った。1.組成物の調製 表1に示す原料と配合の組成物(2.5g/包)を調製した。 比較のため、紅茶フレーバー(テアニン未含有)、デキストリン、赤色40号及びカラメルからなるプラセボ組成物を用意した。2.摂取方法 被験者12名を二群に分けた。一群には、表1に示す調合の本発明の組成物を摂取させ、もう一群はプラセボを摂取させた。各群の構成を表2に示す。 単回摂取量をティーバック1袋(2.5g)とし、被験者に1日2回(朝と昼)摂取させた。これを8週間継続した。摂取方法は、カップにティーバッグ1袋を入れ、130ccの熱湯(90℃前後)を注ぎ、1分30〜40秒間浸漬後、ティーバッグを湯の中で揺らしてから素早く引き上げることにより、飲料を調製した。3.ストレス関連内分泌物質試験(1) コルチゾールは、副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイドの一種であり、炭水化物、脂肪及びタンパク質の代謝を制御するホルモンである。コルチゾールは、ストレスの負荷によっても分泌される。クレペリン検査とは、ひと桁の数字(3,4,5,6,7,8,9)の足し算を5分の休憩をはさんで前半15分、及び後半15分の30分間行わせ、その結果から試験者の性格や職業適性を推測する検査である。この試験者には、大きなストレスがかかる。そこで、クレペリン負荷によって生じたストレスによって変動するコルチゾール分泌量を測定することによって、ストレスの度合いを測定することができる。コルチゾールは、日内変動をすることが知られており、早朝に高く、時間の経過に伴い低下する。解析に当たっては、日内変動の影響を受けないよう考慮し、負荷後のコルチゾールの値を、負荷前のコルチゾールの値で除することで変化率を算出し、コルチゾールの日内変動の影響を除去した。 本発明の組成物を単回又は8週間摂取した本発明群のクレペリン投与による負荷前後の血清及び唾液中のコルチゾールを測定した。比較のために、プラセボ組成物を単回又は8週間摂取したプラセボ組成物群のクレペリン投与による負荷前後の血清及び唾液中のコルチゾールも測定した。 測定値は、市販の統計解析ソフトエア(製品名SPSS Ver.18.0、IBM製)で統計解析した。有意水準を5%とし、両側検定で有意確率5%未満(p<0.05)を有意差あり、5%以上10%未満(p<0.10)を傾向差ありと判定した。本発明組成物群の結果を、表3A(単回摂取)及び表3B(8週間摂取)に示す。また、プラセボ組成物群の結果を、表4A(単回摂取)及び表4B(8週間摂取)に示す。 本組成物群は、表3Aに示すとおり、本組成物の単回摂取した本組成物群のクレペリン投与による負荷前後の血清中のコルチゾールは、負荷前後で23.9%と有意に低下した(p=0.03)。唾液中のコルチゾールは、32.3%低下したが負荷前後で有意差はなかった。本組成物を8週間摂取した場合、表3Bに示すとおり、血清コルチゾール値は、10.3μg/dlから7.5μg/dlへと27.8%低下した(p=0.001)。同じく、唾液中コルチゾール値も、0.184μg/dlから0.123μg/dlへ33.2%低下した(p=0.024)。以上のことから、本組成物を単回摂取すると抗ストレス性が発揮されるが、常習的に摂取することで抗ストレス性を顕著に発揮できる点で好ましいことがわかる。 プラセボ組成物群は、表4Aに示すとおり、プラセボ組成物を単回摂取したプラセボ組成物群のクレペリン投与による負荷前後の血清及び唾液中のコルチゾールは、負荷前後で有意差がなかった。8週間摂取したプラセボ組成物群のクレペリン投与による負荷前後の血清コルチゾール値は、表4Bに示すとおり、9.3μg/dlから7.6μg/dlへ17.8%低下しただけであった(p=0.044)。同じく、唾液中コルチゾール値は、0.177μg/dlから0.129μg/dlへ27.1%低下した(p=0.025)。 表3及び表4を総合すると、本発明組成物群においてのみ、コルチゾールの変化率が摂取前と比較して摂取8週後に有意に低下した。コルチゾールの変化率は、負荷後のコルチゾールの値を、負荷前のコルチゾールの値で除したものであり、変化率の値が高いほど負荷後のコルチゾールの値が高く、ストレスがかかっていることを意味する。本発明組成物群において、負荷による血中コルチゾールの変化率が有意に低下し、プラセボ組成物群では有意な変動は認められなかったことから、本発明の組成物の摂取が、精神ストレスの負荷によるコルチゾールの上昇を抑制したということができる。また、プラセボには、本発明の組成物と同程度のテアニンが含まれていることから、本発明の組成物の抗ストレス性効果は、単にテアニン単独の効果ではなく、本発明の組成物中の各成分が総合的に作用した結果であるといえる。4.ストレス関連内分泌物質試験(2) ストレスに関連すると言われているドーパミン、ACTH(副腎皮質ホルモン)、セロトニン、GH(成長ホルモン)の分泌量が、本発明の組成物の摂取によって変化するかを調べた。 本組成物のストレス関連内分泌物質の平均値と標準偏差を、表5A(単回摂取前後)及び表5B(8週間摂取前後)に示す。また、プラセボ組成物のストレス関連内分泌物質の平均値と標準偏差を、表6A(単回摂取前後)及び表6B(8週間摂取前後)に示す。 本組成物群は、表5Aに示すとおり、摂取前と本発明の組成物の単回摂取との間に、ACTH及びセロトニンとで傾向差が認められた。すなわち、傾向差が認められた項目の単回摂取の平均値は、摂取前と比較して、ACTHで20.7pg/ml→26.9pg/mlと30.3%の上昇(p=0.083)、セロトニンで144.5ng/ml→135.5ng/ml6.2%の低下(p=0.063)であった。本組成物群は、表5Bに示すとおり、摂取前と本発明の組成物の8週間摂取との間に、セロトニンとで傾向差が認められた。すなわち、傾向差が認められた項目の8週間摂取後の平均値は、摂取前と比較して、セロトニンで144.5ng/ml→158.8ng/mlと9.92%の上昇(p=0.038)であった。 プラセボ組成物群は、表6Aに示すとおり、プラセボ組成物の摂取前と単回摂取との間に、セロトニンで、傾向差が認められた。すなわち、傾向差が認められた項目の単回摂取の平均値は、セロトニンで158.4ng/ml→145.8ng/mlと7.9%の低下(p=0.064)であった。また、表6Bに示すとおり、プラセボ組成物の摂取前と8週間摂取後との間に、傾向差は見られなかった。 表5及び6の結果を総合すると、本発明組成物群においてのみ、セロトニンが摂取前と比較して摂取8週後に有意に上昇した。本試験の結果、本発明の組成物を8週間摂取することにより、セロトニンが摂取前と比較して有意に上昇したこと、また、セロトニンの有意な上昇が本発明組成物群のみで認められたことから、本発明の組成物が精神安定に寄与する可能性が示唆された。また、本発明の組成物は、8週間程度の長期間の摂取によって効果を奏する。5.ストレスアンケート調査 日本語版POMS(Profile Of Mood States)短縮版アンケート調査を実施し、過去1週間の気分や感情の状態を評価した。調査項目は、「緊張・不安」、「抑うつ」、「怒り・敵意」、「活気」、「疲労」、及び「混乱」の6因子とした。回答方法は「まったくなかった」から「非常に多くあった」までを5段階で評価してもらった。緊張・不安」、「抑うつ」、「怒り・敵意」、「疲労」、及び「混乱」の5因子はネガティブな項目であり、得点が高いほど望ましくない状態を意味する。一方、「活気」は、ポジティブな項目であるため、得点が高いほど望ましい状態を意味する。なお、点数を算出する過程では、日本人のデータを基に標準化しており、日本人の平均を50点、−1SDを40点、+1SDを60点として標準化した。統計解析は、市販の統計解析ソフトエア(製品名SPSS Ver.18.0、IBM製)を使用し、有意水準を5%とし、両側検定で有意確率5%未満(p<0.05)を有意差あり、5%以上10%未満(p<0.10)を傾向差ありと判定した。 本組成物のPOMSアンケート調査結果を表7A(単回摂取前後)及び表7B(8週間摂取前後)に示す。また、プラセボ組成物のPOMSアンケート調査結果を表8A(単回摂取前後)及び表8B(8週間摂取前後)に示す。 本組成物群は、表7Aにおいて、「疲労」において、摂取前57.8から単回摂取後の51.5と11.0%の低下が、摂取前と単回摂取との間に傾向差が認められた(p=0.080)。表7Bにおいて、有意差が認められた「活気」の摂取8週後の平均値は、摂取前と比較して16.5%の上昇(42.5→49.5)であり(p=0.003)、摂取前と摂取8週後との間に有意差が認められた項目は、「活気」であった。 プラセボ組成物群は、表8Aにおいて、「緊張・不安」の単回摂取の平均値は、53.5→48.3と摂取前と比較して9.7%の低下した(p=0.019)。表8Bにおいて、摂取前から摂取8週後の変化量については、有意差は見られなかった。「活気」は、本発明組成物群、プラセボ組成物群ともに上昇したが、本発明組成物群がプラセボ組成物群より大きく上昇した。 表7及び8を総合すると、本発明組成物群においてのみ、「活気」が摂取前と比較して摂取8週後に有意に上昇した。「活気」は、POMSの6因子のなかで唯一ポジティブな因子であり、得点が高いほど望ましい。摂取8週後に本発明組成物群でのみ「活気」の得点が有意に上昇したこと、摂取前から摂取8週後の変化量については本発明組成物群とプラセボ組成物群との間に有意差が認められたことから、本発明組成物の摂取がストレス負荷による「活気」の低減を抑制する可能性が示唆された。 本発明組成物に含まれるカルダモンは、脳の血流量を増大させるとの報告がある(香辛料のヒト脳循環と脳高次機能に及ぼす影響(II)、井上和美他、カルダモンの脳、内血流増大作用、和漢医薬学雑誌2002;19:154.3)。また、脳の血流の低下が、慢性疲労や思考能力低下の原因となるとの報告もある(慢性疲労症候群患者の脳血流低下に対する人参栄養湯の効果について、小川良一他、和漢医薬学会大会要旨集1993;10:27)。本試験の結果、本発明組成物を8週間摂取したことにより「活気」が有意に上昇し、「疲労」についても有意でないものの得点が低下したが、これらの改善について、上記のセロトニン濃度の上昇の他に、カルダモンによる脳内血流量の増大が関係している可能性が示唆される。 また、内科的検査の所見では、本発明の組成物群は、「睡眠不足」について、摂取前と摂取8週後で比較をしたところ、「常にある」と答えた者が3名から0名へ、そして「あまりない」と答えた者が1名から0名へと、それぞれ減少し、「たまにある」と答えた者が2から4名へ、「ない」と答えた者が0名から2名へと、それぞれ増加した。また、「腹痛」について、摂取前と摂取8週後で比較をしたところ、「たまにある」と答えた者が2名から1名へ、「あまりない」と答えた者が3名から1名へそれぞれ減少し、「ない」と答えた者が1名から4名へと増加した。 以上の実験結果をまとめると、本発明組成物を8週間摂取することで、1)精神ストレスの負荷に伴う血中コルチゾールの上昇を抑制すること、2)精神安定に寄与するセロトニンが上昇すること、及び3)自覚症状として「活気」が向上することが示された。これより、本発明組成物には、抗ストレス作用があることが確認された。 乾燥基準で40〜99重量%のとうもろこし茶、及び0.01〜60重量%のニルギリ種紅茶を含有する抗ストレス組成物。 さらに、それぞれ0.01〜30重量%のディル、カルダモン及びテアニンの少なくとも一種を含有する、請求項1に記載の抗ストレス組成物。 さらに、乾燥基準でそれぞれ0.01〜30重量%の蓮の葉茶、蒲公英根及び紅景天から選ばれる少なくとも一種を含有する、請求項1又は2に記載の抗ストレス組成物。 さらに、乾燥基準で0.01〜50重量%のNアセチルグルコサミンを含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の抗ストレス組成物。 さらに、乾燥基準でそれぞれ0.01〜30重量%のおから、玄米、はとむぎ、コラーゲン、霊芝、山扁豆葉、高麗人参、カカオ、イチョウ葉エキス、まんねんろう、玉露及び乳酸菌から選ばれる少なくとも一種を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の抗ストレス組成物。 請求項1〜5のいずれかに記載の抗ストレス組成物を用いて調製された飲料。 【課題】従来知られている飲食物材料でありながら、その組み合わせが新規であって、抗ストレス作用を有する組成物を提供する。【解決手段】本発明の抗ストレス組成物は、乾燥基準で40〜99重量%のとうもろこし茶、及び0.01〜60重量%のニルギリ種紅茶を含有する。好ましくは、さらにそれぞれ0.01〜30重量%のディル、カルダモン及びテアニンのいずれか一種を含有する。さらに好ましくは、乾燥基準でそれぞれ0.01〜30重量%の蓮の葉茶、蒲公英根及び紅景天から選ばれる少なくとも一種を含有する。特に好ましくは、さらに0.01〜50重量%のNアセチルグルコサミンを含有する。特に好ましくは、さらに乾燥基準でそれぞれ0.01〜30重量%のおから、玄米、はとむぎ、コラーゲン、霊芝、山扁豆葉、高麗人参、カカオ、イチョウ葉エキス、まんねんろう、玉露及び乳酸菌から選ばれる少なくとも一種を含有する。【選択図】なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る