生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_鋳造材の欠陥検査方法
出願番号:2013096629
年次:2014
IPC分類:G01N 25/72,B22D 11/00,B22D 11/06,B22D 11/124,G01J 5/48,G01J 5/00


特許情報キャッシュ

中富 大輔 佐野 忠徳 惠木 正敏 藤田 博 橋村 知 樋口 崇 大内 正樹 木藤 文人 JP 2014219222 公開特許公報(A) 20141120 2013096629 20130501 鋳造材の欠陥検査方法 住友電気工業株式会社 000002130 山野 宏 100100147 中富 大輔 佐野 忠徳 惠木 正敏 藤田 博 橋村 知 樋口 崇 大内 正樹 木藤 文人 G01N 25/72 20060101AFI20141024BHJP B22D 11/00 20060101ALI20141024BHJP B22D 11/06 20060101ALI20141024BHJP B22D 11/124 20060101ALI20141024BHJP G01J 5/48 20060101ALI20141024BHJP G01J 5/00 20060101ALI20141024BHJP JPG01N25/72 KB22D11/00 FB22D11/06 310AB22D11/06 370AB22D11/124 PG01J5/48 DG01J5/00 101A 7 1 OL 11 2G040 2G066 4E004 2G040AA06 2G040AA07 2G040AB08 2G040BA08 2G040CA02 2G040CA12 2G040CA23 2G040DA06 2G040DA15 2G040DA16 2G066AC11 2G066CA02 2G066CA04 4E004DA11 4E004DA22 4E004KA15 4E004MC30 4E004NC07 4E004PA10 4E004SC07 4E004TB09 本発明は、鋳造材の欠陥検査方法に関する。特に、鋳造直後の鋳造材の内部に存在する欠陥を非破壊で簡易に検出することができる鋳造材の欠陥検査方法に関する。 金属の板材、棒材、線材などの製品は、一般に、連続鋳造法により用途に応じた形状の鋳造材(中間製品)を鋳造した後、連続的に鋳造材に熱間加工(例、熱間圧延)を施して製造されている。例えば、銅又は銅合金の荒引線の場合、銅又は銅合金の溶湯を連続鋳造機に供給し、連続鋳造機により鋳造して連続鋳造材を製造した後、連続鋳造材を多段圧延機に直送し、多段圧延機により圧延して荒引線に加工している。 鋳造材には、ブローホールなどの欠陥が発生することがあり、このような欠陥は製品の品質に影響を与える。鋳造材に発生したブローホールなどの欠陥を検査する方法が、例えば特許文献1〜3に提案されている。 特許文献1には、鋳型から引き出された鋳片を、検査に必要な長さだけ切断すると共に、当該切断された鋳片を冷却し、当該冷却された鋳片をスカーフィングすることにより、鋳片中のブローホールの有無を判別する連続鋳造におけるブローホールの検査方法が記載されている。 特許文献2には、スラブの表面にレーザ光を照射して計測したスラブ表面の凹凸状態のデータとスラブの表面輝度分布とからスラブに発生した表面欠陥を検出するスラブの表面欠陥検出方法が記載されている。 特許文献3には、鋳造直後の鋼板をミストスプレーにより表面冷却し、該冷却部分を撮像し、撮像した画像を画像処理することにより、鋼鈑に生じた欠陥を検出する鋼鈑表面検査方法が記載されている。特開2006−122914号公報特開2010−117282号公報特開2012−73055号公報 しかしながら、従来の検査方法では、鋳造直後の鋳造材の内部に存在するブローホールなどの欠陥を非破壊で簡易に検出することが困難である。 特許文献1に記載の方法は、連続鋳造された鋳片から検査用の鋳片を切り出してブローホールの検査を行うことから、歩留りが低下する。 特許文献2に記載の方法は、スラブの表面で反射したレーザ光に基づいてスラブ表面の凹凸状態を計測することにより、表面欠陥を検出する。しかし、鋳造直後の高温のスラブ表面から放出される熱放射光の影響を受けるため、正確に計測することが難しく、ブローホールなどの微細な欠陥を検出することは困難である。また、熱放射光の影響を抑制できたとしても、この方法では、表面の欠陥しか検出できない。 特許文献3に記載の方法も、鋳造直後の鋼板における表面欠陥を検出するものであり、内部欠陥を検出するものではない。 その他、物体の内部欠陥を非破壊で検査する方法として、X線透過法や超音波探傷法が知られている。そこで、鋳造直後の鋳造材の内部欠陥の検査にX線透過法や超音波探傷法を適用することも考えられる。しかし、X線透過法の場合、高温の鋳造材の近傍にX線源やX線フィルムを配置することが技術的に難しく、検査機器の冷却対策にコストもかかるため、適用することが困難である。また、超音波探傷法の場合、超音波源と検査対象となる鋳造材との間に超音波を伝播させるために水などの媒体が必要となるが、高温の鋳造材に定常的に媒体を存在させることは技術的に難しく、適用することが困難である。 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的の一つは、鋳造直後の鋳造材の内部に存在する欠陥を非破壊で簡易に検出することができる鋳造材の欠陥検査方法を提供することにある。 本発明の鋳造材の欠陥検査方法は、以下の工程を備える。(A)連続鋳造直後の鋳造材に冷却液の噴流を直接噴射して、鋳造材の表面の少なくとも一部を一時的に冷却する冷却工程。(B)冷却液の噴射後、鋳造材の表面の冷却領域に残存する冷却液を除去する除去工程。(C)冷却液の除去後、鋳造材の冷却領域を観察して、冷却領域での欠陥が存在する欠陥部分と存在しない正常部分との表面温度の差に基づいて欠陥を検出する検出工程。 本発明の鋳造材の欠陥検査方法は、鋳造直後の鋳造材の内部に存在する欠陥を非破壊で簡易に検出することができる。実施形態に係る鋳造材の欠陥検査方法を実施する検査装置を連続鋳造圧延設備に適用した一例を示す模式図である。実施形態に係る鋳造材の欠陥検査方法を実施する検査装置のノズルの説明図であり、上方から見た図である。実施形態に係る鋳造材の欠陥検査方法を実施する検査装置のノズルの説明図であり、図2(A)中の矢視Bから見た図である。実施形態に係る鋳造材の欠陥検査方法を実施する検査装置の説明図である。試験例1の検査中の写真である。 本発明者らが鋭意研究した結果、以下の知見を得た。 連続鋳造直後の鋳造材の表面を冷却液の噴流(連続流)により一時的に冷却することにより、表面から抜熱されて表面温度が低下した後、内部からの熱伝導による復熱によって表面温度が上昇して元に戻る。このとき、冷却領域においてブローホールなどの欠陥が存在する欠陥部分と存在しない正常部分とでは、熱伝導度が異なり、復熱による温度上昇の差が生じるため、表面温度に差が生じ、熱放射光の輝度が変化する。具体的には、欠陥が存在する箇所は、熱伝導度が低く、復熱による表面温度が上昇する過程において上昇に時間がかかるため、その間、熱放射光の輝度が低く(暗く)なる。つまり、表面温度の差に起因して欠陥部分が黒く表れる。 以上の知見に基づいて、本発明者らは本発明を完成するに至った。 [本発明の実施形態の説明] 本発明の実施形態の内容を列記して説明する。 (1)実施形態に係る鋳造材の欠陥検査方法は、以下の工程を備える。(A)連続鋳造直後の鋳造材に冷却液の噴流を直接噴射して、鋳造材の表面の少なくとも一部を一時的に冷却する冷却工程。(B)冷却液の噴射後、鋳造材の表面の冷却領域に残存する冷却液を除去する除去工程。(C)冷却液の除去後、鋳造材の冷却領域を観察して、冷却領域での欠陥が存在する欠陥部分と存在しない正常部分との表面温度の差に基づいて欠陥を検出する検出工程。 実施形態に係る鋳造材の欠陥検査方法によれば、冷却液の噴流による冷却のため、鋳造材の表面からある程度の深さの内部まで抜熱でき、表面欠陥だけでなく、内部欠陥も検出できる。これに対し、ミストスプレーによる冷却では、極表面しか冷却されず、内部欠陥まで確実に検出できない。ここでいう「内部」とは、表面から深さ10mm程度の表層部分のことを指す。鋳造材の内部の深い部分まで冷却してしまうと、鋳造材に亀裂や割れなどの欠陥が発生する可能性がある。後述するツインベルト式又はベルト&ホイール式の水平型連続鋳造の場合、鋳造材の表面(上面)から深さ10mm程度の表層部分にブローホールが集中して発生することから、表層部分について内部欠陥を検出できれば、実用上は十分である。また、検査対象の鋳造材の厚さは、例えば50mm程度以上である。 また、冷却領域に残存する冷却液を除去することで、後工程で冷却領域を観察する際、冷却液を欠陥として誤認することを防止できる。冷却液の除去は、例えば、風を吹き付けることにより行うことができる。 (2)実施形態に係る鋳造材の欠陥検査方法において、鋳造材は、銅又はその合金からなることが挙げられる。 銅は熱伝導率が高いため、鋳造材の表面に冷却液の噴流が接触すると、内部まで冷却(抜熱)できる。また、復熱による温度上昇が速く、冷却による不具合(例、亀裂や割れの発生)が起こり難い。更に、熱伝導率が高いことで、欠陥のない正常部分では欠陥部分に比べて相対的に温度上昇が速いため、両者の表面温度差が生じ易く、欠陥を検出し易い。 (3)実施形態に係る鋳造材の欠陥検査方法において、冷却液の噴射方向を鋳造材の進行方向に対して直交方向とすることが挙げられる。 冷却液の噴射方向を鋳造材の進行方向に対して直交方向とすることで、鋳造材の表面の特定の領域に冷却液の噴流を集中的に衝突させ易く、効果的に内部まで冷却(抜熱)できる。また、鋳造材の進行方向に対して傾斜した方向から冷却液を噴射する場合に比べて、鋳造材の進行方向の不要な広範囲を冷却することもない。 (4)実施形態に係る鋳造材の欠陥検査方法において、冷却液の噴射圧力を0.4MPa以上とすることが挙げられる。 冷却液の噴射圧力を0.4MPa以上とすることで、鋳造材の表面に冷却液の噴流を衝突させ、効果的に内部まで冷却(抜熱)できる。冷却液の流量は、鋳造材の表面を適切に冷却できるように、鋳造材の温度や形状(大きさ)、進行速度(搬送速度)などに応じて適宜決定すればよい。冷却液の流量は、例えば20L/min以上50L/min以下とすることが挙げられる。 (5)実施形態に係る鋳造材の欠陥検査方法において、検出工程では、鋳造材の冷却領域を撮像して観察し、撮像した画像を画像処理することにより表面温度の変化を判別することが挙げられる。 検出工程において、欠陥が存在する箇所は表面温度が低く、黒く見えることから、目視観察により、表面温度の変化を判別することが可能である。しかしながら、鋳造直後の鋳造材は高温のため、直接の目視観察は困難である。そこで、鋳造材の冷却領域を撮像し、画像処理することにより、自動化することが可能である。画像処理は、例えば、決められた閾値に基づいて画像を白黒2値化することが挙げられる。閾値は、欠陥部分と正常部分との表面温度の差異を判別できるように適宜決めればよく、試験的に予め求めた値を用いることができる。若しくは、冷却前の画像も撮像しておき、冷却前と冷却後の画像を比較することも可能である。 (6)実施形態に係る鋳造材の欠陥検査方法において、画像処理は、撮像した画像と直前までに撮像した画像とを比較することが挙げられる。 撮像した画像(現画像)と直前までに撮像した画像(基準画像)とを比較することで、表面温度の変化を判別することも可能である。基準画像は、例えば、一定時間前から直前までに撮像した複数の画像を平均化した画像とすることが挙げられる。通常、ブローホールなどの欠陥は、直径20mm程度以下であり、また、同じ位置に連続的に発生することもないので、現画像と基準画像とを比較する相対的な手法でも、表面温度の変化を確実に判別できる。 (7)実施形態に係る鋳造材の欠陥検査方法において、連続鋳造はツインベルト式又はベルト&ホイール式の連続鋳造法により行うことが挙げられる。 上記したツインベルト式又はベルト&ホイール式の連続鋳造法は、所謂水平型の連続鋳造であるため、鋳造材の表面(上面)にブローホールが発生し易いから、実施形態に係る検査方法に好適である。 [本発明の実施形態の詳細] 本発明の実施形態の詳細を、以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。 <鋳造材の欠陥検査方法> 実施形態に係る鋳造材の欠陥検査方法は、鋳造材の表面を冷却液の噴流により冷却する冷却工程と、表面の冷却領域に残存する冷却液を除去する除去工程と、鋳造材の冷却領域を観察して欠陥を検出する検出工程と、を備える。以下では、まず、実施形態に係る鋳造材の欠陥検査方法を実施する検査装置を連続鋳造圧延設備に適用した一例を図1〜図3を参照して説明する。なお、図中、白抜き矢印は、鋳造材の進行方向を示す。 (連続鋳造圧延設備の全体構成) 図1に示す連続鋳造圧延設備は、連続鋳造機10と、搬送装置20と、多段圧延機30と、検査装置40とを備える。 (連続鋳造機) 連続鋳造機10は、金属の溶湯を連続鋳造して、用途に応じた形状の鋳造材100を製造する。連続鋳造機10としては、例えばツインベルト式又はベルト&ホイール式の連続鋳造機が挙げられ、この例ではツインベルト式の連続鋳造機である。連続鋳造する金属としては、銅、アルミニウム、マグネシウム、鉄又はこれらの合金が挙げられる。連続鋳造後の鋳造材100の温度は、鋳造する金属によって異なるが、例えば銅又は銅合金の場合、一般に800℃以上である。 (搬送装置) 搬送装置20は、連続鋳造機10から水平方向に引き出された鋳造材100を多段圧延機30に搬送する。この例では、連続鋳造機10から鋳造材100を多段圧延機30に直送している。連続鋳造機10と多段圧延機30との距離は5m程度である。 (多段圧延機) 多段圧延機30は、鋳造材100を連続的に熱間圧延して、板材、棒材、線材などの製品300に加工する。 (検査装置) 検査装置40は、連続鋳造機10と多段圧延機30との間の搬送装置20上に設けられ、連続鋳造直後の鋳造材100の欠陥を検査する。検査装置40は、ノズル41と、第一ブロワ42と、撮像装置43と、画像処理装置44とを備える。 (ノズル) ノズル41は、連続鋳造直後の鋳造材100に冷却液の噴流を直接噴射して、鋳造材100の表面に冷却液の噴流を衝突させ、鋳造材100の表面を一時的に冷却する。ノズル41は、図2(A)に示すように、冷却液410の噴射方向が鋳造材100の進行方向(図中、白抜き矢印で示す)に対して直交方向となるように配置されている。この例では、ノズル41が、図2(B)に示すように、鋳造材100の表面101に対して斜め上に取り付けられており、斜め上方向から冷却液410の噴流を噴射する。勿論、ノズルを鋳造材の表面に対して真上に取り付け、真上方向から冷却液の噴流を噴射してもよい。 また、ノズル41は、図3に示すように、鋳造材100の全幅に亘って進行方向の一定区間に冷却液410の噴流を噴射して、この領域に冷却液410の噴流を衝突させる。鋳造材100の表面101に冷却液410の噴流が衝突することで、表面101からの抜熱により、鋳造材100の表面101が冷却される。つまり、鋳造材100の表面101において、冷却液410が衝突する領域が鋳造材100の冷却領域110となる。ノズル41の噴射口形状は、矩形状、円形状、楕円形状、多角形状など適宜選択できるが、この例では矩形状としている。ノズル41の噴射口形状が矩形状の場合、冷却液410が衝突する領域(冷却領域110)も矩形状となるため、冷却領域110の区間長が鋳造材100の幅方向に亘ってほぼ同じになり、冷却ムラが生じ難い。これに対し、ノズルの噴射口形状が例えば円形状の場合は、冷却領域も円形状となるため、冷却領域の区間長が鋳造材の幅方向に亘って異なり、区間の長い部分と短い部分とで冷却ムラが生じ易い。 鋳造材100とノズル41との距離は、例えば100mm以上300mm以下とすることが挙げられる。鋳造材100とノズル41との距離が近過ぎると、鋳造材100の表面101に衝突した冷却液410が飛び散り易く、一方遠過ぎると、鋳造材100の表面101の特定の領域に冷却液410の噴流を効率的に衝突させ難い。この例では、鋳造材100からノズル41を200mm程度離して配置している。 冷却液410には、水や圧延に使用される潤滑油を使用できる。また、冷却液410の噴射圧力や流量などは、鋳造材の温度や形状(大きさ)、進行速度(搬送速度)などに応じて鋳造材の表面を適切に冷却できるように制御できる。特に、冷却液410の噴射圧力は、冷却効率の観点から0.4MPa以上とすることが好ましい。冷却液410の流量は、例えば20L/min以上50L/min以下とすることが挙げられる (第一ブロワ) 第一ブロワ42は、図1及び図3に示すように、ノズル41の後段に設けられ、鋳造材100の表面に風を吹き付けて、鋳造材100の冷却領域110に残存する冷却液410を除去する。また、第一ブロワ42は、鋳造材100の表面101に衝突して飛び散った冷却液410の飛沫や鋳造材100の熱で蒸発した冷却液410の蒸気が後述する撮像装置43の撮像領域430に飛散することも防止する。 (撮像装置) 撮像装置43は、図1及び図3に示すように、第一ブロワ42の後段に設けられ、鋳造材100の冷却領域110を撮像する。撮像装置43には、鋳造材100の表面温度(鋳造材表面からの熱放射光の輝度)を感知できる、例えばCCD(Charge Coupled Devices)カメラ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ、赤外線カメラなどが使用できる。この例ではCCDカメラである。また、撮像装置43は、鋳造材100の表面101に対して真上に取り付けられており、真上方向から撮像する。 ノズル41から噴射した冷却液410の噴流により冷却された冷却領域110は、抜熱されて表面温度が低下した後、内部からの熱伝導による復熱によって表面温度が上昇して回復する。このとき、冷却領域110においてブローホールなどの欠陥が存在する欠陥部分では、熱伝導度が低く、復熱による表面温度が上昇する過程において上昇に時間がかかるため、その間、表面温度(熱放射光の輝度)が低くなる。つまり、図3に例示するように、欠陥部分120は黒く見え、表面温度(熱放射光)の変化に基づいて欠陥を検出することができる。通常、表面温度が回復するまでの時間は1秒未満である。したがって、撮像装置43は、欠陥部分と正常部分との表面温度の差を判別できる区間を含む領域を撮像領域430として設定されている。 撮像装置43により撮像した画像は、画像処理装置44(図1参照)に送られ、画像処理装置44により白黒2値化などの画像処理が施される。またこの例では、画像処理として、撮像した画像(現画像)と直前までに撮像した画像(基準画像)とを比較し、表面温度(熱放射光)の変化を判別する。基準画像には、直前までに撮像した複数(例、5フレーム分)の画像を平均化した画像を用いている。別の画像処理としては、冷却前に撮像した画像と冷却後に撮像した画像とを比較することが挙げられる。この場合、冷却前と冷却後の画像を撮像するため、2台以上の撮像装置を用いるか、撮像領域(視野)の広い撮像装置を用いる必要がある。これに対し、撮像した現画像と直前までに撮像した基準画像とを比較する上記した画像処理では、撮像装置が1台で済み、また視野の広い撮像装置を用いる必要もない。 更に、画像処理装置44は、画像処理することにより検出した欠陥の位置や大きさ、発生数などの品質情報を記憶する。このような品質情報を基に、鋳造圧延設備では、鋳造材100を加工した製品300のグレード分けを行う。画像処理装置44には、市販のPC(Personal Computer)を用いることができ、画像処理には、市販の画像処理ソフトを利用できる。 その他、冷却液410の蒸気が撮像装置30の視野を邪魔しないように、風を吹き付けて蒸気を飛ばす第二ブロワ(図示せず)が設置されている。 <試験例1> 図1に示す連続鋳造圧延設備を用いて連続鋳造機10によりタフピッチ銅の鋳造材100を製造し、検査装置40により連続鋳造直後の鋳造材100の欠陥検査を行った。 連続鋳造機10では、鋳造材100の形状を幅110mm×厚さ70mmの断面矩形状とし、鋳造速度を10m/minとした。 検査装置40では、ノズル41の冷却液410の噴射圧力を0.45MPaとし、流量を30L/minとした。冷却液410には、潤滑油を使用した。搬送装置20での鋳造材100の進行速度(搬送速度)は10m/minとした。 図4で、鋳造材100の表面101の帯状の黒い部分が冷却領域110であり、その左側の黒い点が欠陥を表す欠陥部120である。このように、欠陥が存在する箇所は、復熱による表面温度の上昇が遅く、表面温度(熱放射光の輝度)が低いため、表面温度(熱放射光)の変化に基づいて欠陥を検出できることが分かる。なお、黒く表れた欠陥部120は、後に復熱により表面温度が回復して0.2秒程度で見えなくなった。更に、鋳造材100から欠陥部120を含む部分を切り出し、断面を観察したところ、欠陥部120に内部欠陥(ブローホール)の存在が確認された。 本発明の鋳造材の欠陥検査方法は、鋳造直後の鋳造材の内部欠陥検査に好適に利用することができる。 10 連続鋳造機 20 搬送装置 30 多段圧延機 40 検査装置 41 ノズル 410 冷却液 42 第一ブロワ 43 撮像装置 430 撮像領域 44 画像処理装置 100 鋳造材 101 表面 110 冷却領域 120 欠陥部分 300 製品 連続鋳造直後の鋳造材に冷却液の噴流を直接噴射して、前記鋳造材の表面の少なくとも一部を一時的に冷却する冷却工程と、 前記冷却液の噴射後、前記鋳造材の表面の冷却領域に残存する前記冷却液を除去する除去工程と、 前記冷却液の除去後、前記鋳造材の冷却領域を観察して、前記冷却領域での欠陥が存在する欠陥部分と存在しない正常部分との表面温度の差に基づいて欠陥を検出する検出工程と、 を備える鋳造材の欠陥検査方法。 前記鋳造材は、銅又はその合金からなる請求項1に記載の鋳造材の欠陥検査方法。 前記冷却液の噴射方向を前記鋳造材の進行方向に対して直交方向とする請求項1又は請求項2に記載の鋳造材の欠陥検査方法。 前記冷却液の噴射圧力を0.4MPa以上とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の鋳造材の欠陥検査方法。 前記検出工程では、前記鋳造材の冷却領域を撮像して観察し、撮像した画像を画像処理することにより表面温度の変化を判別する請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の鋳造材の欠陥検査方法。 前記画像処理は、撮像した画像と直前までに撮像した画像とを比較する請求項5に記載の鋳造材の欠陥検査方法。 前記連続鋳造は、ツインベルト式又はベルト&ホイール式の連続鋳造法により行う請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の鋳造材の欠陥検査方法。 【課題】鋳造直後の鋳造材の内部に存在する欠陥を非破壊で簡易に検出することができる鋳造材の欠陥検査方法を提供する。【解決手段】鋳造材の欠陥検査方法は、連続鋳造直後の鋳造材100に冷却液410の噴流を直接噴射して、鋳造材100の表面の少なくとも一部を一時的に冷却する冷却工程と、冷却液410の噴射後、鋳造材100の表面の冷却領域に残存する冷却液410を除去する除去工程と、冷却液410の除去後、鋳造材100の冷却領域を観察して、冷却領域での欠陥が存在する欠陥部分と存在しない正常部分との表面温度の差に基づいて欠陥を検出する検出工程と、を備える。【選択図】図1


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