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タイトル:公開特許公報(A)_錠剤の製造方法
出願番号:2013093006
年次:2014
IPC分類:A61K 9/20,A61K 36/00,A61K 47/04,A61K 47/38,A61K 47/36


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竹内 洋文 塩見 隆史 宇野 明 JP 2014214125 公開特許公報(A) 20141117 2013093006 20130425 錠剤の製造方法 小林製薬株式会社 000186588 特許業務法人三枝国際特許事務所 110000796 竹内 洋文 塩見 隆史 宇野 明 A61K 9/20 20060101AFI20141021BHJP A61K 36/00 20060101ALI20141021BHJP A61K 47/04 20060101ALI20141021BHJP A61K 47/38 20060101ALI20141021BHJP A61K 47/36 20060101ALI20141021BHJP JPA61K9/20A61K35/78 YA61K47/04A61K47/38A61K47/36 5 OL 20 4C076 4C088 4C076AA37 4C076BB01 4C076CC50 4C076DD27A 4C076DD41C 4C076EE30B 4C076EE32B 4C076FF06 4C076GG12 4C088CA28 4C088NA11 本発明は、錠剤の製造方法に関する。 錠剤においては、有効成分の含有率を高くできれば、一錠当たりの剤形の大きさを小さくしたり、一回服用当たりの錠剤数を減らしたり、服用回数を減らしたりできるので、錠剤を服用する者の負担を軽減することができる。一方で、錠剤に含まれる有効成分の含有率が高いと、錠剤の崩壊時間が遅延する傾向がある。その傾向は、有効成分が、漢方エキス、生薬エキス等の吸湿性の高い物質である場合に顕著である。 そこで、従来、錠剤に含まれる有効成分の含有率が高くても、錠剤の崩壊時間が遅延しない錠剤を製造する方法が提案されている。特許文献1には、ケイ酸カルシウムに水を加え、均一に混合・分散させた後、漢方エキス粉末又は生薬エキス粉末を加え撹拌造粒する造粒物の製造方法(湿式造粒)が記載されている。また、特許文献2には、漢方エキスを含有する混合末中に軽質無水ケイ酸及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを添加して混合した後、圧縮成型し、破砕して得られた顆粒に、更に軽質無水ケイ酸を添加混合して圧縮成型する錠剤の製造方法が知られている。しかしながら、これら従来技術においても、錠剤中に漢方エキス、生薬エキス等の吸湿性の高い物質の含有率が高い場合、錠剤の崩壊時間が遅延したり、崩壊時間にばらつきが生じたりし、崩壊性の良好な錠剤を製造することは困難であった。特開2001−294533号公報特開2007−161706号公報 本発明は、崩壊性を大きく損なうことなく、漢方エキス、生薬エキス等の吸湿性の高い物質の含有率を高めることができる錠剤の製造方法を提供することを目的とする。 より好ましくは、本発明は、吸湿性物質の含有率を高くした場合でも、崩壊時間の遅延やばらつきが有意に抑えられた錠剤の製造方法を提供することを目的とする。 本発明者等は、前記課題を解決すべく検討した結果、錠剤の製造方法において、吸湿性物質を乾式造粒法で造粒する工程と、前記工程で得られた造粒物と流動化剤と崩壊剤との混合物を造粒する工程と、前記工程で得られた造粒物を打錠する工程とを、順に備えることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の通りである。 項1. 吸湿性物質、流動化剤及び崩壊剤を含む錠剤の製造方法であって、(1)吸湿性物質を乾式造粒法で造粒する工程、(2)前記工程(1)で得られた造粒物と、流動化剤及び崩壊剤を造粒する工程、及び(3)前記工程(2)で得られた造粒物を打錠する工程、を有することを特徴とする錠剤の製造方法。 項2. 前記工程(2)が、(2−1)前記工程(1)で得られた造粒物と流動化剤とを混合し、これを造粒する前造粒工程、及び(2−2)前記前造粒工程(2−1)で得られた前造粒物に、更に流動化剤と崩壊剤とを混合して混合物を得、次いで該混合物を造粒する仕上げ造粒工程、を有するものである、前記項1記載の錠剤の製造方法。 項3. 前記工程(2)の造粒する工程が、高速攪拌造粒する工程である、前記項1又は2に記載の錠剤の製造方法。 項4. 前記吸湿性物質が、漢方エキス、生薬エキス及び植物抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種の物質である、前記項1〜3のいずれかに記載の錠剤の製造方法。 項5. 前記流動化剤が、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分である、前記項1〜4いずれかに記載の錠剤の製造方法。 項6. 前記崩壊剤が、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びクロスポビドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分である、前記項1〜5のいずれかに記載の錠剤の製造方法。 本発明の製造方法によれば、崩壊性を大きく損なうことなく、漢方エキス、生薬エキス等の吸湿性の高い物質の含有率を高めた錠剤を製造することができる。 更に、吸湿性物質の含有率を高くした場合でも、崩壊時間の遅延やばらつきが有意に抑えられた錠剤を製造することができる。本発明の製造方法の一態様を示す図である。本発明の製造方法の一態様を示す図である。従来技術の製造方法を示す図である。 以下、本発明の錠剤の製造方法について詳細に説明する。 本発明の錠剤の製造方法は、吸湿性物質、流動化剤及び崩壊剤を含む錠剤の製造方法であって、(1)吸湿性物質を乾式造粒法で造粒する工程、(2)前記工程(1)で得られた造粒物と、流動化剤及び崩壊剤を造粒する工程、及び(3)前記工程(2)で得られた造粒物を打錠する工程、を有する。斯くして、本発明の製造方法によれば、崩壊性を大きく損なうことなく、漢方エキス、生薬エキス等の吸湿性の高い物質(以下、「吸湿性物質」とも記す)の含有率を高めた錠剤を製造することができる。更に、吸湿性物質の含有率を高くした場合でも、崩壊時間の遅延やばらつきが有意に抑えられた錠剤を製造することができる。 以下、本発明の各工程を、図1を参照しながら説明する。但し、図1は本発明の製造方法の一態様を示すものであり、本発明はこれに限定されない。 図1の工程(1)では、吸湿性物質、又は吸湿性物質と滑沢剤との混合物を混合・篩過する工程、次いで乾式造粒法で造粒する工程、次いで解砕・篩過する工程が含まれる。また、解砕・篩過後に、粒子径の小さい造粒物を再度乾式造粒法で造粒する工程が含まれる。 図1の工程(2)では、工程(1)で得られた粒子径の大きい吸湿性物質、又は吸湿性物質と滑沢剤との混合物の造粒物を、流動化剤及び崩壊剤と混合する工程、次いで必要に応じて精製水、エタノール等の結合剤(バインダー)と混合する工程、次いで造粒する工程、次いで乾燥する工程、次いで整粒する工程、次いで滑沢剤と混合する工程が含まれる。前記造粒は攪拌造粒又は高速攪拌造粒が好ましい。 図1では、最後に打錠工程を経て、錠剤が製造される。 この錠剤の崩壊性が良好である理由は、先ず、吸湿性物質を乾式造粒することにより、吸湿性物質の粒子径を大きくできる(工程(1))、次いで、得られた造粒物と流動化剤と崩壊剤とを造粒することにより、吸湿性物質の表面を流動化剤と崩壊剤とで被覆できる(工程(2))からである。その結果、得られた造粒物を打錠して、錠剤にすることにより(工程(3))、崩壊性が良好な錠剤を得ることができる。 また、錠剤中の吸湿性物質(有効成分)に偏析の発生が有意に抑制され、錠剤は均一な外観を有することができる。更に、粒子径の大きい吸湿性物質の造粒物の表面を流動化剤と崩壊剤とで被覆できることから、造粒物(吸湿性物質)内に取り込まれる流動化剤、崩壊剤等の添加剤の量を少なくすることができ、各添加剤の添加効果を十分に発揮することができる。 また、錠剤中の吸湿性物質(有効成分)の含有率を高めることができるので、一錠当たりの剤形の大きさを小さくしたり、一回服用当たりの錠剤数を減らしたり、服用回数を減らしたりできるので、錠剤を服用する者の負担を軽減することができる。 (1)吸湿性物質を乾式造粒法で造粒する工程 本発明の製造方法は、工程(1)として、吸湿性物質を乾式造粒法で造粒する工程を有する。乾式造粒工程により、吸湿性物質の粒子径を大きくできる。そして、次工程(2)により、吸湿性物質からなる造粒物の表面を流動化剤と崩壊剤とで被覆でき、崩壊性が良好な錠剤を得ることができる。 (1-1) 吸湿性物質 本発明が対象とする吸湿性物質は、特に制限されない。例えば、錠剤の製造工程の環境下で、水分を吸収し易い物質が挙げられる。尚、本発明の錠剤では、吸湿性物質を有効成分とすることができる。有効成分とは、人体に投与又は摂取された後に、体内で意図される生理作用又は薬理活性を発揮する物質であり、その意味で機能性物質とも称される。 吸湿性物質として、例えば、生薬の乾燥粉末又は生薬エキス、漢方(生薬の混合物)の乾燥粉末及び漢方エキス、植物抽出物等が挙げられる。 吸湿性物質として、生薬の乾燥粉末又は生薬エキス、並びに、漢方又は漢方エキスが好ましい。漢方が生薬粉末の場合は、生薬をそのまま粉砕することで得られる。生薬粉末とは、生薬をそのまま粉砕することで得られる粉末である。 生薬エキスは、生薬原末から、水、エタノール等の有機溶媒、その混合溶媒を用いてエキスを抽出し(浸出液)、濃縮、乾燥又は粉末化させたもの(エキス末)で、乾燥エキスと呼ばれる。乾燥エキスとは、抽出エキスを例えばスプレードライして粉末状に加工した粉末である。生薬エキスは、生薬原末から抽出したエキス末単独でも良く、単独のエキス末の混合物或いは複数の生薬から抽出したエキス末であっても良い。 漢方エキスは、生薬原末(主には生薬原末の混合物)から、水、エタノール等の有機溶媒、その混合溶媒を用いてエキスを抽出し(浸出液)、濃縮、乾燥又は粉末化させたもの(エキス末)で、乾燥エキスと呼ばれる。乾燥エキスについては前記した通りである。漢方エキスは、生薬のエキス末の混合物でも良く、複数の生薬から抽出したエキス末であっても良い。 生薬の種類は、特に制限されず、日本薬局方に記載されている生薬が好ましい。例えば、アセンヤク、イレイセン(威霊仙)、ウイキョウ(茴香)、エンゴサク(延胡索)、オウギ(黄耆)、オウゴン(黄岑)、オウバク(黄柏)、オウヒ(桜皮)、オウレン(黄連)、オンジ(遠志)、ガジュツ、カンキョウ(乾姜)、カッコン(葛根)、カッコウ、カロニン、カノコソウ、カンゾウ(甘草)、カミツレ、キキョウ(桔梗)、キクカ(菊花)、キジツ(枳実)、キョウニン(杏仁)、キョウカツ、クジン(苦参)、ケイガイ(荊芥)、ケイヒ(桂皮)、ゲンチアナ、コウカ(紅花)、コウブシ(香附子)、コウベイ、コウボク(厚朴)、ゴオウ、ゴシツ(牛膝)、ゴシュユ(呉茱萸)、ゴボウシ(牛蒡子)、ゴミシ(五味子)、サイコ(柴胡)、サイシン(細辛)、サンシシ(山梔子)、サンシュユ(山茱萸)、サンショウ(山椒)、サンザシ(山査子)、サンズコン(山豆根)、サンソウニン(酸棗仁)、サンヤク(山薬)、サンナ(山奈)、ジオウ(地黄)、シオン、シャクヤク、ジャコウ、ショウマ(升麻)、シツリシ、シャゼンシ、シャゼンソウ、シャジン(シュクシャ(縮砂))、獣胆(ユウタンを含む)、ショウキョウ(生姜)、ジリュウ(地竜)、シンイ(辛夷)、ジコッピ(地骨皮)、シコン、セキサン(石蒜)、セッコウ(石膏)、セネガ、センコツ(川骨)、ゼンコ(前胡)、センキュウ、センブリ、ソウジュツ(蒼朮)、ソウハクヒ(桑白皮)、ソヨウ(蘇葉)、ダイオウ(大黄)、タイソウ、チクジョ、チクセツニンジン(竹節人参)、チョウジ(丁子)、チョレイ(猪苓)、チンピ(陳皮)、テンナンショウ(天南星)、トウガシ(冬瓜子)、トウキ(当帰)、トウニン(桃仁)、トコン、トチュウ、ナンテンジツ、ニンジン(人参)、ニンドウ(忍冬)、バイモ、バクモンドウ、ハッカ(薄荷)、ハンゲ(半夏)、ビャクシ、ビャクシャク、ビャクジュツ(白朮)、ビワヨウ(枇杷葉)、ビンロウジ(檳榔子)、ブクリョウ(茯苓)、ボタンピ(牡丹皮)、マオウ(麻黄)、マシニン(麻子仁)、モッコウ(木香)、ヨクイニン、リュウガンニク(竜眼肉)、リョウキョウ(良姜)、リュウコツ(竜骨)、リュウタン(竜胆)、レンニク(蓮肉)、レンギョウ(連翹)等が例示できる。 漢方又は漢方エキスとしては、内服投与によって使用されるものであって、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであればよく、構成する生薬の組み合わせやその配合比率についても特に制限されない。例えば、「改定 一般用漢方処方の手引き」に記載されている漢方処方が挙げられる。例えば、安中散、安中散加茯苓、胃風湯、胃苓湯、茵ちん蒿湯、茵ちん五苓散、温経湯、温清飲、温胆湯、延年半夏湯、黄耆建中湯、黄ごん湯、応鐘散、黄連阿膠湯、黄連解毒湯、黄連湯、乙字湯、乙字湯去大黄、化食養脾湯、かっ香正気散、葛根黄連黄ごん湯、葛根紅花湯、葛根湯、葛根湯加川きゅう辛夷、加味温胆湯、加味帰脾湯、加味解毒湯、加味逍遙散、加味逍遙散加川きゅう地黄、加味平胃散、乾姜人参半夏丸、甘草瀉心湯、甘草湯、甘麦大棗湯、帰耆建中湯、桔梗湯、帰脾湯、きゅう帰膠艾湯、きゅう帰調血飲、きゅう帰調血飲第一加減、響声破笛丸、杏蘇散、苦参湯、駆風解毒散(湯)、荊芥連翹湯、鶏肝丸、桂枝湯、桂枝加黄耆湯、桂枝加葛根湯、桂枝加厚朴杏仁湯、桂枝加芍薬生姜人参湯、桂枝加芍薬大黄湯、桂枝加芍薬湯、桂枝加朮附湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、桂枝加苓朮附湯、桂枝人参湯、桂枝茯苓丸、桂枝茯苓丸料加よく苡仁、啓脾湯、荊防敗毒散、桂麻各半湯、鶏鳴散加茯苓、堅中湯、甲字湯、香砂平胃散、香砂養胃湯、香砂六君子湯、香蘇散、厚朴生姜半夏人参甘草湯、五虎湯、牛膝散、五積散、牛車腎気丸、呉茱萸湯、五物解毒散、五淋散、五苓散、柴陥湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、柴胡桂枝乾姜湯、柴胡桂枝湯、柴胡清肝湯、柴芍六君子湯、柴朴湯、柴苓湯、左突膏、三黄散、三黄瀉心湯、酸棗仁湯、三物黄ごん湯、滋陰降火湯、滋陰至宝湯、紫雲膏、四逆散、四君子湯、滋血潤腸湯、七物降下湯、柿蒂湯、四物湯、炙甘草湯、芍薬甘草湯、鷓鴣菜湯、蛇床子湯、十全大補湯、十味敗毒湯、潤腸湯、蒸眼一方、生姜瀉心湯、小建中湯、小柴胡湯、小柴胡湯加桔梗石膏、小承気湯、小青竜湯、小青竜湯加杏仁石膏、小青龍湯加石膏、椒梅湯、小半夏加茯苓湯、消風散、升麻葛根湯、逍遙散、四苓湯、辛夷清肺湯、秦ぎょう姜活湯、秦ぎょう防風湯、参蘇飲、神秘湯、参苓白朮散、清肌安蛔湯、清湿化痰湯、清上けん痛湯、清上防風湯、清暑益気湯、清心蓮子飲、清肺湯、折衝飲、川きゅう茶調散、千金鶏鳴散、銭氏白朮散、疎経活血湯、蘇子降気湯、大黄甘草湯、大黄牡丹皮湯、大建中湯、大柴胡湯、大柴胡湯去大黄、大半夏湯、竹茹温胆湯、治打撲一方、治頭瘡一方、治頭瘡一方去大黄、中黄膏、調胃承気湯、丁香柿蒂湯、釣藤散、猪苓湯、猪苓湯合四物湯、通導散、桃核承気湯、当帰飲子、当帰建中湯、当帰散、当帰四逆湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、当帰芍薬散、当帰湯、当帰貝母苦参丸料、独活葛根湯、独活湯、二朮湯、二陳湯、女神散、人参湯、人参養栄湯、排膿散、排膿湯、麦門冬湯、八味地黄丸、半夏厚朴湯、半夏瀉心湯、半夏白朮天麻湯、白虎湯、白虎加桂枝湯、白虎加人参湯、不換金正気散、伏竜肝湯、茯苓飲、茯苓飲加半夏、茯苓飲合半夏厚朴湯、茯苓沢瀉湯、分消湯、平胃散、防已黄耆湯、防已茯苓湯、防風通聖散、補気健中湯、補中益気湯、補肺湯、麻黄湯、麻杏甘石湯、麻杏よく甘湯、麻子仁丸、麻黄附子細辛湯、楊柏散、よく苡仁湯、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、六君子湯、立効散、竜胆瀉肝湯、苓姜朮甘湯、苓桂甘棗湯、苓桂朮甘湯、六味丸、黄耆桂枝五物湯、解労散、加味四物湯、枳縮二陳湯、こ菊地黄丸、柴胡疎肝湯、柴蘇飲、芍薬甘草附子湯、沢しゃ湯、竹葉石膏湯、知柏地黄丸、中建中湯、定悸飲、当帰芍薬散加黄耆釣藤、当帰芍薬散加人参、当帰芍薬散加附子、排膿散及湯、八解散、附子理中湯、味麦地黄丸、明朗飲、抑肝散加芍薬黄連、連珠飲、麻黄湯等が例示できる。 植物抽出物としては、茶抽出物等が好ましい。 植物の乾燥粉砕物としては、植物体の乾燥物を適切な大きさに細砕し粉末化したもの、又は植物体の細砕物を定法に従って乾燥したものを例示することができる。ここで乾燥方法は、特に制限されず、噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等を用いることができる。また、本発明の植物の乾燥粉砕物には、植物の搾汁又は抽出液を、上記噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の乾燥処理により粉末化したものも含まれる。 本発明の錠剤は、前記吸湿性物質を1種含むものであってもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて含むものであってもよい。 吸湿性物質は、吸湿により錠剤の崩壊性を悪化させるという理由から、漢方エキス、生薬エキス及び植物抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種の物質であることが好ましい。 (1-2) 乾式造粒法 本発明の製造方法では、吸湿性物質を乾式造粒法で造粒し、造粒物を得る。乾式造粒とは、水或いは結合剤を加えることなく、粉末原料にロールで強圧をかけ、帯状或いはフレークとしたものを破砕機で粗砕、整粒し、造粒する方法(圧縮造粒)である。乾式造粒法により、吸湿性物質の粒子径を大きくできる。圧縮造粒によれば、粒の大きさ、形が揃っており、密度の大きい粒を作ることができる。乾式造粒法により得られる造粒物の表面はきれいである。高い圧縮力をかけることができ、粉末原料を乾燥状態のまま圧縮力のみで成形することができる。後工程で乾燥工程を必要としないことから、成分の熱的変化、蒸発飛散等による損失が少ない。 乾式造粒方法については特に制限されず、一般に使用される乾式造粒法の方法を用いることができる。乾式造粒装置としては、例えば、2個のロールを相対的に回転させ、上部にあるホッパーより原料粉末を供給し、ロール間の圧力で連続的に粉体の中の空気を除去するのと同時に、ロールの回転によって、強力な圧縮力によりフレーク状にするロールプレス(圧縮成形)がある。乾式造粒方法は、これら使用する装置に応じて、定法に従って行うことができる。例えば、フロイント産業株式会社製の乾式造粒装置TF-Laboを使用する場合は、ロール圧:10MPa程度、ロール回転数:2min-1程度、スクリュー回転数:2min-1程度に設定することで、造粒物を得ることができる。 乾式造粒法は、吸湿性物質単独について行なっても良く、また、これに滑沢剤を配合した混合物について行なっても良い。吸湿性物質に滑沢剤を混合することで、粉体の内部摩擦、壁面摩擦を減少させて、圧縮力の伝ぱんを良くし、またロール間、ダイス内への原料粉体の供給を容易にして、成形効果を高めることができる。また、ロールへの粉末原料の付着を予防することができる。 滑沢剤としては、タルク、精製タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、硬化油、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ジメチルポリシロキサン、ミツロウ、サラシミツロウ等を挙げることができる。本発明の錠剤は、前記滑沢剤を1種含むものであってもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて含むものであってもよい。滑沢剤としては、好ましくはステアリン酸マグネシウムである。 滑沢剤の添加量は、多すぎると崩壊性、成型性を阻害する傾向があるという理由から、吸湿性物質100質量部に対して0.1〜5質量部程度が好ましい。 (1-3) 篩過 本発明の製造方法は、前述する乾式造粒法の前に、吸湿性物質又はこれに滑沢剤を配合した混合物を篩過する工程を有していても良い。特に、吸湿性物質と滑沢剤との混合物を乾式造粒する場合、乾式造粒前に篩過を行なうことで、滑沢剤の凝集をなくし、吸湿性物質と滑沢剤とを均一に混合することができる。 篩過工程では、吸湿性物質と滑沢剤を均一に混合することができるという理由から、吸湿性物質と滑沢剤との混合物を500〜850μmの目開きの篩で篩過することが好ましい。篩過は、例えば振動ふるいなどの慣用の装置を用いて実施される。 (1-4) 解砕・篩過 本発明の製造方法は、乾式造粒した後に、吸湿性物質の造粒物、又は吸湿性物質と滑沢剤との混合物の造粒物を、解砕及び/又は篩過する工程を有していても良い。乾式造粒後に、解砕及び/又は篩過を行なうことで、一定の粒径の範囲に収まる造粒物を調製することができる。 解砕は解砕機を用いることができる。解砕においては、一定の粒径の範囲に収まる造粒物を調製することができるという理由から、16メッシュ通過(1000μm程度以下)の造粒物を得ることが好ましく、20メッシュ通過(850μm程度以下)の造粒物を得ることがより好ましい。16メッシュ保持(1000μm程度以上)の粒子径の大きい造粒物は、再度解砕して、粒子径の小さい造粒物に調製すれば良い。 解砕は、例えば振動ふるいなどの慣用の装置を用いて実施される。 篩過は丸篩が好ましい。篩過においては、一定の粒径の範囲に収まる造粒物を調製することができるという理由から、前記解砕で得られた造粒物のうち、115メッシュ保持(125μm程度以上)の造粒物を得ることが好ましく、42メッシュ保持(355μm程度以上)の造粒物を得ることがより好ましく、24メッシュ保持(710μm程度以上)の造粒物を得ることが更に好ましい。115メッシュ通過(125μm程度以下)の粒子径の小さい造粒物は、再度乾式造粒法に供して、粒子径の大きい造粒物に調製すれば良い。 篩過は、例えば振動ふるいなどの慣用の装置を用いて実施される。 工程(1)では、16メッシュ通過(1000μm程度以下)115メッシュ保持(125μm程度以上)の造粒物を得ることが好ましい。 尚、メッシュとは、ふるい網(JIS Z8801)の目の寸法及びこれを通過する粒子の寸法を表す単位であり、本発明において、粉末(粉体混合物)や造粒物などの粒子径(粒度)を示す値として使用する。 (2)工程(1)で得られた造粒物と、流動化剤及び崩壊剤を造粒する工程 本発明の製造方法は、工程(2)として、前記工程(1)で得られた造粒物と、流動化剤及び崩壊剤を造粒する工程を有する。造粒工程により、前記工程(1)で得られる16メッシュ通過115メッシュ保持の吸湿性物質の造粒物、又は吸湿性物質と滑沢剤との混合物の造粒物の表面を、流動化剤と崩壊剤とで被覆することができる。そして、次工程(3)により、崩壊性が良好な錠剤を得ることができる。 (2-1) 流動化剤 本発明における流動化剤とは、吸湿性物質の吸湿による物性変化を抑制するための成分を指す。流動化剤としては、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、結晶セルロース、酸化チタン、水酸化アルミナマグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、第三リン酸カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、リン酸水素カルシウム造粒物等が挙げられる。 本発明の錠剤は、前記流動化剤を1種含むものであってもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて含むものであってもよい。 流動化剤としては、吸湿性物質(エキス末等)の吸湿による物性変化を抑制することができるという理由から、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分であることがより好ましい。これらの流動化剤は、1種単独で用いても良く、また2種以上を任意に組み合わせても良い。 (2-2) 崩壊剤 崩壊剤の種類としては、特に制限されず、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分アルファ化デンプン、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ等のデンプン類、カルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム(カルボキシメチルセルロースカルシウム)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)等のセルロース類、グアーガム、アジピン酸、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、クロスポビドン、ベントナイト等が挙げられる。 本発明の錠剤は、前記崩壊剤を1種含むものであってもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて含むものであってもよい。 崩壊剤としては、より崩壊時間を短縮できるという理由から、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びクロスポビドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分であることが好ましい。 (2-3) 造粒法 本発明の製造方法では、前記工程で得られた造粒物と、流動化剤及び崩壊剤との混合物を造粒し、造粒物を得る。造粒法は、例えば、槽内(ミキサー)に装入された対象物質にバインダー(液体)や各種添加剤を添加し、種々の形状をした攪拌羽根を回転させることによりせん断・転動・圧密作用等を与えることで実施することができ、かくして造粒物を得ることができる。造粒工程により、粒子径の大きい吸湿性物質の造粒物の表面を流動化剤と崩壊剤とで被覆することができる。 造粒法については特に制限されない。例えば、高速攪拌造粒、流動層造粒、転動造粒、転動流動層造粒等が挙げられる。 攪拌造粒方法(又は高速攪拌造粒法)については特に制限されず、一般に使用される攪拌造粒法の方法を用いることができる。攪拌造粒機は、例えば、ベッセル底部に水平回転するメインブレードと側面上部に垂直に高回転するクロススクリューを装着しており、これを用いることにより原料粉末に必要に応じてバインダーを加え、転動圧密作用により球形に近い粒子や、重質な粒子を作り出すことができる。攪拌造粒は、これら使用する装置に応じて、定法に従って行うことができる。例えば、株式会社パウレック製の攪拌造粒機VG-01を使用する場合は、ブレード回転数:350min-1程度、クロススクリュー回転数:2000min-1程度、に設定することで、造粒物を得ることができる。攪拌造粒は、混合・練合・造粒・コーティングを一つの容器内で行うことができる。また、短時間で造粒でき、しかも低コストで多量生産できる、また、少量多品種生産におけるロット切り替え時の洗浄が比較的容易である。更に、重質で球形な造粒物を得ることができる。 流動層造粒は、粉体を下方から気流により流動させ、これに結合剤溶液を噴霧して造粒することができ、軟質の造粒物の製造、及び打錠用顆粒の製造に適している。流動層造粒は、混合・練合・造粒・乾燥・コーティングを一つの容器内で行うことができる。 転動造粒は、加湿した粉体に回転運動或いは振動を与えて凝集させ、球形に近い粒子を得ることができ、粒度分布の均一な球形粒子を比較的高収率で得ることができる。 転動流動層造粒は、転動造粒と流動層造粒との複合型造粒法であり、造粒法の組み合わせで有ることから、造粒物の形状、密度及び粒径を調節することができる。 造粒法としては、上記造粒法の中でも、粒子径の大きい吸湿性物質の造粒物の表面を流動化剤と崩壊剤とで良好に被覆することができるという理由から、攪拌造粒又は高速攪拌造粒が好ましい。 流動化剤の添加量は、吸湿性物質(エキス末等)の吸湿による物性変化を抑制することができるという理由から、吸湿性物質100質量部に対して1〜66質量部程度が好ましく、3〜50質量部程度がより好ましく、5〜50質量部程度が更に好ましい。 崩壊剤の添加量は、崩壊時間を短縮できるという理由から、吸湿性物質100質量部に対して1〜66質量部程度が好ましく、3〜50質量部程度がより好ましく、5〜50質量部程度がより好ましい。 造粒工程は、(2−1)前記工程(1)で得られた造粒物と流動化剤とを混合し、これを造粒する前造粒工程、及び(2−2)前記前造粒工程(2−1)で得られた前造粒物に、更に流動化剤と崩壊剤とを混合して混合物を得、次いで該混合物を造粒する仕上げ造粒工程、を有することが好ましい。 以下、本発明の各工程を、図2を参照しながら説明する。但し、図2は本発明の製造方法の一態様を示すものであり、本発明はこれに限定されない。 図2の工程(1)では、吸湿性物質、又は吸湿性物質と滑沢剤との混合物を篩過・混合する工程、次いで乾式造粒法で造粒する工程、次いで解砕・篩過する工程が含まれる。また、解砕・篩過後に、粒子径の小さい、具体的には、115メッシュ通過の造粒物を再度乾式造粒法で造粒する工程が含まれる。 図2の工程(2)では、工程(1)で得られた粒子径の大きい、具体的には、115メッシュ保持の吸湿性物質、又は吸湿性物質と滑沢剤との混合物の造粒物を、流動化剤と混合する工程、次いで必要に応じて精製水、エタノール等のバインダーを混合し、造粒する前造粒工程(2−1)、次いで前造粒工程(2−1)で得られた前造粒物に、更に流動化剤及び崩壊剤を混合し、造粒する仕上げ造粒工程、次いで乾燥する工程、次いで整粒する工程、次いで滑沢剤と混合する工程が含まれる。 図2では、最後に打錠工程を経て、錠剤が製造される。 造粒工程を、前造粒工程と仕上げ造粒工程に分けることで、崩壊時間を短縮することができる。造粒法については、前記の通りである。前記造粒は攪拌造粒又は高速攪拌造粒が好ましい。 前造粒工程と仕上げ造粒工程における流動化剤の添加量は、本発明の崩壊時間を短縮することができる程度であれば、適宜調節することができる。 前造粒工程における流動化剤の添加量は、乾式造粒で得られた粒子径の大きい吸湿性物質の合一を防ぐという理由から、吸湿性物質100質量部に対して1〜65質量部程度が好ましく、3〜47質量部程度がより好ましく、5〜45質量部程度が更に好ましい。 仕上げ造粒工程における流動化剤の添加量は、前造粒工程で得られた造粒物の表面をしっかりと覆うという理由から、吸湿性物質100質量部に対して1〜33質量部程度が好ましく、3〜25質量部程度がより好ましく、5〜25質量部程度が更に好ましい。 前造粒工程と仕上げ造粒工程とでは、同じ流動化剤を添加することができるし、異なる2種以上の流動化剤を添加することもできる。前造粒工程と仕上げ造粒工程とで添加する流動化剤の添加量比は、造粒物の合一を防ぎ、造粒物の表面をしっかりと覆うという理由から、前造粒工程:仕上げ造粒工程=1:1〜65:1程度が好ましく、1:1〜47:3程度がより好ましく、1:1〜9:1程度が更に好ましい。 仕上げ造粒工程における崩壊剤の添加量は、崩壊時間を短縮できるという理由から、吸湿性物質100質量部に対して1〜66質量部程度が好ましく、3〜50質量部程度がより好ましく、5〜50質量部程度が更に好ましい。 (2-4) その他の成分 本発明の錠剤は、その製造工程において、少なくとも前述の吸湿性物質、流動化剤及び崩壊剤を配合して製造されるものであれば良い。本発明の効果を妨げない範囲で他の成分を配合することもできる。他の成分としては、人体に投与又は摂取された後に、体内で意図される生理作用又は薬理活性を発揮する機能性物質(但し、吸湿性物質以外の物質)、並びに錠剤の製造に際して通常配合される、薬学的に許容される担体や添加剤等を挙げることができる。薬剤的に許容される担体や添加剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、着香剤、着色剤、甘味剤、矯味剤、抗酸化剤、防腐剤又は保存剤、界面活性剤、可塑剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、コーティング剤、色素、清涼化剤、湿潤剤、帯電防止剤等を含むことができる。これらの担体又は添加剤に該当する各種成分は公知であり、これらを任意に選択し、使用することができる。 賦形剤としては、D−マンニトール、D−ソルビトール、エリスリトール、キシリトールなどの糖アルコール、乳糖、ブドウ糖、果糖、白糖、粉末還元麦芽糖水アメなどの糖類、粉末セルロース、デキストリン、βーシクロデキストリン、沈降性炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、乳酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト、カオリン等が挙げられる。賦形剤としては、糖類、無水リン酸水素カルシウム等が好ましい。 結合剤(バインダー)としては、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ビニルピロリドン共重合体(コポリビドン)、アクリル酸系高分子、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、部分アルファ化デンプン、カンテン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、白糖等が例示できる。結合剤としては、セルロース誘導体(MC、HPC、HPMC等)、ポビドン等が好ましい。 着香剤又は香料としては、メントール、ジンジャーオイル等が挙げられる。 着色剤としては、ウコン抽出液、リボフラビン、カロチン液、タール色素、カラメル、酸化チタン、ベンガラ等が挙げられる。 甘味剤又は矯味剤としては、ショ糖、マンニトール、D−ソルビトール、キシリトール、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスコルビン酸、ステビア、メントール、カンゾウ粗エキス、単シロップ等が挙げられる。 抗酸化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール、クエン酸等が挙げられる。 保存剤としては、パラオキシ安息香酸エステル類等が挙げられる。 界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸グリセリン、ソルビタン脂肪酸エステル(モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン等)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリソルベート類、ラウリル硫酸ナトリウム、マクロゴール類、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。 可塑剤としては、クエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、トリアセチン等が挙げられる。 これらの添加剤は1種含むものであってもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて含むものであってもよい これらの成分は、錠剤の製造において、乾式造粒法(工程(1))及び造粒(工程(2))に際して、適宜配合することができる。予め吸湿性物質と滑沢剤とを混合して粉末状(粉体混合物)にしておき、その後、造粒工程に供しても良い。尚、これらの成分は、造粒工程に限らず、造粒後若しくは整粒後に配合することもできる。 (2-5) 混合 本発明の製造方法は、前述する造粒法の前に、前記工程(1)で得られた造粒物と、流動化剤及び崩壊剤とを混合する工程を有していても良い。混合は、常法に従って行なうことができる。かくして、造粒後、打錠して錠剤を調製する際に、偏析の発生が有意に抑制された錠剤を調製することができる。 (2-6) 乾燥・整粒 上記工程で得られる造粒物(少なくとも吸湿性物質、流動化剤及び崩壊剤を含む混合物)は、下記の打錠工程に供する前に、乾燥及び/又は整粒する工程を有していても良い。 打錠工程の前に、乾燥を行なうことで、造粒物の含水量を調整することができる。乾燥は、慣用の装置を用いて実施される。 打錠工程の前に、整粒を行なうことで、造粒物を打錠して錠剤を調製する際に、偏析の発生が有意に抑制された錠剤を調製することができる。整粒は、慣用の装置を用いて実施される。例えば、丸篩を使用することが好ましい。造粒物を16メッシュ通過115メッシュ保持(125〜1000μm程度)の整粒物が得られるように整粒することが好ましく、20メッシュ通過42メッシュ保持(355〜850μm程度)の整粒物がより好ましく、20メッシュ通過24メッシュ保持(710〜850μm程度)の整粒物が更に好ましい。篩過は、例えば振動ふるいなどの慣用の装置を用いて実施される。目開きは1000μm程度通過の整粒物が好ましい。 (3)工程(2)で得られた造粒物を打錠する工程 本発明の錠剤の製造方法では、前記工程(2)で得られた造粒物を打錠する工程を有する。この打錠工程により、崩壊性が良好な錠剤を得ることができる。 打錠工程は、慣用の顆粒圧縮法(間接圧縮法)に従って行うことができる。顆粒圧縮法として、乾式顆粒圧縮法および湿式顆粒圧縮法のいずれをも使用することができるが好ましくは湿式顆粒圧縮法である。 具体的には、上記造粒工程(2)で得られた造粒物を乾燥し、好ましくは更に整粒を行い、必要に応じて、錠剤を製造するために必要な打錠用基剤(例えば、前述の結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤等)を加えて、これを圧縮成形して錠剤とすることができる。これらの基材は、一つ又は二つ以上組み合わせて使用される。また、上記打錠に際して、香料、甘味料、着色料等の成分を配合してもよい。 滑沢剤の添加量は、多すぎると崩壊性、成型性を阻害する傾向があるという理由から、吸湿性物質100質量部に対して0.1〜2質量部程度が好ましい。 圧縮成形は、慣用の打錠機を用いて行うことができ、例えば高速回転式錠剤機等が用いられる。 打錠工程における打錠圧は、打錠する造粒物の組成等によって変化し得るものであり、得られる錠剤が流通に十分耐えうる硬度を備えるように、適宜調整して設定される。かかる錠剤の硬度としては、通常1〜20kgf(9.8〜196N)程度、好ましくは2〜18kgf(19.6〜176.4N)程度、より好ましくは3〜15kgf(29.4〜147N)程度である。錠剤の硬度が1kgf(9.8N)より大きく下回ると、錠剤の成形が不完全なために輸送時に割れや欠け等の不具合が発生する傾向がある。また、錠剤の硬度が20kgf(196N)を大きく超えると、打錠圧が高くなることにより、打錠工程でコーティング顆粒物が破壊されるため好ましくない。 錠剤硬度が上記範囲内であれば、製造中、輸送中、服用摂取時等に錠剤の剤形が崩れることなく、十分な剤形維持性を有し、PTP包装にも対応可能である。錠剤の硬度は、ロードセル式硬度計を用いて、複数個(例えば10個)の錠剤の硬度を測定し、その平均値を求めることで決定することができる。 打錠法は特に制限されない。例えば、上記造粒物を、打錠機の回転盤の臼中に供し、上杵及び下杵で圧縮(打錠)することにより製造することができる。この造粒物には、前述する「その他の成分」、例えば機能性物質、又は薬学的に許容された担体若しくは添加剤(滑沢剤等)を任意成分として配合してもよい。打錠は、造粒物を筒状の臼に充填し、充填された造粒物をすりきり板で一定量にすりきり、上下の杵で圧縮して行われる。打錠機は、高速回転式錠剤機等の公知の装置を制限なく使用することができる。 打錠圧等の操作条件については、製造する錠剤の形状、大きさ等により異なるので、特に限定はされないが、例えば、直径5〜20mm、曲率半径6〜24mmの杵を装着した打錠機を使用し、上記造粒物を打錠加工する。例えば100〜2000mg/錠の丸型錠剤を製造する場合、打錠工程における打錠圧は、前記錠剤の硬度を得られる条件であれば良い。制限されないが、通常500〜6000kgf/cm2(4.9〜58.8kN/cm2)程度の範囲から適宜設定することができる。 打錠は、慣用の装置を用いて実施される。例えば、ロータリー式打錠機、単発式打錠機、静圧打錠機等で、打錠することができる。 本発明によれば、吸湿性物質の含有率が高くても、崩壊性が良好な錠剤を製造することができる。 (4)錠剤 本発明の製造方法で製造する錠剤としては、前述するように、通常の経口投与用の錠剤の他、口腔内で咀嚼して摂取するチュアブル錠、舐めて口腔内で溶解させるトローチ錠、その他バッカル錠、舌下錠、口腔内崩壊錠等の口腔用錠剤を挙げることができる。 (4-1) 錠剤中の各成分の含有量 本発明の錠剤中の吸湿性物質の含有量は、特に制限されず、通常1〜95質量%の範囲から適宜設定することができる。錠剤中の吸湿性物質の含有率は、有効成分を高含有にするという理由から、30〜95質量%程度であることが好ましく、50〜90質量%程度がより好ましく、70〜90質量%程度が更に好ましい。 本発明の錠剤中の流動化剤の含有量は、特に制限されず、通常が1〜20質量%程度であることが好ましく、2〜15質量%程度がより好ましく、5〜15質量%程度が更に好ましい。また、前記吸湿性物質100質量部に対する流動化剤の含有量は、1〜66質量部程度が好ましく、3〜50質量部程度がより好ましく、5〜50質量部程度が更に好ましい。 本発明の錠剤中の崩壊剤の含有量は、特に制限されず、通常が1〜20質量%程度であることが好ましく、2〜15質量%程度がより好ましく、5〜15質量%程度が更に好ましい。また、前記吸湿性物質100質量部に対する崩壊剤の含有量は、1〜66質量部程度が好ましく、3〜50質量部程度がより好ましく、5〜50質量部程度が更に好ましい。 本発明の錠剤中の滑沢剤の含有量は、特に制限されず、通常が0.1〜5質量%程度であることが好ましく、0.2〜3質量%程度がより好ましく、0.5〜2質量%程度が更に好ましい。また、前記吸湿性物質100質量部に対する滑沢剤の含有量は、0.1〜16質量部程度が好ましく、0.2〜10質量部程度がより好ましく、0.5〜6質量部程度が更に好ましい。 本発明の錠剤は、漢方エキス、生薬エキス等の吸湿性物質(有効成分)の含有率が高くても、崩壊性が大きく損なわれない錠剤とすることができることから、各成分を上記含有量とすることが好ましい。 (4-2) 錠剤の用途、形態 本発明の錠剤は、医薬品、及び食品(錠菓、栄養補助食品、特別用途食品、特定保健用食品等の機能食品を含む)として用いることができる。錠剤には、通常の経口投与剤としての錠剤の他、口腔内で咀嚼して摂取されるチュアブル錠、口腔内で徐々に溶解又は崩壊させて摂取されるトローチ錠や口腔内崩壊錠、舌下で吸収される舌下錠、歯と歯茎の間に挟み吸収させるバッカル錠等の口腔用錠剤の態様も含まれる。 本発明の錠剤は、好ましくは上記方法によって製造される裸錠(素錠)であるが、更にコーティング工程を設けることにより、フィルムコーティング又は糖衣コーティングが施されたコーティング錠剤とすることもできる。コーティング錠には糖衣錠や、水溶性、腸溶性又は胃溶性の高分子基剤を含むフィルムで被覆したフィルムコーティング剤(胃溶錠、腸溶錠)が含まれる。 本発明の錠剤は、その形状、大きさ等について特に制限はされない。形状については、例えば、丸型、楕円型、三角型、四角型等のあらゆる形状を挙げることができる。大きさについては、例えば、直径5〜20mm、好ましくは7〜15mm;重量100mg〜2000mgの剤形とすることができる。 本発明の錠剤は、漢方エキス、生薬エキス等の吸湿性物質の含有率が高くても、崩壊性が大きく損なわれない錠剤とすることができる。更に、崩壊時間の遅延やばらつきが有意に抑えられた錠剤とすることができる。また、錠剤中の吸湿性物質(有効成分)に偏析の発生が有意に抑制され、錠剤は均一な外観を有することができる。更に、少なくとも吸湿性物質を含み、粒子径の大きい、具体的には、16メッシュ通過115メッシュ保持の造粒物の表面を流動化剤と崩壊剤とで被覆できることから、造粒物(吸湿性物質)内に取り込まれる流動化剤、崩壊剤等の添加剤の量を少なくすることができる。また、各添加剤の添加効果を十分に発揮することができる。 また、錠剤中の吸湿性物質(有効成分)の含有率を高めることができるので、一錠当たりの剤形の大きさを小さくしたり、一回服用当たりの錠剤数を減らしたり、服用回数を減らしたりできるので、錠剤を服用する者の負担を軽減することができる。 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。 実施例 吸湿性物質として、漢方エキスを用いて、錠剤を製造した。 (1)錠剤の調製に用いた成分(処方) 処方を表1及び2に示した。滑沢剤は打錠前に添加した。 錠剤設計を表3に示した。 (2)錠剤の製造 (2-1)工程(1)乾式造粒法 乾式造粒法を表4に示した。 本発明の第一及び第二の製造方法では、吸湿性物質(漢方エキス)を、乾式造粒法で造粒した(図1及び2の工程(1))。 上記造粒工程で得られた造粒物を、20メッシュ通過(850μm程度以下)目開き125μm保持で整粒(解砕・篩過)し、造粒物を次の造粒工程に供した。 (2-2)工程(2)造粒工程 造粒法として攪拌造粒法を採用した。攪拌造粒工程を表5に示した。 本発明の第一の製造方法は、前記工程(1)で得られた造粒物と流動化剤(軽質無水ケイ酸)と崩壊剤(クロスカルメロースNa)との混合物を攪拌造粒した(図1の工程(2))。 本発明の第二の製造方法は、前記工程(1)で得られた造粒物と流動化剤(軽質無水ケイ酸)との混合物を攪拌造粒した(図2の前造粒工程(2−1))。前造粒工程では、流動化剤を、配合比率で9質量%添加した。次いで前記前造粒工程(2−1)で得られた前造粒物に、更に流動化剤(軽質無水ケイ酸)と崩壊剤(クロスカルメロースNa)とを混合して混合物を得た。次いで該混合物を攪拌造粒した(図2の仕上げ造粒工程(2−2))。仕上げ造粒工程では、流動化剤を、配合比率で1質量%添加した。第二の製造方法は、第一の製造方法の攪拌造粒工程(2)が、前造粒工程(2−1)及び仕上げ造粒工程(2−2)に分かれた製造方法である。前造粒工程での流動化剤の配合量:仕上げ造粒工程での流動化剤の配合量=9:1である。 上記造粒工程で得られた造粒物を、目開き1000μmの丸篩にかけて整粒し、当該丸篩を通過した整粒物を打錠工程に供した。 (2-4)工程(3)打錠工程 打錠工程を表6に示した。 本発明の第一及び第二の製造方法では、前記工程(2)で得られた造粒物に、滑沢剤(ステアリン酸Mg)を添加して、単発式打錠機を用いて、打錠し、錠剤を得た(工程(3)、図1及び2の最終工程))。打錠圧は、錠剤硬度が100N(10.2kgf)になるよう調整した。打錠圧力:12〜20kN/cm2(1224.5〜2040.8kgf/cm2) (3)従来の錠剤の製造 従来の錠剤の製造方法を表7に示した(図3)。 吸湿性物質(漢方エキス)、流動化剤(軽質無水ケイ酸)及び崩壊剤(クロスカルメロースNa)を混合し、これを攪拌造粒した。次いで、造粒物を整粒し、整粒物を得た。これに滑沢剤(ステアリン酸Mg)を添加して、単発式打錠機を用いて打錠し、錠剤を得た。 (4)評価試験:崩壊試験(日本薬局方) 上記で製造した錠剤(6個)について、日本薬局方(第十六改正)記載の崩壊試験法に従って崩壊時間を測定した。錠剤6個のうち、最も崩壊時間の遅い時間を崩壊時間とした。 従来技術の製造方法で製造した錠剤の崩壊時間は、38分であった。 本発明の第一の製造方法で製造した錠剤の崩壊時間は、18分であった。錠剤は、局所的に崩壊が進み、ややいびつな形状に変化しながら小さくなっていった。 本発明の第二の製造方法で製造した錠剤の崩壊時間は、16分であった。錠剤は、表面が全体的に均一に崩壊していき、錠剤の形状のまま徐々に小さくなっていった。崩壊については、第一の製造方法に比べて、第二の製造方法で製造した錠剤の方が速かった。 <考察> 本発明の製造方法によれば、錠剤中に漢方エキス、生薬エキス等の吸湿性物質の含有率が高くても、崩壊性が大きく損なわれない錠剤を調製することができた。更に、崩壊時間の遅延やばらつきが有意に抑えられた錠剤となった。 先ず、吸湿性物質を乾式造粒することにより、吸湿性物質の粒子径を大きくでき(工程(1)、16メッシュ通過115メッシュ保持の造粒物)、次いで、得られた造粒物と、流動化剤及び崩壊剤とを造粒することにより、吸湿性物質の表面を流動化剤と崩壊剤とで被覆できた(工程(2))。その結果、得られた造粒物を打錠して、錠剤にすることにより(工程(3))、崩壊性が良好な錠剤を得ることができた。また、錠剤中の吸湿性物質(有効成分)に偏析の発生が有意に抑制され、錠剤は均一な外観を有する錠剤となった。吸湿性物質、流動化剤及び崩壊剤を含む錠剤の製造方法であって、(1)吸湿性物質を乾式造粒法で造粒する工程、(2)前記工程(1)で得られた造粒物と、流動化剤及び崩壊剤を造粒する工程、及び(3)前記工程(2)で得られた造粒物を打錠する工程、を有することを特徴とする錠剤の製造方法。前記工程(2)が、(2−1)前記工程(1)で得られた造粒物と流動化剤とを混合し、これを造粒する前造粒工程、及び(2−2)前記前造粒工程(2−1)で得られた前造粒物に、更に流動化剤と崩壊剤とを混合して混合物を得、次いで該混合物を造粒する仕上げ造粒工程、を有するものである、請求項1記載の錠剤の製造方法。前記吸湿性物質が、漢方エキス、生薬エキス及び植物抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種の物質である、請求項1又は2に記載の錠剤の製造方法。前記流動化剤が、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分である、請求項1〜3いずれかに記載の錠剤の製造方法。前記崩壊剤が、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びクロスポビドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分である、請求項1〜4のいずれかに記載の錠剤の製造方法。 【課題】崩壊性を大きく損なうことなく、漢方エキス、生薬エキス等の吸湿性の高い物質の含有率を高めることができる錠剤の製造方法を提供する。【解決手段】吸湿性物質、流動化剤及び崩壊剤を含む錠剤の製造方法であって、(1)吸湿性物質を乾式造粒法で造粒する工程、(2)前記工程(1)で得られた造粒物と、流動化剤及び崩壊剤を造粒する工程、及び(3)前記工程(2)で得られた造粒物を打錠する工程、を有することを特徴とする錠剤の製造方法。【選択図】なし


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