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タイトル:公開特許公報(A)_金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法
出願番号:2013086159
年次:2014
IPC分類:G01N 30/06,G01N 30/88,G01N 31/00,G01N 30/72,G01N 27/62,G01N 33/20


特許情報キャッシュ

ジョン,ジ ウン リ,セ ギョン ユン,ヒョ ジン ハン,ソク ジン JP 2014106226 公開特許公報(A) 20140609 2013086159 20130416 金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. 594023722 渡邉 一平 100088616 木川 幸治 100089347 佐藤 博幸 100154379 小池 成 100154829 ジョン,ジ ウン リ,セ ギョン ユン,ヒョ ジン ハン,ソク ジン KR 10-2012-0133835 20121123 G01N 30/06 20060101AFI20140513BHJP G01N 30/88 20060101ALI20140513BHJP G01N 31/00 20060101ALI20140513BHJP G01N 30/72 20060101ALI20140513BHJP G01N 27/62 20060101ALI20140513BHJP G01N 33/20 20060101ALI20140513BHJP JPG01N30/06 EG01N30/88 CG01N31/00 YG01N31/00 VG01N30/06 ZG01N30/72 CG01N27/62 VG01N27/62 XG01N33/20 Q 13 1 OL 13 2G041 2G042 2G055 2G041CA01 2G041EA04 2G041FA07 2G041GA09 2G041HA01 2G041LA08 2G042AA01 2G042BD08 2G042CA01 2G042CA02 2G042CB01 2G042CB03 2G042DA10 2G042EA03 2G042FA01 2G042FA20 2G042FB02 2G042GA01 2G042GA05 2G055AA07 2G055CA30 2G055FA10 本発明は、金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法に関する。 一般に、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド化合物は、殺菌作用及び強力な還元作用を有するため、いろいろな分野で広く用いられているが、毒性が強く、ヒトと動物に対して発癌性があると知られており、国際がん研究機関(IARC:International Agency for Research on Cancer)では発癌物質(グループ1)と規定しており、米国環境保護庁では発癌性及び変異原性を有する有害物質に分類されている。 最近、ホルムアルデヒド環境有害物質の問題が深刻に台頭しており、電気/電子部品産業におけるホルムアルデヒドの規制を強化している。このような電気/電子産業の環境規制強化に対応するために、メッキ液中のホルムアルデヒド検出量管理法の構築及びホルムアルデヒドを含有しない添加剤に対する検証のためのホルムアルデヒド極微量検出方法の確立が求められる。 一般に知られているアルデヒド化合物の測定方法には、酸/アルカリ滴定を用いた発色法や、化学的誘導体化法を用いたガスクロマトグラフィー法(GC:Gas Chromatography)又は高速液体クロマトグラフィー(HPLC:High Performance Liquid Chromatography)などが知られている。 例えば、大気中のアルデヒド成分を分析する方法は、電源が必要なポンプを用いて一定量の空気を吸引して吸着剤にアルデヒド化合物を採取し、実験室における前処理過程と分析操作を経た後、高速液体クロマトグラフィーなどの操作が複雑で高価な装備を使用しなければならないため、所要費用が増加するという欠点がある。 また、水溶液中のホルムアルデヒド検出方法は、UV吸光物質による誘導体化反応のためのpH緩衝溶液の製造及び添加段階、UV吸光物質による誘導体化反応段階、シリカゲル吸着剤による濾過後の水分除去段階、及び100%水分除去後の有機溶媒を用いた再抽出段階を含む複雑な過程を経た後、クロマトグラフィー法を適用してUV吸光信号から分析する。例えば、特許文献1は、土壌のアルデヒド化合物を定量分析する方法であって、アルデヒド化合物を誘導体化させてアルデヒド誘導体化合物を得、これを高速液体クロマトグラフィーで定量分析する方法を開示している。 このような測定方法は、ホルムアルデヒドの定性分析が可能であるが、濃度0.5mg/mL以下の微量のホルムアルデヒド検出量評価方法では限界がある。また、電源が必要なポンプを用いて誘導体物質を抽出する前処理過程と、いろいろな段階の分析過程を経て測定しなければならないので、所要費用(時間及び人力)が増加する問題点を持っている。 また、大気及び一般水溶液に対するホルムアルデヒド検出方法は、様々に知られているが、金属イオン、有/無機酸、高分子などの金属複合材料であるメッキ液中のアルデヒド化合物の検出方法に関する情報が知られていない。さらに、濃度0.5mg/mL以下の微量分析が可能な検出方法としては、クロマトグラフィー法があるが、環境規制物質規定管理のためのアルデヒド化合物がない検出のためには、0.1mg/mL以下のppb水準の濃度を検出することが可能な分析方法が求められる実情である。特開2005−134274号公報 そこで、本発明者は、電気/電子産業の環境規制強化に対応するために、メッキ液中の極微量のアルデヒド化合物を定性及び/又は定量検出することが可能なアルデヒド誘導体溶液、及びこれを用いてアルデヒド化合物を分析する方法を開発し、これに基づいて本発明を完成した。 したがって、本発明の目的は、簡単かつ経済的な方法で、金属メッキ液中のアルデヒド化合物を0.1mg/mL以下の水準まで検出することができる金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法を提供することにある。 上記目的を達成するために、本発明は、アルデヒド誘導体にpH調節溶液を添加して金属メッキ液のpHと実質的に同一のpHに調節しながら、前記アルデヒド誘導体が過飽和されるように溶解させて過飽和アルデヒド誘導体溶液を製造する段階と、前記過飽和アルデヒド誘導体溶液を金属メッキ液に添加し、前記金属メッキ液中に存在するアルデヒド化合物を誘導体化させてアルデヒド誘導体化合物を得る段階と、前記アルデヒド誘導体化合物を抽出する段階と、前記抽出されたアルデヒド誘導体化合物からアルデヒド化合物を分析する段階とを含んでなる、金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法を提供する。 本発明の方法において、前記アルデヒド誘導体は、アセチルアセトン、オキサゾリジン、o−(ペンタフルオロベンジル)−ヒドロキシルアミン、2,4−ジニトロフェニルヒドラジン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルヒドラジン、2−アミノエタンチオール、及び2,4,6−トリクロロフェニルヒドラジンよりなる群から少なくとも1種選ばれたことを特徴とする。 本発明の方法において、前記pH調節溶液は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸又はこれらの混合物である無機酸溶液、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム又はこれらの混合物であるアルカリ溶液であることを特徴とする。 本発明の方法において、前記過飽和アルデヒド誘導体溶液のpHは、金属メッキ液のpHの±2であることを特徴とする。 本発明の方法において、前記過飽和アルデヒド誘導体溶液は、50〜80℃の温度で20分〜1時間加熱して製造されることを特徴とする。 本発明の方法において、前記過飽和アルデヒド誘導体溶液と前記金属メッキ液の混合比は、体積比で1:100〜200であることを特徴とする。 本発明の方法において、前記メッキ液は、金属イオン、無機酸、有機高分子及び有機単分子成分が混合された電解又は無電解メッキ液であることを特徴とする。 本発明の方法において、前記アルデヒド化合物は、ホルムアルデヒド(formaldehyde)、アセトアルデヒド(acetaldehyde)、アクロレイン(acrolein)、アセトン、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、i−バレルアルデヒド(i−valeraldehyde)、n−バレルアルデヒド、o−バレルアルデヒド、m−バレルアルデヒド、p−バレルアルデヒド、ヘキサアルデヒド、及び2,5−ジメチルベンズアルデヒドよりなる群から少なくとも1種選ばれたことを特徴とする。 本発明の方法において、前記アルデヒド誘導体化合物の抽出段階は、アルデヒド誘導体化合物を有機溶媒に溶解させた後、前記有機溶媒を除去し、乾燥させて抽出することにより行われることを特徴とする。 本発明の方法において、前記有機溶媒は、塩化メチレン(methylene chloride)、クロロホルム(chloroform)、n−ヘキサン(n−hexane)、ジエチルエーテル(diethyl ether)、酢酸エチル(ethyl acetate)、及び炭素テトラクロリド(carbon tetra chloride)よりなる群から少なくとも1種選ばれたことを特徴とする。 本発明の方法において、前記分析する段階は、アルデヒド化合物を定量、定性、又は定量及び定性分析することにより行われることを特徴とする。 本発明の方法において、前記分析する段階は、HPLC−MS/MSを用いて行われることを特徴とする。 本発明の方法において、前記方法は、0.1mg/L以下の濃度を有するアルデヒド化合物の検出が可能であることを特徴とする。 本発明によれば、金属メッキ液中のアルデヒド化合物を、簡単かつ経済的な方法で、0.1mg/L以下の水準まで検出することができるという効果がある。 本発明の特徴及び利点は、添付図面に基づいて次の詳細な説明からさらに明白になるであろう。本発明の好適な一実施例に係る金属メッキ液中のアルデヒド誘導体化合物の分析方法を示すブロック図である。本発明によってアルデヒド誘導体化合物の定量分析のために標準試薬を用いて高速液体クロマトグラフィー−質量/質量分析法[HPLC−MS/MS(High Performance Liquid Chromatography−Mass/Mass spectrometry)]で分析したアルデヒド誘導体化合物の濃度別スペクトルである。図2のアルデヒド誘導体化合物の濃度別スペクトルを用いて濃度別標準検量曲線(calibration curve)を示すグラフである。本発明の好適な一実施例によって得たアルデヒド誘導体化合物をHPLC−MS/MS分析法で分析した結果を示すスペクトルである。本発明の好適な一実施例によって得たアルデヒド誘導体化合物をUV検出器及びMS検出器で同時に検出した信号を比較したスペクトルである。本発明の好適な一実施例によって得たアルデヒド誘導体化合物をHPLC−MS/MS分析方で3回分析したアルデヒド誘導体化合物のスペクトルである。図6によって3回分析したアルデヒド誘導体化合物のスペクトルを用いて図3の標準検量曲線に代入してメッキ液中のアルデヒド化合物の定量分析結果を示すグラフである。 本発明をさらに具体的に説明する前に、本明細書及び特許請求の範囲に使用された用語又は単語は、通常的且つ辞典的な意味に限定されてはならず、発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に立脚して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。よって、本明細書に記載された実施例の構成は、本発明の好適な一例に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではない。このため、本出願時点においてこれらを代替することが可能な様々な均等物及び変形例があり得ることを理解すべきである。 以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施し得るように、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。尚、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不明瞭にする可能性がある係る公知技術についての詳細な説明は省略する。(用語の定義) まず、本発明に使用された用語を定義する。 本発明において、用語「アルデヒド誘導体」は、金属メッキ液中に存在するアルデヒド化合物と反応してアルデヒド誘導体化合物を形成する物質を意味する。用語「アルデヒド化合物」は、国際がん研究機関では発癌物質(グループ1)と規定しており、米国環境保護庁では発癌性及び変異原性を有する有害物質に分類されているアルデヒド系又は成分の物質を意味する。用語「金属メッキ液」は、主にプリント基板に使用される銅などの金属を含有する電解/無電解メッキ液を対象とするが、これに限定されるものではない。用語「アルデヒド誘導体溶液」は、前記アルデヒド誘導体とpH調節溶液との混合物を意味する。用語「アルデヒド誘導体化合物」は、前記アルデヒド誘導体と前記金属メッキ液中のアルデヒド化合物とを反応させて得た反応物を意味する。 図1は、本発明の好適な一実施例に係る金属メッキ液中のアルデヒド誘導体化合物の分析方法を示すブロック図である。 一般に、金属メッキ液は、水溶液状態であって、大気抽出方法の適用が不可能である。水溶液中のホルムアルデヒド分析方法には、塩化アンモニウム法や塩酸ヒドロキシルアミン法などの酸/アルカリ滴定を用いた発色法などがある。滴定法の場合は、測定子、測定装備及び環境に対する検出誤差が大きい湿式実験法であって、濃度が1ng/L以下の極微量試料の定量分析方法として活用することが難しい。また、滴定過程で、強酸/強塩基状態のメッキ液の中和反応の発生により、沈殿物の生成及び発熱反応による添加剤の消失などが発生して、メッキ液状態の水溶液に適用不可能である。 また、大気及び一般水溶液に対するホルムアルデヒド検出方法は、様々に知られているが、金属イオン、無機酸、及び/又は高分子などの金属複合材料である金属メッキ液中のホルムアルデヒド検出方法に関する情報は、特に知られていない。ところが、金属メッキ液中の約0.5mg/L程度のホルムアルデヒドを検出するために、クロマトグラフィー法を使用することができるが、この方法は、環境規制物質規定管理のためのアルデヒドがないか、或いは0.1mg/L以下のppb水準の濃度を検出することが可能な測定法として適用することが難しい。これは、金属イオンが過量含有されたメッキ液の場合、クロマトグラフィー法に使用される緩衝溶液の適用の際に発生する中和反応による発熱及び沈殿現象のためである。よって、前記方法は、定量評価法として適用することが難しいとともに、0.1mg/L以下のppb水準の濃度を検出することが可能な測定法として適用することが難しい。 前述したように、電解/無電解メッキ液中のホルムアルデヒドは、銀又は銅などの金属イオンを還元させてメッキ(金属成長)が施されるようにする還元剤として主に用いられる。この他にも、腐食抑制剤、酸防止剤、触媒剤などの多様な役割を果たすメッキ添加剤成分の一つであり、特に、無電解メッキ液に必ず添加されなければならない物質である。メッキ特性に密接な影響を及ぼすホルムアルデヒドは、添加量によって反応速度、メッキ液安定性及び表面粗さなどに影響を与えるので、メッキ液中のホルムアルデヒド濃度の管理が重要である。 本発明では、金属イオンが過量含有されたメッキ液中のアルデヒド化合物を、改善された化学的誘導体前処理法によってシリカゲルフィルター、真空ポンプ、緩衝溶液の添加及び水分除去などの複雑な前処理過程なしで有機溶媒を用いて抽出する。抽出されたアルデヒド誘導体化合物は、高速液体クロマトグラフィー−質量/質量分析法(HPLC−MS/MS)を含む多様なタンデム(tandem)型MS分析法で定性分析だけでなく、極微量ホルムアルデヒドの濃度分析(定量分析)も可能である。 本発明は、金属イオン、無機酸及び/又は有機酸、有機高分子、有機単分子、及び/又はその他の添加剤成分などから構成されているメッキ液中に存在するアルデヒド成分を誘導体化させて有機溶媒で抽出した後、0.1mg/mL以下の微量有機物定性/定量分析が可能なHPLC−MS/MS分析法を導入してアルデヒド含量を検出する方法を提供する。 しかも、本発明は、メッキ液中のアルデヒド化合物をアルデヒド誘導体を用いて誘導体化させる前処理方法、及び今後、環境規制物質の検証のために必要な0.1mg/L以下の極微量のアルデヒド含量を測定する方法に活用することが可能な分析方法を提供する。 本発明において、金属メッキ液中の0.1mg/L以下のアルデヒド化合物の含量を測定するためには、まず、アルデヒド誘導体を前処理する過程が必要である。本発明に係るアルデヒド誘導体の前処理方法は、金属メッキ液中でアルデヒド化合物を誘導体化する過程において中和反応による発熱現象及び沈殿現象なしで金属イオンに妨害されることなく、アルデヒド化合物を誘導体化することが重要である。 図1は、本発明の好適な一実施例に係る金属メッキ液中のアルデヒド誘導体化合物の分析方法を示すブロック図である。 まず、図1を参照すると、アルデヒド誘導体にpH調節溶液を添加して金属メッキ液のpHと実質的に同一のpHに調節しながら、前記アルデヒド誘導体が過飽和されるように溶解させて過飽和アルデヒド誘導体溶液を製造する。この場合、前記アルデヒド誘導体溶液のpHは、前記金属メッキ液pHの±2の範囲内で調節する。 こうして製造されたアルデヒド誘導体溶液のpHをメッキ液と実質的に同一の状態に維持することにより、中和反応による発熱、沈殿及び/又は分解現象を防止し、メッキ液原液状態を維持することができる。前記発熱、沈殿及び/又は分解現象などが発生する場合、発生した沈殿物などにアルデヒド化合物が捕獲される可能性があって、正確な定量分析が難しいためである。よって、前記過飽和アルデヒド誘導体溶液のpHが金属メッキ液のpHの±2を外れると、発熱現象及び沈殿現象などが発生して沈殿物を生成する。 一方、本発明に使用可能な前記アルデヒド誘導体は、アセチルアセトン(acetylacetone)、オキサゾリジン(oxazolidine)、o−(ペンタフルオロベンジル)−ヒドロキシルアミン(o−(pentafluorobenzyl)−hydroxylamine;PFBHA)、2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(2,4−dinitrophenylhydrazine;2,4−DNPH)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルヒドラジン(2,3,4,5,6−pentafluorophenylhydrazine;2,3,4,5,6−PFPH)、2−アミノエタンチオール(2−aminoethanethiol;システアミン)、2,4,6−トリクロロフェニルヒドラジン(2,4,6−trichlorophenylhydrazine;TCPH)などのヒドラゾン(hydrazone)、チオアゾリジン(thiazolidine)、及びオキシム(oxime)誘導体を形成する物質の少なくとも1種を選択する。 前記pH調節溶液は、前記金属メッキ液が酸性の場合、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸又はこれらの混合物である無機酸溶液を使用し、前記金属メッキ液が塩基性の場合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム又はこれらの混合物であるアルカリ溶液を使用する。 また、本発明によれば、金属メッキ液中の0.1mg/L以下のアルデヒド化合物の含量を測定するために、アルデヒド誘導体が十分な量でメッキ液に添加されなければならない。よって、pH調節溶液でpHが調節されたアルデヒド誘導体溶液を、50〜80℃の温度範囲で20分〜1時間加熱して、過飽和アルデヒド誘導体溶液を製造する。前記温度が50℃未満の場合、アルデヒド誘導体の飽和程度が低下し、前記温度が80℃を超える場合、揮発するpH調節溶液の量が多くてpHが変化できる。前記反応時間も同様の理由で20分〜1時間の範囲を維持する。 その後、前記過飽和アルデヒド誘導体溶液は、金属メッキ液に添加し、前記金属メッキ液中に存在するアルデヒド化合物を誘導体化させて、アルデヒド誘導体化合物を得る。 前記アルデヒド化合物がホルムアルデヒドであり、且つ前記アルデヒド誘導体が2,4−DNPHである場合、アルデヒド化合物の誘導体化反応は、下記反応式1のとおりである。 本発明において、前記過飽和アルデヒド誘導体溶液と前記金属メッキ液の混合比は、体積比で1:100〜200であることが好ましく、前記混合比が100未満の場合、アルデヒド誘導体とアルデヒド化合物の十分な反応が起こらないおそれがあり、前記混合比が200を超える場合、経済性がない。 本発明によって分析可能な前記アルデヒド化合物は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、アセトン、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、i−バレルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、o−バレルアルデヒド、m−バレルアルデヒド、p−バレルアルデヒド、ヘキサアルデヒド、及び2,5−ジメチルベンズアルデヒドよりなる群から少なくとも1種選ばれる。 本発明によれば、上述した方法で得たアルデヒド誘導体化合物は、有機溶媒に溶解させた後、層分離された有機溶媒層を回収する。前記有機溶媒層から有機溶媒を、通常の方法で揮発させて除去し、これを乾燥機などで乾燥させて、固相のアルデヒド誘導体化合物を得る。 本発明において、有機溶媒の選択は、水に対する溶解性が低く、極性度が高く、且つ乾燥時間の短縮のために揮発性が高い溶媒を選択する。誘導体化されたアルデヒド誘導体化合物を有機溶媒で抽出した後、有機溶媒を除去して保管する。本発明に好ましい前記有機溶媒は、塩化メチレン、クロロホルム、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、及び炭素テトラクロリドよりなる群から少なくとも1種選ばれる。 その後、こうして抽出されたアルデヒド誘導体化合物は、多様な方法で定量、定性、又は定量及び定性分析できる。好ましくは、HPLC−MS/MSを用いると、0.1mg/L以下の濃度を有するアルデヒド化合物の検出が可能である。前記HPLC−MS/MS分析方法は、高濃度のアルデヒドから極微量のアルデヒド成分まで検出することが可能な高分解能質量分析法である。特に、前記HPLC−MS/MS分析方法は、目的する化合物の質量分析を行った化合物をさらに精製して2重に実施することにより、目的する化合物の質量を極めて正確に測定することができる。また、前記HPLC−MS/MS分析方法は、一般なクロマトグラフィー法(GC又はHPLC)に比べて検出濃度限界が0.5mg/L以下であって、ppb水準まで検出可能である。 以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。ところが、本発明の範疇はこれらの実施例に限定されない。(製造例1)[電解硫酸銅メッキ液のサンプル製造] 1Lの純水に硫酸(H2SO4、60%)140g、硫酸銅(CuSO4)30g、及び塩酸(HCl、35%)30ppmを添加して、pH約2.5の基本メッキ液を準備した後、最終的に4000Daのポリエチレングリコール(PEG4000)25mgを入れて、電解硫酸銅メッキ液を製造する。(製造例2)[ホルムアルデヒド誘導体溶液の製造] ホルムアルデヒド誘導体としての2,4−DNPHと100mLの塩酸溶液を約70℃で約30分間混合して、0.01Mの2,4−DNPH溶液(pH約2.5)を製造した。(製造例3)[濃度別検量曲線の作成] 製造例1の金属メッキ液中のホルムアルデヒドの正確な濃度分析(定量分析)のために、濃度範囲が10〜80ppb(ng/L)のホルムアルデヒドを、前記メッキ液に添加して混合した。その後、前記混合物1mLに、製造例2の0.01Mの2,4−DNPH溶液(pH約2.5)150mLを添加して約40℃で約1時間反応させて、ホルムアルデヒド−2,4−DNPHを合成した。その後、前記反応物に、塩化メチレンを1:1の体積比で添加してホルムアルデヒド−2,4−DNPHを有機層で抽出した後、前記有機層を分離し、塩化メチレンを揮発させ、乾燥した固相のホルムアルデヒド−2,4−DNPHを得た。これをHPLC−MS/MS分析器に入れて濃度別質量スペクトルを測定した。その結果を、図2に示した。 一方、ホルムアルデヒドの濃度範囲が10〜80ppb(ng/L)のホルムアルデヒド−2,4−DNPH溶液をHPLC−MS/MS分析器に入れて濃度別質量スペクトルを測定した結果、図2の結果と実質的に同様であった。よって、図2のHPLC−MSスペクトルを用いて、濃度別標準検量曲線を図3に示した。検量曲線の濃度範囲は、10〜80ppb(ng/L)であり、濃度別直線性が良好な直線性を示した(傾き(R)=0.9997である)。(実施例1) 含量を知らないホルムアルデヒドを含有する製造例1の金属メッキ液1mLに、製造例2の0.01Mの2,4−DNPH溶液(pH約2.5)150mLを添加し、約40℃で約1時間反応させてホルムアルデヒド−2,4−DNPHを合成した。その後、前記反応物に、塩化メチレンを1:1の体積比で添加してホルムアルデヒド−2,4−DNPHを有機層で抽出した後、前記有機層を分離し、塩化メチレンを揮発させ、乾燥した固相のホルムアルデヒド−2,4−DNPHを得た。これをHPLC−MS/MS分析器に入れて質量スペクトルを測定した。その結果を図4に示した。図4を参照すると、分子量209.0320のホルムアルデヒド−2,4−DNPHピークを確認することができた。 図5は、前記ホルムアルデヒド−2,4−DNPHをUV検出器及びMS検出器で同時に検出した信号を比較したスペクトルである。UV検出器で検出されたスペクトルの面積は1611.01であるが、これに対し、MS検出器で検出されたスペクトルの面積は1879694であって、1100倍以上の差異を示すことを確認することができる。しかも、UV検出器で350〜500nm範囲の波長で吸光が現れるが、極微量含有されたアルデヒドの場合、感度が非常に高いUV検出器を導入しても、ppb水準の吸光信号を検出するのに限界があった。(実施例2) 実施例1と同様の方法で得た固相のホルムアルデヒド−2,4−DNPHを、HPLC−MS/MS分析器に入れて質量スペクトルを3回測定した。その結果を図6に示した。前記スペクトルから得たピーク領域を用いて、製造例3で得た図3の濃度別標準検量曲線に代入した結果、メッキ液中のアルデヒド含量が約40ng/Lであることを確認した(図7参照)。 以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、当該分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。 本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲より明確になるであろう。 本発明は、金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法に適用可能である。 アルデヒド誘導体にpH調節溶液を添加して金属メッキ液のpHと実質的に同一のpHに調節しながら、前記アルデヒド誘導体が過飽和されるように溶解させて過飽和アルデヒド誘導体溶液を製造する段階と、 前記過飽和アルデヒド誘導体溶液を金属メッキ液に添加し、前記金属メッキ液中に存在するアルデヒド化合物を誘導体化させてアルデヒド誘導体化合物を得る段階と、 前記アルデヒド誘導体化合物を抽出する段階と、 前記抽出されたアルデヒド誘導体化合物からアルデヒド化合物を分析する段階とを含んでなる金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法。 前記アルデヒド誘導体が、アセチルアセトン、オキサゾリジン、o−(ペンタフルオロベンジル)−ヒドロキシルアミン、2,4−ジニトロフェニルヒドラジン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルヒドラジン、2−アミノエタンチオール、及び2,4,6−トリクロロフェニルヒドラジンよりなる群から少なくとも1種選ばれたことを特徴とする請求項1に記載の金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法。 前記pH調節溶液は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸又はこれらの混合物である無機酸溶液、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム又はこれらの混合物であるアルカリ溶液を使用することを特徴とする請求項1に記載の金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法。 前記過飽和アルデヒド誘導体溶液のpHが、金属メッキ液pHの±2であることを特徴とする請求項1に記載の金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法。 前記過飽和アルデヒド誘導体溶液は、50〜80℃の温度で20分〜1時間加熱して製造されることを特徴とする請求項1に記載の金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法。 前記過飽和アルデヒド誘導体溶液と前記金属メッキ液の混合比が、体積比で1:100〜200であることを特徴とする請求項1に記載の金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法。 前記メッキ液が、金属イオン、無機酸、有機高分子及び有機単分子成分が混合された電解又は無電解メッキ液であることを特徴とする請求項1に記載の金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法。 前記アルデヒド化合物が、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、アセトン、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、i−バレルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、o−バレルアルデヒド、m−バレルアルデヒド、p−バレルアルデヒド、ヘキサアルデヒド及び2,5−ジメチルベンズアルデヒドよりなる群から少なくとも1種選ばれたことを特徴とする請求項1に記載の金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法。 前記アルデヒド誘導体化合物の抽出段階が、アルデヒド誘導体化合物を有機溶媒に溶解させた後、前記有機溶媒を除去し、乾燥させて抽出することにより行われることを特徴とする請求項1に記載の金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法。 前記有機溶媒が、塩化メチレン、クロロホルム、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、酢酸エチル及び炭素テトラクロリドよりなる群から少なくとも1種選ばれたことを特徴とする請求項9に記載の金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法。 前記分析する段階が、アルデヒド化合物を定量、定性、又は定量及び定性分析することにより行われることを特徴とする請求項1に記載の金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法。 前記分析する段階が、HPLC−MS/MSを用いて行われることを特徴とする請求項1に記載の金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法。 前記方法は、0.1mg/L以下の濃度を有するアルデヒド化合物の検出が可能であることを特徴とする請求項1に記載の金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法。 【課題】簡単かつ経済的な方法で、金属メッキ液中のアルデヒド化合物を0.1mg/mL以下の水準まで検出することができる金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法を提供する。【解決手段】本発明の金属メッキ液中のアルデヒド化合物の分析方法は、アルデヒド誘導体にpH調節溶液を添加して金属メッキ液のpHと実質的に同一のpHに調節しながら、前記アルデヒド誘導体が過飽和されるように溶解させて過飽和アルデヒド誘導体溶液を製造する段階と、前記過飽和アルデヒド誘導体溶液を金属メッキ液に添加し、前記金属メッキ液中に存在するアルデヒド化合物を誘導体化させてアルデヒド誘導体化合物を得る段階と、前記アルデヒド誘導体化合物を抽出する段階と、前記抽出されたアルデヒド誘導体化合物からアルデヒド化合物を分析する段階と、を含んでなるものである。【選択図】図1


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