タイトル: | 公開特許公報(A)_安定化されたメキタジン含有経口固形製剤。 |
出願番号: | 2013086085 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | A61K 31/5415,A61K 31/51,A61K 31/137,A61K 31/167,A61K 31/506,A61K 31/505,A61K 31/675,A61P 29/00,A61P 11/14,A61K 9/48,A61K 47/36 |
石田 克史 鵜飼 栄市 黒岩 覚 寺村 久志 JP 2014198701 公開特許公報(A) 20141023 2013086085 20130329 安定化されたメキタジン含有経口固形製剤。 滋賀県製薬株式会社 596178408 石田 克史 鵜飼 栄市 黒岩 覚 寺村 久志 A61K 31/5415 20060101AFI20140926BHJP A61K 31/51 20060101ALI20140926BHJP A61K 31/137 20060101ALI20140926BHJP A61K 31/167 20060101ALI20140926BHJP A61K 31/506 20060101ALI20140926BHJP A61K 31/505 20060101ALI20140926BHJP A61K 31/675 20060101ALI20140926BHJP A61P 29/00 20060101ALI20140926BHJP A61P 11/14 20060101ALI20140926BHJP A61K 9/48 20060101ALI20140926BHJP A61K 47/36 20060101ALI20140926BHJP JPA61K31/5415A61K31/51A61K31/137A61K31/167A61K31/506A61K31/505A61K31/675A61P29/00A61P11/14A61K9/48A61K47/36 5 書面 8 4C076 4C086 4C206 4C076AA53 4C076BB01 4C076CC04 4C076DD27 4C076DD41 4C076DD60 4C076EE38 4C076FF63 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC42 4C086BC83 4C086CB17 4C086DA38 4C086GA02 4C086GA07 4C086MA03 4C086MA05 4C086MA37 4C086MA52 4C086NA03 4C086ZA07 4C086ZA62 4C086ZB11 4C086ZC54 4C206AA01 4C206AA02 4C206FA10 4C206MA03 4C206MA05 4C206MA57 4C206MA72 4C206NA03 4C206ZA07 4C206ZA62 4C206ZB11 4C206ZC54 本発明は、メキタジンの安定性を改善した経口固形製剤に関するものである。 現在、総合感冒薬は発熱や鼻水、せき等の複数の感冒症状を緩和する一般用医薬品として広く使用されている。一方、総合感冒薬はその特性上複数の薬効成分を配合するため、様々な副作用が懸念され、服用者の日常生活が大きく制限される場合がある。例えば、鼻の症状を改善する目的で一般的に配合されるクロルフェニラミンマレイン酸塩は、副作用として眠気を催すことがあり、該成分を配合した一般用医薬品の添付文書では、服用後に乗り物又は機械類の運転操作を禁止している。このような日常生活の制限を改善するため、副作用が軽減された総合感冒薬が求められている。 メキタジンは、抗原抗体反応に伴って起こる肥満細胞からのケミカルメディエーター(ヒスタミンやロイコトリエン等)の遊離を抑制すると共に、これらの作用に拮抗することで鼻水、鼻づまり、くしゃみに対して効果を発揮する。第2世代の抗ヒスタミン薬に分類されるメキタジンは、クロルフェニラミンマレイン酸塩等を含む第1世代の抗ヒスタミン薬に比べて脂溶性が低いため、脳内へ移行しにくく副作用の眠気が起こりにくい。このような理由から、副作用が軽減された総合感冒薬を製造する上で、特に鼻の症状を改善する目的で配合する成分としてメキタジンは有用である。 メキタジンは特定の成分と配合すると製剤化が困難となる場合がある。特に、総合感冒薬に配合される薬効成分のアセトアミノフェン、エフェドリン類、ビタミンB1類はメキタジンとそれぞれ混合すると、メキタジンの含量が経時的に低下してしまう。この問題を解決するため、少なくともどちらか一方の成分を造粒物とする技術(特許文献1)が知られている。 しかし、顆粒分けした製剤は混合の際に薬効成分の偏析が大きな問題となることから、配合量の少ないメキタジンは特に注意が必要となり、製剤化工程の複雑化を生じてしまう。このため、特別な製造機械や製造工程を必要とせず、より簡便にメキタジンの安定性を改善した製剤が待ち望まれていた。 特許第4591726号公報 従って本発明の目的は、(a)メキタジン(b)ビタミンB1類(c)アセトアミノフェン及びエフェドリン類から選ばれる1種以上を含有した製剤において、メキタジンの安定性が改善された経口固形製剤を提供することである。 本発明者らは、上記の目的で鋭意検討を行った結果、(a)メキタジン(b)ビタミンB1類(c)アセトアミノフェン及びエフェドリン類から選ばれる1種以上を含有した製剤に、(d)添加剤としてバレイショデンプン及びトウモロコシデンプンから選ばれる1種以上を配合した結果、メキタジンの含量低下が改善されるだけでなく、変色が軽度で、崩壊時間の遅延がない優れた安定性を有する製剤が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。 本発明により、メキタジン、ビタミンB1類、アセトアミノフェン及びエフェドリン類を同一製剤中に配合可能となる。色の変化や崩壊時間にも優れた安定性を兼ね備えており、特にメキタジン、ビタミンB1類、アセトアミノフェン及びエフェドリン類を配合した総合感冒薬に有用である。 本発明に使用するメキタジン及びアセトアミノフェンは第十六改正日本薬局方に準じるものであればよい。 本発明のビタミンB1類とは、チアミン、チアミンジスルフィド、ベンフォチアミン、フルスルチアミン、ビスベンチアミン、ジセチアミン、チアミンエチルジスルフィド、チアミンプロピルジスルフィド及びこれらの生理学的に許容される塩等が例示される。 本発明のエフェドリン類とは、エフェドリン、メチルエフェドリン、プソイドエフェドリン及びこれらの生理学的に許容される塩等が例示される。 本発明に使用するバレイショデンプン及び/又はトウモロコシデンプンは、日局収録品の添加剤であり、賦形剤、結合剤、崩壊剤の配合目的で一般的に使用されている。本発明に添加される経口固形製剤のバレイショデンプン及び/又はトウモロコシデンプンの配合量は特に限定されないが、メキタジン1重量部に対してバレイショデンプン及び/又はトウモロコシデンプンを100重量部以上配合することが望ましい。 かくして得られる本発明経口固形製剤は、必要に応じて公知の薬効成分、例えば解熱鎮痛成分(エテンザミドなど)、鎮咳成分(リン酸ジヒドロコデイン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ヒベンズ酸チペピジンなど)、去痰成分(グアヤコールスルホン酸カリウムなど)、ビタミン類(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなど)、胃粘膜保護成分(乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなど)を加えることができる。また、必要に応じて公知の添加剤、例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、流動化剤、滑沢剤、甘味剤、矯味剤、香料等も加えることができ、錠剤や顆粒剤等の剤型にすることもできる。 以下、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 メキタジン0.2g、アセトアミノフェン45g、dl−メチルエフェドリン塩酸塩3g、ブロムヘキシン塩酸塩0.6g、無水カフェイン3.75g、チアミン硝化物1.2g、リボフラビン0.6g、バレイショデンプン62.65g、ステアリン酸マグネシウム1.8g、ケイ酸カルシウム1.2gをポリ袋に入れて混合した。その混合物を目開き0.5mmの篩を通して再度混合し、カプセル充填用顆粒とした。このカプセル充填用顆粒を簡易カプセル充填機(カプスゲル・ジャパン(株)製)を用いて、表に記載の組成を有する1カプセル400mgのカプセル剤を製造した。 メキタジン0.2g、アセトアミノフェン45g、dl−メチルエフェドリン塩酸塩3g、ブロムヘキシン塩酸塩0.6g、無水カフェイン3.75g、チアミン硝化物1.2g、リボフラビン0.6g、バレイショデンプン41.75g、乳糖水和物20.9g、ステアリン酸マグネシウム1.8g、ケイ酸カルシウム1.2gをポリ袋に入れて混合した。その混合物を目開き0.5mmの篩を通して再度混合し、カプセル充填用顆粒とした。このカプセル充填用顆粒を簡易カプセル充填機を用いて、表に記載の組成を有する1カプセル400mgのカプセル剤を製造した。 メキタジン0.2g、アセトアミノフェン45g、dl−メチルエフェドリン塩酸塩3g、ブロムヘキシン塩酸塩0.6g、無水カフェイン3.75g、チアミン硝化物1.2g、リボフラビン0.6g、バレイショデンプン20.9g、乳糖水和物41.75g、ステアリン酸マグネシウム1.8g、ケイ酸カルシウム1.2gをポリ袋に入れて混合した。その混合物を目開き0.5mmの篩を通して再度混合し、カプセル充填用顆粒とした。このカプセル充填用顆粒を簡易カプセル充填機を用いて、表に記載の組成を有する1カプセル400mgのカプセル剤を製造した。 メキタジン0.2g、アセトアミノフェン45g、dl−メチルエフェドリン塩酸塩3g、ブロムヘキシン塩酸塩0.6g、無水カフェイン3.75g、チアミン硝化物1.2g、リボフラビン0.6g、トウモロコシデンプン62.65g、ステアリン酸マグネシウム1.8g、ケイ酸カルシウム1.2gをポリ袋に入れて混合した。その混合物を目開き0.5mmの篩を通して再度混合し、カプセル充填用顆粒とした。このカプセル充填用顆粒を簡易カプセル充填機を用いて、表に記載の組成を有する1カプセル400mgのカプセル剤を製造した。 メキタジン0.2g、アセトアミノフェン45g、dl−メチルエフェドリン塩酸塩3g、ブロムヘキシン塩酸塩0.6g、無水カフェイン3.75g、チアミン硝化物1.2g、リボフラビン0.6g、トウモロコシデンプン41.75g、乳糖水和物20.9g、ステアリン酸マグネシウム1.8g、ケイ酸カルシウム1.2gをポリ袋に入れて混合した。その混合物を目開き0.5mmの篩を通して再度混合し、カプセル充填用顆粒とした。このカプセル充填用顆粒を簡易カプセル充填機を用いて、表に記載の組成を有する1カプセル400mgのカプセル剤を製造した。 メキタジン0.2g、アセトアミノフェン45g、dl−メチルエフェドリン塩酸塩3g、ブロムヘキシン塩酸塩0.6g、無水カフェイン3.75g、チアミン硝化物1.2g、リボフラビン0.6g、トウモロコシデンプン20.9g、乳糖水和物41.75g、ステアリン酸マグネシウム1.8g、ケイ酸カルシウム1.2gをポリ袋に入れて混合した。その混合物を目開き0.5mmの篩を通して再度混合し、カプセル充填用顆粒とした。このカプセル充填用顆粒を簡易カプセル充填機を用いて、表に記載の組成を有する1カプセル400mgのカプセル剤を製造した。 (比較例1) メキタジン0.2g、アセトアミノフェン45g、dl−メチルエフェドリン塩酸塩3g、ブロムヘキシン塩酸塩0.6g、無水カフェイン3.75g、チアミン硝化物1.2g、リボフラビン0.6g、乳糖水和物62.65g、ステアリン酸マグネシウム1.8g、ケイ酸カルシウム1.2gをポリ袋に入れて混合した。その混合物を目開き0.5mmの篩を通して再度混合し、カプセル充填用顆粒とした。このカプセル充填用顆粒を簡易カプセル充填機を用いて、表に記載の組成を有する1カプセル400mgのカプセル剤を製造した。 (比較例2) メキタジン0.2g、アセトアミノフェン45g、dl−メチルエフェドリン塩酸塩3g、ブロムヘキシン塩酸塩0.6g、無水カフェイン3.75g、チアミン硝化物1.2g、リボフラビン0.6g、無水乳糖62.65g、ステアリン酸マグネシウム1.8g、ケイ酸カルシウム1.2gをポリ袋に入れて混合した。その混合物を目開き0.5mmの篩を通して再度混合し、カプセル充填用顆粒とした。このカプセル充填用顆粒を簡易カプセル充填機を用いて、表に記載の組成を有する1カプセル400mgのカプセル剤を製造した。 (比較例3) メキタジン0.2g、アセトアミノフェン45g、dl−メチルエフェドリン塩酸塩3g、ブロムヘキシン塩酸塩0.6g、無水カフェイン3.75g、チアミン硝化物1.2g、リボフラビン0.6g、沈降炭酸カルシウム62.65g、ステアリン酸マグネシウム1.8g、ケイ酸カルシウム1.2gをポリ袋に入れて混合した。その混合物を目開き0.5mmの篩を通して再度混合し、カプセル充填用顆粒とした。このカプセル充填用顆粒を簡易カプセル充填機を用いて、表に記載の組成を有する1カプセル400mgのカプセル剤を製造した。 (試験例)1.安定性試験:変色 実施例1〜6、比較例1〜3のカプセル剤をガラス瓶に入れ、冷蔵庫(5℃)及び苛酷条件(60℃)にて1ヶ月間保存した。保存終了後、冷蔵庫保存品に対する変色を評価した。カプセル(外観)と顆粒(カプセルの中身)に対する目視での評価は、下記の4段階の基準を用いた。さらに、顆粒の変色の度合いは分光式色差計SE−2000(日本電色産業(株)製)にてL*、a*、b*の値を測定し、ΔE(L*a*b*表色系での座標間距離で定義される値)を算出して評価した。なお、ΔEは数値が大きくなるほど変色の度合いが大きいことを意味する。結果を表に示す。 −:冷蔵庫保存品に対して、変色を認めない ±:冷蔵庫保存品に対して、わずかな変色を認める +:冷蔵庫保存品に対して、変色が認められる ++:冷蔵庫保存品に対して、著しく変色を認める 2.安定性試験:崩壊時間の変化 実施例1〜6、比較例1〜3のカプセル剤をガラス瓶に入れ、苛酷条件(60℃)にて1ヶ月間保存した。保存前と保存終了後の崩壊時間を評価した。崩壊時間は崩壊試験機NT−2HSF(富山産業(株)製)を使用し、第十六改正日本薬局方の崩壊試験法に準拠して測定した。なお、試験液は精製水、カプセル剤の浮き上がり防止目的で補助盤を使用した。6カプセルの崩壊時間の平均値を表に示す。 3.安定性試験:メキタジンの含量変化 実施例1〜6、比較例1〜3のカプセル剤をガラス瓶に入れ、冷蔵庫(5℃)及び苛酷条件(60℃)にて1ヶ月間保存した。保存終了後、冷蔵庫保存品及び苛酷条件保存品のメキタジン含量を測定し、残存率を計算した。結果を表に示す。 表から明らかなように、本発明に係る経口固形製剤は、60℃1ヶ月の苛酷条件でもメキタジンの含量低下が改善され、尚且つ変色が小さく、崩壊時間の遅延が発生しない製剤であることが確認できた。 本発明の経口固形製剤は、簡易な製造設備と製造工程により提供され、製造コストを抑えることができる。さらに本発明は、一般的に使用される添加剤だけで実施可能である。また、本発明の経口固形製剤は、必要に応じて剤型を錠剤や顆粒剤への変更が可能で、薬理活性成分をさらに配合することも可能であり、感冒薬を含む経口固形製剤に幅広く応用することができる。 (a)、(b)、(c)及び(d)を含有する経口固形製剤。(a)メキタジン(b)ビタミンB1類(c)アセトアミノフェン及びエフェドリン類から選ばれる1種以上(d)バレイショデンプン及びトウモロコシデンプンから選ばれる1種以上 ビタミンB1類が、チアミン、チアミンジスルフィド、ベンフォチアミン、フルスルチアミン、ビスベンチアミン、ジセチアミン、チアミンエチルジスルフィド、チアミンプロピルジスルフィド及びこれらの生理学的に許容される塩から選ばれる1種以上である請求項1に記載の経口固形製剤。 エフェドリン類が、エフェドリン、メチルエフェドリン、プソイドエフェドリン及びこれらの生理学的に許容される塩から選ばれる1種以上である請求項1又は2に記載の経口固形製剤。 総合感冒薬である請求項1〜3のいずれかに記載の経口固形製剤。 剤型がカプセル剤である請求項1〜4のいずれかに記載の経口固形製剤。 【課題】本発明の目的は、(a)メキタジン(b)ビタミンB1類(c)アセトアミノフェン及びエフェドリン類から選ばれる1種以上を含有した製剤において、メキタジンの安定性が改善された経口固形製剤を提供することである。【解決手段】(a)メキタジン(b)ビタミンB1類(c)アセトアミノフェン及びエフェドリン類から選ばれる1種以上を含有した製剤に、(d)添加剤としてバレイショデンプン及びトウモロコシデンプンから選ばれる1種以上を配合して経口固形製剤を調製する。【選択図】なし