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タイトル:公開特許公報(A)_モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法
出願番号:2013071647
年次:2014
IPC分類:C02F 1/02,C07C 305/04,C07C 303/44


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河村 充展 伊東 忠孝 北浦 武明 JP 2014195753 公開特許公報(A) 20141016 2013071647 20130329 モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法 住友化学株式会社 000002093 中山 亨 100113000 坂元 徹 100151909 河村 充展 伊東 忠孝 北浦 武明 C02F 1/02 20060101AFI20140919BHJP C07C 305/04 20060101ALI20140919BHJP C07C 303/44 20060101ALI20140919BHJP JPC02F1/02 ZC07C305/04C07C303/44 8 OL 7 4D034 4H006 4D034AA14 4D034CA01 4H006AA02 4H006AD11 4H006BB31 4H006BC51 4H006BE10 本発明は、モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法に関する。 非特許文献1には、ジメチル硫酸を用いて、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸のメチル化反応を行うと、モノメチル硫酸ナトリウムが副生することが記載されている。非特許文献2には、ジメチル硫酸と水とを反応させるとジメチルエーテルが生成することが記載されている。非特許文献3には、モノメチル硫酸アルカリ金属塩とアルカリ金属水酸化物とを水の存在下で反応させることにより、モノメチル硫酸アルカリ金属塩が分解することが記載されている。Organic Syntheses Collective Volume 1, 537-538 (1929)Berichte der deutschen chemischen gesellshaft (A and B series), Vol63, 4, 792-795(1930)Journal of Chemical Society, 1389-1391 (1950) モノメチル硫酸アルカリ金属塩を分解すると、ジメチルエーテルが生成する。そのため、ジメチルエーテルの生成量が少ないモノメチル硫酸塩の処理方法が求められていた。 本発明は、以下の発明を含む。[1] モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液を、メタノールの沸点以上の温度の水に加えながら、生成するメタノールを除去する、モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。[2] モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液を、メタノールの沸点以上の温度の水に加えながら、得られる混合物から水及びメタノールを留去することによって、生成するメタノールを除去する、[1]記載のモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。[3] 留去する水及びメタノールの合計量が、モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液に対して10重量%以上の量である[2]記載のモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。[4] モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液が、モノメチル硫酸塩と水酸化物とを含むアルカリ性水溶液である[1]〜[3]のいずれかに記載のモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。[5] 水酸化物が、アルカリ金属水酸化物である[4]に記載のモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。[6] ジメチル硫酸を用いてメチル化反応を行い、副生したモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液を、メタノールの沸点以上の温度の水に加えながら、生成するメタノールを除去する、[1]〜[5]のいずれかに記載のモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。[7] ジメチル硫酸を用いてアルコール化合物をメチルエーテル化合物へ変換し、副生したモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液を、メタノールの沸点以上の温度の水に加えながら、生成するメタノールを除去する、[1]〜[6]のいずれかに記載のモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。[8]水と有機溶媒の存在下に、アルコール化合物、ジメチル硫酸及び塩基を混合して、層分離を行うことにより、水層としてモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液を得、該アルカリ性水溶液を、メタノールの沸点以上の温度の水に加えながら、生成するメタノールを除去する、[1]〜[7]のいずれかに記載のモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。 本発明によれば、ジメチルエーテルの生成を抑制し、モノメチル硫酸塩を含むアルカリ水溶液を処理することができる。 本発明は、モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液を、メタノールの沸点以上の温度の水に加えながら、生成するメタノールを除去する、モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法であり、モノメチル硫酸塩を分解できる。本発明の処理方法は、常圧下で実施してもよいし、減圧下で実施してもよく、常圧下で実施することが好ましい。 モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液とは、モノメチル硫酸塩と塩基とを含む水溶液であって、該水溶液はアルカリ性を示す水溶液である。 モノメチル硫酸塩としては、モノメチル硫酸ナトリウム、モノメチル硫酸カリウム、モノメチル硫酸リチウム等のモノメチル硫酸アルカリ金属塩、モノメチル硫酸マグネシウム、モノメチル硫酸カルシウム等のモノメチル硫酸アルカリ金属土類塩が挙げられる。 モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液中のモノメチル硫酸塩の含有率は、モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液に対して通常10〜30重量%であり、好ましくは15〜25重量%である。 塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物等の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩等の炭酸塩が挙げられる。好ましくは水酸化物であり、より好ましくはアルカリ金属水酸化物である。 モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液中の塩基の含有量は、モノメチル硫酸塩1モルに対して通常1〜3モルであり、好ましくは1〜2モルである。 モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液のpHは、7〜14であればよい。 生成するメタノールを除去する方法は、モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液を、メタノールの沸点以上の温度の水の中へ加えながら、得られる混合物から水及びメタノールを留去する方法であることが好ましい。 メタノールの沸点以上の温度の水の使用量は、モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液1重量部に対して通常2〜10重量部であり、好ましくは2〜5重量部である。 “メタノールの沸点”とは、処理を行う際の圧力に応じたメタノールの沸点であり、常圧下での沸点は、64℃である。常圧下におけるメタノールの沸点以上の温度の水とは、好ましくは80〜150℃の水であり、より好ましくは90〜110℃の水である。本発明の処理方法は、常圧下で実施してもよいし、減圧下で実施してもよい。減圧下であれば、メタノールの沸点も圧力に応じて変化する。 モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液をメタノールの沸点以上の温度の水の中へ加える方法は、モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液をメタノールの沸点以上の温度の水へ滴下する方法であることが好ましい。加える時間は、通常3時間以上、好ましくは6時間以上であり、また通常48時間以下、好ましくは24時間以下である。 水及びメタノールを留去する時間は、通常3時間以上、好ましくは6時間以上であり、また通常48時間以下、好ましくは24時間以下である。 留去する水及びメタノールの合計量は、モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液に対して通常10重量%以上であり、好ましくは50重量%以上である。また、通常150重量%以下であり、好ましくは100重量%以下である。 水及びメタノールを留去後、残った混合物を加熱することが好ましく、残った混合物を還流させることがより好ましい。加熱時間は通常6時間以上、好ましくは10時間以上であり、また通常48時間以下、好ましくは24時間以下である。加熱温度は、通常80〜150℃であり、好ましくは90〜110℃である。 モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液は、通常ジメチル硫酸を用いたメチル化反応において、副生する。 ジメチル硫酸を用いたメチル化反応としては、アルコール化合物をメチルエーテル化合物へ変換する反応、カルボン酸化合物をメチルエステル化合物へ変換する反応、アミン化合物をメチルアミン化合物へ変換する反応等の公知の反応(例えば、非特許文献1など)が挙げられる。 アルコール化合物をメチルエーテル化合物へ変換する反応は、通常、水、または水と有機溶媒の存在下に、アルコール化合物、ジメチル硫酸及び塩基を混合することにより実施される。 有機溶媒としては、ジメチル硫酸を用いたメチル化反応に不活性な溶媒が好ましく、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒及びメチルtert−ブチルエーテル等のエーテル溶媒が挙げられる。 塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられる。 アルコール化合物をメチルエーテル化合物へ変換する反応により得られる反応混合物を、生成したメチルエーテル化合物を含む有機層と、副生したモノメチル硫酸塩を含む水層とに分離し、該水層を、モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液として得ることができる。 以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。 実施例におけるモノメチル硫酸塩の含有量は、イオンクロマトグラフィーにより分析した。カラム:Thermo Scientific社製 AG23及びAS23溶離液:炭酸ナトリウム:炭酸水素ナトリウム=4.5:0.8(mM)流速:1.0mL/分 発生したジメチルエーテルはガスバッグにより捕集し、ガスクロマトグラフィーにより分析した。(実施例1) 2−ヒドロキシ−N−メチル−2−[α−(2,5−キシリロキシ)−o−トリル]アセトアミドの30重量%キシレン溶液 65.4重量部に、28℃にて48重量%水酸化ナトリウム水溶液 21.5重量部を滴下し、同温度でジメチル硫酸 13.0重量部を加え、混合物を得た。得られた混合物を2時間保温した後、2−ヒドロキシ−N−メチル−2−[α−(2,5−キシリロキシ)−o−トリル]アセトアミドに対して1重量部の水を加えた。キシレン層と水層とを分離し、モノメチル硫酸ナトリウムを含む水層(モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液)54.5重量部得た。モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液中のモノメチル硫酸ナトリウムの含有率は17.9重量%だった。 得られた水溶液 47.2重量部を100℃の水 26.8重量部中に、6時間かけて滴下しながら、得られた混合物から水及びメタノールの合計量 25.2重量部(メタノールを10重量%含む。)を留去した。その後、残った混合物を、105℃で13.5時間還流した。 該混合物に含まれるモノメチル硫酸ナトリウムの含量は、10ppm以下であった。 上記処理中に、発生したジメチルエーテルは、0.1重量部であり、処理を行う前のモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液中に含まれるモノメチル硫酸ナトリウムに対して、5mol%であった。(比較例) 2−ヒドロキシ−N−メチル−2−[α−(2,5−キシリロキシ)−o−トリル]アセトアミドの30重量%キシレン溶液 57.1重量部に、28℃にて48重量%水酸化ナトリウム水溶液 18.7重量部を滴下し、同温にてジメチル硫酸 11.4重量部を加え、混合物を得た。得られた混合物を2時間保温した後、2−ヒドロキシ−N−メチル−2−[α−(2,5−キシリロキシ)−o−トリル]アセトアミドに対して1重量部の水を加えた。キシレン層と水層を分離し、モノメチル硫酸ナトリウムを含む水層(モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液) 45.4重量部得た。モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液中のモノメチル硫酸ナトリウムの含有率は19.4重量%だった。 得られた水溶液を、93℃で13.5時間還流した。 上記処理中に発生したジメチルエーテルは、0.9重量部であり、還流を行う前のモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液に含まれるモノメチル硫酸ナトリウムに対して29mol%であった。 本発明によれば、ジメチルエーテルの生成を抑制し、モノメチル硫酸塩を含むアルカリ水溶液を処理することができる。 モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液を、メタノールの沸点以上の温度の水に加えながら、生成するメタノールを除去する、モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。 モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液を、メタノールの沸点以上の温度の水に加えながら、得られる混合物から水及びメタノールを留去することによって、生成するメタノールを除去する、請求項1記載のモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。 留去する水及びメタノールの合計量が、モノメチル硫酸塩のアルカリ水溶液に対して10重量%以上の量である請求項2記載のモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。 モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液が、モノメチル硫酸塩と水酸化物とを含むアルカリ性水溶液である請求項1〜3のいずれかに記載のモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。 水酸化物が、アルカリ金属水酸化物である請求項4に記載のモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。 ジメチル硫酸を用いてメチル化反応を行い、副生したモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液を、メタノールの沸点以上の温度の水に加えながら、生成するメタノールを除去する、請求項1〜5のいずれかに記載のモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。 ジメチル硫酸を用いてアルコール化合物をメチルエーテル化合物へ変換し、副生したモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液を、メタノールの沸点以上の温度の水に加えながら、生成するメタノールを除去する、請求項1〜6のいずれかに記載のモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。 水と有機溶媒の存在下に、アルコール化合物、ジメチル硫酸及び塩基を混合して、層分離を行うことにより、水層としてモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液を得、該アルカリ性水溶液を、メタノールの沸点以上の温度の水に加えながら、生成するメタノールを除去する、請求項1〜7のいずれかに記載のモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。 【課題】モノメチル硫酸アルカリ金属塩を分解すると、ジメチルエーテルが生成する。そのため、ジメチルエーテルの生成量が少ないモノメチル硫酸塩の処理方法が求められていた。【解決手段】モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液を、メタノールの沸点以上の温度の水に加えながら、生成するメタノールを除去する、モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法。モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液を、メタノールの沸点以上の温度の水に加えながら、得られる混合物から水及びメタノールを留去することによって、生成するメタノールを除去するモノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法が好ましい。【選択図】なし


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