タイトル: | 公開特許公報(A)_毛髪処理剤 |
出願番号: | 2013026238 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | A61K 8/64,A61Q 5/00,A61Q 5/12 |
杉山 保行 太田 丈盛 JP 2014152167 公開特許公報(A) 20140825 2013026238 20130214 毛髪処理剤 株式会社 ヘイゼル・トンプソン 503429870 伊丹 健次 100076820 樋口 知久 100150326 杉山 保行 太田 丈盛 A61K 8/64 20060101AFI20140730BHJP A61Q 5/00 20060101ALI20140730BHJP A61Q 5/12 20060101ALI20140730BHJP JPA61K8/64A61Q5/00A61Q5/12 8 OL 15 特許法第30条第2項適用申請有り 杉山保行及び太田丈盛が発明した毛髪処理剤を平成24年12月5日に匠サポートサービス株式会社に卸した。 4C083 4C083AA112 4C083AB222 4C083AC292 4C083AC302 4C083AC492 4C083AC692 4C083AC931 4C083AD411 4C083AD412 4C083AD532 4C083AD602 4C083BB45 4C083CC31 4C083CC33 4C083DD23 4C083DD27 4C083EE28 4C083EE29 本発明は、毛髪処理剤に関し、更に詳しくは、損傷を受けた毛髪を修復できるばかりでなく、毛髪に耐熱性を付与し熱から毛髪を保護することができ、更に、パーマネントウエーブの施術性を高めることができる毛髪処理剤に関する。 頭髪はブラッシングや毛染め、パーマネントウエーブ処理、ヘアドライヤーやヘアアイロン等によって物理的又は化学的に多大なダメージを受け、また、切れ毛や枝毛、ぱさつき等の原因となっている。 このような問題を防ぐために、従来より、アミノ変性シリコーン等の高分子コート剤を配合した毛髪処理剤(特許文献1参照)が提案されている。特開2012−82168号公報 しかしながら、特許文献1のような毛髪処理剤では、高分子コート剤により毛髪をコートした状態でヘアドライヤーやヘアアイロン等を用いると、この熱により高分子コート剤が変質し、この変質した高分子コート剤が毛髪の熱変性(損傷)を助長するため、毛髪補修剤としては不十分なものであった。 そこで、このような高分子コート剤を用いるのではなく、熱により損傷した毛髪を修復し、キューティクルの再生や成長を促進するとともに、予め毛髪に塗布することにより、毛髪を熱から保護し熱による損傷を防止することが可能な毛髪処理剤が望まれていた。 本発明者らは、かかる実情に鑑み、上記課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、特定のコラーゲンであるポリ(トリペプチド−6)及び金属錯体を配合することにより、上記課題が解決されることを見出し本発明を完成するに至った。 即ち、本発明の特徴は、ポリ(トリペプチド−6)及び金属錯体を含有する毛髪処理剤である。 本発明の他の特徴は、ポリ(トリペプチド−6)の配合量が0.001〜10質量%である上記の毛髪処理剤である。 本発明の更に他の特徴は、金属錯体がチトクロムcである上記の毛髪処理剤である。 本発明の更に他の特徴は、金属錯体の配合量が0.00001〜5質量%である上記の毛髪処理剤である。 本発明の更に他の特徴は、損傷した毛髪を修復させるためのものである上記の毛髪処理剤である。 本発明の更に他の特徴は、毛髪のキューティクルを再生又は成長させるためのものである上記の毛髪処理剤。 本発明の更に他の特徴は、毛髪の耐熱性を高め毛髪を熱から保護するためのものである上記の毛髪処理剤である。 本発明の更に他の特徴は、毛髪のパーマネントウエーブの施術性を高めるためのものである上記の毛髪処理剤である。 本発明の毛髪処理剤は、ヘアドライヤーやパーマネントウエーブ処理、ブリーチ処理等により損傷したキューティクルを再生回復させることができるとともに、毛髪に耐熱性を付与しヘアドライヤー等の熱から毛髪を保護することができ、さらに毛髪内部の硫黄を増加させパーマネントウエーブの施術性を高めることができる。ヘアドライヤーの加熱で損傷した毛髪の走査型電子顕微鏡写真である。毛髪処理剤塗布24時間後の走査型電子顕微鏡写真である。ヘアドライヤーの加熱で損傷した毛髪断面における、電子線マイクロアナライザーによるFe元素分布である。毛髪処理剤塗布16時間後の毛髪断面における、電子線マイクロアナライザーによるFe元素分布である。毛髪処理剤塗布24時間後の毛髪断面における、電子線マイクロアナライザーによるFe元素分布である。チオグリコール酸アンモニウム液で損傷した毛髪の走査型電子顕微鏡写真である。毛髪処理剤塗布24時間後の毛髪の走査型電子顕微鏡写真である。チオグリコール酸アンモニウム液で損傷した毛髪断面における、エネルギー分散型X線分析装置による硫黄元素の分布である。毛髪処理剤塗布24時間後の毛髪断面における、エネルギー分散型X線分析装置による硫黄元素の分布である。過酸化水素水で損傷した毛髪の走査型電子顕微鏡写真である。毛髪処理剤塗布24時間後の毛髪の走査型電子顕微鏡写真である。毛髪処理後にヘアドライヤーで加熱した毛髪の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の毛髪処理剤は、ポリ(トリペプチド−6)及び金属錯体を主成分として含有することを特徴とする。 本発明に用いられるポリ(トリペプチド−6)は、プロリン・ヒドロキシプロリン・グリシンをこの順番で結合された合成コラーゲンで、下記構造式で表わされる。市販されているポリ(トリペプチド−6)としては、ピュアコラ(PURE COLLA:商品名、製造:チッソ株式会社、販売:JNC株式会社)が挙げられる。 ポリ(トリペプチド−6)の配合量は、0.001〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。 本発明に用いられる金属錯体としては、金属原子に配位子と呼ばれる分子やイオンが結合したものであればいずれでもよいが、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)などの金属が環状のテトラピロールにキレートされた金属錯体が好ましく、更には、2価の鉄原子とポルフィリンから成るヘム類のものが好ましく、その中でも特にヘムcやヘマチンが好ましい。金属錯体はその他の化合物と結合したものであってもよく、例えばチトクロムcやヘモグロビンのようなヘムタンパク質も好適である。 本発明において金属錯体はキューティクルに吸収され、このキューティクルに導電性を付与する。なお、金属錯体としてチトクロムcを利用した場合、単にキューティクルに導電性を付与するだけでなく、毛根の細胞に作用してミトコンドリアを活性化し、壊れにくいキューティクルを供えた太い毛を生やす働きがあると考えられる。 上記金属錯体の配合量は、0.00001〜5質量%が好ましく、0.00001〜2質量%がより好ましい。 本発明の毛髪処理剤においては、上記のポリ(トリペプチド−6)と金属錯体の作用によりキューティクルが修復される。キューティクルの修復メカニズムについては研究途上であるが、本発明者らは以下のように考えている。 まず最初に、金属錯体がキューティクルの損傷面に吸着される。そして金属錯体に含まれる金属分子により、キューティクルに導電性が付与され、付与された導電性によりキューティクルに電磁気力が発生する。 次に、発生した電磁気力によりポリ(トリペプチド−6)がキューティクルに吸着されるが、ポリ(トリペプチド−6)はアミノ酸配列の規則性が高く結晶化しやすいので、キューティクルを構成するケラチンを核にして結晶化する。なお、コラーゲン類の中でも少数のアミノ酸からなるオリゴペプチドを繰り返し単位とするポリ(トリペプチド−6)が好ましいのは、アミノ酸配列の規則性が特に高いため結晶化しやすいからであると考えられる。 本発明者らの観察の結果、ポリ(トリペプチド−6)の結晶化は、キューティクルにおけるケラチンと同方向に結晶化される、いわゆるエピタキシャル成長であることが確認されている。これによりキューティクルの損傷部分がポリ(トリペプチド−6)の結晶により埋められ、即ちキューティクルが成長し、損傷部分が修復されると考えられる。 本発明の毛髪処理剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、通常の毛髪処理剤に常用される各種成分、例えば、呼吸鎖電子伝達共役成分、界面活性剤、アミノ酸、ビタミン類、pH調整剤、酸化防止剤、油剤、増粘剤、保湿剤、キレート剤、防腐剤、可溶化剤、香料等を添加することができる。 呼吸鎖電子伝達共役成分としては、フラビンアデニンジヌクレオチド2Na、リンゴ酸、コハク酸、ユビキノン等が例示できる。界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ステアリン酸ソルビタン等のノニオン性界面活性剤が例示できる。 アミノ酸としては、アラニン、グリシン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン、リシン、バリン、ヒスチジン、トリプトファン等が例示できる。ビタミン類としては、ビタミンA、B1 、B2 、B6 、C、E、ピリドキシンHCl、ナイアシンアミド等が例示できる。pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、これらの塩等が例示できる。酸化防止剤としては、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル等が例示できる。油剤としては、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、パルミチン酸セチル、パルミチン酸オクチル等が例示できる。増粘剤としては、キサンタンガム、サクシノグルカン、ヒドロキシプロピルグァーガム、カチオン化グァーガム等のグァーガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化セルロース等のセルロース類等が例示できる。 保湿剤としては、1,3−BG、PG、DPG、グリセリン、センブリエキス、レイシエキス、ヒバマタエキス、オタネニンジンエキス、黒砂糖エキス、ナツメ果実エキス、酸化ジルコニウム、アルミナ、PCA亜鉛、乳酸鉄、タウリン、アラントイン、アスパラギン酸Na、グルタミン酸、アラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、アセチルメチオニン、システインHCl、フェニルアラニン、プロリン、トレオニン、セリン、トリプトファン、チロシン、バリン、アルギニン、ヒスチジンHCl、リシンHCl、イノシン酸2Na、グアニル酸2Na、BG(ブチレングリコール)等が例示できる。 キレート剤としては、EDTA、EDTA−2Na、EDTA−4Na、ヒドロキシエタンジホスホン酸等が例示できる。防腐剤としては、パラベン、メチルパラベン、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン等が例示できる。可溶化剤としては、エタノール、PEG−60水添ヒマシ油等が例示できる。 更に、育毛効果(着色)のための銅クロロフィリンNa等、脱毛予防のためのホップエキス等、フケ、かゆみ予防のためのグリチルリチン酸2K等、発毛促進のためのトコフェロール、ヘアコンディショニングのためのベヘンジモニウムエチルリン酸ステアリル、帯電防止、しなやかさ・柔軟効果のためのベヘントリモニウムクロリド等が例示できる。 尚、これらの物質は、種々の効能を有するものが多く、従って、上記の効能は各物質の代表的な効能を示すものであり、特に限定されるものではない。これらは必要に応じ、任意に組み合わせて適宜配合することができる。 本発明の毛髪処理剤は、液状、乳液状、クリーム状、ジェル状、泡状等、任意の剤型とすることができる。また、本発明の毛髪処理剤のpHは、通常2〜9、好ましくは3〜8の範囲になるように調整される。pHがこの範囲外では、毛髪を損傷する恐れがある。 以下、実施例及び試験例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例、試験例に限定されないことは云うまでもない。尚、以下の記載において、%は質量%を意味する。実施例1、2 ポリ(トリペプチド−6)(商品名:ピュアコラ PURE COLLA 0.5%水溶液、製造:チッソ株式会社、販売:JNC株式会社)、金属錯体としてヘムcを有するチトクロムc(商品名:チトクロームc:ウマ心筋由来、TCA処理、製造:MB Biomedicals Inc. 、販売:和光純薬工業株式会社)、ヘアコンディショニング剤としてベヘンジモニウムエチルリン酸ステアリル(表1中には、BDESPと記す)1%溶液(商品名:Vinoveil−BS−1D、製造:日油株式会社)、呼吸鎖電子伝達共役成分としてフラビンアデニンジヌクレオチド2Na(表1中には、FAD・2Naと記す)、頭皮の保湿、血行促進や細胞分裂促進剤としてセンブリエキス、頭皮の老化防止、保湿、血行、代謝促進剤としてオタネニンジンエキス、遠赤外線の作用により皮膚の毛細血管の拡張、血液循環の活性化、新陳代謝の促進、保湿等を促すためのアルミナ粉末、及びその他の添加剤を、表1に示す配合割合で配合し、本発明の毛髪処理剤を調製した。試験例1 40代長髪女性の後頭部から採取した毛髪の束を検体とし、この検体を1,200Wの業務用ドライヤーで加熱乾燥させながら、30分間ブラッシングすることにより、キューティクル表面を損傷させた。なお、この状態の毛髪の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。 次いで、毛髪束に実施例1の毛髪処理剤を0.3ml塗布し、毛髪束に毛髪処理剤をなじませた後、タオルで毛髪処理剤を軽く拭き取って自然乾燥させ、24時間放置した。なお、毛髪処理剤を塗布した毛髪束の毛髪の走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。 図1の写真と図2の写真との比較から、本発明の毛髪処理剤を塗布することにより熱変成を受けたキューティクルが再生され、且つその部位のキューティクルがエピタキシャルに成長して損傷が修復されていることが認められる。 上記キューティクル表面を損傷させた後であって毛髪処理剤で処理する前の毛髪と、実施例1の毛髪処理剤で処理した毛髪について、電子線マイクロアナライザーを用いた面分析によりFe元素分布を測定した。その結果を図3〜図5に示す。なお、図3は毛髪処理剤で処理する前、図4は毛髪処理剤で処理してから16時間経過後、図5は同処理後24時間経過後の結果である。また、図3〜図5において、左側は反射電子像であり、右側はサンプリング時間0.65秒における特性X線のカウント数(以下、単にカウント数と称する)を示す像である。 尚、図3〜図5においてカウント数を示す像について、元データはカウント数が少ない部分を青で、カウント数が多い部分を赤で表現されているが、このようなカラーのデータは特許制度上は図面とは認められないため、図面としては元データをグレースケールに変換したものを提出し、参考写真として元データのカラー写真を物件提出書で提出する。 図3及び対応する参考写真に示すように、毛髪処理剤による処理前は髪に含まれるFe原子は少なく、カウント数はメデュラ(髪の中心部)で10〜20程度、キューティクル領域(髪の表面から数ミクロンの部分)及びコルテックス領域(メデュラとキューティクル領域の間の部分)で40〜60程度であった。 毛髪処理剤により処理してから16時間後には、図4及び対応する参考写真に示すように、カウント数はメデュラで30〜50程度、コルテックス領域で70〜80、キューティクル領域で90〜100程度と、処理前と比較して上昇していたが、キューティクル領域での上昇の割合が最も高く、金属錯体がキューティクル領域のケラチンと最も強く結合していることが確認される。 毛髪処理剤により処理してから24時間経過後には、図5及び対応する参考写真に示すように、カウント数はメデュラで50〜60程度、コルテックス領域で70〜90、キューティクル領域で90〜100程度と、処理後16時間の測定値と比較して髪の内部におけるカウント数が上昇していたが、キューティクル領域でのカウント数が最も高い傾向は変らず、金属錯体がキューティクル領域のケラチンと最も強く結合することが確認される。試験例2 実施例1と同じ毛髪束を検体として用い、この検体を6%のチオグリコール酸アンモニウム液に30分間浸漬してその後に水洗い及び乾燥させ、これを3回繰り返すことにより毛髪を損傷させた。なお、この状態の毛髪の走査型電子顕微鏡写真を図6に示す。 次いで、毛髪束に実施例1の毛髪処理剤を0.3ml塗布し、毛髪束に毛髪処理剤をなじませた後、タオルで毛髪処理剤を軽く拭き取って自然乾燥させ、24時間放置した。なお、毛髪処理剤を塗布した毛髪束の毛髪の電子顕微鏡写真を図7に示す。 図6の写真と図7の写真との比較から、本発明の毛髪処理剤を使用することにより損傷したキューティクルが再生され、且つキューティクルが滑らかな状態へと変化し、損傷箇所が修復されることが確認される。 上記チオグリコール酸アンモニウム液で損傷させた直後の毛髪と、実施例1の毛髪処理剤で処理した毛髪について、毛髪断面をエネルギー分散型X線分析装置(EDS)を用いた面分析により硫黄元素分布を測定した。その結果を図8、図9に示す。なお、図8は損傷させた直後、図9は毛髪処理剤で処理してから24時間経過後の結果である。また、図8、図9の左側は反射電子像であり、右側は硫黄元素の分布を示す像である。 図8の写真と図9の写真との比較から、本発明の毛髪処理剤を使用することにより、経時的に毛髪内部の硫黄が増加することが判る。増加した硫黄がどの成分に由来するものか、或いはなぜ硫黄が増加するのかについては判明していないが、パーマネントウエーブ処理を施す際のジスルフィド結合に影響し、パーマネントウエーブの施術性を高めることが予想される。試験例3 実施例1と同じ毛髪束を検体として用い、この検体を6%の過酸化水素水に30分間浸漬してその後に水洗い及び乾燥させ、これを3回繰り返すことにより毛髪を損傷させた。なお、この状態の毛髪の走査型電子顕微鏡写真を図10に示す。 次いで、毛髪束に実施例1の毛髪処理剤を0.3ml塗布し、毛髪束に毛髪処理剤をなじませた後、タオルで毛髪処理剤を軽く拭き取って自然乾燥させ、24時間放置した。なお、毛髪処理剤を塗布した毛髪束の毛髪の走査型電子顕微鏡写真を図11に示す。 図10の写真と図11の写真との比較から、本発明の毛髪処理剤を使用することにより損傷したキューティクルが再生され、且つキューティクルが滑らかな状態へと変化し、損傷箇所が修復されることが確認される。試験例4 実施例1と同じ毛髪束を検体として用い、毛髪束に実施例1の毛髪処理剤を0.3ml塗布し、毛髪束に毛髪処理剤をなじませた後、タオルで毛髪処理剤を軽く拭き取って自然乾燥させ、24時間放置した。 次いで、この毛髪束を1,200Wの業務用ドライヤーで加熱乾燥させながら、30分間ブラッシングすることにより、キューティクル表面に負荷を与えた。負荷を与えた後の毛髪の走査型電子顕微鏡写真を図12に示す。 図1の写真と図12の写真との比較から、キューティクル表面に負荷を与える前に本発明の毛髪処理剤を使用することにより、キューティクルが負荷に対して強くなり損傷を受け難くなることが確認される。 なお、試験例1及び試験例4に用いた業務用ドライヤーの吹出口先端の温度は200℃と高温であるが、本発明の毛髪処理剤を予め塗布した図12の写真から明らかなように、このような高温でも毛髪はダメージを受けていないことから、毛髪の耐熱性を高め毛髪を熱から保護することが確認される。 叙上のとおり、本発明の毛髪処理剤によれば、ヘアードライヤーやブラッシングによる物理的損傷、パーマネントウェーブ処理やブリーチ処理を施した際の化学的損傷を受けた毛髪を修復することができるだけでなく、パーマネントウエーブの施術性を高めることができる。また、本発明の毛髪処理剤を予め毛髪に塗布することにより、物理的損傷に対する抵抗性、特に耐熱性を高めることができ、その結果、ヘアドライヤー等熱による損傷を防止することができる。 ポリ(トリペプチド−6)及び金属錯体を含有することを特徴とする毛髪処理剤。 ポリ(トリペプチド−6)の配合量が0.001〜10質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪処理剤。 金属錯体がチトクロムcであることを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪処理剤。 金属錯体の配合量が0.00001〜5質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。 損傷した毛髪を修復させるためのものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。 毛髪のキューティクルを再生又は成長させるためのものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。 毛髪の耐熱性を高め毛髪を熱から保護するためのものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。 毛髪のパーマネントウエーブの施術性を高めるためのものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。 【課題】損傷を受けた毛髪を修復でき、毛髪を熱から保護し、パーマネントウエーブの施術性を高めることができる毛髪処理剤を提供する。【解決手段】ポリ(トリペプチド−6)及び金属錯体を含有することを特徴とする。【選択図】なし