タイトル: | 公表特許公報(A)_p−トルイル酸およびテレフタル酸を生合成するための方法および微生物 |
出願番号: | 2012551203 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C12N 1/19,C12P 7/42,C12N 1/15,C12N 1/21,C12N 5/10,C12N 15/09 |
オステルハウト,ロビン,イー. JP 2013517796 公表特許公報(A) 20130520 2012551203 20110121 p−トルイル酸およびテレフタル酸を生合成するための方法および微生物 ジェノマティカ・インコーポレイテッド 504356052 Genomatica, Inc. 特許業務法人原謙三国際特許事務所 110000338 オステルハウト,ロビン,イー. US 61/299,794 20100129 C12N 1/19 20060101AFI20130423BHJP C12P 7/42 20060101ALI20130423BHJP C12N 1/15 20060101ALI20130423BHJP C12N 1/21 20060101ALI20130423BHJP C12N 5/10 20060101ALI20130423BHJP C12N 15/09 20060101ALN20130423BHJP JPC12N1/19C12P7/42C12N1/15C12N1/21C12N5/00 101C12N15/00 A AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW US2011022046 20110121 WO2011094131 20110804 52 20120927 4B024 4B064 4B065 4B024AA01 4B024AA03 4B024BA80 4B024CA01 4B024DA01 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PTAについての有望な前駆体は、p−メチル安息香酸としても知られているp−トルイル酸である。p−トルイル酸は、p−キシレンをPTAに酸化するためのいくつかの工業的なプロセスにおける中間生成物である。p−トルイル酸はまた、ポリマーの安定剤、農薬、光感受性化合物、動物飼料サプリメントおよび他の有機化合物についての中間生成物である。水溶液中にてほんのわずかに可溶性であるp−トルイル酸は、生理的な温度において固体であり、275℃の融点を有する。糖の供給原料からこの化合物を合成するための微生物の触媒は、これまでに記載されていない。 よって、商業的な量の、p−トルイル酸またはテレフタル酸のような化合物を効果的に生産するための代替方法が必要とされる。本発明はこの要求を満たし、そして、関連している利点を提供する。 〔発明の概要〕 本発明は、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路、p−トルイル酸経路および/またはテレフタル酸経路を有する非天然的の微生物を提供する。本発明はさらに、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路、p−トルイル酸経路またはテレフタル酸経路を生成するために上記生物を使用する方法を提供する。 〔図面の簡単な説明〕 図1は、グリセルアルデヒド−3−ホスフェ−トおよびピルビン酸から(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート(2H3M4OP)への例示的な経路の概略図を示している。G3Pはグリセルアルデヒド−3−ホスフェ−トであり、DXPは1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートであり、2ME4PはC−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートである。酵素は、(A)DXPシンターゼ;(B)DXPレダクトイソメラーゼ;および(C)2ME4Pデヒドロラターゼである。 図2は、p−トルイル酸へのシキミ酸経路の例示的な代替の概略図を示している。酵素は、(A)2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプトン酸シンターゼ;(B)3−デヒドロキネートシンターゼ;(C)3−デヒドロキネートデヒドラターゼ;(D)シキミ酸デヒドロゲナーゼ;(E)シキミ酸キナーゼ;(F)3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼ;(G)コリスメートシンターゼ;および(H)コリスメートリアーゼである。化合物は、(1)(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート;(2)2,4−ヒドロキシ−5−メチル−6−[(ホスホノオキシ)メチル]オキサン−2−カルボキシレート;(3)1,3−ヒドロキシ−4−メチル−5−オキソシクロヘキサン−1−カルボキシレート;(4)5−ヒドロキシ−4−メチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート;(5)3,5−ジヒドロキシ−4−メチルシクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート;(6)5−ヒドロキシ−4−メチル−3−(ホスホノオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート;(7)5−[(1−カルボキシエ−1−エン−1−イル)オキシ]−4−メチル−3−(ホスホノオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート;(8)3−[(1−カルボキシエ−1−エン−1−イル)オキシ]−4−メチルシクロヘキサ−1,5−ジエン−1−カルボキシレート;および(9)p−トルイル酸である。 図3は、p−トルイル酸をテレフタル酸(PTA)へ転換するための例示的な経路を示している。反応A、BおよびCはそれぞれ、p−トルエートメチル−モノオキシゲナーゼレダクターゼ、4−カルボキシベンジルアルコールデヒドロゲナーゼおよび4−カルボキシルベンジルアルデヒドデヒドロゲナーゼによって触媒される。示されている化合物は、(1)p−トルイル酸;(2)4−カルボキシベンジルアルコール;(3)4−カルボキシベンズアルデヒドおよび(4)テレフタル酸である。 〔発明の詳細な説明〕 本発明は、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを生合成にて産生する能力を有する細胞および生物の設計および生成を指向する。本明細書に記載されている結果は、Escherichia coliおよび他の細胞または生物において、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの生合成を達成するように、代謝経路が設計され得かつ組換え的に操作され得ることを示す。設計された代謝性遺伝子型を有する系統を構築することによって、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの生合成による産生を確立し得る。これらの代謝的に操作された細胞または生物はまた、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの生合成をさらに増強するために、理論的最大増殖に近づける条件を含む適応進化に供され得る。 E.coliにおけるシキミ酸生合成経路は、エリトロース−4−ホスフェートをコリスメートに転換する。コリスメートは、重要な中間生成物であり、4−ヒドロキシ安息香酸を含む多くの必須代謝産物の生合成を導く。4−ヒドロキシ安息香酸は、テレフタル酸の工業的な前駆体であるp−トルイル酸と構造的に類似している。本明細書にて開示されるように、シキミ酸経路酵素は、代替基質である(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート(2H3M4OP)を受容するために利用され、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートをp−トルイル酸に変換する。さらに、イソプレノイド生合成についての非メバロン酸経路からの酵素を用いる経路が、2H3M4OP前駆体を合成するために利用される。 炭水化物の供給原料からp−トルイル酸またはテレフタル酸(PTA)を再生可能に生成するように微生物を操作するための戦略が、本明細書中に開示される。初めに、グリセルアルデヒド−3−ホスフェ−トおよびピルビン酸が、酵素による3つのステップにおいて(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート(2H3M4OP)に変換される(実施例1および図1参照)。続いて、2H3M4OP中間生成物が、シキミ酸経路における酵素によってp−トルイル酸に変換される(実施例2および図2参照)。p−トルイル酸がさらに、微生物によってPTAに変換され得る(実施例3および図3参照)。 下記に示す正価反応(net reaction)によると、G3Pのp−トルイル酸への転換は、1つのATP、2つの還元当量(NAD(P)H)およびホスホエノールピルビン酸2分子を必要とする。 G3P+2PEP+ATP+2NAD(P)H+2H+→p−トルイル酸+4Pi+ADP+2NAD(P)++CO2+ H2O グルコースからG3Pを合成するために、さらなるATPが必要とされる。p−トルイル酸の理論的最大収量は、エネルギーに必要とされる炭素なしで、グルコースから0.67mol/mol(0.51g/g)である。合成されるp−トルイル酸1分子あたり2つのATPが消費されると仮定して、グルコースからのp−トルイル酸推定収量は0.62mol/mol(0.46g/g)p−トルイル酸である。 実施例3に記載されているような酵素によってp−トルイル酸がPTAにさらに変換される場合、PTA推定収量は0.64mol/mol(0.58g/g)である。この場合、正価反応によると、PTAへのp−トルイル酸の酸化は、付加的な正価還元当量(net reducing equivalent)を生成する。 p−トルイル酸+O2+NAD+→PTA+NADH+2H+ 提案した経路の各ステップを触媒するための酵素候補が、以下の項に記載されている。 本明細書で用いられている「非天然」という用語は、本発明の微生物(microbial organism)又は微生物(microorganism)を参照して用いられている場合、その微生物が、参照種の野生型系統を含む参照種の天然の系統において正常には見出されない、少なくとも1つの遺伝的変更を有しているということを意味することが意図される。遺伝的変更としては、例えば、発現可能な核酸を導入する改変、他の核酸の付加、核酸の欠失、及び/又は微生物の遺伝材料の、他の機能性崩壊が挙げられる。上記の改変としては、例えば、参照種に対して異種性のポリペプチド、同種のポリペプチド、又は異種性のポリペプチド及び同種のポリペプチドの両方についての、コーディング領域及びその機能性フラグメントが挙げられる。さらなる改変としては、例えば、改変が遺伝子又はオペロンの発現を変更する非コーディング調節領域が挙げられる。例示的な代謝性ポリペプチドとしては、p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成経路における酵素またはタンパク質が挙げられる。 代謝性改変は、天然に存在する状態から変更されている生化学的な反応をいう。したがって、非天然の微生物は、代謝性ポリペプチド又はその機能的フラグメントをコードする核酸に対して遺伝的な改変を有し得る。例示的な代謝性改変は、本明細書に開示されている。 本明細書に用いられている「単離された」という用語は、微生物を参照して用いられる場合、参照微生物が天然に見出されるときの少なくとも1つの成分が実質的にない生物を意味することが意図される。上記の用語は、その天然の環境にて見出されるときのいくつかの成分又は全ての成分から取り出された微生物を含む。上記の用語はまた、その微生物が非天然の環境にて見出されるときのいくつかの成分又は全ての成分から取り出されている微生物を含む。したがって、単離された微生物は、天然にて見出される場合または増殖しているときの他の物質から部分的に又は完全に分離されている。単離された微生物の特定の例は、部分的に精製された微生物、実質的に精製された微生物、および非天然の媒体中にて培養されている微生物を含む。 本明細書で用いられている「微生物(microbial)」、「微生物(microbial organism)」及び「微生物(microorganism)」という用語は、始原細菌、細菌又は真核生物のドメイン内に含まれる微小細胞として存在する任意の生物を意味することが意図される。したがって、上記の用語は、原核生物細胞若しくは真核生物細胞、又は微小サイズを有する原核生物若しくは真核生物を含むことが意図されており、酵母及び真菌のような真核生物微生物と同様に、全ての種の細菌、始原細菌及び真正細菌を含む。また、上記の用語は、生化学的な生成のために培養され得る任意の種の細胞培養を含む。 本明細書で用いられている「CoA」又は「補酵素A」という用語は、その存在が、活性酵素系を形成するための多くの酵素(アポ酵素)の活性に必要である有機性の補因子又は補助群(酵素の非タンパク質部位)の意味が意図される。特定の縮合酵素における補酵素A機能は、アセチル基転移又は他のアシル基転移に作用し、脂肪酸の合成及び酸化、ピルビン酸酸化における活性に作用し、そして他のアセチル化に作用する。 本明細書で用いられる場合、本明細書中にて2H3M4OPと略される用語「(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート」は、図1に示されているような化学式を有する。このような化合物はまた、3−ヒドロキシ−2−メチルブタナール−4−ホスフェートと記載され得る。 本明細書で用いられている、C8H7O2−(図2、化合物9参照)(IUPAC名 4−メチルベンゾエート)の分子式を有する「p−トルイル酸(p−toluate)」という用語は、p−トルイル酸のイオン化形態であり、そして、中性の形態またはイオン化された形態(任意の塩の形態を含む。)のいずれかにある化合物を参照して、p−トルイル酸(p−toluate)およびp−トルイル酸(p−toluic acid)が、本明細書全体を通して交換可能に使用され得ることが理解される。特定の形態がpHに依存することは、当業者によって理解される。 本明細書で用いられている、C8H4O4-2(図3、化合物4参照)(IUPAC名 テレフタラート)の分子式を有する「テレフタル酸(terephthalate)」という用語は、テレフタル酸のイオン化形態であり、p−フタル酸またはPTAともいわれ、そして、中性またはイオン化形態(任意の塩の形態を含む。)のいずれかにある化合物を参照して、テレフタル酸(terephthalate)およびテレフタル酸(terephthalic acid)が、本明細書全体を通して交換可能に使用され得ることが理解される。特定の形態がpHに依存することは、当業者によって理解される。 本明細書で用いられている「実質的嫌気性」という用語は、培養条件又は増殖条件を参照して用いられている場合、酸素の量は、液体媒体中での溶解酸素についての飽和の約10%未満である。上記の用語はまた、酸素が約1%未満である雰囲気を用いて維持される液体媒体又は固体媒体の密閉チャンバを含むことが意図される。 本明細書で用いられて場合の「外因性」は、参照分子又は参照活性が宿主微生物に導入されることを意味することが意図される。分子は、例えば、宿主染色体への組込みによって、又は、プラスミドのような非染色体遺伝物質として、コーディング核酸を宿主遺伝物質へ導入されることによって、導入され得る。したがって、コーディング核酸の発現を参照して用いられる場合、この用語は、発現可能な形態にてそのコーディング核酸を微生物へ導入することをいう。生合成の活性を参照して用いられる場合、上記の用語は、宿主参照生物へ導入された活性をいう。その供給源は、例えば、宿主微生物への導入に続いて参照活性を発現する、同種又は異種性のコーディング核酸であり得る。したがって、「内因性」という用語は、宿主中に存在する参照分子又は参照活性をいう。同様に、上記の用語は、コーディング核酸の発現を参照して用いられる場合、微生物内に含まれるコーディング核酸の発現をいう。「同種」という用語は、宿主微生物に由来する分子又は活性をいう一方、「異種性」という用語は、参照種以外の供給源に由来する分子又は活性をいう。したがって、本発明のコーディング核酸の外因性の発現は、異種性のコーディング核酸又は同種のコーディング核酸のどちらか一方又は両方を利用し得る。 1つよりも多くの外因性核酸が微生物に含まれている場合、上述されているように、1つよりも多くの外因性核酸が、参照されたコーディング核酸又は生合成の活性をいうということが理解される。さらに、本明細書中にて開示されているように、このような1つよりも多くの外因性核酸は、宿主微生物に、別々の核酸分子上に、ポリシストロン性の核酸分子上に、又は、これらの組合せに導入され得るということが理解される。例えば、本明細書中にて開示されているように、微生物は、所望の経路の酵素又はタンパク質をコードする2つ又はそれ以上の外因性核酸を発現するように操作され得る。所望の活性をコードする2つの外因性核酸が宿主微生物に導入される場合、この2つの外因性核酸が、例えば単一のプラスミド上に単一の核酸として導入され得、別々のプラスミド上に導入され得、そして、単一の部位又は複数の部位にて宿主染色体に組み込まれ得、さらには2つの外因性核酸とみなされるということが理解される。同様に、2つよりも多くの外因性核酸(例えば3つの外因性核酸)が、所望の任意の組合せ(例えば単一のプラスミド、別々のプラスミド)にて宿主生物へ導入され得、そして、単一の部位又は複数の部位にて宿主染色体に組み込まれ得、さらには2つまたはそれ以上の外因性核酸(例えば3つの外因性核酸)としてみなされるということが理解される。したがって、参照された外因性核酸又は生合成の活性の数は、コーディング核酸の数又は生合成の活性の数をいい、宿主生物に導入された別々の核酸の数をいわない。 本発明の非天然の微生物は、安定的な遺伝的変更を含み得、これは、組換え損失なしで5世代よりも長期にわたって培養することができる微生物をいう。一般に、安定的な遺伝的変更としては、10世代よりも長期にわたって持続する改変が挙げられ、好ましくは、安定的な改変が約25世代よりも長期間持続し、より好ましくは、安定的な遺伝的改変が50世代よりも長期間(無制限を含む。)持続する。 本明細書中にて例証されている代謝性改変を含む遺伝的変更が、E.coliのような好適な宿主生物、及び、上記遺伝的変更に対応する代謝性反応、又は、所望の代謝経路についての遺伝子のような所望の遺伝材料に好適な供給源生物を参照して記載されているということを、当業者は理解する。しかしながら、広範な種々の生物の完全なゲノム配列、及び、ゲノム分野の高い技術レベルを前提として、当業者は、本質的に全ての他の生物に、本明細書中にて提供された教示及びガイダンスを容易に適用することができ得る。例えば、本明細書中にて例証されたE.coliの代謝性変更は、参照種以外の種からの同一又は類似のコーディング核酸を取り込ませることによって容易に他の種に適用することができる。このような遺伝的変更としては、例えば、一般的には、種のホモログの遺伝的変更、特に、オルソログ、パラログ又は非オルソロガス遺伝子の置換が挙げられる。 オルソログは、垂直血統(vertical descent)によって関連される遺伝子(単数または複数)であり、異なる生物にて実質的に同じ(same)又は同一(identical)の機能を担う。例えば、マウスのエポキシドヒドロラーゼ、及び、ヒトのエポキシドヒドロラーゼは、エポキサイドの加水分解の生物学的機能についての考慮されたオルソログであり得る。遺伝子は、例えば、それらが同種であることまたは共通祖先からの進化によって関連することを示すに十分な量の配列類似性を共有する場合、垂直血統によって関連される。遺伝子はまた、一次配列の類似性が特定可能でないという範囲にまで共通の祖先から進化したことを示すに十分な量の三次元構造(必然的な配列類似性でない。)を共有する場合、考慮されたオルソログであり得る。オルソログである遺伝子は、約25%〜100%のアミノ酸配列同一性の、配列類似性を有するタンパク質をコードすることができる。25%未満のアミノ酸類似性を共有するタンパク質をコードする遺伝子は、その三次元構造もまた類似性を示す場合、垂直血統によって生じたとみなすこともできる。組織プラスミノゲンアクティベータ及びエラスターゼを含むセリンプロテアーゼファミリーのメンバーの酵素は、共通の祖先から垂直血統によって生じたとみなすことができる。 オルソログとしては、例えば、進化を通じて、構造及び全体的活性が枝分かれした遺伝子又は当該遺伝子にコードされる遺伝子産物が挙げられる。例えば、ある種が2つの機能を示す遺伝子産物をコードし、このような機能が第2の種において別個の遺伝子に分離した場合、これらの3つの遺伝子及びこれらに対応する産物は、オルソログであるとみなされる。生化学的な生成物の生成に関して、導入又は破壊されるべき代謝活性を有するオルソログ遺伝子が、非天然の微生物の構成に関して選択されるべきであるということを、当業者は理解する。分離可能な活性を示すオルソログの例は、別個の活性が、2つ又はそれ以上の種の間で、又は、単一種の間で、別個の遺伝子産物に分離されている場合である。特定の例は、エラスターゼ蛋白質分解及びプラスミノーゲン蛋白質分解(2つのタイプのセリンプロテアーゼ活性)のプラスミノーゲン活性剤及びエラスターゼとしての別個の分子への分離である。第2の例は、マイコプラズマ5’−3’エクソヌクレアーゼ及びDrosophila DNAポリメラーゼIII活性の分離である。第1の種からのDNAポリメラーゼは、第2の種からのエクソヌクレアーゼ又はポリメラーゼのどちらか一方又は両方に対するオルソログとみなされ得、そしてその逆も同様である。 対照的に、パラログは、例えば、複製(duplication)、引き続く進化的な分岐によって関連されるホモログであり、類似または共通の(同一でない)機能を有する。パラログは、例えば、同一の種又は異なる種を起源としても、同一の種又は異なる種に由来してもよい。例えば、ミクロソームエポキシドヒドロラーゼ(エポキシドヒドロラーゼI)、及び、可溶性エポキシドヒドロラーゼ(エポキシドヒドロラーゼII)は、別個の2つの酵素を示すので共通の祖先から同時進化したパラログとみなされ得る。上記2つの酵素は、異なる反応を触媒し、同一の種において別個の機能を有する。パラログは、互いに顕著な配列類似性を有する同一の種からのタンパク質であり、このことは、パラログが同種であるか、あるいは共通の祖先からの同時進化を通じて関連されることを示唆する。パラログタンパク質ファミリーのグループとしては、HipAホモログ、ルシフェラーゼ遺伝子、ペプチダーゼ等が挙げられる。 非オルソロガス遺伝子の置換は、異なる種における参照遺伝子機能を代替し得る、ある種からの非オルソロガス遺伝子である。代替としては、例えば、異なる種における参照機能と比較して、起源の種にて実質的に同一又は類似の機能を行うことができるものが挙げられる。一般に、非オルソロガス遺伝子の置換は、参照機能をコードする既知の遺伝子に構造的に関連される場合に識別可能であるが、構造的に関連されないが機能的に類似の遺伝子及びその対応する遺伝子産物は、いうまでもなくなお、本明細書中にて使用される場合の上記用語の意味の範囲内に含まれる。機能的類似性は、例えば、代替されるために探索される機能をコードする遺伝子と比較して、非オルソロガス遺伝子産物の活性部位又は結合領域にて、少なくともいくつかの構造的類似性が必要とされる。したがって、非オルソロガス遺伝子としては、例えば、パラログ又は関連しない遺伝子が挙げられる。 したがって、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの生合成能力を有する本発明に係る非天然の微生物を同定及び構築するに際し、当業者は、代謝性改変の同定が、オルソログの同定及び封入又は不活性化を含み得るという、本明細書に提供された教示及びガイダンスを、特定の種に適用することによって理解する。同様な又は実質的に同様な代謝性反応を触媒する酵素をコードするパラログ及び/又は非オルソロガス遺伝子置換が、参照微生物中に存在しているという範囲で、当業者はまた、進化的に関連する遺伝子を利用することができる。 オルソログ、パラログ、及び非オルソロガス遺伝子置換は、当業者に周知の方法によって決定され得る。例えば、2つのポリペプチドについての核酸配列又はアミノ酸配列を調べることによって、比較される配列の間での配列同一性及び配列類似性が示される。このような類似性に基づいて、当業者は、その類似性が、これらのタンパク質が共通の祖先からの進化を通じて関係することを示すに十分高いかどうかを決定することができる。Align、BLAST、Clustal Wなどのような当業者に周知のアルゴリズムは、未処理の配列の類似性又は同一性を比較及び決定し、そして、重み又はスコアが割り当てられ得る配列での、ギャップの存在及び頻度をまた決定する。このようなアルゴリズムはまた、当業者に公知であり、ヌクレオチド配列の類似性又は同一性の決定のために同様に適用可能である。関連していることを決定するための十分な類似性に関するパラメータは、統計学的類似性、すなわち、ランダムポリペプチドにおける類似の一致を見出す見込み、及び、決定された一致の頻度、を算出するための周知の方法に基づいてコンピュータ計算される。2つ又はそれ以上の配列のコンピュータ比較はまた、所望される場合、当業者によって視覚的に最適化され得る。関連する遺伝子産物又はタンパク質は、高い類似性を有することが期待され得る(例えば25%〜100%の配列同一性)。関連しないタンパク質は、十分なサイズのデータベースがスキャンされる場合(約5%)に偶然起こることが期待される程度と本質的に同程度の同一性を有している。5%〜24%の間の配列は、比較される配列が関連していると結論付けるに十分な相同性を示しても示さなくてもよい。データセットのサイズを与える上記の一致の頻度を決定するためのさらなる統計学的分析は、上記の配列の関連性を決定するために実行され得る。 BLASTアルゴリズムを用いる2つ又はそれ以上の配列の関連性を決定するための典型的なパラメータは、例えば、以下で説明するようなものであり得る。簡潔には、アミノ酸配列アラインメントは、BLASTP version 2.0.8.(Jan-05-1999)及び以下のパラメータ(Matrix: 0 BLOSUM62; gap open: 11; gap extension: 1; x_dropoff: 50; expect: 10.0; wordsize: 3; filter: on)を用いて実行され得る。核酸配列アラインメントは、BLASTN version 2.0.6 (Sept-16-1998) 及び以下のパラメータ(Match: 1; mismatch: -2; gap open: 5; gap extension: 2; x_dropoff: 50; expect: 10.0; wordsize: 11; filter: off)を用いて実行され得る。当業者は、比較のストリンジェンシーを増加させるか又は減少させて、例えば、2つ又はそれ以上の配列の関連性を決定するために、どのような改変が上記パラメータに対してなされ得るのかを知っている。 本発明は、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを生成するに十分な量にて発現された(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路酵素をコードする少なくとも1つの外因性核酸を含む、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路を有する非天然の微生物を提供する。上記(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路は、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼを含む(実施例1および図1、ステップC参照)。(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路を含む非天然の微生物は、1−デオキシキシルロース-5-ホスフェートシンターゼまたは1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼをさらに含むことができる(実施例1および図1、ステップAおよびB参照)。 本発明はまた、p−トルイル酸を生産するに十分な量にて発現されたp−トルイル酸経路酵素をコードする少なくとも1つの外因性核酸を含む、p−トルイル酸経路を有する非天然の微生物を提供する。上記p−トルイル酸経路は、2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプトン酸シンターゼ;3−デヒドロキネートシンターゼ;3−デヒドロキネートデヒドラターゼ);シキミ酸デヒドロゲナーゼ;シキミ酸キナーゼ;3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼ;コリスメートシンターゼ;またはコリスメートリアーゼを含む(実施例2および図2、ステップA〜H参照)。p−トルイル酸経路を有する非天然の微生物は、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路を含むことができる(図1)。(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路は、例えば、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼ、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼまたは1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼをさらに含むことができる(図1)。 本発明はさらに、テレフタル酸を生産するに十分な量にて発現されたテレフタル酸経路酵素をコードする少なくとも1つの外因性核酸を含む、テレフタル酸経路を有する非天然の微生物を提供する。上記テレフタル酸経路は、p−トルエートメチル−モノオキシゲナーゼレダクターゼ;4−カルボキシベンジルアルコールデヒドロゲナーゼ;または4−カルボキシルベンジルアルデヒドデヒドロゲナーゼを含む(実施例3および図3参照)。テレフタル酸経路を含む上記の生物は、2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプトン酸シンターゼ;3−デヒドロキネートシンターゼ;3−デヒドロキネートデヒドラターゼ;シキミ酸デヒドロゲナーゼ;シキミ酸キナーゼ;3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼ;コリスメートシンターゼ;またはコリスメートリアーゼを含むp−トルイル酸経路をさらに含むことができる(実施例2および3ならびに図2および3参照)。テレフタル酸経路およびp−トルイル酸経路を有する非天然の微生物は、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路をさらに含むことができる(実施例1および図1参照)。(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路は、例えば、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼ、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼまたは1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼを含むことができる(実施例1および図1参照)。 さらなる実施形態において、本発明は、p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路を有する非天然の微生物を提供する。上記非天然の微生物は、基質を生成物に変換する少なくとも1つの酵素またはタンパク質をコードする外因性核酸を含む。例えば、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路において、上記基質と上記生成物は、グリセルアルデヒド−3−ホスフェ−トおよびピルビン酸と1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェート;1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートとC−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェート;およびC−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートと(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートからなる群より選択され得る(実施例1および図1参照)。別の実施形態において、p−トルイル酸経路は、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートと2,4−ヒドロキシ-5−メチル−6−[(ホスホノオキシ)メチル]オキサン−2−カルボキシレート;2,4−ヒドロキシ-5−メチル−6−[(ホスホノオキシ)メチル]オキサン−2−カルボキシレートと1,3−ヒドロキシ−4−メチル−5−オキソシクロヘキサン−1−カルボキシレート;1,3−ヒドロキシ−4−メチル−5−オキソシクロヘキサン−1−カルボキシレートと5−ヒドロキシ−4−メチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エン−1−カルボン酸;5−ヒドロキシ−4−メチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エン−1−カルボン酸と3,5−ジヒドロキシ−4−メチルシクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート;3,5−ジヒドロキシ−4−メチルシクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレートと5−ヒドロキシ−4−メチル−3−(ホスホノオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート;5−ヒドロキシ−4−メチル−3−(ホスホノオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレートと5−[(1−カルボキシエ−1−エン−1−イル)オキシ]−4−メチル−3−(ホスホノオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート;5−[(1−カルボキシエ−1−エン−1−イル)オキシ]−4−メチル−3−(ホスホノオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレートと3−[(1−カルボキシエ−1−エン−1−イル)オキシ]−4−メチルシクロヘキサ−1,5−ジエン−1−カルボキシレート;および3−[(1−カルボキシエ−1−エン−1−イル)オキシ]−4−メチルシクロヘキサ−1,5−ジエン−1−カルボキシレートとp−トルイル酸から選択される基質と生産物を含むことができる(実施例2および図2参照)。さらに別の実施形態においては、テレフタル酸経路は、p−トルイル酸と4−カルボキシベンジルアルコール;4−カルボキシベンジルアルコールと4−カルボキシベンズアルデヒド;および4−カルボキシベンズアルデヒドとテレフタル酸から選択される基質と生産物を含むことができる(実施例3および図3参照)。当業者は、これらが単なる例示であること、そして以下の事項を理解する:所望の生成物を生成するに好適な、本明細書中に開示された基質−生成物のペアであって、適切な活性が上記ペアについての基質から生成物への変換に利用可能である、ペアのいずれかが、当業者に容易に決定され得ること。したがって、本発明は、酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外因性核酸を含む非天然の微生物を提供することである。ここで、酵素又はタンパク質は、図1−3に示すようなp−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の基質及び生成物を変換する。 p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路を含む微生物として本明細書中に広く記載されているが、本発明がさらに、p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の中間体を生成するに十分な量にて発現された、p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外因性核酸を含む非天然の微生物を提供するということが理解される。例えば、本明細書中で開示される場合、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路が図1に例示されている(実施例1参照)。したがって、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを生成する(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路を含む微生物に加えて、本発明はさらに、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路酵素をコードする少なくとも1つの外因性核酸を含む非天然の微生物を提供し、ここで、上記微生物は、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の中間体、例えば、1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートまたはC−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートを生成する。同様に、本発明はまた、p−トルイル酸を生成するp−トルイル酸経路を含む非天然の微生物を提供し、ここで、上記非天然の微生物は、p−トルイル酸経路酵素をコードする少なくとも1つの外因性核酸を含み、上記微生物は、以下のp−トルイル酸経路の中間体を生成する:例えば、2,4−ヒドロキシ-5−メチル−6−[(ホスホノオキシ)メチル]オキサン−2−カルボキシレート、1,3−ヒドロキシ−4−メチル−5−オキソシクロヘキサン−1−カルボキシレート、5−ヒドロキシ−4−メチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート、3,5−ジヒドロキシ−4−メチルシクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート、5−ヒドロキシ−4−メチル−3−(ホスホノオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート、5−[(1−カルボキシエ−1−エン−1−イル)オキシ]−4−メチル−3−(ホスホノオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート、または3−[(1−カルボキシエ−1−エン−1−イル)オキシ]−4−メチルシクロヘキサ−1,5−ジエン−1−カルボキシレート。さらに、本発明は、テレフタル酸経路を含む非天然の微生物をさらに提供し、ここで、上記微生物は、テレフタル酸経路の中間体(例えば、4−カルボキシベンジルアルコールまたは4−カルボキシベンズアルデヒド)を生成する。 実施例に示されたような、そして図面(図1−3の経路を含む。)に例示されたような、本明細書に開示された経路のいずれかが、所望される場合、任意の経路の中間体又は生成物を生成する非天然の微生物を生成するために利用され得るということが理解される。本明細書中に開示されているように、中間体を生成する上記微生物は、所望の生成物を生成するための下流経路酵素を発現する他の微生物と組み合わせて利用され得る。しかしながら、p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の中間体を生成する非天然の微生物が、上記中間体を所望の生成物として生成するために利用され得るということが理解される。 本発明は、代謝性反応、その反応物もしくは生成物についての一般的な参考文献を用いて、あるいは、参照の代謝性反応、その反応物もしくは生成物に関連するかまたはこれらを触媒する酵素、あるいはこれらに関連するタンパク質、をコードする1つ以上の核酸または遺伝子についての特定の参考文献を用いて、本明細書中に記載される。本明細書中において他で明確に示されない限り、当業者は、反応に対する参照がまた、上記反応の反応物および生成物に対する参照を構成することを理解する。同様に、本明細書中において他で明確に示されない限り、反応物または生成物に対する参照がまた、その反応を参照し、これらの代謝性構成成分のいずれかに対する参照がまた、参照した反応、反応物もしくは生成物を触媒する酵素またはこれらに関連するタンパク質をコードする遺伝子(単数または複数)を参照する。同様に、代謝の生化学、酵素学およびゲノム学の分野で周知である事項を考慮して、遺伝子またはコーディング核酸に対する本明細書中での参照はまた、対応するコードされた酵素およびこの酵素が触媒する反応、あるいは反応ならびにこの反応の反応物および生成物に関連するタンパク質に対する参照を構成する。 本発明の非天然の微生物は、1つ以上のp−トルイル酸生合成経路、テレフタル酸生合成経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成経路に関連する酵素またはタンパク質の1つ以上をコードする核酸を発現可能に導入することによって産生され得る。生合成について選択された宿主微生物に依存して、特定のp−トルイル酸生合成経路、テレフタル酸生合成経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成経路のいくつかまたは全てについての核酸が発現され得る。例えば、選択された宿主が、所望の生合成経路についての1つ以上の酵素またはタンパク質を欠失している場合、欠失した酵素またはタンパク質についての発現可能な核酸が、引き続く外因性発現のためにその宿主へ導入される。あるいは、選択された宿主が経路の遺伝子のいくつかの外因性の発現を示すが、他を欠失している場合、コーディング核酸が、p−トルイル酸生合成経路、テレフタル酸生合成経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成を達成するために、欠失した酵素またはタンパク質が必要とされる。よって、本発明の非天然の微生物は、所望の生合成経路を得るために外因性の酵素活性またはタンパク質活性を導入することによって産生され得る。あるいは、所望の生合成経路は、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートのような所望の生成物を、1つ以上の内因性の酵素またはタンパク質と共に、生成する1つ以上の外因性の酵素活性またはタンパク質活性を導入することによって取得され得る。 宿主微生物は、例えば、細菌、酵母、真菌、または発酵プロセスに供し得る種々の他の微生物のいずれかより選択され得、そして非天然の微生物が生成され得る。例示的な細菌としては、以下より選択される種が挙げられる:Escherichia coli、Klebsiella oxytoca、Anaerobiospirillum succiniciproducens、Actinobacillus succinogenes、Mannheimia succiniciproducens、Rhizobium etli、Bacillus subtilis、Corynebacterium glutamicum、Gluconobacter oxydans、Zymomonas mobilis、Lactococcus lactis、Lactobacillus plantarum、Streptomyces coelicolor、Clostridium acetobutylicum、Pseudomonas fluorescens、およびPseudomonas putida。例示的な酵母または真菌としては、以下より選択される種が挙げられる:Saccharomyces cerevisiae、Schizosaccharomyces pombe、Kluyveromyces lactis、Kluyveromyces marxianus、Aspergillus terreus、Aspergillus niger、Pichia pastoris、Rhizopus arrhizus、Rhizobus oryzaeなど。E.coliは特に有用な宿主微生物である。なぜなら、E.coliは十分に特徴付けられた、遺伝子操作に好適な微生物だからである。他の特に有用な宿主微生物は、Saccharomyces cerevisiaeのような酵母を含む。任意の好適な微生物宿主を使用して代謝性および/または遺伝的な改変を導入して所望の生成物を産生することが理解される。 選択された宿主微生物のp−トルイル酸生合成経路構成成分、テレフタル酸生合成経路構成成分または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成経路構成成分に依存して、本発明の非天然の微生物は、少なくとも1つの外因性に発現したp−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路をコードする核酸を含み、1つ以上のp−トルイル酸生合成経路、テレフタル酸生合成経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成経路についてのコーディング核酸を全て以下含む。例えば、経路の酵素またはタンパク質を欠く宿主において、p−トルイル酸生合成、テレフタル酸生合成または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成は、対応するコーディング核酸の外因性の発現を介して確立され得る。p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の酵素またはタンパク質の全てを欠く宿主において、この経路における酵素またはタンパク質の全ての外因性の発現が含まれ得る。これは、宿主が経路の酵素またはタンパク質の少なくとも1つを含む場合であっても、経路の酵素またはタンパク質の全てが発現され得ることが理解される。例えば、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの生成のための経路における酵素またはタンパク質の全ての外因性の発現が含まれ得る。例えば、p−トルイル酸経路における以下の酵素の全てが含まれ得る:例えば、2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプトン酸シンターゼ;3−デヒドロキネートシンターゼ;3−デヒドロキネートデヒドラターゼ;シキミ酸デヒドロゲナーゼ;シキミ酸キナーゼ;3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼ;コリスメートシンターゼ;またはコリスメートリアーゼ。さらに、テレフタル酸経路における以下の酵素の全てが含まれ得る:例えば、p−トルエートメチル−モノオキシゲナーゼレダクターゼ;4−カルボキシベンジルアルコールデヒドロゲナーゼ;または4−カルボキシルベンジルアルデヒドデヒドロゲナーゼ。さらに、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路における以下の酵素の全てが含まれ得る:例えば、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼ、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼまたは1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼ。 本明細書中にて提供される教示およびガイダンスによって、当業者は、発現可能な形態にて導入されるコーディング核酸の数が、少なくとも、選択された宿主微生物のp−トルイル酸経路欠損、テレフタル酸経路欠損または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路欠損と対応することを、理解する。よって、本発明の非天然の微生物は、特定の経路に依存した、本明細書中で開示されるp−トルイル酸生合成経路、テレフタル酸生合成経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成経路を構成する酵素またはタンパク質をコードする核酸を、全て以下(1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個または8個)有する。いくつかの実施形態において、非天然の微生物はまた、他の遺伝的改変を含み得る。これは、1,3−ブタンジオール生合成を促進するかまたは最適化する、あるいは、宿主微生物に有用な機能を付与する。このような他の機能の1つとしては例えば、グリセルアルデヒド−3−ホスフェ−ト、ピルビン酸、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートまたはp−トルイル酸のようなp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート前駆体の1つ以上の合成の増大が挙げられ得る。さらに、本明細書中に開示されるように、所望される場合、p−トルイル酸(図2)、テレフタル酸(図3)および(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート(図1)を生成する経路のような複数の経路が単一の生物に含まれ得る。 一般に、宿主微生物は、p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の前駆体を、天然に生成される分子または操作された生成物として生成するように選択される。これらは、所望の前駆体のde novo生成、あるいは、宿主微生物によって天然に生成される前駆体の増加した生成のいずれかを提供する。例えば、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートおよびホスホエノールピルビン酸は、E.coliのような宿主微生物にて天然に生成される。宿主微生物は、本明細書中に開示されるような前駆体の生成を増加するように操作され得る。さらに、所望の前駆体を産生するように操作されている微生物は、宿主生物として使用され得、p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の酵素またはタンパク質を発現するようにさらに操作され得る。 いくつかの実施形態において、本発明の非天然の微生物は、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを合成する酵素的能力を含む宿主から生成される。この特定の実施形態において、本発明の非天然の微生物は、p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の生成物の合成または集積を増大させて、例えば、p−トルイル酸経路反応、テレフタル酸経路反応または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路反応をp−トルイル酸生成、テレフタル酸生成または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート産生へ向けて駆動するに有用であり得る。増大した合成または集積は、例えば、上記p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の酵素またはタンパク質の1つ以上をコードする核酸の過剰発現によって達成され得る。p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の酵素および/またはタンパク質の過剰発現は、例えば内因性の遺伝子の外因性の発現を介して、あるいは、異種性の遺伝子の外因性の発現を介して、生じ得る。よって、天然の微生物は、p−トルイル酸生合成経路、テレフタル酸生合成経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成経路の酵素またはタンパク質をコードする核酸の、全て以下(1個、2個、3個、4個、5個など)の過剰発現を介して、例えば、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを産生する本発明の非天然の微生物として容易に生成され得る。さらに、非天然の微生物は、p−トルイル酸生合成経路、テレフタル酸生合成経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成経路における酵素の活性増加を生じる内因性遺伝子の変異誘発によって生成され得る。 特に有用な実施形態において、コーディング核酸の外因性の発現が使用される。外因性の発現は、発現エレメントおよび/または調節エレメントを特別に調整する能力、ならびに、使用者によって制御される所望の発現レベルを達成するための適用を、宿主に付与する。しかし、内因性の発現はまた、誘導性プロモータまたは他の調節エレメントに連結された場合に、ネガティブな調節エフェクタを除去することまたは遺伝子のプロモータを誘導することによって、他の実施形態にて利用され得る。よって、天然の誘導性プロモータを有する内因性遺伝子は、適切な誘導剤を供給することによって上方制御され得、また内因性の遺伝子の調節領域は、誘導性の調節エレメントを組み込むように操作され得、これにより、内因性の遺伝子の発現増大を所望の時点で調節することを可能にする。同様に、誘導性のプロモータは、非天然の微生物に導入された外因性の遺伝子についての調節エレメントとして含まれ得る。 本発明の方法において、1つ以上の外因性核酸のいずれかが、本発明の非天然の微生物を生成するために微生物へ導入され得ることが理解される。核酸は、例えば、p−トルイル酸生合成経路、テレフタル酸生合成経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成経路を微生物に付与するように導入され得る。あるいは、コーディング核酸は、生合成能を有する中間体微生物を生成して、必要とされる反応のいくつかを触媒してp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの生合成能を付与するために導入され得る。例えば、p−トルイル酸生合成経路、テレフタル酸生合成経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成経路を有する非天然の微生物は、所望の酵素またはタンパク質をコードする少なくとも2つの外因性核酸を含み得る。例えば、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路において、発現される酵素の組合せは、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼおよび1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼ、または2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼおよび1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼの組合せであり得る。p−トルイル酸経路において、発現される酵素の組合せは、2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプトン酸シンターゼおよび3−デヒドロキネートデヒドラターゼ;シキミ酸キナーゼおよび3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼ;シキミ酸キナーゼおよびシキミ酸デヒドロゲナーゼなどの組合せであり得る。同様に、テレフタル酸経路において、発現される酵素の組合せは、p−トルエートメチル−モノオキシゲナーゼレダクターゼおよび4−カルボキシベンジルアルコールデヒドロゲナーゼ;または4−カルボキシベンジルアルコールデヒドロゲナーゼおよび4−カルボキシベンジルアルデヒドデヒドロゲナーゼなどの組合せであり得る。よって、生合成経路の2つ以上の酵素またはタンパク質の任意の組合せが、本発明の非天然の微生物に含まれ得ることが理解される。同様に、生合成経路の3つ以上の酵素またはタンパク質の任意の組合せが、例えば、3−デヒドロキネートシンターゼ、シキミ酸デヒドロゲナーゼおよびシキミ酸キナーゼ;シキミ酸キナーゼ、コリスメートシンターゼおよびコリスメートリアーゼ;3−デヒドロキネートデヒドラターゼ、コリスメートシンターゼおよびコリスメートリアーゼなど、所望されるように、所望の生合成経路の酵素および/またはタンパク質の組合せが対応する所望の生成物の産生を生じる限り、本発明の非天然の微生物に含まれ得ることが理解される。同様に、所望される場合、所望の生合成経路の酵素および/またはタンパク質の組合せが対応する所望の生成物の産生を生じる限り、本明細書に開示されているような経路に依存し、生合成経路の4個、5個、6個、7個またはそれ以上の酵素またはタンパク質の任意の組合せが、本発明の非天然の微生物に含まれ得る。 本明細書中に記載される場合、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの生合成に加えて、本発明の非天然の微生物および方法はまた、互いに、あるいは当該分野にて周知の他の微生物および方法との種々の組合せにて、他の経路による生成物生合成を実現するために利用され得る。例えば、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートプロデューサの使用以外にp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを産生するための代替の1つは、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の中間体をp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートへ変換し得る別の微生物の添加を介するものである。このような手順の1つとしては、例えば、p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の中間体を産生する微生物の発酵が挙げられる。次いで、p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の中間体は、p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の中間体をp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートへ変換する第2の微生物についての基質として使用され得る。p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の中間体は、第2の生物の別の培養物へ直接的に添加され得るか、あるいは、p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の中間体のプロデューサの元々の培養物は、これらの微生物から例えば細胞分離によって枯渇され得、次いで、第2の生物の発酵ブロスへの添加は、中間体を精製する工程を行うことなく最終生成物を産生するために利用され得る。 他の実施形態において、本発明の非天然の微生物および方法は、例えばp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの生合成を実現するために、広範な種々の副経路にアセンブリされ得る。これらの実施形態において、本発明の所望の生成物についての生合成経路は、異なる微生物へ分離され得、異なる微生物は、最終生成物を産生するために同時培養され得る。このような生合成スキームにおいて、特定の微生物の生成物は、最終の生成物が合成されるまで、第2の微生物についての基質である。例えば、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの生合成は、特定の経路の中間体から別の経路の中間体または生成物への変換のための生合成経路を含む微生物を構築することによって達成され得る。あるいは、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートはまた、同一の容器内での2つの微生物を用いる同時培養または同時発酵を介して、微生物から生合成的に産生され得る。ここで、第1の微生物は、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート中間体を産生し、第2の微生物は、その中間体をp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートへ変換する。 本明細書中にて提供される教示およびガイダンスによって、当業者は、副経路を有する他の非天然の微生物の同時培養を用い、そして、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを生成するために当該分野にて周知の他の化学的および/または生化学的な手順の組合せを用いる、本発明の非天然の微生物および方法についての、広範な種々の組合せおよび順列、ならびに他の微生物が存在することを、理解する。 p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の酵素またはタンパク質についてのコーディング核酸の供給源は、例えば、任意の種を含み、ここで、コードされる遺伝子産物が参照された反応を触媒し得る。このような種としては、原核生物および真核生物(細菌(始原細菌、真正細菌を含む。)、真核生物(酵母、植物、昆虫、動物、ヒトを含む哺乳動物を含む。)を含むが、これらに限定されない。)が挙げられる。このような供給源のための例示的な種としては、例えば、Escherichia coli、Mycobacterium tuberculosis,Agrobacterium tumefaciens、Bacillus subtilis、Synechocystis species、Arabidopsis thaliana、Zymomonas mobilis、Klebsiella oxytoca、Salmonella typhimurium、Salmonella typhi、Lactobacullus collinoides、Klebsiella pneumoniae、Clostridium pasteuranum、Citrobacter freundii、Clostridium butyricum、Roseburia inulinivorans、Sulfolobus solfataricus、Neurospora crassa,Sinorhizobium fredii、Helicobacter pylori、Pyrococcus furiosus、Haemophilus influenzae、Erwinia chrysanthemi、Staphylococcus aureus、Dunaliella salina、Streptococcus pneumoniae、Saccharomyces cerevisiae、Aspergillus nidulans、Pneumocystis carinii、Streptomyces coelicolorならびにBurkholderia属、Alcaligenes属、Pseudomonas属、Shingomonas属およびComamonas属からの種(例えば、Comamonas testosteroni)、ならびに本明細書中に開示される他の例示的な種または対応する遺伝子についての供給源生物として利用可能なものが挙げられる。しかし、現在では、395以上の微生物のゲノムおよび種々の酵母、真菌、植物および哺乳動物のゲノムを含む550種を超える完全なゲノム配列が利用可能である(これらの利用可能なものの半分以上がNCBIのような公的なデータベースにある)ので、関連種または異なる種における1つ以上の遺伝子について、必要なp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成活性をコードする遺伝子の同定(例えば、公知の遺伝子の、ホモログ、オルソログ、パラログ、および非パラログ遺伝子の置換を含む。)、および生物間での遺伝的変更の置換えは、日常的な作業であり、当該分野において周知である。よって、E.coliのような特定の生物を参照して本明細書中にて記載されるp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの生合成を可能にする代謝性変更は、他の微生物(原核生物、真核生物など)に容易に適用され得る。本明細書中にて提供される教示およびガイダンスによって、当業者は、特定の生物において例証される代謝性変更が他の生物に等価に適用され得ることを、理解する。 いくつかの例において、例えば、関連しない種において代替のp−トルイル酸生合成経路、テレフタル酸生合成経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成経路が存在する場合、p−トルイル酸生合成、テレフタル酸生合成または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成は、例えば、関連しない種からのパラログの外因性発現によって、宿主種に付与され得る。上記パラログは、参照された反応を置換するために、同様であるが同一でない代謝性反応を触媒する。代謝性ネットワーク中の特定の相違が異なる生物間に存在するので、当業者は、異なる生物間での実際の遺伝子の使用法が異なるかもしれないことを理解する。しかし、本明細書中にて提供される教示およびガイダンスによって、当業者はまた、目的の種においてp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを合成する微生物を構築するために、本明細書中に例証されたものへの同系の代謝性変更を用いて本発明の教示および方法が全ての微生物に適用され得ることを理解する。 非天然のp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート産生宿主を構築しかつその発現レベルを試験するための方法は、例えば、当該分野において周知の組換え法および検出法によって実行され得る。このような方法は、例えば以下に記載されていることが見出され得る:例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Third Ed., Cold Spring Harbor Laboratory, New York (2001);およびAusubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Baltimore, MD (1999)。 p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの産生のための経路に関連する外因性の核酸配列は、当該分野において周知の技術を用いて宿主細胞へ安定的にまたは一過性に導入され得る。上記技術としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:接合(conjugation)、エレクトロポレーション、化学的形質転換、トランスダクション、トランスフェクション、および超音波形質転換。E.coliまたは他の原核生物細胞における外因性発現のために、真核生物の核酸の遺伝子またはcDNAにおけるいくつかの核酸配列は、標的化シグナル(例えばN末端ミトコンドリア標的化シグナルまたは他の標的化シグナル)をコードし得る。これは、所望される場合、原核生物宿主細胞への形質転換の前に除去され得る。例えば、E.coliにおいて、ミトコンドリアリーダー配列の除去は発現の増加を導いた(Hoffmeister et al., J. Biol. Chem. 280:4329-4338 (2005))。酵母または他の真核生物細胞における外因性発現のために、遺伝子は、リーダー配列を付加することなく細胞質中に発現され得るか、あるいはミトコンドリアまたは他の器官に標的化され得るか、あるいは好適な標的化配列(例えば、宿主細胞に好適なミトコンドリア標的化シグナルまたは分泌シグナル)を付加することによって分泌に標的化され得る。よって、核酸配列に対する、標的化配列を除去するかまたは含ませるための好適な改変が、外因性核酸配列に組み込まれて所望の特性を付与するということが、理解される。さらに、タンパク質の発現の最適化を達成するために、当該分野において周知の技術を用いて、遺伝子はコドンの最適化に供され得る。 発現ベクターが、1つ以上のp−トルイル酸生合成経路、テレフタル酸生合成経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成経路のコーディング核酸(例えば本明細書中に例示されているもの)を、宿主生物において機能的な発現制御配列に作動可能に連結されて含むように構築され得る。本発明の宿主微生物における使用に適用可能な発現ベクターとしては、例えば、プラスミドベクター、ファージベクター、ウイルスベクター、エピソームおよび人工染色体が挙げられ、ベクターおよび分泌配列または宿主染色体への安定的な組込みに作動可能なマーカーを含む。さらに、発現ベクターは、1つ以上の選択マーカー遺伝子および適切な発現制御配列を含み得る。選択マーカー遺伝子はまた、例えば、抗生物質または毒素に対する抵抗性、栄養要求性欠損の相補性を付与するもの、あるいは培養培地以外にて必須の栄養素を供給するものが含まれ得る。発現制御配列は、構成的かつ誘導性のプロモータ、転写エンハンサ、転写ターミネータなどを含み得、これらは当該分野において周知である。2つ以上の外因性のコーディング核酸が同時発現される場合、両方の核酸が、例えば、単一の発現ベクター中に、あるいは別々の発現ベクター中に挿入され得る。単一のベクターでの発現のために、コーディング核酸は、特定の共通の発現制御配列に作動可能に連結され得るか、あるいは異なる発現制御配列(例えば、特定の誘導性プロモータおよび1つの構成的プロモータ)に連結され得る。代謝性経路すなわち合成経路に関連する外因性の核酸配列の形質転換は、当該分野において周知の方法を用いて確認される。このような方法としては、例えば、核酸分析(例えばmRNAのノザンブロッティングまたはポリメラーゼ鎖反応(PCR)増幅、あるいは遺伝子産物の発現についてのイムノブロッティング)、あるいは導入した核酸配列またはその対応する遺伝子産物の発現を試験するに好適な他の分析方法を用いて確認され得る。外因性の核酸が所望の生成物を産生するに十分量にて発現されることが、当業者に理解され、当該分野において周知の方法および本明細書中に開示された方法を用いて十分な発現を得るように発現レベルが最適化され得ることが、さらに理解される。 さらに、本発明は、2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを産生するための条件下にて2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを産生するに十分な期間にわたって(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路を含む非天然の微生物を培養する工程を含む、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを産生するための方法を提供する。このような微生物は、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを産生するに十分量にて発現された(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路酵素をコードする少なくとも1つの外因性核酸を含む2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路を有し得る。上記の(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路は、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼを含む(実施例1および図1、ステップC参照)。(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路は、必要に応じて、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼおよび/または1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼをさらに含み得る(実施例1および図1、ステップAおよびB参照)。 別の実施形態において、本発明は、p−トルイル酸を産生するための条件下にてp−トルイル酸を産生するに十分な期間にわたってp−トルイル酸経路を含む非天然の微生物を培養する工程を含む、p−トルイル酸を産生するための方法を提供する。p−トルイル酸経路は、p−トルイル酸を産生するに十分量にて発現されたp−トルイル酸経路酵素をコードする少なくとも1つの外因性核酸を含むp−トルイル酸経路を有し得る。上記のp−トルイル酸経路は、2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプトン酸シンターゼ;3−デヒドロキネートシンターゼ;3−デヒドロキネートデヒドラターゼ;シキミ酸デヒドロゲナーゼ;シキミ酸キナーゼ;3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼ;コリスメートシンターゼ;および/またはコリスメートリアーゼを含む(実施例2および図2、ステップA−H参照)。別の実施形態において、本発明の方法は、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路をさらに含む非天然の微生物を利用し得る(実施例1および図1参照)。このような(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路は、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼ、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼおよび/または1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼを含み得る(実施例1および図1参照)。 本発明はさらに、テレフタル酸を産生するための条件下にてテレフタル酸を産生するに十分な期間にわたってテレフタル酸経路を含む非天然の微生物を培養する工程を含む、テレフタル酸を生産するための方法を提供する。上述のようなテレフタル酸経路は、テレフタル酸を産生するに十分量にて発現されたテレフタル酸経路酵素をコードする少なくとも1つの外因性核酸を含むテレフタル酸経路を有し得る。上記のテレフタル酸経路は、p−トルエートメチル−モノオキシゲナーゼレダクターゼ;4−カルボキシベンジルアルコールデヒドロゲナーゼ;および/または4−カルボキシルベンジルアルデヒドデヒドロゲナーゼを含む。このような微生物は、p−トルイル酸経路をさらに含み、ここで、上記p−トルイル酸経路は、2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプトン酸シンターゼ;3−デヒドロキネートシンターゼ;3−デヒドロキネートデヒドラターゼ;シキミ酸デヒドロゲナーゼ;シキミ酸キナーゼ;3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼ;コリスメートシンターゼ;および/またはコリスメートリアーゼを含む。別の実施形態においては、非天然の微生物は、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路をさらに含み得る(実施例1および図1参照)。したがって、特定の実施形態において、本発明は、非天然の微生物およびその使用方法を提供し、ここで、上記微生物は、p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路を含む。 p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの好適な精製および/あるいはp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの産生について試験するためのアッセイは、周知の方法を用いて行われ得る。好適な複製物(例えば、三連の培養物)は、試験されるための操作された系統の各々について増殖され得る。例えば、操作された生産宿主における生成物および副生成物の形成がモニタリングされ得る。最終生成物および中間体、ならびに他の有機化合物が、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)、GC−MS(ガスクロマトグラフィ−質量分析)、LC−MS(液体クロマトグラフィ−質量分析)および紫外可視分光測定のような方法、あるいは、当該分野において周知の慣用的な手順を用いる好適な他の分析方法によって分析され得る。発酵ブロスにおける生成物の放出はまた、培養上清を用いて試験され得る。副生成物および残留グルコースが、例えば、グルコースおよびアルコールについての屈折指標検出器、ならびに、有機酸についてのUV検出器(Lin et al., Biotechnol. Bioeng. 90:775-779 (2005))を用いるHPLCによって、あるいは、当該分野において周知の他の好適なアッセイおよび検出法を用いて、定量される。例えば、p−トルエートメチル−モノオキシゲナーゼ活性は、精製された酵素を、ウオターバスにてNADH、FeSO4およびp−トルイル酸の基質とともにインキュベートすること、タンパク質の沈降による反応を停止すること、およびHPLCによって上清における生成物を分析すること、によってアッセイされ得る(Locher et al., J. Bacteriol. 173:3741-3748 (1991))。 p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートは、当該分野において周知の広範な方法を用いて、培養物中の他の成分から分離され得る。このような分離方法としては、例えば、抽出手順、ならびに、連続的液体−液体抽出、浸透気化、膜濾過、膜分離、逆浸透法、電気透析、蒸留、結晶化、遠心分離、抽出濾過(extractive filtration)、イオン交換クロマトグラフィ、サイズ排除クロマトグラフィ、吸着クロマトグラフィ、および限外濾過を含む方法が挙げられる。これらの方法の全てが当該分野において周知である。 本明細書中に記載された非天然の微生物のいずれかが培養されて、本発明の生合成生成物が産生および/または分泌され得る。例えば、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートのプロデューサが、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの生合成性の産生のために培養され得る。 p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの産生のために、組換え系統が、炭素源および他の必須栄養素を有する培地中で培養される。プロセス全体のコストを低減するために発酵槽において嫌気性条件を維持することが非常に望ましい。このような条件は、例えば、先ず、培地を窒素と共に噴霧すること、次いで、フラスコを中隔およびクリンプキャンプでシールすることによって得られ得る。増殖が嫌気的に観察されない系統のために、制限された換気のための小さな孔で中隔に穴を開けることによって、微小好気性条件が適用され得る。例示的な嫌気性条件は、これまでに記載されており、当該分野において周知であり、例えば、米国特許公開US 2009/0047719号(2007年8月10日出願)に記載されている。発酵は、本明細書中に記載されたようなバッチ様式、フェドバッチ様式または連続的様式にて行われ得る。 所望される場合、培地のpHが、培養媒体を所望のpHで維持することが必要とされる場合、塩基(例えばNaOHまたは他の塩基)または酸を添加することによって所望のpH(特に中性のpH(例えばpH約7))で維持され得る。増殖速度は、分光光度計(600nm)を用いて吸光度を測定することによって測定され得、グルコース取り込み速度は炭素源の枯渇を長時間にわたってモニタリングすることによって測定され得る。 増殖培地は、例えば、非天然の微生物に対して炭素源を供給し得る任意の炭水化物源を含み得る。上記供給源としては、例えば、グルコース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、スクロースおよびデンプンのような糖が挙げられる。炭水化物の他の供給源としては、例えば、再生可能な供給原料およびバイオマスが挙げられる。本発明の方法において供給原料として用いられ得る例示的なバイオマスの型としては、セルロースバイオマス、ヘミセルロースバイオマスおよびリグニン供給原料または供給原料のタンパク質が挙げられる。このようなバイオマス供給原料は、例えば、グルコース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マンノース、フルクトースおよびデンプンのような炭素源として有用な炭水化物基質を含む。本明細書中にて提供される教示およびガイダンスによって、当業者は、上記例示以外の再生可能な供給原料およびバイオマスもまた、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを産生するために本発明の微生物の培養に使用され得ることを、理解する。 上述の例示のような再生可能な供給原料に加え、本発明のp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート微生物もまた、炭素源としての合成ガスにおける増殖に対して改変され得る。この特定の実施形態において、合成ガスまたは他のガス性炭素源を利用するための代謝性経路を提供するために、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生成生物において、1つ以上のタンパク質または酵素が発現される。 合成ガス(syngas)またはプロデューサガスとしても知られている合成ガス(synthesis gas)は、石炭のガス化、ならびに、農作物および農業廃棄物を含むバイオマス材料のような炭素材料のガス化の主な生成物である。合成ガスは、主に、H2およびCOの混合物であり、制限するわけではないが、石炭、石油、天然ガス、バイオマスおよび廃棄有機物質を含む任意の有機材料のガス化によって得ることができる。ガス化は、一般に、酸素に対する高い燃料比下で実行される。また、大部分がH2およびCOであるものの、合成ガスは、微量のCO2およびその他のガスを含み得る。したがって、合成ガスは、CO(さらにはCO2)のようなガス状炭素の費用効率的な資源を提供する。 Wood−Ljungdahl経路は、COおよびH2をアセチルCoAおよび酢酸のようなその他の生成物への変換を触媒する。また、COおよび合成ガスを利用することができる生物は、一般に、同一の基本的な酵素一式、および、Wood−Ljungdahl経路に含まれる変換を通じて、CO2およびCO2/H2混合物も利用することができる。微生物によるCO2の酢酸へのH2依存変換は、COが同一の生物によって利用されること、および、同一経路を必要とすることが示されるよりもかなり前に認められた。多くのアセトゲンは、必要な還元等量を供給するために水素が存在する限り、CO2存在下で成長し、酢酸のような化合物を生成することを示す(例えば、Drake, Acetogenesis, pp. 3-60 Chapman and Hall, New York, (1994)参照)。このことは、以下の式によってまとめることができる: 2CO2+4H2+nADP+nPi→CH3COOH+2H2O+nATPしたがって、Wood−Ljungdahl経路を有する非天然の微生物は、アセチルCoAおよび他の望ましい生成物を生成するために、CO2およびH2の混合物を利用し得る。 Wood−Ljungdahl経路は、周知であり、2つの分枝に分けることができる12の反応からなる:(1)メチル分枝および(2)カルボニル分枝。カルボニル分枝が、メチル−THFをアセチルCoAへ変換するのに対して、メチル分枝は、合成ガスをメチルテトラヒドロフルオレート(メチル−THF)へ変換する。メチル分枝における反応は、以下の酵素またはタンパク質によって適切に触媒される;フェレドキシン酸化レダクターゼ、ギ酸デヒドロゲナーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸シンセターゼ、メテニルテトラヒドロ葉酸環化デヒドロゲナーゼ、メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ、および、メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ。カルボニル分枝における反応は、以下の酵素またはタンパク質によって適切に触媒される:メチルテトラヒドロ葉酸:コリノイドタンパク質メチルトランスフェラーゼ(例えばAcsE)、コリノイド鉄−硫黄タンパク質、ニッケル−タンパク質アセンブリタンパク質(例えばAcsF)、フェレドキシン、アセチルCoAシンセターゼ、一酸化炭素デヒドロゲナーゼ、および、ニッケル−タンパク質アセンブリタンパク質(例えばCooC)。p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路を生成するに十分な数のコーディング核酸を導入するために本明細書中に提供された教示およびガイダンスに従って、少なくとも、宿主生物に存在しないWood−Ljungdahl酵素またはタンパク質をコードする核酸を導入することに関して、当業者は、同一の操作設計が行われ得ることを理解する。したがって、改変された生物が、完全なWood−Ljungdahl経路を含むように、1つ以上のコーディング核酸を本発明の微生物に導入することによって、合成ガス利用能力を付与する。 一酸化炭素デヒドロゲナーゼおよび/またはヒドロゲナーゼ活性を結合した還元トリカルボン酸回路もまた、CO、CO2および/またはH2をアセチルCoAおよび他の生成物(例えば酢酸)へ変換することを可能にする。還元TCA経路を介して炭素固定し得る生物は、1つ以上の以下の酵素を利用し得る:ATPクエン酸−リアーゼ、クエン酸リアーゼ、アコニターゼ、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、アルファケトグルタル酸:フェレドキシンオキシドレダクターゼ、スクシニルCoAシンセターゼ、スクシニルCoAトランスフェラーゼ、フマル酸レダクターゼ、フマラーゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、NAD(P)H:フェレドキシンオキシドレダクターゼ、一酸化炭素デヒドロゲナーゼ、およびヒドロゲナーゼ。具体的には、一酸化炭素デヒドロゲナーゼおよびヒドロゲナーゼによってCOおよび/またはH2から抽出される還元等量は、アセチルCoAまたは酢酸への還元TCA経路を介したCO2固定に利用される。酢酸は、アセチルCoAトランスフェラーゼ、アセテートキナーゼ/ホスホトランスアセチラーゼおよびアセチルCoAシンセターゼのような酵素によってアセチルCoAに変換され得る。アセチルCoAは、ピルビン酸:フェレドキシンオキシドレダクターゼおよび糖新生の酵素によってp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの前駆体、グリセルアルデヒド−3−ホスフェート、ホスホエノールピルビン酸、ならびにピルビン酸に変換され得る。p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路を生成するに十分な数のコーディング核酸を導入するために本明細書中に提供された教示およびガイダンスに従って、少なくとも、宿主生物に存在しない還元TCA経路の酵素またはタンパク質をコードする核酸を導入することに関して、当業者は、同一の操作設計がまた行われ得ることを理解する。したがって、改変された生物が、完全な還元TCA経路を含むように、1つ以上のコーディング核酸を本発明の微生物に導入することによって、合成ガス利用能力を付与する。 したがって、本明細書中に提供された教示およびガイダンスによって、当業者は、炭水化物のような炭素源に対して増殖する場合に本発明の生合成された化合物を分泌する非天然の微生物が生産され得ることを、理解する。このような化合物としては、例えば、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートならびにp−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路における中間体代謝物のいずれかが挙げられる。所望の化合物または中間体の生合成を達成するために必要とされる酵素またはタンパク質の活性の1つ以上において操作されることは、必要とされることの全てであり、例えば、p−トルイル酸生合成経路、テレフタル酸生合成経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成経路のいくつかまたは全てを包含することを含む。したがって、本発明は、炭水化物または他の炭素源に対して増殖する場合にp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを産生および/または分泌し、かつ、炭水化物または他の炭素源に対して増殖する場合にp−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路にて見られる中間代謝産物のいずれかを生産および/または分泌する非天然の微生物を提供する。p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを産生する本発明の微生物は、中間生成物から合成を開始することが可能である。例えば、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の中間生成物は、1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートまたはC−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートであり得る(実施例1および図1参照)。p−トルイル酸経路の中間生成物は、例えば、2,4−ヒドロキシ−5−メチル−6−[(ホスホノオキシ)メチル]オキサン−2−カルボキシレート、1,3−ヒドロキシ−4−メチル−5−オキソシクロヘキサン−1−カルボキシレート、5−ヒドロキシ−4−メチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート、3,5−ジヒドロキシ−4−メチルシクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート、5−ヒドロキシ−4−メチル−3−(ホスホノオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート、5−[(1−カルボキシエ−1−エン−1−イル)オキシ]−4−メチル−3−(ホスホノオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート、または3−[(1−カルボキシエ−1−エン−1−イル)オキシ]−4−メチルシクロヘキサ−1,5−ジエン−1−カルボキシレートであり得る(実施例2および図2参照)。 本発明の非天然の微生物は、本明細書中に例示されるような当該分野において周知の方法を用いて、p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の酵素またはタンパク質をコードする少なくとも1つの核酸を、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを産生するに十分な量にて外因性に発現するように構築される。本発明の微生物が、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを産生するに十分な条件下で培養されることが、理解される。本明細書中に提供された教示およびガイダンスにしたがって、本発明の非天然の微生物は、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの生合成を達成し得、約0.1〜200mMまたはそれ以上の細胞内濃度を生じる。一般に、p−トルエン酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの細胞内濃度は、約3〜150mMであり、特に約5〜125mMであり、より詳細には約8〜100mMであり、約10mM、20mM、50mM、80mMまたはそれ以上を含む。これらの例示した範囲内およびそれ以上の細胞内濃度はまた、本発明の非天然の微生物によって達成され得る。 いくつかの実施形態において、培養条件は、嫌気性の増殖条件、または実質的に嫌気性の増殖条件、または維持条件を含む。例示的な嫌気性条件は、上述したものおよび当該分野にて周知のものである。発酵プロセスのための例示的な嫌気性条件は、本明細書中に記載されており、例えば、米国特許公開US 2009/0047719号(2007年8月10日出願)に記載されている。これらの条件のいずれか、ならびに当該分野にて周知の嫌気性条件が、非天然の微生物とともに使用され得る。このような嫌気性条件の下で、p−トルイル酸プロデューサ、テレフタル酸プロデューサまたは(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートプロデューサが、細胞内濃度5〜10mMまたはそれ以上、ならびに本明細書中で例示した全ての他の濃度のp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを合成し得る。上記では細胞内濃度を言及したが、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート産生微生物は、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを産生し得る、および/または細胞媒体中に生成物を分泌し得ることが理解される。 本明細書中に開示された培養条件および発酵条件に加えて、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの生合成を達成するための増殖条件は、培養条件に対する浸透圧保護剤の添加を含み得る。特定の実施形態において、本発明の非天然の微生物は、浸透圧保護剤の存在下にて本明細書中に記載されたように維持され、培養され、または発酵され得る。簡単には、浸透圧保護剤は、浸透圧調節物質(osmolyte)として作用する化合物をいい。本明細書中に記載されるような微生物が浸透圧ストレスを生き延びることを補助する。浸透圧保護剤としては、ベタイン、アミノ酸および糖トレハロースが挙げられるがこれらに限定されない。このようなものの非限定的な例は、グリシンベタイン、プラリンベタイン、ジメチルセチン、ジメチルスルホニオプロピオネート、3−ジメチルスルホニオ−2−メチルプロピオネート、ピペコリン酸、ジメチルスルホニオアセテート、コリン、L−カルニチンおよびエクトインである。1つの局面において、浸透圧保護剤は、グリシンベタインである。本明細書中に記載の微生物を浸透圧ストレスから保護するに好適な浸透圧保護剤の量および型が、使用される微生物に依存することは、当業者に理解される。培養条件下での浸透圧保護剤の量は、例えば、約0.1mM以下、約0.5mM以下、約1.0mM以下、約1.5mM以下、約2.0mM以下、約2.5mM以下、約3.0mM以下、約5.0mM以下、約7.0mM以下、約10mM以下、約50mM以下、約100mM以下または約500mM以下であり得る。 培養条件としては、例えば、液体培養手順および発酵ならびに他の大規模培養手順が挙げられ得る。本明細書中に記載されるように、特に有用な収量の本発明の生合成生成物が、嫌気性条件下または実質的に嫌気性の条件下で取得され得る。 本明細書中に記載されるように、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの合成を達成するための特定の例示的増殖条件は、嫌気性培養または発酵培養を含む。特定の実施形態において、本発明の非天然の微生物は、嫌気性条件下または実質的に嫌気性の条件下にて維持され、培養され、または発酵され得る。簡単には、嫌気性条件は、酸素を欠く環境をいう。実質的に嫌気性の条件は、例えば、培地中に溶解した酸素の濃度が0〜10%飽和を維持するような培養、バッチ発酵または連続的発酵を含む。実質的に嫌気性の条件はまた、酸素1%未満の雰囲気で維持されたシールされたチャンバの内部の液体培地中または固体アガー上での増殖期または静止期の細胞を含む。酸素の割合は、例えば、培養物を、N2/CO2混合物または好適な非酸素ガスで噴霧することによって維持され得る。 本明細書中に記載された培養条件は、スケールアップされ得、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを製造するために連続的に増殖され得る。例示的な増殖手順としては、例えばフェドバッチ発酵およびバッチ分離(フェドバッチ発酵および連続的分離、または連続的発酵および連続的分離)が挙げられる。これらの手順の全てが当該分野にて周知である。発酵手順は、市販品質のp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの生合成的な生産に特に有用である。一般に、そして非連続的な培養手順を用いる場合、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの連続的および/またはほぼ連続的な生産は、本発明の非天然のp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート産生微生物を、対数増殖期にて増殖を維持するおよび/またはほぼ維持するために十分な栄養素および培地にて培養することを含む。このような条件下での連続的な培養としては、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日またはそれ以上にわたって増殖させることを含み得る。あるいは、連続的な培養は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間またはそれ以上、から数ヶ月までの長期間を含む。あるいは、本発明の微生物は、特定の適用に好適である場合、数時間にわたって培養され得る。連続的および/またはほぼ連続的な培養条件がまた、これらの例示的な期間における間隔の全ての時点を含み得ることは、理解されるべきである。さらに、本発明の微生物を培養する時間が、所望の目的に十分量の生成物を産生するために十分な期間にわたることも、理解される。 発酵手順は、当該分野にて周知である。簡単には、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの生合成的な生産のための発酵は、例えば、フェドバッチ発酵およびバッチ分離(フェドバッチ発酵および連続的分離、または連続的発酵および連続的分離)において利用され得る。バッチ発酵手順および連続的発酵手順の例は当該分野にて周知である。 実質的な量のp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの連続的生産のための本発明のp−トルイル酸プロデューサ、テレフタル酸プロデューサまたは(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートプロデューサを用いる上記発酵手順に加えて、p−トルイル酸プロデューサ、テレフタル酸プロデューサまたは(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートプロデューサはまた、例えば、生成物を他の化合物へ変換するための化学的な合成手順に同時に供され得るか、あるいは、生成物は、発酵培養物から分離されて、所望される場合、生成物を他の化合物へ変換する化学的変換に同時に供され得る。 よりよいプロデューサを生成するために、増殖条件を最適化するための代謝性モデリングが利用され得る。モデリングはまた、経路の利用をさらに最適化する遺伝子ノックアウトを設計するために使用され得る(例えば、米国特許公開US 2002/0012939号、US 2003/0224363号、US 2004/0029149号、US 2004/0072723号、US 2003/0059792号、US 2002/0168654号およびUS 2004/0009466号、ならびに米国特許第7,127,379号参照)。モデリング分析は、p−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートのより効率的な生産へ向けて代謝をシフトすることによる細胞増殖に対する効果の信頼し得る予測を可能にする。 所望の生成物の生合成に都合よい代謝性の変更を同定および設計するための、コンピュータ利用方法は、OptKnockコンピュータ利用フレームワークである(Burgard et al., Biotechnol. Bioeng. 84:647-657 (2003))。OptKnockは、遺伝子欠失戦略または遺伝子破壊戦略を示唆する代謝性モデリングおよびシミュレーションプログラムであり、これは、標的生成物を過剰産生する遺伝的に安定な微生物を生じさせる。詳細には、このネットワークは、遺伝子操作を示唆するために微生物の完全な代謝および/またはバイオケミカルのネットワークを試験する。上記遺伝子操作は、所望のバイオケミカルが細胞増殖の必須の副生成物となることを強いる。戦略的に配置した遺伝子欠失または他の機能的な遺伝子破壊を介してバイオケミカル生産を細胞増殖と結合することによって、バイオリアクタ内に長期間置かれた操作された系統に強いられた増殖選択圧は、強制的な増殖結合バイオケミカル生産の結果としてパフォーマンスの改善を導く。最終的には、遺伝子欠失が構築される場合、設計された系統がその野生型系統へ戻る可能性がわずかにある。なぜなら、OptKnockによって選択された遺伝子は、ゲノムから完全に除かれるべきだからである。したがって、このコンピュータ利用方法論は、所望の生成物の生合成を導く代替の経路を同定するために使用され得るか、あるいは、所望の生成物の生合成をさらに最適化するために非天然の微生物と組み合わせて使用される。 簡単には、OptKnockは、細胞性代謝をモデリングするためのコンピュータ方法およびコンピュータシステムを参照して本明細書中で使用される用語である。OptKnockプログラムは、特定の構成要素をフラックスバランス分析(FBA)モデルに組み込むモデルおよび方法のフレームワークに関する。これらの構成要素は、例えば、質的な動力学的情報、質的な調節情報、および/またはDNAマイクロアレイ実験データを含む。OptKnockはまた、例えば、フラックスバランスを介して得られるフラックスバウンダリを厳しく制限すること、および引き続いて、遺伝子の付加または欠失の存在下での代謝性ネットワークのパフォーマンス制限を探ることによって種々の代謝性問題に対する解決策を算出する。OptKnockコンピュータフレームワークは、モデル処方の構築を可能にする。これは、代謝性ネットワークのパフォーマンス制限の効率的なクエリを可能にし、生じた混合整数線形プログラミング問題を解決するための方法を提供する。本明細書中にてOptKnockというこの代謝性モデリング方法およびシミュレーション方法は、例えば、米国特許公開US 2002/0168654号(2002年1月10日出願)、国際特許出願PCT/US02/00660号(2002年1月10日出願)、および米国特許公開US 2009/0047719号(2007年8月10日出願)に記載される。 生成物の生合成的な生産に都合よい代謝性の変更を同定および設計するための、別のコンピュータ利用方法は、SimPheny(登録商標)と称される代謝性モデリングおよびシミュレーションシステムである。このコンピュータ方法およびシステムは、例えば、米国特許公開US 2003/0233218号(2002年1月14日出願)、および国際特許出願PCT/US03/188388号(2003年6月13日出願)に記載される。SimPheny(登録商標)は、ネットワークモデルをインシリコで生成するため、および、生物学的システムの化学反応を介して質量、エネルギーまたはチャージのフラックスをシミュレーションするために使用され得、システム中の化学反応に起こり得る機能のいずれかまたは全て含む解決スペースを規定し、これにより、生物学的システムに対して許された活性の範囲を決定する。このアプローチは、制限ベースのモデリングといわれる。なぜなら、解決スペースが、制限(例えば、含まれる反応の化学量論、ならびに反応を介する最大限のフラックスに関連する反応熱力学および性能制限)によって規定されるからである。これらの制限によって規定されるスペースは、表現型の能力、および生物学的システムの挙動またはそのバイオケミカル成分の挙動を決定するために質問され得る。 これらのコンピュータアプローチは、生物学的な現実と一致する。なぜなら、生物学的システムはフレキシブルであり、そして多くの種々の方法において同一の結果に達し得るからである。生物学的システムは、進化メカニズムを介して設計される。これは、全ての生活システムが向き合わねばならない基本的な制約によって制限されている。したがって、制約ベースのモデリング戦略は、これらの一般的な現実を受け入れる。さらに、制約を厳しくすることを介してネットワークモデルにさらなる制限を連続的に強いる能力は、解決スペースのサイズにおける削減を生じ、これにより、物理的パフォーマンスまたは表現型が予測され得る精度を増強する。 本明細書中に提供される教示およびガイダンスによれば、当業者は、代謝性モデリングおよびシミュレーションについての種々のコンピュータフレームワークを適用して、宿主微生物中での所望の化合物の生合成を設計および実行し得る。このような代謝性モデリング方法およびシミュレーション方法としては、例えば、SimPheny(登録商標)およびOptKnockとして上記で例示したコンピュータシステムが挙げられる。本発明を例証するために、いくつかの方法が、モデリングおよびシミュレーションのためのOptKnockコンピュータフレームワークを参照して本明細書中に記載される。当業者は、OptKnockや、当該分野にて周知の任意の他の代謝性モデリングおよびシミュレーションのコンピュータフレームワークおよび方法を用いて、代謝性の変更の同定、設計および実行をどのように適用するのかを理解する。 上記方法は、破壊するための代謝性反応の1セットを提供する。このセットまたは代謝性改変の内の各反応を消去することは、生物の増殖期の間に所望の生成物を必須の生成物として生じ得る。反応が公知であるので、ビレベル(bilevel)OptKnock問題に対する解決策はまた、反応セット内の各反応を触媒する1つ以上の酵素をコードする関連遺伝子を提供する。1セットの反応、およびこれらに対応する、各反応に関連する酵素をコードする遺伝子の同定は、一般に自動化プロセスであり、酵素とコード遺伝子との間の関係を有する反応データベースとの反応の相関を介して達成される。 一旦同定されると、所望の生成物の生産を達成するために除去されるべき反応セットは、セット内の各代謝性反応をコードする少なくとも1つの遺伝子の機能的破壊によって、標的細胞または標的器官に関連される。この反応セットの機能的破壊を達成するための1つの特定の有用手段は、各コード遺伝子の欠失による。しかし、いくつかの例において、他の遺伝的異常(例えば、調節領域(例えばプロモータまたは調節因子のためのcis結合部位)の変位、欠失)によって、あるいは多数の遺伝子座のいずれかにおけるコード配列の短縮によって、その反応を破壊することは有利であり得る。後者の異常は、その遺伝子セットの総欠失よりも少なく生じて、例えば、生成物のカップリングの迅速な評価が望まれる場合または遺伝的転位がほとんど生じていない場合に有用であり得る。 上記のビレベルOptKnock問題は、破壊するためのさらなる反応セット、および生合成(所望の生成物の増殖結合生合成)を生じ得る代謝性改変を導く。上記問題に対するさらなる生産的解決策を同定するために、整数カットと称される最適化方法が実行される。この方法は、各反復にて整数カットとして称されるさらなる制約の組込みを用いて、上記で例示したOptKnock問題を繰り返して解決することによって進行する。整数カットの制約は、任意の繰り返しにおいて同定された正確に同一の反応セットを選択することから解決手順を効率的に妨げる。これは、増殖するために生成物生合成を必然的に結合する。例えば、以前に同定した増殖結合代謝性改変は、破壊のために反応1、2および3を特徴付け、次いで、引き続く制約が、同一の反応を次の解決策において同時に考慮されることから妨げる。整数カット法は、当該分野にて周知であり、例えば、Burgard et al., Biotechnol. Prog. 17:791-797 (2001)に記載されることが見出され得る。代謝性モデリングおよびシミュレートのためのOptKnockコンピュータフレームワークと組み合わせる使用を参照して本明細書中に記載された方法の全てと同様に、繰り返しコンピュータ分析におけるリダンダンシーを低減する整数カット方法はまた、当該分野にて周知のほかのコンピュータフレームワーク(例えばSimPheny(登録商標)を含む)を用いて適用され得る。 本明細書中に例証される方法は、所望の生成物を生合成的に産生する細胞および器官の構成を可能にする。これは、標的バイオケミカル生成物の産生を、同定された遺伝的変更を保有するように操作された細胞または器官の増殖に、不可欠に結合することを含む。したがって、本明細書中に記載されるコンピュータ法は、代謝性改変の同定および実施を可能にする。これは、OptKnockまたはSimPheny(登録商標)より選択されるインシリコ法によって同定される。代謝性改変のセットは、例えば、1つ以上の生合成経路の酵素の付加、および/または、1つ以上の代謝性反応の破壊(例えば遺伝子欠失による破壊を含む)を含み得る。 上述したように、OptKnock方法論は、長期間の増殖選択に供される場合にコンピュータによって予測される最大増殖表現型へ向けて変異体微生物ネットワークが進化され得ることを前提に発展される。すなわち、このアプローチは、選択圧下にて自己で最適化する生物の能力を利用する。OptKnockフレームワークは、遺伝子欠失組合せの網羅的な算出を可能にする。これは、ネットワーク化学量論に基づいてバイオケミカル産生と細胞増殖との間の結合を強いる。最適な遺伝子/反応ノックアウトの同定は、ビレベル最適化問題の解決を必要とする。上記問題は、活性な反応のセットを選択し、その結果、生じるネットワークについての最適な増殖解決策が目的のバイオケミカルを過剰産生することである(Burgard et al., Biotechnol. Bioeng. 84:647-657 (2003))。 E.coli代謝のインシリコ化学量論モデルを使用して、これまでに例示し以下に記載されるような代謝経路に必須の遺伝子を同定し得る:例えば、米国特許公開 US 2002/0012939号、US 2003/0224363号、US 2004/0029149号、US 2004/0072723号、US 2003/0059792号、US 2002/0168654号、およびUS 2004/0009466号、ならびに米国特許第7,127,379号。本明細書中に開示されるように、OptKnock数学的フレームワークは、ピンポイントの遺伝子欠失に適用され得る。上記欠失は所望の生成物の増殖結合産生を導く。さらに、ビレベルOptKnock問題の解決は、唯一の欠失セットを提供する。意味のある解決策の全て、すなわち、増殖結合産生形成を導くノックアウトの全てのセットを挙げるために、整数カットと称される最適化技術が実行され得る。これは、上述したように、各反復時に、整数カットといわれるさらなる制約の取込みを用いてOptKnock問題を解決することを反復して必要とする。 本明細書中に開示されるように、p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の所望の活性をコードする核酸が、宿主生物へ導入され得る。いくつかの場合において、p−トルイル酸経路、テレフタル酸経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路の酵素またはタンパク質の活性を改変してp−トルイル酸、テレフタル酸または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートの産生を増加することが所望され得る。例えば、タンパク質または酵素の活性を増加させる公知の変位が、コーディング核酸分子へ導入され得る。さらに、最適化方法が、酵素またはタンパク質の活性を増加するために、および/または、阻害活性を低減させる(例えば、ネガティブ調節因子の活性を低減させる)ために、適用され得る。 このような最適化方法の1つが有向(directed)進化である。有向進化は、強力な手段である。これは、酵素の特性を改善および/または変更するために標的化された変位を特定の遺伝子へ導入することを含む。改善および/または変更された酵素は、多くの酵素改変体(例えば、>104)の自動化されたスクリーニングを可能にする高感度なハイスループットスクリーニングアッセイの開発および実行を介して同定され得る。変位誘発およびスクリーニングの反復ラウンドが、最適化された特性を有する酵素を産生するために実行される。変位誘発についての遺伝子の領域を同定することを補助し得るコンピュータアルゴリズムがまた開発されて、生成されることおよびスクリーニングされることを必要とする酵素改変体の数を顕著に減少させ得る。多様な改変体ライブラリを生成する際に効果的である多くの有向進化技術(レビューのために以下を参照のこと:Hibbert et al., Biomol.Eng 22:11-19 (2005); Huisman and Lalonde, In Biocatalysis in the pharmaceutical and biotechnology industries pgs. 717-742 (2007), Patel (ed.), CRC Press; Otten and Quax. Biomol.Eng 22:1-9 (2005).; and Sen et al., Appl Biochem.Biotechnol 143:212-223 (2007))が開発されており、これらの方法は、多くの酵素クラスにわたる広範な特性の改善に首尾よく適用されている。有向進化技術によって改善および/または変更された酵素の特徴としては、例えば以下が挙げられる:選択性/特異性(非天然の基質の変換にのために);温度安定性(非常に高い温度でのプロセッシングのために);pH安定性(より低いまたはより高いpH条件下でのバイオプロセッシングのために)基質または生成物の体制(高い生成物力価を得るために);結合(Km)(非天然の基質に結合する基質を広げることを含む。);阻害(Ki)(生成物、基質または重要な中間体による阻害を除くために);活性(kcat)(所望のフラックスを達成するために酵素反応速度を上昇させるために);発現レベル(タンパク質収量および経路全体のフラックスを増加させるために);酸素安定性(好気性条件下での空気感受性の酵素の操作のために);および、嫌気性活性(酸素の非存在下での好気性酵素の操作のために)。 特定の酵素の所望の特性を標的化するための遺伝子の変位誘発および多様化について、多くの例示的な方法が、開発されている。このような方法は、当該分野にて周知である。これらのいずれかを使用して、p−トルイル酸生合成経路、テレフタル酸生合成経路または(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート生合成経路の酵素またはタンパク質の活性を変更および/または最適化し得る。このような方法としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:epPCR(PCR反応におけるDNAポリメラーゼの忠実度を低減することによってランダムな点変位を導入する。)(Pritchard et al., J Theor.Biol. 234:497-509 (2005));Error−prone Rolling Circle Amplification(epRCA)(全体が環状のプラスミドをテンプレートとして使用し、ランダムな6mer(最後の2つのヌクレオチドにエンドヌクレアーゼ耐性チオリン酸が連結している。)を使用してプラスミドを増幅し(ここで、プラスミドはタンデムリピートにて再度環状化される。)、続いて細胞に形質転換するということを除いてepPCRと同様である。)(Fujii et al., Nucleic Acids Res. 32:e145 (2004); and Fujii et al., Nat. Protoc. 1:2493-2497 (2006));DNAまたはファミリーのシャッフリング(典型的には、ヌクレアーゼ(例えばDNaseまたはEndoV)を用いた、ランダムフラグメントのプールを生成するための2つ以上の改変体遺伝子の消化を含む。上記フラグメントは、DNAポリメラーゼの存在下にてアニーリングおよび伸長のサイクルによってリアセンブリされてキメラ遺伝子のライブラリを生成する。)(Stemmer, Proc Natl Acad Sci USA 91:10747-10751 (1994); and Stemmer, Nature 370:389-391 (1994));時差伸長(Staggered Extension)(StEP)(テンプレートのプライミングを行い、続いて、変性および非常に短いアニーリング/伸長の期間(約5秒間)の2ステップPCRの反復サイクルを行う。)(Zhao et al., Nat. Biotechnol. 16:258-261 (1998));ランダムプライミングリコンビネーション(RPR)(ランダムな配列のプライマーを使用して、テンプレートの種々のセグメントに相補的な多くの短いDNAフラグメントを生成する。)(Shao et al., Nucleic Acids Res 26:681-683 (1998))。 さらなる方法としては以下が挙げられる:ヘテロ二重鎖リコンビネーション(線状プラスミドDNAを用いてミスマッチリペアによって修復されたヘテロ二重鎖を形成する。)(Volkov et al, Nucleic Acids Res. 27:e18 (1999); and Volkov et al., Methods Enzymol. 328:456-463 (2000));一時的なテンプレートに対するランダムなキメラ誘発(Random Chimeragenesis on Transient Templates)(RACHITT)(一本鎖DNAの、DNase Iフラグメンテーションおよびサイズ分画を使用する。)(Coco et al., Nat. Biotechnol. 19:354-359 (2001));短縮化したテンプレートに対するリコンビナント伸長(Recombined Extension on Truncated templates)(RETT)(フラグメントのプールとして使用される一方向ssDNAフラグメントの存在下で、プライマーから一方向に成長する鎖のテンプレートスイッチを引き起こす。)(Lee et al., J. Molec. Catalysis 26:119-129 (2003));変性オリゴヌクレオチド遺伝子シャッフリング(DOGS)(変性プライマーを使用して分子間のリコンビネーションを制御する)(Bergquist and Gibbs, Methods Mol.Biol 352:191-204 (2007); Bergquist et al., Biomol.Eng 22:63-72 (2005); Gibbs et al., Gene 271:13-20 (2001));ハイブリッド酵素の生成のための増大した短縮化(Incremental Truncation for the Creation of Hybrid Enzymes)(ITCHY)(目的の遺伝子または遺伝子フラグメントの1塩基対欠失を有するコンビナトリアルライブラリの生成)(Ostermeier et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96:3562-3567 (1999); and Ostermeier et al., Nat. Biotechnol. 17:1205-1209 (1999));ハイブリッド酵素の生成のためのチオ増大した(Thio−Incremental)短縮化(THIO−ITCHY)(ホスホチオネートdNTPを用いて短縮化を生成することを除いてITCHYと同様である。)(Lutz et al., Nucleic Acids Res 29:E16 (2001));SCRATCHY(遺伝子を再結合させるための、ITCHYおよびDNAシャッフリングの2つの方法を結合する。)(Lutz et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98:11248-11253 (2001));ランダムドリフト変位誘発(RNDM)(epPCRを介して作製した変位に続いて、残存する利用可能な活性をスクリーニング/選択する。)(Bergquist et al., Biomol. Eng. 22:63-72 (2005));配列飽和変位誘発(SeSaM)(ホスホチオネートヌクレオチドのランダム組込みおよび消化を用いてランダムな長さのフラグメントのプールを生成するランダム変位誘発法であり、上記フラグメントをテンプレートとして用いて、「ユニバーサル」塩基(例えば、イノシン)の存在下で伸長させ、イノシン含有相補体の複製がランダムな塩基の組込みを生じ、結果として変位誘発を生じる。)(Wong et al., Biotechnol. J. 3:74-82 (2008); Wong et al., Nucleic Acids Res. 32:e26 (2004); and Wong et al., Anal. Biochem. 341:187-189 (2005));合成シャッフリング(「標的中の遺伝的多様性の全て」をコードするように設計された重複オリゴヌクレオチドを用い、シャッフルした子孫について非常に高い多様性を可能にする。)(Ness et al., Nat. Biotechnol. 20:1251-1255 (2002));ヌクレオチド交換および切除技術(NexT)(dUTP組込み、引き続くウラシルDNAグリコシラーゼでの処理、次いでピペリジンでの処理の組合せを使用して、末端でのDNAフラグメント化を実行する。)(Muller et al., Nucleic Acids Res. 33:e117 (2005))。 さらなる方法は、配列相同性非依存的タンパク質組換え(SHIPREC)(ここで、線形を使用して、距離的に関連するかまたは関連しない2つの遺伝子の間での融合を容易にし、この2つの遺伝子の間で特定の範囲のキメラを生成し、単一のクロスオーバーハイブリッドのライブラリを生じる(Sieber et al., Nat. Biotechnol. 19:456-460 (2001)。);遺伝子部位飽和変位誘発(GSSMTM)(ここで、出発物質は、インサートを含むスーパーコイルの二本鎖DNA(dsDNA)プラスミド、および所望の部位の変位誘発を生成する2つのプライマーを含む(Kretz et al., Methods Enzymol. 388:3-11 (2004)。);コンビナトリアルカセット変位誘発(CCM)(これは、制限された領域を多数のアミノ酸配列変更と置換する短いオリゴヌクレオチドカセットの使用を含む(Reidhaar-Olson et al. Methods Enzymol. 208:564-586 (1991)およびReidhaar-Olson et al. Science 241:53-57 (1988)。);コンビナトリアルマルチカセット変位誘発(CMCM)(これは、CCMと実質的に同様であり、ホットスポットおよびホットリージョンを同定するために高変異率でepPCRを使用し、次いで、タンパク質配列スペースの規定された領域をカバーするためにCMCMによる伸長を使用する(Reetz et al., Angew. Chem. Int. Ed Engl. 40:3589-3591 (2001)。);変位系統技術(Mutator Strains technique)(ここで、コンビナトリアルtsミューテータプラスミド、DNAポリメラーゼIIIの変位体サブユニットをコードするmutD5遺伝子を利用し、選択の間のランダムかつ天然の変位頻度を20〜4000×に増加することを可能にし、選択が必要とされない場合、有害な変位の集積をブロックする(Selifonova et al., Appl. Environ. Microbiol. 67:3645-3649 (2001)); Low et al., J. Mol. Biol. 260:359-3680 (1996)。)を含む。 さらなる例示的方法としては、Look−Through変位誘発(LTM)(これは、選択されたアミノ酸の変位を評価しかつ最適化する多次元の変位誘発方法である(Rajpal et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102:8466-8471 (2005)。);遺伝子リアセンブリ(これは、複数の遺伝子に一時に適用され得るか、単一遺伝子のキメラ(複数の変位)の大きなライブラリを生成するためのDNAシフト法である(Tunable GeneReassemblyTM(TGRTM)。この技術はVerenium Corporationによって供給される。)、インシリコタンパク質設計自動化(PDA)(これは、特定のフォールドを処理する構造的に規定されたタンパク質骨格をアンカリングする最適化アルゴリズムであり、タンパク質エネルギー論の全体を安定化し得るアミノ酸置換についての配列スペースを探索し、一般に三次元構造とともにタンパク質に対して最も効率的に作用する(Hayes et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99:15926-15931 (2002)。);ならびに、反復飽和変位誘発(ISM)(これは、酵素改善のための類似部位を選択するための構造/機能の知識を用いること、変位誘発法(例えば(Stratagene;San Diego CA))を用いて選択した部位で飽和変位誘発を行うこと、所望の特性についてスクリーニング/選択すること、そして改善したクローンを用いること、別の部位で開始して所望の活性が達成されるまで連続して反復すること(Reetz et al., Nat. Protoc. 2:891-903 (2007); and Reetz et al., Angew. Chem. Int. Ed Engl. 45:7745-7751 (2006)))を含む。 変位誘発について上述した方法のいずれかが、単独でかまたは任意の組合せにて使用され得る。さらに、有向進化のいずれか1つまたは組合せが、本明細書中に記載されるような適応性の進化技術と組み合わせて使用され得る。 本発明の種々の実施形態の活性に実質的に影響を与えない改変もまた、本明細書中で提供される本発明の規定の範囲内に含まれることが理解される。したがって、以下の実施例は、本発明の例が意図とされ、本発明を限定しない。 〔実施例1〕 (2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを生成するための例示的経路 本実施例は、テレフタル酸(PTA)前駆体(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート(2H3M4OP)を生成するための例示的経路を記載する。 p−トルイル酸経路およびPTA経路に対する前駆体は2H3M4OPである。この化学物質は、図1に示すような3つの酵素ステップにおける主要な代謝物であるグリセルアルデヒド−3−ホスフェ−ト(G3P)およびピルビン酸から誘導され得る。最初の2つのステップは、E. coli、および他の生物に対して天然であり、上記生物は、イソプレンの生合成のためのメチルエリトリトールホスフェート(非メバロン酸)経路を利用する。ピルビン酸およびG3Pは、まず、DXPシンターゼによって1−デオキシ−D−キシルロース5−ホスフェート(DXP)を形成するために縮合される。その後の炭素骨格の還元および再構成は、DXPレダクトイソメラーゼによって触媒される。最後に、新規なジオールデヒドラターゼは、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートをp−トルイル酸前駆体である2H3M4OPへ転換する。 A.1−デオキシキシルロース−5−ホスフェート(DXP)シンターゼ。ピルビン酸およびG3Pは、DXPシンターゼ(EC 2.2.1.7)によってDXPを形成するため縮合される。この酵素は、イソプレンの生合成のための非メバロン酸経路における最初のステップを触媒する。上記酵素は、補因子としてチアミンジホスフェートを必要とし、正価レドックス変化は存在しないが、還元型FADもまた必要とする。E.coli酵素の結晶構造は利用可能である(Xiang et al., J. Biol. Chem. 282:2676-2682 (2007)(doi:M610235200, pii;10.1074/jbc.M610235200 doi)。M. tuberculosis(Bailey et al., Glycobiology 12:813-820 (2002))およびAgrobacterium tumefaciens(Lee et al., J. Biotechnol. 128:555-566 (2007)(doi:S0168-1656(06)00966-7, pii;10.1016/j.jbiotec.2006.11.009, doi)において、他の酵素がクローニングされ、特徴付けられている。B.subtilisおよびSynechocystis sp.PCC 6803由来のDXPシンターゼ酵素が、E.coliにクローニングされている(Harker and Bramley, FEBS Lett. 448:115-119 (1999)(doi:S0014-5793(99)00360-9, pii)。 B.1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼ(EC 1.1.1.267)。第2のステップにおいて、1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェート(DXP)の2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートへのNAD(P)H依存性の還元および再構成は、DXPレダクトイソメラーゼ(DXR,EC 1.1.1.267)によって触媒される。NADPH依存性のE.coli酵素はdxrによってコードされる(Takahashi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:9879-9884 (1998))。E.coliにおいて、Arabidopsis thaliana由来のリコンビナント酵素は、機能的に発現させられた(Carretero-Paulet et al., Plant Physiol. 129:1581-1591 (2002)(doi:10.1104/pp.003798 (doi)。Zymomonas mobilisおよびMycobacterium tuberculosis由来のDXR酵素は特徴付けられ、結晶構造が利用可能である(Grolle et al., FEMS Microbiol. Lett. 191:131-137 (2000)(doi:S0378-1097(00)00382-7, pii); Henriksson et al., Acta Crystallogr. D. Biol. Crystallogr. 62:807-813 (2006)(doi:S0907444906019196, pii;10.1107/S0907444906019196, doi)。特徴付けられたDXR酵素のほとんどが、厳密にNADPH依存性である。しかし、A.thalianaおよびM.tuberculosisからの酵素は、低減した速度でNADHと反応する(Argyrou and Blanchard, Biochemistry 43:4375-4384 (2004)(doi:10.1021/bi049974k, doi); Rohdich et al., FEBS J. 273:4446-4458 (2006)(doi:EJB5446, pii;10.1111/j.1742-4658.2006.05446.x, doi.)。 C.2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼ。2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートをp−トルイル酸前駆体に転換するために、ジオールデヒドラターゼが必要とされる(Altmiller and Wagner, Arch. Biochem. Biophys. 138:160-170 (1970))。この変換は、実験的に実証されていないが、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(EC 4.2.1.9)、プロパンジオールデヒドラターゼ(EC 4.2.1.28)、グリセロールデヒドラターゼ(EC 4.2.1.30)およびミオイノシトースデヒドラターゼ(EC 4.2.1.44)を含むいくつかの酵素が、同様の転換を触媒する。 二級ジオール2,3−ブタンジオールを2−ブタノンへ転換し得るジオールデヒドラターゼまたはプロパンジオールデヒドラターゼ酵素(EC 4.2.1.28)は、この転換のための優秀な候補である。アデノシルコバラミン依存性のジオールデヒドラターゼは、αサブユニット、βサブユニットおよびγサブユニットを含む。これらのサブユニットの全てが、酵素機能に必要とされる。例示的な遺伝子候補は、Klebsiella pneumoniae(Tobimatsu et al., Biosci. Biotechnol. Biochem. 62:1774-1777 (1998); Toraya et al.,. Biochem. Biophys. Res. Commun. 69:475-480 (1976))、Salmonella typhimurium(Bobik et al., J. Bacteriol. 179:6633-6639 (1997))、Klebsiella oxytoca(Tobimatsu et al., J. Biol. Chem. 270:7142-7148 (1995)およびLactobacillus collinoides(Sauvageot et al., FEMS Microbiol. Lett. 209:69-74 (2002))に見出される。他の生物におけるジオールデヒドラターゼ遺伝子候補を単離するための方法は、当該分野にて周知である(例えば、米国特許第5,686,276号参照)。 グリセロールデヒドラターゼファミリーにおける酵素(EC 4.2.1.30)はまた、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートを脱水するために使われ得る。例示的な遺伝子候補は、Klebsiella pneumoniaeにおいてgldABCおよびdhaB123((WO 2008/137403)および(Toraya et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 69:475-480 (1976))、Clostridium pasteuranumにおいてdhaBCE(Macis et al., FEMS Microbiol Lett. 164:21-28 (1998))ならびにCitrobacter freundiiにおいてdhaBCEによってコードされる(Seyfried et al., J. Bacteriol. 178:5793-5796 (1996))。K.pneumoniaeに由来する、80倍〜336倍増強された活性を有するB12依存性ジオールデヒドラターゼの改変体は、最近、βサブユニットの2残基に変異を導入することによって操作された(Qi et al., J. Biotechnol. 144: 43-50 (2009) (doi: S0168-1656(09)00258-2, pii; 10.1016/j.jbiotec.2009.06.015, doi)。不活性化の動力学を減少させられたジオールデヒドラターゼ酵素が、error−prone PCRを用いて、デュポン(DuPont)によって開発した(WO 2004/056963)。 B12依存性ジオールデヒドラターゼを利用する場合、対応する再活性化因子の異種性の発現が推奨される。B12依存性ジオールデヒドラターゼは、基質およびいくつかの下流産物による、メカニズムベースの自殺活性に供される。不活性化コバラミンとの強い結合によって生じる不活性化は、ATP依存的なプロセスにおけるジオールデヒドラターゼ再活性化因子によって部分的に克服され得る。B12補因子の再生は、さらなるATPを必要とする。ジオールデヒドラターゼ再生因子は、2つのサブユニットのタンパク質である。Klebsiella oxytoca(Mori et al., J. Biol. Chem. 272:32034-32041 (1997))、Salmonella typhimurium(Bobik et al., J. Bacteriol. 179:6633-6639 (1997); Chen et al., J. Bacteriol. 176:5474-5482 (1994))、Lactobacillus collinoides(Sauvageot et al., FEMS Microbiol. Lett. 209:69-74 (2002))およびKlebsiella pneumonia(WO 2008/137403)において例示的な候補が見出される。 B12依存性ジオールデヒドラターゼ酵素は、補因子としてS−アデノシルメチオニン(SAM)を利用する(Frey et al., Chem. Rev. 103:2129-2148 (2003))。グリセロールデヒドロゲナーゼ、およびClostridium butyricumの対応する活性化因子(dhaB1およびdhaB2にコードされる)が、十分に特徴付けられている(O'Brien et al., Biochemistry 43:4635-4645 (2004); Raynaud et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA 100:5010-5015 (2003))。この酵素は、最近、E.coliの1,3−プロパンジオールを過剰に産生する系統において使用され、産物の非常に高い力価を達成し得た(Tang et al., Appl. Environ. Microbiol. 75:1628-1634 (2009)(doi:AEM.02376-08, pii;10.1128/AEM.02376-08, doi)。Roseburia inulinivorans由来のさらなるB12非依存性ジオールデヒドラターゼ酵素および活性化因子が、2,3−ブタンジオールの2−ブタノンへの転換を触媒することが示された(米国特許公開US 2009/09155870号)。 ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(DHAD, EC 4.2.1.9)は、分枝鎖アミノ酸の生合成に関与するB12非依存性の酵素である。この酵素の天然の役割において、2,3−ジヒドロキシ−3−メチルバレラートをイソロイシンの前駆体である2−ケト−3−メチル−バレラートへ転換する。バリンの生合成において、上記酵素は、2,3−ジヒドロキシ−イソバレラートの2−オキソイソバレラートへの脱水を触媒する。Sulfolobus solfataricus由来のDHADは、広い基質範囲を有する。E.coliに発現されたリコンビナント酵素の活性が、種々のアルドン酸に対して実証された(Kim and Lee, J. Biochem. 139:591-596 (2006)(doi:139/3/591, pii;10.1093/jb/mvj057, doi)。S.solfataricusの酵素は、多くのジオールデヒドラターゼ酵素と異なり、酸素に耐性である。E.coli酵素(ilvDにコードされた)は、酸素に感受性であり、その鉄−硫黄クラスターを不活性化する(Flint et al., J. Biol. Chem. 268:14732-14742 (1993))。同様の酵素が、Neurospora crassa(Altmiller and Wagner, Arch. Biochem. Biophys. 138:160-170 (1970))およびSalmonella typhimurium(Armstrong et al., Biochim. Biophys. Acta 498:282-293 (1977))において特徴付けられている。 ジオールデヒドラターゼmyo−イノソース−2−デヒドラターゼ(EC 4.2.1.44)は別の例示的候補である。myo−イノソースは、近接したアルコール基を含む六員環である。myo−イノソース−2−デヒドラターゼをコードする精製された酵素は、myo−イノソースの崩壊の観点で、Klebsiella aerogenesにおいて機能的に研究されているが、今日まで、遺伝子と関連付けられていない(Berman and Magasanik, J. Biol. Chem. 241:800-806 (1966))。Sinorhizobium frediiのmyo−イノソース−2−デヒドラターゼがクローニングされており、E.coliに機能的に発現されている(Yoshida et al., Biosci .Biotechnol. Biochem. 70:2957-2964 (2006)(doi:JST.JSTAGE/bbb/60362, pii)。B.subtilis由来の同様の酵素(iolEにコードされる)もまた、研究されている(Yoshida et al., Microbiology 150:571-580 (2004))。 〔実施例2〕 シキミ酸経路酵素によって(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートからp−トルイル酸を合成するための例示的経路。 本実施例は、シキミ酸経路酵素を用いたp−トルイル酸の合成のための例示的な経路を記載する。 p−トルイル酸の化学構造は、p−ヒドロキシ安息香酸(電子キャリアユビキノンの前駆体)と非常に近似している。4−ヒドロキシ安息香酸は、シキミ酸経路における酵素によって主要代謝性前駆体から合成され、細菌、植物および真菌に見出される。シキミ酸経路は、D−エリトロース−4−ホスフェート(E4P)およびホスホエノールピルビン酸(PEP)をコリスメートに転換する7つの酵素ステップから構成される。経路酵素としては、2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプトン酸シンターゼ(DAHP)シンターゼ、デヒドロキネート(DHQ)シンターゼ、DHQデヒドラターゼ、シキミ酸デヒドロゲナーゼ、シキミ酸キナーゼ、5−エノルピルビニルシキミ酸−3−リン酸(EPSP)シンターゼおよびコリスメートシンターゼが挙げられる。上記経路の最初のステップにおいて、DAHPシンターゼによってD−エリトロース−4−ホスフェートおよびホスホエノールピルビン酸が結合されて、3−デオキシ−D−アラビノ−ヘプツロン酸−7−ホスフェートが形成される。この化合物は、次いで、脱リン酸、脱水および還元されて、シキミ酸が形成される。シキミ酸は、以下の3つの酵素の作用によってコリスメートに転換される:シキミ酸キナーゼ、3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼおよびコリスメートシンターゼ。引き続く、コリスメートの4−ヒドロキシ安息香酸への変換は、コリスメートリアーゼによって触媒される。 p−トルイル酸の合成は、図2に示すような類似した様式で進行する。この経路は、PEPおよび2H3M4OP(E4Pの3−ヒドロキシル基の代わりにメチル基を有するE4Pに類似した化合物)を用いて開始する。E4Pのヒドロキシル基は、シキミ酸経路の反応の化学作用に直接的に関与しない。よって、メチルに置換された2H3M4OP前駆体は、代替の基質として反応することが予想される。有向進化すなわち適応性進化を用いて、基質としての2H3M4OPおよび下流の派生物に対する嗜好を改良し得る。このような方法は、当該分野において周知である。 シキミ酸経路酵素を介したフラックスの効率を改善するための系統操作戦略もまた、本実施例において適用可能である。経路前駆体であるPEPのアベイラビリティを、グルコース輸送システムを変更することにより、増加し得る(Yi et al., Biotechnol. Prog. 19:1450-1459 (2003)(doi:10.1021/bp0340584, doi)。フィードバック非感受性アイソザイムである3−デオキシ−D−アラビノヘプツロン酸−7−ホスフェートシンターゼの過剰発現によって、4−ヒドロキシ安息香酸過剰産生系統を操作して、シキミ酸経路を介したフラックスを改良した(Barker and Frost, Biotechnol. Bioeng. 76:376-390 (2001)(doi:10.1002/bit.10160, pii)。さらに、シキミ酸経路酵素およびコリスメートリアーゼの発現レベルを増強した。同様の戦略が、p−トルエン酸の過剰産生のための系統において使用され得る。 A.2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプツロン酸シンターゼ(EC 2.5.1.54)。D−エリトロース−4−ホスフェートおよびホスホエノールピルビン酸の縮合は、2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプツロン酸(DAHP)シンターゼ(EC 2.5.1.54)によって触媒される。この酵素の3つのイソ酵素は、E.coliのゲノムにおいて、aroG、aroFおよびaroHによってコードされ、それぞれフェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファンによってフィードバック阻害を受ける。最小限の培地上にて増殖された野生型細胞において、aroG、aroFおよびaroHの遺伝子産物はそれぞれ、DAHPシンターゼ活性の80%、20%および1%に寄与した(Hudson and Davidson, J. Mol. Biol. 180:1023-1051 (1984)(doi:0022-2836(84)90269-9, pii)。AroGの2つの残基は、フェニルアラニンによる阻害を除去することが見出された(Kikuchi et al., Appl. Environ. Microbiol. 63:761-762 (1997))。チロシンによるAroFのフィードバク阻害が、1塩基対交換によって除去された(Weaver and Herrmann, J. Bacteriol. 172:6581-6584 (1990))。E.coliの4−ヒドロキシ安息香酸を過剰産生する系統において、チロシン非感受性DAHPシンターゼを過剰発現させた(Barker and Frost, Biotechnol. Bioeng. 76:376-390 (2001)(doi:10.1002/bit.10160, pii)。aroG遺伝子産物が、種々の代替の4−炭素鎖(carbon length)基質および5−炭素鎖基質を受容することが示された(Sheflyan et al., J. Am. Chem. Soc. 120(43):11027-11032 (1998); Williamson et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 15:2339-2342 (2005)(doi:S0960-894X(05)00273-8, pii;10.1016/j.bmcl.2005.02.080, doi)。上記酵素は、D−エリトロース−4−ホスフェートと類似した基質(しかし2位におけるアルコールを欠く。)である(3S)−2−デオキシエリトロース−4−ホスフェートと効率的に反応する(Williamson et al., supra 2005)。Helicobacter pyloriおよびPyrococcus furiosusに由来する酵素もまた、この代替の基質を受容し(Schofield et al., Biochemistry 44:11950-11962 (2005)(doi:10.1021/bi050577z, doi; Webby et al., Biochem. J. 390:223-230 2005)(doi:BJ20050259, pii;10.1042/BJ20050259, doi)、E.coliにおいて発現されている。DAHPシンターゼの進化した改変体(野生種E.coliのAroG酵素と7つのアミノ酸異なる。)は、Kcat/KMが60倍改善することを示すことが示されている(Ran and Frost, J. Am. Chem. Soc. 129:6130-6139 (2007)(doi:10.1021/ja067330p, doi)。 B.3−デヒドロキネートシンターゼ(EC 4.2.3.4)。図2に示すような基質(2)(2,4−ヒドロキシ-5−メチル−6−[[(ホスホノオキシ)メチル]オキサン−2−カルボキシレート)の基質(3)(1,3−ジヒドロキシ−4−メチルシクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート)への脱リン酸化は、3−デヒドロキネートシンターゼによる3−デオキシ−アラビノ−ヘプツロン酸−7−ホスフェートの脱リン酸化に類似している。上記酵素は、E.coli(Mehdi et al., Methods Enzymol. 142:306-314 (1987)、B.subtilis(Hasan and Nester, J. Biol. Chem. 253:4999-5004 (1978))、およびMycobacterium tuberculosis H37Rv(de Mendonca et al., J. Bacteriol. 189:6246-6252 (2007)(doi:JB.00425-07, pii;10.1128/JB.00425-07, doi)において特徴付けられている。上記E.coli酵素は、L−チロシンによって阻害を受ける(Barker and Frost, Biotechnol. Bioeng. 76:376-390 2001)(doi:10.1002/bit.10160, pii)。 C。3−デヒドロキネートデヒドラターゼ(EC 4.2.1.10)。3−デヒドロキネートデヒドラターゼ(「3−デヒドロキナーゼ(DHQase)」とも称される。)は、図2のp−トルエンサン経路におけるステップCに類似する、3−デヒドロキネートの3−デヒドロシキミ酸への脱水を天然に触媒する。DHQase酵素は、メカニズム、立体化学および配列相同性に基づいて2つのクラスに分けられ得る(Gourley et al., Nat. Struct. Biol. 6:521-525. (1999)(doi:10.1038/9287, doi)。一般に、1型酵素が生合成に関与し、2型酵素が逆(崩壊的)方向に作用する。E.coli(Kinghorn et al., Gene 14:73-80. 1981)(doi:0378-1119(81)90149-9, pii)、Salmonella typhi(Kinghorn et al., supra 1981; Servos et al., J. Gen. Microbiol. 137:147-152 (1991))、およびB.subtilis(Warburg et al., Gene 32:57-66 1984)(doi:0378-1119(84)90032-5, pii)に由来する1型酵素が、クローニングされ、特徴付けられている。例示的な3−デヒドロキネートデヒドラターゼ2型酵素は、Mycobacterium tuberculosis、Streptomyces coelicolor(Evans et al., FEBS Lett. 530:24-30 (2002))およびHelicobacter pylori(Lee et al., Proteins 51:616-7 (2003))に見出される。 D.シキミ酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.25)。シキミ酸デヒドロゲナーゼは、図2のステップDに類似した、3−デヒドロシキミ酸のシキミ酸へのNAD(P)H依存性の還元を触媒する。E.coliのゲノムは、シキミ酸デヒドロゲナーゼの2つのパラログをコードし、これらは異なる補因子特性を有する。aroEによってコードされる酵素は、NADPH特異的であり、ydiB遺伝子産物は補因子としてNADHまたはNADPHを利用するキネート/シキミ酸デヒドロゲナーゼであり、ここで補因子としてNADHが好ましい(Michel et al., J. Biol. Chem. 278:19463-19472 (2003)(doi:10.1074/jbc.M300794200, doi;M300794200, pii)。Mycobacterium tuberculosis(Zhang et al., J. Biochem. Mol. Biol. 38:624-631 (2005))、Haemophilus influenzae(Ye et al., J. Bacteriol. 185:4144-4151 (2003))、およびHelicobacter pylori(Han et al., FEBS J. 273:4682-4692 (2006)(doi:EJB5469, pii;10.1111/j.1742-4658.2006.05469.x, doi)に由来するNADPH依存性酵素が、E.coliにおいて機能的に発現されている。 E.シキミ酸キナーゼ(EC 2.7.1.71)。シキミ酸キナーゼは、図2のステップEに類似した、シキミ酸の3−ヒドロキシル基のATP依存性のリン酸化を触媒する。E.coliにおいて、2つのシキミ酸キナーゼ酵素が、aroK(SK1)およびaroL(SK2)によってコードされる(DeFeyter and Pittard, J. Bacteriol. 165: 331-333 (1986); Lobner-Olesen and Marinus, J. Bacteriol. 174: 525-529 (1992))。aroLによってコードされるSK2のKmは、SK1のKmよりも100倍低い。このことは、この酵素が芳香族の生合成を担っているということを示している(DeFeyter et al., supra 1986)。Mycobacterium tuberculosis(Gu et al., J. Mol. Biol. 319:779-789 (2002)(doi:10.1016/S0022-2836(02)00339-X, doi;S0022-2836(02)00339-X, pii); Oliveira et al., Protein Expr. Purif. 22:430-435 (2001)(doi:10.1006/prep.2001.1457, doi;S1046-5928(01)91457-3, pii), Helicobacter pylori(Cheng et al., J. Bacteriol. 187:8156-8163 (2005)(doi:187/23/8156, pii;10.1128/JB.187.23.8156-8163.2005, doi)、およびErwinia chrysanthemi(Krell et al., Protein Sci. 10:1137-1149 (2001)(doi:10.1110/ps.52501, doi)に由来するさらなるシキミ酸キナーゼ酵素が、E.coliにおいてクローニングされている。 F.3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼ(EC 2.5.1.19)。3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼ(5−エノルピルビニルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ(EPSPS)としても知られている。)は、ホスホエノールピルビン酸のエノールピルビン酸部分を、シキミ酸−3−リン酸の5−ヒドロキシルへの移動を触媒する。上記酵素は、E.coliにおいてaroAによってコードされる(Anderson et al., Biochemistry 27:1604-1610 (1988))。Mycobacterium tuberculosis(Oliveira et al., Protein Expr. Purif. 22:430-435 (2001)(doi:10.1006/prep.2001.1457, doi;S1046-5928(01)91457-3, pii)、Dunaliella salina(Yi et al., J. Microbiol. 45:153-157 (2007)(doi:2519, pii)、およびStaphylococcus aureus(Priestman et al., FEBS Lett. 579:728-732 (2005)(doi:S0014-5793(05)00012-8, pii;10.1016/j.febslet.2004.12.057, doi)に由来するEPSPS酵素は、E.coliにおいてクローニングされ、機能的に発現されている。 G.コリスメートシンターゼ(EC 4.2.3.5)。コリスメートシンターゼは、シキミ酸経路における7番目の酵素であり、5−エノルピルビニルシキミ酸−3−リン酸のコリスメートへの変換を触媒する。上記酵素の正価反応は、レドックスの変化を含まないが、上記酵素は、補因子として還元型フラビンモノヌクレオチド(FMN)を必要とする。植物および細菌においてみられる酵素とは対照的に、真菌におけるコリスメートシンターゼはまた、NADPHを消費してFMNを還元し得る(Macheroux et al., Planta 207:325-334 (1999))。E.coli(White et al., Biochem. J. 251:313-322 (1988))、およびStreptococcus pneumoniae(Maclean and Ali, Structure 11:1499-1511 (2003) (doi:S0969212603002648, pii)のaroCによって、代表的な一官能性の酵素がコードされる。Neurospora crassa(Kitzing et al., J. Biol. Chem. 276:42658-42666 (2001)(doi:10.1074/jbc.M107249200, doi;M107249200, pii)およびSaccharomyces cerevisiae (Jones et al., Mol. Microbiol. 5:2143-2152 (1991))において、二官能性の真菌酵素が見出される。 H.コリスメートリアーゼ(EC 4.1.3.40)。コリスメートリアーゼは、ユビキノン生合成の最初の重要な(committed)ステップを触媒する:4−ヒドロキシ安息香酸を形成するためのコリスメートからのピルビン酸の除去。この酵素反応は、4−ヒドロキシ安息香酸生成物の徐放によって速度が制限されている(Gallagher et al., Proteins 44:304-311 (2001)(doi:10.1002/prot.1095, pii)。これは、下流の膜結合酵素へ4−ヒドロキシ安息香酸を送達する役割を担っていると考えられる。E.coliのコリスメートリアーゼが、クローニングされ、特徴付けられており、上記酵素は、結晶化されている(Gallagher et al., supra 2001; Siebert et al., FEBS Lett. 307:347-350 (1992)(doi:0014-5793(92)80710-X, pii)。構造面での研究は、G90残基を生成物阻害に寄与するものとして関連付けている(Smith et al., Arch. Biochem. Biophys. 445:72-80 (2006)(doi:S0003-9861(05)00446-7, pii;10.1016/j.abb.2005.10.026, doi)。表面活性な2つのシステイン残基の改変は、タンパク質の凝集を低減する(Holden et al., Biochim. Biophys. Acta 1594:160-167 (2002)(doi:S0167483801003028, pii)。Mycobacterium tuberculosisのコリスメートリアーゼのリコンビナント形態が、E.coliにおいてクローニングされ、特徴付けられている(Stadthagen et al., J. Biol. Chem. 280:40699-40706 2005)(doi:M508332200, pii;10.1074/jbc.M508332200, doi)。 B〜F.多機能性AROMタンパク質。ほとんどの細菌において、シキミ酸経路の酵素は、別々のポリペプチドによってコードされる。真核生物の微生物において、5つの酵素機能が、5官能性の超遺伝子(supergene)によってコードされる多機能性タンパク質によって触媒される(Campbell et al., Int. J. Parasitol. 34:5-13 (2004)(doi:S0020751903003102, pii)。多機能性のAROMタンパク質複合体は、図2の反応B〜Fに類似した反応を触媒する。AROMタンパク質複合体は、Aspergillus nidulans、Neurospora crassa、Saccharomyces cerevisiae、およびPneumocystis cariniiを含む真菌において特徴付けられている(Banerji et al., J. Gen. Microbiol. 139:2901-2914 (1993); Charles et al., Nucleic Acids Res. 14:2201-2213 (1986); Coggins et al., Methods Enzymol. 142:325-341 (1987); Duncan, K., Biochem. J. 246:375-386 (1987))。AROMのいくつかの成分が、個々のポリペプチドとして独立して機能することを示している。例えば、デヒドロキネートシンターゼ(DHQS)は、AROMのアミノ末端ドメインを形成し、E.coliにクローニングされると、独立して機能し得る(Moore et al., Biochem. J. 301 ( Pt 1):297-304 (1994))。Aspergillus nidulans由来のAROMの成分のいくつかの結晶構造は、触媒機構に対する洞察を提供する(Carpenter et al., Nature 394:299-302 (1998)(doi:10.1038/28431, doi)。 〔実施例3〕 p−トルイル酸のテレフタル酸への酵素的な転換のための例示的経路。 本実施例は、p−トルイル酸のテレフタル酸(PTA)への転換のための例示的経路を記載する。 図3に示すように、p−トルイル酸は、3つの酵素ステップにおいて、メチル基の酸への酸化によってPTAへ、さらに転換され得る。上記経路は、p−トルエートメチル−モノオキシゲナーゼレダクターゼ、4−カルボキシベンジルアルコールデヒドロゲナーゼおよび4−カルボキシルベンジルアルデヒドデヒドロゲナーゼから構成される。最初のステップにおいて、p−トルエートメチル−モノオキシゲナーゼレダクターゼは、O2の存在下でp−トルイル酸を4−カルボキシベンジルアルコールに酸化する。Comamonas testosteroni酵素(tsaBM)(この酵素は基質としての4−トルエンスルホナートとも反応する。)が精製されており、特徴付けられている(Locher et al., J. Bacteriol. 173:3741-3748 (1991))。4−カルボキシベンジルアルコールは、引き続いて、4−カルボキシベンジルアルコールデヒドロゲナーゼ(tsaC)によってアルデヒドに変換される。酸転換に対するアルデヒドは、4−カルボキシベンズアルデヒドデヒドロゲナーゼ(tsaD)によって触媒される。これらの反応を触媒する酵素は、Comamonas testosteroni T−2(炭素およびエネルギーの唯一の供給源としてp−トルイル酸を利用し得る生物)において見出される(Junker et al., J. Bacteriol. 179:919-927 (1997))。p−トルイル酸をPTAに転換するためのさらなる遺伝子は、特に、Burkholderia属、Alcaligenes属、Pseudomonas属、Shingomonas属およびComamonas属のプロテオバクテリアにおいて、配列相同性によって見出され得る(米国特許第6,187,569および米国特許公開US 2003/0170836号)。Comamonas testosteroni酵素に関連するGenbankの識別子を以下にリスト化する。 本願を通して、種々の刊行物が参照されている。本発明に関与する技術水準をより十分に記載するために、これらの刊行物の開示(GenBankおよびGI番号の公開を含む。)は、その全体が参考としてこの出願にて援用される。本発明は、上記にて提供された実施例を参照して記載されているが、本発明の精神から逸脱することなく、種々の改変がなされ得ることが理解されるべきである。グリセルアルデヒド−3−ホスフェ−トおよびピルビン酸から(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート(2H3M4OP)への例示的な経路の概略図を示している。G3Pはグリセルアルデヒド−3−ホスフェ−トであり、DXPは1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートであり、2ME4PはC−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートである。酵素は、(A)DXPシンターゼ;(B)DXPレダクトイソメラーゼおよび(C)2ME4Pデヒドロラターゼである。p−トルイル酸へのシキミ酸経路の例示的な代替の概略図を示している。酵素は、(A)2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプトン酸シンターゼ;(B)3−デヒドロキネートシンターゼ;(C)3−デヒドロキネートデヒドラターゼ(D)シキミ酸デヒドロゲナーゼ;(E)シキミ酸キナーゼ;(F)3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼ;(G)コリスメートシンターゼ;および(H)コリスメートリアーゼである。化合物は(1)(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート;(2)2,4−ヒドロキシ−5−メチル−6−[(ホスホノオキシ)メチル]オキサン−2−カルボキシレート;(3)1,3−ヒドロキシ−4−メチル−5−オキソシクロヘキサン−1−カルボキシレート;(4)5−ヒドロキシ−4−メチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート;(5)3,5−ジヒドロキシ−4−メチルシクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート;(6)5−ヒドロキシ−4−メチル−3−(ホスホノオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート;(7)5−[(1−カルボキシエ−1−エン−1−イル)オキシ]−4−メチル−3−(ホスホノオキシ)シクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート;(8)3−[(1−カルボキシエ−1−エン−1−イル)オキシ]−4−メチルシクロヘキサ−1,5−ジエン−1−カルボキシレート;および(9)P−トルイル酸である。p−トルイル酸をテレフタル酸(PTA)へ転換するための例示的な経路を示している。反応A、BおよびCはそれぞれ、p−トルエートメチル−モノオキシゲナーゼレダクターゼ、4−カルボキシベンジルアルコールデヒドロゲナーゼおよび4−カルボキシルベンジルアルデヒドデヒドロゲナーゼによって触媒される。示されている化合物は、(1)p−トルイル酸;(2)4−カルボキシベンジルアルコール;(3)4−カルボキシベンズアルデヒドおよび(4)テレフタル酸である。 (2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを産生するに十分な量にて発現された(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路酵素をコードする少なくとも1つの外因性核酸を含む、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路を有する微生物を含み、 上記(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路が、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼを含む、非天然の微生物。 上記(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路が、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼまたは1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼをさらに含む、請求項1に記載の非天然の微生物。 上記(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路が、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼおよび1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼをさらに含む、請求項1に記載の非天然の微生物。 3個の外因性核酸を含み、該3個の外因性核酸の各々が(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路酵素をコードする、請求項1に記載の非天然の微生物。 上記3個の外因性核酸が、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼ、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼおよび1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼをコードする、請求項4に記載の非天然の微生物。 上記少なくとも1つの外因性核酸が異種性の核酸である、請求項1に記載の非天然の微生物。 実質的に嫌気性である培養媒体中にある、請求項1に記載の非天然の微生物。 (2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを製造するための条件下で(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを製造するに十分な期間にわたって、請求項1に記載の非天然の微生物を培養する工程を含む、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネートを製造する方法。 上記非天然の微生物が実質的に嫌気性である培養媒体中にある、請求項8に記載の方法。 上記微生物が3個の外因性核酸を含み、該3個の外因性核酸の各々が(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路酵素をコードする、請求項8に記載の方法。 上記3個の外因性核酸が、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼ、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼおよび1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼをコードする、請求項10に記載の方法。 上記少なくとも1つの外因性核酸が異種性の核酸である、請求項8に記載の方法。 p−トルイル酸を産生するに十分な量で発現されたp−トルイル酸経路酵素をコードする少なくとも1つの外因性核酸を含む、p−トルイル酸経路を有する微生物を含み、 上記p−トルイル酸経路が、2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプトン酸シンターゼ;3−デヒドロキネートシンターゼ;3−デヒドロキネートデヒドラターゼ;シキミ酸デヒドロゲナーゼ;シキミ酸キナーゼ;3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼ;コリスメートシンターゼ;またはコリスメートリアーゼを含む、非天然の微生物。 2個の外因性核酸を含み、該2個の外因性核酸の各々がp−トルイル酸経路酵素をコードする、請求項13に記載の非天然の微生物。 3個の外因性核酸を含み、該3個の外因性核酸の各々がp−トルイル酸経路酵素をコードする、請求項13に記載の非天然の微生物。 4個の外因性核酸を含み、該4個の外因性核酸の各々がp−トルイル酸経路酵素をコードする、請求項13に記載の非天然の微生物。 5個の外因性核酸を含み、該5個の外因性核酸の各々がp−トルイル酸経路酵素をコードする、請求項13に記載の非天然の微生物。 6個の外因性核酸を含み、該6個の外因性核酸の各々がp−トルイル酸経路酵素をコードする、請求項13に記載の非天然の微生物。 7個の外因性核酸を含み、該7個の外因性核酸の各々がp−トルイル酸経路酵素をコードする、請求項13に記載の非天然の微生物。 8個の外因性核酸を含み、該8個の外因性核酸の各々がp−トルイル酸経路酵素をコードする、請求項13に記載の非天然の微生物。 上記8個の外因性核酸が、2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプトン酸シンターゼ;3−デヒドロキネートシンターゼ;3−デヒドロキネートデヒドラターゼ;シキミ酸デヒドロゲナーゼ;シキミ酸キナーゼ;3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼ;コリスメートシンターゼ;およびコリスメートリアーゼをコードする、請求項19に記載の非天然の微生物。 (2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路をさらに含む、請求項13に記載の非天然の微生物。 上記(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路が、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼ、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼまたは1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼを含む、請求項22に記載の非天然の微生物。 上記(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路が、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼ、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼおよび1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼを含む、請求項23に記載の非天然の微生物。 少なくとも1つの外因性核酸が異種性の核酸である、請求項13に記載の非天然の微生物。 実質的に嫌気性である培養媒体中にある、請求項13に記載の非天然の微生物。 p−トルイル酸を製造するための条件下でp−トルイル酸を製造するに十分な期間にわたって請求項13に記載の非天然の微生物を培養する工程を含む、p−トルイル酸を製造する方法。 上記微生物が実質的に嫌気性である培養媒体中にある、請求項27に記載の方法。 上記微生物が7個の外因性核酸を含み、該7個の外因性核酸の各々がp−トルイル酸経路酵素をコードする、請求項27に記載の方法。 上記7個の外因性核酸が、2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプトン酸シンターゼ;3−デヒドロキネートシンターゼ;3−デヒドロキネートデヒドラターゼ;シキミ酸デヒドロゲナーゼ;シキミ酸キナーゼ;3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼ;コリスメートシンターゼ;およびコリスメートリアーゼをコードする、請求項29に記載の方法。 上記微生物が(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路をさらに含む、請求項27に記載の方法。 上記(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路が、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼ、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼまたは1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼを含む、請求項31に記載の方法。 上記(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路が、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼ、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼおよび1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼを含む、請求項32に記載の方法。 上記少なくとも1つの外因性核酸が異種性の核酸である、請求項27に記載の方法。 テレフタル酸を産生するに十分な量で発現されたテレフタル酸経路酵素をコードする少なくとも1つの外因性核酸を含む、テレフタル酸経路を有する微生物を含み、 上記テレフタル酸経路が、p−トルエートメチル−モノオキシゲナーゼレダクターゼ;4−カルボキシベンジルアルコールデヒドロゲナーゼ;または4−カルボキシルベンジルアルデヒドデヒドロゲナーゼを含み、 上記微生物が、p−トルイル酸経路をさらに含み、 上記p−トルイル酸経路が、2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプトン酸シンターゼ;3−デヒドロキネートシンターゼ;3−デヒドロキネートデヒドラターゼ;シキミ酸デヒドロゲナーゼ;シキミ酸キナーゼ;3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼ;コリスメートシンターゼ;またはコリスメートリアーゼを含む、非天然の微生物。 2個の外因性核酸を含み、該2個の外因性核酸の各々がテレフタル酸経路酵素をコードする、請求項35に記載の非天然の微生物。 3個の外因性核酸を含み、該3個の外因性核酸の各々がテレフタル酸経路酵素をコードする、請求項35に記載の非天然の微生物。 上記3個の外因性核酸が、p−トルエートメチル−モノオキシゲナーゼレダクターゼ;4−カルボキシベンジルアルコールデヒドロゲナーゼ;および4−カルボキシルベンジルアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードする、請求項37に記載の非天然の微生物。 上記p−トルイル酸経路が、2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプトン酸シンターゼ;3−デヒドロキネートシンターゼ;3−デヒドロキネートデヒドラターゼ;シキミ酸デヒドロゲナーゼ;シキミ酸キナーゼ;3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼ;コリスメートシンターゼ;およびコリスメートリアーゼを含む、請求項35に記載の非天然の微生物。 (2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路をさらに含む、請求項35に記載の非天然の微生物。 上記(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路が、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼ、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼまたは1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼを含む、請求項40に記載の非天然の微生物。 上記(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路が、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼ、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼおよび1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼを含む、請求項41に記載の非天然の微生物。 上記少なくとも1つの外因性核酸が異種性の核酸である、請求項35に記載の非天然の微生物。 実質的に嫌気性である培養媒体中にある、請求項35に記載の非天然の微生物。 テレフタル酸を製造するための条件下でテレフタル酸を製造するに十分な期間にわたって請求項35に記載の非天然の微生物を培養する工程を含む、テレフタル酸を製造する方法。 上記非天然の微生物が実質的に嫌気性である培養媒体中にある、請求項45に記載の方法。 上記微生物が3個の外因性核酸を含み、該3個の外因性核酸の各々がテレフタル酸経路酵素をコードする、請求項45に記載の方法。 上記3個の外因性核酸が、p−トルエートメチル−モノオキシゲナーゼレダクターゼ;4−カルボキシベンジルアルコールデヒドロゲナーゼ;または4−カルボキシルベンジルアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードする、請求項47に記載の方法。 上記p−トルイル酸経路が、2−デヒドロ−3−デオキシホスホヘプトン酸シンターゼ;3−デヒドロキネートシンターゼ;3−デヒドロキネートデヒドラターゼ;シキミ酸デヒドロゲナーゼ;シキミ酸キナーゼ;3−ホスホシキメート−2−カルボキシビニルトランスフェラーゼ;コリスメートシンターゼ;およびコリスメートリアーゼを含む、請求項45に記載の方法。 上記微生物が(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路をさらに含む、請求項45に記載の方法。 上記(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路が、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼ、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼまたは1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼを含む、請求項50に記載の方法。 上記(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路が、2−C−メチル−D−エリトリトール−4−ホスフェートデヒドラターゼ、1−デオキシキシルロース−5−ホスフェートシンターゼおよび1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼを含む、請求項51に記載の方法。 上記少なくとも1つの外因性核酸が異種性の核酸である、請求項45に記載の方法。 本発明は、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路、p−トルイル酸経路および/またはテレフタル酸経路を有する非天然の微生物を提供する。本発明はさらに、(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−オキソブトキシ)ホスホネート経路、p−トルイル酸経路またはテレフタル酸経路を生成するために上記生物を使用する方法を提供する。