生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_ダルナビルの多形及びその製造方法
出願番号:2012546497
年次:2013
IPC分類:C07D 493/04,A61K 31/34,A61P 31/18


特許情報キャッシュ

マンジンデル シングフ プフルル ドハルマラジェ ラマチャンドラ ラオ ラジェンドラ ナラヤンラオ カンカン JP 2013516397 公表特許公報(A) 20130513 2012546497 20101006 ダルナビルの多形及びその製造方法 シプラ・リミテッド 511109180 石川 徹 100097456 マンジンデル シングフ プフルル ドハルマラジェ ラマチャンドラ ラオ ラジェンドラ ナラヤンラオ カンカン IN 33/MUM/2010 20100105 C07D 493/04 20060101AFI20130416BHJP A61K 31/34 20060101ALI20130416BHJP A61P 31/18 20060101ALI20130416BHJP JPC07D493/04 101CA61K31/34A61P31/18 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW GB2010001874 20101006 WO2011083287 20110714 15 20120627 4C071 4C086 4C071AA01 4C071BB01 4C071CC12 4C071EE05 4C071FF15 4C071HH05 4C071JJ01 4C071KK22 4C071LL01 4C086AA01 4C086AA02 4C086AA03 4C086BA03 4C086GA15 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA03 4C086ZB33 (発明の分野) 本発明は、ダルナビルの安定な多形形態に関する。より具体的には、ダルナビルの水和物形態及びその製造方法に関する。 (背景及び先行技術) ダルナビルは、化学的には(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル(1S,2R)-3-[[(4-アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]-1-ベンジル-2-ヒドロキシプロピルカルバマート(I)として知られ、ウイルスプロテアーゼ酵素を阻害することによるHIV感染の治療に使用される。 ダルナビル及びその製造方法について、EP0715618、W09967417、EP1725566及びBioorganic & Medicinal Chemistry Letters (2004), 14(4), 959-963に開示されている。 US20050250845は、ダルナビルの擬多形及びその製造方法を開示している。この出願によると、「擬多形」とは、その格子構造内に溶媒分子が取り込まれた化合物の結晶形態と定義される。該特許出願に開示される形態Bとは、水を溶媒として使用した擬多形である。該形態Bの熱重量分析実験は、温度範囲25〜78℃で3.4%の重量損失(水)、温度範囲25〜110℃で5.1%の重量損失(エタノール及び水)、更に温度範囲110〜200℃で1.1%の重量損失(エタノール)を示している。更に、形態Bを乾燥する工程では、約5.6%の重量損失が示された。得られた乾燥生成物は吸湿性であり、高い相対湿度において最大6.8%の水を吸着した。 ダルナビルの非晶質形態は、US20050250845及びJ. Org. Chem. 2004, 69, 7822-7829の出版物に開示されている。 (発明の目的) 本発明の目的は、他の擬多形又は溶媒和物を含まないダルナビルの安定な多形、及びその製造方法を提供することである。 本発明は、ダルナビルの多形形態に関する。より具体的には、本発明は、ダルナビルの水和物形態に関する。 本発明のダルナビル水和物は、真の水和物(true hydrate)である。該「真の水和物」は、以降「形態C」と称し、本質的に結晶性、安定、非吸湿性であり、かついずれの溶媒分子も含まない水和物形態と定義される。 本発明は、図1に示される粉末X線回折スペクトルによって特徴付けられる形態Cを提供する。形態Cは、図2に示される熱重量曲線によって更に特徴付けられる。 本発明は更に、カールフィッシャー法で測定して3〜8.5%、好ましくは、7〜8.5%の範囲の含水量を有する形態Cの製造方法を提供する。 また、本発明は、形態Cのダルナビルを、1以上の医薬として許容し得る賦形剤とともに含む医薬組成物を提供する。本発明のダルナビル形態CのX線粉末ディフラクトグラム(XRD)を示す。本発明のダルナビル形態Cの熱重量曲線(TG)を示す。本発明の非晶質ダルナビルのX線粉末ディフラクトグラム(XRD)を示す。 ここで本発明を、特定の好ましい実施態様、及び最適な実施態様に関連して詳細に説明する。これにより、本発明の様々な態様が、より十分に理解され、かつ認識されるであろう。 本発明は、基本的に先に定義した真の水和物であるダルナビルの結晶形態(形態C)を提供する。それは、様々な高湿度条件下でいずれの多形転移も生じない安定した多形形態である。 本発明の結晶性ダルナビル水和物形態Cは、1〜3の水分子を含み、これは、約3.0%〜約8.5%、好ましくは、7.0〜8.5%の範囲の含水量に相当する。更に、本発明の結晶性ダルナビル水和物は、いずれの有機溶媒も実質的に含まない。 本発明の形態Cは、基本的に、先行技術で開示されるいずれの擬多形又は溶媒和物も含まない。 本明細書中で使用される用語「実質的に含まない」とは、ダルナビル形態Cが、ICHガイドライン通りの残留溶媒容量を有することを指す。しかしながら、本発明のダルナビル形態Cは、3000ppm以下、より好ましくは、500ppm以下の残留溶媒容量を有する。 形態Cのダルナビルの結晶特性は、X線ディフラクトグラムによって、分析され、特徴付けされ、識別される。 本発明の水和物形態のX線粉末回折パターンは、銅-K-α線源を用いたRigaku社、最新のX線粉末回折計Dmax2200で測定した。 本発明のダルナビル水和物形態Cは、表1に記載される2θ値でのピークをもつX線粉末ディフラクトグラムパターンを有する。 ダルナビル形態CのX線粉末回折スペクトルを図1に示す。 本発明は更に、1-メチルピロリジン-2,5-ジオン(3R,3aS,6aR)-テトラヒドロ-2H-フロ[2,3-b]フラン-3-イルカルボナートを4-アミノ-N-(3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチル)-N-イソブチルベンゼンスルホンアミドと反応させて残渣を得て、これを水混和性溶媒と水との混合液中で撹拌して固形物を得て、これを乾燥させてダルナビル水和物形態Cを得る、形態Cの製造方法を提供する。 本発明はまた、ダルナビルの擬多形又は溶媒和物を水混和性溶媒と水との混合液中で撹拌し、次いでろ過する、ダルナビルの擬多形又は溶媒和物を安定な多形形態Cに変換する方法を提供する。得られた固形物を水中で更に撹拌し、ろ過し、乾燥させて形態Cを得る。 本発明の方法で使用される水混和性溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、アセトンなどから選択することができるが、好ましくは、使用される溶媒は、メタノールである。 ろ過で得られる固形生成物は、好ましくは、真空下で乾燥される。該固形生成物は、好ましくは、40℃以下の温度で乾燥される。本発明のダルナビル形態Cは、カールフィッシャー法で測定して3.0〜8.5%、好ましくは、7.0〜8.5%の含水量を有する。 ダルナビル形態Cの残留溶媒容量は、USPフェーズG27カラムを使用するガスクロマトグラフィーによって測定した。得られた結果より、本発明の結晶性ダルナビル水和物形態Cは、実質的に、いずれの有機溶媒も含まないことが結論付けられた。 試料が加熱され、冷却され、又は一定に保たれる場合の質量変化を示す熱重量分析は、本発明のダルナビル水和物形態Cでは、約5.5〜7.5%の重量損失を示した。ダルナビル形態Cの熱重量曲線を図2に示す。 更に、本発明の形態Cは、高温で乾燥させて、安定な、非吸湿性の非晶質ダルナビルに変換され、これは、本発明の別の態様を形成する。 本発明の方法によって得られる非晶質ダルナビルは、図3に示されるXRDパターンによって特徴付けられる。 本発明はまた、結晶性ダルナビル形態C、及び医薬として許容し得る担体又は希釈剤を含む医薬組成物に関する。 本発明はまた、本発明の方法で製造された非晶質ダルナビル、及び医薬として許容し得る担体又は希釈剤を含む医薬組成物に関する。 ここで、本発明の範囲を何ら限定するものではない以下の実施例を参照して、本発明を更に説明する。 (実施例1) 15gの1-メチルピロリジン-2,5-ジオン(3R,3aS,6aR)-テトラヒドロ-2H-フロ[2,3-b]フラン-3-イルカルボナートと26gの4-アミノ-N-(3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチル)-N-イソブチルベンゼンスルホンアミドを、ジクロロメタン(140ml)に25〜30℃で溶解させた。次いで、該反応塊(reaction mass)を−5〜0℃に冷却した。トリエチルアミン(16.7ml)を撹拌下0℃で加えた。次いで、温度を25℃まで上昇させ、反応塊を8〜10時間撹拌した。反応内容物を飽和重炭酸ナトリウム(116ml)でクエンチし、撹拌した。有機層を水(50×2ml)で洗浄し、減圧下で濃縮した。上記物質にイソプロパノールを加え、内容物を加熱して還流させた。該反応を25〜35℃に冷却し、ろ過した。得られた固形物に、トルエンとメタノール(3:1)の混合液を加え、反応塊を65±2℃に加熱した。反応塊を冷却し、ろ過し、次いでトルエンで洗浄して33.6gのダルナビルを得た。 (実施例2) 実施例1で得られたダルナビル(5g)、メタノール(15ml)及び水(15ml)を、反応容器において1時間撹拌した。得られたスラリーをろ過し、湿ったケーキを得て、これを90mlの水に懸濁させ、25〜30℃で8〜10時間撹拌した。内容物をろ過し、真空下35〜40℃で乾燥させて、4.0gの図1に示すXRDパターンを有するダルナビル形態C(Kf 7.5%;収率78.12)を得た。 (実施例3) 5gの実施例1で得られたダルナビルを20mlのイソプロパノールに溶解させ、1時間還流させて透明な溶液を得た。これを10〜15℃に冷却し、ろ過し、真空下で乾燥させた。乾燥した固形物をメタノール(15ml)に溶解させた。この溶液に15mlの水を加え、内容物を1時間撹拌した。該スラリーをろ過した。湿ったケーキを水(15ml)に懸濁させ、25〜35℃で8〜10時間撹拌した。得られた固形物をろ過し、真空下35〜40℃で乾燥させて、4.2gの水和したダルナビル形態C(Kf 7.7%;収率82.03%)を得た。 (実施例4) 7gのダルナビルイソプロパノラート(US20050250845において形態Jと称される)を21mlのメタノールに懸濁させた。水(21ml)を加え、内容物を1時間撹拌した。得られたスラリーをろ過した。次いで、得られた湿ったケーキを水(20ml)に懸濁させ、25〜30℃で10時間撹拌した。内容物をろ過し、真空下35〜40℃で乾燥させて、4.8gのダルナビル形態C(Kf 7.8%;収率77.54%)を得た。 同様に、US20050250845で報告される他の擬多形も、上記方法によってダルナビル形態Cに変換することができる。 (実施例5) 実施例2〜4のいずれかから得られたダルナビル形態Cを、真空下60±2℃で8時間乾燥させて、図3に示すXRDパターンを有する安定かつ非吸湿性の非晶質ダルナビルを得た。 (実施例6) (吸湿性試験) ダルナビル水和物形態Cを吸湿性試験した。試験は、英国薬局方で定められた方法に従い実施した。 57.6456gのダルナビル水和物形態Cを、25℃、85%RH(相対湿度)で24時間曝露して、該試料の質量は57.6459gと記録された。0.0003gの質量変化が観察され、これは0.06%の質量変化に相当する。該試験によると、観察される質量変化が0.2%より小さい場合、試料は非吸湿性である。該結果から、ダルナビル水和物形態Cは、薬剤調製に適した非吸湿性物質であると結論付けることができる。 (実施例7) (安定性試験) ダルナビル水和物形態Cを、通常条件下、すなわち、30±2℃かつ65±5%RH(相対湿度)、及び加速条件下、すなわち、40±2℃かつ75±5%RH(相対湿度)で長期保存安定性(6ヵ月)を試験したところ、ダルナビル水和物形態Cの含水量又はHPLC純度における大きな増減は見られなかった。したがって、本発明の形態Cが安定であり、かつ製薬での使用に適していることが示唆される。 実質的に非水性溶媒を含まない、結晶性ダルナビル水和物。 実質的に、メタノール、二塩化メチレン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トリエチルアミン、トルエン及びエタノールのすべてを含まない、請求項1記載の結晶性ダルナビル水和物。 3.0〜8.5wt%の含水量を有する、請求項1又は2記載の結晶性ダルナビル水和物。 下記表に従うXRDパターンを有する、結晶性ダルナビル水和物。 図1に示されるXRDパターンを有する、結晶性ダルナビル水和物。 図2に示される熱重量曲線を有する、結晶性ダルナビル水和物。 請求項1〜6のいずれか一項記載の結晶性ダルナビル水和物を、任意に1以上の医薬として許容し得る賦形剤と組合せて含む、医薬組成物。 HIV感染を治療するのに使用するための、請求項1〜6のいずれか一項記載の結晶性ダルナビル水和物。 HIV感染を治療するのに使用するための薬剤の製造における、請求項1〜6のいずれか一項記載の結晶性ダルナビル水和物の使用。 請求項1〜6のいずれか一項記載の結晶性ダルナビル水和物を、それを必要とする患者に投与することを含む、HIV感染を治療する方法。 ダルナビル水和物の製造方法であって、1-メチルピロリジン-2,5-ジオン(3R,3aS,6aR)-テトラヒドロ-2H-フロ[2,3-b]フラン-3-イルカルボナートを4-アミノ-N-(3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチル)-N-イソブチルベンゼンスルホンアミドと反応させて残渣を得ること、該残渣を水混和性溶媒と水との混合液中で撹拌すること、及び固形物を乾燥させて結晶性ダルナビル水和物を得ることを含む、前記製造方法。 ダルナビル水和物の製造方法であって、結晶格子中に少なくとも1の非水性溶媒を有するダルナビルを水混和性溶媒と水との混合液中で撹拌すること、次いで、該混合液をろ過して固形物を得ること、該固形物を水中で撹拌すること、該固形物/水混合物をろ過すること、及び乾燥させて請求項1〜6のいずれか一項記載の結晶性ダルナビル水和物を得ることを含む、前記製造方法。 前記水混和性溶媒が、メタノールである、請求項11又は12記載のダルナビル水和物の製造法。 請求項11〜13のいずれか一項に従って製造された結晶性ダルナビル水和物を、高温で乾燥させて非晶質ダルナビルを得ることを含む、非晶質ダルナビルの製造方法。 請求項14に従って製造された非晶質ダルナビル水和物を、任意に1以上の医薬として許容し得る賦形剤と組合せて含む、医薬組成物。 請求項11〜13のいずれか一項記載の方法によって得ることが可能な、結晶性ダルナビル水和物。 請求項14記載の方法によって得ることが可能な、非晶質ダルナビル。 実質的に非水溶性溶媒を含まない結晶性ダルナビル水和物が開示される。【選択図】 図1


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