タイトル: | 公表特許公報(A)_腎臓明細胞癌での骨転移の選択的検出 |
出願番号: | 2012528393 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | A61K 51/00 |
ロマーン・バルツ ロバート・ウッゾ デイヴィッド・チェン JP 2013504547 公表特許公報(A) 20130207 2012528393 20100915 腎臓明細胞癌での骨転移の選択的検出 ウィレックス・アーゲー 512057208 村山 靖彦 100108453 志賀 正武 100064908 渡邊 隆 100089037 実広 信哉 100110364 ロマーン・バルツ ロバート・ウッゾ デイヴィッド・チェン US 61/242,556 20090915 A61K 51/00 20060101AFI20130111BHJP JPA61K49/02 C AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW EP2010063530 20100915 WO2011032973 20110324 24 20120306 4C085 4C085HH03 4C085JJ02 4C085KA05 4C085KA29 4C085KB18 4C085LL18 本発明は、腎細胞癌(RCC)における骨転移の検出及びそのための適切な試薬に関する。 腎細胞癌(RCC)は腎臓におけるもっともありふれたタイプの腎臓癌であり、症例の80%〜90%を占める。腎細胞癌の発生率は着実に上昇している。約57,760人の腎細胞癌(RCC)の新規症例が米国で2009年に生じると見積もられており、12,980人の死亡が予測されている(非特許文献1)。 RCCの初期診断は通常、超音波、CTまたはMRIを用いて行われる。多くの症例(50〜70%)は他の目的のために得た断層像の処置の過程で偶然の腎腫瘤として発見される。現在のところ、腎腫瘍の外科的切除はこのような状況における認められた処置選択である。発表によれば、腎腫瘤の約20%はステージ4であり、さらに20%は現在の画像モダリティによって「局所的に進行性」とみなされる。 RCCの疑いのある腎腫瘤は、症例の約20%において結局は良性であることが判明する。悪性の腎腫瘍のうち、約15%〜20%の症例は、無痛性(indolent)または悪性の低い(less aggressive)タイプを示し、ほとんど典型的には、嫌色素性細胞または乳頭などの、非-明細胞(non-clear cell)組織構造である一方で、約75%〜85%の症例は、明細胞(clear cell)型の腎細胞癌(ccRCC)を示す。明細胞の腎細胞癌は悪性の表現型を有し、他のタイプのRCCよりも、全般に、より悪性である臨床予後と関連する。腎(臓)癌からの転移を示す、または腎癌からの転移を後発的に発症する患者の約90%は明細胞癌を有する。 転移性RCCの予後および治療は、完全な外科的切除に適している局所的な疾患の予後および治療よりも有意に悪化する(約12〜24か月)。したがって、できるだけ早く遠隔転移を同定して、この段階のRCCに対する最適な治療を提供することが重要である。 G250は、動物およびヒトの研究において、明細胞の腎細胞癌に結合することが示されているモノクローナル抗体である。G250の抗原標的は、カルボニックアンヒドラーゼIXのエピトープである。免疫組織学により、ヒト明細胞腎癌の94%以上において、カルボニックアンヒドラーゼIX (CA-IX)が発見される。この抗体のキメラ形態(cG250と称される)は、免疫原性がより少なく、ヒトの診断用または治療用臨床応用に適するようにして産生されている。この抗体の興味深い特徴は、腎細胞癌における、その並外れた親和性の高い標的化であり、生検ベースの研究は0〜1%/gに近い腫瘍取込みを示し、固形腫瘍に関して最高の親和性が記録される。マウスおよびキメラ形態でのG250は、単独または放射性同位体との共役のいずれかで、潜在的な治療剤として広く使用されている。 明細胞腎癌に対するG250の標的化および親和性は、あらかじめ、この通常は悪性である表現型を予測するための、診断マーカーとしてのその開発における興味を湧き起こさせている。 近年、124I-標識cG250を用いたPETイメージングが行われたことが報告されている。合計で26人の腎腫瘤を有する患者が、外科手術に先立って、124I-cG250 PET/CTイメージングを用いて調べられた。この試験における明細胞腎癌に対する124I-cG250 PETの感受性は94%であった。;陰性的中率は90%であり、特異性および陽性的中率はともに100%であった。この試験において、薬剤関連の即時性又は遅発性の有害事象は報告されなかった(非特許文献2)。さらに、この研究では、2患者における肺転移およびリンパ節転移の視覚化が記述される。骨転移の検出は記載されていない。 しかし、疾病が発見され、及び/または診断される場合に、非常に多くのRCC患者がすでに転移を有し(約30%)、これらの約22〜32%が骨転移を示すので、骨転移の検出は非常に重要である。 現在、いわゆる核骨スキャン(nuclear bone scan)が、骨に関連するたくさんの疾患を診断するために使用され、または診断の手助けのために使用される。骨スキャンは核スキャン法(nuclear scanning method)であって、ここで、患者は少量の、例えば、テクネチウム-99mなどの放射性物質を注入され、次いで、注入された物質によって放出される放射線に対して感度を有する装置でスキャンされる。骨の代謝回転がより活発であるほど、骨に、より多くの放射能が局在化する。ある腫瘍または転移癌は、骨の成長または破壊(breakdown)のために、取込みが増大した領域として示される。しかし、すべての腫瘍が骨スキャンで容易に観察されるわけではない。さらに、古い骨折(fracture)または他の骨損傷、関節炎および感染などの良性の状態が骨スキャンで「陽性」として示され得るので、腎癌細胞による真の悪性関与を区別するためのさらなる評価が必要である。したがって、骨転移を検出するためのこの方法の特異性は次善のものである。言うまでもなく、この方法は、患者に対して、さらなる放射線の暴露、費用および不安を生じさせる。 骨転移の、早期で特異的な検出は、外科的切除、焦点放射線療法または全身性の医療処置などの適切な治療的対策を可能にする。さらに、骨性関与が確かめられることにより、不適切な、または不必要な外科手術を行うことによる治療的戦略を完全に変化させ得る。CA Cancer J Clin 2009; 59:225-249Divgi et al., Lancet Oncol. 8 (2007) 304-310 したがって、RCCにおける骨転移を検出するための感知できかつ信頼できる方法を提供するための高い必要性が存在する。 本発明者らは、124I-標識抗体が、骨転移を検出するために有用でかつ非常に特異的な因子(agent)であることを発見した。 したがって、本発明の一態様は、有効量の、CA-IXを対象とする124I-標識抗体、またはそれの抗原結合断片を、それを必要とする対象に投与する工程、および、例えば、前記対象のPETスキャンを行うことにより、前記対象由来の放射線を決定する工程を含む、腎細胞癌(RCC)における、特に明細胞腎癌(ccRCC)における骨転移を検出するための方法に関する。 本発明のさらなる態様は、腎細胞癌(RCC)における、特に明細胞腎癌(ccRCC)における骨転移を検出する際に使用するための、アンヒドラーゼIXに対する124I-標識抗体またはそれの抗原結合断片に関する。48歳の女性の患者からの所見を示す。患者の初期症状は、腰部の領域における痛みであった。本発明の方法は、仙骨における骨転移を有する転移性ccRCCを明らかにする。図1は、腹部の初期低コントラストCTスキャンを示し、右仙骨における非特異的な骨の欠陥を明らかにする(丸で囲った)。48歳の女性の患者からの所見を示す。患者の初期症状は、腰部の領域における痛みであった。本発明の方法は、仙骨における骨転移を有する転移性ccRCCを明らかにする。図2は、Tc99での骨スキャンを示し、仙骨での溶解性骨転移を示す(矢印によって示される)。48歳の女性の患者からの所見を示す。患者の初期症状は、腰部の領域における痛みであった。本発明の方法は、仙骨における骨転移を有する転移性ccRCCを明らかにする。図3は、左の腎臓において大きな腎腫瘤が同定可能な、CTスキャンを示す。48歳の女性の患者からの所見を示す。患者の初期症状は、腰部の領域における痛みであった。本発明の方法は、仙骨における骨転移を有する転移性ccRCCを明らかにする。図4は、局所的CTスキャン、124I-cG250 PETスキャンおよびこれらに対応する組み合わせとしてのPET/CT像を示す(取り囲んだ)。仙骨の転移および原発性腎腫瘍を矢印で示す。48歳の女性の患者からの所見を示す。患者の初期症状は、腰部の領域における痛みであった。本発明の方法は、仙骨における骨転移を有する転移性ccRCCを明らかにする。図5は、局所的CTスキャン、124I-cG250 PETスキャンおよびこれらに対応する組み合わせとしてのPET/CT像を示す(取り囲んだ)。仙骨の転移および原発性腎腫瘍を矢印で示す。55歳の男性の患者からの所見を示す。本発明の方法は、肋骨、鎖骨および肩甲骨における骨転移を有する転移性ccRCCを明らかにする。図6は、肋骨および鎖骨の後部に観察される骨の欠陥を伴う、胸の初期CTスキャンを示す(丸で囲った)。55歳の男性の患者からの所見を示す。本発明の方法は、肋骨、鎖骨および肩甲骨における骨転移を有する転移性ccRCCを明らかにする。図7は、左の腎臓をほとんど取って代る腎腫瘍が同定可能な、CTスキャンを示す。55歳の男性の患者からの所見を示す。本発明の方法は、肋骨、鎖骨および肩甲骨における骨転移を有する転移性ccRCCを明らかにする。図8は、CTスキャン、124I-cG250 PETスキャンおよびこれらに対応する組み合わせとしてのPET/CT像を示す(赤で取り囲んだ)。肋骨の転移、鎖骨の転移および肩甲骨の転移ならびに原発性腎腫瘍を矢印で示す。55歳の男性の患者からの所見を示す。本発明の方法は、肋骨、鎖骨および肩甲骨における骨転移を有する転移性ccRCCを明らかにする。図9は、CTスキャン、124I-cG250 PETスキャンおよびこれらに対応する組み合わせとしてのPET/CT像を示す(赤で取り囲んだ)。肋骨の転移、鎖骨の転移および肩甲骨の転移ならびに原発性腎腫瘍を矢印で示す。55歳の男性の患者からの所見を示す。本発明の方法は、肋骨、鎖骨および肩甲骨における骨転移を有する転移性ccRCCを明らかにする。図10は、CTスキャン、124I-cG250 PETスキャンおよびこれらに対応する組み合わせとしてのPET/CT像を示す(赤で取り囲んだ)。肋骨の転移、鎖骨の転移および肩甲骨の転移ならびに原発性腎腫瘍を矢印で示す。68歳の男性の患者からの所見を示す。本発明の方法は、脊椎および腸骨翼における骨転移を有する転移性ccRCC疾病を明らかにする。図11は、右の腎腫瘤が同定された腹部の初期CTスキャンを示す(丸で囲った)。68歳の男性の患者からの所見を示す。本発明の方法は、脊椎および腸骨翼における骨転移を有する転移性ccRCC疾病を明らかにする。図12は、脊椎および腸骨翼においてわずかに溶解性の異常が観察可能な、CTスキャンを示す(丸で囲った)。68歳の男性の患者からの所見を示す。本発明の方法は、脊椎および腸骨翼における骨転移を有する転移性ccRCC疾病を明らかにする。図13は、CTスキャン、124I-cG250 PETスキャンおよびこれらに対応する組み合わせとしてのPET/CT像を示す(取り囲んだ)。脊椎の転移および腸骨翼の転移が示され、原発性腎腫瘍が矢印で示される。68歳の男性の患者からの所見を示す。本発明の方法は、脊椎および腸骨翼における骨転移を有する転移性ccRCC疾病を明らかにする。図14は、CTスキャン、124I-cG250 PETスキャンおよびこれらに対応する組み合わせとしてのPET/CT像を示す(取り囲んだ)。脊椎の転移および腸骨翼の転移が示され、原発性腎腫瘍が矢印で示される。68歳の男性の患者からの所見を示す。本発明の方法は、脊椎および腸骨翼における骨転移を有する転移性ccRCC疾病を明らかにする。図15は、CTスキャン、124I-cG250 PETスキャンおよびこれらに対応する組み合わせとしてのPET/CT像を示す(取り囲んだ)。脊椎の転移および腸骨翼の転移が示され、原発性腎腫瘍が矢印で示される。 本発明によれば、124I-標識抗体またはそれの抗原結合断片が使用される。この抗体または抗体断片は、CA-IX、特にヒトCA-IXを対象とする。カルボニックアンヒドラーゼIXに対する抗体およびかかる抗体の製造は、例えば、WO 93/18152に開示され、その内容が参照により本明細書中に援用される。 特に好ましい実施形態において、抗体はモノクローナルG250抗体、特にはキメラG250抗体またはその抗原結合断片である。G250抗体、その抗原結合部位およびこの抗体を産生することができるハイブリドーマ細胞は、WO 02/062972に開示されており、その内容が参照により本明細書中に援用される。G250抗体を産生することができるハイブリドーマ細胞が、ドイチェ ザンムルンク フォン ミクロオルガニスメン ウント ツェルクルトゥレン ゲーエムベーハー(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DSMZ), Mascheroder Weg 1b, D-38124 Braunschweig, ドイツにおいて、寄託番号DSM ACC2526で、2001年9月11日に、微生物の寄託に関するブタペスト条約にしたがって寄託された。 本発明によれば、用語「G250抗体」は、所望の活性を示すかぎり、すなわち、少なくとも1つのG250抗原結合部位を含む、多特異的な抗体(例えば二重特異性の抗体)および抗体断片を含むいずれの抗体をも含む。抗体は、IgM, IgG (例えばIgG1, IgG2, IgG3またはIgG4), IgD, IgAまたはIgE、特にはIgG抗体、組換え抗体、またはタンパク質分解方法によって、もしくは組換えDNA方法によって得られる抗体断片であってよい。 本明細書において使用されるとき、用語「モノクローナル抗体」は、実質的に同質の抗体の集団から得られる抗体に関し、すなわち、集団からなる個々の抗体が、少量で存在し得る自然発生する可能性がある突然変異を除いては、同一である。 本明細書において使用されるとき、用語「抗体」は、少なくとも1つのG250抗原結合部位、すなわち、少なくともG250重鎖のCDR3領域および/またはG250軽鎖のCDR3領域、またはアミノ酸レベルで原初のG250 CDR3領域に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%の同一性を有する変異体のG250 CDR3領域、を含む任意のポリペプチドに関し、ただし変異体CDR3領域は、原初のCDR3領域と比較して、同等の抗原結合特性、特に親和性および特異性を有することを条件とする。G250 CDR3領域はWO 02/062972に開示される。 好ましくは、本明細書における用語「抗体」はキメラ抗体、ヒト化および完全ヒト化抗体、一本鎖抗体、例えばsFv抗体断片、ダイアボディ型(diabody)断片、Fv-, Fab-, Fab’-もしくはF(ab’)2-断片などの、タンパク質分解性もしくは組換え抗体断片、または抗体の他の抗原結合サブ配列(subsequence)を含む。抗体は、また、融合体または他のエンティティ(entity)との共役体であってもよい。 本明細書における抗体は、特異的にキメラ抗体を含み、ここで、抗原結合部位を含む重鎖および/または軽鎖の部分は原初のハイブリドーマ細胞株G250由来の対応する配列と同一であるかまたは相同である一方で、所望の生物学的活性を示す限りにおいて、鎖の残部は他の種由来の対応する配列に同一であるかまたは相同であり、あるいは、他の抗体のクラスまたはサブクラス並びにこれらの抗体の断片に属する。より好ましくは、キメラ抗体は、原初のG250モノクローナル抗体の重鎖および軽鎖由来の可変領域、例えば相補性決定領域(CDRs)およびフレームワーク領域、並びに一定のヒト配列、特に一定のヒトκ軽鎖およびγ重鎖配列を含む。キメラ抗体の製造は、例えば、Morrison et alによって記述されており(Proc. Natl. Acad. Sci USA 81 (1984), 6851-6855)、それは参照により本明細書中に援用される。 さらに、本明細書における抗体は、特異的にヒト化抗体または完全ヒト化抗体を含む。ヒト化抗体は免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはその断片であって非ヒト免疫グロブリン由来の最小限の配列を含む。より特異的には、ヒト化抗体はヒト免疫グロブリンであり、ここで所望のヒト抗体のCDR由来の残基は、G250 CDR、特には重鎖および/または軽鎖のCDR1, 2および/または3領域由来の残基によって置換される。さらに、ヒト化抗体は、受容ヒト抗体または導入されるG250 CDR配列のいずれにおいても発見されない残基を含んでもよい。これらの改変を行って、抗体の能力をさらに洗練させ、かつ最適化することができる。一般に、ヒト化または完全ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変領域のすべてを実質的に含み、ここで、CDR領域のすべてまたは実質的にすべてが原初のG250免疫グロブリンのそれらに対応し、フレームワーク領域および定常領域のすべてまたは実質的にすべてがヒト免疫グロブリン配列のそれらである。ヒト化抗体の製造は、例えば、Jones et al. (Nature 321 (1986), 522-525), Riechmann et al. (Nature 332 (1988), 323-329)およびPresta (Curr. Op. Struct. Biol. 2 (1992), 332-339)において開示されており、それらは参照により本明細書中に援用される。 さらに、抗体は、特異的に、抗体のVHおよびVLドメインを含む一本鎖Fv抗体断片などの一本鎖抗体を含み、ここで、これらのドメインは一本のポリペプチド鎖中に存在する。一般に、Fvポリペプチドは、さらに、VHとVLドメインとの間でポリペプチドリンカーを含むことにより、sFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にする。sFv抗体の製造は、例えば、Pluckthun in: The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, Vol. 113, Rosenburg and Moore, Eds., Springer Verlag, NY, pp. 269-315 (1994)、Barbas III (Methods: Companion Methods Enzymol. 2 (1991), 119)およびHoogenboom et al. (Immunol. Rev. 130 (1992), 41-68)によって開示されており、それらは参照により本明細書中に援用される。 さらに、抗体は、特異的に、ダイアボディ型、すなわち、2つの抗原結合部位を有する小さな抗体断片を含み、その断片は、同一ポリペプチド鎖中で軽鎖可変領域に接合する重鎖可変領域を含む。あまりに短いために、同一鎖上での2つのドメインを対にすることができないリンカーを用いることにより、ドメインは、別の鎖の相補的なドメインと対となることを強いられ、2つの抗原結合部位を形成する。ダイアボディ型の製造は、例えば、Hollinger et alによって開示され(Proc. Natl. Acad. Sci USA 90 (1993), 6444-6448)、それは参照により本明細書中に援用される。 本発明によれば、抗体は、例えば、放射性同位体である124Iを共有結合させることによって共役される。この同位体は、例えば、Larsson et al. (J. Nucl. Med. 33 (1992), 2020-2023)またはUS 5,185,142によって開示されるように、抗体に付着可能な陽電子放射体であり、それらの文献の内容は参照により本明細書中に援用される。 好ましくは、抗体の放射性同位元素標識法は、特にイオドゲン(Iodogen)試薬(1,3,4,6-テトラクロロ-3α,6α-ジフェニルグリコールウリル)との、共有的なヨード化(covalent iodination)を伴う。イオドゲン標識は、クロラミン-T法に類似する固相の酸化法であるが、反応は酸化剤の表面で生じることにより、基質の暴露が最小化されるので、一般に、よりマイルドであると考えられている(Salacinzki, P.R.P., et al., Anal. Biochem. 117:136 (1981))。 124I-標識抗体は特に、ヒトの医療において、すなわち、ヒト患者、例えば腎腫瘤、特にはRCC、より特にはccRCCに罹患するヒト患者に投与するために、有用である。 本発明の一実施形態において、患者は、腎腫瘤を有する術前患者、例えば、RCCまたはccRCCに関して診断され、外科手術を受けることを予定している術前患者である。この実施形態において、患者は特に転移、具体的には骨転移に関する高いリスクを有し、特にccRCCに関して診断される。 より好ましくは、患者は、腎癌、例えばccRCCおよび非ccRCCの種類の術前決定に関して124I-標識cG250でPETスキャンすることを予定している、腎腫瘤を有する術前患者である。これらの患者には、ただ1つの診断処置を受け、癌の種類および骨転移の存在の両方の情報を得られるというさらなる利点がある。 さらなる好ましい患者は、ccRCCに関して任意の他の方法、例えば試料の生検および組織学的分析によって診断されている腎腫瘤を有する術前患者である。 本発明の別の実施形態において、患者は、外科手術を受けた、腎腫瘤と診断された患者、特には術後RCCまたはより特にはccRCC患者、より特には再発の高いリスクを有する患者である。外科手術による病理学的病期は、RCCを再発するリスクが特に高い患者を同定し得る。 さらなる好ましい患者は、骨病変を示す、腎腫瘍を切除した病歴を有する人である。この実施形態において、本発明の124I-標識抗体の使用は、もしその骨病変がccRCCである場合には信頼できる情報を有利に提供する。 ヒトの医療において、抗体は、通常、約1mgから約50mgの用量で、好ましくは約5mgから約20mgの用量で、より好ましくは約10mgの用量で投与される。放射性標識抗体の比活性度は好ましくは約15から約20 MBq/mg、より好ましくは約18から約19 MBq/mgである。 抗体は、通常、医薬に許容できる担体、例えば生理食塩水を伴い、場合により、ヒト血清アルブミン(HSA)などのタンパク質安定剤を含む医薬組成物として投与される。抗体は好ましくは点滴(infusion)により投与される。 好ましい実施形態では、124I抗体投与を予定する患者は、ヨウ化物塩、例えばヨウ化カリウムを投与されることによって甲状腺防護を受ける。この目的のために、ヨウ化カリウム錠剤、例えばIOSAT(商標)を使用してもよく、および/または、ヨウ化カリウムは、液状で、例えばSSKI(登録商標)などのドロップ(drop)として、経口投与されてもよい。 124Iの測定には、陽電子放出型断層撮影法(PET)またはPET/CTが関わる。患者はベッドに寝て複数の位置でスキャンされて、全身に対する人体のスキャンが行われる。PETイメージングは、好ましくは124I抗体の点滴の7±2日内に、特には124I抗体点滴の5±2日後に、最適のイメージング結果を得るために実施される。 さらに、以下の実施例により、本発明はより詳細に説明される。(実施例1)RCCにおける転移の検出のための124I-標識キメラG250抗体の投与1. 抗体の調製および投与 10ml 15% HSAの体積中、放射性標識抗体(5 mCi/10mg 124I-cG250)を、滅菌した通常の食塩水とともに滅菌バイアル中に提供した。静脈内点滴に先立ち、放射性標識抗体(10 ml)を20mlの滅菌した通常の食塩水中に希釈して、静脈内点滴用の30ml溶液を調製した。 製品のラベルは、患者のコードおよび較正の日時(すなわち、5mCiの放射能が存在したときの日時)を含んだ。製品は較正時間から24時間以内に使用された。 点滴用注射器ポンプ(Graseby 3400または同等物)を点滴の日に、2ml/分の速度で15分以上かけて30mlの連続点滴用に使用した。三方活栓を含む静脈ラインは、インライン(in-line)の0.22ミクロンフィルターを含んだ。5%のヒト血清アルブミン(HSA)溶液を使用して、(好ましくは肘正中静脈において)適切な静脈内投与を確保した後に、点滴液を投与した。点滴の完了時、少なくとも10mlの5% HSAを使用して、注射器および静脈ライン内を洗い出した。 患者に供された放射能の量を、既知の124Iの崩壊データを使用して、投与日/時間と比較しての較正日/時間に基づいてレトロスペクティブに計算した。患者に対する124I-cG250の投与の正確な時間(日/時/分)を記録した。計算方法を介して得られた投与された放射線量に関する知見を再現性および変動性に関して分析した。 さらに、適切な装置を用いて各患者について投与量を測定し、その結果を、データ転送フォーム(Data Transmittal Form)上で記録し、各画像に関して完了させた。2. 補助的療法:甲状腺防護 すべての患者は毎日経口用量のヨウ化カリウム(SSKI(登録商標), Upsher-Smith)を授与されることにより、甲状腺における遊離のヨウ化物の取込みがブロックされた。1日目での124I-cG250の投与の24時間前に600mgが処方され、続いて、点滴後2週間または外科手術の日までの、いずれかが最初に来るときまで、1日あたり600mgが処方された。3. 124I-cG250 PET/CTイメージング 全身の124I PET/CTイメージングを、124I-cG250の点滴の5±2日後に実施した。減衰補正したPET/CT画像を得た。4. 結果 腫瘍の分類を国際対がん連合(UICC)のガイドラインにしたがって実施した(TNM Classification of Malignant Tumors, Edited by L.H. Sobin and Ch. Wittekind, Sixth Edition, John Wiley & Sons, New York, Ny. 2002)。 3人の患者のPETスキャンを図に示す。患者は高度に検出可能な骨転移を示す。骨転移を矢印で示す。 図1〜5は、48歳の女性の患者からの所見を示す。患者の初期症状は、腰部の領域における痛みであった。本発明の方法は、仙骨における骨転移を有する転移性ccRCCを明らかにする。 図1は、腹部の初期低コントラストCTスキャンを示し、右仙骨における非特異的な骨の欠陥を明らかにする(丸で囲った)。 図2は、Tc99での骨スキャンを示し、仙骨での溶解性骨転移を示す(矢印によって示される)。 図3は、左の腎臓において大きな腎腫瘤が同定可能な、CTスキャンを示す。 図4および図5は、局所的CTスキャン、124I-cG250 PETスキャンおよびこれらに対応する組み合わせとしてのPET/CT像を示す(取り囲んだ)。仙骨の転移および原発性腎腫瘍を矢印で示す。 図6〜10は、55歳の男性の患者からの所見を示す。本発明の方法は、肋骨、鎖骨および肩甲骨における骨転移を有する転移性ccRCCを明らかにする。 図6は、肋骨および鎖骨の後部に観察される骨の欠陥を伴う、胸の初期CTスキャンを示す(丸で囲った)。 図7は、左の腎臓をほとんど取って代る腎腫瘍が同定可能な、CTスキャンを示す。 図8〜10は、CTスキャン、124I-cG250 PETスキャンおよびこれらに対応する組み合わせとしてのPET/CT像を示す(赤で取り囲んだ)。肋骨の転移、鎖骨の転移および肩甲骨の転移ならびに原発性腎腫瘍を矢印で示す。 図11〜15は、68歳の男性の患者からの所見を示す。本発明の方法は、脊椎および腸骨翼における骨転移を有する転移性ccRCC疾病を明らかにする。 図11は、右の腎腫瘤が同定された腹部の初期CTスキャンを示す(丸で囲った)。 図12は、脊椎および腸骨翼においてわずかに溶解性の異常が観察可能な、CTスキャンを示す(丸で囲った)。 図13〜15は、CTスキャン、124I-cG250 PETスキャンおよびこれらに対応する組み合わせとしてのPET/CT像を示す(取り囲んだ)。脊椎の転移および腸骨翼の転移が示され、原発性腎腫瘍が矢印で示される。 有効量の、カルボニックアンヒドラーゼIXを対象とする124I-標識抗体、またはそれの抗原結合断片を、それを必要とする対象に投与する工程、および、前記対象由来の放射線を決定する工程を含む、腎細胞癌(RCC)における、骨転移の検出方法。 明細胞腎癌(ccRCC)における骨転移を検出するための請求項1に記載の方法。 前記対象がヒト患者である、請求項1または2に記載の方法。 前記患者が術前患者である、請求項3に記載の方法。 前記患者が術後患者である、請求項3に記載の方法。 前記抗体がモノクローナルG250抗体、特にキメラG250抗体またはそれの抗原結合断片である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。 前記抗体が5mgから20mgの用量で、特に約10mgの用量で投与される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。 前記抗体の活性が15〜20 MBq/ml、特に18〜19 MBq/mgである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。 測定が陽電子放出型断層撮影法(PET)を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。 腎細胞癌(RCC)における骨転移を検出する際に使用するための、アンヒドラーゼIXに対する124I-標識抗体またはそれの抗原結合断片。 明細胞腎癌(ccRCC)における骨転移を検出する際に使用するための、請求項10に記載の抗体。 モノクローナルG250抗体、特にキメラG250抗体またはそれの抗原結合断片である、請求項10または11に記載の抗体。 本発明は、腎細胞癌(RCC)における骨転移の検出、及びカルボニックアンヒドラーゼIXを対象とする、124I-標識抗体またはそれの抗原結合断片を用いた、そのための適切な試薬に関する。