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タイトル:公表特許公報(A)_ポックスウイルス感染の治療方法
出願番号:2012528005
年次:2013
IPC分類:A61K 31/445,A61P 31/20


特許情報キャッシュ

ラムステッド,アーバン クロセ,ブレナン ツィツマン,ニコール ドウェック,レイモンド,エー. バターズ,テリー,ディー. JP 2013503882 公表特許公報(A) 20130204 2012528005 20100901 ポックスウイルス感染の治療方法 ユナイテッド セラピューティクス コーポレイション 511266520 ザ チャンセラー,マスターズ アンド スカラーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ オックスフォード 511301083 小林 浩 100092783 大森 規雄 100120134 鈴木 康仁 100104282 ラムステッド,アーバン クロセ,ブレナン ツィツマン,ニコール ドウェック,レイモンド,エー. バターズ,テリー,ディー. US 61/272,252 20090904 A61K 31/445 20060101AFI20130108BHJP A61P 31/20 20060101ALI20130108BHJP JPA61K31/445A61P31/20 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW US2010047498 20100901 WO2011028781 20110310 29 20120426 4C086 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC21 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZB33関連出願 本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる2009年9月4日に出願された米国仮出願第61/272,252号の優先権を主張するものである。分野 本出願は、イミノ糖およびイミノ糖によるウイルス感染の治療方法、特に、ポックスウイルス科に属するウイルスに起因または関連するウイルス感染の治療および/または予防のためのイミノ糖の使用に関する。概要 1つの実施形態は、ポックスウイルス科に属するウイルスに起因または関連する疾患または状態を治療または予防する方法であり、方法は、これを必要としている対象に、有効量の式の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩[式中、Rは置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換オキサアルキル基から選択され;または式中、Rはであり、R1は置換または非置換アルキル基であり;X1〜5はH、NO2、N3、またはNH2から独立に選択され;Yは存在しない、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基であり;およびZは結合またはNHから選択され(ただし、Zが結合である場合、Yは存在せず、ZがNHである場合、Yはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基である);および式中、W1〜4は水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換ハロアルキル基、置換もしくは非置換アルカノイル基、置換もしくは非置換アロイル基、または置換もしくは非置換ハロアルカノイル基から独立に選択される]を投与することを含む。 別の実施形態は、ポックスウイルス科に属するウイルスに感染した細胞の感染性の方法(method of infectivity of a cell)であって、方法は、ポックスウイルス科に属するウイルスに感染した細胞を、有効量の式の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩[式中、Rは置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換オキサアルキル基から選択され;または式中、Rはであり、R1は置換または非置換アルキル基であり;X1〜5はH、NO2、N3、またはNH2から独立に選択され;Yは存在しない、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基であり;およびZは結合またはNHから選択され(ただし、Zが結合である場合、Yは存在せず、ZがNHである場合、Yはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基である);並びに式中、W1〜4は水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換ハロアルキル基、置換もしくは非置換アルカノイル基、置換もしくは非置換アロイル基、または置換もしくは非置換ハロアルカノイル基から独立に選択される]に接触させることを含む。図1(A)〜(E)は、以下のイミノ糖:A)N−ブチルデオキシノジリマイシン(NB−DNJ、UV−1);B)N−ノニルデオキシノジリマイシン(NN−DNJ、UV−2);C)N−(7−オキサデシル)デオキシノジリマイシン(N7−O−DNJ、UV−3);D)N−(9−メトキシノニル)デオキシノジリマイシン(UV−4);E)N−(N−{4’−アジド−2’−ニトロフェニル}−6−アミノヘキシル)デオキシノジリマイシン(UV−5)の化学式を表す図である。NN−DNJの合成スキームを示す図である。図3A〜Dは、N7−O−DNJの合成を例示する図である。特に、図3AはN7−O−DNJをもたらす一連の反応を示し、図3Bは6−プロピルオキシ−1−ヘキサノールの調製を例示し、図3Cは6−プロピルオキシ−1−ヘキサナールの調製を例示し、図3DはN7−O−DNJの合成を例示する。図4A〜Cは、N−(9−メトキシノニル)デオキシノジリマイシンの合成に関する図である。特に、図4Aは9−メトキシ−1−ノナノールの調製を例示し、図4Bは9−メトキシ−1−ノナナールの調製を例示し、図4CはN−(9−メトキシノニル)デオキシノジリマイシンの合成を例示する。牛痘ウイルスに感染したマウスのインビボ(in vivo)での生存データを表す図である。UV−4およびUV−5のインビボでの安全性データを表す図である。関連出願 以下の特許文献は、全てその全体が参照により本明細書に組み込まれ、本開示を理解するのに有用であり得る:1)米国特許第6,545,021号;2)米国特許第6,809,803号;3)米国特許第6,689,759号;4)米国特許第6,465,487号;5)米国特許第5,622,972号;6)2010年2月22日に出願された米国特許出願第12/656,992号;7)2010年2月22日に出願された米国特許出願第12/656,993号;8)2010年6月11日に出願された米国特許出願第12/813,882号;9)2010年2月22日に出願された米国特許仮出願第61/282,507号;10)2009年9月4日に出願された米国特許仮出願第61/272,252号;11)2009年9月4日に出願された米国仮出願第61/272,253号;12)2009年9月4日に出願された米国仮出願第61/272,254号;13)2010年2月22日に出願された米国仮出願第61/282,508号;14)2010年6月11日に出願された米国仮出願第61/353,935号。用語の定義 特に指定のない限り、「ある(a)」または「ある(an)」は「1つまたは複数の」を意味する。 本明細書では、用語「ウイルス感染」は、ウイルスが健康な細胞に侵入し、細胞の再生機構を使用して増殖または複製しおよび最終的に細胞を溶解し、細胞死、ウイルス粒子の放出および新規に産生された子孫ウイルスによる他の細胞の感染をもたらす疾患状態を記述する。特定のウイルスによる潜伏感染もウイルス感染の起こり得る結果である。 本明細書では、用語「ウイルス感染を治療または予防する」は、特定のウイルスの複製を阻害すること、ウイルス伝播を阻害すること、またはウイルスが宿主において定着するのを防ぐこと、およびウイルス感染に起因する疾患の症状を改善または軽減することを意味する。治療は、ウイルス負荷が減少し、死亡率および/または罹患率が低下する場合、治療効果があると見なされる。 IC50またはIC90(抑制濃度(inhibitory concentration)50または90)は、それぞれウイルス負荷の50%または90%減少を達成するのに使用される、イミノ糖などの治療薬の濃度である。開示 本発明者らは、デオキシノジリマイシン誘導体(deoxynojirimycin derivatives)などの特定のイミノ糖は、ポックスウイルス科(Poxviridae family)に属するウイルスに対して有効である可能性があることを発見した。 特に、このようなイミノ糖は、ポックスウイルス科に属するウイルスに起因または関連する疾患または状態を治療または予防するのに有用である可能性がある。 ポックスウイルス科には、脊椎動物ポックスウイルス科(Chordopoxviridae)サブファミリーおよび昆虫ポックスウイルス科(Entomopoxviridae)サブファミリーが含まれる。脊椎動物ポックスウイルス科サブファミリーには、オルソポックス(Orthopox)属、パラポックス(Parapox)属;アビロポックス(Aviropox)属;カプリポックスウイルス(Capripoxvirus)属;レポリポックスウイルス(Leporipoxvirus)属;ブタポックスウイルス(Suipoxvirus)属;モルシポックスウイルス(Molluscipoxvirus)属およびヤタポックス(Yatapox)属が含まれる。昆虫ポックスウイルス科サブファミリーには、昆虫ポックスウイルスA、BおよびCが含まれる。オルソポックス、パラポックス、ヤタポックスおよびモルシポックス属のウイルスはヒトに感染する可能性がある。 ポックスウイルス科のオルソポックスウイルス属に属するウイルス、すなわち、オルソポックスウイルスには、バッファロー痘(Buffalopox)ウイルス、ラクダ痘(Camelpox)ウイルス、牛痘(Cowpox)ウイルス、エクトロメリア(Ectromelia)ウイルス、サル痘(Monkeypox)ウイルス、ウサギ痘(Rabbitpox)ウイルス、アライグマ痘(Raccoonpox)ウイルス、アザラシ痘(Sealpox)ウイルス、スカンク痘(Skunkpox)ウイルス、タテラポックス(Taterapox)ウイルス、ウアシンギシュー病(Uasin Gishu disease)ウイルス、ワクシニアウイルス、痘瘡ウイルス、およびハタネズミ痘(Volepox)ウイルスが含まれる。 オルソポックスウイルスに起因または関連する疾患には、バッファロー痘、ラクダ痘、牛痘、マウス痘(エクトロメリアウイルスに起因)、サル痘、グリーンラビット症候群(Green Rabbit Syndrome)としても知られるウサギ痘、アライグマ痘、アザラシ痘、スカンク痘、タテラポックス、ウアシンギシュー病、天然痘(Smallpox)、およびハタネズミ痘が含まれる。 ポックスウイルス科のパラポックス属に属するウイルス、すなわちパラポックスウイルスには、羊鵞口瘡ウイルス(orf virus)、偽牛痘およびウシ丘疹性口内炎ウイルスが含まれる。 パラポックスウイルスに起因または関連する疾患には、羊鵞口瘡、偽牛痘およびウシ丘疹性口内炎が含まれる。 ポックスウイルス科のヤタポックス属に属するウイルス、すなわちヤタポックスウイルスには、タナ痘(tanapox)ウイルスおよびヤバサル(yaba monkey)腫瘍ウイルスが含まれる。 伝染性軟属腫(Molluscum contagiosum virus)ウイルスは、モルシポックスウイルス、すなわちポックスウイルス科のモルシポックス属に属するウイルスの一例である。 多くの実施形態では、イミノ糖はN−置換デオキシノジリマイシンであってもよい。幾つかの実施形態では、N−置換デオキシノジリマイシンとして、以下の式(式中、W1〜4は、水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換ハロアルキル基、置換もしくは非置換アルカノイル基、置換もしくは非置換アロイル基、または置換もしくは非置換ハロアルカノイル基から独立に選択される)の化合物であってもよい。 幾つかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換オキサアルキル基から選択され得る。 幾つかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アルキル基および/または置換もしくは非置換オキサアルキル基であってもよく、1から16炭素原子、4から12炭素原子または8から10炭素原子を含んでもよい。用語「オキサアルキル」は、1から5または1から3または1から2酸素原子を含有することができるアルキル誘導体を指す。用語「オキサアルキル」には、ヒドロキシ終端およびメトキシ終端アルキル誘導体が含まれる。 幾つかの実施形態では、Rは、−(CH2)6OCH3、−(CH2)6OCH2CH3、−(CH2)6O(CH2)2CH3、−(CH2)6O(CH2)3CH3、−(CH2)2O(CH2)5CH3、−(CH2)2O(CH2)6CH3、;−(CH2)2O(CH2)7CH3;−(CH2)9−OH;−(CH2)9OCH3から選択され得るが、これらに限定されない。 幾つかの実施形態では、Rは、分枝または非分枝、置換または非置換アルキル基であってもよい。特定の実施形態では、アルキル基は、C6〜C20アルキル基、C8〜C16アルキル基、またはC8〜C10アルキル基であり得る長鎖アルキル基であってもよい。幾つかの実施形態では、Rは、長鎖オキサアルキル基、すなわち1から5または1から3または1から2酸素原子を含有することができる長鎖アルキル基であってもよい。 幾つかの実施形態では、Rは、以下の式[式中、R1は置換もしくは非置換アルキル基であり;X1〜5はH、NO2、N3、またはNH2から独立に選択され;Yは存在しない、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基であり;およびZは結合またはNHから選択される(ただし、Zが結合である場合、Yは存在せず、ZがNHである場合、Yはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基である)]を有し得る。 幾つかの実施形態では、ZはNHであり、およびR1−Yは、C2〜C20アルキル基またはC4〜C12アルキル基またはC4〜C10アルキル基などの置換もしくは非置換アルキル基である。 幾つかの実施形態では、X1はNO2であり、X3はN3である。幾つかの実施形態では、X2、X4およびX5の各々は水素である。 幾つかの実施形態では、イミノ糖は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2007/0275998号に開示されたDNJ誘導体であってもよい。 幾つかの実施形態では、イミノ糖は、図1に表された化合物の1つであってもよい。 デオキシノジリマイシン誘導体を合成する方法は、例えば、全て参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,622,972号、5,200,523号、5,043,273号、4,994,572号、4,246,345号、4,266,025号、4,405,714号、および4,806,650号ならびに米国特許出願公開第2007/0275998号に開示されている。 幾つかの実施形態では、イミノ糖は、無機酸または有機酸由来の塩の形態であってもよい。薬学的に許容可能な塩および塩形態を調製する方法は、例えば、Bergeら(J. Pharm. Sci. 66:1-18頁、1977年)に開示されている。適切な塩の例には、以下の塩、すなわち酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルモエート(palmoate)、ペクチネート(pectinate)、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、メシル酸塩およびウンデカン酸塩が含まれるが、これらに限定されない。 幾つかの実施形態では、イミノ糖は、プロドラッグの形態でも使用され得る。6−リン酸化DNJ誘導体などのDNJ誘導体のプロドラッグは、米国特許第5,043,273号および5,103,008号に開示されている。 幾つかの実施形態では、イミノ糖は、組成物の一部として使用されることができ、該組成物は、動物に組成物を送達するのに有用な薬学的に許容可能な担体および/または成分をさらに含む。ヒトに組成物を送達するのに有用な多くの薬学的に許容可能な担体および畜牛などの他の動物に組成物を送達するのに有用な成分は、当技術分野で知られている。本発明の組成物へのこのような担体および成分の添加は、十分に当業者のレベルの範囲内である。 幾つかの実施形態では、医薬組成物は、N−置換デオキシノジリマイシンから本質的に成るものであり得る、これは、N−置換デオキシノジリマイシンが組成物における唯一の活性成分であることを意味し得る。 それにもかかわらず幾つかの実施形態では、N−置換デオキシノジリマイシンは、1つまたは複数の別の抗ウイルス化合物と共に投与され得る。 幾つかの実施形態では、イミノ糖は、米国特許公開第2008/0138351号および2009/0252785号ならびに2010年3月26日に出願された米国特許出願第12/732630号に開示されているものなどのリポソーム組成物において使用され得る。 DNJ誘導体などのイミノ糖は、ウイルスに冒された細胞または動物に投与され得る。イミノ糖はウイルスの形態形成を阻害することができ、またはイミノ糖は個体を治療することができる。治療は、動物におけるウイルス感染を減少、緩和または減弱させることができる。 ポックスウイルスに感染する可能性がある動物には、バッファロー、ヒツジ、ヤギおよび畜牛(ウシ)などのウシ属;ラクダ;マウス、ハタネズミ、およびアレチネズミなどの齧歯類;ウサギおよび野ウサギなどのウサギ科;アライグマ;アザラシ;スカンク;ウマを含むウマ科;サルおよびヒトを含む霊長類を含む哺乳動物が含まれる。 本発明の方法に対し動物または動物細胞に投与されるイミノ糖の量は、細胞からのポックスウイルスの形態形成を阻害するのに有効な量であってもよい。本明細書では用語「阻害する」は、イミノ糖の非存在下で示される生物活性の検出可能な減少および/または排除を指すことができる。用語「有効量」は、示された効果を達成するのに必要なイミノ糖のこの量を指すことができる。本明細書では用語「治療」は、対象における症状を減少もしくは軽減すること、症状が悪化もしくは進行するのを防ぐこと、原因病原体(agent)の阻害もしくは排除、またはポックスウイルスに関連した感染もしくは障害がない対象におけるこれらの予防を指すことができる。 故に、例えば、ウイルスに起因または関連する疾患の治療には、感染病原体の破壊、感染病原体の成長または成熟の阻害または妨害、および感染病原体の病理学的作用の中和が含まれ得る。細胞または動物に投与され得るイミノ糖の量は、好ましくは、投与に伴う利点を上回るいかなる毒作用も誘発しない量である。 医薬組成物での活性成分の実際の投与量レベルは、特定の患者に対し所望の治療反応を達成するのに有効である活性化合物(複数可)の量を投与するために変えることができる。 選択される用量レベルは、イミノ糖の活性、投与の経路、治療中の状態の重症度、ならびに治療中の患者の状態および既往歴に依存し得る。しかし、所望の治療効果を達成するのに必要とされるより低いレベルで化合物(複数可)の用量を開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増やすことは、当業者の範囲内である。所望であれば、有効な1日量は、投与の目的のため複数回投与、例えば、1日2から4回投与に分けることができる。しかし、特定の患者に対する特定の用量レベルは、体重、全般的健康、食事、投与の時間および経路、ならびに他の治療薬との組合せ、ならびに治療中の状態または疾患の重症度を含むさまざまな要因に依存し得ることが理解されるであろう。幾つかの実施形態では、成人ヒト1日投与量は、10キログラム体重当たりイミノ糖約1マイクログラムから約1グラムの間、または約10mgから100mgの間にわたってもよい。幾つかの実施形態では、総1日量は、0.1mg/kg体重から100mg/kg体重または1mg/kg体重から60mg/kg体重または2mg/kg体重から50mg/kg体重または3mg/kg体重から30mg/kg体重であってもよい。1日量は、1日を通して1つまたは複数の投与イベントにわたって投与されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、1日量は、1日2回(BID)の投与イベント、1日3回の投与イベント(TID)または4回の投与イベント(QID)にわたって分配されてもよい。特定の実施形態では、1mg/kg体重から10mg/kg体重にわたる単回投与イベント用量は、BIDまたはTIDでヒトに投与され、2mg/kg体重から20mg/kg体重または3mg/kg体重から30mg/kg体重までの総1日量にすることができる。もちろん、細胞または動物に投与されるべきイミノ糖の量は、イミノ糖の分子量および投与の経路など、当業者に十分に理解される多くの要因に依存する可能性がある。 本発明の方法において有用である医薬組成物は、経口固形製剤、眼科用製剤、座薬、エアロゾル、局所製剤または他の類似の製剤で全身投与され得る。例えば、これは、粉末、錠剤、カプセル、トローチ、ゲル、溶液、懸濁液、シロップ等の物理的形態であることができる。イミノ糖に加えて、このような医薬組成物は、薬剤投与を強化および促進することが知られている薬学的に許容可能な担体および他の成分を含有することができる。ナノ粒子、リポソーム、再封赤血球(resealed erythrocyte)および免疫学的ベースの系などの他の可能性のある製剤も、イミノ糖を投与するのに使用され得る。このような医薬組成物は、幾つかの経路により投与され得る。本明細書で使用される用語「非経口」には、皮下、静脈内、動脈内、髄腔内、ならびに注射および注入法が含まれるが、これらに限定されない。例として、医薬組成物は、経口投与、局所投与、非経口投与、全身投与、または肺経路により投与され得る。 これらの組成物は、単回投与、または異なる時間に投与される複数回投与で投与され得る。ポックスウイルスに対する組成物の阻害効果は持続し得るため、投与レジメンは、ウイルス増殖が遅延される一方で宿主細胞は最小限に影響されるように調整され得る。例として、動物は、本発明の組成物の1回量を週に1度投与されてもよく、これによりウイルス増殖は1週間にわたって遅延される一方で、宿主細胞の機能は週に1度、短期間のみ阻害される。 本明細書に記載された実施形態は、以下の実施例によりさらに例示されるが、これらに全く限定されない。実施例N−ノニルDNJの合成 手順:マグネチックスターラーを備えた50mL、1つ口、丸底フラスコに、DNJ(500mg)、エタノール(100mL)、ノナナール(nonanal)(530mg)、および酢酸(0.5mL)を室温で加えた。反応混合物を40〜45℃に加熱し、窒素下で30〜40分間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Pd/Cを添加した。反応フラスコを真空にし、およびバルーン中の水素ガスに置換した。このプロセスを3回繰り返した。最後に、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした(注1)。反応混合物をセライトのパッドを介して濾過し、エタノールで洗浄した。濾液を真空中で濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(230〜400メッシュのシリカゲル)により精製した。ジクロロメタン中メタノールの溶媒勾配(10〜25%)を使用してカラムから生成物を溶出した。所望の生成物を含有する画分全てを混合し、真空中で濃縮して純粋な生成物を得た(420mg)。反応の終了は、薄層シリカゲルプレート、溶離液、メタノール:ジクロロメタン=1:2を用いて薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした。N−7−オキサデシルDNJの合成(実施例2a)6−プロピルオキシ−1−ヘキサノールの合成 手順:マグネチックスターラーを備えた500mL、1つ口、丸底フラスコに、1,6−ヘキサンジオール(6.00g)、カリウムtert−ブトキシド(5.413g)を室温で加えた。反応混合物を1時間撹拌し、次いで1−ヨードプロパン(8.63g)を添加した。反応混合物を70〜80℃に加熱し、一晩撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした(注1)。反応の終了後、水を反応混合物に添加し、および酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。混合した有機層を真空中で濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をジクロロメタンに溶解し、水および次いで塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層を真空中で濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を230〜400メッシュのシリカゲルを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中酢酸エチルの溶媒勾配(10〜45%)を使用してカラムから生成物を溶出した。所望の純粋な生成物を含有する画分全てを混合し、および真空中で濃縮して純粋な6−プロピルオキシ−1−ヘキサノールを得た(ロットD−1029−048、1.9g、25%)。反応の終了は、薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした;(溶離液:ヘキサン中60%酢酸エチル)。(実施例2b)6−プロピルオキシ−1−ヘキサナール(hexanal)の調製 手順:マグネチックスターラーを備えた50mL、1つ口、丸底フラスコに、6−プロピルオキシ−1−ヘキサノール(1.0g)、PDC(4.7g)、ジクロロメタン(10mL)、セライト(1.0g)、および酢酸ナトリウム(100mg)を加えた。反応混合物を5分間、窒素下、室温で撹拌した。PDC(4.70g)を反応混合物に添加し、一晩撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした(注1)。反応の終了後、反応混合物をカラム(230〜400メッシュのシリカゲル)に直接充填した。酢酸エチル中ジクロロメタンの溶媒勾配(10〜20%)を使用してカラムから生成物を溶出した。所望の純粋な生成物を含有する画分全てを混合し、および真空中で濃縮して純粋な6−プロピルオキシ−1−ヘキサナールを得た(ロットD−1029−050、710mg、71%)。反応の終了は、薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした;(溶離液:ヘキサン中60%酢酸エチル)。(実施例2c)N−7−オキサデシル−DNJの合成 手順:マグネチックスターラーを備えた50mL、1つ口、丸底フラスコに、DNJ(500mg)、エタノール(15mL)、6−プロピルオキシ−1−ヘキサナール(585mg)、および酢酸(0.1mL)を室温で加えた。反応混合物を40〜45℃に加熱し、窒素下で30〜40分間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Pd/Cを添加した。反応フラスコを真空にし、およびバルーン中の水素ガスに置換した。このプロセスを3回繰り返した。最後に、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした(注1)。反応混合物をセライトのパッドを介して濾過し、エタノールで洗浄した。濾液を真空中で濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(230〜400メッシュのシリカゲル)により精製した。ジクロロメタン中メタノールの溶媒勾配(10〜40%)を使用してカラムから生成物を溶出した。所望の生成物を含有する画分全てを混合し、および真空中で濃縮して純粋な生成物を得た(ロット:D−1029−052(840mg)。反応の終了は、薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした;(溶離液:ジクロロメタン中50%メタノール)。N−(9−メトキシ)−ノニルDNJの合成(実施例3a)9−メトキシ−1−ノナノールの調製 手順:マグネチックスターラーおよび撹拌棒を備えた500mL、1つ口、丸底フラスコに、ジメチルスルホキシド(100mL)およびH2O(100mL)中1,9−ノナンジオール(10.00g、62.3mmol)を加えた。これにH2O(10mL)中水酸化ナトリウム(5.0g、125.0mmol)の溶液を室温でゆっくり添加した。水酸化ナトリウムの添加中、反応混合物は熱を発生し、温度は約40℃に上昇した。混合物を1時間撹拌し、次いで反応混合物の温度を約40℃に維持しながら硫酸ジメチル(16.52g、131mmol)を4つに分けて添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした(注1)。TLCモニタリングは、反応が25%転化であることを示した。この段階で追加の硫酸ジメチル(24.78g、196.44mmol)を添加し、得られた混合物を室温でさらに24時間撹拌した。反応の終了後、水酸化ナトリウム(10%水溶液)を反応混合物に添加して溶液のpHを11〜13に調整した。混合物を室温で2時間撹拌し、およびジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。混合した有機層をH2O(200mL)、塩水(150mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(20g)で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して粗生成物(14g)を得た。粗生成物を250〜400メッシュのシリカゲルを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中酢酸エチルの溶媒勾配(10〜50%)を使用してカラムから生成物を溶出した。所望の純粋な生成物を含有する画分全てを混合し、および真空中で濃縮して純粋な9−メトキシ−1−ノナノールを得た(ロットD−1027−155、2.38g、21.9%)。反応の終了は、薄層シリカゲルプレート、溶離液:ヘキサン中60%酢酸エチルを用いて薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした。(実施例3b)9−メトキシ−1−ノナナールの調製 手順:マグネチックスターラーおよび撹拌棒を備えた50mL、1つ口、丸底フラスコに、9−メトキシ−ノナノール(1.0g、5.9mmol)、ジクロロメタン(10mL)、モレキュラーシーブ(1.0g、3A)、酢酸ナトリウム(0.1g)を室温で加えた。反応混合物を5分間、窒素下、室温で撹拌した。反応混合物に重クロム酸ピリジニウム(4.7g、12.5mmol)を加え、一晩撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした(注1)。反応の終了後、反応混合物をシリカゲルのベッド(約15g)を介して濾過した。濾液を真空中で蒸発させて粗化合物を得た。これをシリカゲルカラム(250〜400メッシュ、40g)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中酢酸エチルの溶媒勾配(10〜50%)を使用してカラムから生成物を溶出した。所望の純粋な生成物を含有する画分全てを混合し、および真空中で濃縮して純粋な9−メトキシ−ノナナールを得た(ロットD−1027−156、553mg、54.4%)。反応の終了は、薄層シリカゲルプレート、溶離液:ヘキサン中60%酢酸エチルを用いて薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした。(実施例3c)N−(9−メトキシ)−ノニルDNJの合成 手順:マグネチックスターラーおよび撹拌棒を備えた50mL、2つ口、丸底フラスコに、DNJ(300mg、1.84mmol)、エタノール(20mL)、9−メトキシ−1−ノナナール(476mg、2.76mmol)を室温で加えた。反応混合物を窒素下、5〜10分間撹拌し、Pd/Cを室温で添加した。反応混合物を真空にし、およびバルーンを用いて水素ガスに置換した。このプロセスを3回繰り返し、次いで反応混合物を大気水素下、室温で撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした(注1)。反応混合物をセライトのベッドを介して濾過し、エタノール(20mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を250〜400メッシュのシリカゲル(20g)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。酢酸エチル中メタノールの溶媒勾配(5〜25%)を使用してカラムから生成物を溶出した。所望の純粋な生成物を含有する画分全てを混合し、および真空中で濃縮してオフホワイトの固体を得た。固体を酢酸エチル(20mL)中で粉末にし、濾過し、高真空中で乾燥させ、白色固体を得た[ロット:D−1027−158(165.3mg、28.1%)。反応の終了は、薄層シリカゲルプレート、溶離液:ジクロロメタン中50%メタノールを用いて薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした。ワクシニアウイルスに対するイミノ糖の効果 表7は、NB−DNJ(UV−1)、NN−DNJ(UV−2)、N7−O−DNJ(UV−3)、N9−DNJ(UV−4)およびNAP−DNJ(UV−5)についてのワクシニアウイルスの感染性の阻害に関するデータを提供する。 手順。化合物を感染性ウイルスの発生の阻害に関してスクリーニングし、4μMから250μMまでの濃度でUV化合物について行った。オルソポックスウイルスVaccinia NYCBOH株をウイルス阻害に関して評価した。アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC、マナッサス、バージニア)から得たBSC−40細胞(サバンナ(vervet)モンキー腎臓上皮細胞系)。細胞を、アッセイ前に24時間または80%コンフルエントまで、5%CO2インキュベーターにおいて、37℃、細胞培養処理24ウェル平底プレートで、5%ウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンを追加したlx改変イーグル培地(MEM、Gibco社)で培養した。細胞は0.5%DMSOの最終濃度で1時間、化合物により前処理した後、5%FBSを有するEMEM中のウイルス接種物を添加した。3日後ウイルス含有上清を回収し、ウイルス含有上清の10倍希釈をウイルスプラークアッセイで行った。力価に対し、成長培地に80%コンフルエントBSC−40細胞を有する12ウェルプレートを使用した。ウイルス上清を10−3から10−8希釈し、細胞に添加し、5〜10分ごとに振盪しながら37℃で1時間インキュベートした。ウイルス感染培地を吸引し、および2×MEM(5%ウシ胎仔血清最終濃度)と1:1混合した1mL予熱2%低融点アガロースに置き換え、および37℃、5%CO2で2日間インキュベートした後、ニュートラルレッド染色によりプラークを視覚化した。 本試験は、牛痘ブライトン(Cowpox Brighton)に曝露したマウスの生存の促進におけるイミノ糖化合物、UV−4の有効性を評価した。この化合物を、インビトロ(125から>2,000uMのCC50)およびインビボの両方で予めテストし(複数のマウス試験において体重減少または副作用は観察されなかった)、該化合物が低い毒性を有することが示された。この試験では、化合物は水に溶解した遊離薬剤として投与した。UV−4化合物を、化合物投与の開始後延べ10日間、経口経路(1日2×、強制経口投与(oral gavage)による胃内−IG)により与えた。試験動物は、最初のUV−4用量(dose)1時間前に、約1 LD90(1.00e6 pfu/マウス)で牛痘ブライトンに鼻腔内感染させた。方法: 感染:4〜6週齢メスBALB/Cマウスを、1×LD90の濃度での100uL牛痘ブライトン(あなたはどこでこの株を得たのか?公的に入手可能なのか?)の鼻腔内接種前に、イソフルオレン(isofluorene)で麻酔した。 投与:1日2×、マウス(n=10)に100ulの化合物希釈物(H2Oで調製)を強制経口投与した。治療は10日間続いた。結果: 図5は、1×LD90用量の牛痘ブライトンに感染し、水(対照群)またはUV−4(処置群)のどちらかを10日間、1日3×投与したマウスに関する生存データを示す。表8は、左の列に示された日におけるa)水で処置した対照群およびb)UV−4で処置した群での生存マウスのパーセンテージを示す。対照群および処置群の各々は10匹のマウスを含んだ。 対照群およびUV−4処置群のカプラン−マイヤー分析。群間のp値を示すログランク(マンテルコックス)分析。<0.05のp値は有意性を示す。UV−4 0.2mgについてのマウスp値は0.046である。イミノ糖安全性試験 方法および考察:BALB/cおよびC57/Bl/6マウスは、8時間おきに7日間、100および10mg/kg(それぞれ、2mgおよび0.2mg/マウス)で1マウスあたり100ulでのUV−1、UV−4、UV−5の経口懸濁液を与え(1日2回、7日間)、次いで体重減少および全般的健康をモニターした。処置の7日後、マウスは、「ビヒクルのみ」の対照に比べて体重減少のいずれの有意な徴候も示さなかった。これらの実験の結果は図6にある。 BALB/cマウスを最も高い濃度でUV−5により処置した場合、該マウスは下痢、血尿、およびしわしわの外観(ruffled appearance)の徴候を示したが、体重減少の徴候は示さなかった。C57/Bl/6マウスはこれらの同じ症状を示したが、しわしわの様子はなかった。これらの症状は治療を行うとすぐに止まり、11日目までに(化合物処置後4日目)これらの群のBALB/cマウスは非常に健康そうに見えた。 結論:これらの化合物は、このマウスモデルでは比較的非毒性であることが示され、化合物のこれらの濃度は安全であるように思われる。 上述は特定の好ましい実施形態を指しているが、本発明がこれに限定されないことが理解されるであろう。開示された実施形態にさまざまな修正を行い得ること、およびこのような修正は本発明の範囲内であることが意図されることを当業者であれば思いつくであろう。 本明細書に引用された出版物、特許出願および特許の全ては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。 ポックスウイルス科に属するウイルスに起因または関連する疾患または状態の治療または予防方法であって、これを必要としている対象に、有効量の式の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩[式中、Rは置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換オキサアルキル基から選択され;または式中、Rはであり、R1は置換または非置換アルキル基であり;X1〜5はH、NO2、N3、またはNH2から独立に選択され;Yは存在しない、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基であり;およびZは結合またはNHから選択され(ただし、Zが結合である場合、Yは存在せず、ZがNHである場合、Yは、カルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基である);および式中、W1〜4は、水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換ハロアルキル基、置換もしくは非置換アルカノイル基、置換もしくは非置換アロイル基、または置換もしくは非置換ハロアルカノイル基から独立に選択される]を投与することを含む方法。 W1、W2、W3およびW4の各々が水素である、請求項1に記載の方法。 Rが、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換オキサアルキル基から選択される、請求項1に記載の方法。 RがC6〜C12アルキルまたはオキサアルキル基である、請求項1に記載の方法。 RがC8〜C10アルキルまたはオキサアルキル基である、請求項1に記載の方法。 前記投与が、N−ノニルデオキシノジリマイシンまたはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、請求項1に記載の方法。 前記投与が、N−(7−オキサデシル)デオキシノジリマイシンまたはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、請求項1に記載の方法。 前記投与が、N−(9−メトキシノニル)デオキシノジリマイシンまたはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、請求項1に記載の方法。 Rがである、請求項1に記載の方法。 X1がNO2であり、X3がN3である、請求項9に記載の方法。 X2、X4およびX5の各々が水素である、請求項9に記載の方法。 前記投与が、N−(N−{4’−アジド−2’−ニトロフェニル}−6−アミノヘキシル)デオキシノジリマイシンまたはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、請求項1に記載の方法。 対象が哺乳動物である、請求項1に記載の方法。 対象がヒトである、請求項1に記載の方法。 ウイルスがオルソポックスウイルス科に属し、である、請求項1に記載の方法。 ウイルスがワクシニアウイルスである、請求項15に記載の方法。 ウイルスが牛痘ウイルスである、請求項15に記載の方法。 前記投与が、N−(9−メトキシノニル)デオキシノジリマイシンまたはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、請求項17に記載の方法。 ポックスウイルス科に属するウイルスに感染した細胞の感染性の方法であって、ポックスウイルス科に属するウイルスに感染した細胞を、有効量の式の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩[式中、Rは置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換オキサアルキル基から選択され;または式中、Rはであり、R1は置換または非置換アルキル基であり;X1〜5はH、NO2、N3、またはNH2から独立に選択され;Yは存在しない、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基であり;およびZは、結合またはNHから選択され(ただし、Zが結合である場合、Yは存在せず、ZがNHである場合、Yはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基である);および式中、W1〜4は、水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換ハロアルキル基、置換もしくは非置換アルカノイル基、置換もしくは非置換アロイル基、または置換もしくは非置換ハロアルカノイル基から独立に選択される]に接触させることを含む方法。 提供されるのは、DNJ誘導体などのイミノ糖を用いたポックスウイルス科に属するウイルスに起因または関連する疾患または状態の治療方法である。


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特許公報(B2)_ポックスウイルス感染の治療方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ポックスウイルス感染の治療方法
出願番号:2012528005
年次:2014
IPC分類:A61K 31/445,A61P 31/20


特許情報キャッシュ

ラムステッド,アーバン クロセ,ブレナン ツィツマン,ニコール ドウェック,レイモンド,エー. バターズ,テリー,ディー. JP 5575246 特許公報(B2) 20140711 2012528005 20100901 ポックスウイルス感染の治療方法 ユナイテッド セラピューティクス コーポレイション 511266520 ザ チャンセラー,マスターズ アンド スカラーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ オックスフォード 511301083 小林 浩 100092783 大森 規雄 100120134 鈴木 康仁 100104282 ラムステッド,アーバン クロセ,ブレナン ツィツマン,ニコール ドウェック,レイモンド,エー. バターズ,テリー,ディー. US 61/272,252 20090904 20140820 A61K 31/445 20060101AFI20140731BHJP A61P 31/20 20060101ALI20140731BHJP JPA61K31/445A61P31/20 A61K31/00〜31/80 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII) CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) 国際公開第2006/077427(WO,A1) 14 US2010047498 20100901 WO2011028781 20110310 2013503882 20130204 28 20130709 平井 裕彰関連出願 本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる2009年9月4日に出願された米国仮出願第61/272,252号の優先権を主張するものである。分野 本出願は、イミノ糖およびイミノ糖によるウイルス感染の治療方法、特に、ポックスウイルス科に属するウイルスに起因または関連するウイルス感染の治療および/または予防のためのイミノ糖の使用に関する。概要 1つの実施形態は、ポックスウイルス科に属するウイルスに起因または関連する疾患または状態を治療または予防する方法であり、方法は、これを必要としている対象に、有効量の式の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩[式中、Rは置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換オキサアルキル基から選択され;または式中、Rはであり、R1は置換または非置換アルキル基であり;X1〜5はH、NO2、N3、またはNH2から独立に選択され;Yは存在しない、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基であり;およびZは結合またはNHから選択され(ただし、Zが結合である場合、Yは存在せず、ZがNHである場合、Yはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基である);および式中、W1〜4は水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換ハロアルキル基、置換もしくは非置換アルカノイル基、置換もしくは非置換アロイル基、または置換もしくは非置換ハロアルカノイル基から独立に選択される]を投与することを含む。 別の実施形態は、ポックスウイルス科に属するウイルスに感染した細胞の感染性の方法(method of infectivity of a cell)であって、方法は、ポックスウイルス科に属するウイルスに感染した細胞を、有効量の式の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩[式中、Rは置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換オキサアルキル基から選択され;または式中、Rはであり、R1は置換または非置換アルキル基であり;X1〜5はH、NO2、N3、またはNH2から独立に選択され;Yは存在しない、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基であり;およびZは結合またはNHから選択され(ただし、Zが結合である場合、Yは存在せず、ZがNHである場合、Yはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基である);並びに式中、W1〜4は水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換ハロアルキル基、置換もしくは非置換アルカノイル基、置換もしくは非置換アロイル基、または置換もしくは非置換ハロアルカノイル基から独立に選択される]に接触させることを含む。図1(A)〜(E)は、以下のイミノ糖:A)N−ブチルデオキシノジリマイシン(NB−DNJ、UV−1);B)N−ノニルデオキシノジリマイシン(NN−DNJ、UV−2);C)N−(7−オキサデシル)デオキシノジリマイシン(N7−O−DNJ、UV−3);D)N−(9−メトキシノニル)デオキシノジリマイシン(UV−4);E)N−(N−{4’−アジド−2’−ニトロフェニル}−6−アミノヘキシル)デオキシノジリマイシン(UV−5)の化学式を表す図である。NN−DNJの合成スキームを示す図である。図3A〜Dは、N7−O−DNJの合成を例示する図である。特に、図3AはN7−O−DNJをもたらす一連の反応を示し、図3Bは6−プロピルオキシ−1−ヘキサノールの調製を例示し、図3Cは6−プロピルオキシ−1−ヘキサナールの調製を例示し、図3DはN7−O−DNJの合成を例示する。図4A〜Cは、N−(9−メトキシノニル)デオキシノジリマイシンの合成に関する図である。特に、図4Aは9−メトキシ−1−ノナノールの調製を例示し、図4Bは9−メトキシ−1−ノナナールの調製を例示し、図4CはN−(9−メトキシノニル)デオキシノジリマイシンの合成を例示する。牛痘ウイルスに感染したマウスのインビボ(in vivo)での生存データを表す図である。UV−4およびUV−5のインビボでの安全性データを表す図である。関連出願 以下の特許文献は、全てその全体が参照により本明細書に組み込まれ、本開示を理解するのに有用であり得る:1)米国特許第6,545,021号;2)米国特許第6,809,803号;3)米国特許第6,689,759号;4)米国特許第6,465,487号;5)米国特許第5,622,972号;6)2010年2月22日に出願された米国特許出願第12/656,992号;7)2010年2月22日に出願された米国特許出願第12/656,993号;8)2010年6月11日に出願された米国特許出願第12/813,882号;9)2010年2月22日に出願された米国特許仮出願第61/282,507号;10)2009年9月4日に出願された米国特許仮出願第61/272,252号;11)2009年9月4日に出願された米国仮出願第61/272,253号;12)2009年9月4日に出願された米国仮出願第61/272,254号;13)2010年2月22日に出願された米国仮出願第61/282,508号;14)2010年6月11日に出願された米国仮出願第61/353,935号。用語の定義 特に指定のない限り、「ある(a)」または「ある(an)」は「1つまたは複数の」を意味する。 本明細書では、用語「ウイルス感染」は、ウイルスが健康な細胞に侵入し、細胞の再生機構を使用して増殖または複製しおよび最終的に細胞を溶解し、細胞死、ウイルス粒子の放出および新規に産生された子孫ウイルスによる他の細胞の感染をもたらす疾患状態を記述する。特定のウイルスによる潜伏感染もウイルス感染の起こり得る結果である。 本明細書では、用語「ウイルス感染を治療または予防する」は、特定のウイルスの複製を阻害すること、ウイルス伝播を阻害すること、またはウイルスが宿主において定着するのを防ぐこと、およびウイルス感染に起因する疾患の症状を改善または軽減することを意味する。治療は、ウイルス負荷が減少し、死亡率および/または罹患率が低下する場合、治療効果があると見なされる。 IC50またはIC90(抑制濃度(inhibitory concentration)50または90)は、それぞれウイルス負荷の50%または90%減少を達成するのに使用される、イミノ糖などの治療薬の濃度である。開示 本発明者らは、デオキシノジリマイシン誘導体(deoxynojirimycin derivatives)などの特定のイミノ糖は、ポックスウイルス科(Poxviridae family)に属するウイルスに対して有効である可能性があることを発見した。 特に、このようなイミノ糖は、ポックスウイルス科に属するウイルスに起因または関連する疾患または状態を治療または予防するのに有用である可能性がある。 ポックスウイルス科には、脊椎動物ポックスウイルス科(Chordopoxviridae)サブファミリーおよび昆虫ポックスウイルス科(Entomopoxviridae)サブファミリーが含まれる。脊椎動物ポックスウイルス科サブファミリーには、オルソポックス(Orthopox)属、パラポックス(Parapox)属;アビロポックス(Aviropox)属;カプリポックスウイルス(Capripoxvirus)属;レポリポックスウイルス(Leporipoxvirus)属;ブタポックスウイルス(Suipoxvirus)属;モルシポックスウイルス(Molluscipoxvirus)属およびヤタポックス(Yatapox)属が含まれる。昆虫ポックスウイルス科サブファミリーには、昆虫ポックスウイルスA、BおよびCが含まれる。オルソポックス、パラポックス、ヤタポックスおよびモルシポックス属のウイルスはヒトに感染する可能性がある。 ポックスウイルス科のオルソポックスウイルス属に属するウイルス、すなわち、オルソポックスウイルスには、バッファロー痘(Buffalopox)ウイルス、ラクダ痘(Camelpox)ウイルス、牛痘(Cowpox)ウイルス、エクトロメリア(Ectromelia)ウイルス、サル痘(Monkeypox)ウイルス、ウサギ痘(Rabbitpox)ウイルス、アライグマ痘(Raccoonpox)ウイルス、アザラシ痘(Sealpox)ウイルス、スカンク痘(Skunkpox)ウイルス、タテラポックス(Taterapox)ウイルス、ウアシンギシュー病(Uasin Gishu disease)ウイルス、ワクシニアウイルス、痘瘡ウイルス、およびハタネズミ痘(Volepox)ウイルスが含まれる。 オルソポックスウイルスに起因または関連する疾患には、バッファロー痘、ラクダ痘、牛痘、マウス痘(エクトロメリアウイルスに起因)、サル痘、グリーンラビット症候群(Green Rabbit Syndrome)としても知られるウサギ痘、アライグマ痘、アザラシ痘、スカンク痘、タテラポックス、ウアシンギシュー病、天然痘(Smallpox)、およびハタネズミ痘が含まれる。 ポックスウイルス科のパラポックス属に属するウイルス、すなわちパラポックスウイルスには、羊鵞口瘡ウイルス(orf virus)、偽牛痘およびウシ丘疹性口内炎ウイルスが含まれる。 パラポックスウイルスに起因または関連する疾患には、羊鵞口瘡、偽牛痘およびウシ丘疹性口内炎が含まれる。 ポックスウイルス科のヤタポックス属に属するウイルス、すなわちヤタポックスウイルスには、タナ痘(tanapox)ウイルスおよびヤバサル(yaba monkey)腫瘍ウイルスが含まれる。 伝染性軟属腫(Molluscum contagiosum virus)ウイルスは、モルシポックスウイルス、すなわちポックスウイルス科のモルシポックス属に属するウイルスの一例である。 多くの実施形態では、イミノ糖はN−置換デオキシノジリマイシンであってもよい。幾つかの実施形態では、N−置換デオキシノジリマイシンとして、以下の式(式中、W1〜4は、水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換ハロアルキル基、置換もしくは非置換アルカノイル基、置換もしくは非置換アロイル基、または置換もしくは非置換ハロアルカノイル基から独立に選択される)の化合物であってもよい。 幾つかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換オキサアルキル基から選択され得る。 幾つかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アルキル基および/または置換もしくは非置換オキサアルキル基であってもよく、1から16炭素原子、4から12炭素原子または8から10炭素原子を含んでもよい。用語「オキサアルキル」は、1から5または1から3または1から2酸素原子を含有することができるアルキル誘導体を指す。用語「オキサアルキル」には、ヒドロキシ終端およびメトキシ終端アルキル誘導体が含まれる。 幾つかの実施形態では、Rは、−(CH2)6OCH3、−(CH2)6OCH2CH3、−(CH2)6O(CH2)2CH3、−(CH2)6O(CH2)3CH3、−(CH2)2O(CH2)5CH3、−(CH2)2O(CH2)6CH3、;−(CH2)2O(CH2)7CH3;−(CH2)9−OH;−(CH2)9OCH3から選択され得るが、これらに限定されない。 幾つかの実施形態では、Rは、分枝または非分枝、置換または非置換アルキル基であってもよい。特定の実施形態では、アルキル基は、C6〜C20アルキル基、C8〜C16アルキル基、またはC8〜C10アルキル基であり得る長鎖アルキル基であってもよい。幾つかの実施形態では、Rは、長鎖オキサアルキル基、すなわち1から5または1から3または1から2酸素原子を含有することができる長鎖アルキル基であってもよい。 幾つかの実施形態では、Rは、以下の式[式中、R1は置換もしくは非置換アルキル基であり;X1〜5はH、NO2、N3、またはNH2から独立に選択され;Yは存在しない、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基であり;およびZは結合またはNHから選択される(ただし、Zが結合である場合、Yは存在せず、ZがNHである場合、Yはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基である)]を有し得る。 幾つかの実施形態では、ZはNHであり、およびR1−Yは、C2〜C20アルキル基またはC4〜C12アルキル基またはC4〜C10アルキル基などの置換もしくは非置換アルキル基である。 幾つかの実施形態では、X1はNO2であり、X3はN3である。幾つかの実施形態では、X2、X4およびX5の各々は水素である。 幾つかの実施形態では、イミノ糖は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2007/0275998号に開示されたDNJ誘導体であってもよい。 幾つかの実施形態では、イミノ糖は、図1に表された化合物の1つであってもよい。 デオキシノジリマイシン誘導体を合成する方法は、例えば、全て参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,622,972号、5,200,523号、5,043,273号、4,994,572号、4,246,345号、4,266,025号、4,405,714号、および4,806,650号ならびに米国特許出願公開第2007/0275998号に開示されている。 幾つかの実施形態では、イミノ糖は、無機酸または有機酸由来の塩の形態であってもよい。薬学的に許容可能な塩および塩形態を調製する方法は、例えば、Bergeら(J. Pharm. Sci. 66:1-18頁、1977年)に開示されている。適切な塩の例には、以下の塩、すなわち酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルモエート(palmoate)、ペクチネート(pectinate)、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、メシル酸塩およびウンデカン酸塩が含まれるが、これらに限定されない。 幾つかの実施形態では、イミノ糖は、プロドラッグの形態でも使用され得る。6−リン酸化DNJ誘導体などのDNJ誘導体のプロドラッグは、米国特許第5,043,273号および5,103,008号に開示されている。 幾つかの実施形態では、イミノ糖は、組成物の一部として使用されることができ、該組成物は、動物に組成物を送達するのに有用な薬学的に許容可能な担体および/または成分をさらに含む。ヒトに組成物を送達するのに有用な多くの薬学的に許容可能な担体および畜牛などの他の動物に組成物を送達するのに有用な成分は、当技術分野で知られている。本発明の組成物へのこのような担体および成分の添加は、十分に当業者のレベルの範囲内である。 幾つかの実施形態では、医薬組成物は、N−置換デオキシノジリマイシンから本質的に成るものであり得る、これは、N−置換デオキシノジリマイシンが組成物における唯一の活性成分であることを意味し得る。 それにもかかわらず幾つかの実施形態では、N−置換デオキシノジリマイシンは、1つまたは複数の別の抗ウイルス化合物と共に投与され得る。 幾つかの実施形態では、イミノ糖は、米国特許公開第2008/0138351号および2009/0252785号ならびに2010年3月26日に出願された米国特許出願第12/732630号に開示されているものなどのリポソーム組成物において使用され得る。 DNJ誘導体などのイミノ糖は、ウイルスに冒された細胞または動物に投与され得る。イミノ糖はウイルスの形態形成を阻害することができ、またはイミノ糖は個体を治療することができる。治療は、動物におけるウイルス感染を減少、緩和または減弱させることができる。 ポックスウイルスに感染する可能性がある動物には、バッファロー、ヒツジ、ヤギおよび畜牛(ウシ)などのウシ属;ラクダ;マウス、ハタネズミ、およびアレチネズミなどの齧歯類;ウサギおよび野ウサギなどのウサギ科;アライグマ;アザラシ;スカンク;ウマを含むウマ科;サルおよびヒトを含む霊長類を含む哺乳動物が含まれる。 本発明の方法に対し動物または動物細胞に投与されるイミノ糖の量は、細胞からのポックスウイルスの形態形成を阻害するのに有効な量であってもよい。本明細書では用語「阻害する」は、イミノ糖の非存在下で示される生物活性の検出可能な減少および/または排除を指すことができる。用語「有効量」は、示された効果を達成するのに必要なイミノ糖のこの量を指すことができる。本明細書では用語「治療」は、対象における症状を減少もしくは軽減すること、症状が悪化もしくは進行するのを防ぐこと、原因病原体(agent)の阻害もしくは排除、またはポックスウイルスに関連した感染もしくは障害がない対象におけるこれらの予防を指すことができる。 故に、例えば、ウイルスに起因または関連する疾患の治療には、感染病原体の破壊、感染病原体の成長または成熟の阻害または妨害、および感染病原体の病理学的作用の中和が含まれ得る。細胞または動物に投与され得るイミノ糖の量は、好ましくは、投与に伴う利点を上回るいかなる毒作用も誘発しない量である。 医薬組成物での活性成分の実際の投与量レベルは、特定の患者に対し所望の治療反応を達成するのに有効である活性化合物(複数可)の量を投与するために変えることができる。 選択される用量レベルは、イミノ糖の活性、投与の経路、治療中の状態の重症度、ならびに治療中の患者の状態および既往歴に依存し得る。しかし、所望の治療効果を達成するのに必要とされるより低いレベルで化合物(複数可)の用量を開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増やすことは、当業者の範囲内である。所望であれば、有効な1日量は、投与の目的のため複数回投与、例えば、1日2から4回投与に分けることができる。しかし、特定の患者に対する特定の用量レベルは、体重、全般的健康、食事、投与の時間および経路、ならびに他の治療薬との組合せ、ならびに治療中の状態または疾患の重症度を含むさまざまな要因に依存し得ることが理解されるであろう。幾つかの実施形態では、成人ヒト1日投与量は、10キログラム体重当たりイミノ糖約1マイクログラムから約1グラムの間、または約10mgから100mgの間にわたってもよい。幾つかの実施形態では、総1日量は、0.1mg/kg体重から100mg/kg体重または1mg/kg体重から60mg/kg体重または2mg/kg体重から50mg/kg体重または3mg/kg体重から30mg/kg体重であってもよい。1日量は、1日を通して1つまたは複数の投与イベントにわたって投与されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、1日量は、1日2回(BID)の投与イベント、1日3回の投与イベント(TID)または4回の投与イベント(QID)にわたって分配されてもよい。特定の実施形態では、1mg/kg体重から10mg/kg体重にわたる単回投与イベント用量は、BIDまたはTIDでヒトに投与され、2mg/kg体重から20mg/kg体重または3mg/kg体重から30mg/kg体重までの総1日量にすることができる。もちろん、細胞または動物に投与されるべきイミノ糖の量は、イミノ糖の分子量および投与の経路など、当業者に十分に理解される多くの要因に依存する可能性がある。 本発明の方法において有用である医薬組成物は、経口固形製剤、眼科用製剤、座薬、エアロゾル、局所製剤または他の類似の製剤で全身投与され得る。例えば、これは、粉末、錠剤、カプセル、トローチ、ゲル、溶液、懸濁液、シロップ等の物理的形態であることができる。イミノ糖に加えて、このような医薬組成物は、薬剤投与を強化および促進することが知られている薬学的に許容可能な担体および他の成分を含有することができる。ナノ粒子、リポソーム、再封赤血球(resealed erythrocyte)および免疫学的ベースの系などの他の可能性のある製剤も、イミノ糖を投与するのに使用され得る。このような医薬組成物は、幾つかの経路により投与され得る。本明細書で使用される用語「非経口」には、皮下、静脈内、動脈内、髄腔内、ならびに注射および注入法が含まれるが、これらに限定されない。例として、医薬組成物は、経口投与、局所投与、非経口投与、全身投与、または肺経路により投与され得る。 これらの組成物は、単回投与、または異なる時間に投与される複数回投与で投与され得る。ポックスウイルスに対する組成物の阻害効果は持続し得るため、投与レジメンは、ウイルス増殖が遅延される一方で宿主細胞は最小限に影響されるように調整され得る。例として、動物は、本発明の組成物の1回量を週に1度投与されてもよく、これによりウイルス増殖は1週間にわたって遅延される一方で、宿主細胞の機能は週に1度、短期間のみ阻害される。 本明細書に記載された実施形態は、以下の実施例によりさらに例示されるが、これらに全く限定されない。実施例N−ノニルDNJの合成 手順:マグネチックスターラーを備えた50mL、1つ口、丸底フラスコに、DNJ(500mg)、エタノール(100mL)、ノナナール(nonanal)(530mg)、および酢酸(0.5mL)を室温で加えた。反応混合物を40〜45℃に加熱し、窒素下で30〜40分間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Pd/Cを添加した。反応フラスコを真空にし、およびバルーン中の水素ガスに置換した。このプロセスを3回繰り返した。最後に、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした(注1)。反応混合物をセライトのパッドを介して濾過し、エタノールで洗浄した。濾液を真空中で濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(230〜400メッシュのシリカゲル)により精製した。ジクロロメタン中メタノールの溶媒勾配(10〜25%)を使用してカラムから生成物を溶出した。所望の生成物を含有する画分全てを混合し、真空中で濃縮して純粋な生成物を得た(420mg)。反応の終了は、薄層シリカゲルプレート、溶離液、メタノール:ジクロロメタン=1:2を用いて薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした。N−7−オキサデシルDNJの合成(実施例2a)6−プロピルオキシ−1−ヘキサノールの合成 手順:マグネチックスターラーを備えた500mL、1つ口、丸底フラスコに、1,6−ヘキサンジオール(6.00g)、カリウムtert−ブトキシド(5.413g)を室温で加えた。反応混合物を1時間撹拌し、次いで1−ヨードプロパン(8.63g)を添加した。反応混合物を70〜80℃に加熱し、一晩撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした(注1)。反応の終了後、水を反応混合物に添加し、および酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。混合した有機層を真空中で濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をジクロロメタンに溶解し、水および次いで塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層を真空中で濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を230〜400メッシュのシリカゲルを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中酢酸エチルの溶媒勾配(10〜45%)を使用してカラムから生成物を溶出した。所望の純粋な生成物を含有する画分全てを混合し、および真空中で濃縮して純粋な6−プロピルオキシ−1−ヘキサノールを得た(ロットD−1029−048、1.9g、25%)。反応の終了は、薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした;(溶離液:ヘキサン中60%酢酸エチル)。(実施例2b)6−プロピルオキシ−1−ヘキサナール(hexanal)の調製 手順:マグネチックスターラーを備えた50mL、1つ口、丸底フラスコに、6−プロピルオキシ−1−ヘキサノール(1.0g)、PDC(4.7g)、ジクロロメタン(10mL)、セライト(1.0g)、および酢酸ナトリウム(100mg)を加えた。反応混合物を5分間、窒素下、室温で撹拌した。PDC(4.70g)を反応混合物に添加し、一晩撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした(注1)。反応の終了後、反応混合物をカラム(230〜400メッシュのシリカゲル)に直接充填した。酢酸エチル中ジクロロメタンの溶媒勾配(10〜20%)を使用してカラムから生成物を溶出した。所望の純粋な生成物を含有する画分全てを混合し、および真空中で濃縮して純粋な6−プロピルオキシ−1−ヘキサナールを得た(ロットD−1029−050、710mg、71%)。反応の終了は、薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした;(溶離液:ヘキサン中60%酢酸エチル)。(実施例2c)N−7−オキサデシル−DNJの合成 手順:マグネチックスターラーを備えた50mL、1つ口、丸底フラスコに、DNJ(500mg)、エタノール(15mL)、6−プロピルオキシ−1−ヘキサナール(585mg)、および酢酸(0.1mL)を室温で加えた。反応混合物を40〜45℃に加熱し、窒素下で30〜40分間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Pd/Cを添加した。反応フラスコを真空にし、およびバルーン中の水素ガスに置換した。このプロセスを3回繰り返した。最後に、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした(注1)。反応混合物をセライトのパッドを介して濾過し、エタノールで洗浄した。濾液を真空中で濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(230〜400メッシュのシリカゲル)により精製した。ジクロロメタン中メタノールの溶媒勾配(10〜40%)を使用してカラムから生成物を溶出した。所望の生成物を含有する画分全てを混合し、および真空中で濃縮して純粋な生成物を得た(ロット:D−1029−052(840mg)。反応の終了は、薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした;(溶離液:ジクロロメタン中50%メタノール)。N−(9−メトキシ)−ノニルDNJの合成(実施例3a)9−メトキシ−1−ノナノールの調製 手順:マグネチックスターラーおよび撹拌棒を備えた500mL、1つ口、丸底フラスコに、ジメチルスルホキシド(100mL)およびH2O(100mL)中1,9−ノナンジオール(10.00g、62.3mmol)を加えた。これにH2O(10mL)中水酸化ナトリウム(5.0g、125.0mmol)の溶液を室温でゆっくり添加した。水酸化ナトリウムの添加中、反応混合物は熱を発生し、温度は約40℃に上昇した。混合物を1時間撹拌し、次いで反応混合物の温度を約40℃に維持しながら硫酸ジメチル(16.52g、131mmol)を4つに分けて添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした(注1)。TLCモニタリングは、反応が25%転化であることを示した。この段階で追加の硫酸ジメチル(24.78g、196.44mmol)を添加し、得られた混合物を室温でさらに24時間撹拌した。反応の終了後、水酸化ナトリウム(10%水溶液)を反応混合物に添加して溶液のpHを11〜13に調整した。混合物を室温で2時間撹拌し、およびジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。混合した有機層をH2O(200mL)、塩水(150mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(20g)で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して粗生成物(14g)を得た。粗生成物を250〜400メッシュのシリカゲルを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中酢酸エチルの溶媒勾配(10〜50%)を使用してカラムから生成物を溶出した。所望の純粋な生成物を含有する画分全てを混合し、および真空中で濃縮して純粋な9−メトキシ−1−ノナノールを得た(ロットD−1027−155、2.38g、21.9%)。反応の終了は、薄層シリカゲルプレート、溶離液:ヘキサン中60%酢酸エチルを用いて薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした。(実施例3b)9−メトキシ−1−ノナナールの調製 手順:マグネチックスターラーおよび撹拌棒を備えた50mL、1つ口、丸底フラスコに、9−メトキシ−ノナノール(1.0g、5.9mmol)、ジクロロメタン(10mL)、モレキュラーシーブ(1.0g、3A)、酢酸ナトリウム(0.1g)を室温で加えた。反応混合物を5分間、窒素下、室温で撹拌した。反応混合物に重クロム酸ピリジニウム(4.7g、12.5mmol)を加え、一晩撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした(注1)。反応の終了後、反応混合物をシリカゲルのベッド(約15g)を介して濾過した。濾液を真空中で蒸発させて粗化合物を得た。これをシリカゲルカラム(250〜400メッシュ、40g)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中酢酸エチルの溶媒勾配(10〜50%)を使用してカラムから生成物を溶出した。所望の純粋な生成物を含有する画分全てを混合し、および真空中で濃縮して純粋な9−メトキシ−ノナナールを得た(ロットD−1027−156、553mg、54.4%)。反応の終了は、薄層シリカゲルプレート、溶離液:ヘキサン中60%酢酸エチルを用いて薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした。(実施例3c)N−(9−メトキシ)−ノニルDNJの合成 手順:マグネチックスターラーおよび撹拌棒を備えた50mL、2つ口、丸底フラスコに、DNJ(300mg、1.84mmol)、エタノール(20mL)、9−メトキシ−1−ノナナール(476mg、2.76mmol)を室温で加えた。反応混合物を窒素下、5〜10分間撹拌し、Pd/Cを室温で添加した。反応混合物を真空にし、およびバルーンを用いて水素ガスに置換した。このプロセスを3回繰り返し、次いで反応混合物を大気水素下、室温で撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした(注1)。反応混合物をセライトのベッドを介して濾過し、エタノール(20mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を250〜400メッシュのシリカゲル(20g)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。酢酸エチル中メタノールの溶媒勾配(5〜25%)を使用してカラムから生成物を溶出した。所望の純粋な生成物を含有する画分全てを混合し、および真空中で濃縮してオフホワイトの固体を得た。固体を酢酸エチル(20mL)中で粉末にし、濾過し、高真空中で乾燥させ、白色固体を得た[ロット:D−1027−158(165.3mg、28.1%)。反応の終了は、薄層シリカゲルプレート、溶離液:ジクロロメタン中50%メタノールを用いて薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした。ワクシニアウイルスに対するイミノ糖の効果 表7は、NB−DNJ(UV−1)、NN−DNJ(UV−2)、N7−O−DNJ(UV−3)、N9−DNJ(UV−4)およびNAP−DNJ(UV−5)についてのワクシニアウイルスの感染性の阻害に関するデータを提供する。 手順。化合物を感染性ウイルスの発生の阻害に関してスクリーニングし、4μMから250μMまでの濃度でUV化合物について行った。オルソポックスウイルスVaccinia NYCBOH株をウイルス阻害に関して評価した。アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC、マナッサス、バージニア)から得たBSC−40細胞(サバンナ(vervet)モンキー腎臓上皮細胞系)。細胞を、アッセイ前に24時間または80%コンフルエントまで、5%CO2インキュベーターにおいて、37℃、細胞培養処理24ウェル平底プレートで、5%ウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンを追加したlx改変イーグル培地(MEM、Gibco社)で培養した。細胞は0.5%DMSOの最終濃度で1時間、化合物により前処理した後、5%FBSを有するEMEM中のウイルス接種物を添加した。3日後ウイルス含有上清を回収し、ウイルス含有上清の10倍希釈をウイルスプラークアッセイで行った。力価に対し、成長培地に80%コンフルエントBSC−40細胞を有する12ウェルプレートを使用した。ウイルス上清を10−3から10−8希釈し、細胞に添加し、5〜10分ごとに振盪しながら37℃で1時間インキュベートした。ウイルス感染培地を吸引し、および2×MEM(5%ウシ胎仔血清最終濃度)と1:1混合した1mL予熱2%低融点アガロースに置き換え、および37℃、5%CO2で2日間インキュベートした後、ニュートラルレッド染色によりプラークを視覚化した。 本試験は、牛痘ブライトン(Cowpox Brighton)に曝露したマウスの生存の促進におけるイミノ糖化合物、UV−4の有効性を評価した。この化合物を、インビトロ(125から>2,000uMのCC50)およびインビボの両方で予めテストし(複数のマウス試験において体重減少または副作用は観察されなかった)、該化合物が低い毒性を有することが示された。この試験では、化合物は水に溶解した遊離薬剤として投与した。UV−4化合物を、化合物投与の開始後延べ10日間、経口経路(1日2×、強制経口投与(oral gavage)による胃内−IG)により与えた。試験動物は、最初のUV−4用量(dose)1時間前に、約1 LD90(1.00e6 pfu/マウス)で牛痘ブライトンに鼻腔内感染させた。方法: 感染:4〜6週齢メスBALB/Cマウスを、1×LD90の濃度での100uL牛痘ブライトン(あなたはどこでこの株を得たのか?公的に入手可能なのか?)の鼻腔内接種前に、イソフルオレン(isofluorene)で麻酔した。 投与:1日2×、マウス(n=10)に100ulの化合物希釈物(H2Oで調製)を強制経口投与した。治療は10日間続いた。結果: 図5は、1×LD90用量の牛痘ブライトンに感染し、水(対照群)またはUV−4(処置群)のどちらかを10日間、1日3×投与したマウスに関する生存データを示す。表8は、左の列に示された日におけるa)水で処置した対照群およびb)UV−4で処置した群での生存マウスのパーセンテージを示す。対照群および処置群の各々は10匹のマウスを含んだ。 対照群およびUV−4処置群のカプラン−マイヤー分析。群間のp値を示すログランク(マンテルコックス)分析。<0.05のp値は有意性を示す。UV−4 0.2mgについてのマウスp値は0.046である。イミノ糖安全性試験 方法および考察:BALB/cおよびC57/Bl/6マウスは、8時間おきに7日間、100および10mg/kg(それぞれ、2mgおよび0.2mg/マウス)で1マウスあたり100ulでのUV−1、UV−4、UV−5の経口懸濁液を与え(1日2回、7日間)、次いで体重減少および全般的健康をモニターした。処置の7日後、マウスは、「ビヒクルのみ」の対照に比べて体重減少のいずれの有意な徴候も示さなかった。これらの実験の結果は図6にある。 BALB/cマウスを最も高い濃度でUV−5により処置した場合、該マウスは下痢、血尿、およびしわしわの外観(ruffled appearance)の徴候を示したが、体重減少の徴候は示さなかった。C57/Bl/6マウスはこれらの同じ症状を示したが、しわしわの様子はなかった。これらの症状は治療を行うとすぐに止まり、11日目までに(化合物処置後4日目)これらの群のBALB/cマウスは非常に健康そうに見えた。 結論:これらの化合物は、このマウスモデルでは比較的非毒性であることが示され、化合物のこれらの濃度は安全であるように思われる。 上述は特定の好ましい実施形態を指しているが、本発明がこれに限定されないことが理解されるであろう。開示された実施形態にさまざまな修正を行い得ること、およびこのような修正は本発明の範囲内であることが意図されることを当業者であれば思いつくであろう。 本明細書に引用された出版物、特許出願および特許の全ては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。 以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。[1] ポックスウイルス科に属するウイルスに起因または関連する疾患または状態の治療または予防方法であって、これを必要としている対象に、有効量の式の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩[式中、Rは置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換オキサアルキル基から選択され;または式中、Rはであり、R1は置換または非置換アルキル基であり;X1〜5はH、NO2、N3、またはNH2から独立に選択され;Yは存在しない、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基であり;およびZは結合またはNHから選択され(ただし、Zが結合である場合、Yは存在せず、ZがNHである場合、Yは、カルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基である);および式中、W1〜4は、水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換ハロアルキル基、置換もしくは非置換アルカノイル基、置換もしくは非置換アロイル基、または置換もしくは非置換ハロアルカノイル基から独立に選択される]を投与することを含む方法。[2] W1、W2、W3およびW4の各々が水素である、[1]に記載の方法。[3] Rが、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換オキサアルキル基から選択される、[1]に記載の方法。[4] RがC6〜C12アルキルまたはオキサアルキル基である、[1]に記載の方法。[5] RがC8〜C10アルキルまたはオキサアルキル基である、[1]に記載の方法。[6] 前記投与が、N−ノニルデオキシノジリマイシンまたはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、[1]に記載の方法。[7] 前記投与が、N−(7−オキサデシル)デオキシノジリマイシンまたはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、[1]に記載の方法。[8] 前記投与が、N−(9−メトキシノニル)デオキシノジリマイシンまたはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、[1]に記載の方法。[9] Rがである、[1]に記載の方法。[10] X1がNO2であり、X3がN3である、[9]に記載の方法。[11] X2、X4およびX5の各々が水素である、[9]に記載の方法。[12] 前記投与が、N−(N−{4’−アジド−2’−ニトロフェニル}−6−アミノヘキシル)デオキシノジリマイシンまたはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、[1]に記載の方法。[13] 対象が哺乳動物である、[1]に記載の方法。[14] 対象がヒトである、[1]に記載の方法。[15] ウイルスがオルソポックスウイルス科に属する、[1]に記載の方法。[16] ウイルスがワクシニアウイルスである、[15]に記載の方法。[17] ウイルスが牛痘ウイルスである、[15]に記載の方法。[18] 前記投与が、N−(9−メトキシノニル)デオキシノジリマイシンまたはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、[17]に記載の方法。[19] ポックスウイルス科に属するウイルスに感染した細胞の感染性の方法であって、ポックスウイルス科に属するウイルスに感染した細胞を、有効量の式の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩[式中、Rは置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換オキサアルキル基から選択され;または式中、Rはであり、R1は置換または非置換アルキル基であり;X1〜5はH、NO2、N3、またはNH2から独立に選択され;Yは存在しない、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基であり;およびZは、結合またはNHから選択され(ただし、Zが結合である場合、Yは存在せず、ZがNHである場合、Yはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基である);および式中、W1〜4は、水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換ハロアルキル基、置換もしくは非置換アルカノイル基、置換もしくは非置換アロイル基、または置換もしくは非置換ハロアルカノイル基から独立に選択される]に接触させることを含む方法。 対象において、ポックスウイルス科に属するウイルスに起因または関連する疾患または状態を治療または予防するための医薬組成物であって、式の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物:[式中、 Rは置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換オキサアルキル基から選択され;または式中、Rはであり、 R1は置換または非置換アルキル基であり; X1〜5はH、NO2、N3、またはNH2から独立に選択され; Yは存在しない、またはカルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基であり;および Zは結合またはNHから選択され(ただし、Zが結合である場合、Yは存在せず、ZがNHである場合、Yは、カルボニル以外の置換もしくは非置換C1アルキル基である);および W1、W2、W3およびW4の各々は水素である]。 Rが、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、および置換もしくは非置換オキサアルキル基から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。 RがC6〜C12アルキルまたはオキサアルキル基である、請求項1または2に記載の医薬組成物。 RがC8〜C10アルキルまたはオキサアルキル基である、請求項3に記載の医薬組成物。 前記化合物が、(i)N−(9−メトキシノニル)デオキシノジリマイシンもしくはその薬学的に許容可能な塩;(ii)N−(N−{4’−アジド−2’−ニトロフェニル}−6−アミノヘキシル)デオキシノジリマイシンもしくはその薬学的に許容可能な塩;(iii)N−(7−オキサデシル)デオキシノジリマイシンもしくはその薬学的に許容可能な塩;または(iv)N−ノニルデオキシノジリマイシンもしくはその薬学的に許容可能な塩である、請求項1に記載の医薬組成物。 Rがである、請求項1に記載の医薬組成物。 X1がNO2であり、X3がN3である、請求項6に記載の医薬組成物。 X2、X4およびX5の各々が水素である、請求項6に記載の医薬組成物。 前記対象が哺乳動物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物。 前記対象がヒトである、請求項9に記載の医薬組成物。 前記疾患または状態が天然痘である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物。 前記ウイルスがオルソポックスウイルス科に属する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。 前記ウイルスが痘瘡ウイルスである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬組成物。 前記ウイルスがワクシニアウイルスまたは牛痘ウイルスである、請求項1〜10および12のいずれか1項に記載の医薬組成物。


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