生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_フィタン酸含量が低く、ω−3脂肪酸に富む組成物
出願番号:2012505054
年次:2012
IPC分類:A23L 1/30,A61K 31/202,A61P 37/08,A61P 27/14,A61P 27/00,A61P 27/06,A61P 21/04,A61P 25/00,A61P 31/12,A61P 31/04,A61P 35/00,A61P 19/02,A61P 29/00,A61P 35/02


特許情報キャッシュ

セラ ロペス,ホセ マヌエル JP 2012523823 公表特許公報(A) 20121011 2012505054 20090417 フィタン酸含量が低く、ω−3脂肪酸に富む組成物 セラビスタ ファーマシューティカルズ リミテッド 511248939 CELAVISTA PHARMACEUTICALS LIMITED 特許業務法人原謙三国際特許事務所 110000338 セラ ロペス,ホセ マヌエル A23L 1/30 20060101AFI20120914BHJP A61K 31/202 20060101ALI20120914BHJP A61P 37/08 20060101ALI20120914BHJP A61P 27/14 20060101ALI20120914BHJP A61P 27/00 20060101ALI20120914BHJP A61P 27/06 20060101ALI20120914BHJP A61P 21/04 20060101ALI20120914BHJP A61P 25/00 20060101ALI20120914BHJP A61P 31/12 20060101ALI20120914BHJP A61P 31/04 20060101ALI20120914BHJP A61P 35/00 20060101ALI20120914BHJP A61P 19/02 20060101ALI20120914BHJP A61P 29/00 20060101ALI20120914BHJP A61P 35/02 20060101ALI20120914BHJP JPA23L1/30 ZA23L1/30 AA23L1/30 BA61K31/202A61P37/08A61P27/14A61P27/00A61P27/06A61P21/04A61P25/00A61P31/12A61P31/04A61P35/00A61P19/02A61P29/00 101A61P35/02 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW EP2009002842 20090417 WO2010118761 20101021 81 20111214 4B018 4C206 4B018LB10 4B018MD11 4B018ME14 4B018MF01 4C206AA01 4C206AA02 4C206DA05 4C206MA01 4C206MA04 4C206NA14 4C206ZA02 4C206ZA33 4C206ZA36 4C206ZA94 4C206ZA96 4C206ZB07 4C206ZB13 4C206ZB15 4C206ZB26 4C206ZB27発明の詳細な説明 〔技術分野〕 本発明は、フィタン酸の含量が1gの油中90μg未満である、ω3脂肪酸に富む組成物を得るための製造に関する。また、本発明は、フィタン酸の含量が1gの油中90μg未満である、ω3脂肪酸に富む組成物を得ることについて言及しており、より好ましくは650〜950mg/g、すなわち65〜95重量%のDHA、および1gの油中90μg未満、好ましくは5μg未満であるPhAの値が組成物を形成している。得られる組成物は、その予防作用および治療効能により、補助食品、栄養品および医薬品の分野で使用される。 〔背景技術〕 ω3脂肪酸はポリ不飽和脂肪酸のファミリーの一つであり、その共通の特徴は、最後の二重結合が、脂肪酸の最終のメチル基から数えて3番目のC−C結合に位置していることである。ω3脂肪酸は必要不可欠である。すなわち、人の体は、内部ではそれを生産することができず、それゆえ、食物を介して、または組成物を介してそれを摂取する必要がある。ω3脂肪酸は、そのポリ不飽和の性質のために、人体において非常に独特な物理化学的機能を有している(すなわち、非常に低い融点)。それゆえ、幅広く研究されてきている。今日、最大10種のω3脂肪酸(すなわち、ステアリン酸)が知られているが、DHAおよび/またはEPAを除き、人の体における存在量は非常に小さい量であり、その生理活性は非常に低いか、または無い。 5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸またはEPA、および4,7,11,13,16,19−ドコサヘキサエン酸またはDHAは、最も多くの生理的機能を有するω3脂肪酸であり、とりわけDHAにおいては、網膜、精子、神経組織等において特異的な機能を有している。 DHAおよびEPAは何れも共通の生理的機能を有しているが、DHAは、とりわけ光受容体、神経組織および精子において、他の脂肪酸が有していない特異的な生理的機能を有している。DHAを多く摂取するとEPAのレベルが増加するが、その逆は生じない。加えて、DHAは他の脂肪酸の合成を変化させない(Voss et al., 1992) 生理的観点から、DHAは、人の消費にとって生物的見地から最も関心のあるω3脂肪酸である。DHAおよびEPAは同じ食物源の中に存在すること、およびEPAはより豊富に存在することから、当初は、EPAがより注目を集めたものとなり、入手がより容易であった。しかしながら、最近15年間のこれら二つの脂肪酸の知見は、DHAに対する関心および必要な精製に対する関心が著しく増加した。なぜなら、例外はさておき、多くの場合において、最も豊富な食物源における脂肪の10〜15%を超えない量しか存在しないためである。 DHAに富んだω3脂肪酸を得るための源の大部分は、海洋起源:微細藻類(すなわち、Schizochytrium sp., Crypthecodinium sp., Ulkenia sp., Euglena sp.):クルスタシィアン(すなわち、オキアミ Euphausia superba)、脂肪性の魚(すなわち、Thunnus ibynnus thynnusまたはマグロ赤み)、および海洋哺乳類;さらに、キノコおよび酵母(すなわち、Yarrowia lipolytica)、ならびに細菌(すなわち、Lactobacillus spp.)である。 人の消費において、最も純度が高く、DHAに富むω3脂肪酸を得るのに最も適している最も豊富な源は、魚である。なぜなら、その生産量は、1年につき、魚類および貝類1億4千万トンであり(FAO, 2007)、これは、1年あたり、百万メートルトンの魚油の生産であると見積もられるからである(IFFO, International Fishmeal & Fish oil Organisation)。最も好適な魚はマグロ、および、ω3含量が最も高い他の種であり、重量換算で20%を超えるDHAを含んでいる。それに加えて、それらは食品であるため、公衆衛生の点で、最高の保証および安全性を呈している。これに対し、魚とともに、オキアミは地球上におけるDHAの最大の保有物およびバイオマスを示している。しかしながら、ω3脂肪酸を得るためのオキアミの開発は、栄養連鎖、および人の食物に必要な種および魚の発生に関し、深刻で、既知の危険性を示している。将来の可能性は、オキアミをオキアミ養殖場で得ることであろう。ここでは栄養連鎖に関する危険性はなく、加えて、海水には通常存在するであろう汚染物がない環境で繁殖させることができる。 多くの著者は、DHAは全世界のほとんどの食事において不足している栄養であると考えている。しかし、DHAが不足している疾患における治療との関連性に加えて、その生理作用により、DHAを、アルツハイマー病などの神経変性疾患または精神分裂病;網膜変性疾患、癌、自己免疫疾患、慢性間接疾患および慢性皮膚炎症性疾患、腎疾患および泌尿器疾患(前立腺)、男性ホルモン性脱毛症、男性および女性の生殖力の変調、原発性注意障害または活動過多、知能発達および認知発達、同様に視覚発達とりわけ黄斑部に必要、心疾患、糖尿病ならびにトリグリセリド過剰血の治療および予防のための最も適切な補因子としている。 多くの病理の治療において、単に食事において得られる量(通常 >2〜4グラム)の数十倍の用量を用いる必要がある。これは、適切な用量の消費を実現するために、高純度のDHA組成物を得ることを必要としている(すなわち、20%油組成物から4グラムの用量のDHAを得るためには、20グラムの油、または500mgの従来のソフトゲル40個を摂る必要がある)。 ポリ不飽和脂肪酸は、その自由形態においては非常に不安定である。そのため、経口摂取には安定化が必要である。これは、エステル化すること、またはグリセロールおよびエタノールなど、ポリ不飽和脂肪酸をより安定化させ、生体利用効率を高める他の物質に結合させることで実現できる。第1のビヒクル(グリセロール)は、高純度(トリグリセリド)および安定性を可能にし、最大の生体利用効率を呈し、アルコールの存在が回避される。これは、高用量を必要とする場合、および、多くの適用において、常習的に使用する場合、加えて、妊娠中の女性および子供の場合には、とりわけ重要である。トリグリセリドは、通常の食事の一部として、数百倍以上のより高い濃度で摂取される。また、トリグリセリドは、天然の栄養源であり、標的組織における脂肪酸の薬物動態学である。トリグリセリドの薬物動態学は最大であり、活性物質、DHAの最大の純度を可能にする。それゆえ、DHAトリグリセリドは、吸収が最良であり、より多くの生理的および代謝的影響を有している。 食事と健康との関係に対する感受性の増加に対応して、健康的な栄養源としての魚の受け入れが増加している。魚は、良質のタンパク質、ミネラルおよびビタミン、さらにはポリ不飽和ω3脂肪酸の重要な源である。ポリ不飽和ω3脂肪酸の健康に対する利点はよく認識されている。しかしながら、最近の研究は、水銀およびダイオキシンなどの環境汚染物に関するリスクを強調している。これらは、魚に蓄積することが知られている。 脂肪酸の合成および生命体における栄養連鎖は、膜の物理化学的特性および環境状態(すなわち、温度)に対する生理的適応に関与している。生命体のリン脂質および脂肪中に見つかっている最も融点(FP: fusion point)が低い脂肪酸は、プリスタン酸(PA)、フィタン酸(PhA)、EPA、DHA、アラキドン酸(AA)およびエステアリック酸(SDA)であり、低温において最適な生理状態が付与されている。生物は、非常に低いFPの脂肪酸を得るために2通りの戦略を用いている:カルボン酸のメチル化および不飽和化である。海洋起源の生物が遭遇する極限の状態を考慮すれば、このような脂肪酸の最も豊富な源が主に低温の海水中にあることは、驚くべきことではない。この意味において、自然、食品中に、および海洋起源の油などの脂肪由来製品中に出くわす最もFPが低い脂肪酸は、複数のメチル基を有する長枝鎖脂肪酸(C>18)であり、この中で、PhAは最も高濃度で存在する一つであって、長鎖線状のω3脂肪酸(C≧18)である。ここで、その濃度および量の故に最も関係のある2つがDHAおよびEPAである。 PhAは、人の食事あるいは動物の組織中に存在し、植物のクロロフィルを介して得ることができる。PhAは、対応するアルコール、フィトールから形成され、酸化されることでPAが形成される。このことは、なぜ、一般的にPAおよびPhAがともに見つかるのかを説明している。PhAは、人の一つの病理、レフサム症候群に関与している。レフサム症候群は、血中および組織中のPhAの蓄積によって特徴付けられており、その後に、肝臓におけるα−酸化経路の欠損に関連していることが見出されている。 大部分の食物においては5μg/g未満のPhAが含まれているのに対し、最も高い含有量のものはPhAが1mg/gを超え、魚の場合には、750μg/gを超え、その量は、脂質の割合に比例している。これは、PhAの濃度が最も高い食物であり、網膜色素変性症(RP:Retinitis Pigmentosa)等の疾患、およびレフサム病等のPhAの酸化における欠陥における、消費の高いリスク(グループIII)のある食物とみられている。一方、魚油の製造において脂質を分離する処理は、PhAの濃度を著しく増加させる。 魚の脂質画分は、食物におけるω3脂肪酸DHAおよびEPAの主たる源であるが、PhAの主たる源でもあることが知られている。EPAおよびDHAの量が最も多い源は、DHAおよびEPAの摂取の大部分に相当するが、同時に、PhAの高い濃度および摂取源と関連している。DHAおよびPhAは、食事および製薬学的用途をはるかに越えて、同じ源を分かち合っている。そのため、海洋起源および微生物由来の製品において最も高い濃度のDHAおよびPhAが見出される。通常、PhAは、EPAおよびDHAとともに見出される。細菌、真菌および微細藻類は、自然界においてPhAを最も高い濃度で含む生物である。DHAを豊富に含み、PhAの割合が最も小さい微細生物由来の油は、しばしば、100μg/gを超える。 研究された全ての西洋の食事(地中海の食事を含む)では、日々のDHAの摂取は100〜150mgである。一方、多くの著者らは、日々の必要量を200〜300mgと定めている。DHAは、実質上全世界の全ての人々が、その食事において不足している唯一の栄養である。 文献において通常は示されない非常に重要な点は、食事からのDHAは100%動物由来ということである。なぜなら、植物性食物源(食事としては用いられない幾つかの藻類を除く)にはDHAが存在しないからである。それゆえ、菜食主義者、とりわけ厳格な完全菜食主義者における必要性はより高く、彼らにおいては最も低いレベルが見出される。この欠損は実に重大で、何人かの著者によっては、網膜色素変性症(RP)、およびペルオキシソーム欠陥に関連した代謝性神経変性疾患のマーカーとみなされている。 ω3脂肪酸、主に、DHA、EPAあるいはその両方を精製することの広範囲に及ぶ関心を前提に、数十年の間に、より高純度で得るために、DHAおよびEPAに富む精製した油を得るための数多くの特許および正規の手続がなされてきた。 しかしながら、図3に示すとおり、市場に存在し、特許された方法および適性製造基準(GMP)によって得られた、不純物を除いて精製した油には、高純度のDHAを含む油であっても、高レベルのPhAが含まれている。 (健康に及ぼすPhAの負の効果) PhAは、前立腺、胸部、結腸…において癌を引き起こすとともに、神経疾患および視力障害を引き起こすため、公衆衛生にとってリスクファクターである(Lloyd-MD et al., 2008; Allen-NE et al., 2008; Thornburg-G et al., 2006; Xu-J et al., 2005)。さらに、これは細胞毒でもある(Komen-JC et al., 2007; Schonfeld et Reiser, 2006; Schonfeld et al., 2006, Heinz, 2005; Elmazar & Nau, 2004)。PhAの摂取は、以下の疾患の進行および/または発生のリスクファクターである:眼科的変化(網膜、白内障、ドライアイ…)、嗅覚変化および聴覚変化、神経学的変化(アルツハイマー、脳障害…)および精神病理学的変化、腎臓病学的変化、心臓血管関連(電気的異常性S.Purkinje、平滑筋の変化、虚血性心疾患、アテローム性動脈硬化症)、ミオパシーおよび重症筋萎縮症、骨の変化、肝臓の変化、男性および女性の生殖能力の変化、慢性自己免疫疾患および慢性炎症性疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎、LES)、ならびに癌(前立腺、結腸、胸部、腎臓、卵巣、白血病の幾つかのタイプ等)。 知覚神経、神経組織、心臓、腎臓、肝臓、腸、平滑筋、横紋筋、前立腺、胸部、精子、肺および骨組織に対してPhAが細胞毒となる正確なメカニズムは徐々に解明されてきている。最もよく知られたメカニズムは、腫瘍マーカー(α−メチルアシル−CoAラセマーゼ(AMACAR)またはSPC−2)の過剰発現、ならびに、ミトコンドリアおよび細胞膜における呼吸電子伝達系の脱共役プロトノフォアの作用(すなわち、網膜における光変換)に関連している。非常に低い用量において、PhAは、インビボでの酸化的ストレスを高く誘導する分子の一つであり、奇形生成を増強し、アテローム性動脈硬化症および心不全死を強く誘導する。 PhAは、ミトコンドリアに対して直接的に毒性であり、強力な粥腫発生活性を示している。PhAは、ミトコンドリア内膜の酸化的リン酸化における複合体Iの脱共役において、ロテノン型活性を有している。その結果、その後の酸素反応種の生成、ならびにDHAおよび他のポリ不飽和脂肪酸もしくはPUFAのインビボ脂質過剰酸化を引き起こす(Kahler-S et al., 2005)。PhAは、主に光受容体および神経組織において、リン脂質中のDHAのレベルを低下させる。これにより、虚血および心血管再潅流障害になりやすくなり、低比重タンパク質の酸化(LDLox)を受けやすくなり、マクロファージの抗炎症活性が増大し、エネルギー活性および代謝活性が減少し(酸化的リン酸化を阻害し)、ミトコンドリアDNAの突然変異を誘導する。この毒性の代謝活性自体が、なぜ、光受容体、色素性上皮、神経組織、心臓(プルキンエ細胞)、腎臓、肝臓、卵巣、精子、肺等、ミトコンドリアが豊富な全ての組織が高濃度PhAを有する患者において影響を受ける最初のものであるかを説明している。PhAは、プルキンエ細胞におけるCa2+を介したアポトーシスを誘導し(Powers-J.M et Al. 1999)、動物モデルにおいて突然心臓死を誘導する。PhAは、虚血、血管平滑筋のアポトーシスを生じさせる。また、PhAは、粥腫発生であり、特に心臓毒性である。マウスにおけるステロール−2輸送タンパク質(SPC−2)の欠損は、PhAの蓄積による突然心臓死を生じさせる。PhAは、人、マウスおよびブタの欠陥平滑筋細胞(VSMC)の細胞培養においてアポトーシスを誘導する。 PhAによる、破骨細胞における変化したCa2+再吸収活性およびアポトーシスは、骨の異常を生じさせる。光受容体の外節の膜(ここでは、カルモジュリンがとりわけ凝集している)においてCa2+と結合しているタンパク質は、光変換およびシナプス変換等の、光受容体における複数の事象を調節するCa2+フローに関与している。カルモジュリンの機能は、GTPase等の、カルモジュリンに結合している数多くのタンパク質によって仲介される。光受容体におけるカルモジュリン濃度が減少した場合には、視覚、とりわけ明暗の適応において障害が発生する。 PhAは、毛様体神経節細胞に対して直接的に毒性であるため眼窩の後方部における副交感神経系の神経節神経に影響を及ぼし、瞳孔の収縮および目の遠近調節に関与している(老眼、遠視、光感受性等)。PhAは、線毛細胞の機能、基底小体の機能、繊毛の生物発生に必要な微小管に結合しているタンパク質の機能を妨げ、ミオシンの異なるタイプ間の相互作用および光受容体の一次繊毛におけるRab GTPaseのプレニル化によって仲介され、オプシン等の必須タンパク質、オルファトリ細胞(olphatory cell)、蝸牛、腎細胞、呼吸器系、精子、腸管微絨毛の輸送とともに、網膜の色素性上皮におけるメラノソームの移動に影響を及ぼす。RPは、PhAの代謝作用を変化させ、繊毛細胞の変化のモデルである。RPは、精子軸糸の異常および桿状体繊毛細胞の異常を見出し、毛様体に依存している桿状体の外節の再生に影響を及ぼし、不可逆的な視覚損傷を生じさせる。また、非関連症候群を伴うRPにおいて、繊毛細胞に特徴的な蝸牛変化に適合している、聴覚型喚起電位(auditive evocated potentials)の変化および聴力検査の変化も見つかっている。毛様体における顕著な変化は、聴覚の変化を伴う症候群に関連していない患者において、アッシャーおよび他の症候群に適合性のある難聴およびRPを結果として引き起こす。 RhoおよびRabファミリーのスモールGタンパク質は、通常のGTPase機能のためには、これらのC末端において、これらのイソプレニル成分の付加が必要となる。Rho GTPaseシグナル伝達経路は、腎臓病学的疾患、神経疾患(髄鞘化)、癌の進行、心疾患、感染性疾患等における治療的介入を標的とする際に大いに必要となる。PhAおよび他のイソプレノイドは、DHAおよびスタチンに対してとは逆の方法で、Rho−GTPaseシグナル伝達、とりわけRac経路を阻害する。PhAは、上皮ならびに消化粘膜および呼吸粘膜において、いくつかの細菌毒素に相当する手段でもってRho−GTPaseを変化させ、侵襲的および感染性過程;腫瘍過程および転移(すなわち、前立腺、胸部)、腎損傷(糸球体、管等)および脱髄を発達させる。 これらGTPaseは、本技術革新における多数の用途において、PhAを伴わないDHAが、PhAを伴うほかのDHAよりも効率的であるかを説明する主たるメカニズムである。 この同じラインの後で、PhAおよびPAは、脈管形成および炎症表現型の主要かつ最も強力な媒介物質である。PhAおよびPAによる、脈管形成、TNFα、GBP−1、GBP−2および炎症性サイトカイン(CI)の誘導は、癌(転移)、自己免疫疾患、炎症性疾患、感染性疾患、腎臓、肺疾患および神経の進行の決定因子である。 PhAは酸化によりPAになる。PhAおよびPAはいずれも、治療から2時間以内に、一酸化窒素合成酵素のUNAMの形成を介したアポトーシスおよびこのタンパク質の高濃度を誘導する(Idel et al., 2002)。さらに、PhAおよびPAは、脈管形成表現型および炎症の主要かつ最も強力な媒介物質を制御する。また、PhAおよびPAは、腫瘍壊死因子(TNF:tumor necrosis factor)の活性化および分泌を誘導する最も強力な誘導物質である(Idel et al., 2002)。ヒトグアニル酸結合タンパク質(GBP:guanylate-binding protein)−1の発現は、炎症性サイトカイン(ICs)によって大きく誘導され、それゆえ、IC活性化細胞の特性を示す。GBP−1は、内皮細胞のIC活性化表現型の特性を示す新規な細胞活性化マーカーである。GBP−1は、内皮細胞のICsに対する抗脈管形成応答の主要な調節因子である。GBP−1は細胞質タンパク質であり、内皮細胞におけるその発現は、インターフェロン−γ、インターロイキン−α、インターロイキン−1β、またはTNF−αによって選択的に誘導されるが、他のサイトカイン、ケモカインまたは成長因子によっては誘導されない。PhAおよびPAは、αTNFおよびインターフェロンγを誘導する誘導物質である。GBP−1の発現は、血管内皮細胞に高度に関係しているが、皮膚においては検出されなかった。しかし、乾癬、医薬品副作用およびカポジ肉腫を含む、高炎症性の要素を伴う皮膚疾患の血管に高く誘導された。GBP−1の発現およびマトリクスメタロプロテイナーゼ−1(MMP−1:matrix metalloproteinase-1)の発現は、インビトロおよびインビボともに、逆の関係を示しており、内皮細胞においてGBP−1はMMP−1の発現を選択的に阻害するが、他のプロテアーゼの発現は阻害しない。後者の発見は、毛細管形成の阻害は、厳密に言えば、GBP−1によるMMP−1発現の抑制によるものであり、GBP−1のヘリカルドメインの抗増殖活性によっては影響を受けないことを示している(Guenzi et al., 2003)。 PhAはレチノイン酸の治療効果を増強し(Elmazar & Nau, 2004)、とりわけ適切である。これは、DHAが、しばしばPhAに関連するものであり、妊娠中、授乳期間および子供の食事に推奨されているためである。 網膜色素変性(RP)は、DHA存在下でのPhAの毒性研究の理想的なモデルであり、本文献に沿ってさらに見られるだろう。PhAの物理化学的特性により、リン脂質の第2位の位置(光受容体におけるDHAの通常の位置)に導入された場合、DHAの重要な競合物質になる。PhAは、多数(14)の自由回転結合を有しており、結晶点が非常に低く、膜において高い流動性を実現できる。しかしながら、PhAは、ロドプシンのα−へリックスを含む、膜における移動および三次構造に必要な、ファンデルワールス相互作用のための、DHAに特有の化学立体構造を欠いている。その結果、PhAはロドプシンの活性および光変換の活性が低減している。PhAは光受容体膜を脱共役する能力を有しており、その結果、RPにおいて見られる光変換の不足(連続過分極)が生じる。PhAは、酸化による分解に非感受性であり、RPにおいて見られるジストロフィー状態に対して抵抗性である。これは、RPにおいてなど、DHA欠乏の場合に特に発生しており、結果としてジストロフィーをもたらし、ここではDHAが欠乏している単一の疾患であり、この疾患のマーカーとみなせる。 PhAは、リン脂質およびトリグリセリドに導入される間に光受容体の機能を改変し、DHAを置換し(McColl & Converse, 1995; Powers et al., 1999, Monning et al., 2004)、PhAにより誘導される脂質過剰酸化およびミトコンドリア損傷に起因してDHAレベルを低下させる。PhAはまた、ミトコンドリアおよび光受容体膜において、プロトン輸送体(脱共役剤)として作用する毒性能力を有しており(Gutknecht-J, 1988)、それゆえ、光受容体の外節の分極を変化させる。 (PhAによるDHAの置換) PhAは、リン脂質およびトリグリセリドに導入される間に光受容体の機能を改変し、ROS膜およびミトコンドリアにおいてリン脂質の第2炭素をDHAに置換する。それゆえ、PhAによる膜からのDHAの置換は、光受容体の機能を変化させ、光変換においてDHAアンタゴニストとして振る舞い、カルシウム恒常性を変化させ、ロドプシンを再生させる。PhAによるDHAの置換は、いくつかの疾患(すなわち、RD=Refsum’s Disease)における様々な作用機序の一つであり、部分的には発病のメカニズムである。 DHAはアポトーシスの阻害物質であるとともに、光受容体にとっての神経栄養因子または生存因子である一方で、PhAは、インビボにおいて酸化およびアポトーシスを誘導する最も強力な誘導物質の一つであり、アンタゴニスト様式で、DHAの作用機序に干渉する。網膜におけるアポトーシスを阻害するDHAの能力は、用量依存的にPhAの存在によって減少するため、油中のPhAレベルは、DHAの活性に干渉する。 PhAは、ミトコンドリアにおいて付加逆的な損傷を起こしているRPを伴う動物モデルにおいて、光受容体におけるアポトーシスを生じさせている。これらの状態下では、光受容体の生存に関するペプチドは、アポトーシスを阻害することができない。しかしながら、DHAは、ジストロフィーの状態にある網膜において、反応種を無力化する単一の脂肪酸である。PhAは、ジストロフィーの網膜においてとりわけ毒性であり、DHAはその影響を低減させる。DHAは、光受容体の変質を引き起こす酸化的ストレスおよび不可逆的ミトコンドリア損傷の阻害物質であることが、確かめられてきている(Rotstein et al. 2003)。 それゆえ、PhAは、細胞傷害性であることに加えて、包含されるすべての意味においてDHAのアンタゴニストであると結論づけられる。とりわけ、DHAに対するアンタゴニスト様式でのPhAは、ミトコンドリアを介したアポトーシスを誘導する。 本発明においては、PhA濃度に関連した、インビトロおよびインビボにおけるDHAの抗アポトーシス効果を研究するために、パラコート(図1)およびMNU(図2)を含む、光受容体におけるアポトーシスを誘導している2つの前臨床実験が開発されている。いずれの実験においても、光受容体におけるDHAの抗アポトーシス能力は、PhA濃度とは逆の関係にあることが示されている。最も高い抗アポトーシス活性は、0〜20μg/gの濃度で得られ、ここでは、Bcl−2/Baxの比は、<5μg/gで食事が与えられているマウスにおける場合よりも著しく小さい。 (PhAの毒性) 毒性を呈するためには、PhAの酸化の代謝の変調または薬理相互作用もしくは食事性相互作用は必要ではない。なぜならば、従前の食事を介したPhAの栄養投与量もまた、PhAの顕著な変化を生じさせ、健康に対するリスクおよび毒性が高まるためである。概略的方法では、低用量での消費を介したPhAの毒性は、以下の状態と関連している:1.PhAの酸化過程には、生理−病理学的過程の一部が含まれている:AMACARの誘導。健康におけるPhAの影響はまた、大きな疫学的価値を有する、多数の癌(前立腺癌、結腸直腸癌および腎細胞の癌)に関連している特定の分子マーカーの過剰発現によって決定される。この同じマーカーが、インスリン抵抗性に関連した卵巣癌、乳癌および内分泌癌と関連があるという証拠がある。PhAは、いくつかの腫瘍細胞株(前立腺、腎臓、胸部、結腸、肺)の生存に不可欠であり、結果としてAMACARおよびSPC−2の過剰発現が起こる。症状は、ニューロパシー、RP、ならびにPhAの増加およびPAの増加を伴うAMACARの不足とともに現れる(Ferdinanduse et al., 2000)。2.幼児もしくは成年レフサム病、ツェルヴェーガー症候群、新生児副腎白質ジストロフィーおよび四肢の着根の点状軟骨異形性などの患者であって、RPを伴う患者における、PhAの増加した蓄積を伴う、PhAの酸化の欠損。3.しかしながら、例えば、a)ミトコンドリオパシー(複合体IV)、COX欠乏、リー症候群、腎ファンコニ症候群、を伴う疾患におけるペルオキシソーム欠陥のために、他の遺伝病では、正規母集団と比較してPhAが増加している(Fingerhut R et al., 1994)。4.一日あたり50mgを超えるPhAが、酸化およびチトクロームP450を介して除去されている。しかし、チトクロームP450の強力な阻害物質の存在もまた知られている(すなわち、抗かび性アゾリクス(azolics)、バルプロ酸、シメチジン、エリスロマイシン、スルファメトキサゾール、オピオイド、サイクロスポリン、プロテアーゼ阻害剤、抗うつ病剤、ハイパーフォリン(hyperphorine)、バルビツル酸、抗ヒスタミン剤、タモキシフェン、カンナビオイド(cannabioid)、S−ワルフリンなど)。そのため、特定の薬剤は、顕著な方法でPhA濃度を増加することができる。数多くの薬理学的治療は、PhAの代謝分解を阻害し、主に網膜毒性、神経毒性および心臓毒性を蓄積して、これらの毒性になる。PhAは、カルシウムアンタゴニスト、抗脈管形成剤、免疫抑制剤、および抗炎症剤と相互作用できる。人体におけるPhAの素早い酸化(α−酸化=PhAの90%の酸化)は、チトクロームP450の異なるイソ酵素(すなわち、CYP2C8)によって媒介される。商業的関心および使用のため、ある最も突出した薬剤は、低脂質血薬剤:フィブラートおよびスタチン、PhAの酸化的代謝を強く阻害するP450 CYP2C8の阻害剤であり、結果としてPhAの蓄積を生じさせる。フィブラートは、ペルオキシソームのβ−酸化を活性化するが、PhAの分解には、チトクロームP450 CYP2C8の阻害を介してフィブラートによって阻害される、α−酸化が必要である。PhAは、その主要な副次的効果:横紋筋融解、に部分的に関与しているようである。5.PhAの酸化における二次障害:アルツハイマー病において、ペルオキシソームにおけるチアミン依存性酵素の活性は減少しており、その結果、PhAの酸化に必要なヒドロキシフィタノイル−CoAリアーゼの量が減少することとなる。アルツハイマー病に見られるアセチルコリンレベルの増加に平行して、PhAレベルの増加が見つかっている。6.チアミンの減少に影響を与える栄養的変化(代謝拮抗物質:チアミナーゼおよびチアミンアンタゴニスト、アセチルコリン)、ここで、チアミンピロリン酸塩はPhAの酸化における補因子である、ならびにチアミン不足、このなかで最もよく知られているものは、コイ類およびサケ類の消費に起因する、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、致死性心疾患、脚気および神経毒症候群に関連したチアミン不足である。チアミンアンタゴニストは、植物由来の食品保存添加物(すなわち、亜硝酸塩剤)およびありふれた食事(すなわち、茶、ブドウ、クエン性など)等の材料にみつかり、カフェイン酸、クロロゲン酸およびタンニン酸などの防煮沸剤(オルト−およびヒドロキシフェノール)、ケルセチンおよびルチン(薬理学において、および栄養補助食品としてよく用いられている);食事からのチアミナーゼ(魚類、主に養殖場由来の魚類に頻繁にあり、消費の80%)、第一胃、日記製品および反芻動物の肉類:PhAに富む食事);アルコール消費、グレープフルーツジュース(より低い程度で、オレンジジュース、マンダリン、リンゴ、ブドウおよびこれらの派生物)ならびにカフェインは、PhAの堆積をより低い程度で増加することができる。興味深いモデルは、チアミン不足および神経−感覚の難聴を生じさせる遺伝病である。7日未満で重篤なチアミン不足を生じさせるためには、アルコールおよびピリチアミン(チアミン代謝拮抗物質)はわずか100μg/mlしか必要としない。これらの相互作用は、食事に含まれているPhAおよびフィトールの量を評価することが重要という注目のみならず、食事、薬理学的治療、栄養補助食品および食習慣と関連した食物が食事からのPhAの蓄積に影響を及ぼすことができるという注目をもたらす。7.一方、疫学的データは、通常とみられる用量(1日あたり50〜100mg)での毒性効果に関して疑う余地はなく、0.1μmol/mgぐらい低い脂肪の用量において毒性である。より低い濃度であっても、PhAは、インビボにおいて酸化を誘導する最も強力な能力を有する分子の一つであり、DHAのいくつかの不可欠な生理メカニズムと相互作用しており、インビボにおけるそのレベルを低下させ、脂質過剰酸化を介してその構造に損害を与える。300μg/mlまたは<1mmol/l(<1% 全脂肪酸)という非常に低い血中濃度および神経組織の全脂肪酸のおよそ5〜10%において、重篤なニューロパシーおよび死をもたらす。PhAの蓄積(レフサム病)と関連した、死亡直後の毒性研究において、ほんのいくつかの組織に見られた最も高いレベルは、全脂肪酸の8.5%に達していた23。深刻なPhAの蓄積があるレフサム病は、成年および子供いずれでも、以下を含むPhAによる毒性を研究するための理想的なモデルである。すなわち、網膜色素変性、眼振、低眼圧症、失調、知的障害、発達遅延、顔面形成異常、骨形成異常、肝臓肥大、および低コレステロール血症を含むPhA。 (DHAおよびPhA) PhA毒性は、網膜色素変性(RP)など、DHAの摂取が推奨されており、使用されている疾患および状況と関連しており、DHAは疾患のマーカーとして振る舞い、PhAはRPの病因的剤である。治療にDHAを一般に必要とする疾患は、PhAによって同時に誘導される。腫瘍学的疾患に加えて、全体の中で最も明白なものはRPである。分枝鎖脂肪酸PhAおよびPAは、PAのα−およびβ−酸化の代謝の欠陥を伴う、種々のRP疾患(レフサム症候群、新生児副腎脂質ジストロフィー(NALD)、軟骨異形性の点状の四肢の着根、ツェルウェガー症候群、アッシャーIV)のマーカーである。PhAは、これらの症状におけるRPの単一の原因である。 数十年の間、RPでは、すべての標的組織において、DHAに欠損があることが知られていた。RPに罹患しているすべての患者は、DHAの代謝に変調を示しており、特定の患者および一部の患者は、PhAの濃度が高くなっており、ある程度において疾患の進行の原因となっている。DHA欠損の程度は、疾患の進行および予後とは関連していない。この意味において、非全身性の優性常染色体RPは、散発性基礎(sporadic basis)でもって取り入れられる場合を下回るDHAレベルであっても(Schaefer et al. 1995)、すべての遺伝型の中で最も良性である(PhD Thesis Cela-Lopez, JM)。しかしながら、XLRPに罹患している患者における1日あたり2gのDHAの経口摂取は、DHAのレベルを正常化しない。これは、ジストロフィー性網膜においてDHAを失っているためである。赤血球リン脂質におけるDHAのレベルを正常化するためには、1日あたり4gの摂取が必要である。さまざまなタイプのRPの進行および予後は、DHAの薬理学投与量、その摂取を開始する時期、ならびにPhAレベルに左右される。それゆえ、PhAの濃度は、疾患の進行および中心機能(黄斑部)の喪失における、より悪い予後に関連しているということができる。 (増加したフィタン酸レベルは、「DHA」を用いた治療において見られている) RPを伴う二つの症候群におけるDHAを用いた治療の薬効を評価するために、4人の患者由来の4つの試料が、われわれの研究室に届いた。幼児レフサム病およびツェルウェガー症候群に罹患している4人の患者に1日あたり4gのDHAを用いた3ヶ月間の治療により、分枝鎖脂肪酸の存在量が増加した:フィタン酸が50%、プリスタン酸が44%。平行した方法において、臨床症状の完全な悪化が観察された:神経の、難聴およびRP(視力および視野)。ケネディ・クリーガー・インスティテュート(ボルチモア)のペルオキシソーム病研究室は、定期的に、その年に研究したすべての患者の解析結果のすべてを報告しており、魚からのDHAの摂取はフィタン酸の毒性レベルを増加させ、それゆえ、彼らは常に藻類由来のDHAを推奨している。ペルオキシソーム欠損を伴うRPに罹患している患者においては、DHAの商業濃度は毒性であるとデータは示している。 1994年、RP患者団体(AARPE Spain)は、血漿中のフィタン酸レベルが増加している症候群(レフサム症候群、ツェルウェガー症候群、NADL、キーンズ症候群、ボルデー・ビールド、常染色体性劣性RP、および散在的RP)を伴うかあるいは伴っていない、RPに罹患している17人の患者について研究を行った。彼らはすべて、1ヶ月から3年までのさまざまな期間で、異なる量(1日あたり5mgから11.5mg)のフィタン酸を含むDHA油を摂取した。魚油源にかかわらず、彼らはすべて、フィタン酸レベルの増加を示していた(23%から82%)。1年後、症候群を伴っていないRP患者(11人の患者)においては予想よりもRPの進行が大きかった(VA 8.3%未満)、しかし症候群を伴っている患者(6人の患者)においては、視覚機能の喪失が極めて有益であった。次いで、フィタン酸が豊富なDHAを用いた治療を取り除き、血漿中のフィタン酸レベル(中程度のレベル:5〜30μg/ml;高いレベル:30〜900μg/ml)に応じて、患者を2つのグループに分けた。フィタン酸が低い(<90μg/ml)4gのDHAを用いた治療を導入し、フィタン酸のレベルおよび視覚機能を評価した。フィタン酸が中程度のレベルであるグループ(症候群を伴っていない)では、フィタン酸レベルの進行性の減少が観察され、12ヶ月以内に正常になった(図4)。平行して、フィタン酸に富むDHAを用いた治療を開始する前に得られた視覚機能に匹敵する視覚機能とともに、疾患の進行に退歩が観察された。 (油中に非常に低い割合(およそ0.1%)で存在しているため、PhAの毒性は、DHAおよびEPAに富む源(すなわち、マグロ)の消費に関連している) PhAは食餌中または動物組織中に見られ、植物抽出物からのクロロフィルから得ることができる;これが、どのようにして動物組織に蓄積できるかである。PhAはフィトールから生成され、酸化されてプリスタン酸(PA:pristanic acid)を生成する。母集団(菜食主義者、乳卵菜食主義者等)の脂肪食中に存在する重要な変動を前提とすると、血中のPhAレベルにおける変動が見られ(最大6.7倍)、従来の食事からのPhAの消費と排他的に関連している。菜食主義者の食事は、最大10倍少ないPhAを示すと同時に、DHAは非常に欠損している。 一方、フィタン酸は、前立腺癌のリスク因子であり、DHAは、同じタイプの癌の保護因子である。前立腺癌および胃癌の予防および第一選択治療における他の化学療法剤(セレコクシブ、プラキタクセル)と組み合わさったDHAの役割に関して、証拠は、数多くの分子的研究を上回り、疫学的データおよび数多くの薬理学的研究によって支持されており、これらのいくつかは首尾よく進んでいる(フェーズII)(Ballet et al., 2004; Jones et al., 2007)。前立腺癌の誘導におけるフィタン酸の役割についての疫学的証拠もまた十分にある(Walsh, 2005; Xu et al., 2005; Thornburg et al., 2006; Mobley et al., 2003)。さらに、脂肪性魚類、赤身の肉および乳製品(フィタン酸濃度が最も高い源)の摂取と前立腺癌とを関連づけている独立した3つの研究がある。 本特許の分野において、EPAおよびDHAを含む油を精製する文献が知られている。例えば、米国特許第4,874,629号(1989年)では、サケ、サーディン、ならびにEPAおよびDHAを含む他の魚類などのω3脂肪酸を含む油を処理するための手段について言及しており、基本的には、以下からなるものである:a)油を、30〜150℃、2〜5時間、真空蒸留に供し、シリカゲルおよびケイ酸の中から選択される吸着剤と接触させて、高沸点、ならびに非常に揮発性の極性フレーバー、および望ましくない他の成分(例えば、ポリマー、コレステロール、色素、農薬、および重金属)を低減させ;b)次いで、混合物から油を回収する。しばらくして、同じ著者らが、米国特許第5,023,100号において、EPAおよびDHAを含む食用油を製造するために以前の手段を利用しており、その酸化安定性を向上させるために植物油および/またはロスマリン油と組み合わせることが可能となっている。 同じように、米国特許出願公開第2008/0268117号に、EPAおよびDHAを含む油を精製する方法が記載されており、以下を包含している:(a)C1−C4脂肪族アルコール、好ましくは60〜70%エタノール水溶液を、油とアルコールとが2つの相に分離する温度(約10℃近傍)で、油に添加し;(b)油とアルコールとが混和しうるまで混合物を加熱し(50〜80℃):(c)油とアルコールとが分離する温度まで混合物を冷却し(約10℃);そして(d)油の相を回収する。上記処理ではコレステロールおよび水銀等の重金属といった有機汚染物を除去しているという事実から、上記処理は食品および医薬品に使用される油の調製に特に適していることが明記されている。実際に、このような方法により調製した油は、特殊調製粉乳の調製(米国特許第5,013,569号)および間接リューマチの治療のための組成物の調製(米国特許第4,843,095号)に特に適していると述べている。 他にも、EPAおよびDHAトリグリセリドを得るための文献もあり、例えば、文献ES2035751T3では、分子中に少なくとも一つのC8+長鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを調製する手段が述べられており、長鎖脂肪酸エステルまたはその下位のアルキルエステルと、分子内に1以上のC2−C6短鎖脂肪酸を有するトリグリセリドとのリパーゼ存在下でのエステル交換、ならびに、フリーの短鎖脂肪酸エステルまたはその下位アルキルのエステルと、含まれるポリ不飽和酸がEPAもしくはDHAまたはその混合物である組成物との蒸発による反応中の分離を特徴としている。文献GB2350610A号には、トリグリセリドと下位のアルキルアルコールとのエステル交換、蒸留、ならびに固定化し得るリパーゼによって促進されるアルコキシアルコールとの選択的酵素的エステル交換、の組み合わせを用いた手段により、DHAをこの油中からトリグリセリドとして調製することが記載されている。また、米国特許出願公開第2008/0114181号に、C1−C8脂肪族アルコールを有するトリグリセリドへの脂肪酸のエステル化の方法が言及されている。この方法は、触媒として酸性イオン交換樹脂を用いており、これに、エステル化に適した条件下で、少なくとも1%のフリーの脂肪酸を有するトリグリセリドおよびC1−C8脂肪族アルコールを含む反応混合物を接触させている。 同じように、EPAおよびDHAをエチルエステルとして得る方法が知られている。例えば、米国特許第5,679,809号には、ポリ不飽和脂肪酸、好ましくはEPAおよびDHAからエチルエステルの濃縮物を得る手段が記載されている。この手段は、脂肪酸を含む油を触媒の存在下でエタノールと混合し、脂肪酸のエチルエステルを生成し、この相を分離して、尿素およびエタノールと混合し、固相が形成されるまで冷却し、ここから液相を分離し、所望のポリ不飽和酸が豊富なフラクションを得る工程からなるものである。別の文献EP0347509においては、飽和脂肪酸および大部分のモノ不飽和脂肪酸を、海洋動物油に存在する残りの脂肪酸から分離するために尿素を用いており、最終産物としてEPAおよびDHAの混合物を得ている。米国特許第5,734,071号では、尿素を用いた類似の方法を用いて、魚油から、EPA+DHAを含む生成物を得ており、ES2018384では、EPAおよびDHAの相対量が1:2〜2:1である組成物を調製している。これらにおいては、これら脂肪酸は全脂肪酸の75重量%であり、尿素を用いた分画および分子蒸留および/または極端に厳格な条件もしくはクロマトグラフィーによる流体の抽出による濃縮を用いる方法を含んでいる。 文献ES2056852T3では、魚油からDHAのエチルエステルを抽出する手法を請求しており、この手法は、硫酸存在下、魚油とエタノールとでエステル交換を行い、混合物をヘキサンを用いて抽出し、シリカゲルクロマトグラフィーに供し、−40℃まで冷却したアセトン中で残渣を処理し、濾過し、アセトンの蒸発および分子蒸留を0.133Paで2段階行い、1段階目は80〜100℃で行い、2段階目は105〜125℃で行うものである。 必要とする様々な状態および上述の疾患に対してDHAを用いることが記載された文献は、多数存在する。一例として、CN1557453(A)について言及する。当該文献は、鋸歯状草本ヒカゲノカズラ、ロディオラの根および魚油凝縮物と、活性物質として50mgのDHAとを含む、記憶を増加させ、知識を向上させる組成物を記載している。この文献では、神経シナプス結合間における情報の伝達を強化し、無酸素に対する抵抗性を向上させ、神経細胞の構造を安定化させ、これらの神経細胞に対して不可欠な栄養物質を供給することが特定されている。 さらに、別の文献においては、DHAが健康に対して有益な性質を有していること、例えば、人の脳に対する栄養物質となり、知性に新しい活力を与えることが記載されている(CN1130040(A))。JP8098659(A)には、DHAが、エステルまたはリン脂質として、ストレスに対する影響を改善することが記載されている。CN1105205(A)には、11〜45%の精製DHAが、カルシウム、ビタミンおよびデンプンとともに含まれているカプセルの記載、脳を強化し、知性を活性化することの記載がある。文献ES2277557A1は、酸化による細胞損傷の治療に合うようにされた医薬組成物の製造のためのDHAの使用について言及している。 本技術分野の状況では、EPAおよびDHAを選択的に分離し、精製することの文献を見つけることができる。このように、EP1065196A1は、酸もしくはエステルの混合物からEPAもしくはDHAまたはそれらのエステルを選択的に分離し精製する方法について言及しており:(a)銀塩を含む水性流体を、珪藻土を含むカラムに通して、銀塩を珪藻土に吸着させる工程;(b)珪藻土および銀塩を含むカラムに、溶媒を含む、高度不飽和脂肪酸もしくはその誘導体の混合物溶液を通す工程;そして(c)所望の脂肪酸を分離するための溶媒を通す工程を含んでいる。 文献US6,846,942B2は、精製EPAおよびDHAを調製する方法について言及しており:a)DHAおよびEPAの混合物をアセトンに溶解し、マグネシウムイオンを添加して、アセトンにおける溶解度が相違するEPAおよびDHAの塩を生成する工程、b)(a)で得られた溶液を冷却し、EPA塩を沈殿させる工程、c)沈殿したEPA塩を濾過する工程、およびd)得られた沈殿物を酸性化して精製EPAを得る工程、およびe)濾液から溶媒を蒸発させて精製DHAを得る工程を含んでいる。魚油からEPAおよびDHAの混合物が得られる場合、トリグリセリドをフリーの酸に変換するために、まず始めにアルコール分解またはけん化に供する。 それゆえ健康に対して効果的な量のDHA(すなわち多量のDHA)が存在するために食事および健康に対して有益であるばかりでなく、同時に、DHAを摂取する際のその影響を予防するために最小可能量のPhAを含む組成物の要求が依然としてある。 〔発明の目的〕 したがって、本発明の第一の目的は、90μg/g未満のPhAレベルを有し、海洋起源の油由来のω−3脂肪酸に富んでいる組成物を得るための方法であって、当該方法が以下の工程を含んでいる: a)脂肪酸塩を得るために海洋起源の油をけん化する、 b)酸性化油を得るために工程a)で得られた脂肪酸塩を酸性化する、 c)工程b)で得られた酸性化油を、減圧(27Pa)下、10℃でグリセロール勾配において超遠心にかける、 d)工程c)で得られたグリセロール勾配を0℃と−57℃との間の温度範囲において固相および液相を得ながら結晶化させるものであって、当該固相は飽和脂肪酸、モノ不飽和脂肪酸およびPhAを含んでおり、かつ当該液相はPhA含有量が90μg/g未満であるポリ不飽和ω−3脂肪酸を含んでいる、 e)工程d)で得られた液相を、その回収のためにデカンテーションによって固相から分離する。 さらに、当該方法は、PhA含有量が90μg/g未満であるω−3トリグリセリドを得るために、ω−3脂肪酸をエステル化するさらなる工程を含んでいる。 本発明の本目的のけん化が、KOH、水およびエタノールによって、40℃の温度で、300rpmにおいて、不活性雰囲気中で1時間、混合物を振とうする好ましい実施形態において行われる。他の好ましい実施形態において、酸性化工程b)が、工程(a)において得られた脂肪酸塩を、不活性雰囲気中で200rpmにおいて70%酢酸と混合して行われる。 工程cの超遠心が等密度である場合、これは、用いられる遠心条件が100000g、42時間であり得ることを含意する。超遠心が平衡を伴わない密度勾配におけるものである場合、それは100000g、42時間であり得る。 他の好ましい実施形態において、超遠心工程が等密度である場合、結晶化工程は0℃の温度において行われる。 他の好ましい実施形態において、超遠心工程が等密度である場合、結晶化工程は−30℃の温度において行われる。 他の好ましい実施形態において、超遠心工程が平衡を伴わない密度勾配における場合、結晶化工程は−30℃の温度において行われる。 発明の第二の目的は、第一の発明において記載された工程に従って得られる組成物であって、ω−3脂肪酸を65重量%から99重量%の範囲内で含み、かつ、PhA含有量が90μg/g未満であり、好ましくはω−3脂肪酸を75重量%から99重量%の範囲内で含んでおり、より好ましくはω−3脂肪酸が少なくとも90重量%に相当する組成物を含んでいる。 好ましい実施形態において、第一の発明において記載された工程に従って得られる組成物は、ω−3脂肪酸を65重量%から99重量%の範囲内で含み、かつ、PhA含有量が5μg/g未満であり、好ましくはω−3脂肪酸を75重量%から99重量%の範囲内で含んでおり、より好ましくはω−3脂肪酸が少なくとも90重量%に相当する。 他の好ましい実施形態において、第一の発明において記載された工程に従って得られる組成物は、ω−3脂肪酸が65重量%と95重量%の間の範囲内においてDHAを含み、かつ、PhA含有量が90μg/g未満であり、好ましくは75重量%から95重量%のDHA含有量であり、より好ましくは少なくとも80重量%のDHA含有量である。 他の好ましい実施形態において、第一の発明において記載された工程に従って得られる組成物は、ω−3脂肪酸が65重量%と95重量%の間の範囲内においてDHAを含み、かつ、PhA含有量が5μg/g未満であり、好ましくは75重量%から95重量%のDHA含有量であり、より好ましくは少なくとも80重量%のDHA含有量である。 他の好ましい実施形態において、第一の発明において記載された工程に従って得られるω−3脂肪酸組成物は、さらにEPAを5〜35重量%の範囲内において含んでいる。 他の好ましい実施形態において、第一の発明において記載された工程に従って得られる、DHAを含んでいるω−3脂肪酸組成物は、さらにEPAを5から35重量%の範囲内において含んでいる。 好ましい実施形態において、第一の発明において記載された工程に従って得られる組成物において、DHAの重量%は80.65%であり、EPAの重量%は13.38%であり、当該組成物における脂肪酸の総重量%は91.75%である。 好ましい実施形態において、第一の発明において記載された工程に従って得られる組成物は、薬学的および食物的使用が意図された補因子、抽出物および/または活性物質をさらに含んでいる。 好ましい実施形態において、第一の発明において記載された工程に従って得られる組成物は、薬学的および食物的使用が意図された付形剤および/またはアジュバントをさらに含んでいる。 発明の第三の目的は、飲める形式、柔らかいまたは硬いゲル、含水性エマルジョン、または粉の状態で、本発明の第二の目的において記載された組成物を含んでいる、栄養補助食品に関する。 発明の第四の目的は、飲める形式、柔らかいまたは硬いゲル、含水性エマルジョン、または粉の状態で、本発明の第二の目的において記載された組成物を含んでいる、食品に関する。 発明の第五の目的は、本発明の第二の目的に従ったω−3脂肪酸に富んでいる化合物もしくは本発明の第一目的に従った方法によって得るころができる化合物または薬学的な希釈剤もしくは担体を含む薬学的組成物に関する。 本発明の他の目的は、目におけるアレルギー症状、目の表面および/またはドライアイ、好ましくは眼瞼炎、眼瞼結膜炎、結膜炎、角膜炎、乾性角結膜炎、角膜疾患、角膜移植片拒絶反応に対する治療、レーシック手術前および後における角膜厚測定による角膜平均細胞密度の増加からなる群より選ばれるものの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、遺伝性ジストロフィー非関連性網膜変性疾患、好ましくは滲出型および委縮型加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、緑内障、眼圧変化、近視に関連する網膜症、網膜剥離、レーシック後の近視における裂孔原性網膜剥離、虚血性の続発性黄斑浮腫、嚢胞様黄斑浮腫、アーヴァイン・ガス症候群、ベルリン暗点(Berlin Scotome)、脈絡膜症、脈絡網膜炎、梅毒性視神経網膜炎、麻疹、サイトメガロウイルス、脈絡膜の悪性黒色腫、水銀中毒(水俣病、肢端疼痛症、ハンター・ラッセル症候群)、網膜血管炎(イールズ病)、または出血性外傷性網膜分離症からなる群より選ばれるものの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、非網膜色素変性の遺伝性網膜ジストロフィー、好ましくはスタルガルト病、レーバー先天性黒内障、X連鎖性全脈絡膜萎縮症、X連鎖性網膜分離症、ゴールドマンファブリ硝子体網膜ジストロフィー、ワグナー硝子体網膜ジストロフィー、およびスティックラー症候群、家族性毛様体扁平部炎からなる群より選ばれるものの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、網膜色素変性症の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の第九の目的は、網膜色素変性症関連症候群の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 好ましい実施形態において、治療される網膜ジストロフィーは、特異的突然変異および/または肝臓のDHAの合成もしくは輸送における不全の結果として、または代謝ストレスの結果としての症候群でない網膜色素変性症であり、好ましくは区画性、両側性、片側性、両側性、逆性のような全てのメンデル型の定型非全身性網膜色素変性症;常染色体優性網膜色素変性症;常染色体劣性網膜色素変性症;X連鎖性網膜色素変性症;単純性または散発性網膜色素変性症;硝子体網膜の網膜色素変性症;白点状網膜症;色素なしの網膜色素変性症;脈絡膜萎縮;脈絡膜ギラタ(choroidea girata)および/または網膜萎縮;錐体細胞および桿体細胞のジストロフィーを伴う網膜色素変性症;、アッシャー症候群I型、II型、III型、IV型;NP207、チオリダジン、クロロカイン、ヒドロキシクロロカイン、クロルプロマジンのような医原性の網膜色素変性症;からなる群より選ばれる。 他の好ましい実施形態において、治療される網膜ジストロフィーは、変動性の神経系、循環器系、筋骨格系および/または皮膚系の変性を示す、網膜色素変性症および/またはDHAの欠乏およびPhAならびにPAの増加を伴うペルオキシソーム欠損を伴う遺伝的症候群であり、好ましくはツェルベルガー症候群、乳児レフサム病、新生児副腎白質ジストロフィー、ペルオキシソーム形成異常症、肢根型点状軟骨異形成症(RCDP)、アシル−CoAオキシダーゼ欠損症、二機能酵素欠損症、レフサム病、β酸化系欠損症、家族性魚鱗癬様角化異常症(シェーグレン・ラルソン症候群)、ミトコンドリア病(複合体IV):COX欠損症、リー症候群を伴う疾病からなる群より選ばれる。 他の好ましい実施形態において、治療される網膜ジストロフィーは、ペルオキシソーム欠損症、ミトコンドリア欠陥を伴うおよび/または網膜色素変性症に関連する遺伝的症候群ならびに関連網膜変性であり、好ましくはバッセン・コーンツバイク症候群、バッテンまたはリポフスチン沈着症候群、低リポ蛋白血症、アッシャー症候群、ハレルフォルデン・スパッツ症候群、無セルロプラスミン血症、カーンズ・セイヤー症候群、デュシェンヌ型およびベッカー型筋ジストロフィー、ローレンス・ムーン・ バーデット・ビードル症候群、ローレンス・ムーン症候群、バーデット・ビードル症候群、グレーフェ症候群、レーバー先天性黒内障、ハルグレン症候群、コケイン症候群、アルストレム症候群、ペリツェウス・メルツバッハー症候群、小脳性運動失調症、フリードライヒ運動失調症、リポフスチン沈着症(家族性黒内障イディオパティック(familiar maurotic idiopatic)):テイ・サックス病またはハルチア・サンタブオリ症候群、ビールショウスキー・ヤンスキー病、フォークト・シュピールマイアー・バッテン・メーオー症状群、クーフス症状群)、骨・神経・内分泌形成異常、ムコ多糖症(ハーラー症候群、ハンター症候群、シャイエ症候群、MPS I−H/S、サンフィリポ)、バッセン・コーンツバイク症候群、黒網膜形成異常(balck retinal dysplasia)、骨格形成異常、腎眼骨格症候群、エドワーズ症候群、X連鎖劣性遺伝の眼脳腎またはロー症候群、リグナック・ファンコニー症候群(シスチン症)、巨大軸索神経病、家族性デンマーク型認知症、等からなる群より選ばれる。 本発明の他の目的は、ブドウ膜炎および関連疾患、好ましくは虹彩炎;扁平部炎;脈絡膜炎;網脈絡膜炎;前部および/または後部ぶどう膜炎;虹彩毛様体脈絡膜炎;ブルセラ症、単純ヘルペス、帯状ヘルペス、レプトスピラ症、ライム病、推定眼ヒストプラズマ症、梅毒、トキソカラ症、トキソプラズマ症、結核、カンジダ症などの感染性ぶどう膜炎;急性後部多発性小板状色素上皮症、散弾状網脈絡膜炎、フックス虹彩異色性虹彩毛様体炎、多病巣性脈絡膜炎および全ぶどう膜炎症候群、多発一過性白点症候群、点状内層脈絡膜症、匐行性脈絡膜炎などのぶどう膜炎症候群;強直性脊椎炎、ベーチェット病、慢性肉芽腫症、付着部炎、炎症性腸疾患、若年性リウマチ疾患、関節リウマチ、多発性硬化症、結節性多発動脈炎、乾癬性関節炎、ライター症候群、サルコイドーシス、全身性エリテマトーデス、フォークト・小柳・原田症候群、ウィップル病などのぶどう膜炎に関連する全身性疾患;網膜芽細胞腫、網膜剥離、悪性黒色腫、白血病、若年性黄色肉芽腫、眼内異物、リンパ腫、多発性硬化症、細網肉腫などの前眼部および/または後眼部における仮面症候群からなる群より選ばれるものの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、網膜変性疾患、および毛管疾患に関連する二次的な眼の症状(secundary ophthalmological conditions)の、好ましくは高血圧性網膜症;高血圧性虚血性視神経症;脈絡膜硬化症、分枝または中心静脈血栓症 、エルスクニグおよびスレグリスト線(Elschnig and Slegrist streaks)などの高血圧性脈絡膜症;アテローム動脈硬化症:大脳性および神経性眼虚血;大動脈弓症候群;高安病;高安動脈炎;汎動脈炎;虹彩毛様体炎;強膜炎;虚血により生じ硝子体出血を招き得る網膜前新生血管;角膜浮腫;房水におけるチンダル;増殖糖尿病網膜症または新生血管緑内障;頸動脈不全または慢性眼虚血;眼動脈障害;網膜中心動脈障害;プロテインSおよびC欠乏症、全眼球炎網膜炎、脈絡膜炎、うっ血乳頭などの血液凝固異常;ロス汚濁(Roth stain)、免疫複合体に起因する障害、視神経症などの網膜出血;虚血性網膜症;眼筋麻痺;眼窩偽腫瘍;眼虚血症候群;後頭葉梗塞;複視;眼瞼浮腫;眼瞼下垂;末梢血管拡張眼瞼;結膜;網膜;網膜中心動脈の急性閉塞;眼のまたはその分枝;非動脈炎性由来の虚血性視神経症、低潅流および霧視によって生じる慢性眼虚血症候群またはシャイ・ドレーガー症候群などの後毛様体動脈の障害からなる群より選ばれるものの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、網膜および他の眼の使用に関連しない視力の喪失、好ましくは白内障、遠視、近視、老視、硝子体炎、硝子体剥離および/または眼内炎からなる群より選ばれるものの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、神経系のおよび/または精神系疾患、好ましくは遺伝性運動感覚性ニューロパシー、運動失調、痙縮、神経炎、アルツハイマー病、痴呆、一次性注意欠陥、うつ病、双極性および統合失調型障害、多発性硬化症および/または筋萎縮性側索硬化症からなる群より選ばれるものの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、腫瘍の疾患、好ましくは転移または最も一般的な腫瘍系統(the most prevalent tumoral lines)、大腸癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、食道癌、膵臓癌、腎癌、肝細胞癌、脳癌、神経膠芽腫、悪性黒色腫、網膜芽細胞腫、胆嚢、多発性骨髄腫、内分泌癌および/またはインスリン抵抗性に関連する癌からなる群より選ばれるものの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、腎障害(腎炎およびネフローゼ)、好ましくはIgAによる腎障害、全身性紅斑性狼瘡に関連する腎障害、腎不全、糸球体症、細尿管症、間質および/または腎血管性疾患からなる群より選ばれるものの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、心血管疾患、好ましくは虚血性変性、動脈硬化症、高トリグリセリド血症、高脂質血症、心室性不整脈、高血圧、糖尿病および/またはアポタンパク質a(アポ(a))レベルが増加している心血管疾患からなる群より選ばれるものの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、医原病、好ましくは横紋筋融解、肝毒性、心毒性、神経毒性、浮腫、リポジストロフィー、ならびに/またはスタチン、コルチコイド、抗レトロウイルス剤および/もしくは免疫抑制剤に関連する免疫抑制からなる群より選ばれるものの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、線維筋痛症および/または慢性疲労症候群の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、関節症および骨粗鬆症の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、自己免疫疾患、慢性炎症性疾患および骨格筋疾患、好ましくは関節リューマチ、若年性関節炎、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、全身性紅斑性狼瘡、関節症、骨粗鬆症からなる群より選ばれるものの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、皮膚病、好ましくは、男性ホルモン性脱毛症、紅斑性ざ瘡、尋常性ざ瘡、湿疹および/または乾癬からなる群より選ばれるものの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、アレルギー症状、喘息および/または慢性呼吸器疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、消化器系疾患および炎症性腸疾患、好ましくは自己免疫性、ウイルス性および/もしくは中毒性胃炎、食道炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、偽膜性腸炎、コラーゲン形成大腸炎、腸透過性の変化、吸収不良症候群、食物不耐性およびアレルギーならびに/または痔からなる群より選ばれるものの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、寄生病および感染症の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 本発明の他の目的は、DHA欠乏症の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。好ましい実施形態において、そのような欠乏症は、嚢胞性線維症、腸の吸収不良症候群、膵炎、膵不全性胆石症からなる群より選ばれる胃腸の吸収不良症候群が原因である。他の好ましい実施形態において、そのような欠乏症は、食欲不振および/または過食症からなる群より選ばれる摂食障害が原因である。第三の好ましい実施形態において、発明の本目的の組成物は、人間社会、好ましくは妊婦、産婦および小児期(好ましくは人生の最初の年の間)からなる群においてみられる一般的なDHAの栄養不足を補うことに関する。 本発明の他の目的は、他の薬剤の補因子または共補助剤として、その二次影響を低減する、および/または、スタチン、抗炎症薬、コルチコイド、免疫抑制剤、抗高血圧薬;低脂質血としての処置、炎症抑制剤、自己免疫疾患、アレルギーの治療、移植された器官の拒絶反応に対する治療および/または抗高血圧症に関連した場合にその治癒活性を増強するための、本発明の第二の目的に従った組成物の使用に関する。 本発明の他の目的は、視力、記憶力および認知機能が増強し、運動能力が増強し、および精神的傷害が減少し、ならびに/または通常の神経筋疲労が減少する、生理的状態を改善するための、本発明の第二の目的に従った化合物の使用に関する。 〔図面の説明〕 〔図1〕異なるPhA濃度(青)およびBcl−2/Bax値(緑)におけるインビトロでの、パラコートによって誘発される光受容体のアポトーシスのDHAによる阻害能力(%)。赤線はDHAによる処理なしのアポトーシスの度合を示す。本実施例において、PhA<5μg/gのDHAの油はより高い濃度のものと比較して、より高いアポトーシスの阻害活性を有し、生じた酸化ストレスもより低いということが明確にみてとれる。このことは、インビトロにおけるDHA<5μg/gが、アポトーシスの阻害剤として、網膜ジストロフィーの治療に対してより高い生理活性を有していることを結論付ける。 〔図2〕異なるPhA濃度(青)およびBcl−2/Bax値(緑)におけるインビボでの、MNUによって誘発される光受容体のアポトーシスのDHAによる阻害能力(%)。赤線はDHAによる処理なしのアポトーシスの度合を示す。本実施例はインビトロにおいて見られた観察を確かめ、PhA<5μg/gのDHAの経口組成物がアポトーシスの阻害剤として網膜ジストロフィーの経口物のためのより高い生理活性を有していることを結論付ける。 〔図3〕この図は、主要な会社および市場の製品を表し、同様に本実験を行った時点においてPhAのレベルが最も低いとみられる製品を表す。それらの品質および工程は大多数の製造業者に関して保障されており、食物および製薬のGMPの欧州調剤局およびFDAとの合致を満たし、食物的使用について明確に認可されている。それらは特許の対象であり、かつ、ヒトの研究において体系的に研究されている。異なるDHA純度における市販の油が、DHA純度に関わらず、高レベルのPhAを含み、顕著に異なるということがみてとれる。 〔図4〕症候群を有していない患者におけるDHA<5μg/mlによるPhAのレベルの減少。この図は、PhA≧5μg/gを含んでいるDHAによって以前治療した、関連する症候群を有しないRPである11人の患者の、PhA<5μg/gを含んでいるDHAによる回復を示す。この図において、PhA≧5μg/gのレベルを伴うDHAを有しているRP患者は彼らのPhAレベルが増加していたが(T0)、PhA<5μg/gを伴うDHAを摂取するとPhAレベルの顕著な減少を示したことがみてとれる。これはPhA<5μg/gを伴うDHAがRP患者の治療として安全であることを証明する。 〔図5〕PhAの2つのジアステレオ異性体のDSC(Differential Scanning Calorimetry、示差走査熱量測定)による融点(FP)の算出。 DSC法は、サンプルの温度を上昇させるために必要な熱を微分する熱分析技術である。当該技術の主な目的は、相転位の研究または融点(MP)のような物理学的状態の研究である。この技術は、MPを見積もることに対して優れた感度を示す。世界市場において利用可能な基準がないため、本発明のために2つの基準をPhAの各異性体に関して作成した。 マグロ由来のPhAを精製した。グラフは、本発明の方法にしたがって、マグロ由来のDHAに富んでいる(>700mg/g)油から分離された>96.5%のPhAを含んでいる試料によるMPを表す。DSCを行ったところ、明確に区別される2つのピークがみられた。そのようにするため、−50℃において結晶化し、GC−MS法によって分析され、それらがPhAの2つの画分であると示されている両方の相が分離された。DSC法をもう一度、分離されたそれぞれの相に関して−45℃およびー65℃において単一のピークがみられる純粋な方法で繰り返す。結晶学によって、異性体のPhA(3S)は−45℃においてMPを有し、PhA(3R)は−65℃においてMPを有していることが証明および確認される。 このように、DSC法による簡単な方法がPhAの2つの異性体の定量的な分析を行うために発展してきた。これにより、異性体のPhA(3S)が本発明において最も効果的なPhAの分離の選択肢であると評価し得ることが証明できる。DHAおよびω−3に富んでいる油の別々の試料からのPhAの分離のための将来における他の手順を排除しない。 本発明中に記載されるように、当該2つの異性体は、ヒトの健康において異なる生理病理学的活性を示す。この分析による当該異性体の決定は、ガンにおけるAMACAR(3Sに関係し、3Rに関係しない)、対して優性に由来する毒性(3R)のような他の分子マーカーの活性を決定するのに非常に重要性のあるものの疫学的、臨床学的、栄養学的マーカーであり得る。 〔図6〕密度による分別結晶(Fractional Crystallization by Density;FCD):ω−3に富んでいる未加工の油の密度平衡勾配または等密度における分画。画分(a)緑色、画分(b)青色、画分(c)オレンジ色。 この図は油を等密度遠心にかけて場合に生成する脂肪酸の画分の形成を表す。開始時点において用いられる油において最も大きな密度に合致するω−3脂肪酸(画分c)は、ローター軸の最も遠い部分において分画されてくる一方、低密度でローター軸により近い画分aおよびb。勾配ならびに画分aおよびbの結晶化は液相の分離を可能にし、ω−3脂肪酸は画分cに残る。 〔発明の詳細な説明〕 本発明は、油1gあたりのフィタン酸を90μg未満のレベルにおいて含んでいるω−3脂肪酸を得るための方法に関する。特に、主発明は、温度勾配、ならびに、PhAならびに飽和およびモノ不飽和脂肪酸を濃縮する固相、および基本的にPhAがなくω−3脂肪酸、好ましくはDHAを濃縮する液相を形成するまで抽出物を冷却することによる、海洋動物、微生物および藻類に存在するω−3脂肪酸の分離処理のための方法を提供する。上述の処理は、自然界に存在している何れの高度不飽和脂肪酸を得ることおよび精製することのために用いられ得る。 実質的にPhAのないω−3脂肪酸、好ましくはDHAを得るために用いられる油は、起こり得る脂肪酸の劣化または酸化を避けるためにできるだけ新鮮であることが都合よい。大多数の魚(基本的に脂っこい魚)、単細胞の藻類の培養物およびオキアミが、ω−3の主な供給源であると第一にみなす。それでも、ω−3は他の海洋資源(すなわち、マグロ、タラ、サケ、サーディン、レッドフィッシュ、クジラ、アザラシ・アシカ、サメ、単細胞でない藻類、等)、バクテリアの供給源および菌類から得ることもできる。最も価値の高い供給源は、海洋資源に加えて、微生物(制御された培養物および発酵物から得られた)のものであり、微生物のものは高レベルのPhAおよびイソプレノイドを含んでいる。今のところ用いられていないいくつかの種(すなわち、珪藻類)は、プリスタンの供給源としてタラ肝油がし得るように、PhAの生産者として非常に興味を起こさせ得る。将来、我々はω−3特にDHAの生産が増強している資源物質交易市場として、遺伝子的に改変された動物、植物、微生物および/または菌類の種に由来する油を用い得る。PhAのレベルは養殖および野生の魚の両方において高い。 発明の対象事項である工程は、その一部は任意であるが、いくつかの段階からなる: 1.予備純化(任意): この段階の目的は、けん化できない脂肪の除去である。生の魚油のような、未精製の生の出発材料に専ら適用可能である。 2.トリグリセリドおよびエステル加水分解: この段階の目的は、油から遊離脂肪酸を得るための工程を可能にすることである。 加水分解は、a)けん化+アシドリシス、またはb)リパーゼによる加水分解、であり得る。 けん化工程は、脂肪酸塩を形成し得る。酸性化は、非極性の遊離脂肪酸(酸性化油)の相、および反応器の底を開けて除去され得る塩の極性相を形成し得る。 3.遠心(等密度または非等密度): 前段階において得られた酸性化油をこの段階においてグリセロール勾配による超遠心にかける。遠心は等密度であり得、もしくは非平衡の密度勾配によるものであり得る。 遠心が等密度である場合、グリセロール勾配を用いた密度勾配により分別結晶がおこなわれ、平衡に導かれる。 遠心後の温度が劇的に低下したら、グリセロール勾配において、0℃で3つの画分が得られる:2つの固体−1つは飽和脂肪酸を有しているもの;2つ目は不飽和脂肪酸およびPhAを有しているものであり、これらは除去される;そして第三の液体の画分はPhAが90μg/g未満であって、65〜99%のω−3酸および65〜85%のDHAレベルを含んでいる、ポリ不飽和脂肪酸を有している。 温度はグリセロール勾配を用いて、24時間にわたって−30℃まで低下され得、その結果2つの相を得る:飽和およびモノ不飽和脂肪酸、PhAならびにグリセロール勾配を含んでいる固相;および、5μg/g未満のPhAを含んでいる65〜85%のDHAレベルを有している65〜99%のω−3脂肪酸レベルであるポリ不飽和脂肪酸を含んでいる液相。 遠心が非等密度である場合、温度は−30℃まで劇的に低下し得るグリセロール勾配、2つの画分が生成する:飽和およびモノ不飽和脂肪酸ならびにPhAを含んでいる固相、および、90μg/g未満のPhAを含んでいる65〜85%のDHAレベルを有している65〜99%のω−3脂肪酸レベルであるポリ不飽和脂肪酸を含んでいる液相。 4.遊離脂肪酸のエステル化 目的は、遊離脂肪酸をエステルおよびエチルエステルとして、またはトリグリセリドとして安定化することである(最初の最終製造物であり得る)。 油の精製工程において、PhAは、−特定の相がその目的のために安定化されない限り−分離されない。なぜなら、PhA(C20)の物理化学的特性は、長鎖ω−3脂肪酸(C≧18)と同等であるからである:PF、融点、けん化価、ヨウ素価、水および他の溶媒における溶解度、溶媒に対する極性、旋光、等。比較研究によると、DHAとPhAとは同じ数の水素(2)結合の受容体および供与体(1)、自由回転する結合(14)、極性の表面領域(26.3A2)、25℃における水への溶解度(0.001)ならびに相対モル体積(347.0対354,8cm3)、分子量(328.49対312.53)、気化のエンタルピー(77.28対74.2kj/mol)、分極率(41.97 10−24対38.09 10−24)、屈折率(1.52対1.454)。PhA、PA、EPA、DHA,SDAは全脂肪酸の間で最も低いPFを有し、それは−40℃y−80℃の間である。 けん化の生成物の除去、ならびに尿素複合体を用いた飽和脂肪酸のけん化および還元に基づく飽和脂肪におけるステアリンの除去は、ω−3に富んでいる画分におけるPhAの濃度を増加させる。純化された魚油の中において分析された全てのケースが、PhAの濃度の増加(>0.1%)を示し、高純度のDHA(>700mg/g)を得る特定の工程において、ようやく予備純化および精製工程における前述の増加は弱くなる(<0.1%)(図3)。全ての予備純化および精製工程を、魚油(すなわち、DHA最大値<200mg/g)を用いて実施して、PhAは除去されず、反対に、PhAがω−3においてみられるものとかなり同等の物理化学的ふるまいを有し、それが残りの飽和脂肪酸と比較した場合ではみられないという事実を考慮すると、ω−3の濃度レベルの増加がPhAの比例した増加を生むことを暗示する。 尿素複合体の形成およびこれら複合体の結晶化における方法論的変形は、特許(WO1995/011216)に従うものであり、またその工業上の大規模な適用のために最適化され、さらに魚油の精製工程において広く用いられる。これらの工程中の尿素複合体の形成におけるエタノール−尿素反応が、カルバミン酸エチルまたはウレタン(EC)の形成および精製した油におけるその存在をもたらすことが証明されている。ウレタンは150年より前に発見されているが、FDA(米国食品医薬品局)メンバーのCanasおよびYuraweczによって論説中に述べられたように、発癌性試薬として知られており、1980年以来の環境有害物質リスト(CERCLA)の1つであり、FDAによる研究下に置かれている。したがって、本発明は、脱臭(高温)、ならびに尿素を用いた精製および純化の処理のような、明らかに不十分でかつPhAの除去に推奨されない、頻度が高いが望ましくない工業上の処理の使用を避けた、今までの脱臭および精製処理の改良された成果を提供する。 特許に従った冷却純化および精製工程は、通常、−5℃より高い温度において用いられ、いくつかの場合においては、−20℃まで下げた温度において行われてきた。しかしながら、飽和脂肪酸を分離するそのような有効な方法は、PhAに適用できない。なぜなら、EPA、DHA、PhAおよびPAはそれぞれ、およそ−54℃、−43℃、−65℃および−80℃においてPFを有しているため、PhAはω−3の画分に濃縮され得るからである。 PhAおよびPAは、ω−3脂肪酸と同等に、魚油にみられるトリグリセリドの一部である。近頃、酵素学的な加水分解処理が頻繁に用いられる;それはω−3脂肪酸および特にDHAを濃縮する選択的なエステル化である。はるか昔、PhAの生物学の全てにおいて、DHAおよび他のPUFAにおいてみられるように、トリグリセリドおよびリン脂質の2番目の炭素に位置する傾向があることが実証され;PhAならびにDHAおよび他のω−3が、けん化および酵素学的な加水分解に対して同じ抵抗性を共有することも知られている。膵リパーゼは長鎖脂肪酸エステルよりも短鎖脂肪酸エステルを速く加水分解する。一方、PhA、PA、DHA、EPAは非常にゆっくりと作用し、脂肪分解に対して抵抗性がある(Brockerhoff, 1970; Ellingboe & Steinberg, 1972)。PhA、PA、DHAおよびEPAの同等のステアリンの効果のために(Faber, 2004 y Bottino-NR et al., 1967)、このような抵抗性はDHAおよびPhAにおいてみられるものと同等である(Nus et al, 2006)。その上、酵素学的処理の使用は、他の処理のように、PhAのレベルを増加し得る。完全な加水分解および非特異的リパーゼのような処理は、PhAレベルを変化させず、けん化および固形物による触媒された加水分解と同じぐらいに効果的である。 これらの理由のため、油の組成を変えることまたは純化処理を経ることなく、ω−3およびDHAを有している油におけるPhAを分離する方法がなく、PhAを分離するための特定の方法が必要となる。 図3は、実質的に純粋なDHA(>700mg/g)を得るための方法が、本発明の目的に対して効果的でない改変に終わることを示す。クロマトグラフィー法がおそらく最も良い選択肢であり、PhAの分離に対して特異的ではないが、実際は、実質的に純粋なDHAを得るために適する。演繹的に、クロマトグラフィーによる工業的な分離方法は、PhAおよびPAを安価に分離するには十分に感度がよいわけではないが、分子の蒸留(同時に、高温の使用のために、増加したベンゾ(a)ピレンのレベルを有するリスクがより高くなる)において見出されるように、本発明に対して要求される範囲外のレベルに達する。最も目立ったクロマトグラフィー法(すなわち、SFC)は、極性およびステアリン効果に基づいている。強度吸収は極性、洗浄時間および分子の官能基特性だけでなく、ステアリン効果にも依存する。前述のように、PhAおよびDHAは、EPAおよび他の脂肪酸よりもDHAにより近いステアリン機能、分子量等を有している。PhAの低い濃度を考慮し、DHAの全ての精製工程においてEPAもかなりの方法において増加することを考慮すると、PhAも不適当に存在し、場合によっては、その存在量はマグロ油の全てにおいて高いレベルに達し、700mg/gを含み、そしてしばしば400μg/gのレベルに達するが、一方、1500μg/g(>0.1%)より多い、特許に従った他の方法のレベルをみることができ、それが生の魚(マグロ)においてみられるPhAレベルよりも高いレベルを意味するということを示すという分析を見出すことは驚くことではない。 クロマトグラフィー分析のクレードの従来の研究においてみられるPhAの低い濃度(<0.1%)を考慮すると、PhAおよびPAは検出されない。その目的のために、PhAの特異的な検出に合うよう、はるかに高いレベルの感度においてクロマトグラフィー技術(GC)を改造することが不可欠である。 PhAおよびDHAの物理化学的特性を考慮すると、PhAを減少させるために非常に高いコストで非常に高い純度レベルに当該技術を合わせることが必要となり得る。このアプローチから、コストおよび要求される工業技術なしに、DHAを魚油(特にマグロ由来、最も高い濃度レベルのDHAが存在するため)から、実験室のクロマトグラフィー技術により、および分子の蒸留により、830mg/gを得るまで精製し、一方、相加平均で57μg/gのPhAレベルがみられ、高い変動性(+31μg/g)を示す。そのことから、特定の工業的なDHAの精製方法は、魚油中に存在しているPhAを除去することに効果的でない。 DHAにおける高純度レベルを有している油の消費とより低いPhAの消費との間に間接的な関係性がある。それは基本的には、同量のDHAを得るため低純度の油からより多量の油をとることにおける等比級数的事実の存在に起因する。このことから離れて、高純度の市販用製品には、PhAレベルにおける減少は何もない。DHAの純化または精製のために用いられる方法とω−3の純化または精製のために用いられる方法との間の相違は、それらの全てが望まれるレベルよりも高い濃度レベルを有しているが、著しく異なっている(図3)。 本発明に限っていえば、PhAを分離する特定の方法が開発されており、全てのDHA純度レベルおよび/または異なるω−3の組み合わせを含んでいる油を得るために、最初の段階または純化段階において行われ得、非常に低レベルのPhAまたは全くPhAのない(検出限度:5μg/ml)DHAおよびω−3に富んでいる油を得る。したがって、この方法は、全ての工業プロセスおよび異なる純度レベルを持つ製品に適合され得る。 低PhA油またはPhAのない油を得るために、1以上の脂肪酸を精製すること、または油の元々の組成を改変することはもはや必要ではないということをも本発明は暗示する。このことは、食物または健康の目的のためにω−3脂肪酸の天然の混合物を用いる際に、非常に重要性を持つ。このことは、また有益な方法でもある。なぜなら、ω−3脂肪酸における脱臭および精製工程はもはや必要とせずに、現在行われている方法よりもリスクの低い食物および薬物のグレードを得るからである。 主発明は、PhAが低レベルまたはゼロレベルである、魚、藻類または他の微生物のようなω−3に富んでいる供給源からDHA、EPAおよび他のω−3脂肪酸を大規模工業製造を行うための、>5μg/gのPhAを含んでいてω−3脂肪酸のエステルに富んでいる任意の油にみられるPhAを物理的に分離するための特定の方法に関する。 上記の方法は、PhAおよびPAを液体状態に保ちつつ、油の物理状態における変化を得るための結晶化を利用する。PhAおよびPAはDHAおよびω−3脂肪酸または他のどんな脂肪酸よりも著しく低いMPを有しているからである。 これは、油(特に魚における)の製造工程の出発点からのPhAの除去の観点において興味深い方法であり、それは毒性がなく、トランス脂肪酸の形成リスクがより低いと報告され、薬物または食物のグレードを得るのに十分である。本発明は、現在の技術、特に薬物および栄養物の技術に非常に適合できる方法に関する。低温技術は両産業において既に用いられてきたからである。PUFAおよびDHAが水素化を受けやすいため、MPを低下させるためのω−3に富んでいる油における加圧およびそのエネルギーコストは任意ではない。 一方、PhAの分離のために用いられる同時に行う工業的技術とともに、この方法は、他のどんなさらなる精製工程を追加することなく、DHA、EPAおよび非常に低いMPを有している他の脂肪酸における純度を増加させる。それはDHAおよびω−3脂肪酸の精製工程(主に魚に対する)でもある。 主発明は、任意のω−3の比率を含んでいる非純化油および純化油のどちらにも関し、また、任意のω−3脂肪酸、好ましくはDHAにおける、またはω−3の総含有量における高レベルの純度を得るための精製の対象となる油に関する。当該目的のため、任意のエステル類、原則的にはトリグリセリド、リン脂質およびエチルエステルを含んでいる脂肪または油に基づき得る。 主目的は、ω−3油、好ましくはDHAおよび高レベルの純度(>700mg/g)、低レベルまたはゼロレベルのPhA(<5μg/g)であり、好ましくは、エタノール(食品としての使用が特に妊娠中の女性および子供の間で避けられている)のような潜在的な相互作用程度を伴う非栄養成分を添加する必要がなく、高い純度、安定性および生物学的利用能を得るためトリグリセリドに富んでいるエステルに関連する、ω−3油を得ることであり、一方、これはより必要とされ使用される人口の区分である。遊離脂肪酸は注射液としての使用が利点を伴い得る(すなわち、硝子体内注射)が、経口使用に対しては非常に不安定である。本発明の活性成分がω−3好ましくはDHAであることを考慮し、また要求される用量が治療上の使用に対して多過ぎることを考慮すると、トリグリセリドは活性成分をより高い濃度にするDHAのエステルであるため、トリグリセリドが最もよい選択肢であるとみなせる。エチルエステルの経口摂取はダメージを受けるが、一方、食事における天然脂肪酸の摂取はトリグリセリドに起因する。毎日の食事は100gより多いトリグリセリドの自然な摂取を伴っており、そのことは、生理的観点および薬理動態学的観点から、DHAが哺乳類の間で最も効果的な摂取であると明示する。 エチル−DHAは、ヒトおよび自然界においてほとんど利用されない化学式であるが、一方、そのトリグリセリドは非常に高い生物学的利用能があり、欠点およびエチルエステル型に関連する副次的効果がない。エチルエステルとしてのDHAは効果がより低く、それは生理学的に酸化に対してより感受性があり、それは食物ではなく(アルコールを含んでいる)、それは生物の間でいかなる食事の一部も形成せず、その使用は限定的であり(食物として適さない)、それは他の脂肪酸を妨害して他のエチルエステルの生成を増加させ、他の薬物および食物(すなわちコーヒー)を妨害し、それは人口の大多数にアレルギーをもたらし、それはアルコール類の摂取のタイプであるため副次的効果を有し、それは肝毒性および膵炎を引き起こすエタノールの非酸化的代謝物質である。本書は、安全で健康的でありω−3の供給源として最も効果的な薬物としてのトリグリセリド型のDHAに関し、一方、エチルエステルはトリグリセリドとしてDHAおよびEPAを得る中間工程である。 製造物の主な使用は、DHAと無関係の相互作用を妨害することなくより高い生理活性を示し、インビボにおける酸化能がより低く、毒性がより低く、公衆衛生に対するPhAに関連するリスクの割合がゼロである、より健康的でDHAに富んでいる薬剤、サプリメントまたは食物を得ることである。無数の近年の分子的証明、前臨床的研究および疫学的研究によると、PhAは食事において存在しているが、非栄養物質であり、健康に対する重大なリスクの1つを引き起こす。 PhAを分離するこの方法は、非常に効率的な脱臭方法である。それを行うために、土または活性炭を用いて魚油の処理することは、いかなる加熱または脱臭処理を避けながら重金属を除去するという観点からは十分である。主発明は、油を傷め得る処理(高温)を避け、かつ特定の工程が追加されないためコストを削減しつつ、PhAおよびPAの除去だけでなく、独特な臭いの原因である揮発性分子の効果的な除去を伴う。 このPhAの分離工程に従って行われる油の脱臭の原理は、以下に関係する:a)タンパク質の劣化であって、それは非常に高いMPを有し、室温で固体状態にある。タンパク質は固体画分または生の魚油中のステアリンにおいて分離される。b)魚における臭いの原因となる揮発性物質が非常に低いMPを有しているという事実のためである。ヘプタジエナール、オクタジエン、オクテン、ヘプテナール、デカトリエナールならびに特にジメチルアミンおよびトリメチルアミンのような物質は、それぞれ−92℃および−117℃において見積もられるPFを有している。 油における冷却および固化工程の間、前述の物質は、分離されることとなる液体画分の一部となり得、それは低レベルのPhAならびに他のアルケンおよびアルコールと一緒にこれらの揮発性物質を含んでいる。脱臭は、精製処理を全く必要とせずに、加熱ではなく冷却工程によって行われる。本発明は、脱臭のためのいかなる従来の処理(ポリ不飽和脂肪酸を変化させるリスクが増す(高温))を行うことなく、非精製の純化された油を得ることができる。 PhAは、基本的にトリグリセリド(>約80%)および他のエステルの状態で存在し、遊離した状態では少量が検出され、油においてトリグリセリドおよびリン脂質の両方における同じ位置(C−2)に現れ、それはPUFA脂肪酸と同様であり、それらの同等な物理化学的特性のためである。PhAの抽出は、DHAおよびω−3の精製の全ての工程における場合と同様に、それらの混合物に従って、異なるMPを有している3つの脂肪酸を含んでいるトリグリセリドから直接行うことはできない。それから、遊離酸を得るための加水分解(酵素的)によってアルコールからエステルを形成させるエステル交換反応(酵素的)によって遊離脂肪酸を形成させるために、脂肪酸は油または脂肪の一部であるトリグリセリドの加水分解によって予め得られていなければならない。2つの状況が生じ得る: エステル交換反応および脂肪酸のエステルの形成(すなわち:エタノール):しかしながら、酵素的なエステル交換反応から得られたアルコールのエステルから行い得るが(すなわち:エタノール)、脂肪酸におけるMPは、アルコールの種類に依存して、およそ>20℃までかなり下げられる(表1)。この事実は、DHAを有している油を固化させるために、脂肪酸が遊離している場合よりも温度が20℃低くされ得るため、より高いエネルギーコストを伴う。 遊離脂肪酸を得るための酵素的加水分解(すなわち:けん化+酸性化): 酵素的加水分解は、現在の工業において広く発展し利用されている従来のいかなる方法の基礎として魚油に広く適用される方法である。食物または薬物のグレードの任意の有機酸が、固定化されていようと溶液中であろうと、酢酸、もしくはイオン交換樹脂(スチレン樹脂)のような固体触媒、またはリパーゼ(ej:Novozyme 435)による酵素的触媒のような触媒として働き得る。 魚油は、コレステロール、PCBs、ビタミンAおよびD等を包含するけん化できない脂肪を有しているが、それは食物または薬物のグレードを得る目的によって、DHAまたはω−3に富んでいる油から除去されなければならない。広く利用され、費用効果が高く、効果的な、純化工程においてけん化できない脂肪(ステアリン)を分離する方法は、ポリ不飽和脂肪酸の変質を避けるために低温かつ不活性雰囲気下における、中度のアルカリ溶媒中での魚油のけん化による完全な加水分解である。この方法において、純化工程で不可欠な加水分解は、本発明におけるPhAの分離とともに行うには有用である。 このため、主発明は、液体の油を得るため、および加水分解を促進するために、低温(すなわち:40℃〜90℃)において中度のアルカリ溶媒(すなわち:水酸化ナトリウムの水酸化カリウム)中で、脂肪酸が完全に加水分解およびけん化されるまで、魚油においてみられるトリグリセリドおよびエステルを加水分解することから開始される。 得られた混合物は、脂肪酸におけるMPを変化させるような、本発明において記載された工程に適合しない脂肪酸に由来する塩(カリウム塩またはナトリウム塩)を含んでいる。したがって、酸性化または酵素的加水分解は、遊離状態の脂肪酸を得るために、強く攪拌された混合物に非酸化的有機酸(すなわち:酢酸)を添加して使用することによって行われる。 遊離脂肪酸を分離するために油に対して減圧蒸留(すなわち:2mmHg)を行うことが可能であり、遊離PUFA脂肪酸へのいかなるダメージも避けるために不活性雰囲気である。それでも、この方法は、デカンテーションおよび遠心によって、ステアリンおよびけん化できない脂肪を含んでいる固相を分離すること、および繰り返し洗浄することによって酸性化油を含み、酢酸ナトリウムまたは酢酸カリウムを含んでいる液相を分離することを容易にする。これはグリセロールの保護を保障し得る。 グリセロールは食物または薬物のグレードの溶媒よりも安全であり、製造物の開始段階および最終段階の両方においてその必要な存在が示されるはるかに簡単な方法を必要とする。しかし、最も注目すべき側面は、グリセロールが密度勾配分離を可能にすることであり、それは一般に他の化学物質(すなわち:尿素)が用いられる分画法における場合よりも、飽和脂肪酸およびモノ不飽和脂肪酸を分画し、特にPhAよびω−3の分離に対して、非常に効果的に結晶化を促進する。 本発明において用いられる密度勾配遠心については、特定の特徴:低分子量(それは遠心の時間を減らす)、低い粘度、溶質(脂肪酸)よりも高い密度、紫外光下で透明である、および良好な溶媒特性、を寄せ集める勾配が要求される。グリセロールは、高い密度(1.25g/cm3)を有し、ω−3に富んでいる油においてみられる脂肪酸の場合において検出される1.15g/cm3までの、密度勾配分画または分子分解(molecules split)のための溶媒として働く。グリセロールは、その共融点を著しく低下させる(すなわち:65%のグリセロール水溶解物は、MPを+18℃から−47℃に低下させる)ために、水または他の溶媒と混合可能であり、結晶化工程の間、液体状態になり得る。溶媒の小さい画分中のグリセロールは、粘度を低下させ(表2)、等密度遠心における理想的な勾配として働く。特に本発明の冷却段階の間に、温度の上昇によって粘度は低下させられ得る。それは密度勾配よる脂肪酸の遠心および結晶化による、分画のための理想的な勾配である。 脂肪酸組成物は、これら油の含有量におけるカギであるが、分子量ではなく密度における有意な相違を示している(脂肪酸の3つの画分)。そのMPは類似して作用し、MPに最も近いこれら脂肪酸の結晶化をかなり最適化する。密度勾配(ゾーンまたは等密度)による遠心法の両方の中で本発明にとって最適なものは、密度に従う分画を引き起こすという理由から等密度のものである。なぜなら、PhA(312.53g/mol)とDHA(328.5g/mol)との間に分子量における顕著な相違がなく、またゾーン法を必要とするEPA(302.4g/mol)が存在するからである。それでも、飽和およびモノ不飽和ω−3脂肪酸を分離するために用いられ、またDHAおよびEPAの分離に対する当該技術の限界(8%)において用いられ得る(けれども、本発明において、それらは分子量の違いが<10%である他の分子と同様の方法において分離されている(Fuentes-Arderiu et al., 1998)。 本発明において、密度勾配分画法は主要な油の画分(飽和および不飽和脂肪酸ならびにω−3)に対応する密度に従って3つの画分を形成するために結晶化の前に行われる。これは、分画および油の脂肪酸の混合物の共融点の変化を引き起こし、それらのMPに従った画分の固化を高い割合において最適化する。この工程は、何れの溶媒も用いない、ω−3からのPhAの分離において最適化する際にも効果的である。 PhAの分離およびω−3脂肪酸の精製:1−それらの異なる密度に従った、密度勾配を用いた分別結晶による。 油においてみられる脂肪酸の分離方法は、特に分離方法(蒸留、結晶化、溶媒による抽出またはクロマトグラフィー)において重要である物理化学的特性を脂肪酸が共有する場合において、行うことが特に難しい。分別結晶は温度変化によって溶解性が異なる種々の物質を分離する工程である。分別結晶の原理がこの物理化学的特性に関係しているという事実にもかかわらず、現実には分別結晶は2以上の化合物の異なるMPに従った分離の上に成り立っている。 本発明において提案された方法は、温度変化に従って溶解度ではなく密度の観点から2またはそれ以上の化合物が分画されて分離され得る方法を提案するため、今までに説明されたことがない。このため、本発明を、密度による分別結晶(Fractional Crystallization by Density,FCD)と称する。 説明された方法は、a)共融的組成物の図式の変化に帰着する複合体相互作用との関係における類似の特性(すなわち:均質溶媒)を有している成分の分離、または、b)異なる溶解度を有している異成分からなる組成物におけるが、当該成分のうち何れもが温度変化または上昇に対して非常に感受性がある成分の分離に用いられ得る。主発明は、特に2またはそれ以上の組成における特定の油の均質な組成の分離に関係し、それらの共融点を変化させ、冷却工程および分別結晶による分離を適用することによって温度変化を進めるものである。主目的は、飽和またはモノ不飽和脂肪酸ならびにPhAからなる画分を分離することであり、当該画分はω−3脂肪酸を含んでいる画分よりも高い共融点を有している。 ω−3脂肪酸、PhAおよび飽和脂肪酸を分離する際、結晶化および密度は最も区別できる特性であることがわかる。本発明は、ω−3脂肪酸の飽和またはモノ不飽和脂肪酸ならびにPhAのようなより低密度の脂肪酸を高比率で含んでいる脂肪酸またはミセルの画分に(勾配の脂溶性に従って)、より高密度によって分離することができる。これら2つの組成は、純粋であっても純粋でなくても(異なる脂肪酸の混合物)よいが、脂肪酸の各構成のMPおよび濃度との関係において異なる共融点を有し、異なる組成の2つの画分は分別結晶によって分離され得る。 この工程はさらに、類似する物質までもそれらの密度に従って分別結晶によって分離することに対して特に効果的である。そのようなことは、成分の1つである低濃度レベルのPhA(3S)が(DHA)成分よりも類似のMPを有している本発明の特殊なケースである。本発明において、等密度または非等密度による超遠心が適用され得る。高純度レベルのDHAを得るために通常用いられる溶媒の適用は、本発明の工程において必須ではない。 (選択肢1:等密度的な密度勾配超遠心による分別結晶) 遠心は、化学製品において90%費用効果が高く、人の作業量の観点において70%費用効果が高く、60%速く、遊離脂肪酸および脂肪を分離するために溶媒を使用しないため、より環境に優しいと説明されてきた(Feng et al., 2004)。遠心および冷却は食品産業において広く用いられている。本発明において、溶媒を用いてまたは用いずに、ω−3脂肪酸およびPhAの分離および結晶化を促進することが可能である。製薬産業において大規模での超遠心の広範囲の使用が存在してきた。超遠心は結晶化の前に異なる脂肪酸の画分を分離させるということに注意すべきである。 巨大分子の分離のための遠心法の利用はよく知られているが、類似の分子量で異なる密度を有している脂肪酸のような非常に小さい分子を分離するために利用されたことはまだない。フィコールの密度勾配超遠心法(Ficoll density-gradient ultracentrifugation)によって、99%のDDT(脂肪酸と同等の分子量を有している脂溶性の化合物)が分離されている(Adamich et al., 1974)。本発明において、類似の分子量(300ダルトン)を有している脂肪酸が等密度勾配超遠心によって分画される。 遊離脂肪酸を含んでいる酸性化油は本発明の特定の段階(ω−3に富んでいる油からのPhAの分離)において用いられ得る。この方法において、油の物理状態は、油自体の結晶化によって変えられ、ω−3脂肪酸(すなわち:DHA)を含み、PhAおよびPAを液体状態に保ち、DHA、EPA、PhA(3S)の画分の結晶化から特にPhAおよびPAを分離する。この技術は、>95%および>99%の高純度レベルのDHAおよびEPA、または食物もしくは薬物のグレードのトリグリセリド(>850mg/g)を、PhAを含まずに(<5μg/g)、得ることを可能にする。ω−3脂肪酸の大きな損失を避け得る。 脂肪酸は自動的な核形成特性を有し、過融解(overfusion)の特性を有さない。融点(MP)および凝固点は同じである。このため、PhAを含まないω−3脂肪酸の精製を行うことに関して、それは前述の精製工程を可能にする異なる共融点を有している2またはそれ以上の画分を得るのに十分であり得る。 飽和脂肪酸は高いMP(>18℃)を有しているが、一方、モノ不飽和脂肪酸におけるMPは>13℃である。さらに、生の酸性化油における飽和およびモノ不飽和脂肪酸の組成は、>50%(藻類起源のものに関して)であり、しばしば70%のレベル(魚油)に達する。それでも、ω−3脂肪酸種の多大な量および存在は、共融点を著しく低下させ、非常に低い温度(−20℃のような)での効果のない冷却結晶化工程を招く。 一方、表1においてみられるように、PhAのMPは、DHAのMPよりも20℃高く、EPAのMPよりも10℃低い。しかしながら、特定の油(すなわち:魚油)に存在するPhA異性体は、PhA(3S)とDHAとの間に存在している相違を約2℃縮小させる。 油がその成分または分画において類似の溶解度を有している脂肪酸を結晶化するための状態に適さないという事実を考慮すると、以前の密度による分別結晶による脂肪酸の分画が行われる。したがって、本発明に関して、ω−3を含んでいる油の精製、ならびにDHAおよびω−3の分別結晶と同様に、脱臭方法は最適化される。 この目的のために、密度勾配による、または等密度の自動で形成される勾配による分画遠心を最初に行った。これは、実験室の工程においてだけでなく基本的には製薬産業の工程においても、タンパク質の精製および分離ならびにワクチンの製造のために、他の処理の間に、類似の分子量であるが密度が異なる分子を分離するために用いられる技術である。 この技術において、油は均一濃度の溶液中で遠心力の下で溶解し、脂肪酸は反応器中で遠心する間にばらばらになるため、脂肪酸はそれらの分子量ではなく密度に従って勾配を形成する。主要な前提は、最大の勾配密度(すなわち:グリセロール)がいつも脂肪酸の密度を越えるべきだということである。密度勾配による遠心は、脂肪酸がそれらの密度と勾配の密度とが同じ(等密度)である地点に到達するまで、当該脂肪酸を勾配に沿って移動させる。このほんの瞬間において、結晶化による分離は行われ得る。なぜなら、従来の分離は非常に注意深く行われ、望まないω−3油の汚濁を引き起こし得るからである。 均質な油の勾配混合物を生成し、ミセルを形成せずに個々の脂肪酸を分離することを助けるために、部分的に極性のある溶媒(すなわち:ヘプタノール)を含んでいる勾配が用いられ得る。このように、遊離脂肪酸が分散し、PhAおよびロスを伴わずにω−3脂肪酸の純度がより高い画分を得る。しかしながら、これには2つの問題(最終製造物における勾配の分離、および遊離脂肪酸の分子の分離がより長い超遠心時間を必要とすること)がある。第一の理由により、勾配の通常状態のうちの1つがその水への溶解度である。脂溶性の勾配を用いた場合、分離されるべき画分とのMPの差異を有している限り、この工程の後にある最終工程の間に分離され得る。 本発明に用いられる勾配はグリセロールである。なぜなら、グリセロールは工程の間に製造され、安価であり、食物および薬物的使用に対して安全であり、この目的のための他のいかなる勾配(すなわち:ショ糖)を放棄することがなく、両方の場合において最も不都合な高粘度であるからである。グリセロールを勾配として用いる場合、超遠心の間、10℃またはグリセロールのMP(18℃)未満において冷却され得る。しかしながら、水および他の溶媒と一緒に溶解において灌流されている液体として非常によく働く。 本発明において、粘度を低下させ、勾配のMPを低下させるために、グリセロールを含んでいる種々の溶媒混合物が用いられる。特には結晶化を促進する溶媒の使用であるが、とりわけ、勾配の共融点および粘度を低下させるためである。グリセロール/水混合物、イソプロパノールまたは他のアルコールのような、食物および薬物の高いグレードを有している溶媒の使用は、賢明であるが、限定させるものではない。グリセロール/水混合物およびアセトンのような溶媒は、非常に低いMP(−95℃)を有しているため、特に本発明において要求される温度において、脂肪酸の結晶化を刺激する溶媒として、優れた両親媒性および吸湿性の反応性を有している。 最適なグリセロール混合物は、グリセロールの粘度を低下させるものであり、MPが適度に低下し、また粘度が顕著に低下する。勾配の粘度の低下は、PhAをより効率的に分離するための、画分の溶解および平衡化のための時間にとって重要である。グリセロール/水混合物に関して、理想的な比率は、過冷却または過融解された液体を形成させ、そのMPを顕著に低下させるものであり:グリセロール:67% w/wで、MPが−47℃である。それと同時に、密度が低下し、密度勾配による遠心の時間を顕著に短くし、安価で安全な結果となる。 他のグリセロール混合物の使用も可能であり、少量の溶媒を使用し、勾配として用いられ得るためにDHAより低い密度(>0.95g/cm3)の滴を避け、ミセルの分散のための短鎖の極性溶媒(C1〜C5)としてアルコールを作用させ、好ましくは遊離脂肪酸を分散させる中鎖の部分的な極性勾配(C6〜C8)を得るための溶媒としてアルコールを作用させる。これらアルコール中のグリセロールの比率は、より高い密度および低いMPを有している必要がある。5%と50%との間のグリセロールの量は、超遠心の間の温度範囲において、MPの低下を反比例的に低下させ、密度および粘度を顕著に低下させる(しかし通常、本発明に必要な、>1g/cm3である)。本発明に関して、25%のグリセロール勾配および約−7℃のMPが、超遠心の時間を減らした分画工程の最適条件である。50% w/wのグリセロールは、約−23℃のMPを得るのに十分であり、また大規模な超遠心の最高温度の低下を超えるのに十分である。 水溶性の勾配の使用は、平衡時間を短縮し得るナノミセルの形成を刺激し得る。しかしながら、理想的な平衡および分画に到達するために、これらミセルの組成は、それらの密度に従って高度に均一でなければならない。脂肪酸の拡散は、無作為に選ばれるのではなく、密度勾配による超遠心によって変えられる密度に従ったパターンに従って起こり得る。それは遠心勾配中で行われたため、密度勾配はローター軸までの距離に従って形成される。当該工程は、最も高い密度によって脂肪酸を含んでいるミセルの形成を最初に展開し、最も密度が高くかつローター軸から最も遠い画分を形成し得る。 脂肪酸、特にPhAおよびω−3飽和脂肪酸の密度の顕著な増加は、それを効果的な方法にする。主要な課題は、比較的小さい分子量が、分離されるために非常に速い速度および時間を必要とすることである。時間の超過は分離に影響し得ない。しかしながら、分子がそのような小さい分子量を有しているため、必要とされる時間が長く(すなわち:48時間)、分離工程において顕著でないが、この時間は最適化され得る。 ω−3に富んでいる生の油に適用される等密度超遠心の手段によって、3つの画分が分子量および密度に従って形成される:a)主要なミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸を包含する、(228〜290g/mol)の分子量および油より低い密度(0.85〜0.86g/cm3)を有している飽和脂肪酸、b)類似の分子量およびわずかに高い密度(0.88〜0.89g/cm3)を有しているモノ不飽和脂肪酸、c)(300〜330g/mol)の分子量およびより高い密度(0.93〜0.95g/cm3)を有しているω−3脂肪酸。PhAは(0.88g/cm3)の密度による等密度遠心によって画分(b)において検出される。 これは、直線的または非直線的、連続的または非連続的な勾配により行われ得るが、その工業的利用のため、連続的で直線的な方法を本発明のために選んでいる。平衡状態を得るために必要な時間の短縮が、本発明において不可欠である。これが、このケースにおける最適な方法が、平衡時間をかなり短縮させる垂直ローターの使用である理由である。 超遠心の速度は、平衡に達するまで30,000rpmまたは100,000×gで始め得る。この手法において超過時間はない。超遠心が始まると、脂肪酸は勾配の助けによってゆっくりと拡散し始める。飽和脂肪酸は20℃において、またモノ不飽和脂肪酸は10℃において、ゆっくりと結晶化する。平衡の形成は、超遠心の開始時点における油の共融点を顕著に低下させ、ゆっくりとした結晶形成を伴う。脂肪酸は固体状態における密度を顕著には変えない。 したがって、10℃における超遠心は、飽和脂肪酸およびモノ不飽和脂肪酸を含んでいる(a)および(b)を捨てるための工程の結晶化に寄与する。したがって、平衡に達したとき、汚濁のリスクを伴わずに、ω−3脂肪酸および勾配を含んでいる液体の画分を分離することが可能である。 モノ不飽和脂肪酸およびPhAの混合物は共融点が低下するため、遠心する間における画分は、いつも10℃において完全に結晶化するというわけではない。このため、0℃から−5℃の間の温度もしくは好ましくは−30℃、またはω−3脂肪酸を含んでいる精製された画分の共融点(組成に応じて、特にDHAおよびEPAの組成に依存して、およそ−44℃と−57℃との間で変化し得る)よりも低い温度において、冷却することが賢明である。 冷却工程は、平衡状態の勾配を含んでいるビーカーを冷却することによって簡単に行われ得る。しかしながら、大規模な超遠心は−20℃まで温度を下げることができ、これらの段階における結晶化を改善するため、この冷却工程は超遠心の間に行われ得る。しかしながら、本発明において、冷却工程は平衡点である間またはその付近で行われ、それゆえPhAの固化を保障する。 超遠心の間に20℃またはそれ未満における温度を設定することは、本発明において排除されない。温度を上げることによって(すなわち60℃)(20℃と90℃との間)、平衡時間を短縮し、超遠心工程を最適化することが可能である。なぜなら、勾配(グリセロール)の粘度の低下と同様に、飽和脂肪酸の粘度、特に飽和およびモノ不飽和脂肪酸の粘度を顕著に低下させ、分画を最適化し、平衡に達するまでの遠心時間を顕著に短縮するからである。 等密度遠心工程は、その時間の短縮およびPhAの分離を最適化するために、変更がなされ得る。この点において、超遠心時間を短縮するために、平衡に達することなく結晶化が成され得る。通常、平衡に達するために必要な時間は、勾配、温度、速度および用いられるローターに依存し、48〜72時間である。PhAが非常に小さい画分を構成することおよび化学的純度を目的としていないことを考慮すると、平衡に達することなく本発明の明細事項を得ることができる。 24時間以内に、ω−3脂肪酸および残りの脂肪酸ならびにPhAの大部分の分画が行なわれる。このように、PhAの大部分を包含する脂肪酸の大部分は、ω−3脂肪酸よりも低い温度で結晶化しやすい。このように、ω−3および勾配を含んでいる液体の画分を分離するために、どんな時間を必要としようとも(すなわち:24時間)、超遠心の温度(すなわち:℃)を下げながら、平衡に達する前に結晶化を進めることが可能である。大規模な超遠心は、−20℃まで温度を到達させられる。そのようにすることで、PhAを効果的に分離し、どんな物質も失うことなくω―3脂肪酸を含んでいる油を精製し得る。 (選択肢2:非等密度的な密度勾配超遠心による分別結晶) 画分からω−3精製油を抽出することが可能であるが、汚濁のリスクが高い。密度勾配の完全な平衡または半平衡に達することなく、超遠心の時間を著しく短縮し得る。これを行うことにより、高濃度の飽和脂肪酸および一部のPhAを除去し得る。それはその元々の濃度および異性体(3R)に従っており、本発明の明細事項を得るのに十分であり得る。それでも、ほとんどの状況において、結晶化による分離の場合により良い結果が得られる。 本発明において、異なる温度サイクルが設定され得るか、またはゾーン分画がDHAおよびEPAを精製するために用いられ得る。 異性体PhA(3S)は、通常、魚油ならびに、哺乳類および微生物以外の他の海洋起源の油において、少ない比率でみられるが、DHAに近いMPを有している(表1および図5)。この異性体は結晶化によるその分離に対し大きな障害を与える。したがって、PhAのMP温度がDHAよりちょうど2℃低い一方、PhA(0.882g/cm3)およびDHA(0.943g/cm3)の密度の違いを考慮すると、この異性体の分離は、特に本発明を利用する場合には、前以って油を等密度遠心することを必要とする。 ω−3に富んでいる油の共融点は、分画される前に40℃未満になる。この分離工程により、画分の脂肪酸組成物の共融点とは十分に異なる別の画分の結晶化反応を得ることが可能である。画分(a)および(b)における混合物の共融点は、PhA(〜0.1%)を含んでいる元々の脂肪酸組成物と比較して、顕著に上昇する。さらに、この画分中に含まれているものは、油の特徴的な臭いの原因である揮発性化合物である。上述の共融点は、<−20℃における画分の固化を可能なものにする。しかし、−40℃未満の共融点を有しているω−3脂肪酸の画分c)を効果的に分離するには十分に高い。このように、PhAは固体の画分(b)または(b+a)の一部である。画分(b)は油中の全てのPhA(2つの異性体)を実質的に含んでおり、結晶化により分離することが非常に難しいと思われるPhA(3S)の非常に効果的な分離を可能にする。 必要な結晶化の時間は18から72時間の間で変わり得る。DHAの結晶化は−3.3℃の温度/速度またはより遅い冷却速度における低下により24時間のうちに起こるが、冷却速度は脂肪酸の結晶化を刺激するのに十分ゆっくりであり得る。 遊離DHAの結晶の成長を得ることができるため、一度分離されると可能である最少の液相量を維持する。ゆっくり温度を下げながら、大きな結晶が当該工程の間に形成されることが便利であり得るのは、この理由からである。結晶化は、−44℃において開始され、冷凍庫または低温のフリーザーの中に保たれて、大きな沈殿物中で行われ得る。 高い比率の飽和および/またはモノ不飽和脂肪酸を含んでいる非精製のまたは生の油において、PhAは、ω−3脂肪酸のMPおよび油の共融点よりも低い−30℃の温度サイクル(−20℃と−40℃との間)を用いることにより分離される。これは必要であれば、飽和脂肪酸+モノ不飽和脂肪酸+PhAを含んでいる固体の画分が、高純度のDHAおよびEPSを含んでいる液体の画分から、濾過によって分離し得る方法である。 この温度において、グリセロール勾配は、液体状態のままで、ただ高純度のω−3を含んでいる最も高い密度かつ最も低いMPを有している画分だけを結晶し、さらにω−3脂肪酸の勾配を分離する。しかしながら、もし67% w/wのグリセロール/水を用いるならば、密度勾配による別の遠心工程(すなわち:DHA/EPAの分離またはDHA/PhAに富んでいる油の分離)、またはもう1度分の油における別のPhAの分離工程を再発することを要するであろう液体が残り得る。 この工程は、2つのPhA異性体の全体をほぼ完全に除去する。このように、その2つの主要な成分であるDHAおよびEPA(>95%また>800mg/g)における高い純度を有し、通常>99%脱臭され、低いまたはゼロのPhAを有しているω−3の油を得る。元々の油におけるDHA/EPA比に従って、それは得られ得る: a)唯一のω−3脂肪酸として基本的にDHAを含んでいる油(すなわち:Schizochytrium sp.)について、DHA>95%(>850mg/g)または>99%(>900mg/g)が得られる。 b)DHA/EPA比>3(すなわち:マグロ)について、PhA(<5μg/g)を含んでいるDHA>700mg/gに富んでいる油が得られる; c)DHA/EPA比が1と3との間(すなわち:サケ)について、PhA<90μg/gを含んでいるDHA<700mg/gの油が得られる; d)DHA/EPA比<1(すなわち:レッドフィッシュ、アンチョビ、タイセイヨウサバ、サーディン、タラ)について、PhA<5μg/gを含んでいるEPA>400mg/gおよびDHA<400mg/gの油が得られる。 本発明によればまた、高純度のDHAおよびEPAならびに低含有量またはゼロのPhAを含んでいる、DHAおよびEPAを分画し得る。DHAよびEPAには分子量において10%の相違が存在し、ゾーン超遠心に対して十分に異なっている(Arderiu et al., 1988)。このため、−50℃もしくは−44℃と−54℃との間、または他のDHAおよびEPAのMPの間の何れかの温度におけるゾーン密度勾配超遠心の前の必須の工程である、第二の冷却サイクルを行うことが可能である。元々の組成にかかわらず、高純度のDHAおよびEPAならびに低濃度または無PhAが全ての油について得られる。 この点において、いくつかの食物または薬品の親油性酸化防止剤が、PUFAsの酸化を安定化させるために添加され得る(すなわち:トコフェロール)。低PhA含有量または無PhA含有量である酸性化油は、アルコーリシスまたは新生トリグリセリド(novotriglycerides)の形成による遊離脂肪酸の即座のエステル化を必要とし、我々の主目的では、現時点の工業において行われている任意の従来の手段、非特異的もしくは選択的な酵素によるまたは他の液体もしくは固体触媒を用いる方法による(すなわち:米国特許第20080114181号)。エチルエステルを含んでいる油の場合において、トリグリセリドを得るために再エステル化も行われ得る。 DHA>700mg/gおよびPhA<0.5μg/gのトリグリセリドを展開するための例としての図式。しかしながら、通常、>900mg/gのDHA濃度を得ることができる(油におけるDHAの理論上の最高純度は、約960mg/gを含むことになる100%純度のトリグリセリドである)。DHA濃度は開始時において選択される原材料およびEPAを分離するためにDHAを分画する任意の手順に依存し得るが、選択される工程は全ての原材料に対して同じである。この点、DHA/EPA>3を含んでいる全ての原料の油について、ω−3の精製工程はDHA>700mg/gの純度という結果になり得る。例えば: 原材料1:ω−3脂肪酸の有意な含有量がなくDHAのみを含んでいる油 ・すなわち:トリグリセリドDHA>400mg/gおよびPhA>120μg/gを含んでいるバイオマスまたは微生物(すなわち:Schizochytrium sp)由来の油 原材料2:ω−3脂肪酸における唯一の有意な含有量として異なるDHA/EPA比を有しているω−3に富んでいる油 ・DHA/EPA<1.すなわち:トリグリセリドDHA>100mg/g;EPA>150mg/gおよびPhA>1900μg/gを含んでいるレッドフィッシュの純化油(30%のω−3) ・DHA/EPA<3.すなわち:トリグリセリドDHA>200mg/g;EPA>60mg/gおよびPhA>1600μg/gを含んでいるマグロの純化油(30%のω−3) ・DHA/EPA<3.すなわち:トリグリセリドDHA>500mg/g、EPA<150mg/gおよびPhA>1600μg/gを含んでいる精製されたマグロの純化油(70%のω−3) 原材料3:低EPA含有量>700mg/gのDHA精製油は、通常エチルエステルおよび精製された製剤として製造されて得られる(すなわち:分子蒸留)。それらはω−3脂肪酸の精製を必要とせず、PhAが抽出されなければならないだけである。 ・DHA/EPA>7.すなわち:トリグリセリドDHA>700mg/g、EPA<150mg/gおよびPhA>3μg/gを含んでいる精製されたマグロの純化油(90%のω−3) 当該手順は、同時にPhAおよびPAがないが、示されたとおり、ただ臨床上有意な量でPhAが存在する。それは当該特許において我々がいつもPhAに言及し、結果的かつ時折PAに触れるだけである理由である。PAは結晶化によってPhAと同じ画分の位置において分離される。実施例1は、どれだけの量のPAが前に存在したか、およびどれだけの量が最終製造物の最終分析において残されているのかを示す(実施例1)。 本発明を説明するため、DHAに富んでおり、かつ低PhA含有量を有している種々の油から得られた種々の抽出物を示す。以下の実施例は本発明を限定するものではない。得られた抽出物はその後、健康補助食品または種々の疾患を治療するための薬剤としての種々のガレン製剤、好ましくはカプセルにおいて用いられ得る。 〔実施例〕<実施例1:等密度遠心および結晶化による、DHA>700mgおよびPhA<5μg/gを有しているトリグリセリドを含んでいる抽出物を得る手順> 用いる原材料は、DHA(210mg/g)、EPA(67mg/g)および総ω−3(285mg/g)を含んでいる非脱臭かつ非精製の未加工のマグロ油(Sanco)である。ガスクロマトグラフィーおよび質量分析によって油における脂肪酸を定量化した後、PhAの存在量を決定した(1.3mg/g)。2つの降温サイクルを、それらの有効性のためにおよびPhAを伴わないDHAの本導入の主目的に早く到達するために確立する。 1.けん化 振とう機付きの5リットルの反応器中において、1000gの生のマグロ油を250gのKOH、280mlの水および10mlのエタノールを用いてけん化するために、不活性雰囲気(窒素)下、40℃において反応を開始し、300rpmで1時間、混合物を振とうした。 2.遊離脂肪酸の塩からの遊離脂肪酸の酸化体形成 前段階において得られたカリウム混合物に、3リットルの70%酢酸(非酸化性の酸)を加え、不活性雰囲気(窒素)下、200rpmにおいて60分間、強く混ぜ合わせる。形成された酢酸カリウム塩を沈殿させ、濾過によって取り除く。一度静置すると、二つの相(非極性相、および残っている酢酸を含んでいるより高密度の極性相)が形成される。極性相は反応器の底にある開口部を通じて取り除く。次いで、反応器に4リットルの精製水を加え、150rpmにおいて30分間、振とうすることによって洗浄を行い、一度静置すると二つの相(油を含んでいる非極性相、および反応器の底で水を含んでいる非極性相)が形成される。非極性相は反応器の底にある開口部を通じて取り除く。次いで、マグロの酸性化油を得るまで、4リットルの水を加えてさらに4回洗浄する。 3.等密度遠心 前段階において得られたマグロの酸性化油を、固相またはステアリンおよび次の工程において用いるために減圧される遊離脂肪酸を含んでいる液相を形成させながら、150rpmにおいて20分間遠心する。2400mlの勾配液を25%w/wのグリセロール/水混合物から用意し、1800の水および535mlのグリセロールを加え、そこに予め得られた遊離脂肪酸およびグリセロールを室温において加えた。 当該混合物を3000gにおいて1時間、Hitachi-Koki CC40超遠心機およびC40CT4 Core (H)ローターにおいて、ホモジェナイズする。次いで、減圧し(27Pa)、かつ10℃の開始温度において、遠心速度を42時間、1000000gまで上げる。24時間の超遠心後、温度を一気に0℃に下げ、それを平衡に達するまで18時間に亘って保つ。この遠心工程から、捨てることができる2つの固体画分をローター軸において得る。そのうち一方は飽和脂肪酸を含んでおり、他方はモノ不飽和脂肪酸およびPhAを含んでいる。 液相を分析するため、ピペットを用いて試料を得る。当該試料をGC−MS分析にかけて、次いでPhAおよびDHAの濃度を確認し、それぞれ<90μg/mgおよび740mg/gという結果になる。 この特定の事例において、たとえそれぞれ90μg/mg未満のPhA濃度および740mg/gのDHA濃度を有している製造物が得られたとしても、画分は分離しない。 4.ω−3脂肪酸の結晶化による分離 次に、−30℃の温度における直接的なまたは緩やかな冷却を、前段階の間に得た3つの画分を含んでいるシリンダーについて24時間行う。この温度において、2つの相(1つの固相および1つの液相)が生成される。固体画分は飽和およびモノ不飽和脂肪酸、PhA,プリスタン酸ならびにグリセロール勾配を含んでいる。一方、液相はDHAに富んでいるポリ不飽和脂肪酸の混合物を含んでいる。液体画分は、シリンダー軸の半径から最も遠く、シリンダーの底にある開口部を通じて固体画分から分離する。 この液体画分は、低いまたはゼロのPhA含有量を有している、DHAに富んでいるω−3脂肪酸を含んでいる。得られたDHAに富んでいる281gの脂肪酸をGC−MSによって分析する。当該分析は、−30℃における冷却前および冷却後のω―3に関してはそれぞれ96.7%および97.2%であり、かつ、PhAのレベルは冷却前が90μg/g未満であり、冷却後が5μg/g未満であることを示す。 5.油中の遊離脂肪酸についてのトリグリセリドへのエステル化 ステップ4の間に得られた遊離脂肪酸のエステル化のために、米国特許第20080114181号中に記載されている方法を用いる。ソックソレー濃縮器を用いて、スチレン樹脂を5%において、遊離脂肪酸(200g)およびグリセロール(50g)と共に混合し、185rpm、40℃、20分において、混合物に対して機械的温度振とう装置(mechanical thermo shaker)を導入する。次いで、混合物に80mlのエタノールを加え、温度を60度まで上昇させ、振とうを235rpmまで上昇させる。不活性雰囲気(窒素)下、大気圧において24時間、反応を維持する。次いで、混合物を室温まで冷却し、樹脂または触媒を油の濾過によって回収する。エタノールを除去し、トリグリセリド混合物を得る。 最終製造物の試料を記載したようにGC−MS分析し、得られた結果は実施例1の下に示されたものである(遊離脂肪酸を含んでいる)。 実施例3において、油のGC/MS分析は、得られたトリグリセリド、部分的なグリセリドおよび遊離脂肪酸の組成を決定するために行われる。 5つの段階の間に行う手順から、>700mg/gの濃度におけるDHAトリグリセリドおよびPhA<5μg/gならびに総量が870mg/gのω−3(>95%)を含んでいる、完全に脱臭された油を得る。<実施例2:DHA≧700mg/gおよびPhA<90μg/gを得るための連続した手順> 本実施例のために、純化されたレッドフィッシュ(Sebastes sp.)の油を最初の原材料として用いた。315mg/gのω−3含有量(そのうちの110mg/gがDHAであり、165mg/gのEPA)および1.9g/kgのPhAを有している(LYSI)。 1.けん化、および、2.酸性化 我々は、実施例1の間に用いたものと同じ構成および手順に従って、1000gのレッドフィッシュのけん化および酸性化を行った。 酸性化油から2つのことを行い得る。PhAの分離およびω−3脂肪酸の精製のために、精製油を2つの異なる割合に分割し、一方の割合を下記のステップのために用いる: a)等密度超遠心および結晶化 1.等密度遠心 我々は、150rpmにおいて20分間、500gの酸性化油を遠心し、固相またはステアリン(274g)を形成させ、実施例1において示したように、グリセロール勾配において次いで用いるつもりの遊離脂肪酸を含んでいる・・液体を吸引する。前の実施例におけるのと同様に、一度平衡に達すると、飽和、モノ不飽和およびPhA脂肪酸を含んでいる2つの固相、ならびにDHAに富んでいるポリ不飽和脂肪酸を含んでいる3つ目の液相を得る。 2.ω−3脂肪酸の結晶化による分離 我々は、勾配を固化するために、前に記載した3つの相を含んでいるシリンダーを−30℃において24時間冷却し、それゆえ飽和、不飽和脂肪酸およびPhAを含んでいる固体画分ならびにω−3脂肪酸を含んでいる液体画分を得るために、シリンダーの底にある開口部を通じて液体画分を分離し、156gの酸性化油を得る。 最初のレッドフィッシュの生の油の明細事項に従って、我々は、捨てられた固体の画分が飽和脂肪酸(68%)、モノ不飽和脂肪酸(31%)およびPhA2.2gを含んでいることを推定し得る。GC−MSによって、我々は、得られたω−3に富んでいる156gの酸性化油が98.3%のω−3の純度および<90μg/gのPhAレベルを有していると分析する。 3.トリグリセリドの遊離脂肪酸のエステル化(実施例1と同様) 用いたエステル化工程は、最初の実施例の段階5において記載されたものである。ソックソレー濃縮器を用いて、我々は、5%においてスチレン樹脂ならびに遊離脂肪酸(200g)およびグリセロール(50g)を混合し、185rpm、40℃、20分において、混合物に対して機械的温度振とう装置を導入する。次いで、混合物に80mlのエタノールを加え、温度を60度まで上昇させ、振とうを235rpmまで上昇させる。不活性雰囲気(窒素)下、大気圧において24時間、反応を維持する。次いで、混合物を室温まで冷却し、樹脂または触媒を油の濾過によって回収する。エタノールを除去し、トリグリセロリド混合物を得る。GC−MSによる分析のために得られた試料から、我々は得られた油がDHA濃度470mg/gおよびPhA<90μg/gを有し、0.4%未満の遊離脂肪酸を含んでいると判断する。 b)非等密度遠心(平衡を伴わない密度勾配における) 2.超遠心 当該実施例の工程(a)の段階1および2の間に得られた残っている油から491grの酸性化油を、150rpmにおいて20分間遠心して、固相またはステアリン(267g)を形成させ、遊離脂肪酸を含んでいる液相を吸引した。液相にグリセロール勾配を加え、実施例1の段階3において詳細を記載したように分離し、平衡に達することなく100000g×において24時間遠心する。 3.ω−3脂肪酸の結晶化により分離 我々は、−30℃における24時間の遠心のシリンダー中に含まれている油を直接冷却する。その結果、固相が85g生成され、それは飽和、モノ不飽和脂肪酸およびPhAを含んでおり、また、液相は145gであり、ω−3脂肪酸を含んでいる。液体画分をシリンダーの底にある開口部を通じて分離する。 この手順および液相のGC−MS分析の結果として、我々は得られた生成物は92.4%のω−3の純度および<90μg/gのPhAレベルを有していると判断する。 4.トリグリセリドの遊離脂肪酸のエステル化 前段階において得られた遊離脂肪酸をエステル化するために、まさに実施例1のように、米国特許第20080114181号中に記載されている方法を用いる。ソックソレー濃縮器を用いて、スチレン樹脂を5%ならびに遊離脂肪酸(200g)およびグリセロール(50g)を混合し、185rpm、40℃、20分において、混合物に対して機械的温度振とう装置を導入する。次いで、混合物に80mlのエタノールを加え、温度を60度まで上昇させ、振とうを235rpmまで上昇させる。大気圧において24時間、反応を維持する。当該手順は不活性雰囲気(窒素)下で行う。次いで混合物を室温まで冷却し、樹脂または触媒を油の濾過によって回収する。油を90℃において加熱することによって、エタノールを除去する。 GC−MSによる分析のために得られた試料から、得られた油がDHA濃度440mg/gおよびPhA<90μg/gを有し、0.6%未満の遊離脂肪酸を含んでいると判断する。 本実施例2において、出発生成物はより少ない量のDHAを含んでいたため、最終生成物もより少ない量のDHAを含んでいる。それでも、この手順から、我々は4倍のDHA量(110mg/gから440mg/g)を得ることができ、PhAを200倍減少させることができたと結論付け得る。得られた生成物を出発生成物として用いる工程を繰り返した後、740mg/gのDHAおよび90μg/g未満のPhAを有している組成物を得る。<実施例3:生成物の解析> 脂肪酸の総量を決定するために、以下の解析を行なった。i)ガスクロマトグラフィー質量分光側光(GS−MS)による脂肪酸の解析:試薬:エタノール96%、石油エーテル、ヘキサン、メタノール、0.8mol/L KOH(Sigma-aldrich)。機器:アジレント社 HP 6890 Series GC SYSTEM - 5793 Mass selective detector; HP Analytical CD-ROM MS Chemstation Libraries Version A.00.00.手順:10mlの試験管内にある脂肪酸(50mg)を、エーテル/ヘキサン混合液(2:1)、エタノール(5ml)および0.8mol/L KOH(1ml)中で混合し、攪拌した。水を加え、3000rpmで10分間、遠心分離にかけた。上清を除き、GC/MSによる解析を実施した。GC/MS:クロマトグラフィカラムHP-1.17mx200μmx0.11μm。インジェクタ温度:280℃;インターフェース温度:290℃;速度:100℃から260℃まで5℃/分;流速0.9ml/分のヘリウムカラム;インジェクタからのサンプル:1μl;イオン化源温度:230℃;電極温度150℃。ii)ガスクロマトグラフィ(GS)によるPhAの解析:抽出:スクリュー管に、サンプル(1ml)、クロロホルム/メタノール(2:1)(9.5ml)およびKCl(2ml)を添加し、ボルテックスで攪拌し、3000rpmで20分間、遠心分離にかけた。上層(水層)を分離、除去し、ナトリウムサフェート(sodium suphate)上のろ紙で濾過した。濾液(有機相)をねじぶたのついた管に回収し、蒸発させた。誘導体化:乾燥抽出物に、メタノールに溶解した三フッ化ホウ素(1ml)を加え、100℃で30分間加熱し、管を冷却した。水(3ml)およびn−ヘキサン(3ml)を加え、攪拌し、静止するまで置いておいた。上層を分離して保持し、水層にn−ヘキサン(3ml)を加え、攪拌した。有機層を集め、ナトリウムサフェート(sodium suphate)上のろ紙で濾過した。乾燥するまで蒸発させ、サンプルをn−ヘキサンで希釈し、2mclをインジェクトした。機器:アジレントテクノロジー社 gas chromatography 6890N with flame ionisation (FID)。カラム:TRB-WAX 30m 0.25 mm0.5 mcm。基準:フィタン酸メチルエステル(Sigma)。反応性デリバティザンテ(Reactive derivatizante):メタノールに溶解した20%三フッ化ホウ素(Merck)。クロマトグラフィプログラム:オーブン温度:250℃。インジェクタ温度:250℃。検出器温度:260℃。iii)実施例1に記述した手順の結果得られた生成物の解析 実施例1により得られた生成物を、脂肪酸およびPhAについてGC−MSにより解析した。 解析から得られるω3脂肪酸の総割合(%)は、DHA+EPA+SDA+DPAの総計である。組成物は、他のω3脂肪酸をごく少量または技術的に検出できない量で含んでいるが、薬局方および解析において考慮に入れられない(すなわち、C28:8,n3)。 したがって、得られた組成物の組成比は、 脂肪酸:91.75% このうち、80.65%がDHA、13.38%がEPA、5.07%が他のω3、0.69%が他のポリ不飽和、0.08%が他の飽和、そして0.08%がモノ不飽和。PhAおよびPA不純物の割合(%)は、それぞれ<0.000005%および<0.000002%である。・他のけん化できない脂質 0.1% グリセロール (エステル化) 8.1% エタノール (エステル化) 0.11% 賦形剤:トコフェロール (3.5ppm−0.000003%) 重不純物、ダイオキシン等 (<0.000001%)iv)ベンゾアピレン(benzoapyrene)毒性解析(GC−MS) Thermo-Finnigan AS 2000 in a 5- mm ID Focusliner (Restek, USA)およびソフトウェアXcalibur 1.2 (ThermoFinnigan Corp.)。クロマトグラフィカラム30 mx0.25 mm (ID)x0.25 mm, Rtx-5 ms (Restek, USA)。インジェクタ温度:280℃;インターフェース温度:285℃;速度:75℃から150℃まで25℃/分;265℃まで4℃/分の速度;最終的には285℃まで30℃/分の速度。流速40cm/segのヘリウムカラム;インジェクタからのサンプル:1μl;イオン化源温度:200℃。イオン選択モード、250mAおよび電圧70eVでの放出、およびm/z±0.5でのイオンモニタリングでもって、操作を行なった。油サンプルの定量化に関しては、20、50、100、500、1000ng/mlのベンゾピレンを使用した。内部コントロールとしては、ペリレン−d12(200ng/ml)を使用した。v)毒性PCB解析およびフランダイオキシン類(PCDD/Fs) CAPEテクノロジー社のPCB1およびDF1イムノアッセイキットを用いて医務のアッセイを実施し、PCBおよび関連物質とともにフランダイオキシン類を測定した。このために、簡易的方法(Harrison and Carlson, 2000)を適用した。vi)重金属の毒性解析 酸性化した油を6サンプルとり、それぞれの1gを、重量が既知の磁性るつぼに量り取った。マッフル炉中での焼成によりその油を鉱化した後、大気圧下で酸分解に供した。使用した解析手法は、滴下水銀電極を用いた、陰イオン再分解を含む微分陽極インパルスボルタンメトリー(DPASV)であり、−1150〜75mVの微分パワーストリッピングを適用した。また、砒素および水銀用の低温蒸気に関しては、水素化物発生原子吸光分光学(HGAAS)を用いた。苔蘚Evernia prunatri L(IAEA−336)を参照物質として用いた。常に、効力のある規準(DOCE,1990)のもとにある方法および基準に従っている。統計用のソフトウェアとして、独立単体(independent simples)用テストおよびある要因のANOVAを実施する、SPSS 12-0 for Windows(登録商標)XPを使用した。vii)実施例1で得られた生成物の毒性解析<実施例4:最終生成物のカプセル封入> 経口消費のために、油をカプセル封入するための他の植物性ソフトカプセルの技術を退けることなく、ソフトゼラチンカプセル(ゼラチン、グリセロール、水)を作ることができる。カプセル用の他の可能な組成物は、チュアブルタイプのソフトカプセル(すなわち:「材料見本(swatches)」ゲルで覆われた1.5〜2.5%レモン)を満たすために、油にフレーバー増強剤が添加(>95%)されるべきものである(すなわち:5〜6.5%のレモンエッセンシャルオイル)。最終の解析:エネルギー:14.7Kcal;タンパク質0.283g;炭水化物:0.170g;脂肪:1.4g;DHA:1g 水または他の水溶性物質を含むエマルジョンは、飲用液体として消費されるようにフレーバー増強剤と混合され、リポソームを調製する。最終生成物は、粉末としても得ることができる。経口消費とは異なる他の使用も可能である。とりわけ、等張性エマルジョン(生理食塩水)として静脈注射および硝子体内注射が可能である。 本特許における最終成果は、実施例1で得られる液体油を透明ゼラチンソフトカプセル中に100%で含むサプリメントおよび薬剤の開発であり、サイズ24の楕円形(構成:ゼラチン、グリセロール、水)で、1389mgの油を含み、このうち1000mgがDHAである。胃抵抗性コートされたカプセルを用いることも可能である。 この処方物は、例えば以下のような色素性網膜症の治療に不可欠な補因子を含み得る:タウリン、β−アラニル−L−ヒスチジン酸亜鉛、リポ酸、アスコルビン酸エステル、色素:a)ゼアキサンチンジパミチン酸 (ES Lycium barbarum)、b)デルフィジニン(delfidinine) (シアニジン(cianidine)の含量が低いES Vaccinium mirtillus)、ミセリチン、ナリンゲニン、ヘスペリチンおよびこれらのグルコシド、アジアチコサイド、ギンゴフラボンクルコシドA+B;およびエピガロカテキンガラート、ビンカミン誘導体。i)使用したコファクターii)使用した抽出物iii)関連する活性物質の解析iv)組成物中における他の活性物質の解析 異なるメカニズムを介して、この組成物における相違する配糖体(すなわち、デルフィジンおよびミリセチン)は、網膜および光受容体におけるDHA濃度を増加させ、また光によりアポトーシスが引き起こされる光受容体を減少させる(Laabich et al., 2007)。<実施例5:インビボ(経口投与)およびインビトロにおける、DHAの阻害活性を測定するため、およびPhAによるそのメカニズムを決定するための実験>(実験A:パラコート誘導光受容体アポトーシス) チラミドシグナル増幅(TSA)−FISH(PerkinElmer, Boston, MA, USA);Bax(sc-7480)、Bcl−2(sc-7382)、ロドプシンRET−P1(sc-57433)に対する二次抗体、モノクローナル抗体(Santa Cruz Biotechnology, Inc. - USA)、PhA、ドコサヘキサエン酸、パラコート二塩化物(Sigma-Alldrich)。溶媒およびリアクターは、HPLC等級および分析等級である。 ウィスター系アルビノラット由来の神経の精製培養物をPolitiら(1966)に従って調製し、Adler-R (1982)のとおり、ポリ−オルチニン培地中で処理した。培養の1日目、等濃度のDHA(9mM)を、異なる7つの濃度のPhA(/5/20/100/500/2500および12500μg PhA/g油)とともに神経培養物に添加した。これは、通常、海洋起源のDHAに富む油に見られるものであり、また、DHAを含まないコントロールであって、パラコートを含むものまたは含まないものである。培養の3日目に、パラコートを添加して、24時間インキュベートし、その後、リン酸緩衝生理食塩水(0.9%NaCl、0.01M NaH2PO4[pH7.4])に溶解したパラホルムアルデヒドで1時間固定し、次いでTritonX−100(0.1%)で15分間処理した。アポトーシスにおいて、Rotstein-NPら(2003)の方法に従って、BaxおよびBcl−2の発現を測定し、定量した。細胞化学的研究のために、10フィールド/サンプルをランダムに定量した。結果は、PhAを含むDHAのそれぞれの濃度に関し、3サンプル/プレートの平均を示している。 DHAの光受容体における抗アポトーシス能力は、PhA濃度(PhA)と反比例の関係にある(図1)。より優れた抗アポトーシス活性は、0y4μg/mlのPhA濃度でもってDHAを用いることによって得ることができる。有意な相違は検出されなかった。DHAを含み、PhAを0および4μg/gで含む油における抗アポトーシス活性は、それぞれ、DHAを含み、PhAを≧20μg/gおよび≧100μg/gの濃度で含む油よりも著しく高い。DHAの抗アポトーシス活性は著しく減少している。PhAの濃度が2500mg/gにおいては、光受容体のアポトーシスを阻害する活性は、中和されており、さらに高い濃度においては、DHAの存在に関らず、光受容体のアポトーシスが誘導される。Bcl−2/Bax指標は、光受容体のアポトーシスおよび酸化的ストレスと反比例の関係にあることに加えて、≦20μg/gの濃度のDHAは、≧100μg/gの濃度の場合にくらべて、酸化的ストレスが著しく少ないことを示している。(実験B:MNU誘導網膜アポトーシス) 実験Aと同じ材料、同じ免疫組織化学手法および同じ定量化手法を使用した。アポトーシスを誘導するためにパラコートを用いる代わりに、N−ニトロソ−N−メチルウレア(MNU)(Sigma-Alldrich)を使用した。実験Aで示したインビトロの培養物を解析することに換えて、屠殺したウィスター系アルビノラットから得た網膜を解析した。この目的のために、42日齢の8匹のラットS−Dを選択し、標準基礎食を4週間与えた。それぞれの動物は異なる方法で食事が与えられた:1匹のラットは、コントロール食が標準の方法で与えられた一方、他の7匹は、15%のDHAを含むように変更されるとともに、実験Aで示したような異なる濃度:0/4/20/100/500/2500/12500μgPhA/g油でもってPhAを含む食事が与えられた。この4週間の後、MNU(75mg/kg体重)の腹腔内注射を1回実施した。全てのラットは6日間同じ食事が与えられ、24時間の断食の後、7日目に屠殺された。このときに、網膜の抽出を行なった。次いで、実験Aと同様にして、固定化および免疫組織化学処理を行った。細胞化学的研究のために、10フィールド/サンプルをランダムに定量した。結果は、10個の眼/サンプルの平均を示している。 インビトロの結果で示されるように(図1)、DHAの光受容体の抗アポトーシス能力は、PhAの濃度と反比例の関係にある。インビトロにおける、DHAを含む油中のPhA濃度の挙動もまた、インビボで観察されたものと同等である(図2)。0〜20μg/gの濃度において、より優れた抗アポトーシス活性が得られている。ここでは有意な変化はないが、PhAが20μg/gであるインビトロレベルの場合のように、Bcl−2/Bax比は、<5μg/gの食事が与えられたラットの中で有意に低かった。DHAのアポトーシスの阻害効果の中和はない。PhAを含めずにDHAを添加した場合と比較し、<5μg/gのDHAを含む食事を与えられたラットでは、抗アポトーシス活性およびマーカーBaxおよびBcl−2は変化していない。 これら2つの例は、インビボおよびインビトロ両方において、PhAを含まないDHAの方が、高レベルでPhAを含む市場のDHAブランドの多くのものよりも、RPなどの変性疾患の治療において、より効果的で安全であることを確実にしている。これらの例は、本特許に記載されている疾患におけるDHAの明確な作用機序、およびその効果においてPhAがどのように干渉しているかを、説明している。これはすべて、数多くの疫学的証拠、PhAの副作用およびそのDHAを含む拮抗的影響に関する分子的研究および前臨床的研究に一致している。神経変性疾患、泌尿生殖器疾患、筋骨格疾患、心疾患における、および、本技術革新に記載された用途における、PhAを含まないDHAの活性は、他の市販のDHAのものよりも優れている。これは、本技術革新において記載しているPhAの拮抗的影響、とりわけ、これらの実施例において観察されているミトコンドリアの活性および抗アポトーシス活性のためである。<実施例6:網膜色素変性の臨床研究のための、PhAを含まない、DHA含量が高い組成物の使用> 本研究の最初に、以下のようないくつかの変化が高頻度で見つかった:関連する症候群を伴っていないRP患者における、サブリニカル(sublinical)聴覚型変調、重症の心臓血管(不整脈)、前立腺、高血圧症、糖尿病および甲状腺炎。 最近10年間にわたって、RP患者ではドコサヘキサエン酸(DHA)が減少しており、一部の患者ではPhAが増加していることが見つかってきた。動物を用いた別個の介入研究は、制御されたPhAレベル下でのDHAの利点を示唆している。DHAは、光受容体の生存および光変換に必要不可欠である。 栄養上の摂取を超えて、1用量あたり<5μg/gのPhAを含むDHAの摂取がRPを治療できるか、どのような臨床上の利点を有し得るかを判別するために、臨床試験を実施し、介入無作為化クロスオーバー二重盲検試験(intervention randomised cross-over double-blind study)を行った。RPに罹患している40人の患者をランダムに選抜した。平均年齢は46歳である(17〜70歳)。以下の試験に取り組んだ:網膜電位、視覚誘発電位(VEP:visual evocated potential)、自動化視野検査、視力(VA:visual acuity)、聴力計、標準的および臨床的眼科診察、血液検査止血および脂肪酸。少量のPhA(<0.20mg)を含み、経口投与量が1日あたり740mg(2回の栄養投与分)である飲用に適したDHAでもって10ヶ月間治療した2つのグループ(AおよびB)について、介入無作為化クロスオーバー二重盲検試験を行った。いずれも生活様式習慣に関するコントロールを含んでいる。この研究の第1フェーズ終了時に、両方のグループをクロスオーバーさせ、第2フェーズにおいて同じ介入を再び繰り返した。 結果:この研究を開始するより前には、61%の患者が異常に高いEVPを有しており、斑状皮膚萎縮症であった。目の81%は、視野が<10°であり、このうち35.5%はVA>0.5(20/40)であった。VA値による法的盲の患者は、25.8%であった。6.4%は、VA<20/200であった。平均VAは0.41±0.22であった。RP患者においては、48%はVA≦20/40であり、60才を超えると62.5%まで上昇し、平均VAは0.39±0.21である。1年あたり0.06のVAの減少が見られた。患者のサブグループ(n=8)は、高いPhAレベルを示しており、VA<0.2であった。このサブグループは、DHAを用いた治療によってVAに改善が見られなかったRP患者のみを表している。残りの患者(n=32)は、PhAが正常レベルであり、DHAの治療により、グループAおよびBにおいて、それぞれ0.055および0.119という有意なVAの増加となった。優性常染色体性RP、単一、常染色体劣勢および散発的、すべての遺伝型においてVAの増加がみられた:それぞれ0.104、0.091、0.068y0.025。VA1<0.2、VA2=02〜0.5、VA3>0.5である目では、比例的にそのAVが増加し、それぞれ0.02、0.08および0.13であった。PhAレベルが正常である患者では、視野に変化もみられたものの、グループAおよびグループBにおいて、中心窩感度および傍中心窩感度に有意な増加はなかった(グループAでは、それぞれ5.3%および9.8%、グループBでは、それぞれ6.6%および11.3%)。いずれのグループも、HDL1コレステロールのレベルは30%増加した。 PR患者は、心疾患、糖尿病および甲状腺機能亢進症の発生率が高い。副作用は見られなかった。視覚機能は、患者の年齢およびPhAの濃度よりも、症状が現れる年齢に関連しているようである。優勢型では、劣勢型よりも予後がよい。PhAレベルが高いサブグループは、予後がより悪く、1日あたり740mgのDHAによる治療の後でもVAの改善を示していない。PhAレベルが正常であるサブグループでは、76.5%の患者において、遺伝型に関係なくVAが改善していた。治療は、視野の向上をもたらさなかった。このパイロット試験は、DHAが少なくとも中心視の機能の治療においては有用であり得ることを示しているようであり、どの程度の用量でRPにおける網膜ジストロフィーが回避され得るかを決定し、患者のサブグループが高いPhAレベルを示していることを念頭においている。<実施例7:RP患者および2種の用量のDHAの忍容性に関する、周辺視覚機能および中心視覚機能におけるDHA薬物動態学およびその影響:4g/日(60mg/kg)および8g/日(120mg/kg) vs RPの唯一の治療としてプラセボ>平行グループを用いた、24ヶ月の二重盲検治療を実施する、不作為化二重盲検プラセボ対照試験 患者(n=18)の平均年齢は42歳(24〜68歳)であり、RPアソシエーション(AARPE)から来ている。手続きが認められた21人の患者のうち、18人をランダムに二重盲検にかけた;しかし3人は、包括解析から除外した。これは、二重盲検評価をおこなっていないか、または、すべての治療グループにおいて、彼らのセンターは患者を欠いていたためである。18人の患者すべてにおいて有害事象を評価した。これらのうち、18人の患者で治療を完了した。習慣に関するコントロールならびに食事のDHAおよびPhAに関するコントロールを実施した。以下の試験に取り組んだ:網膜電位、視覚誘発電位(VEP:visual evocated potential)、自動化視野検査、毒物学的および免疫学的解析、止血、ならびに脂肪酸および酸化副生成物。 可変の第一義的転帰(中心視覚機能)は、VA平均の変化であって、24ヶ月において上昇していた。4g(0.05)および8g(0.06)のDHAグループでは、VA値は、プラセボのグループ(−0.04)よりも有意に大きかった(それぞれ、P=0.03およびP<0.05);可変の第二義的転帰(周辺視覚機能)では、視野に変化があり、4gおよび8gのDHAグループでは、それぞれ2%および5%の増加があったのに対し、プラセボグループでは1.2%の減少があった(それぞれ、P=.15およびP=.23)が有意ではなかった。 DHAグループは、電気生理学的向上を示していた(振幅の減少およびEVP潜伏の減少)。DHAグループにおいて、有意な臨床的相違はみられなかった。各DHAグループにおいてPhAレベルが高かった一人の患者を除き、すべての患者は、治療の後、PhAレベルが正常であった。プラセボグループまたはDHAグループにおいて、どの患者も忍容性問題を有しておらず、副作用は観察されなかった。PhAのレベルが高かった2人の患者を除き、PhAの変動は観察されなかった。この2人の患者は、4gおよび8gのDHAグループにおいて、それぞれ依然として52%および48%の減少があった患者である。DHAは、DHAグループにおいて、AAレベルおよび他のω−6脂肪酸に有意な変化をもたらさず、EPAの濃度を顕著に増加させた。標的組織におけるDHAの増加は、薬用量に比例しており、リン脂質におけるDHAレベルは、基礎レベルと比較し、5.2倍、7.3倍高いことが観察された。最大血漿中濃度は、通常の脂肪含量の食事による経口投与から3時間から6時間の間に達成された。 それゆえ、本発明DHAの組成物は、網膜ジストロフィーにおける視覚中心機能の改善に有効であると結論づけることができる一方、サンプルのサイズおよび試験期間の理由から、RP患者の周辺視覚機能における利点を無視することはできない。また、DHAは、RPの治療として、十分に許容され;その反応は、はっきりと用量依存的であると結論づけることができる。<実施例8:網膜遺伝性ジストロフィーに関連した異なる病理における、本発明の組成物の効力および安全性の決定> 本技術分野の状況において、網膜ジストロフィーは、疾患の幅広いグループを含み、その中で以下のものを見出すことができる:優性常染色体性網膜色素変性(AD)、優性劣性網膜色素変性(AR)、単一網膜色素変性(SP)、性連鎖網膜色素変性(XL)、スタルガルト病(ST)、先天性脈絡膜欠如、レーバー等。 以下の研究を実施するために、RP患者(AARPE)のファイルから、171人の患者を選択した。男性が76人で、女性が85人であり、平均年齢は45歳(8〜72歳)であった。対象をいくつかのグループに分けた。97人の対象を含む第1グループは、男性41人および女性56人(AD14人、AR26人、SP44人、XL1人、ST人、レフサム1人、キーンズ1人、アッシャー1人)であり、1日あたり4gの本発明の組成物を用いて治療した。74人の対象を含む第2グループは、男性35人および女性39人(AD9人、AR24人、SP34人、ST4人、レーバー1人、アッシャー1人、XL1人)であり、いかなる治療も受けなかった。疾患の評価において本発明の組成物の効力を決定すると考えられる変数は、視力(VA:visual acuity)および視野(VF:visual field)であった。このような変数は、8年の研究期間を通じて、一年に一度測定した。 グループ1のもとで治療された患者に関し、VAおよびVFにおいて有意な違いが見られた。一方で、治療されなかった対象のグループの変数は、疾患の通常の進行と比較し、変化が無かったか、悪化していた。治療グループにおいては2年後に視力の変化が見られた一方、視野に関しては、6年まで有意な変化を示さなかった。1日あたり4gのDHAの摂取により、RP患者およびスタルガルト病における視覚的変数が改善する。<実施例8.1:X−連鎖先天性脈絡膜欠如> X−連鎖先天性脈絡膜欠如に罹患している9歳、13歳および16歳の3兄弟では、ERG、夜盲に変化を示しており、VAは変化しておらず、年長者は、視野が変化しているもののVF>60°であった。彼らは、PhAを含んでいない2g/日のDHAによる治療を開始した。治療の6ヵ月後、赤血球のリン脂質におけるDHAレベルは正常化されておらず、ERGの変動もなかった。その後、6ヶ月間、用量を4g/日に増加し、リン脂質のDHAレベルの増加およびERGにおける明所視変化、ならびに16歳の患者におけるVFの改善に注目した。<実施例8.2:スタルガルト病> 6人のスタルガルト病患者(21歳から42歳)は、上述の横断的研究(RPの研究3)に加わった。8年間、このうちの4人は、本発明の生成物(DHA)を用いた治療を受けておらず、1人は8年間これを摂取しており、別のもう1人は製剤中の上述の補因子とともにDHAを不規則に3年間摂取した。治療を受けていない患者はすべて、VAに進行性消失があり、疾患の自然な進行があり、両眼ともVA<20/20を維持していた(AO)。DHAを8年間摂取した患者は、その間、VA 2/10 AOを保持しており、変動はなかった。6ヶ月の間、DHAおよび製剤を用いた治療を受けた患者は、VAが、1/10 AOから3/10 AOまで改善した。しかしながら、治療を中断すると、VAは悪化し、治療を受けてから2年後、VAは1/10となった。この患者は現在まで(2年半)再び治療を受け、VAが2/10まで増加した。<実施例8.3:遺伝性網膜分離> 11歳および13歳の兄弟2人は、網膜分離の診断をうけ、その時点で、VAはそれぞれ4/10 AOおよび6/10 AOの診断であった。彼らは、3ヶ月間、本発明由来の3gのDHAの自由意志での摂取を開始した。治療の最後には、AVが5/10および8/10であるVAを保持していた。<実施例9:遺伝病を伴わない網膜ジストロフィーの治療のための、本発明の組成物の使用> DHAは、虚血状態での神経の抵抗性を増大し、ニューロパシーにおける視神経萎縮および血管症における網膜ジストロフィーを低減する。DHAの抗アポトーシス効果に加え、F2プロスタグランジンを超える阻害効果を有している。緑内障のための薬剤であり、眼圧(IOP:intraocular pressure)を調節する薬剤は、DHAの類似化合物であり、血管収縮性のプロスタノイド受容体アンタゴニスト(PGF2)として作用する。それゆえ、この治療は、増殖性虚血性網膜症、ネオプロスタン(neoprostane)、視虚血性尿路疾患および脱髄、糖尿病性細小血管症、年齢に関連した黄斑変性症(湿潤性および乾燥性)、緑内障および近視マグナ(myopia magna)に罹患している患者において確かめられている。各症例での説明は長い。いくつかは典型化が必要であるが、すべての症例において、視覚機能(VAおよびVFにしたがって測定)、ならびに眼底検査、光干渉性トモグラフィー(OCT:optical coherence tomography)および血管造影における黄斑の改善があった。とりわけ、この患者のグループでは、網膜における深刻なレオロジー変化およびその中でのDHAの低減した生体利用効率の理由から、DHAと上述の製剤との組み合わせの必要性がより高い。加えて、血管病変は主要因である。<実施例9.1:網膜ジストロフィー(すなわちRP)に続発する、または虚血に起因する黄斑浮腫:嚢腫状黄斑浮腫(アービング−ガス症候群)。ベルリン暗点> 33歳から75歳までの患者6人は、少なくとも12ヶ月前に、嚢腫状黄斑浮腫およびアービング−ガス症候群(CMO)と診断され、全身性コルチコイド、トリアムシノロンおよび炭酸脱水酵素阻害剤(すなわち、アセタゾールアミド)でもって12ヶ月間治療を受けた。いずれも、公知の網膜ジストロフィーにかかっていなかった。これらの患者は、嚢腫状黄斑浮腫の少なくとも24ヶ月前は、AV>8/10であった。本発明において記載された製剤とともに本発明のDHAを1日あたり4g用いた治療を受ける前、VAは1/10および3/10であった。治療の期間は、3ヶ月および12ヶ月であった。 治療の3ヵ月後、すべての患者においてVAが増加していた。治療の最後では、すべての患者においてVAが正常化しており、VAが9/10〜10/10となった。1つの症例では、白内障手術の後に発生した嚢腫状黄斑浮腫の発症より前のVAより高かった。 3人の患者は、CMOに罹患しているRPと診断された。彼らは、上述の治療プログラムと同じように治療された。治療前のVAは1/10、1/10および1.5/10であった。6ヶ月後、3つの症例では、VAが3/10、6・10y7/10まで増加した。CMOにかかる前のVAは3/10、5/10、7/10であった。<実施例9.2:出血性扁平部炎> 体重32kgの8歳の少女が、出血性扁平部炎と診断された。臨床的進行において明白な変化がなかった診断から3ヶ月後、外科的介入を行うことを決定した。介入の10日前から手術の24時間前まで(9日間)、彼女は、1日3.3gの本発明のDHAによる治療を受けた。手術の前の研究において、専門家によって臨床的改善が観察され、その結果、手術を30日間遅らせることとなった。彼女はその後、5μg/gより低いレベルでPhAを含む、1日あたり3gのDHAの治療を30日間受け、視覚機能の完全寛解および正常化を観察した。<実施例10:健康な患者の視覚機能における本発明の組成物の生理学の上の効果> 健康な人々においては、DHAは光変換およびロドプシンの再生を増加する。網膜ジストロフィーに罹患しておらず、emetropicまたは遠視に変化がない、18歳から45歳までの32人の健康な対象は、PhAを含まない4g/日のDHAによる治療を6週間受け、治療前後でのVAについて研究した。 すべての対象は、治療の開始時ではVAは10/10を示していた。6ヶ月後、彼らはすべて1を越えるVAを有していた(20/16)。2つの症例においては、両目とも乱視0.0であった。9人は、VAが20/12を超えていた。彼らはすべて夜順応が増加していた(明暗順応検査法)。 また、視覚等級が変化していない近視の健常者において、増加したVAが検出された。近視が現れている若い対象および近視マグナ(myopia magna)である対象においては、10年の追跡調査の後で、近視の停止がある。<実施例11:アレルギー状態、眼表面およびドライアイ障害の治療のための、本発明の組成物の使用> 眼表面におけるDHAの効果は、物理的原因による保護効果および栄養的効果、ならびに化学的保護および殺菌効果をもたらす。DHAは、神経学的制御、ホルモン性制御、免疫学的制御および抗炎症性制御を働かせる(プロスタグランジン)。DHAは、涙壺脂質膜の構成において、積極的役割を果たし、粘液水相の蒸発を低減し、相間の表面張力を低減し、抗菌性である。DHAは、アポトーシスを阻害し、杯状細胞の分泌を制御する。DHAは、マイボーム腺の脂質分泌および粘性を正常化する。DHAは、ドライアイ障害のすべてのタイプにおいて作用する:アレルギー、ホルモン性(アンドロゲン性)、感染および脂肪酸の組成中の代謝−栄養性。DHAは、涙腺におけるジヒドロキシテストステロンの形成を阻害し、同時に、アンドロゲンレベルを増加する。これにより、涙腺のアポトーシス、ネクローシスおよび炎症が阻止される。DHAは、慢性炎症、アレルギーおよび角膜浮腫における有効な制御を発揮する。なぜならば、DHAは、ロイコトリエンの合成を阻害し(76%)、血小板PAFを低減し、プロスタグランジンE2を低減し(40%)、プロスタグランジンF2の減少を低減し(81%)、TNF、インターロイキンIL−6およびIL−1bを制御するためである。 網膜ジストロフィーおよびジオプターが<9の近視ではない20歳から43歳までの患者50人に、近視手術を行う1月前に、前レーシック治療として、4/g日の用量のDHAを与えた。手術の前に角膜厚測定を実施し、平均12.4%の増加が観察される。いくつかの症例においては、治療前および術後の角膜厚測定は、同様であったか、わずかに高かった。<実施例12:神経学および精神医学における、コアジュバントとして本発明の組成物を用いた治療> 上述した神経疾患の遺伝的病状に加えて、DHAは、摂食障害において不足しており、食欲不振および過食症などの臨床的進展および寛解、精神的統合失調障害、人格障害、原発性注意障害のいずれにおいても決定的役割を有している。数多くの観察的および介入的研究を通して、DHAは、うつ病、攻撃性、原発性注意力欠如を低減し、記憶力を増加し、学習能力を向上し、アルツハイマー病にかかるリスクを低減している。DHAは、脳内および神経組織内に蓄積し、大脳皮質は、より多く貯蔵される、生体の領域である。シナプスの増加および虚血状態におけるアポトーシスの阻害におけるその役割は、幅広く研究されている。 全部で30人の対象の症例について、多発性硬化症および脊髄疾患(脊髄虚血、脊髄腫瘍、横断性脊髄炎、頚部脊椎症、脳性麻痺または変性ミエロパシー)における、PhAを含まない4g/日、8g/日、15g/日のDHAによる痙性の治療に関して、研究を行った。 研究したすべての症例において、痙性の寛解、筋固縮、運動性の向上、痙性による痛みの低減とともに、顕著な減少が観察された。すべての患者は、長い病歴、臨床追跡調査を有しており、2年間以上の期間、薬理学的治療(すなわち、バクロフェン、インターフェロン等)を受け、治療の開始時では、痙性および運動性においてひどい臨床状態を呈していた。結果は、治療が用量依存的であることを示している。すなわち、高い用量(15g/日)が与えられている患者は、より低い用量(4g/日)でもって治療されている患者と比べ、臨床応答がより速く(7日以下)、運動性が増加し、痙性の寛解が速くあるいは効率的であった。3つの用量の研究の結果、痙性の改善となった。<実施例13:腫瘍学的治療における、コアジュバントとして本発明の組成物を用いた治療> 腫瘍学における、フィタン酸を含んでいない、コアジュバントとしてのDHAの供給による支援は、非常に重要であり、PhAは、最も罹患率が高い腫瘍における腫瘍リスクファクターと見られている。PhAは腫瘍活性を増加し、薬理学的相互作用を示し、おそらく、より高い心血管死亡率を示している。血管形成の阻害、多数の腫瘍系統におけるアポトーシスの誘導、腫瘍系統における再発の減少等の、数多くの利点を提供することから、現在、DHAはすでに抗腫瘍治療として含められている(すなわち、プラクリタキセル(placlitaxel)を用いた前立腺癌)。PhAを伴わないDHAは、腫瘍学における補因子である。なぜならば:a)別個の作用機序を通じて、非常に効率よく血管形成を阻害する:腫瘍におけるプロスタグランジン代謝の制御、VEGFの強力な阻害剤、痛みの強度の低減、抗炎症薬および鎮痛剤の抗炎症作用の向上、用量を低下でき、副作用を低減する。b)腫瘍細胞においてアポトーシスを誘導し、他の細胞増殖抑制剤および低用量での抗腫瘍治療における細胞毒性を増加させる。抗腫瘍治療の細胞毒性を低下させ、効果を増加し、より長い治療サイクルを可能にする。c)肺、前立腺、結腸直腸等の腺癌の腫瘍系統におけるアポトーシスを誘導する一方、肺、心臓、前立腺等における健康な組織の機能を向上させ、患者の生活の質を著しく向上させる。d)PhAを伴わないDHAは、直接、心臓毒性、神経毒性および肝臓中毒を低下させる。また、これは、低い造血性または骨髄毒性と関連している。e)DHAは、最も広まっている腫瘍系統(結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、食道癌等)の再発を低減する。 とりわけ、PhA非存在下ではレチノイドにさらなる毒性を誘導しないため、レチノイドとともに用いた、PhAを含まないDHAは、肺腺癌の治療においてコアジュバントである。レチノイドおよびDHAは、数ある中でも、特定の肺癌、骨髄増殖性癌および結腸直腸癌において相乗活性を有している。DHAは、肺癌(Serini et al., 2008)、結腸癌等における化学予防薬として確立された。とりわけ、スタチンもまた化学予防剤であり、本発明はその関連を使用している。とりわけ、PhAはスタチンとの相互作用を誘導するためである。DHAおよびスタチンは、大きな疫学的価値のある、数多くの、そして主要な腫瘍における化学予防治療として強力な効果を有している。これらの疫学的価値は、依然として評価対象であり、近年、これらは多くの症状の減少、重症度および予後、転移の減少、治療可能性の増加、進展の遅延、および再発の防止における重要な薬剤であるという考えを導いている。母集団に対して、副次的効果またはさらなるリスクを誘導しないため、とりわけDHAは、年齢を伴う大きな疫学的価値(結果として失明および痴呆になる疾患)の他の重要な予防効果を有しており、とりわけ一般集団において不足している唯一の栄養であるためである。 例示的であって、非限定的な例として、肺、ならびに骨および肝臓に、1cmより小さな転移が20以上ある、肺腺癌にかかっている患者の症例について説明する。PhAを含まないDHA治療を受ける以前の2年間の抗腫瘍治療歴は、転移の数の増加がともない、より悪かった。最初の3回の救済化学療法サイクルの不履行ののち、PhAを含まない12g/日のDHAを、救済化学療法の4°サイクルにおいて導入した。その後の対照においては、6週間で、腹腔−骨盤TACを介して、障害の寛解がることが通知される。本発明の化合物をコアジュバントとして用いて、救済手順の7サイクル目を完了した。最後の3年の対照においては、患者の腫瘍活性は寛解のままだった。 腫瘍学的治療に対する、PhAを含まないDHAのコアジュバントとしての使用は、より長い期間、患者の臨床状態を改善し、平均余命の統計量を増加する。<実施例14:腎臓病学および泌尿器学における本発明の組成物の使用> IgAに関連しているニューロパシー、および全身性エリテマトーデスに関連しているニューロパシーにおけるDHAを用いた治療は、10年前に記述されている。DHAは、ネフロンのアポトーシスを阻害し、虚血性腎障害を低減するとともに、炎症性腎疾患(腎炎、糸球体腎炎)における強力な腎抗炎症物質である。DHAは、腎移植における多剤免疫抑制治療のための理想的なコアジュバントである。寛容または拒絶反応の場合において、樹状細胞は、抗原提示およびを管理しており、「拒絶反応または寛容があるかどうかを決定する細胞」である。拒絶反応の防止、アルツハイマー病、自己免疫疾患等におけるDHAによる樹状細胞の調節は周知である。 PhAを含まないDHAは、とりわけ、尿感染のリスクを低減する。プロスタグランジンを超えるこの制御機能、DHTの合成に対する阻害効果の結果、および、とりわけ、PhAを含んでいないため(PhAは、前立腺癌、良性前立腺肥大および前立腺機能の変化に関するより危険度が高いリスクファクターである)、PhAを含まないDHAは、良性前立腺肥大の治療および予防ならびに勃起障害の予防にとりわけ有効である。以下は、別個のネフロパシーに対するPhAを含まないDHAの効果が示されている5つの症例の説明である。<実施例14.1:ネフローゼ症候群> 12歳の少年は、5歳のときにネフローゼ症候群と診断され、コルチコイド(2日ごとに15mg)で管理されている。治療を停止するいくつかの試みにおいて、3週間前から、深刻な尿中タンパク質レベルのネフローゼ症候群が現れた。治療を保留にし、PhAを含まない4g/日のDHAを導入し、臨床的追跡調査を実施した。治療から3ヶ月後、尿中のタンパク質に兆候はなかった。3週間の治療を保留にした後、ネフローゼ症候群の兆候が現れ、それゆえ、本発明の組成物を、さらに2年間、4g/日の用量で使用することが決められ、この期間は、ネフローゼの活性の兆候のないままだった。<実施例14.2:悪性高血圧に関連した腎不全> 38歳の男性患者は、日常的なコカイン消費者であり、悪性高血圧の症状に苦しんでいる。血圧は、調節されており、麻薬の使用はなくなっている。この患者は、左眼が視神経萎縮に罹っており、右眼が視神経炎に罹っており、視力は4/10であり、クレアチニン値が6.9mg/dlである腎不全を有している。6ヶ月の追跡調査の間、クレアチニンが4.5mg/dlから6.9mg/dlに増加し、追跡調査の後、透析を開始することが決まっている。透析を開始する前、PhAを含まない8g/日のDHAを用いた処理が導入された。治療開始から2週間後、クレアチニン値は4.8mg/dlにまで減少し、透析を延期することが決められている。PhAを含まないDHAによる同じ処方計画での6ヶ月後、クレアチニンレベルは1.8mg/dlであり、右眼の視力は10/10であった。<実施例14.3:ループス腎炎に関連している慢性腎不全> 9歳からのループス腎炎歴を有している24歳の女性は、永久的なコルチコイド治療を行っており、18年間にわたって、ミオフェノール酸塩(myophenolate)およびシクロフォスファミドを用いた約6ヶ月の6つの完全治療を行っている。クレアチニン値が4.6mg/dlであったときに、PhAを含んでいない8g/日のDHAを用いた治療を開始した。30日後、クレアチニン値は3.1mg/dlにまで減少していた。1年の追跡調査において、クレアチニンレベルは1.3mg/dlにまで減少していた。治療はその後2年間行われ、クレアチニン値は安定したままだった。治療を保留し、90日後、3.4mg/dlのクレアチニンが観察されており、そのため、1mgのプレドニゾロンと恒久的に関連している、PhAを含まない8mg/日のDHAによる治療に戻すことが決定している。<実施例14.4:ループス腎炎患者における腎移植> 6年前に腎臓移植を行っている33歳の女性患者は、1.8mg/dlのクレアチニン値の安定的な治療、およびその後の、ミコフェノール酸塩(1g/日)およびプログラフ(Prograf)(7mg/日)の維持治療下にあり、腎生検を介して診断された拒絶反応に苦しんでおり、クレアチニンg2.9mg/dlにまで増加している。プログラフを用いた治療が増加しており、コルチコ療法治療が6ヶ月間導入されており、生検をおこなうことなく、平均のクレアチニン値が2.4mg/dlである。PhAを含まない12g/日のDHAによる治療が導入され、7日後にクレアチニンが1.7mg/dlまで減少したことが立証され、クレアチニン値が最少0.9mg/dlまで減少し、1年間の平均は1.1mg/dlである。拒絶反応に対しては陰性である腎生検が実施され、プログラフ(7mg/日)、ミコフェノール酸塩(500mg/dia)およびPhAを含んでいない4g/日のDHAを用いた維持治療が導入されている。その後の4年間の追跡調査において、クレアチニン値は、1.17mg/dlの平均値を維持しており、腎機能の変化の形跡は見られない。<実施例14.5:全身性疾患に関連していない腎移植> 70歳の女性患者は、62歳のときに腎移植を受けている。移植の2年後、クレアチニン値が2.1mg/dlおよび2.5mg/dlとなる2度の拒絶反応の発作に苦しんでいる。彼女は、皮質治療を受けている。その後の4年間、クレアチニン値は1.3mg/dlで安定している。移植から6°年後、彼女は、PhAを含まないDHAを4g/日の用量で摂取を開始し、その期間は、クレアチニン値が1.1y1.2mg/dlを示している。定期的にこの治療を受けてから2年後、その後の6ヶ月において、クレアチニン値が0.97mg/dlおよび1mg/dlに減少していた。医療チームは、この患者が移植器官に対する拒絶反応の兆候を示していないと判断した。<実施例15:自己免疫疾患、炎症性慢性疾患および骨格疾患における、PhAを含んでいないDHA組成物の使用> 慢性炎症におけるDHAの役割は幅広く知られており、本出願の他の項において簡潔に説明されている。これらの問題における最も目立つ論文は、樹状細胞の制御である。この意味において、本発明の生成物は、有意義な方法によって、とりわけ、本発明においてLES、リューマチ性関節炎、若年性関節炎、乾癬および痛風関節炎;筋ジストロフィーに関して研究された方法によって、免疫抑制剤の使用用量および使用時間を減少させるコアジュバントである。関節症および骨粗しょう症の予防および治療に関する本発明の生成物の役割もまた非常によく知られている。 SLEと診断され、8年間の追跡調査でSLEおよび強皮症の病歴を有しており、本発明由来の4g/日のDHAによる治療を受けている、26歳の女性において、抗核抗体(ANA:antinuclear antibodies)の存在を含み、臨床的兆候が消失した。<実施例16:皮膚病学におけるPhAを含まないDHA組成物の使用:男性ホルモン性脱毛症、紅斑性ざ瘡および尋常性ざ瘡、アトピー性皮膚炎、魚鱗症、紅皮症、強皮症、円盤状狼瘡、皮膚筋炎、乾癬> 男性ホルモン性脱毛症(男性および女性)において、酵素5−αレダクターゼの活性は、テストステロンからのジヒドロテストステロン(DHT:dihydrotestosterone)の生成に関連しており、減少している。DHTの増加は、脱毛を引き起こす。DHAは、酵素「5−αレダクターゼ」タイプ1および2の阻害剤であり、アンドロゲン活性(テストステロン)を維持する。酵素を阻害するためには、最少でPhAを含まない2g/日の用量のDHAが必要とされ、最適には4g/日の用量であり;毛の消失および頭皮の炎症は、4週間以内の治療で見られる。脱毛を回避するためには、発現の抑制を継続すべきであり、より低い維持用量(1〜4g/日)の使用が可能である。この治療は、他の阻害剤(すなわち、フィナステリド)に比して、一般的な健康状態、ならびに眼表面、前立腺組織、筋肉組織および神経組織の機能に必要なテストステロンのレベルを低下させないという利点を有しており、良性前立腺肥大の治療にも効果的である。 男性ホルモン性脱毛症である18歳〜44歳の36人の男性および4人の女性は、PhAを含まない4g/日のDHAによる治療を5年間受けた。4週間で92.4%、6週間で95%でもって、抜け毛が安定化した。男性においては、毛細管密度は52.8%増加し、女性では75%増加した。2年間追跡調査を実施し、その間、脱毛の兆候はなかった。 アトピー性皮膚炎、乾癬および円形脱毛症の症例において、DHAの重要な抗炎症効果が、その細胞周期の制御および免疫システム(サイトカイン、樹状細胞等)に対する制御の理由から、予防効果およびこれらの状態におけるコアジュバントとしての使用の背後にある。 ざ瘡の原因となる要素一つは、酵素5−αレダクターゼを介した、テストステロンからのDHAの生成の増加である。それゆえ、脱毛に関する上述の説明と同じ作用機序に基づき、DHAの摂取は、ざ瘡の改善を助長する。PhAを含まないDHAによる治療は、経口使用および皮膚への局所使用いずれにおいても、その抗菌特性および抗炎症性特性、ならびにアンドロゲンによって制御される皮膚の皮脂腺の流動体分泌物を正常化する能力から、ざ瘡の治療に非常に効果的であり、ざ瘡における腫瘍な薬剤である。それゆえ、1週間に2〜5回、皮膚に対する20分間の200mg/cm2の局所使用は、嚢腫性ざ瘡に対して特に効果的である。 7年間の複雑かつ永続的嚢腫性ざ瘡の病歴を有する23歳の女性の症例では、抗生物質およびシス−レチノイン酸治療に耐性を示している。彼女は、PhAを含まない4g/日のDHAによる治療、および、2週間毎に、防臭加工された、レモンフレーバーを有する同じ油を用いて、それが取り除かれた後、皮膚へ直接20分間塗布するセッションが治療された。最初の週および8週後に、寛解の兆候が検出され、後遺症的なざ瘡のみがあった。完全寛解までの9ヶ月間、経口治療を持続し、追跡調査の少なくとも1年間はざ瘡の新たな作用は検出されなかった。 免疫システムの変更のための治療としてのDHAの役割に関する知識は、時間とともに、増大している。とりわけ、アトピー性皮膚炎における臨床試験が実施された。ここでは、DHAなどの脂肪酸は、すべてのアレルゲンに対応して、サイトカイン(IL−5、IL−13、IL−10およびIFN−γ)を介した免疫応答を減少させ、アトピー性皮膚炎の作用を低減させた。とりわけ、アトピー性皮膚炎および外気アレルギーは、IL−10に関連しており、ここでは、DHAは、IL−10およびアレルギー反応の減少に効果的である(Dunstan et al. 2003 and 2005)。 魚とは別の源から(アレルギーの場合)、PhAを含まないDHAであって、高純度であり、防臭加工されており、ペプチドおよび派生物が非常に低減しているDHAを得ることができるため、本発明のDHAは、より低いアレルギー作用を示している。 とりわけ、生成物はPhA、魚鱗癬の誘導剤およびDHAの抗伝染性を含んでおらず、免疫賦活効果および抗アポトーシス効果であるため、本発明の組成物は、魚鱗癬(すなわち、ハーレークイン魚鱗癬、ブルガリス(vulgaris)、先天性エリトロデルミア魚鱗癬様(congenital eritrodermia icthyosiform)の治療に適応される。ここでは、魚鱗癬のいくつかのタイプは、眼表面および角膜において眼性発症もまた示している。<実施例17:ニューモロジー(Neumology)および喘息におけるPhAを含んでいないDHA組成物の使用> DHAが特に濃縮している標的組織または高いミトコンドリア活性がある組織において、DHAはこれらの組織(すなわち、光受容体、神経、肺胞、プルキンエ細胞、ネフロン、樹状細胞、平滑ミオサイトおよび縞状ミオサイト、肝細胞、精子、小卵)の機能活性を増加させる。DHAはこれらの細胞のタイプの機能を改善する一方、PhAは、ミトコンドリア活性を低下させることによって、その活性および通常の機能を低下させる。 この意味において、DHAは、アトピー性皮膚炎のみならず下部呼吸器疾患および喘息に関連している空中アレルゲンに対する過敏感免疫反応を低減することが知られている。これに加えて、DHAは、樹状細胞における作用を介した感染症の予防にとりわけ効果があり、感染および気管支喘息を低減する。樹状細胞の機能の改善(抗菌活性、殺菌性、拒絶反応の防止、抗腫瘍性)とともに、DHAは、呼吸機能を改善し、喘息および慢性呼吸器疾患(EPOC)においてとりわけ有効である。DHAによる治療は、慢性呼吸器疾患および喘息における換気能力を改善する(Kompauer et al., 2008)。<実施例18:消化器系および炎症性腸疾患(IBD)における、PhAを含まないDHA組成物の使用> プロスタグランジン、サイトカインおよびホメオスタシスの制御における、炎症性腸疾患(IBD)における抗線繊素溶解剤および抗血小板剤としてのDHAの治療効果は、おそらく医学文献において初めて知られた応用であった。DHAは他のPUFAを超える優位性を提供し、それはEPA合成からの3系統に由来するプロスタグランジンの活性を増強させる。特に多いDHAの用量(>4g/日)においてはまた、2系統に由来するプロスタグランジンを阻害し、それ自身の誘導体(ドコサノイド)に由来するそれ自身の活性を有している。DHAはまた、腸の杯状細胞およびエンテロサイトの分泌活性を制御する。これらの疾患において、予防的治療が長期間必要とされる。この見解において、大多数の系統1の抗炎症プロスタグランジンの合成にとって不可欠なγ−リノレン酸(ω6)のような他の必須脂肪酸の合成を減少させない(その合成はEPAのような他のω−3脂肪酸によって阻害される)ため、DHAによる治療は非常に適している。 PhAを伴わないDHAは、バクテリア、ウイルス、真菌および寄生生物に対する抗感染症活性の増強を示し、それは特に4g/日を超える用量において価値があり得る。多くの腸の炎症性疾患は、慢性感染症(ej:H. pylori、Clostrodium sp.など)に関係している。本発明において、大人および子供における潰瘍性大腸炎、偽膜性大腸炎、クローン病、コラーゲン形成大腸炎、過敏性腸症候群、胃炎および食道炎に関して研究を行ってきた。 本研究を行うために、すなわちPhAを含まない4g/日のDHAおよび急性の場合に治療に対する8g/日までのより多い用量が用いられているDHAの経口用量。少ない用量のコルチコイド(すなわち、5〜10mg/日)と組み合わされた、DHAの直腸への使用(特に直腸炎における)は、IBDに対する効果的な治療という結果に終わる。 寛解を伴わずに6年間潰瘍性大腸炎を患っている32才の女性は、全身性コルチコ療法によって6年間治療され、外科手術を提案された。8週間、PhAを含まない12g/日のDHAをコルチコイドと共に用いて彼女を治療した。コルチコイドは10mgのデコルチン(Dacortin)と共に開始し、2.5mg/15日において減らした。治療の最初の48時間以内に、出血および腹部の痛みの顕著な低減があり、20日目に、出血の完全な寛解があった。8週間後、生検を行い、炎症活性の顕著な低減がみられた。既に全身性コルチコ療法を伴わずに、12g/日の開始用量を、その後の8週間において、4g/日の維持用量に達するまで、1週間あたり1gのDHAを減らした。潰瘍性大腸炎が不活発状態に留まるまでの2年間、4g/日の維持用量を維持した。 コルチコイドおよびスタチンを用いたIBDの治療における共補助剤としてのDHAの使用は、後期の用量およびリポジストロフィーのような副次的効果を減少させることを可能にする。PhAを含まないDHAはスタチンと相互作用せず、さらに、横紋筋融解およびシンバスタチンに関連する肝障害のリスクを特に減らし、それゆえ、スタチンを使用する必要性を減らし、それはレトロウイルスの治療に関連するリポジストロフィーにおいて禁忌が示される。非常に多い用量(>8g/日)における場合を除いて、または運動と組み合わせる場合を除いて、DHAは高トリグリセリド血症を低減し、LDLコレステロール断片を減少させることなくリポタンパクプロフィールを改善する(Yates-A et al., 2009)。DHAの多い用量(8g/日を超える)の使用の代替案は、少ない用量のシスチン(すなわち5mgのシンバスタチン)と共に1〜4g/日またはそれ以上の使用であり得、リポジストロフィーの治療(すなわち、抗レトロウイルス剤およびコルチコイドによる治療)に対する効果的な用量である。 PhAを含まない4g/日の用量のDHAおよびコルチコイドによる、3ヶ月よりも長い期間の、7人の患者の治療は、通常のリポジストロフィーの形成を減らした。<実施例19:スポーツ医学における、PhAを含まないDHA組成物の使用> スポーツ医学におけるDHAの役割に対する関心が増している。なせなら、DHAはリポタンパクプロフィールを改善し、コレステロールを減少させ、心拍数を制御する際にプルキンエ細胞を制御する役割を果たし、呼吸機能およびミオサイトにおける好気性代謝を改善するからである。プロのスポーツ選手における、DHAに関して行われた研究は、生理学および生理病理学におけるDHAの役割に関する調査によると、それが低脂質血活性がより高い脂肪酸であること、および、それが有酸素能力を改善することを示す。少ない用量(0.5g/日)において、かつ組み立てられた脂質の形において、絶えず摂取されるDHAは、緩やかな、およびさらに激しい身体的運動の間、ホメオスタシスを戻すことにおける重要な補完物であり得る(Lopez-Roman et al., 2008)。 これらの研究の基礎は、PhAが本発明において記載されている特定のアンタゴニストである動作のメカニズムに関係している。したがって、理論的な観点から、本発明によるDHAがスポーツ生理学においてより高い活性を有していることが期待される。本発明において記載されているように、PhAは強力な毒性を有し、ミトコンドリアの電子伝達鎖における不可逆な損傷を引き起こし、酸化的リン酸化の厳しい抑制を生み、スポーツ能力、ならびにスポーツ医学における好気性、筋肉および心臓血管の代謝において、重大な点である。PhAは伝導遅延および心臓突然死に関係している(Monning et al., 2004)。<実施例20:甲状腺病理学における、PhAを含まないDHA組成物の使用> 最近、甲状腺炎を伴う病例の顕著な増加があるが、それは甲状腺機能亢進症、および甲状腺機能が正常な人における抗甲状腺抗体の存在による、症状を伴うまたは伴わない甲状腺機能低下症を引き起こす。本発明において、抗体である抗TPO(抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体)の存在とDHAの欠乏との関係性をRP患者に関して記載してきた。この関係性はまた、甲状腺病理学および抗甲状腺抗体の異常なレベルを有しているRP患者において決定された。DHAは甲状腺機能低下症の病例における肥満の問題を改善する、それは心保護的であり、甲状腺の疾患を有している患者におけるリポタンパクプロフィールを改善する。 DHAの欠乏および抗甲状腺抗体の異常なレベルを有しているおよび有していない甲状腺機能亢進症であって、甲状腺機能低下の治療(すなわちチロドリル(Tyrodril)およびチロキシンの病例に依存している)を受けている、17歳から49歳の11人の漸進的な患者において、PhAなしの4g/日のDHAによる治療を確立した。6ヶ月の治療の後、全ての患者が抗甲状腺抗体における顕著な減少を示し、チロキシンによる治療に起因した甲状腺機能低下症患者(放射性ヨウ素によって引き起こされた)と同様に甲状腺機能亢進症の両方において、心臓律動の症状における顕著な低減を示した。<実施例21:心血管疾患における、PhAを含まないDHA組成物の使用> DHAは心血管のリスクファクターである糖尿病などの予防における補因子としての効果を有する一方、これら徴候の治療における有意な臨床的効果を有しているということは証明されていない。しかしながら、それは心血管疾患を有している患者における死亡率および罹患率を減少させてきた。DHAはそのようなリスクファクターに関連しているアテロームの影響を減少させる。特に糖尿病において、そのアンタゴニスト効果ならびに網膜(糖尿病性網膜症)における神経栄養の因子および神経保護(糖尿病性神経障害)に起因する。 本発明の組成物は、特にPhAを含まないため、強力な抗不整脈効果を有しており(PhAは伝導遅延および心臓突然死を引き起こすため)、様々なタイプの不整脈において市販のDHAよりも効果的である。本発明の化合物である、PhAを含まないDHAは、レイノー症候群のようないくつかの血管疾患の治療および高トリグリセリド血症の治療におけるのと同様に、不整脈および血栓症の予防において有用である。さらに、DHAは、アテローム性疾患;高グリセリド血症;高血圧、糖尿病および他の代謝と関連しているアテローム硬化症;ならびに高いホモシステインのレベルおよびアポタンパク質(a)のような動脈硬化症と関連している感染症因子;に関連している心不全が原因である死亡数を減少させる。DHAは特に、虚血性起源のアテローム性脳動脈硬化症および神経学的変性を有している、高いアポ(a)のレベル(>30mg/dl)を有している2人の患者において、アポ(a)のレベルを低下させた。4g/日による治療は、アポ(a)レベルを50%まで低下させ、彼らが患っていた再発性の脳卒中に関連している認知機能を正常化した。<実施例22:寄生病および感染症における、PhAを含まないDHA組成物の使用> 抗寄生虫薬および抗感染症薬(寄生生物、バクテリア、ウイルスおよび真菌)としてのDHAの作用の主なメカニズムは、本技術革新において上述したように、抗炎症性サイトカイン、白血球の食作用によって仲介されるその強力な抗炎症効果(Tiesset et al., 2009)に関係している。PhAは上皮細胞および粘膜におけるサブファミリーRhoからGTPアーゼの活性を低下させ、バクテリア、真菌および寄生生物の感染を促進し、数多くのバクテリアの毒素によって、それらの主な感染メカニズム(シュードモナス、クロストリジウム等)として用いられるメカニズム(Engel & Balachandran, 2009; Genth- et al., 2006)。PhAはまた、抗有糸分裂剤と相互作用する。したがって、PhAの活性はDHAの活性に対して拮抗的(antagonic)であり、感染症において非常に特効があり、それゆえPhAを含まないDHAは感染症と戦うにはさらに効果的である。 PhAとは反対に、DHAは、炎症反応によって仲介される肺感染症における緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)によるようなバクテリア感染症(Tiesset et al., 2009)、およびDHA特異的ドコサノイドによって仲介される(Haas-Stapleton, et al. 2007)真菌感染症(Bajpai et al., 2009)を減少させる。ピロリ菌(Helicobacter pylori)によるバクテリア感染症において、キルビー・バウエル法を用いたインビトロにおける研究によって、DHAは効力のある殺菌物質であることが証明されている(Drago et al., 1999)。インビボおよびインビトロにおける研究は、DHAの抗感染症(ウイルス、真菌およびバクテリア)および抗寄生虫の能力を判定する。DHAはマラリア原虫(Plasmodium falciparum)による感染症において激しく減少し(Hsiao et al., 1991)、さらなる減少(25%)が網膜変性、痴呆、および他のリスクファクターに関連しているアテローム硬化症における増加、に関連していることが知られている。ウイルス感染症(麻疹)も、高レベルのフィタン酸に関連付けられてきた(Pike et al., 1990)。 PhAを含まないDHAは、予防組成物および抗生物質の効果の増強物質として利用され得、ウイルスおよび真菌感染症における感染および再感染の特性の事例を減少させる。このように、抗生物質の使用が減少し、その疫学的活性を改善し、抗生物質の使用に対する二次的なウイルスおよび真菌感染症を回避する。本発明の製造物の抗感染症効果は、ピロリ菌(H.pylori)および老化(decay)に関連している消化器の病状のような、感染症の範囲を大きく超えた疫学的に関連性ある感染症の合併症および進行を抑制する。 〔引用文献〕・Adamich-M, Towle-A, Lunan-KD. 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Clin Cancer Res. 2003 Oct; 9(13):4897-905.異なるPhA濃度(青)およびBcl−2/Bax値(緑)におけるインビトロでの、パラコートによって誘発される光受容体のアポトーシスのDHAによる阻害能力(%)。異なるPhA濃度(青)およびBcl−2/Bax値(緑)におけるインビボでの、MNUによって誘発される光受容体のアポトーシスのDHAによる阻害能力(%)。この図は、主要な会社および市場の製品を表し、同様に本実験を行った時点においてPhAのレベルが最も低いとみられる製品を表す。症候群を有していない患者におけるDHA<5μg/mlによるPhAのレベルの減少。この図は、PhA≧5μg/gを含んでいるDHAによって以前治療した、関連する症候群を有しないRPである11人の患者の、PhA<5μg/gを含んでいるDHAによる回復を示す。PhAの2つのジアステレオ異性体のDSC(Differential Scanning Calorimetry、示差走査熱量測定)による融点(FP)の算出。密度による分別結晶(FCD):ω−3に富んでいる未加工の油の密度平衡勾配または等密度における分画。画分(a)緑色、画分(b)青色、画分(c)オレンジ色。 90μg/g未満のPhA含有量を有し、海洋起源の油由来のω−3脂肪酸に富んでいる組成物を得るための方法であって、当該方法が以下の工程を含んでいることを特徴とする方法: a)脂肪酸塩を得るために海洋起源の油をけん化する、 b)酸性化油を得るために工程a)で得られた上記脂肪酸塩を酸性化する、 c)工程b)で得られた上記酸性化油を、減圧(27Pa)下、10℃で、グリセロール勾配において超遠心にかける、 d)工程c)で得られた上記グリセロール勾配を0℃と−57℃との間の温度範囲において固相および液相を得ながら結晶化させるものであって、当該固相は飽和脂肪酸、モノ不飽和脂肪酸およびPhAを含んでおり、かつ当該液相はPhA含有量が90μg/g未満であるポリ不飽和ω−3脂肪酸を含んでいる、 e)工程d)で得られた上記液相を、その回収のためにデカンテーションによって上記固相から分離する。 さらに、PhA含有量が90μg/g未満であるω−3トリグリセリドを得るために、ω−3脂肪酸をエステル化するさらなる工程を含んでいる、請求項1に記載の方法。 工程a)のけん化が、KOH、水およびエタノールを用いて、40℃の温度で、300rpmにおいて、不活性雰囲気中で1時間、上記混合物を振とうして行われる、請求項1に記載の方法。 酸性化の工程b)が、工程a)において得られた上記脂肪酸塩を、不活性雰囲気中で200rpmにおいて70%酢酸と混合して行われる、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。 工程c)の超遠心が、等密度であり、かつ、100000gにおいて42時間行われる、請求項1に記載の方法。 工程c)の上記超遠心が、平衡を伴わない密度勾配におけるものであり、かつ、100000gにおいて42時間行われる、請求項1に記載の方法。 結晶化の工程d)が、0℃において行われる、請求項5に記載の方法。 結晶化の工程d)が、−30℃において行われる、請求項5に記載の方法。 結晶化の工程d)が、−30℃において行われる、請求項6に記載の方法。 請求項1〜9の何れか1項に記載の方法によって得られる組成物であって、ω−3脂肪酸を65重量%から99重量%の範囲内で含んでおり、かつ、PhA含有量が90μg/g未満であることを特徴とする組成物。 上記PhA含有量が、5μg/g未満である、請求項10に記載の組成物。 ω−3脂肪酸の上記範囲が、75重量%から99重量%である、請求項10または11に記載の組成物。 ω−3脂肪酸の上記範囲が、90重量%から99重量%である、請求項12に記載の組成物。 ω−3脂肪酸が、65重量%から95重量%の範囲内のDHAを含んでいる、請求項10〜13の何れか1項に記載の組成物。 DHAの上記範囲が、75重量%から95重量%である、請求項14に記載の組成物。 DHAの上記範囲が、80重量%から95重量%である、請求項15に記載の組成物。 ω−3脂肪酸が、5重量%から35重量%の範囲内のEPAをさらに含んでいる、請求項10〜16の何れか1項に記載の組成物。 DHA含有量が80.65重量%であり、EPA含有量が13.38重量%であり、上記組成物における脂肪酸の総重量が91.75重量%である、請求項10〜17の何れか1項に記載の組成物。 薬学的および食物的使用が意図された賦形剤および/またはアジュバントをさらに含んでいる、請求項10〜18の何れか1項に記載の組成物。 飲み物、柔らかいもしくは硬いゲル、含水性エマルジョン、または粉の形態において請求項10〜19の何れか1項に記載の組成物を含んでいる、栄養補助食品。 飲み物、柔らかいもしくは硬いゲル、含水性エマルジョン、または粉の形態において請求項10〜19の何れか1項に記載の組成物を含んでいる、食品。 請求項10〜19の何れか1項に記載されたω−3脂肪酸に富んでいる化合物もしくは請求項1〜9の何れか1項に記載の方法によって得られるω−3脂肪酸に富んでいる化合物、および/または薬学的に希釈する剤または担体を含んでいる、薬学的組成物。 目におけるアレルギー症状、目の表面および/またはドライアイの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、眼瞼炎、眼瞼結膜炎、結膜炎、角膜炎、乾性角結膜炎、角膜疾患、角膜移植片拒絶反応に対する治療、レーシック手術前および後における角膜厚測定による角膜平均細胞密度の増加からなる群より選ばれる、請求項23に記載の化合物の使用。 遺伝性ジストロフィー非関連性網膜変性疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、滲出型および委縮型加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、緑内障、眼圧変化、近視に関連する網膜症、網膜剥離、レーシック後の近視における裂孔原性網膜剥離、虚血性の続発性黄斑浮腫、嚢胞様黄斑浮腫、アーヴァイン・ガス症候群、ベルリン暗点、脈絡膜症、脈絡網膜炎、梅毒性視神経網膜炎、麻疹、サイトメガロウイルス、脈絡膜の悪性黒色腫、水銀中毒(水俣病、肢端疼痛症、ハンター・ラッセル症候群)、網膜血管炎(イールズ病)、または出血性外傷性網膜分離症からなる群より選ばれる、請求項25に記載の化合物の使用。 非網膜色素変性の遺伝性網膜ジストロフィーの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、スタルガルト病、レーバー先天性黒内障、X連鎖性全脈絡膜萎縮症、X連鎖性網膜分離症、ゴールドマンファブリ硝子体網膜ジストロフィー、ワグナー硝子体網膜ジストロフィー、およびスティックラー症候群、家族性毛様体扁平部炎からなる群より選ばれる、請求項27に記載の化合物の使用。 網膜色素変性症の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 網膜色素変性症関連症候群の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、特異的突然変異および/または肝臓のDHAの合成もしくは輸送における不全の結果としてまたは代謝ストレスの結果としての症候群でない網膜色素変性症、メンデル型の定型非全身性網膜色素変性症 区画性の非全身性網膜色素変性症、両側性の非全身性網膜色素変性症、片側性の非全身性網膜色素変性症、両側性の非全身性網膜色素変性症、逆性の非全身性網膜色素変性症、常染色体優性網膜色素変性症、常染色体劣性網膜色素変性症、X連鎖性網膜色素変性症、単純性または散発性網膜色素変性症、硝子体網膜の網膜色素変性症、白点状網膜症、色素なしの網膜色素変性症、脈絡膜萎縮、脈絡膜ギラタおよび/または網膜萎縮、錐体細胞および桿体細胞のジストロフィーを伴う網膜色素変性症、アッシャー症候群I型、アッシャー症候群II型、アッシャー症候群III型、アッシャー症候群IV型、NP207、チオリダジン、クロロカイン、ヒドロキシクロロカイン、クロルプロマジンのような医原性の網膜色素変性症、変動性の神経系、循環器系、筋骨格系および/または皮膚系の変性を示すPhAおよびPAの増加を伴うROに関連するペルオキシソーム欠損を伴う遺伝的症候群、ツェルベルガー症候群、乳児レフサム病、新生児副腎白質ジストロフィー、ペルオキシソーム形成異常症、肢根型点状軟骨異形成症(RCDP)、アシル−CoAオキシダーゼ欠損症、二機能酵素欠損症、レフサム病、β酸化系欠損症、家族性魚鱗癬様角化異常症、シェーグレン・ラルソン症候群、ミトコンドリア病、COX欠損症および/またはリー症候群を伴う疾病、ペルオキシソーム欠損症、ミトコンドリア欠陥を伴うおよび/または網膜色素変性症に関連する遺伝的症候群ならびに関連網膜変性、バッセン・コーンツバイク症候群、バッテンまたはリポフスチン沈着症候群、低リポ蛋白血症、アッシャー症候群、ハレルフォルデン・スパッツ症候群、無セルロプラスミン血症、カーンズ・セイヤー症候群、デュシェンヌ型およびベッカー型筋ジストロフィー、ローレンス・ムーン・バーデット・ビードル症候群、ローレンス・ムーン症候群、バーデット・ビードル症候群、グレーフェ症候群、ハルグレン症候群、コケイン症候群、アルストレム症候群、ペリツェウス・メルツバッハー症候群、小脳性運動失調症、フリードライヒ運動失調症、リポフスチン沈着症、イディオパティック家族性黒内障、テイ・サックス病、ハルチア・サンタブオリ症候群、ビールショウスキー・ヤンスキー病、フォークト・シュピールマイアー・バッテン・メーオー症状群、クーフス症状群、骨・神経・内分泌形成異常、ムコ多糖症、ハーラー症候群、ハンター症候群、シャイエ症候群、MPS I−H/S、サンフィリポ、バッセン・コーンツバイク症候群、黒網膜形成異常(Negro-retiniana Dysplasia)、骨格形成異常、腎眼骨格症候群、エドワーズ症候群、X連鎖劣性遺伝の眼脳腎またはロー症候群、リグナック・ファンコニー症候群(シスチン症)、巨大軸索神経病、および/または家族性デンマーク型認知症からなる群より選ばれる、請求項30に記載の化合物の使用。 ブドウ膜炎および関連疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、虹彩炎、扁平部炎、脈絡膜炎、網脈絡膜炎、前部および/または後部ぶどう膜炎、虹彩毛様体脈絡膜炎、感染性ぶどう膜炎、ブルセラ症、単純ヘルペス、帯状ヘルペス、レプトスピラ症、ライム病、推定眼ヒストプラズマ症、梅毒、トキソカラ症、トキソプラズマ症、結核、カンジダ症、ぶどう膜炎症候群、急性後部多発性小板状色素上皮症、散弾状網脈絡膜炎、フックス虹彩異色性虹彩毛様体炎、多病巣性脈絡膜炎および全ぶどう膜炎症候群、多発一過性白点症候群、点状内層脈絡膜症、匐行性脈絡膜炎、強直性脊椎炎、ベーチェット病、慢性肉芽腫症、付着部炎、炎症性腸疾患、若年性リウマチ疾患、関節リウマチ、多発性硬化症、結節性多発動脈炎、乾癬性関節炎、ライター症候群、サルコイドーシス、全身性エリテマトーデス、フォークト・小柳・原田症候群、ウィップル病のようなぶどう膜炎に関連する全身性疾患、前および/または後眼部における仮面症候群、網膜芽細胞腫、網膜剥離、悪性黒色腫、白血病、若年性黄色肉芽腫、眼内異物、リンパ腫、多発性硬化症および/または細網肉腫からなる群より選ばれる、請求項32に記載の化合物の使用。 網膜変性疾患、および毛管疾患に関連する二次的な眼の症状の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、高血圧性網膜症、高血圧性虚血性視神経症、高血圧性脈絡膜症、脈絡膜硬化症、分枝または中心静脈血栓症、エルスクニグおよびスレグリスト線、アテローム動脈硬化症、大脳性および神経性眼虚血、大動脈弓症候群、高安病、高安動脈炎、汎動脈炎、虹彩毛様体炎、強膜炎、虚血により生じ硝子体出血を招き得る網膜前新生血管、角膜浮腫、房水におけるチンダル、増殖糖尿病網膜症または新生血管緑内障、頸動脈不全または慢性眼虚血、眼動脈障害、網膜中心動脈障害、血液凝固異常、プロテインSおよびC欠乏症、全眼球炎網膜炎、脈絡膜炎、うっ血乳頭、網膜出血、ロス汚濁、免疫複合体に起因する障害、視神経症、虚血性網膜症、眼筋麻痺、眼窩偽腫瘍、眼虚血症候群、後頭葉梗塞、複視、眼瞼浮腫、眼瞼下垂、末梢血管拡張眼瞼、結膜、網膜、網膜中心動脈の急性閉塞、眼のまたはその分枝、後毛様体動脈の障害、非動脈炎性由来の虚血性視神経症、低潅流および/または霧視によって生じる慢性眼虚血症候群またはシャイ・ドレーガー症候群からなる群より選ばれる、請求項34に記載の化合物の使用。 網膜および眼の表面に関連しない他の眼の使用に関連しない視力の喪失の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、白内障、遠視、近視、老視、硝子体炎、硝子体剥離および/または眼内炎からなる群より選ばれる、請求項36に記載の化合物の使用。 神経系のおよび/または精神系疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、特に遺伝性運動感覚性ニューロパシー、痴呆、アルツハイマー病、多発性硬化症および/または運動失調からなる群より選ばれる、請求項38に記載の化合物の使用。 腫瘍の疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、転移、最も一般的な腫瘍系統、大腸癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、食道癌、膵臓癌、腎癌、肝細胞癌、脳癌、神経膠芽腫、悪性黒色腫、網膜芽細胞腫、胆嚢、多発性骨髄腫、内分泌癌および/またはインスリン抵抗性に関連する癌からなる群より選ばれる、請求項40に記載の化合物の使用。 腎障害の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、IgAによる腎障害および/または全身性紅斑性狼瘡に関連する腎障害、腎不全、糸球体症、細尿管症、間質および/または腎血管性疾患からなる群より選ばれる、請求項42に記載の化合物の使用。 心血管疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、虚血性変性、動脈硬化症、高トリグリセリド血症、高脂質血症、心室性不整脈、高血圧、糖尿病および/またはアポタンパク質a(アポ(a))レベルが増加している心血管疾患からなる群より選ばれる、請求項44に記載の化合物の使用。 医原病の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、横紋筋融解、肝毒性、心毒性、神経毒性、浮腫、リポジストロフィー、ならびに/またはスタチン、コルチコイド、抗レトロウイルス剤および/もしくは免疫抑制剤に関連する免疫抑制からなる群より選ばれる、請求項46に記載の化合物の使用。 線維筋痛症および/または慢性疲労症候群の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 関節症および骨粗鬆症の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 自己免疫疾患、慢性炎症性疾患および/または骨格筋疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される疾患が、関節リューマチ、若年性関節炎、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、全身性紅斑性狼瘡、関節症および/または骨粗鬆症からなる群より選ばれる、請求項50に記載の化合物の使用。 皮膚病の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、男性ホルモン性脱毛症、紅斑性ざ瘡、尋常性ざ瘡、湿疹および/または乾癬からなる群より選ばれる、請求項52に記載の化合物の使用。 アレルギー症状、喘息および/または慢性呼吸器疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 消化器系疾患および/または炎症性腸疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、自己免疫疾患、ウイルス性および/もしくは中毒性胃炎、食道炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、偽膜性腸炎、コラーゲン形成大腸炎、腸透過性の変化、吸収不良症候群、食物不耐性およびアレルギーならびに/または痔からなる群より選ばれる、請求項55に記載の化合物の使用。 寄生病および感染症の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 DHA欠乏症の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、胃腸の吸収不良症候群、嚢胞性線維症、腸の吸収不良症候群、膵炎、膵不全性胆石症、摂食障害、食欲不振、過食症からなる群より選ばれる、請求項58に記載の化合物の使用。 人間社会、妊婦、産婦および/または小児期においてみられる一般的なDHAの栄養不足の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 視力、記憶力および認知機能が増強し、運動能力が増強し、および精神的傷害が減少し、ならびに/または通常の神経筋疲労が減少する、生理的状態を改善するための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 本発明は、油1gあたりのフィタン酸含有量が90μg未満で、ω−3脂肪酸に富んでいる組成物を得るための方法に関する。本発明は、油1g当たりのフィタン酸含有量が90μg未満で、DHAに富んでいる、特に組成物を構成している油1gあたり、DHAが650〜950mg/g、つまり65重量%から95重量%であり、かつ、PhAの値が90μg未満、好ましくは5μg未満である組成物を得ることに関する。得られた組成物は、予防作用および治療効能があるため、栄養補助食品、栄養製品および薬学的製品の分野において用いられる。 20110202A16333全文3 90μg/g未満のPhA含有量を有し、海洋起源の油由来のω−3脂肪酸に富んでいる組成物を得るための方法であって、当該方法が以下の工程を含んでいることを特徴とする方法: a)脂肪酸塩を得るために海洋起源の油をけん化する、 b)酸性化油を得るために工程a)で得られた上記脂肪酸塩を酸性化する、 c)工程b)で得られた上記酸性化油を、27Paにおける減圧下、10℃で、グリセロール勾配において超遠心にかける、 d)工程c)で得られた上記グリセロール勾配を0℃と−57℃との間の温度範囲において固相および液相を得ながら結晶化させるものであって、当該固相は飽和脂肪酸、モノ不飽和脂肪酸およびPhAを含んでおり、かつ当該液相はPhA含有量が90μg/g未満であるポリ不飽和ω−3脂肪酸を含んでいる、 e)工程d)で得られた上記液相を、その回収のためにデカンテーションによって上記固相から分離する。 さらに、PhA含有量が90μg/g未満であるω−3トリグリセリドを得るために、ω−3脂肪酸をエステル化するさらなる工程を含んでいる、請求項1に記載の方法。 工程a)のけん化が、KOH、水およびエタノールを用いて、40℃の温度で、300rpmにおいて、不活性雰囲気中で1時間、上記混合物を振とうして行われる、請求項1に記載の方法。 酸性化の工程b)が、工程a)において得られた上記脂肪酸塩を、不活性雰囲気中で200rpmにおいて70%酢酸と混合して行われる、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。 工程c)の超遠心が、等密度であり、かつ、100000gにおいて42時間行われる、請求項1に記載の方法。 工程c)の上記超遠心が、平衡を伴わない密度勾配におけるものであり、かつ、100000gにおいて42時間行われる、請求項1に記載の方法。 結晶化の工程d)が、0℃において行われる、請求項5に記載の方法。 結晶化の工程d)が、−30℃において行われる、請求項5に記載の方法。 結晶化の工程d)が、−30℃において行われる、請求項6に記載の方法。 請求項1〜9の何れか1項に記載の方法によって得られる組成物であって、ω−3脂肪酸を65重量%から99重量%の範囲内で含んでおり、かつ、PhA含有量が90μg/g未満であることを特徴とする組成物。 上記PhA含有量が、5μg/g未満である、請求項10に記載の組成物。 ω−3脂肪酸の上記範囲が、75重量%から99重量%である、請求項10または11に記載の組成物。 ω−3脂肪酸の上記範囲が、90重量%から99重量%である、請求項12に記載の組成物。 ω−3脂肪酸が、65重量%から95重量%の範囲内のDHAを含んでいる、請求項10〜13の何れか1項に記載の組成物。 DHAの上記範囲が、75重量%から95重量%である、請求項14に記載の組成物。 DHAの上記範囲が、80重量%から95重量%である、請求項15に記載の組成物。 ω−3脂肪酸が、5重量%から35重量%の範囲内のEPAをさらに含んでいる、請求項10〜16の何れか1項に記載の組成物。 ω−3脂肪酸の総含有量が91.75重量%であり、そのうちの、80.65%がDHAであり、13.38%がEPAであり、5.07%が他のω−3脂肪酸であり、0.69%が他のポリ不飽和脂肪酸であり、0.08%が他の飽和脂肪酸であり、0.08%がモノ不飽和脂肪酸である、請求項11に記載の組成物。 薬学的および食物的使用が意図された賦形剤および/またはアジュバントをさらに含んでいる、請求項10〜18の何れか1項に記載の組成物。 飲み物、柔らかいもしくは硬いゲル、含水性エマルジョン、または粉の形態において請求項10〜19の何れか1項に記載の組成物を含んでいる、栄養補助食品。 飲み物、柔らかいもしくは硬いゲル、含水性エマルジョン、または粉の形態において請求項10〜19の何れか1項に記載の組成物を含んでいる、食品。 請求項10〜19の何れか1項に記載されたω−3脂肪酸に富んでいる化合物または請求項1〜9の何れか1項に記載の方法によって得られるω−3脂肪酸に富んでいる化合物、および薬学的な希釈剤または担体を含んでいる、薬学的組成物。 目におけるアレルギー症状、目の表面および/またはドライアイの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、眼瞼炎、眼瞼結膜炎、結膜炎、角膜炎、乾性角結膜炎、角膜疾患、角膜移植片拒絶反応に対する治療、レーシック手術前および後における角膜厚測定による角膜平均細胞密度の増加からなる群より選ばれる、請求項23に記載の化合物の使用。 遺伝性ジストロフィー非関連性網膜変性疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、滲出型および委縮型加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、緑内障、眼圧変化、近視に関連する網膜症、網膜剥離、レーシック後の近視における裂孔原性網膜剥離、虚血性の続発性黄斑浮腫、嚢胞様黄斑浮腫、アーヴァイン・ガス症候群、ベルリン暗点、脈絡膜症、脈絡網膜炎、梅毒性視神経網膜炎、麻疹、サイトメガロウイルス、脈絡膜の悪性黒色腫、水銀中毒(水俣病、肢端疼痛症、ハンター・ラッセル症候群)、網膜血管炎(イールズ病)、または出血性外傷性網膜分離症からなる群より選ばれる、請求項25に記載の化合物の使用。 非網膜色素変性の遺伝性網膜ジストロフィーの治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、スタルガルト病、レーバー先天性黒内障、X連鎖性全脈絡膜萎縮症、X連鎖性網膜分離症、ゴールドマンファブリ硝子体網膜ジストロフィー、ワグナー硝子体網膜ジストロフィー、およびスティックラー症候群、家族性毛様体扁平部炎からなる群より選ばれる、請求項27に記載の化合物の使用。 網膜色素変性症の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 網膜色素変性症関連症候群の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、特異的突然変異および/または肝臓のDHAの合成もしくは輸送における不全の結果としてまたは代謝ストレスの結果としての症候群でない網膜色素変性症、メンデル型の定型非全身性網膜色素変性症 区画性の非全身性網膜色素変性症、両側性の非全身性網膜色素変性症、片側性の非全身性網膜色素変性症、両側性の非全身性網膜色素変性症、逆性の非全身性網膜色素変性症、常染色体優性網膜色素変性症、常染色体劣性網膜色素変性症、X連鎖性網膜色素変性症、単純性または散発性網膜色素変性症、硝子体網膜の網膜色素変性症、白点状網膜症、色素なしの網膜色素変性症、脈絡膜萎縮、脈絡膜ギラタおよび/または網膜萎縮、錐体細胞および桿体細胞のジストロフィーを伴う網膜色素変性症、アッシャー症候群I型、アッシャー症候群II型、アッシャー症候群III型、アッシャー症候群IV型、NP207、チオリダジン、クロロカイン、ヒドロキシクロロカイン、クロルプロマジンのような医原性の網膜色素変性症、変動性の神経系、循環器系、筋骨格系および/または皮膚系の変性を示すPhAおよびPAの増加を伴うROに関連するペルオキシソーム欠損を伴う遺伝的症候群、ツェルベルガー症候群、乳児レフサム病、新生児副腎白質ジストロフィー、ペルオキシソーム形成異常症、肢根型点状軟骨異形成症(RCDP)、アシル−CoAオキシダーゼ欠損症、二機能酵素欠損症、レフサム病、β酸化系欠損症、家族性魚鱗癬様角化異常症、シェーグレン・ラルソン症候群、ミトコンドリア病、COX欠損症および/またはリー症候群を伴う疾病、ペルオキシソーム欠損症、ミトコンドリア欠陥を伴うおよび/または網膜色素変性症に関連する遺伝的症候群ならびに関連網膜変性、バッセン・コーンツバイク症候群、バッテンまたはリポフスチン沈着症候群、低リポ蛋白血症、アッシャー症候群、ハレルフォルデン・スパッツ症候群、無セルロプラスミン血症、カーンズ・セイヤー症候群、デュシェンヌ型およびベッカー型筋ジストロフィー、ローレンス・ムーン・バーデット・ビードル症候群、ローレンス・ムーン症候群、バーデット・ビードル症候群、グレーフェ症候群、ハルグレン症候群、コケイン症候群、アルストレム症候群、ペリツェウス・メルツバッハー症候群、小脳性運動失調症、フリードライヒ運動失調症、リポフスチン沈着症、イディオパティック家族性黒内障、テイ・サックス病、ハルチア・サンタブオリ症候群、ビールショウスキー・ヤンスキー病、フォークト・シュピールマイアー・バッテン・メーオー症状群、クーフス症状群、骨・神経・内分泌形成異常、ムコ多糖症、ハーラー症候群、ハンター症候群、シャイエ症候群、MPS I−H/S、サンフィリポ、バッセン・コーンツバイク症候群、黒網膜形成異常(Negro-retiniana Dysplasia)、骨格形成異常、腎眼骨格症候群、エドワーズ症候群、X連鎖劣性遺伝の眼脳腎またはロー症候群、リグナック・ファンコニー症候群(シスチン症)、巨大軸索神経病、および/または家族性デンマーク型認知症からなる群より選ばれる、請求項30に記載の化合物の使用。 ブドウ膜炎および関連疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、虹彩炎、扁平部炎、脈絡膜炎、網脈絡膜炎、前部および/または後部ぶどう膜炎、虹彩毛様体脈絡膜炎、感染性ぶどう膜炎、ブルセラ症、単純ヘルペス、帯状ヘルペス、レプトスピラ症、ライム病、推定眼ヒストプラズマ症、梅毒、トキソカラ症、トキソプラズマ症、結核、カンジダ症、ぶどう膜炎症候群、急性後部多発性小板状色素上皮症、散弾状網脈絡膜炎、フックス虹彩異色性虹彩毛様体炎、多病巣性脈絡膜炎および全ぶどう膜炎症候群、多発一過性白点症候群、点状内層脈絡膜症、匐行性脈絡膜炎、強直性脊椎炎、ベーチェット病、慢性肉芽腫症、付着部炎、炎症性腸疾患、若年性リウマチ疾患、関節リウマチ、多発性硬化症、結節性多発動脈炎、乾癬性関節炎、ライター症候群、サルコイドーシス、全身性エリテマトーデス、フォークト・小柳・原田症候群、ウィップル病のようなぶどう膜炎に関連する全身性疾患、前および/または後眼部における仮面症候群、網膜芽細胞腫、網膜剥離、悪性黒色腫、白血病、若年性黄色肉芽腫、眼内異物、リンパ腫、多発性硬化症および/または細網肉腫からなる群より選ばれる、請求項32に記載の化合物の使用。 網膜変性疾患、および毛管疾患に関連する二次的な眼の症状の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、高血圧性網膜症、高血圧性虚血性視神経症、高血圧性脈絡膜症、脈絡膜硬化症、分枝または中心静脈血栓症、エルスクニグおよびスレグリスト線、アテローム動脈硬化症、大脳性および神経性眼虚血、大動脈弓症候群、高安病、高安動脈炎、汎動脈炎、虹彩毛様体炎、強膜炎、虚血により生じ硝子体出血を招き得る網膜前新生血管、角膜浮腫、房水におけるチンダル、増殖糖尿病網膜症または新生血管緑内障、頸動脈不全または慢性眼虚血、眼動脈障害、網膜中心動脈障害、血液凝固異常、プロテインSおよびC欠乏症、全眼球炎網膜炎、脈絡膜炎、うっ血乳頭、網膜出血、ロス汚濁、免疫複合体に起因する障害、視神経症、虚血性網膜症、眼筋麻痺、眼窩偽腫瘍、眼虚血症候群、後頭葉梗塞、複視、眼瞼浮腫、眼瞼下垂、末梢血管拡張眼瞼、結膜、網膜、網膜中心動脈の急性閉塞、眼のまたはその分枝、後毛様体動脈の障害、非動脈炎性由来の虚血性視神経症、低潅流および/または霧視によって生じる慢性眼虚血症候群またはシャイ・ドレーガー症候群からなる群より選ばれる、請求項34に記載の化合物の使用。 網膜および眼の表面に関連しない他の眼の使用に関連しない視力の喪失の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、白内障、遠視、近視、老視、硝子体炎、硝子体剥離および/または眼内炎からなる群より選ばれる、請求項36に記載の化合物の使用。 神経系のおよび/または精神系疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、特に遺伝性運動感覚性ニューロパシー、痴呆、アルツハイマー病、多発性硬化症および/または運動失調からなる群より選ばれる、請求項38に記載の化合物の使用。 腫瘍の疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、転移、最も一般的な腫瘍系統、大腸癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、食道癌、膵臓癌、腎癌、肝細胞癌、脳癌、神経膠芽腫、悪性黒色腫、網膜芽細胞腫、胆嚢、多発性骨髄腫、内分泌癌および/またはインスリン抵抗性に関連する癌からなる群より選ばれる、請求項40に記載の化合物の使用。 腎障害の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、IgAによる腎障害および/または全身性紅斑性狼瘡に関連する腎障害、腎不全、糸球体症、細尿管症、間質および/または腎血管性疾患からなる群より選ばれる、請求項42に記載の化合物の使用。 心血管疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、虚血性変性、動脈硬化症、高トリグリセリド血症、高脂質血症、心室性不整脈、高血圧、糖尿病および/またはアポタンパク質a(アポ(a))レベルが増加している心血管疾患からなる群より選ばれる、請求項44に記載の化合物の使用。 医原病の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、横紋筋融解、肝毒性、心毒性、神経毒性、浮腫、リポジストロフィー、ならびに/またはスタチン、コルチコイド、抗レトロウイルス剤および/もしくは免疫抑制剤に関連する免疫抑制からなる群より選ばれる、請求項46に記載の化合物の使用。 線維筋痛症および/または慢性疲労症候群の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 関節症および骨粗鬆症の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 自己免疫疾患、慢性炎症性疾患および/または骨格筋疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される疾患が、関節リューマチ、若年性関節炎、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、全身性紅斑性狼瘡、関節症および/または骨粗鬆症からなる群より選ばれる、請求項50に記載の化合物の使用。 皮膚病の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、男性ホルモン性脱毛症、紅斑性ざ瘡、尋常性ざ瘡、湿疹および/または乾癬からなる群より選ばれる、請求項52に記載の化合物の使用。 アレルギー症状、喘息および/または慢性呼吸器疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 消化器系疾患および/または炎症性腸疾患の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、自己免疫疾患、ウイルス性および/もしくは中毒性胃炎、食道炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、偽膜性腸炎、コラーゲン形成大腸炎、腸透過性の変化、吸収不良症候群、食物不耐性およびアレルギーならびに/または痔からなる群より選ばれる、請求項55に記載の化合物の使用。 寄生病および感染症の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 DHA欠乏症の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 治療される上記疾患が、胃腸の吸収不良症候群、嚢胞性線維症、腸の吸収不良症候群、膵炎、膵不全性胆石症、摂食障害、食欲不振、過食症からなる群より選ばれる、請求項58に記載の化合物の使用。 人間社会、妊婦、産婦および/または小児期においてみられる一般的なDHAの栄養不足の治療または予防のための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。 視力、記憶力および認知機能が増強し、運動能力が増強し、および精神的傷害が減少し、ならびに/または通常の神経筋疲労が減少する、生理的状態を改善するための薬学的組成物を製造するための、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物の使用。


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