タイトル: | 公開特許公報(A)_カルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体を含む有機EL材料及びそれを用いた有機EL素子 |
出願番号: | 2012254159 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | H01L 51/50,C07D 471/04 |
糸井 裕亮 JP 2014103243 公開特許公報(A) 20140605 2012254159 20121120 カルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体を含む有機EL材料及びそれを用いた有機EL素子 三星ディスプレイ株式會社 512187343 Samsung Display Co.,Ltd. 特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ 110000408 糸井 裕亮 H01L 51/50 20060101AFI20140509BHJP C07D 471/04 20060101ALN20140509BHJP JPH05B33/14 BC07D471/04 104Z 6 OL 17 3K107 4C065 3K107AA01 3K107BB01 3K107CC04 3K107CC21 3K107DD53 3K107DD59 3K107DD68 4C065AA04 4C065BB04 4C065CC09 4C065DD02 4C065EE02 4C065HH02 4C065JJ01 4C065KK09 4C065LL01 4C065PP03 4C065PP09 本発明は、カルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体を含む有機EL材料及びそれを用いた有機EL素子に関する。 近年、画像表示装置として、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(Organic Electroluminescence Display:有機EL表示装置)の開発が盛んになってきている。有機EL表示装置は、液晶表示装置等とは異なり、陽極及び陰極から注入された正孔及び電子を発光層において再結合させることにより、発光層における有機化合物を含む発光材料を発光させて表示を実現するいわゆる自発光型の表示装置である。 発光素子(以下、有機EL素子という)としては、例えば、陽極、陽極上に配置された正孔輸送層、正孔輸送層上に配置された発光層、発光層上に配置された電子輸送層及び電子輸送層上に配置された陰極から構成された有機EL素子が知られている。陽極からは正孔が注入され、注入された正孔は正孔輸送層を移動して発光層に注入される。一方、陰極からは電子が注入され、注入された電子は電子輸送層を移動して発光層に注入される。発光層に注入された正孔と電子とが再結合することにより、発光層内で励起子が生成される。有機EL素子は、その励起子の輻射失活によって発生する光を利用して発光する。尚、有機EL素子は、以上に述べた構成に限定されず、種々の変更が可能である。 有機EL素子を表示装置に応用するにあたり、有機EL素子の高効率化及び長寿命化が求められており、有機EL素子の高効率化及び長寿命化を実現するために、有機EL素子を構成する各層の定常化、安定化、耐久化などが検討されている。 有機EL素子の各層に用いられる材料としては、芳香族アミン系化合物等の様々な化合物などが知られている。例えば、アザカルバゾール誘導体は、発光層のホスト材料(特許文献1及び特許文献2)、正孔輸送材料(特許文献3)、陰極バッファ層の材料(特許文献4)や正孔阻止層(特許文献5)の材料として提案されている。また、カルバゾール誘導体は、例えば、ホスト材料(特許文献6)、電子輸送材料(特許文献7)や発光層で生成する励起子が電子輸送帯域へ拡散することを防止するための障壁層の材料(特許文献8)として提案されている。しかしながら、これらの材料を用いた有機EL素子も充分な発光効率を有しているとは言い難く、現在では一層、高効率で低電圧駆動が可能であり、発光寿命の長い有機EL素子が望まれている。特開2001−160488号公報国際公開第2004/053019号国際公開第2012/011756号国際公開第2006/013739号特開2006−100537号公報国際公開第2009/060780号特開2010−135467号公報国際公開第2012/090967号 本発明は、上述の課題を鑑み、発光効率を向上させ、長寿命化を実現する有機EL材料を提供することを課題とする。 本発明の一実施形態による有機EL材料は、 下記式(1)[式(1)中、X1乃至X4は、窒素原子(N)又はR1と単結合する炭素原子(C−R1)であり、R1は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6〜18のアリール基若しくはヘテロアリール基、又は炭素数1〜12のアルキル基であり、R2乃至R10は、それぞれ独立的に、炭素数6〜30のアリール基又はヘテロアリール基であり、前記X1乃至X4のうち少なくとも1つは窒素原子(N)である。]で表される。 この有機EL材料によれば、有機EL素子の発光効率を向上させ、有機EL素子の長寿命化を実現することができる。 前記式(1)中、R2乃至R10は下記一般式(2)〜(11)[前記式(1)において、R11乃至R22は、それぞれ独立的に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6〜18のアリール基若しくはヘテロアリール基、又は炭素数1〜12のアルキル基である。]で表される1価基であってもよい。 この有機EL材料によれば、有機EL素子の発光効率を向上させ、有機EL素子の長寿命化を実現することができる。 前記R1はフェニル基、メチル基又はシクロヘキシル基であってもよい。 この有機EL材料によれば、有機EL素子の発光効率をさらに向上させることができる。 本発明の一実施形態による有機EL素子は、 下記式(1)[式(1)中、X1乃至X4は、窒素原子(N)又はR1と単結合する炭素原子(C−R1)であり、R1は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6〜18のアリール基若しくはヘテロアリール基、又は炭素数1〜12のアルキル基であり、R2乃至R10は、それぞれ独立的に、炭素数6〜30のアリール基又はヘテロアリール基であり、前記X1乃至X4のうち少なくとも1つは窒素原子(N)である。]で表される有機EL材料を含む。 前記有機EL材料を含む発光素子によれば、発光効率が向上され、長寿命化されることができる。 前記式(1)中、R2乃至R10は下記一般式(2)〜(11)[前記式(1)において、R11乃至R22は、それぞれ独立的に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6〜18のアリール基若しくはヘテロアリール基、又は炭素数1〜12のアルキル基である。]で表される1価基であってもよい。 前記有機EL材料を含む発光素子によれば、発光効率が向上され、長寿命化されることができる。 前記R1はフェニル基、メチル基又はシクロヘキシル基であってもよい。 前記有機EL材料を含む発光素子によれば、発光効率がさらに向上される。 本発明によれば、発光効率を向上させ、長寿命化を実現する有機EL材料を提供することができる。有機EL素子の構成を示す概略図である。 本願発明者は、上述の課題を検討した結果、有機EL素子の発光層に用いられるホスト材料として、カルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体を用いることに想到し、有機EL素子の発光効率の向上及び長寿命化を達成できることを確認した。以下、本願発明者が想到したカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体について説明する。 有機EL素子の発光層のホスト材料として用いられる本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体は、以下の構造式(1)で表される化合物である。 但し、構造式(1)において、X1乃至X4は、窒素原子(N)又はR1と単結合する炭素原子(C−R1)であり、X1乃至X4のうち少なくとも1つは窒素原子(N)である。R1は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6〜18のアリール基又はヘテロアリール基、若しくは炭素数1〜12のアルキル基であり、R2乃至R10は、それぞれ独立的に、炭素数6〜30のアリール基又はヘテロアリール基である。 但し、構造式(1)において、R2乃至R10は、以下の構造式(2)〜(11)で表される1価基(*は結合位置)であることが好ましい。 カルバゾール部位を有する化合物は、電子耐性を有することが知られているが、本発明においては、正孔輸送性を示すカルバゾール部位を有するアミン化合物のカルバゾール環を形成する炭素のうち少なくとも1つの炭素を窒素に置換し、アザカルバゾール骨格とすることにより、電子耐性及び電子輸送性を付与した。本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体は、正孔輸送性且つ電子輸送性を有するため、有機EL素子の発光層のホスト材料として用いることが可能であり、特に、緑色領域における燐光発光層のホスト材料として好適に用いることができる。電子耐性を有するカルバゾール部位及びアザカルバゾール部位を有するため、本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体の電子耐性が向上し、有機EL素子の長寿命化に寄与する。また、本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体において、アザカルバゾール部位により、電子輸送性が向上されるため、有機EL素子の発光効率を向上させることができる。 本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体において、アザカルバゾール環の窒素原子(N)の数は1つ又は2つであることが好ましい。即ち、構造式(1)において、X1乃至X4のうち1つ又は2つが窒素原子(N)であることが好ましい。また、本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体において、アザカルバゾール環の窒素原子に隣接する炭素原子(C)の電子密度が高くなる。そのため、アザカルバゾール環の窒素原子に隣接する炭素原子(C)に単結合するR1としては、フェニル基が好ましい。アザカルバゾール環の窒素原子(N)は電子吸引性が強いため、水素原子などに比べて電子的な耐性が高いフェニル基をアザカルバゾール環の窒素原子に隣接する炭素原子(C)に導入することで、アザカルバゾール環の電子耐性を向上させることが可能となる。さらに、アザカルバゾール環の窒素原子に隣接する炭素原子(C)に単結合するR1として、アルキル基としては分子内振動が少なく無輻射失活に寄与しにくいメチル基も好ましい。また、メチル基と同様にアルキル基としては分子内振動が少なく無輻射失活に寄与しにくいシクロアルキル基であるシクロヘキシル基もR1として好ましい。 また、構造式(1)で表される本発明の化合物において、R2乃至R10のうち少なくとも1つが構造式(10)及び構造式(11)で表される1価基であることが好ましい。R2乃至R10のうち少なくとも1つが構造式(10)及び構造式(11)で表される1価基である本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体は、HOMO準位が低くなるため、正孔が発光層に注入され易くなる。そのため、R2乃至R10のうち少なくとも1つが構造式(10)及び構造式(11)で表される1価基である本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体は、有機EL素子の発光層のホスト材料としてより好適である。 本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体の具体例として、化合物1乃至化合物46を以下に示す。しかしながら、本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体はこれらの化合物に限定されるわけではない。 本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体について、上述の化合物3の合成法を以下に述べる。但し、以下に述べる合成法は一例であって、これに限定されるわけではない。化合物Aの合成 アルゴン雰囲気下で、300mLの三口フラスコに、2,6−ジクロロ−3ニトロピリジン5.00gとフェニルボロン酸(PhB(OH)2)9.48g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh3)4)1.34g、炭酸カリウム(K2CO3)10.7g、水20mL、エタノール10mLを加え、100mLのトルエン溶媒中で80℃で8時間攪拌した。空冷後、有機層を分取して溶媒留去した。その後、ジクロロメタン/メタノール溶媒系で再沈殿を行い、黄色固体の化合物Aを4.31g(収率70%)得た。 化合物Aの同定は、1H−NMR測定及びFAB−MS測定により行った。尚、以下の化合物B、化合物C及び化合物3の同定も、化合物Aの同定と同様に1H−NMR測定及びFAB−MS測定により行った。また、化合物Dの同定は、1H−NMR測定及びLC−MS測定により行った。1H−NMR測定では、溶媒にCDCl3を用いた。 1H−NMR測定で測定された化合物Aのケミカルシフト値は、8.22(d, 1H),8.11−8.14(m, 2H),7.82(d, 1H),7.64−7.68(m, 2H),7.47−7.52(m, 6H)であった。また、FAB−MS測定により測定された化合物Aの分子量は、277であった。化合物Bの合成 アルゴン雰囲気下で、50mLの二口フラスコに、化合物A3.80gとトリフェニルホスフィン(PPh3)9.02gを加え、30mLのo−ジクロロベンゼン溶媒中で180℃で21時間攪拌した。空冷後、水を加えて有機層を分取し溶媒留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒を使用)で精製後、ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒で再結晶を行い、黄色固体の化合物Bを2.72g(収率81%)得た。 1H−NMR測定で測定された化合物Bのケミカルシフト値は、9.39(s, 1H),8.44(d, 1H),8.38(d, 1H),8.14(d, 1H),7.97(d, 1H),7.69−7.71(m, 4H),7.44(d, 2H)であった。また、FAB−MS測定により測定された化合物Bの分子量は、245であった。化合物Cの合成 アルゴン雰囲気下で、50mLの二口フラスコに、化合物B2.80gとブロモベンゼン1.59mL、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)22.8mg、トリ-tert-ブチルホスフィン((t-Bu)3P)30.5mg、炭酸カリウム(K2CO3)4.20gを加えて、30mLキシレン溶媒中で120℃で12時間加熱攪拌した。空冷後、水を加えて有機層を分取し溶媒留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムとヘキサンの混合溶媒を使用)で精製後、ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒で再結晶を行い、黄土色固体の化合物Cを2.31g(収率71%)得た。 1H−NMR測定で測定された化合物Cのケミカルシフト値は、8.41(q, 1H),8.14(d, 2H),7.80(q, 2H),7.44−7.71(m, 4H),7.31−7.43(m, 5H),7.43(d, 2H),7.34(d, 2H)であった。また、FAB−MS測定により測定された化合物Cの分子量は、321であった。化合物Dの合成 アルゴン雰囲気下で、50mLの二口フラスコに、化合物C1.16gとN-ブロモスクシンイミド(NBS)0.64gを加え、酢酸溶媒中で室温で24時間攪拌した。空冷後、水を加えて有機層を分取し溶媒留去した。得られた粗生成物をジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒で再結晶を行い、黄土色固体の化合物Dを1.37g(収率95%)得た。 1H−NMR測定で測定された化合物Dのケミカルシフト値は、8.65(d, 1H),8.14(d, 2H),7.79(q, 2H),7.44−7.70(m, 3H),7.29−7.40(m, 5H),7.43(d, 2H),7.34(d, 2H)であった。また、LC−MS測定により測定された化合物Dの分子量は、399、401であった。化合物3の合成 アルゴン雰囲気下、100 mLの三口フラスコに、化合物D2.00gと3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール1.76g、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)1.1mg、トリ-tert-ブチルホスフィン((t-Bu)3P)3.0mg、炭酸カリウム(K2CO3)2.08gを加えて、50mLキシレン溶媒中で120℃で12時間加熱攪拌した。空冷後、水を加えて有機層を分取し溶媒留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒を使用)で精製後、トルエン/ヘキサン混合溶媒で再結晶を行い、白色固体の化合物3を2.01g(収率63%)得た。 1H−NMR測定で測定された化合物3のケミカルシフト値は、8.75(d, 1H),8.44(d, 2H),8.16(q, 2H),7.84(q, 2H),7.67−7.76(m, 12H),7.46−7.57(m, 9H),7.32−7.46(m, 3H)であった。また、FAB−MS測定により測定された化合物3の分子量は、638であった。 実施例 本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体を緑色の燐光発光層のホストの材料に用いた有機EL素子の電流効率及び半減寿命を測定した。有機EL素子の発光層に用いたホスト材料として、上述の化合物1、化合物16及び化合物4を使用した。また、比較化合物として以下の構造式で表せる比較化合物1を有機EL素子の発光層のホスト材料として使用した。 測定に使用した有機EL素子の構成を図1に示す。図1に示す有機EL素子100は、ガラス基板102、ガラス基板102上に配置され、ITOからなる陽極104、前記陽極104上に配置され、1-TNATAを含む正孔注入層106、前記正孔注入層106上に配置され、4,4'−ビス[N,N'−(3−トリル)アミノ]−3,3'−ジメチルビフェニル(HMTPD)を含む正孔輸送層108、前記正孔輸送層108上に配置され、上述した化合物1、化合物16、化合物4又は比較化合物1の何れかをホスト材料に含み、トリス(2−フェニルピリジナート)イリジウム(III)(Ir(ppy)3)を20%濃度になるようドープした発光層110、前記発光層110上に配置され、Alq3を含む電子輸送層112、前記電子輸送層112上に配置され、LiFを含む電子注入層114、及び前記電子注入層114上に配置され、Alからなる陰極116を含む。陽極104の膜厚は150nm、正孔注入層106の膜厚は60nm、正孔輸送層108の膜厚は30nm、発光層110の膜厚は25nm、電子輸送層112の膜厚は25nm、電子注入層114の膜厚は1nm、陰極116の膜厚は100nmとした。 陽極104及び陰極116を通じて、有機EL素子100に電源から電流を流して、化合物3、化合物16、化合物4又は比較化合物1を発光層のホスト材料として使用した場合における有機EL素子100の電流効率及び半減寿命の測定結果を以下の表1に示す。尚、電流効率は10mA/cm2で測定し、半減寿命は1000cd/m2で測定した。 表1に示す通り、本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体を発光層のホスト材料として用いた有機EL素子は、比較化合物1をホスト材料として使用した有機EL素子に比べ、発光効率及び発光寿命が向上した。特に、アザカルバゾール環の窒素原子(N)に隣接する炭素原子(C)にフェニル基を導入した構造を有する化合物3をホスト材料として使用した有機EL素子は、発光寿命が著しく向上したことが分かる。 以上の実施例においては、本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体をパッシブ型の有機EL素子の有機EL材料として使用した例を説明したが、これに限定されない。カルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体は、アクティブ型の有機EL素子の有機EL材料として使用することも可能であり、アクティブ型の有機EL素子の発光効率を向上させ、長寿命化を実現することができる。 以上に説明したように、本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体を有機EL材料、特に燐光発光層のホスト材料として用いることにより、緑色発光領域において、有機EL素子の発光効率を向上させ、長寿命化を実現することができる。また、本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体は、上述した化合物に限定されず、種々の変形が可能である。 本発明のカルバゾリル基を有するアザカルバゾール誘導体を発光層のホスト材料として用いた有機EL素子は、有機EL表示装置や照明装置などに使用することができる。 100 有機EL素子 102 ガラス基板 104 陽極 106 正孔注入層 108 正孔輸送層 110 発光層 112 電子輸送層 114 電子注入層 116 陰極 下記式(1)[式(1)中、X1乃至X4は、窒素原子又はR1と単結合する炭素原子であり、R1は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6〜18のアリール基若しくはヘテロアリール基、又は炭素数1〜12のアルキル基であり、R2乃至R10は、それぞれ独立的に、炭素数6〜30のアリール基又はヘテロアリール基であり、前記X1乃至X4のうち少なくとも1つは窒素原子である。]で表される有機EL材料。 前記式(1)中、R2乃至R10は下記一般式(2)〜(11)[前記式(1)において、R11乃至R22は、それぞれ独立的に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6〜18のアリール基若しくはヘテロアリール基、又は炭素数1〜12のアルキル基である。]で表される1価基であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL材料。 前記R1は、フェニル基、メチル基又はシクロヘキシル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL材料。 下記式(1)[式(1)中、X1乃至X4は、窒素原子又はR1と単結合する炭素原子であり、R1は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6〜18のアリール基若しくはヘテロアリール基、又は炭素数1〜12のアルキル基であり、R2乃至R10は、それぞれ独立的に、炭素数6〜30のアリール基又はヘテロアリール基であり、前記X1乃至X4のうち少なくとも1つは窒素原子である。]で表される有機EL材料を含む有機EL素子。 前記式(1)中、R2乃至R10は下記一般式(2)〜(11)[前記式(1)において、R11乃至R22は、それぞれ独立的に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6〜18のアリール基若しくはヘテロアリール基、又は炭素数1〜12のアルキル基である。]で表される1価基であることを特徴とする請求項4に記載の有機EL素子。 前記R1は、フェニル基、メチル基又はシクロヘキシル基であることを特徴とする請求項4又は5に記載の有機EL素子。 【課題】発光効率を向上させ、長寿命化を実現する有機EL材料を提供する【解決手段】下記式(1)で表される有機EL材料。【化1】[式(1)中、X1乃至X4は、窒素原子又はR1と単結合する炭素原子であり、R1は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6〜18のアリール基若しくはヘテロアリール基、又は炭素数1〜12のアルキル基であり、R2乃至R10は、それぞれ独立的に、炭素数6〜30のアリール基又はヘテロアリール基であり、X1乃至X4のうち少なくとも1つは窒素原子である。]【選択図】なし