生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_新規化合物、該化合物を含有する熱硬化剤及びエポキシ樹脂組成物
出願番号:2012249510
年次:2014
IPC分類:C08G 59/50,C07D 233/60


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青山 洋平 横溝 智史 JP 2014098070 公開特許公報(A) 20140529 2012249510 20121113 新規化合物、該化合物を含有する熱硬化剤及びエポキシ樹脂組成物 株式会社ADEKA 000000387 羽鳥 修 100076532 中野 廣己 100143856 青山 洋平 横溝 智史 C08G 59/50 20060101AFI20140502BHJP C07D 233/60 20060101ALI20140502BHJP JPC08G59/50C07D233/60 104C07D233/60 3 OL 8 4J036 4J036AA01 4J036AD01 4J036AF01 4J036DA02 4J036DC40 4J036JA01 4J036JA06 4J036JA13 4J036JA15 本発明は、イミダゾール骨格を有する新規化合物に関するものであり、該化合物は、熱硬化剤として優れた保存安定性、加熱硬化性を有するものである。 エポキシ樹脂は、各種基材への接着性に優れており、また、エポキシ樹脂を硬化剤で硬化させた硬化物は、耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械特性などが比較的優れているため、塗料、接着剤、各種成形材料等の幅広い用途において賞用されている。 従来、エポキシ樹脂組成物は、使用直前に硬化剤や硬化促進剤を添加する二成分系が主流であった。二成分系は、常温あるいは低温において硬化させることができるという特徴を有しているが、その反面、使用直前に計量、混合しなければならないだけでなく、可使時間が短く、自動機械への適用が困難である等その使用条件が制限されるという欠点を有している。このような問題点を解消するために、一成分硬化性エポキシ樹脂組成物が望まれている。 このような一成分硬化性樹脂組成物を得るためには、室温では反応しないが、加熱により反応を開始し硬化する性質を有する硬化剤、いわゆる潜在性硬化剤が必要である。潜在性硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、二塩基酸ジヒドラジド、三フッ化ホウ素アミン錯塩、グアナミン類、メラミン、イミダゾール類等が提案されている。しかしながら、例えば、ジシアンジアミド、メラミン、グアナミン類をエポキシ樹脂と混合したものは、貯蔵安定性には優れているものの、150℃以上の高温で長時間硬化させる必要があるという欠点を有している。また、これらの潜在性硬化剤と硬化促進剤を併用して硬化時間を短縮することも広く行われているが、貯蔵安定性が著しく損なわれるという欠点が生じる。一方、公知のイミダゾール類は比較的低温で硬化する一方、貯蔵安定性に乏しいという問題を有している。三フッ化ホウ素アミン錯塩は、貯蔵安定性に優れ硬化時間は短いという長所があるものの耐水性に劣る上、金属に対する腐食性を持つ等それぞれに欠点を有している。 例えば、特許文献1及び特許文献2には、イミダゾール類の硬化剤が開示されている。特開平07−109261号公報特開2000−290260号公報 したがって本発明の目的は、保存安定性に優れると共に加熱硬化性にも優れた樹脂用熱硬化剤及び該熱硬化剤を用いた熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。また、本発明の目的は、保存安定性及び施工性に優れると共に、耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械特性にも優れた、熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。 本発明は、特定の構造を有するイミダゾール化合物を熱硬化剤の有効成分とすることにより、上記課題を解決したものである。また、前記熱硬化剤を用いた熱硬化性樹脂組成物が上記課題を解決したものである。 即ち、本発明は、下記一般式(1)で表される新規化合物を提供するものである。(式中、R1は、炭素原子数21〜30の置換されていてもよい炭化水素基を表し、R2は、置換されていてもよい炭化水素基を表し、R3及びR4は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、−OR5基、−SR5基、−NR6R7基、置換されていてもよい炭化水素基又は置換されていてもよい複素環基を表し、R5〜R7は、置換されていてもよい炭化水素基を表す。) また、本発明は、上記一般式(1)で表される化合物を必須成分とした熱硬化剤を提供するものである。 また、上記熱硬化剤を含有してなることを特徴とする、エポキシ樹脂組成物を提供するものである。 本発明によれば、保存安定性に優れると共に加熱硬化性にも優れた樹脂用熱硬化剤及び該熱硬化剤を用いた熱硬化性樹脂組成物が提供される。 以下、本発明について、その好ましい実施形態について詳細に説明する。 上記一般式(1)中の、R2、R3、R4、R5、R6、R7が表す置換されていてもよい炭化水素基は、置換基を有していない又は置換基を有している炭化水素基であり、置換基を有していない炭化水素基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、t−オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、イコシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル等の脂肪族炭化水素;フェニル、ナフチル等の芳香族炭化水素;ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、3−フェニルプロパン−1−イル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル等のアルキル鎖で連結された芳香族炭化水素等が挙げられ、 置換基を有している炭化水素基は、前記置換基を有していない炭化水素基のアルキル鎖が、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CS−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR−、−NR−CO−、−CO−NR−、−NR−COO−、−OCO−NR−又は−SiRR’−で中断されている、及び/又は、炭化水素基中の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、チオール基、−NH2、−COOH又は−SO2Hで置換されているものが挙げられる。R及びR’は、水素原子又は前記置換基を有していない炭化水素基である。 上記一般式(1)中のR1が表す炭素原子数21〜30の置換されていてもよい炭化水素基としては、前記R2が表す置換されていてもよい炭化水素基のうち、炭素原子数が21〜30のものが挙げられる。 本発明のイミダゾール化合物は、公知の反応を利用した方法で得ることができ、その合成方法には特に限定されない。代表的な合成方法の一例を挙げると、下記反応式のように、イミダゾール化合物(0)に酸無水物等を反応させることにより、上記一般式(1)で表される本発明の新規化合物を合成することができる。尚、反応に用いる試薬は必要に応じて変更してもよい。 上記一般式(1)で表されるイミダゾール化合物の具体的な例としては、以下に示す化合物No.1〜9などが挙げられる。 本発明の熱硬化剤は、上記一般式(1)で表されるイミダゾール化合物を含有していれば何ら限定されるものではないが、低温硬化性に優れる点で、上記一般式(1)で表されるイミダゾール化合物は、本発明の熱硬化剤中、通常20重量%以上で用いられ、好ましくは50重量%以上で用いられ、特に好ましくは70重量%以上で用いられる。 本発明の熱硬化剤において、上記一般式(1)で表されるイミダゾール化合物以外に用いられる熱硬化剤成分としては、公知の熱硬化剤が広く用いられるが、好ましくは潜在性熱硬化剤である。 本発明の熱硬化剤は、ポリエポキシ化合物を主体とする主剤と組合せて、例えば、コンクリート、セメント、モルタル、各種金属、皮革、ガラス、ゴム、プラスチック、木、布、紙等に対する塗料あるいは接着剤; 包装用粘着テープ、粘着ラベル、冷凍食品ラベル、リムーバブルラベル、P O S ラベル、粘着壁紙、粘着床材の粘着剤;アート紙、軽量コート紙、キャストコート紙、塗工板紙、カーボンレス複写機、含浸紙等の加工紙; 天然繊維、合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の収束剤、ほつれ防止剤、加工剤等の繊維処理剤; シーリング材、セメント混和剤、防水材等の建築材料などの広範な用途に使用することができるだけでなく、半導体保護のための封止や電子部品の接着などの電子材料用途、自動車用材料の用途にも好適である。 本発明のエポキシ樹脂組成物は、少なくともエポキシ樹脂と上記熱硬化剤を有していればよい。 本発明において使用されるエポキシ樹脂は、一般にエポキシ樹脂として使用されているものであれば特に限定されないが、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノールなどの単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノールなどの多核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物などの多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族又は脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類及びグリシジルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物が挙げられる。 本発明においては、これらのエポキシ樹脂の中でも、特に液状のビスフェノール型エポキシ樹脂を使用することが、より優れた性能の硬化物を得るという観点から好ましい。 本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明の熱硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.001〜50重量部であり、好ましくは0.01〜35重量部である。 ここで、本発明のエポキシ樹脂組成物中、エポキシ樹脂の含有量は、10〜95重量%であることが好ましく、25〜80重量%であることが更に好ましい。 本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて溶媒;硬化促進剤;希釈剤;ガラス繊維、炭素繊維、セルロース、ケイ砂、セメント、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、ベントナイト、タルク、シリカ、微粉末シリカ、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、瀝青物質などの充填剤もしくは顔料; 増粘剤; チキソトロピック剤; 難燃剤; 消泡剤; 防錆剤; コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の、常用される添加物を含有させてもよい。更に、キシレン樹脂や石油樹脂等の、粘着性の樹脂類を併用することもできる。 以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。 実施例1は、上記一般式(1)で表されるイミダゾール化合物の合成例を示し、実施例2及び比較例1〜2は、エポキシ樹脂組成物の製造例及び評価例を示す。〔実施例1〕化合物No.1の合成 2−ドコシル−1H−イミダゾール(4.0mmol、1.51g)及びテトラヒドロフラン(10ml)をフラスコに仕込み、0℃まで冷却した後、二炭酸ジ−tert−ブチル(4.4mmol、0.96g)を加えた。室温まで昇温し、更に24時間撹拌した後、反応液に酢酸エチル(20ml)及び水(20ml)を加え、油水分液を行った。得られた有機層をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相;ヘキサン:酢酸エチル=95:5)により精製することで、白色固体を0.85g(収率45%)得た。融点65℃、分解点187℃(TG/DTAより)。得られた固体が、化合物No.1であることを1H−NMRを用いて確認した。データを[表1]に示す。〔実施例2及び比較例1〜2〕エポキシ樹脂組成物の加熱硬化時間及び保存安定性評価 エポキシ樹脂(ADEKA製EP−4901L)1g及びイミダゾール化合物(化合物No.1及び比較化合物No.1〜2)2×10-4molを混合し、ホモジナイザーで撹拌することにより、実施例2及び比較例1〜2の樹脂組成物をそれぞれ得た。得られた樹脂組成物を2枚のスライドガラスで挟み、150℃のホットプレート上に置いて硬化させた。この時、互いのスライドガラスがピンセットで動かなくなった時点を硬化時間とした。 また、保存安定性を見るべく、エポキシ樹脂とイミダゾール化合物との混合の終了直後の粘度、及び、混合終了後、得られた樹脂組成物を25℃で、17時間静置した時の粘度をコーンプレート型粘度計(東機産業製TVE−22H)で測定した。この時、(17時間後の粘度)/(混合直後の粘度)を相対粘度とした。データを[表2]に示す。 [表2]の結果より、比較例1〜2と比べて高い保存安定性を示すことから、本発明のイミダゾール化合物及びこれを用いた樹脂組成物は塩基発生剤として優れていることは明白である。 下記一般式(1)で表される新規化合物。(式中、R1は、炭素原子数21〜30の置換されていてもよい炭化水素基を表し、R2は、置換されていてもよい炭化水素基を表し、R3及びR4は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、−OR5基、−SR5基、−NR6R7基、置換されていてもよい炭化水素基又は置換されていてもよい複素環基を表し、R5〜R7は、置換されていてもよい炭化水素基を表す。) 請求項1に記載の新規化合物を含有してなることを特徴とする熱硬化剤。 請求項2に記載の熱硬化剤を含有してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 【課題】保存安定性に優れると共に加熱硬化性にも優れた樹脂用熱硬化剤及び該熱硬化剤を用いた熱硬化性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】下記一般式(1)で表される新規化合物、該化合物を含有する熱硬化剤及びエポキシ樹脂組成物。(式中、R1は、炭素原子数21〜30の置換されていてもよい炭化水素基を表し、R2は、置換されていてもよい炭化水素基を表し、R3及びR4は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、−OR5基、−SR5基、−NR6R7基、置換されていてもよい炭化水素基又は置換されていてもよい複素環基を表し、R5〜R7は、置換されていてもよい炭化水素基を表す。)【選択図】なし


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