タイトル: | 公開特許公報(A)_検査用照明装置及び検査装置 |
出願番号: | 2012232874 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | G01N 21/84 |
西原 隆 JP 2014085173 公開特許公報(A) 20140512 2012232874 20121022 検査用照明装置及び検査装置 凸版印刷株式会社 000003193 西原 隆 G01N 21/84 20060101AFI20140415BHJP JPG01N21/84 E 6 6 OL 7 2G051 2G051AA11 2G051AB02 2G051BA01 2G051BA04 2G051BA10 2G051BB15 2G051BB20 2G051CA03 2G051CB01 2G051DA08 本発明は、フィルム製品やプラスチック製品など表面に光沢を持つ製品の検査に用いる照明装置であり、特に、撮像カメラを用いた光学的な検査装置に用いられ、拡散性の少ない光を撮像カメラレンズ付近に集光するような照明装置に関するものである。 パッケージや包装材料などで、フィルムやプラスチックなど表面に光沢を持つ素材を用いた多くの製品が実用化されている。これらの製品を製造するときに、表面の傷や欠陥などを検査するために、非接触で検査できる撮像カメラによる検査装置が広く用いられている。 このような検査装置では、普通、検査物体に拡散性の少ない照明光をあて、その正反射方向に撮像カメラを設置して反射光の強度測定を行うことにより、表面の状態を検査している。拡散性の少ない光が光沢のある物質表面で反射した場合、正反射方向に強い光が反射されるが、傷や異物などがある場合には、異なる方向に射出されたり拡散されたりするので、その部分が影となり検出することができる。シートフィルムや平面など単純な形状の製品では、このような検査に用いる照明用光源は普通にスポットライトなどを用いることができる。 しかし、例えば、ペットボトルなど、形状が曲面であったり凸凹があったりする場合には、各面からの反射光が色々な方向になるので、拡散性の小さい照明光では撮像カメラで捕らえることが難しく、検査精度を上げにくい(傷や異物を検出しにくい)という問題があった。特表昭61−502009号公報特開2002−250695号公報タカノ(株)画像計測グループ、フィルム/シート検査装置 Hawkeys(Laser)、インターネット(http://www.takano-kensa.com/souchi/filmlaser.html) 上述したように、従来の検査装置では、表面光沢がある素材で作られた曲面や凸凹のある形状の製品について、検査物体を適切に照明することが困難であるという課題があった。 本発明は、このような課題を解決するためになされるものであり、ホログラムを用いることで、検査物体に入射する光の方向を制御して、その正反射光が撮像カメラレンズ付近に集光できるようにすることで、複雑な形状の製品の表面欠陥などを簡単に検査できるようにする照明装置及び検査装置を提供することを目的としている。 そこで本発明の請求項1の発明は、 検査物体を照明し、その検査物体からの反射光を撮像カメラで撮像して検査する際に用いられる検査用照明装置であって、 照明用光源と、ホログラムと、で構成され、 前記照明用光源から発する照明光は、平行光とされ、 前記平行光は予め作成された前記ホログラムを介して前記検査物体に照明され、 前記ホログラムは予め作成された回折格子を有するもので、第一のレーザー光が検査物体に照射され反射したレーザー光(物体光)と、ホログラム用感光剤が塗布された乾板に照射された第二のレーザー光(参照光)とによって作成された回折格子を有するホログラムであることを特徴とする検査用照明装置である。 請求項2の発明は、 前記照明用光源は、発光波長幅の狭い単色LEDであることを特徴とする請求項1に記載の検査用照明装置である。 請求項3の発明は、前記ホログラムを作成する場合に用いられる第一のレーザー光は、検査物体に対して前記撮像カメラと同じ方向から照射されることを特徴とする請求項1または2に記載の検査用照明装置である。 請求項4の発明は、前記ホログラムを作成する場合に用いられる第二のレーザー光は、ホログラムに対して、前記照明用光源と逆の方向から照射されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の検査用照明装置である。 請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかの検査用照明装置を用いて検査物体を照明し、該検査物体を撮像カメラで撮像して検査することを特徴とする検査装置である。 請求項6の発明は、 前記撮像カメラはラインカメラであって、更に前記検査物体を回転させながら画像取得することを特徴とする請求項5に記載の検査装置である。 本発明によれば、照明装置にホログラムを用いることで検査物体表面に自由な角度から入射する光をつくることができ、検査物体の形状や凸凹に合わせて、正反射した光が、検査に用いる撮像カメラに入るような光とすることによって、複雑な形状をした検査物であっても、全体の正反射光が撮像カメラで観察できるため精度の良い表面検査を行うことができる。本発明の検査用照明装置の一例を示す概要図。本発明で用いるホログラムの作成方法の一実施例を示す概要図。ホログラムを再生したときの回折光の一例を示す概要図。ホログラムを異なる波長で再生したときの回折光の一例を示す概要図。本発明に係る光源の波長特性の一例を示す概要図。本発明に係る検査装置の一例を示す概要図。 以下、本発明の検査用照明装置について図面を用いて、詳細に説明する。図1は本発明の検査用照明装置を用いた検査装置の一例を示す概要図である。本発明の検査用照明装置は、照明用光源1、ホログラム2によって構成されている。 図1に示される照明用光源1から発した平行光(平行光に近い光でも良い、以下同じ)である照明光3は、ホログラム2に入射する。この光はホログラム2で回折されて、その回折光4が光沢のある検査物体5を照明する。回折光4は検査物体5の各面に対して、その正反射光6がある位置7付近に集まるような方向から入射する光となっている。 このため、撮像カメラ8のレンズを、この位置7に設置することによって、検査物体5の各面から反射された正反射光6を撮像カメラ8で撮像することができるので、検査物体5の表面検査を行うことができる。 図1の照明装置に用いているホログラム2は予め作成される。次に、作成方法について説明する。ホログラム2は、例えば図2に示す光学系により作成することができる。この光学系では、検査物体5と同じ形状で、表面に反射層を設けた反射物体9を使用する。図示しないレーザー光源から生じた第一のレーザー光10で照明された拡散板11からの拡散光13が、撮像カメラ8に相当する位置に置かれたマスク12の開口部を通過して拡がり、検査物体と同じ形状の反射物体9を照明する。この拡散光13は反射物体9で反射され、その反射光14はホログラム用感光剤が塗布された乾板15に入射する。 一方、同じく図示しないレーザー光源から生じた第二のレーザー光16は平行光の形で乾板15に照射される。反射光14を物体光、平行光16を参照光として、これらの干渉により乾板15にホログラムが記録される。このホログラムは干渉縞を有している。このようにして乾板15に作成したホログラム15aを、図3に示すように参照光16と同じ波長で、反対方向からの光17(再生光17)で照明すると、ホログラムからは回折光18が生じる。 この時の回折光18は、図3に示すように、撮影時の反射物体9に向かうような光となり、この位置に反射物体9を置いて反射させると、撮影時のマスク12の位置に集光されるような光19となっている。反射物体9は、検査物体5と同じ形状なので、このようにして作成したホログラム15aからの回折光は検査物体5を照明したときに、その正反射光が、マスク12に相当した狭い範囲に集光するような回折光を生じるものになる。 一般的にホログラムでは、図4に示すように撮影時と異なる波長の再生光20で再生すると、回折される光21(別の波長の回折光21)の方向が変わる。波長の違いが大きいほど回折光の方向も大きく違ってくる。このため、光源の波長が広い範囲であると、予定外の方向から検査物体に入射する光が生じて、ノイズ光となり検査の精度を悪くする。そこで、図5に概略的に示すように、なるべく狭い波長範囲で発光するような光源を用いることが望ましい。このような狭い波長幅で発光する光源としては、例えば単色のLEDを用いることが出来る。 ところで、ペットボトルなど多くの容器は、ほぼ回転対称の形をしている。こういった容器の検査では、1方向からの撮像カメラでは全面が見られないので、検査物体を回転させながらラインカメラで検査を行うことによって全面の検査を行うことが出来る。ボトルなどの容器は、光沢のあるプラスチックで形成される場合が多く、また表面が曲面となっているので、本発明の照明装置を用いると検査精度の高い(異物や異物などの表面欠陥が検出しやすい)検査を行うことが出来る。 図6は、本発明の検査用照明装置を用いた検査装置の一例を示したもので、ボトルなどのほぼ回転対称な形をした光沢のある検査物体を検査するために用いた場合を例示したものである。検査装置は、ホログラム22、照明用光源23、ラインカメラ24、検査物体の回転機構25から構成されている。照明用光源23から発した平行に近い照明光26は、ホログラム22に入射する。この光はホログラム22で回折されて、その回折光27が光沢のある検査物体28を照明する。回折光27は検査物体28に対して、その正反射光29が撮像カメラ24のレンズ付近に集まるような光となるので、撮像カメラ24で検査物体28表面の縦一列の画像を得ることができる。検査物体28を回転機構25で回転させながら、撮像カメラで一周分の画像を取得して、検査することで、検査物体28の全面の検査を行うことができる。 (実施例) 検査物体として、表面にレリーフ状の模様が形成されている10cm角のプラスチック板を選んで、図3に示したような光学系を用いてホログラムを作成した。このプラスチック板をガラス板に接着剤で貼り付けて、表面にアルミ蒸着を施して、反射物体9の位置に設置した。レーザー光としては半導体YAGレーザーの532nmの波長の光を用いた。拡散板にはスリガラスを用いて、直径10cmの丸い開口を持つマスクを用いた。マスクから50cm離れた位置に用意した反射物体を設置して、反射物体から30cmの位置に感光剤を塗布した乾板を設置した。感光材料としては30cm×40cmのフォトポリマー感光材料を用いている。参照光は、同じレーザー光源からの光を対物レンズと凹面鏡で広げて平行光にすることで得ている。 このようにして、フォトポリマー感光材料に、干渉縞を露光記録した後、現像処理をすることでホログラムを作成した。作成したホログラムを用いて、図1に示すような系により、カメラ撮像を行った。尚、この時には検査物体としては、反射物体と同形状の蒸着してないプラスチック板を用いている。撮像カメラにはモノクロのCマウントのエリアカメラを用いている。作成したホログラムに対し、緑の単色LEDからの光を凸レンズでほぼ平行光となるようにして、作成時の参照光と逆方向から照射した。用いたLEDは、中心波長が525nmで、発行波長の半値幅が30nm程度のものである。 ホログラム、検査物体、撮像カメラをそれぞれ、撮影時の感光材料、反射物体、マスクに対応する位置にセットした後、撮影と再生の波長が若干異なるので、位置は撮像カメラ画像を見ながら調整した。このようにして、撮像カメラ画像を観察したところ、検査物体の全面がほぼ均一な明るさの像として観察できた。 次に、検査物体の表面に傷をつけてから観察したところ、撮像カメラ画像上で傷部分が影となって観察された。 プラスチック製品など表面に光沢を持つ曲面形状の製品の表面形状の検査に用いる検査装置に、本発明による照明装置を用いると、検査物体で反射した光が、撮像カメラに入るように集まるので、傷などの欠陥を簡単な系で検出することができる。このため、ペットボトルなどの容器の検査装置をシンプルで安価なものにすることができる。1・・・照明用光源2・・・ホログラム3・・・照明光4・・・回折光5・・・検査物体6・・・反射光7・・・集光位置8・・・撮像カメラ9・・・反射物体10・・・第一のレーザー光11・・・拡散板12・・・マスク13・・・拡散光14・・・反射光15・・・乾板15a・・・ホログラム16・・・第二のレーザー光17・・・再生光18・・・回折光19・・・反射光20・・・再生光21・・・別波長での回折光22・・・ホログラム23・・・照明用光源24・・・撮像カメラ25・・・回転機構26・・・照明光27・・・回折光28・・・検査物体29・・・反射光 検査物体を照明し、その検査物体からの反射光を撮像カメラで撮像して検査する際に用いられる検査用照明装置であって、 照明用光源と、ホログラムと、で構成され、 前記照明用光源から発する照明光は、平行光とされ、 前記平行光は予め作成された前記ホログラムを介して前記検査物体に照明され、 前記ホログラムは予め作成された回折格子を有するもので、第一のレーザー光が検査物体に照射され反射したレーザー光(物体光)と、ホログラム用感光剤が塗布された乾板に照射された第二のレーザー光(参照光)とによって作成された回折格子を有するホログラムであることを特徴とする検査用照明装置。 前記照明用光源は、発光波長幅の狭い単色LEDであることを特徴とする請求項1に記載の検査用照明装置。 前記ホログラムを作成する場合に用いられる第一のレーザー光は、検査物体に対して前記撮像カメラと同じ方向から照射されることを特徴とする請求項1または2に記載の検査用照明装置。 前記ホログラムを作成する場合に用いられる第二のレーザー光は、ホログラムに対して、前記照明用光源と逆の方向から照射されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の検査用照明装置。 請求項1から4のいずれかの検査用照明装置を用いて検査物体を照明し、該検査物体を撮像カメラで撮像して検査することを特徴とする検査装置。 前記撮像カメラはラインカメラであって、更に前記検査物体を回転させながら画像取得することを特徴とする請求項5に記載の検査装置。 【課題】ホログラムを用いることで、検査物体に入射する光の方向を制御して、その正反射光が撮像カメラレンズ付近に集光できるようにすることで、複雑な形状の製品の表面欠陥などを簡単に検査できるようにする照明装置及び検査装置を提供する。【解決手段】検査物体を照明し、その検査物体からの反射光を撮像カメラで受光して検査する際に用いられる検査用照明装置であって、照明用光源と、ホログラムと、で構成され、前記照明用光源から発する照明光は、平行光とされ、前記平行光は予め作成された前記ホログラムを介して前記検査物体に照明され、前記ホログラムは予め作成された回折格子を有するもので、第一のレーザー光が検査物体に照射され反射したレーザー光(物体光)と、ホログラム用感光剤が塗布された乾板に照射された第二のレーザー光(参照光)とによって作成された回折格子を有するホログラムであることを特徴とする検査用照明装置。【選択図】図6