タイトル: | 公開特許公報(A)_抗炎症剤 |
出願番号: | 2012231743 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | A61K 35/64,A61P 29/00,A61P 17/02,A61P 39/00 |
山口 喜久二 河野 透 JP 2014084277 公開特許公報(A) 20140512 2012231743 20121019 抗炎症剤 山口 喜久二 507123992 特許業務法人 津国 110001508 津国 肇 100078662 柳橋 泰雄 100131808 伊藤 佐保子 100119079 小澤 圭子 100135873 三宅 俊男 100116528 鈴木 音哉 100141357 山口 喜久二 河野 透 A61K 35/64 20060101AFI20140415BHJP A61P 29/00 20060101ALI20140415BHJP A61P 17/02 20060101ALI20140415BHJP A61P 39/00 20060101ALI20140415BHJP JPA61K35/64A61P29/00A61P17/02A61P39/00 2 OL 4 4C087 4C087AA01 4C087AA02 4C087AA03 4C087BB22 4C087CA02 4C087MA63 4C087NA14 4C087ZA89 4C087ZB11 4C087ZC37 本発明は、抗悪性腫瘍剤に伴う爪周囲炎に対する抗炎症剤に関する。 セツキシマブ(Cetuximab)は、上皮成長因子受容体(EGFR)に結合して、EGFRの働きを阻害するモノクローナル抗体である。抗がん剤として使用され、癌の増殖などに関係する特定の分子を狙い撃ちする分子標的治療薬のひとつである。 セツキシマブはIgG1に属するヒト・マウスキメラ化モノクローナル抗体であり、点滴静注で使用される。商品名はアービタックス(登録商標)である。 日本ではEGFR陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌の治療薬として製造販売承認を受けている。 セツキシマブは、細胞表面に存在するEGFRのリガンド結合部位に、EGFの5倍の親和性を持ってEGFと競合的に結合し、EGFRの活性化、二量体化を阻害する。また細胞表面にあるEGFRを細胞内へ内在化させる。これらの結果、EGFRからのシグナル伝達が遮断され、癌細胞は増殖できずアポトーシスに陥る。また、セツキシマブはIgG1に属する抗体であるため、抗体依存性細胞障害(ADCC)が抗腫瘍効果に関与している可能性もある。 セツキシマブの重大な副作用として、重度の皮膚症状、主にざ瘡様皮疹、皮膚の乾燥及び亀裂、続発する炎症性及び感染性の症状が報告されている。中でも、爪周囲炎は、痛みが激しく、また、従来の抗生物質やステロイド剤では、治療が困難であるという問題があった。 蜂蜜は、古来、生薬、滋養強壮薬として知られ、日本薬局方にも収載されている。また、近年、ヘリコバクター・ピロリの除菌作用も報告されている(特許文献1)。国際公開第2008/133098号パンフレット 本発明は、抗悪性腫瘍剤に伴う爪周囲炎に対する抗炎症剤を提供する。 本発明者らは、ウイキョウ蜂蜜が、抗悪性腫瘍剤に伴う爪周囲炎に対する抗炎症作用を有することを見出し、本発明を完成させた。 すなわち、本発明は、下記: [1]ウイキョウ蜂蜜を含む、抗悪性腫瘍剤に伴う爪周囲炎に対する抗炎症剤、 [2]抗悪性腫瘍剤が、セツキシマブである、[1]に記載の抗炎症剤、に関する。 本発明において、抗悪性腫瘍剤とは、抗ヒトEGFRモノクローナル抗体であり、好ましくは、セツキシマブ(アービタックス(登録商標))である。 本発明において、蜂蜜は、ウイキョウ(茴香:Foeniculum vulgare)から得られたものである。好ましくは、山口喜久二自然養蜂方式(http://www.jrj.co.jp/natural_rj/ naturalrj.html)によって作られたウイキョウ単一種完熟蜂蜜である。 本発明の抗炎症剤は、その剤型、用法等が特に制限されるものではなく、例えば、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、軟膏等の皮膚用製剤等の医薬品又は医薬部外品など、各種剤型とすることができる。 本発明の抗炎症剤における蜂蜜の配合量は、特に制限されるものではなく、蜂蜜の種類、剤型などによって、適宜選定することができ、通常、組成物全体に対して0.01〜50w/w%、好ましくは、1〜20w/w%である。 本発明の抗炎症剤は、本発明の効果を妨げない限り、緩衝剤、溶解補助剤、等張化剤、安定化剤、粘稠剤、キレート剤、pH調整剤、清涼化剤等の各種の添加剤を通常使用量において配合することができる。 本発明の抗炎症剤は、抗悪性腫瘍剤に伴う爪周囲炎に対する処置に有用である 処方例1.ステアリン酸 5.0%2.ベヘニルアルコール 5.0%3.パルミチン酸イソプロピル 4.0%4.自己乳化型モノステアリン酸グリセリル 5.0%5.1,3−ブチレングリコール 3.0%6.濃グリセリン 3.0%7.防腐剤 適量8.ウイキョウハチミツ 15.0%9.ローヤルゼリーエキス 0.1%10.水 残量 アービタックスに伴う爪周囲炎に対する本発明の軟膏の効果を検討した。本発明の軟膏を1日4〜5回患部に塗布した。塗布前には、痛みが(+++)であったところ、塗布1日目には、(++)に、塗布3日目には、(+)に、塗布5日目には、(−)となった。塗布11日目には、ほぼ完治となり、塗布11日目には、ほぼ完治となった。 同様な使用試験により、他の市販蜂蜜について検討したところ、抗炎症効果を示したものは見出せなかった。 本発明の抗炎症剤は、抗悪性腫瘍剤に伴う爪周囲炎に対する処置に有用である。 ウイキョウ蜂蜜を含む、抗悪性腫瘍剤に伴う爪周囲炎に対する抗炎症剤。 抗悪性腫瘍剤が、セツキシマブである、請求項1に記載の抗炎症剤。 【課題】上皮成長因子受容体(EGFR)に結合して、EGFRの働きを阻害するモノクローナル抗体(セツキシマブ、Cetuximab)のような抗悪性腫瘍剤に伴う爪周囲炎に対する抗炎症剤の提供。【解決手段】ウイキョウ(茴香:Foeniculum vulgare)から得られた蜂蜜(薬蜜)を含む抗炎症剤。【選択図】なし