生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_細胞増殖阻害抑制剤
出願番号:2012175101
年次:2014
IPC分類:A61K 31/05,A61K 47/22,A61K 9/08,A61K 9/10,A61K 8/34,A61K 8/49,A61Q 19/00,A61P 43/00,A23L 1/30


特許情報キャッシュ

池本 一人 JP 2014034525 公開特許公報(A) 20140224 2012175101 20120807 細胞増殖阻害抑制剤 三菱瓦斯化学株式会社 000004466 池本 一人 A61K 31/05 20060101AFI20140128BHJP A61K 47/22 20060101ALI20140128BHJP A61K 9/08 20060101ALI20140128BHJP A61K 9/10 20060101ALI20140128BHJP A61K 8/34 20060101ALI20140128BHJP A61K 8/49 20060101ALI20140128BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20140128BHJP A61P 43/00 20060101ALI20140128BHJP A23L 1/30 20060101ALI20140128BHJP JPA61K31/05A61K47/22A61K9/08A61K9/10A61K8/34A61K8/49A61Q19/00A61P43/00 107A23L1/30 BA23L1/30 Z 7 OL 14 4B018 4C076 4C083 4C206 4B018MD08 4B018MD18 4B018ME10 4B018ME14 4C076AA11 4C076AA22 4C076DD60 4C076FF67 4C083AC471 4C083AC472 4C083AC851 4C083AC852 4C083BB51 4C083CC02 4C083DD23 4C083EE11 4C206AA01 4C206AA02 4C206CA20 4C206MA02 4C206MA05 4C206MA37 4C206MA43 4C206NA07 4C206ZB22本発明は、ピロロキノリンキノン類を用いてレスベラトロールの細胞増殖阻害作用を低減させる組成物に関する。レスベラトロール(5−パラヒドロキシスチリルレゾルシノール、又は3,4’,5−スチルベントリオールとも称する)は、赤ワインおよびその原料であるブドウの皮・種子、またマルベリー、ピーナッツ、大黄から見出されるポリフェノール系フラボノイドである。近年の分子生物学的な研究において老化、寿命制御のメカニズムが明らかにされていく中で、サーチュイン遺伝子が同定されている。このサーチュイン遺伝子は老化を遅らせる長寿遺伝子として注目されている。レスベラトロールはサーチュイン遺伝子SRIT1などの活性を制御して細胞を抗寿命化する効能が知られている(非特許文献1)。これ以外にもレスベラトロールは女性ホルモン様作用、ラジカル消去能、チロシナーゼ活性阻害作用、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用、抗菌作用、神経保護作用、脂質代謝の改善等、多くの機能が知られており、生体、細胞レベルで多くの研究が行われている。また、美容面においても重要で、その応用が提案されている(特許文献1)。更に、古くから食品などの褐変化反応として知られているメイラード反応に関して、レスベラトロールが当該反応抑制に有効であることが報告されている(特許文献2)。メイラード反応は、アミノ酸、タンパク質、ペプチド等のアミノ基と、還元糖などのカルボニル基が非酵素的に結合する反応であり、この反応により、食品の色、香り、物性が劣化するため、この反応抑制することにより、食品の品質劣化を防止することができる。また、メイラード反応は生体内でも起こっており、糖尿病患者においては高血糖によるAGEの蓄積とタンパク質架橋形成物が生じ、神経障害、網膜症、アテローム性動脈硬化などの糖尿病合併症が引き起こされる。特に老化に伴い、同様な反応が進行し、皮膚のハリや弾力性の低下などの老化症状の原因になっていると云われており、レスベラトロールがこの反応を阻害することによって老化を防止することが出来る。レスベラトロールは、このような有効な効能を有する一方で、細胞増殖を阻害する作用を有することが知られて、高濃度での細胞への投与は困難である(非特許文献3)。多くの有効な機能を有しているにもかかわらず、高濃度での使用が制限されるのは、研究試薬として好ましくない。また、食品、医薬品、化粧品として使用するにも好ましくない。このため、レスベラトロールの細胞増殖阻害を抑制する物質の合成が行われている(非特許文献2)。新規な誘導体は設計により有効性を上げる手法として最も適している。しかし、新たな物質の合成は多くの有機反応を行う必要と莫大な時間を必要とするために多くの費用を必要とする。また、誘導体は元のレスベラトロールが有していた機能を失わせる可能性もあるために、機能評価も必要で、多くの費用が必要になる。そのため、安価で容易に入手することができる物質になるまでに多くの時間を必要とする。特表2001−510777号公報特開2002−293736号公報Cell, 127, p1109,2005Nature reviews Drug Discovery Vol7, p841, 2008Chemistry central Journal, vol5, p88,2011,本発明者は、レスベラトロールの細胞増殖阻害作用を安価で容易に抑制する組成物及びその製造方法を提供することを課題とした。本発明者は細胞増殖阻害作用を抑制させる方法を鋭意検討した結果、本発明に至った。以下に示す内容の発明である。[1]式1に示すレスベラトロールとピロロキノリンキノン類を含む細胞増殖阻害抑制剤。[2]ピロロキノリンキノン類がレスベラトロールに対して重量比で0.01から100含むことを特徴とする、[1]記載の細胞増殖阻害抑制剤。[3]ピロロキノリンキノン類が式2に示す酸化型ピロロキノリンキノン、式3に示す還元型ピロロキノリンキノン又はこれらの塩である、[1]又は[2]記載の細胞増殖阻害抑制剤。[4][1]〜[3]いずれか記載の細胞増殖阻害抑制剤を添加した食品。[5][1]〜[3]いずれか記載の細胞増殖阻害抑制剤を添加した化粧品。[6][1]〜[3]いずれか記載の細胞増殖阻害抑制剤を含む試薬。[7][1]〜[3]いずれか記載の細胞増殖阻害抑制剤を溶液又は懸濁液の状態で細胞に接触させる、レスベラトロールの細胞増殖阻害の抑制方法。本発明により、安価で容易にレスベラトロールの細胞増殖阻害作用を抑制させる組成物を提供することが可能になった。 本発明は、式(1)に示す構造を有するレスベラトロールとピロロキノリンキノン類を含む細胞増殖阻害抑制剤である。レスベラトロールは、有機合成法、抽出法のどちらの方法で得られるものでもよい。また純品として単離されたものでなくともよい。混合物としてはブドウ由来の成分として濃縮されたものが手に入れやすい。具体的にはオリザ油化株式会社のレスベラトロールP5(レスベラトロール5%含有)やレスベラトロールWSPC0.5等を使用できる。本発明においてピロロキノリンキノン類とは、ピロロキノリンキノン(以下、PQQと略すことがある)又は還元型ピロロキノリンキノン又はそれらの塩を示す。ピロロキノリンキノンは式(3)に示す構造を有し、還元型ピロロキノリンキノンは式(2)に示す構造を有する。還元型ピロロキノリンキノンとピロロキノリンキノンは混在しても問題ない。式2,3に記載した物質はトリカルボン酸化合物である。これらの化合物を使用する場合はこれらの塩でも構わなく、具体的にはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩として使用することができる。アルカリ金属はトリカルボン酸に対して、モノ、ジ、トリの置換数どれでもよい。また、アルカリ金属との比は0.5、1、1.5のどれでもよい。より好ましくはフリー体、ナトリウム塩、カリウム塩が入手しやすく、使用しやすい。式2、3の化合物は単独、もしくは混合して使用することができる。式(2)の還元型ピロロキノリンキノンは式(3)のピロロキノリンキノンを還元することにより得ることができる。ピロロキノリンキノンは培養や有機合成で得ることができる化合物である。本発明ではピロロキノリンキノンの製造法はどのような方法であっても問題がない。本発明の細胞増殖阻害抑制剤はレスベラトロールとピロロキノリンキノン類を混合することで容易に作成可能である。混在する割合は重量比としてレスベラトロール1に対してピロロキノリンキノン類0.01から100加えればよい。好ましくは0.05から20、さらに好ましくは0.1から10である。混合は粉末、溶液、懸濁液で行うことが可能である。また、使用時に混合する形でもかまわない。混合は粉末で行う場合、粉体同士を混合、または、水、アルコール、油脂のような分散媒を用いて混合できる。分散媒を用いる場合はレスベラトロールが水に溶けにくいため、溶解できる有機溶媒、具体的にはジメチルスルホキシド等に溶かしてピロロキノリンキノン類の溶液に加えることで、均一に混合できる。懸濁の場合、水、アルコール、油脂に各粉末を加えることで達成できる。本発明の細胞増殖阻害抑制剤は、当該抑制剤組成物であるレスベラトロールとピロロキノリンキノン類を対象物に対して別々添加しても構わない。この場合、添加する量は重量比でレスベラトロール1に対してピロロキノリンキノン類が0.01〜100の範囲であることが好ましい。好ましくは0.05から20、さらに好ましくは0.1から10である。さらに好ましくは0.1から10である。この範囲よりピロロキノリンキノン類が少ないと効果がなく、この範囲より多いとピロロキノリンキノン類が多すぎてレスベラトロールの効果が低い。また添加のタイミングは0〜4時間の範囲内で行うことが好ましい。本発明の細胞増殖阻害抑制剤は直接、細胞に作用させる細胞生物学や生化学の研究用試薬として使用することができる。また、レスベラトロールを有効成分として配合する医薬品、医薬部外品として若しくは食品、機能性食品又は飼料等に添加、配合して使用することができる。ここでいう機能性食品とは、健康食品、栄養補助食品、栄養機能食品、栄養保健食品等、健康の維持あるいは食事にかわり栄養補給の目的で摂取する食品を意味している。また、化粧品としても使用することができる。細胞増殖阻害を低減させることは高濃度で使用する際の毒性の低減として有効である。また、配合をしておけばレスベラトロールによる副作用の起こる危険性を下げる。具体的な形態としてはカプセル剤、タブレット、チュアブル、錠剤、細粒剤、顆粒剤、粉剤、ドリンク剤、カプレット、口腔内溶解型錠剤、注射剤、内服用液剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは錠剤又はカプセル剤である。本発明に係る液剤の製品化には、通常用いられる種々の添加剤を配合することができる。添加剤としては例えば、安定化剤、界面活性剤、可溶化剤、緩衝剤、甘味剤、矯味剤、懸濁化剤、抗酸化剤、清涼化剤、着香剤・香料、乳化剤、pH調整剤、分散剤、芳香剤、防腐剤、保存剤等が挙げられる。安定化剤としては、例えばアジピン酸、アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、L−アルギニン、安息香酸ナトリウム、イノシトール、エデト酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グリシン、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、酢酸トコフェロール、ゼラチン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、無水クエン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、リン酸水素ナトリウム等が挙げられる。界面活性剤としては、コレステロール、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリルアルコール、セスキオレイン酸ソルビタン、セタノール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリソルベート、マクロゴール、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセリン、モノラウリン酸ソルビタン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール等が挙げられる。可溶化剤としては、L−アスパラギン酸、L−アルギニン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ナトリウムソルビタン脂肪酸エステル、炭酸水素ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリソルベート、ポリビニルアルコール、D−マンニトール、無水エタノール等を例示することができる。緩衝剤としては、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸マグネシウム、アミノエチルスルホン酸、L−アルギニン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、グリシン、炭酸水素ナトリウム、乳酸、ブドウ糖、無水クエン酸、無水クエン酸ナトリウム、無水リン酸一水素ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム等を使用することができる。甘味剤としては、アスパルテーム、アマチャ、カンゾウ、果糖、果糖ブドウ糖液、ブドウ糖果糖液糖、還元麦芽糖水アメ、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、高果糖液糖、ブドウ糖、水アメ、乳糖、白糖、精製白糖、ハチミツ、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア、スクラロース、エリスリトール、キシリトール、D−ソルビトール、マルチトール、マルトース、D−マンニトール、単シロップ等を挙げることができる。矯味剤としては、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、DL−アラニン、5′−イノシン酸二ナトリウム、ウイキョウ、塩化ナトリウム、オレンジ油、カカオ末、カンフル、グリシン、グリセリン、L−グルタミン酸、サフラン、酒石酸、ショウキョウ、D−ソルビトール、ハッカ、アジピン酸、フマル酸、ペパーミント、ボルネオール、メントール、リュウノウ、緑茶末、リンゴ果汁、リンゴ酢、レモン油、ローズ油、ローヤルゼリー等を使用することができる。懸濁化剤としては、例えばアラビアゴム、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、カンテン、キサンタンガム、グリセリン脂肪酸エステル、酸化チタン、ショ糖脂肪酸エステル、ステリアルアルコール、ステアリン酸アルミニウム、セタノール、精製ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、大豆レシチン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペクチン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、モノステアリン酸グリセリン、流動パラフィン等を挙げることができる。抗酸化剤としては、アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、塩酸システイン、酢酸トコフェロール、大豆レシチン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル等を例示することができる。清涼化剤としては、ゲラニオール、ハッカ水、ハッカ油、ボルネオール、メントール、ミント等が挙げられる。着香剤・香料としては、ウイキョウ、エチルバニリン、エチルマルトール、オレンジ、カンフル、ケイヒ、シュガーフレーバー、シンナムアルデヒド、チェリーフレーバー、トウヒチンキ、ハッカ、バニラフレーバー、バニリン、ビターエッセンス、フルーツフレーバー、フレーバーGI、ベルモットフレーバー、ミックスフレーバー、ミントフレーバー、メントール、ユーカリ油、リュウノウ、レモンパウダー、レモン油、ロジン、ローズ油等を例示することができる。乳化剤としては、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、カルメロースナトリウム、グァーガム、グリセリン脂肪酸エステル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、セタノール、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、大豆レシチン、ヒドロキシプロピルセルロース、プロピレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリソルベート、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、モノラウリン酸ソルビタン、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。pH調整剤としては、希塩酸、クエン酸ナトリウム、グリシン、コハク酸、酢酸、酒石酸、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、リン酸、リン酸三ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。分散剤としては、アミノアルキルメタクリレートポリマーRS、アラビアゴム、オレイン酸、カルボキシビニルポリマー、カルメロースナトリウム、グリセリン、結晶セルロース、コリンリン酸塩、レシチン、セスキオレイン酸ソルビタン、デキストリン、トウモロコシデンプン、トリオレイン酸ソルビタン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、流動パラフィン等を使用することができる。芳香剤としては、ウイキョウ、エチルバニリン、オレンジ油、カンフル、ケイヒ、ショウキョウ、ジンコウ、チョウジ、ハッカ、バニラ、バニリン、ボルネオール、マルトール、メントール、ユーカリ、リュウノウ、レモン、ローズ水等を挙げることができる。防腐剤としては、アミノエチルスルホン酸、安息香酸、安息香酸ナトリウム、エタノール、エデト酸ナトリウム、カンテン、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、メントール等が挙げられる。保存剤としては、安息香酸ナトリウム、エタノール、エデト酸ナトリウム、グリセリン、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、D−ソルビトール、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸メチル、プロピレングリコール等を挙げることができる。 実施例及び比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例にのみ限定されるものではない。レスベラトロールは和光純薬製を使用した。ピロロキノリンキノンジナトリウム三水和物は三菱ガス化学株式会社製(粉末)を使用した。還元型ピロロキノリンキノンのフリー体(以下、R−PQQと略すことがある)は国際公開2011/102387の方法により製造した。実施例1−6、比較例1レスベラトロール12.5μg/MLレスベラトロールは5mg/MLになるようにジメチルスルホキシドに溶かした。使用時はこれを培地に溶かして使用した。還元型ピロロキノリンキノンは1.5mg/MLになるように水に加え、オートクレーブして懸濁液を得た。ピロロキノリンキノンはピロロキノリンキノンジナトリウム三水和物を1.5mg/MLになるように水に加え、オートクレーブして溶液を得た。これらの液は使用時に培地で希釈した。チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞と略すことがある)を使用して行った。培地はα―MEM培地(GIBCO社製)に牛胎児血清(FBSと略称することがある。DSファーマバイオメディカル(株)社製)を10%添加した。培養は二酸化炭素5%添加した飽和水蒸気下37℃で行った。前処理、37℃で培養したCHO細胞をトリプシン処理でシャーレからはがす。はがした細胞は遠心分離で取り出し、培地を加える。これを血球計算盤に入れ、細胞の数を数える。96穴プレートを使用し、穴に5000個細胞を入れ、培地100μL/穴で一晩培養する。試験物質を含む培地200μlに入れ替えた。さらに2日後、培地を抜き、2回培地で洗浄後、細胞数計測をWST(doujinn Cell Counting kit 8)を使用し、プレートリーダーによる450nm吸光度測定で行った。このときの吸光度は細胞数に比例する。3回同じ実験を行い、その平均値を値とした。何もピロロキノリンキノン類を用いていない例の細胞数を100として計算した。レスベラトロールによる細胞増殖阻害がピロロキノリンキノン類を用いることにより回復している。すなわちピロロキノリンキノン類を用いることによってレスベラトロールの毒性は低減されていた。レスベラトロール1に対して0.019から12倍量で有効であった。実施例7−12、比較例2−4レスベラトロール25μg/MLレスベラトロールは5mg/MLになるようにジメチルスルホキシドに溶かした。使用時はこれを培地に溶かして使用した。還元型ピロロキノリンキノンは1.5mg/MLになるように水に加え、オートクレーブして懸濁液を得た。ピロロキノリンキノンはピロロキノリンキノンジナトリウム三水和物を1.5mg/MLになるように水に加え、オートクレーブして溶液を得た。これらの液は使用時に培地で希釈した。チャイニーズハムスター卵巣細胞を使用して行った。培地はα―MEM培地に牛胎児血清を10%添加した。培養は二酸化炭素5%添加した飽和水蒸気下37℃で行った。前処理、37℃で培養したCHO細胞をトリプシン処理でシャーレからはがす。はがした細胞は遠心分離で取り出し、培地を加える。これを血球計算盤に入れ、細胞の数を数える。96穴プレートを使用し、穴に5000個細胞を入れ、培地100μL/穴で一晩培養する。試験物質を含む培地200μlに入れ替えた。この時のレスベラトロール50μg/MLにして試験した。さらに2日後、培地を抜き、2回培地で洗浄後、細胞数計測をWST(doujinn Cell Counting kit 8)を使用し、プレートリーダーによる450nm吸光度測定で行った。このときの吸光度は細胞数に比例する。3個同じ実験を行い、その平均値を値とした。ピロロキノリンキノン類を用いていない例の細胞数を100として計算した。この値は参考例の70%に当たる。レスベラトロールによる細胞増殖阻害が本発明の添加剤により広い濃度範囲で回復傾向にある。これに対してビタミンであるアスコルビン酸やグルコースにおける細胞の毒性の軽減効果は小さい。実施例13−18、比較例5−7 レスベラトロール50μg/ML前記の実施例と同様の操作を行った。レスベラトロールの濃度を上げ、その効果を見た3回同じ実験を行い、その平均値を値とした。ピロロキノリンキノン類を用いていない例の細胞数を100として計算した。この時の細胞濃度はレスベラトロールを添加しない状態の30%の細胞濃度であった。レスベラトロールの濃度が非常に高く、細胞障害が非常に高い環境である。しかし、このような過酷な環境に置いてもピロロキノリンキノン類を使用することでレスベラトロールの細胞増殖阻害を緩和させている。レスベラトロール1に対して0.024から3倍量で有効であった。実施例19、比較例8 化粧用組成物実施例19レスベラトロール0.8mgとピロロキノリンキノンジナトリウム3水和物0.2mgを リン酸バッファー入りpH7.4の生理食塩水(GIBCO社製、以下PBSと略すことがある)10mlに溶かした。比較例8レスベラトロール0.8mgをリン酸バッファー入りpH7.4の生理食塩水10mlに溶かした。実施例20 比較例9 タンパク質の老化試験和光純薬製ゼラチンを0.5mg/MLになるようにPBSで溶かした。グルコース溶液はグルコース0.5mg/MLになるようにPBSで溶かした。実施例20ゼラチン溶液100μL、グルコース溶液50μL混合物に実施例19の液50μL混合した。比較例9ゼラチン溶液100μL、グルコース溶液50μL混合物に比較例8の液50μL混合した。これらの溶液を96穴プレートに入れ、37℃飽和水蒸気下で4日反応した。同じ溶液を8個用意した。これをプレートリーダーを使用して485nmで励起して、535nmで蛍光強度測定をした。リン酸バッファーのみの蛍光強度をバックグラウンドとした。その結果、バックグラウンドを引いた蛍光強度は、実施例20の溶液では2119、比較例9の溶液では2447であった。劣化して出来るメイラード反応物は蛍光を発することが知られているが、上記の結果から、PQQが存在することで蛍光強度が下がり、ゼラチン(コラーゲン)の老化を抑制してPQQはレスベラトロールの機能を邪魔しておらず、効果的であったことが分かった。本発明の組成物は皮膚の成分であるゼラチンの老化をピロロキノリンキノン類を用いない場合よりも抑制することが出来、化粧用組成物として有用である。また、細胞増殖も損なわないため、アンチエイジングとして有用である。本発明は医薬品、実験試薬、食品、化粧品等の分野において有効である。式1に示すレスベラトロールとピロロキノリンキノン類を含む細胞増殖阻害抑制剤。ピロロキノリンキノン類がレスベラトロールに対して重量比で0.01から100含むことを特徴とする、請求項1記載の細胞増殖阻害抑制剤。ピロロキノリンキノン類が式2に示す酸化型ピロロキノリンキノン、式3に示す還元型ピロロキノリンキノン又はこれらの塩である、請求項1又は2記載の細胞増殖阻害抑制剤。請求項1〜3いずれか記載の細胞増殖阻害抑制剤を添加した食品。請求項1〜3いずれか記載の細胞増殖阻害抑制剤を添加した化粧品。請求項1〜3いずれか記載の細胞増殖阻害抑制剤を含む試薬。請求項1〜3いずれか記載の細胞増殖阻害抑制剤を溶液又は懸濁液の状態で細胞に接触させる、レスベラトロールの細胞増殖阻害の抑制方法。 【課題】レスベラトロールの細胞増殖阻害を抑制させるための併用剤の提供。【解決手段】レスベラトロールと還元型ピロロキノリンキノンまたはピロロキノリンキノンを併用して細胞に接触させる。すなわち、ピロロキノリンキノン類を用いることによってレスベラトロールの毒性が低減されることがわかった。【選択図】なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る