タイトル: | 公開特許公報(A)_アミロイド前駆タンパク質発現抑制剤 |
出願番号: | 2012148663 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | A61K 31/336,A61P 43/00,A61P 25/00,A61P 25/28,A23L 1/30 |
栗田 啓 一柳 直希 竹中 玄 JP 2014009214 公開特許公報(A) 20140120 2012148663 20120702 アミロイド前駆タンパク質発現抑制剤 ライオン株式会社 000006769 酒井 宏明 100089118 寺崎 直 100113398 栗田 啓 一柳 直希 竹中 玄 A61K 31/336 20060101AFI20131217BHJP A61P 43/00 20060101ALI20131217BHJP A61P 25/00 20060101ALI20131217BHJP A61P 25/28 20060101ALI20131217BHJP A23L 1/30 20060101ALI20131217BHJP JPA61K31/336A61P43/00 111A61P25/00A61P25/28A23L1/30 ZA23L1/30 B 5 OL 8 4B018 4C086 4B018MD07 4B018MD67 4B018ME14 4C086AA01 4C086AA02 4C086BA02 4C086MA01 4C086MA04 4C086MA52 4C086NA14 4C086ZA01 4C086ZA16 4C086ZC80 本発明は、アミロイド前駆タンパク質発現抑制剤、神経細胞死抑制剤、および脳機能低下予防または抑制剤に関する。 アルツハイマー型認知症(AD)は認知症の一種であり、常染色体優性遺伝の家族性アルツハイマー型認知症と、老人性アルツハイマー型認知症とに分類される。アルツハイマー型認知症患者は現在200万人程度、2045年には400万人まで増えると言われている。高齢化社会に向かう日本においては極めて大きな社会的問題である。 アルツハイマー型認知症患者の脳の主な病理学的特徴に、老人斑、脳血管アミロイドおよび神経原繊維変化がある。老人斑および脳血管アミロイドの主要構成成分はアミロイドβ(Aβ、非特許文献1〜3参照)である。神経原繊維変化は微小管結合タンパク質であるタウタンパク質が細胞質で繊維化し沈着して形成される(非特許文献4参照)。 以下の理由(1)〜(4)から、アミロイドβが、アルツハイマー型認知症の病態カスケードにおいてタウタンパク質よりも重要な意義を有すると考えられている。すなわち、アミロイドβ沈着がアルツハイマー型認知症の病態カスケードにおいて少なくとも共通経路としての重要性を有していること、アミロイドβの脳内蓄積はアルツハイマー型認知症の病態カスケードの中で神経原繊維変化よりも上流に位置し、アルツハイマー型認知症の病因により密接に関連した現象であろうこと、を多くのアルツハイマー型認知症研究者が推定している(非特許文献5参照)。(1)老人斑は神経原繊維変化に比べてアルツハイマー型認知症に対する疾患特異性が高い。(2)非繊維性のアミロイドβの沈着であるびまん性老人斑は、アルツハイマー型認知症の最初期病変であると言われている。(3)家族性アルツハイマー病の家系には、アミロイドβの前駆体であるアミロイド前駆タンパク質(APP)の点突然変異が疾患と連鎖して見出されている。(4)アミロイドβ、中でも凝集したアミロイドβは神経毒性を有することが示されている。 健常人においてアミロイドβは速やかに排泄されるが、アルツハイマー型認知症患者においてはアミロイドβをうまく排泄できないため体内にアミロイドβが沈着し、神経細胞死が起こるとされている。アミロイドβはアミロイド前駆タンパク質がβセクレターゼ、γセクレターゼ等の酵素により連続的に切断されて生成する。アミロイドβは切断部位によりAβ1−40、Aβ1−42、Aβ1−43などに分類される。これらのうちAβ1−42、Aβ1−43などは凝集性が高く神経毒性が強い。最近、アミロイドβはオリゴマーの状態においても神経毒性があることが判明している。 また、アルツハイマー型認知症を含む認知症の前駆状態である軽度認知機能障害(MCI)と呼ばれる病態が知られている。MCIは、正常の生理的な老化過程で予想されるよりも認知機能が低下している状態である。MCIのうち10〜12%が毎年アルツハイマー型認知症に移行し、4年後には約半数がアルツハイマー型認知症に進行するといわれている。さらに、アミロイド仮説によれば、認知機能には全く障害のない健常な状態から徐々にアミロイドβの蓄積が起こり、MCIを経て最終的にアルツハイマー型認知症を引き起こしていると考えられているので、アルツハイマー型認知症と診断される神経症状が起こる数十年前からのアミロイドβの蓄積を抑制することが、アルツハイマー型認知症の予防には重要であると考えられている(非特許文献6参照)。 特許文献1には、小胞体に存在するE3ユビキチン結合酵素であるHRD1が、アミロイド前駆タンパク質産生を抑制する作用またはアミロイドβ産生を抑制する作用を有し、その結果アルツハイマー症に対して有効であることが記載されている。Glenner GG et al.,Biochem Biophys Res Commun 1984 122 1131−1135Glenner GG et al.,Biochem Biophys Res Commun 1984 120 885−890Masters CL et al.,Proc Natl Acad USA 1985 82 4245−4249Nakita et al.,J Biochem 1986 99 1541−1544認知症テキストブック/日本認知症学会編 中外医学社刊 2008年アルツハイマー病(中島健二監修)最新医学 第66巻/2011年9月増刊号(通巻840号)2011年9月25日発行 最新医学社刊特開2005−330231号公報 しかし特許文献1に記載の技術における有効成分はポリペプチドであり、より安全性が高く、かつ優れたアミロイド前駆タンパク質発現抑制効果を示す有効成分の開発が求められていた。 本発明は、安全性の高い、アミロイド前駆タンパク質発現を抑制することができる有効成分を提供することを目的とする。 本発明は、下記〔1〕〜〔5〕を提供する。〔1〕フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するアミロイド前駆タンパク質発現抑制剤。〔2〕上記〔1〕に記載のアミロイド前駆タンパク質発現抑制剤を有効成分として含有する神経細胞死抑制剤。〔3〕上記〔1〕に記載のアミロイド前駆タンパク質発現抑制剤または上記〔2〕に記載の神経細胞死抑制剤を有効成分として含有するアルツハイマー型認知症もしくは軽度認知機能障害の予防または改善剤。〔4〕上記〔1〕に記載のアミロイド前駆タンパク質発現抑制剤または上記〔2〕に記載の神経細胞死抑制剤を有効成分として含有する脳機能低下の予防または改善剤。〔5〕上記〔1〕に記載のアミロイド前駆タンパク質発現抑制剤、上記〔2〕に記載の神経細胞死抑制剤、上記〔3〕に記載の予防または改善剤、もしくは上記〔4〕に記載の予防または改善剤を含む飲食品もしくは医薬品。 本発明によれば、アミロイド前駆タンパク質発現抑制剤、神経細胞死抑制剤およびアルツハイマー型認知症予防または改善剤が提供される。本発明の剤の有効成分であるフコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩は、従来から食用とされてきた褐藻類に含まれる成分であるので、飲食品および医薬品として日常的に摂取でき、長期間服用しても安全である。 本発明の剤の有効成分は、フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩である。 フコキサンチン(Acetic acid[(1S,3R)−3−hydroxy−4−[(3E,5E,7E,9E,11E,13E,15E)−18−[(1S,4S,6R)−4−hydroxy−2,2,6−trimethyl−7−oxabicyclo〔4.1.0〕heptan−1−yl]−3,7,12,16−tetramethyl−17−oxooctadeca−1,3,5,7,9,11,13,15−octaenylidene]−3,5,5−trimethylcyclohexyl]ester)は、非プロビタミンA類のカロテノイドの一種であり、以下の式で表されるとおり、アレン構造、エポキシドおよびヒドロキシル基を有している。フコキサンチンは1以上の水素原子に代えて置換基を有していてもよい(例えば、フコキサンチノールなど)。また、フコキサンチンは薬理学的に許容される塩の形態であってもよい。 フコキサンチンは、昆布、ひじき、ワカメなどの褐藻類に微量に含まれているが、本発明において用いられるフコキサンチンの取得方法に限定はない。例えば、上記褐藻類から抽出したフコキサンチン、化学合成など人工的な方法で合成したフコキサンチン、遺伝子組み換えにより得られるフコキサンチンのいずれを用いてもよい。またフコキサンチンの市販品を用いてもよい。更に、様々な取得方法で得られる2種以上のフコキサンチンを組み合わせて用いてもよい。 薬理学的に許容される塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、又はパラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩、トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩;アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸塩が挙げられる。 本発明の剤は、フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有していればよい。その配合量は、本発明の効果を損なわない限り特に制限は無く、また適応される被投与生体の年齢、状態などの種々の要因により適宜変えることができる。目的の効果を得る好ましい投与量としては、1mg/日以上であることが好ましい。上限は特に規定されないが、通常は200mg/日以下であることが好ましく、安全性の面から20mg/日以下であることがより好ましい。投与量は、1〜200mg/日であることが好ましく、1〜20mg/日であることがより好ましい。 フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩は、アミロイド前駆タンパク質の発現を抑制する作用を有する。アミロイド前駆タンパク質は、アルツハイマー型認知症または軽度認知機能障害において、神経細胞死を誘導するアミロイドβの前駆体である。よって、アミロイド前駆タンパク質の遺伝子発現を抑制すると、アミロイド前駆タンパク質のタンパク質合成が抑制され、その結果、アミロイドβの産生が抑制される。これによりアミロイドβによる神経細胞死が抑制され、アルツハイマー型認知症または軽度認知機能障害の予防または改善(症状の進行抑制)を図ることができる。したがって、本発明においては、アミロイド前駆タンパク質発現抑制剤、それを含む神経細胞死抑制剤、および、これらまたはこれらのいずれかを含む、アルツハイマー型認知症もしくは軽度認知機能障害の予防または改善剤が提供される。 アミロイドβは、アルツハイマー型認知症およびそれに移行する軽度認知機能障害が発症する前より蓄積すると考えられており、それがこれらの疾病の原因のひとつであると考えられている。本発明によればアミロイド前駆タンパク質の発現が抑制されるので、アミロイドβの蓄積を抑制することができる。従って、本発明によれば、アミロイド前駆タンパク質発現抑制剤と、それを含む神経細胞死抑制剤との両方またはこれらのいずれかを含む、脳機能低下の予防または改善剤も提供される。 本発明の剤は、そのままの形態で、最終製品(例えば、飲食品、医薬品、医薬部外品など)として用いることができる。また、飲食品用の添加剤、医薬用の添加剤、医薬部外品用の添加剤として用いることができる。 本発明の剤に含まれ得る、フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩以外の成分(薬理学的に許容される基剤)は、本発明の目的を損なわない限り、特に限定されない。例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、着色剤、発色剤、矯味剤、着香剤、酸化防止剤、防腐剤、呈味剤、酸味剤、甘味剤、強化剤、ビタミン剤、膨張剤、増粘剤、界面活性剤などの中から、製剤に必要な諸特性(例えば、製剤安定性)を損なわないものであって、最終製品(例えば、医薬品、医薬部外品、飲食品)の剤形に応じたものを1種または2種以上選択することができる。また、フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩以外の成分は、アミロイド前駆タンパク発現抑制効果、神経細胞死抑制効果またはアルツハイマー型認知症予防もしくは抑制効果を有する他の成分であってもよい。 本発明の剤の投与形態は特に限定されない。例えば、経口投与(例えば、口腔内投与、舌下投与など)、非経口投与(静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、経皮投与、経鼻投与、経肺投与など)などが挙げられる。これらの中でも侵襲性の少ない投与形態が好ましく、経口投与であることがより好ましい。本発明の剤を飲食品として用いる場合には、経口投与されることがさらに好ましい。 本発明の剤の剤形は、飲食品、医薬品および医薬部外品のいずれとするかによって適宜決定することができ、特に限定されない。経口投与される際の剤形の例としては、液状(液剤)、シロップ状(シロップ剤)、錠(錠剤、タブレット)、カプセル状(カプセル剤)、粉末状(顆粒、細粒)、ソフトカプセル状(ソフトカプセル剤)、シロップ状(シロップ剤)、固形状、半液体状、クリーム状、ペースト状が挙げられる。これらのうち、粒状、カプセル状、粉末状、ソフトカプセル状、固形状が好ましく、粒状(錠剤)がより好ましい。 本発明の剤の摂取対象者は、アルツハイマー型認知症患者であってもよいが、アルツハイマー型認知症と診断されている必要はなく、アルツハイマー型認知症に罹患する可能性がある対象者、アルツハイマー型認知症に罹患したくないと考えている対象者またはアルツハイマー型認知症に罹患してほしくないと第三者が考えている対象者であってもよい。また、軽度認知機能障害の患者であってもよいが、軽度認知機能障害と診断されている必要はなく、軽度認知機能障害に罹患する可能性がある対象者、軽度認知機能障害に罹患したくないと考えている対象者または軽度認知機能障害に罹患してほしくないと第三者が考えている対象者であってもよい。対象者としては例えば、脳機能(例えば、記憶力、日常生活能力)が低下したと感じている対象者、親族にアルツハイマー型認知症患者または軽度認知機能障害患者がいる対象者、高齢者などが挙げられる。特段の不安などがない対象者であっても、アルツハイマー型認知症予防、軽度認知機能障害予防、脳機能低下の予防などを目的として日常的に摂取することができる。本発明の剤の投与時期は特に限定されない。 本発明の剤は、各種飲食品として利用することができる。例えば、飲料(清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、粉末飲料、果実飲料、乳飲料、ゼリー飲料など)、菓子類(クッキー、ケーキ、ガム、キャンディー、タブレット、グミ、饅頭、羊羹、プリン、ゼリー、アイスクリーム、シャーベットなど)、水産加工品(かまぼこ、ちくわ、はんぺんなど)、畜産加工品(ハンバーグ、ハム、ソーセージ、ウィンナー、チーズ、バター、ヨーグルト、生クリーム、マーガリン、発酵乳など)、スープ(粉末状スープ、液状スープなど)、主食類(ご飯類、麺(乾麺、生麺)、パン、シリアルなど)、調味料(マヨネーズ、ショートニング、ドレッシング、ソース、たれ、しょうゆなど)が挙げられる。本発明の剤は、健康食品、機能性食品、栄養補助食品(サプリメント)、特定保健用食品、医療用食品、病者用食品、乳児用食品、介護用食品、高齢者用食品等の飲食品として利用することもできる。中でも、健康食品、機能性食品とすることが好ましく、健康食品とすることがより好ましい。実施例1及び参考例1 動物として加齢促進マウスであるSAMP8マウス(日本エスエルシーより購入)を用いた。動物をフコキサンチン投与群(以下、FX投与群と言う。)と非投与群とに分けた。12週齢から試験を開始した。フコキサンチン(オリザ油化(株)製)を20mg/kg/dayになるように飲水に可溶化し、これをFX投与群の各マウスに6ヶ月間投与した。一方、フコキサンチンを添加しないほかはFX投与群と同様の飲水を、非投与群の各マウスに6ヶ月間投与した。 各群のマウスから脳を摘出した。摘出した脳を速やかにRNAlater(Ambion社製)に浸漬し、RNeasy(QIAGEN社製)を用いてmRNAを抽出した。 各群のマウスのmRNAにおけるアミロイド前駆タンパク質発現量を調べるため、抽出したmRNAをプールして、DNAアレイ(Affymetrix社)によるマイクロアレイ解析に供した(実施例1)。すなわち、Affymetrix社のプロトコルに従ってGeneChip工程およびArrayのスキャンを実施した。ChipはMouse genome Array 430 2.0を用いた。 スキャンの際はGeneChip 3000Scannerを用いて画像データを取得し、GeneChipデータ解析システムGCOS(GeneChip Operating Software)を用いて、取得した各サンプルのArray画像データを確認した。また、GeneChipデータ解析ソフトウェアExpression Consoleを用いて遺伝子発現量(Signal)を数値として抽出した。さらに、GCOSを用いて、FX投与群と非投与群とでComparison Analysisを実施し、変動倍率(Signal Log ratio=log2(FX投与群のシグナル/非投与群のシグナル))を算出した。各群n=3とした。結果を表1に示した。 上記と同様の方法でHRD1(synoviolin、E3ユビキチン結合酵素(特開2005−330231号公報参照)の発現量を調べ、結果を表1に示した(参考例1)。 Log Ratioは2のべき乗であるので、Log Ratioが1であることは、変動が2倍であることを示し、−1であることは変動が50%であることを意味する。 表1の通り、FX投与群において非投与群に対しアミロイド前駆タンパク質の発現量が54%に減少していることが判明した(実施例1)。一方、E3ユビキチン結合酵素の発現量は、7%の増加であり、大きな変化ではなかった(参考例1)。一般に脳の遺伝子発現はあまり変動しないことが知られており、また今回行ったマイクロアレイ解析においても変動は小さかった。それにもかかわらずこのような大幅な減少が見られたことは、フコキサンチンがAPPの発現を特に抑制することを示している。また、アミロイド前駆タンパク質の発現抑制により神経細胞死の抑制がもたらされ、これらによりアルツハイマー型認知症、軽度認知機能障害および脳機能低下の予防または改善を図ることが分かる。さらに、参考例1と実施例1の各結果より、フコキサンチンはHRD1遺伝子発現を介さずにアミロイド前駆タンパク質の遺伝子発現を抑制することが分かる。 フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するアミロイド前駆タンパク質発現抑制剤。 請求項1に記載のアミロイド前駆タンパク質発現抑制剤を有効成分として含有する神経細胞死抑制剤。 請求項1に記載のアミロイド前駆タンパク質発現抑制剤または請求項2に記載の神経細胞死抑制剤を有効成分として含有する、アルツハイマー型認知症もしくは軽度認知機能障害の予防または改善剤。 請求項1に記載のアミロイド前駆タンパク質発現抑制剤または請求項2に記載の神経細胞死抑制剤を有効成分として含有する脳機能低下の予防または改善剤。 請求項1に記載のアミロイド前駆タンパク質発現抑制剤、請求項2に記載の神経細胞死抑制剤、請求項3に記載の予防または改善剤、もしくは請求項4に記載の予防または改善剤を含む飲食品もしくは医薬品。 【課題】本発明は、アミロイド前駆タンパク質発現を抑制することができる有効成分を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とするアミロイド前駆タンパク質発現抑制剤、前記アミロイド前駆タンパク質発現抑制剤を有効成分とする神経細胞死抑制剤、前記各剤を有効成分とするアルツハイマー型認知症もしくは軽度認知機能障害の予防または改善剤、脳機能低下の予防または改善剤、およびこれらを含む飲食品または医薬品を提供する。【選択図】なし