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タイトル:公開特許公報(A)_SiC単結晶基板及びSiCエピタキシャルウェハの評価方法、SiC単結晶及びSiCエピタキシャルウェハの製造方法、並びに、SiC単結晶
出願番号:2012138839
年次:2014
IPC分類:G01N 23/207,C30B 29/36


特許情報キャッシュ

小柳 直樹 郡司島 造 近藤 宏行 JP 2014002104 公開特許公報(A) 20140109 2012138839 20120620 SiC単結晶基板及びSiCエピタキシャルウェハの評価方法、SiC単結晶及びSiCエピタキシャルウェハの製造方法、並びに、SiC単結晶 昭和電工株式会社 000002004 株式会社豊田中央研究所 000003609 株式会社デンソー 000004260 志賀 正武 100064908 鈴木 三義 100094400 荒 則彦 100163496 三國 修 100146879 小柳 直樹 郡司島 造 近藤 宏行 G01N 23/207 20060101AFI20131206BHJP C30B 29/36 20060101ALI20131206BHJP JPG01N23/207C30B29/36 A 13 1 OL 17 (出願人による申告)平成23年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「低炭素社会を実現する新材料パワー半導体プロジェクト」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願 2G001 4G077 2G001AA01 2G001BA18 2G001CA01 2G001DA02 2G001DA09 2G001GA01 2G001KA03 2G001LA11 2G001MA05 4G077AA02 4G077AA03 4G077AB01 4G077AB07 4G077AB08 4G077AB10 4G077BE08 4G077DA02 4G077DA18 4G077DB04 4G077DB07 4G077ED01 4G077ED04 4G077ED06 4G077GA02 4G077GA05 4G077HA06 4G077HA12 本発明は、SiC単結晶基板及びSiCエピタキシャルウェハの評価方法、SiC単結晶及びSiCエピタキシャルウェハの製造方法、並びに、SiC単結晶及びSiCエピタキシャルウェハに関する。 炭化珪素(SiC)は耐熱性に優れ、絶縁破壊電圧が大きく、エネルギーバンドギャップが広く、また、熱伝導度が高いなどの優れた性能を有するため、大電力パワーデバイス、耐高温半導体素子、耐放射線半導体素子、高周波半導体素子等への応用が可能である。シリコンが材料自体の物性限界から性能向上も限界に近づきつつあるため、シリコンよりも物性限界を大きくとれる炭化珪素が注目されている。近年は電力変換時のエネルギーロスを低減し、地球温暖化問題への対策となる省エネルギー技術として、炭化珪素材料を使ったパワーエレクトロニクス技術が期待を集めている。 その基盤技術としてSiC単結晶の成長技術の研究開発が精力的に進められている。 SiC単結晶を成長させる方法として、昇華再結晶法が広く用いられている。この方法は、例えば黒鉛製の坩堝内に配置した黒鉛台座に種結晶を取り付けると共に、坩堝底部に配した炭化珪素原料粉末を2000℃以上に加熱して昇華ガスを発生させ、その昇華ガスを原料部より数十〜数百℃低温にした種結晶上に再結晶化させることによって、種結晶上にSiC単結晶を成長させるものである(例えば、特許文献1〜3)。 また、他の方法として、珪素原料からの蒸発ガスを炭素材と反応させることによりSiC単結晶を製造する方法(特許文献4)なども知られている。 SiCデバイスは、上述のような方法で製造したSiC単結晶(バルク単結晶)から加工して得られたSiC単結晶基板上に、化学的気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)等によってデバイスの活性領域となるSiCエピタキシャル膜を成長させたSiCエピタキシャルウェハを用いて作製されるのが一般的である。 炭化珪素は多くの多形(ポリタイプ)を有するが、実用的なSiCデバイスは主に、キャリア移動度が高い六方晶の4H−SiCが使用されている。 SiC単結晶には転位や積層欠陥などの多くの結晶欠陥が存在し、その結晶欠陥がエピタキシャル膜に伝播することが知られている。そのため、SiC単結晶中に含まれる結晶欠陥を評価することが重要である。 SiC単結晶中に含まれる結晶欠陥を非破壊で検出できる手法として、X線トポグラフィ法(例えば、特許文献5)が知られている。X線トポグラフィ法では、X線の回折現象を用いて単結晶中の結晶欠陥を可視化する。 インゴット内の転位分布を予測することは困難なので、SiC単結晶は、一部の単結晶基板(ウェハ)のみを検査する抜き取り検査は適切ではなく、全数検査が望ましい。この場合、破壊検査であるKOHエッチングは適していない。これに対して、X線トポグラフィ法は非破壊で検査できるので、単結晶基板(ウェハ)の全数検査が可能である。 SiC単結晶には線状の結晶欠陥として3種類の転位(貫通螺旋転位、貫通刃状転位、基底面転位)が内在することが知られている。貫通螺旋転位(Threading Screw Dislocation:TSD)はc軸方向に伝播するバーガースベクトルが<0001>あるいはその2倍の転位である。また、貫通刃状転位(ThreadingEdge Dislocation:TED)はc軸方向に伝播するバーガースベクトルが1/3<11−20>の転位である。更に、基底面転位(Basal Plane Dislocation:BPD)はc面((0001)面)に存在するバーガースベクトルが1/3<11−20>の転位である。 X線トポグラフィの転位像の強度Iは、回折ベクトル(g)とバーガースベクトル(b)との内積(g・b)となる(特許文献6)。従って、理論的には、回折ベクトルとバーガースベクトルとが直交以外の角度関係の場合には転位像を得ることが可能であり、回折ベクトルとバーガースベクトルとが平行に近いほど明瞭な転位像が得られることになる(例えば、特許文献7参照)。 X線トポグラフィでSiC単結晶基板の明瞭な転位像が得られ、転位の種類が識別でき、転位密度を計測することができれば、転位密度が低くて高品質のSiC単結晶基板のみを選別して、SiCエピタキシャルウェハを製造することが可能となる。また、X線トポグラフィでSiCエピタキシャルウェハにおける転位(例えば、基板とエピタキシャル膜との界面における転位)を観察することができれば、転位密度が低くて高品質のSiCエピタキシャルウェハのみを選別して、SiCデバイスを製造することが可能となる。 SiCデバイスで用いるSiCエピタキシャルウェハにおいて、SiCエピタキシャル膜が形成されるSiC単結晶としては、c面から<11−20>方向に10°以下のオフ角を有するものが用いられている。そのため、明瞭な転位像が得られたならば、ウェハ表面に対してほぼ垂直に伝播方向を有する貫通螺旋転位(TSD)及び貫通刃状転位(TED)は、ウェハ表面に対してほぼ平行にフィルムを配置する反射X線トポグラフィ像においては円形状の像として観察される。これに対して、ウェハ表面に対してほぼ平行に伝播方向を有する基底面転位(BPD)は、線状の像として観察される。 反射X線トポグラフィ像において、貫通転位(貫通螺旋転位及び貫通刃状転位)と基底面転位とでは異なる形状の像として識別可能なほどの明瞭な転位像が得られたならば、貫通転位及び基底面転位のそれぞれの転位密度を得ることが可能となる。国際公開第2O00/39372号特開2010−13296号公報特開2009−23880号公報特許第4199921号公報特許第4679975号公報特開2010−98262号公報特開平5−203592号公報 しかしながら、従来、X線トポグラフィでは、転位密度が計測できるほど、高分解能のトポグラフィ像を得ることは容易ではなかった。例えば、反射X線トポグラフィでは、4結晶コリメータ(モノクロメータ)を用いないと、基底面転位(BPD)の像を得ることはできないと認識されていた(特許文献5の段落〔0051〕)。しかし、モノクロメータを用いると、入射X線強度が約1/100に低下し、画像を得るのに時間がかかるし、また、X線の分解能に異方性が生じてしまい明瞭な像が得られにくいという問題があった。 また、X線源として、従来、X線トポグラフィを透過法で用いる場合には波長が短く、透過力が強いMoKα線(0.71Å)が用いられ、反射法で用いる場合には波長が長く、結晶の中に深く浸透しないCuKα線(1.54Å)が用いられてきた(例えば、特許文献5)。すなわち、MoKα線は試料の内部の結晶構造を調べるのに用いられてきたのに対して、CuKα線は試料の表面の結晶構造を調べるのに用いられてきた。 このように、X線源は従来、MoKα線とCuKα線とでそれぞれ、透過法と反射法とに棲み分けられて用いられてきた。 従来、10μm程度の膜厚のSiCエピタキシャル膜を有するSiCエピタキシャルウェハにおいて、基板−エピタキシャル膜界面にある転位の観察は、CuKα線を用いた反射X線トポグラフィで足りていた。 しかしながら、近年、SiCエピタキシャル技術の進歩によって厚膜のSiCエピタキシャル膜の形成が可能になり、CuKα線の試料表面からの侵入深さは約11μmであるために、高耐圧用の厚膜のSiCエピタキシャル膜(例えば、厚さ30μm(通常は10μm程度))の基板−エピタキシャル膜界面にある転位を観察することはできないという問題が生じてきた。 このような状況において、本発明者らは従来、透過法と反射法とで棲み分けられてきたX線源の垣根を取り払って、反射X線トポグラフィでMoKα線を用い、転位像を取得しようと鋭意検討を行った。その結果、回折面として{1 2 −3 L}面(Lは整数)を用いることにより、モノクロメータを用いないでも、貫通螺旋転位と基底面転位とが異なる形状の像として識別可能なほどの明瞭な転位像を得られることを見い出した。 ここで、反射法を用いる場合、試料とフィルムがほぼ平行になるように配置しなければならないため、回折線の射出角度が試料面に対してほぼ90°になることが望ましい。このため、回折面として、入射X線の侵入角度と回折線の射出角度とが異なる非対称反射面を使うことが必要となる。例えば、特許文献5では、回折面として非対称反射面(11−28)が用いられた。 本発明は、非対称反射面である{1 2 −3 L}面(Lは整数)を用いるものである。 なお、透過X線トポグラフィは転位密度の評価として有効ではない。透過X線トポグラフィでは、成長に影響しない深い位置に存在する転位も観察されてしまい、成長に影響する転位密度の計測が困難であり、また、回折面の関係で、貫通螺旋転位が観察しにくく、貫通螺旋転位の数え落としが生じやすいからである。また、一般に透過法では試料の厚さが2mm以上になると欠陥のコントラストが弱くなり、厚い結晶の評価には用いることできない。 本発明は、モノクロメータを用いないで反射X線トポグラフィによってSiC単結晶基板及びSiCエピタキシャルウェハの転位密度を評価することができるSiC単結晶基板及びSiCエピタキシャルウェハの評価方法、及び、X線トポグラフィ像を用いて低転位密度が確認された種結晶を用いるSiC単結晶及びX線トポグラフィ像を用いて低転位密度が確認されたSiC単結晶基板を用いるSiCエピタキシャルウェハの製造方法を提供することを目的とする。 本発明は、低転位密度のSiC単結晶を提供することを目的とする。 本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。(1)反射X線トポグラフィによってSiC単結晶基板の転位を評価する方法であって、 X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiC単結晶基板のX線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiC単結晶基板の転位密度を計測することを特徴とするSiC単結晶基板の評価方法。(2)回折面として{1 2 −3 L}面(Lは整数)を用いることを特徴とする(1)に記載のSiC単結晶基板の評価方法。(3)前記SiC単結晶基板の結晶多形が4H型であって、前記Lが14、15、16又は17のいずれかであることを特徴とする(2)に記載のSiC単結晶基板の評価方法。(4)前記SiC単結晶基板の結晶多形が4H型以外の六方晶あるいは三方晶であって、前記Lが14,15,16,17が単位格子のc軸長さの比(4H以外の多形結晶のc軸長さ)/(4H結晶c軸長さ)で補正された指数を用いることを特徴とする(2)に記載のSiC単結晶基板の評価方法。(5)反射X線トポグラフィによって、SiC単結晶基板上にSiCエピタキシャル膜が形成されたSiCエピタキシャルウェハの転位を評価する方法であって、 X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiCエピタキシャルウェハのX線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiCエピタキシャルウェハの転位密度を計測することを特徴とするSiCエピタキシャルウェハの評価方法。(6)回折面として{1 2 −3 L}面(Lは整数)を用いることを特徴とする(5)に記載のSiCエピタキシャルウェハの評価方法。(7)前記SiCエピタキシャルウェハの結晶多形が4H型であって、前記Lが14、15、16又は17のいずれかであることを特徴とする(6)に記載のSiCエピタキシャルウェハの評価方法。(8)前記SiCエピタキシャルウェハの結晶多形が4H型以外の六方晶あるいは三方晶であって、前記指数14,15,16,17が単位格子のc軸長さの比(4H以外の多形結晶のc軸長さ)/(4H結晶c軸長さ)で補正された指数を用いることを特徴とする(6)に記載のSiCエピタキシャルウェハの評価方法。(9)坩堝内に配したSiC種結晶上に原料ガスを供給して、該SiC種結晶上にSiCの単結晶を成長させるSiC単結晶の製造方法において、 X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiC単結晶板の反射X線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiC単結晶板の転位密度を計測し、転位密度が所定値以下のSiC単結晶基板を前記SiC種結晶として用いることを特徴とするSiC単結晶の製造方法。(10)前記所定値として、基底面転位密度が1000個/cm2以下でかつ貫通螺旋転位密度が500個/cm2以下であることを特徴とする請求項9に記載のSiC単結晶の製造方法。(11)SiC単結晶基板上に珪素含有ガス及び炭素含有ガスを供給してSiCエピタキシャル膜を形成してSiCエピタキシャルウェハを製造する方法であって、 X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiC単結晶基板の反射X線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiC単結晶基板の転位密度を計測し、転位密度が所定値以下のSiC単結晶基板を用いることを特徴とするSiCエピタキシャルウェハの製造方法。(12)前記所定値として、基底面転位密度が1000個/cm2以下でかつ貫通螺旋転位密度が500個/cm2以下であることを特徴とする(11)に記載のSiCエピタキシャルウェハの製造方法。(13) (9)又は(10)のいずれかに記載のSiC単結晶の製造方法によって製造された、基底面転位密度が1000個/cm2以下で、かつ、貫通螺旋転位密度が500個/cm2以下であることを特徴とするSiC単結晶。 本発明のSiC単結晶基板の評価方法、又は、SiCエピタキシャルウェハの評価方法によれば、X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiC単結晶基板のX線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiC単結晶基板の転位密度(面密度)を計測する構成を採用したので、モノクロメータを用いないで、貫通転位と基底面転位とが異なる形状の像として識別可能なほどの明瞭な転位像を得ることができ、この転位像を用いてSiC単結晶基板の転位密度を計測することができる。また、MoKα線はCuKα線に比べて線幅が約1/2と狭いため、CuKα線を用いてきた従来の反射X線トポグラフィに比べて分解能が向上し、CuKα線では観察できなかった転位線が観察できる。また、モノクロメータを用いないため、入射X線強度は発生させた強度のままなので、モノクロメータを用いる従来の反射X線トポグラフィに比べて短時間でトポグラフィ像を得ることができる。また、MoKα線は、試料表面からの侵入深さが約55μmと深いため、従来の反射X線トポグラフィを用いた場合に比べて、SiC単結晶基板の深い位置に存在する転位(例えば、SiC単結晶基板上に膜厚10μm以上のエピタキシャル膜を有する試料についても界面近傍の転位)を評価することができる。また、モノクロメータを用いないため、異方性の小さいX線を用いた観察を行うことができ、特許文献5に記載されているような転位線向きとX線入射方向との関係を考慮する必要がない。 本発明のSiC単結晶の製造方法によれば、X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiC単結晶板の反射X線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiC単結晶板の転位密度を計測し、転位密度が所定値以下のSiC単結晶板を前記SiC種結晶として用いる構成を採用したので、低転位密度のSiC種結晶を用いて転位が少ない高品質のSiC単結晶を製造することができる。 本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造方法によれば、X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiC単結晶基板の反射X線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiC単結晶基板の転位密度を計測し、転位密度が所定値以下のSiC単結晶基板を用いる構成を採用したので、低転位密度のSiC単結晶基板を用いて転位が少ない高品質のエピタキシャルウェハを製造することができる。(a)X線源としてMoKα線を用い、回折面の非対称反射面として{1 2 −3 16}面を用いて得られた4H-SiC単結晶基板の反射X線トポグラフィ像である。(b)は、(a)と同じSiC単結晶基板の同じ場所について、X線源としてCuKα線を用い、回折面の非対称反射面として{1 1 −2 8}面を用いて得られたSiC単結晶基板の反射X線トポグラフィ像を示す。(a)X線源としてMoKα線を用い、回折面の非対称反射面として{1 2 −3 16}面を用いて得られた4H-SiCエピタキシャルウェハの反射X線トポグラフィ像である。(b)は、(a)と同じSiCエピタキシャルウェハの同じ場所について、X線源としてCuKα線を用い、回折面の非対称反射面として{1 1 −2 8}面を用いて得られたSiCエピタキシャルウェハの反射X線トポグラフィ像を示す。本発明のSiC単結晶の製造方法で用いる単結晶成長装置の一例を示す断面模式図である。本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造方法で用いるSiCエピタキシャルウェハ膜の成膜装置の一例を示す断面模式図である。 以下、本発明を適用したSiC単結晶基板の評価方法、SiCエピタキシャルウェハの評価方法、SiC単結晶の製造方法、SiCエピタキシャルウェハの製造方法、及び、SiC単結晶について、図面を用いてその構成を説明する。〔SiC単結晶基板の評価方法〕 本発明のSiC単結晶基板の評価方法は、反射X線トポグラフィによってSiC単結晶基板の転位を評価する方法であって、X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiC単結晶基板のX線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiC単結晶基板の転位密度を計測するものである。 本発明のSiC単結晶基板の評価方法で用いるX線トポグラフィは反射法によるものであり、使用できる反射X線トポグラフィ装置としてはX線源としてMoKα線を用いる点以外は特に制限はない。 4H−SiC結晶の回折面として用いる非対称反射面としては、{1 2 −3 L}面(Lは整数)を用いることが好ましい。この反射面を利用することにより反射トポグラフに適した試料とフィルムの位置関係になるからである。すなわち、反射トポグラフにおいては、試料面に対し低角入射で回折条件を満足し、回折角(2θ)がほぼ90度近くになる格子面を選ぶ配置が適しているからである。特に、Lが14、15、16又は17のいずれかであることが好ましい。{1 2 ―3 L}面の中で高強度の転位像が得られるからである。 結晶多形が4H以外たとえば青色LED用基板として使用される6H−SiCに適用する場合には指数Lを(4H以外の多形結晶のc軸長さ)/(4H結晶c軸長さ)で補正すれば適切な格子面の指数が得られる。たとえば4H−SiCの(12−3 16)に相当する6H−SiCの指数は(6Hのc軸長さ15.12Å)/(4H結晶c軸長さ10.05Å)x16=24となり(12−3 16)に相当する(12−3 24)が得られる。 同様に15Rでは(15Rのc軸長さ37.70Å)/(4H結晶c軸長さ10.05Å)x16=60となり(12−3 16)に相当する(12−3 60)が得られる。 図1(a)に、X線源としてMoKα線(0.71Å)を用い、回折面の非対称反射面として{1 2 −3 16}面を用いて、SiC単結晶基板について反射X線トポグラフィ装置を用いて得られた反射X線トポグラフィ像を示す。また、図1(b)は、同じSiC単結晶基板の同じ場所について、モノクロメータを用いない点以外は従来法のようにX線源としてCuKα線(1.54Å)を用い、回折面の非対称反射面として{1 1 −2 8}面を用いて得られた反射X線トポグラフィ像を示す。 図1(a)に示すトポグラフィ像において、円形状の像として得られているものは放射光によるトポグラフで螺旋転位であることが確認されている。一方コリメータを用いたCu波長による反射トポグラフ像でも放射光トポグラフと同じ回折パターンが得られており円形状の像が螺旋転位と確認されている。このコリメータを用いたCu波長による反射トポグラフ像との比較からMo波長で観察される円形状の像も貫通螺旋転位であることを確認している。また、線状(紐状)の像として得られているものは基底面転位である。転位像は、円形状のものと線状(紐状)のものとで明確に区別でき、貫通螺旋転位の転位密度と、基底面転位の転位密度を計測することができる。 このサンプルの場合、貫通螺旋転位の転位密度は468個/cm2であり、基底面転位の転位密度は92個/cm2であった。 これに対して、従来の方法で得られた図1(b)に示すトポグラフィ像では、転位像はほとんど観察できない。従って、貫通螺旋転位の像と基底面転位の像との識別はできないし、それらの転位密度を計測することもできない。〔SiCエピタキシャルウェハの評価方法〕 本発明のSiCエピタキシャルウェハの評価方法は、反射X線トポグラフィによって、SiC単結晶基板上にSiCエピタキシャル膜が形成されたSiCエピタキシャルウェハの転位を評価する方法であって、X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiCエピタキシャルウェハのX線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiCエピタキシャルウェハの転位密度を計測するものである。 本発明のSiCエピタキシャルウェハの評価方法では、試料表面からの侵入深さが約55μmと深いMoKα線をX線源に用いるので、CuKα線を用いる従来の方法で界面の転位の情報を得ることができなかった、厚膜のSiCエピタキシャル膜を有するSiCエピタキシャルウェハに対して有効である。具体的には、CuKα線の試料表面からの侵入深さは約11μmなので、これよりも厚いSiCエピタキシャル膜(例えば、15μm以上、あるいは、20μm以上、あるいは、30μm以上)を有するSiCエピタキシャルウェハに対して有効である。 本発明のSiCエピタキシャルウェハの評価方法において用いるX線トポグラフィは反射法によるものであり、使用できる反射X線トポグラフィ装置としてはX線源としてMoKα線を用いる点以外は特に制限はない。 回折面として用いる非対称反射面としては、{1 2 −3 L}面(Lは整数)を用いることが好ましい。高強度の転位像が得られるからである。特に、Lが14、15、16又は17のいずれかであることが好ましい。より高強度の転位像が得られるからである。またこれら指数面はそれぞれ入射角が異なっていることから表1に示したようにX線の侵入深さが異なる。これを利用しエピ膜の深さ方向の結晶性解析も可能である。また、基板―エピ界面の解析を行う場合膜厚に合わせて指数面を選択することができる。 図2(a)に、X線源としてMoKα線(0.71Å)を用い、回折面の非対称反射面として{1 2 −3 16}面を用いて、SiCエピタキシャルウェハについて反射X線トポグラフィ装置を用いて得られた反射X線トポグラフィ像を示す。SiCエピタキシャル膜の膜厚は30μmであった。 また、図2(b)は、同じSiCエピタキシャルウェハの同じ場所について、モノクロメータを用いない点以外は従来法のようにX線源としてCuKα線(1.54Å)を用い、回折面の非対称反射面として{1 1 −2 8}面を用いて得られた反射X線トポグラフィ像を示す。 図2(a)に示すトポグラフィ像において、円形状の像として得られているものは貫通螺旋転位であり、線状(紐状)の像として得られているものは基底面転位である。転位像は、円形状のものと線状(紐状)のものとで明確に区別でき、貫通螺旋転位の転位密度と、基底面転位の転位密度を計測することができる。 このサンプルの場合、貫通螺旋転位の転位密度は324個/cm2であり、基底面転位の転位密度は60個/cm2であった。 これに対して、従来の方法で得られた図2(b)に示すトポグラフィ像では、転位像はほとんど観察できない。従って、貫通螺旋転位の像と基底面転位の像との識別はできないし、それらの転位密度を計測することもできない。〔SiC単結晶の製造方法〕 本発明のSiC単結晶の製造方法は、坩堝内に配したSiC種結晶上に原料ガスを供給して、該SiC種結晶上にSiCの単結晶を成長させるSiC単結晶の製造方法において、X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiC単結晶板の反射X線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiC単結晶板の転位密度を計測し、転位密度が所定値以下のSiC単結晶板をSiC種結晶として用いるものである。 本発明のSiC単結晶の製造方法は、昇華再結晶法、CVD法その他のSiC種結晶を用いてSiC単結晶を成長させる方法を利用するSiC単結晶の製造方法に適用できるが、一例として昇華再結晶法を利用した場合を例にあげて説明する。 図3は、本発明のSiC単結晶の製造方法で用いる単結晶成長装置の一例の概略模式図である。 単結晶成長装置100は、真空容器1の内部に、断熱材2に覆われた坩堝3が配置されて概略構成されており、蓋部3aと本体部3bとからなる坩堝3の蓋部3aの台座4の一面4aにSiC種結晶Wが接合されている。 蓋部と台座は一体の部材として一つの材料で形成されていてもよく、別個の部材を組み合わることにより構成されていてもよい。 坩堝3は、蓋部3aと本体部3bとから構成されており、本体部3b内部に空洞部6を備えている。空洞部6内の上部には、SiC種結晶Wが固定される。また、空洞部6は、その下部にSiC種結晶W上にSiC単結晶を結晶成長させるのに十分な量の炭化珪素原料5を備えるとともに、その上部にSiC単結晶を結晶成長させるのに必要な空間を確保している。そのため、昇華再結晶法によって、SiC種結晶Wの成長面W1の上に、内底面6a側に向けてSiC単結晶を結晶成長させることができる。 蓋部3aと本体部3bとからなる坩堝3全体を覆うように断熱材2が設置されている。このとき、坩堝3の下部表面および上部表面の一部が露出するように孔部2a、2bを形成する。断熱材2は、坩堝3を安定的に高温状態に維持するためのものであり、例えば、炭素繊維製の材料を用いることができる。坩堝3を必要な程度に安定的に高温状態に維持することができる場合には、断熱材2は設置しなくてもよい。 断熱材2を巻き付けた坩堝3は真空容器1の内部中央の支持棒10上に設置されている。支持棒10は筒状とされており、この支持棒10の孔部10aを断熱材2に設けた孔部2aと合わせるようにする。これにより、真空容器1の下に配置された放射温度計9により、この支持棒10の孔部10aおよび断熱材2の下側の孔部2aを通して、坩堝3の下部表面の温度を観測できる構成とされている。同様に、真空容器1の上に配置された別の放射温度計9により、断熱材2の上側の孔部2bを通して、坩堝3の上部表面の温度を観測できる構成とされている。 真空容器1の内部のガス交換はまず、排出管8に接続した真空ポンプ(図示略)を用いて、真空容器1の内部の空気を排気して、たとえば、4×10−3Pa以下の減圧状態とする。真空ポンプとしては、例えば、ターボ分子ポンプなどを用いることができる。 その後、導入管7から真空容器1の内部に高純度Arガスを導入して、真空容器1の内部をAr雰囲気で9.3×104Paという環境とする。 真空容器1の外側には、加熱手段11が配置されている。この加熱手段11は例えば、高周波加熱コイルであり、電流を流すことにより高周波を発生させて、真空容器1内の中央に設置された坩堝3を、例えば、1900℃以上の温度に加熱することができる。これにより、坩堝3内の炭化珪素原料5を加熱して、炭化珪素原料5から昇華ガスを発生させる。 本発明のSiC単結晶の製造方法では、上述のように概略構成された単結晶成長装置100を用いて、台座4の一面4aにSiC種結晶Wを接合し、SiC単結晶を製造する。 SiC種結晶Wとしては、X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiC単結晶板の反射X線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiC単結晶板の転位密度を計測し、転位密度が所定値以下のSiC単結晶板を用いる。具体的には例えば、図1(a)に示したようなSiC単結晶板を用いる。 X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いた場合、貫通螺旋転位と基底面転位とで異なる形状の像として識別可能なほどの明瞭な転位像を得ることが可能となり、貫通螺旋転位、基底面転位それぞれの転位密度の計測が可能となる。 本発明のSiC単結晶の製造方法において用いるX線トポグラフィは反射法によるものであり、使用できる反射X線トポグラフィ装置としてはX線源としてMoKα線を用いる点以外は特に制限はない。 回折面として用いる非対称反射面としては、{1 2 −3 L}面(Lは整数)を用いることが好ましい。高強度の転位像が得られるからである。特に、Lが14、15、16又は17のいずれかであることが好ましい。より高強度の転位像が得られるからである。 転位密度の上限(所定値)としては、基底面転位密度が1000個/cm2以下でかつ貫通螺旋転位密度が500個/cm2以下であることが好ましい。これらの値以下であれば、SiCデバイスの作動に支障がないSiC単結晶を製造することができるからである。 〔SiCエピタキシャルウェハの製造方法〕 本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造方法は、SiC単結晶基板上に珪素含有ガス及び炭素含有ガスを供給してSiCエピタキシャル膜を形成してSiCエピタキシャルウェハを製造する方法であって、X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiC単結晶基板のX線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiC単結晶基板の転位密度を計測し、転位密度が所定値以下のSiC単結晶基板を用いるものである。 図4は、本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造方法で用いるSiCエピタキシャルウェハ膜の成膜装置の一例の概略模式図である。 SiCエピタキシャルウェハ膜の成膜装置200は、複数のウェハ載置部21bを支持するプラネタリ21と熱輻射部材22との間に設けられた反応室24と、熱輻射部材22の中央部を貫通して反応室24内にガスを供給するガス供給部25と、プラネタリ21及び熱輻射部材22をそれぞれ加熱する高周波コイル26とを備えている。公転用回転軸21aは、ガス供給部25の直下に配置されている。 この構成によって、ガス供給部25を中心軸にしてSiC単結晶基板をプラネタリ21によって公転させるとともに、SiC単結晶基板の中心を軸にしてSiC単結晶基板自体をウェハ載置部21bによって自転させるようになっている。 このように、ウェハ載置部21bとプラネタリ21とを自公転せることにより、SiCエピタキシャルウェハの膜厚やキャリア濃度、温度分布の面内均一性を向上させる構成となっている。 また、高周波コイル26を反応室24の上下に配置する構成によって、基板を高温に加熱することができる。 珪素含有ガス及び炭素含有ガスとしてはそれぞれ、例えば、シラン(SiH4)ガス、プロパン(C3H8)ガスを用いることができる。 本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造方法は、SiC単結晶基板を研磨する工程(研磨工程)と、研磨後のSiC単結晶基板について転位密度を計測し、転位密度が所定値以下のSiC単結晶基板を選別する工程と、そのSiC単結晶基板の表面をガスエッチングする工程(エッチング工程)と、SiC単結晶基板上にSiCエピタキシャル膜を成膜する工程(成膜工程)と、を有する。研磨工程、エッチング工程及び成膜工程については通常行われている手順で行うことができる。 SiCエピタキシャルウェハ膜を成膜するSiC単結晶基板としては、X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiC単結晶基板の反射X線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiC単結晶基板の転位密度を計測し、転位密度が所定値以下のものを用いる。 X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いた場合、貫通螺旋転位及と基底面転位とで異なる形状の像として識別可能なほどの明瞭な転位像を得ることが可能となり、貫通螺旋転位、基底面転位それぞれの転位密度の計測が可能となる。 本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造方法で用いるX線トポグラフィは反射法によるものであり、使用できる反射X線トポグラフィ装置としてはX線源としてMoKα線を用いる点以外は特に制限はない。 回折面として用いる非対称反射面としては、{1 2 −3 L}面(Lは整数)を用いることが好ましい。高強度の転位像が得られるからである。特に、Lが14、15、16又は17のいずれかであることが好ましい。より高強度の転位像が得られるからである。またこれら指数面はそれぞれ入射角が異なっていることから表1に示したようにX線の侵入深さが異なる。これを利用しエピ膜の深さ方向の結晶性解析も可能である。また、基板―エピ界面の解析を行う場合膜厚に合わせて指数面を選択することができる。 転位密度の上限(所定値)としては、基底面転位密度が1000個/cm2以下でかつ貫通螺旋転位密度が500個/cm2以下であることが好ましい。これらの値以下であれば、SiCデバイスの作動に支障がないSiCエピタキシャルウェハを製造することができるからである。 図2(a)は、研磨後の基底面転位密度が(150)個/cm2でかつ貫通螺旋転位密度が(230)個/cm2のSiC単結晶基板を用いて製造したSiCエピタキシャルウェハの反射X線トポグラフィ像である。 上記した通り、SiCエピタキシャルウェハの貫通螺旋転位密度は324個/cm2であり、基底面転位密度は60個/cm2であった。 基底面転位密度が1000個/cm2以下でかつ貫通螺旋転位密度が500個/cm2以下のSiC単結晶基板を用いた結果、転位密度の低い高品質のSiCエピタキシャルウェハを製造することができた。 なお、上述した通り、本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造方法で用いるX線トポグラフィでは、X線(MoKα線)は侵入深さが約65μmあるので、30μm厚のSiCエピタキシャル膜のみならず、SiCエピタキシャル膜とSiC単結晶基板との界面、さらに、SiC単結晶基板中にまで侵入してその転位情報をトポグラフィ像に反映する。従って、上記の貫通螺旋転位密度324個/cm2及び基底面転位密度は60個/cm2の値は、SiCエピタキシャル膜のみならず、界面及びSiC単結晶基板中の転位も含めたものであるから、SiCエピタキシャル膜中の転位密度はそれらの値よりも低い。 SiC単結晶基板の成長面に存在する基底面転位の一部はSiCエピタキシャル膜において積層欠陥に変換して、SiCエピタキシャル膜中の基底面転位密度は低下するのに対して、貫通転位の方はSiC単結晶基板からSiCエピタキシャル膜にそのまま伝播することが知られており、上記転位密度の値はそれを反映したものとなっている。 〔SiC単結晶〕 本発明のSiC単結晶は、本発明のSiC単結晶の製造方法によって製造された、基底面転位密度が1000個/cm2以下で、かつ、貫通螺旋転位密度が500個/cm2以下のSiC単結晶である。 図1(a)に示したSiC単結晶は、本発明のSiC単結晶の製造方法によって製造されたものであって、本発明のSiC単結晶基板の評価方法によって計測された基底面転位密度が92個/cm2で、かつ、貫通螺旋転位密度が468個/cm2のSiC単結晶である。 1 真空容器 3 坩堝 4 台座 5 炭化珪素原料 11 加熱手段 21 プラネタリ 21b ウェハ載置部 22 熱輻射部材 24 反応室 25 ガス供給部 100 単結晶成長装置 200 SiCエピタキシャルウェハ膜の成膜装置 W SiC種結晶 反射X線トポグラフィによってSiC単結晶基板の転位を評価する方法であって、 X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiC単結晶基板のX線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiC単結晶基板の転位密度を計測することを特徴とするSiC単結晶基板の評価方法。 回折面として{1 2 −3 L}面(Lは整数)を用いることを特徴とする請求項1に記載のSiC単結晶基板の評価方法。 前記SiC単結晶基板の結晶多形が4H型であって、前記Lが14、15、16又は17のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のSiC単結晶基板の評価方法。 前記SiC単結晶基板の結晶多形が4H型以外の六方晶あるいは三方晶であって、前記Lが14,15,16,17が単位格子のc軸長さの比(4H以外の多形結晶のc軸長さ)/(4H結晶c軸長さ)で補正された指数を用いることを特徴とする請求項2に記載のSiC単結晶基板の評価方法。 反射X線トポグラフィによって、SiC単結晶基板上にSiCエピタキシャル膜が形成されたSiCエピタキシャルウェハの転位を評価する方法であって、 X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiCエピタキシャルウェハのX線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiCエピタキシャルウェハの転位密度を計測することを特徴とするSiCエピタキシャルウェハの評価方法。 回折面として{1 2 −3 L}面(Lは整数)を用いることを特徴とする請求項5に記載のSiCエピタキシャルウェハの評価方法。 前記SiCエピタキシャルウェハの結晶多形が4H型であって、前記Lが14、15、16又は17のいずれかであることを特徴とする請求項6に記載のSiCエピタキシャルウェハの評価方法。 前記SiCエピタキシャルウェハの結晶多形が4H型以外の六方晶あるいは三方晶であって、前記指数14,15,16,17が単位格子のc軸長さの比(4H以外の多形結晶のc軸長さ)/(4H結晶c軸長さ)で補正された指数を用いることを特徴とする請求項6に記載のSiCエピタキシャルウェハの評価方法。 坩堝内に配したSiC種結晶上に原料ガスを供給して、該SiC種結晶上にSiCの単結晶を成長させるSiC単結晶の製造方法において、 X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiC単結晶板の反射X線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiC単結晶板の転位密度を計測し、転位密度が所定値以下のSiC単結晶基板を前記SiC種結晶として用いることを特徴とするSiC単結晶の製造方法。 前記所定値として、基底面転位密度が1000個/cm2以下でかつ貫通螺旋転位密度が500個/cm2以下であることを特徴とする請求項9に記載のSiC単結晶の製造方法。 SiC単結晶基板上に珪素含有ガス及び炭素含有ガスを供給してSiCエピタキシャル膜を形成してSiCエピタキシャルウェハを製造する方法であって、 X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiC単結晶基板の反射X線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiC単結晶基板の転位密度を計測し、転位密度が所定値以下のSiC単結晶基板を用いることを特徴とするSiCエピタキシャルウェハの製造方法。 前記所定値として、基底面転位密度が1000個/cm2以下でかつ貫通螺旋転位密度が500個/cm2以下であることを特徴とする請求項11に記載のSiCエピタキシャルウェハの製造方法。 請求項9又は10のいずれかに記載のSiC単結晶の製造方法によって製造された、基底面転位密度が1000個/cm2以下で、かつ、貫通螺旋転位密度が500個/cm2以下であることを特徴とするSiC単結晶。 【課題】モノクロメータを用いないで反射X線トポグラフィによってSiC単結晶基板の転位密度を評価することができるSiC単結晶基板の評価方法を提供する。【解決手段】本発明のSiC単結晶基板の評価方法は、反射X線トポグラフィによってSiC単結晶基板の転位を評価する方法であって、X線源としてMoKα線を用い、回折面として非対称反射面を用いて、SiC単結晶基板のX線トポグラフィ像を得て、該X線トポグラフィ像を用いてSiC単結晶基板の転位密度を計測することを特徴とする。【選択図】図1


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