生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_発毛促進剤
出願番号:2012118329
年次:2013
IPC分類:A61K 8/97,A61K 36/18,A61P 17/14,A61Q 7/00,A61Q 5/06,A61Q 5/02,A61Q 5/12,A61K 36/00,A61P 43/00


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足立 浩章 山羽 宏行 堀田 直和 JP 2013245172 公開特許公報(A) 20131209 2012118329 20120524 発毛促進剤 日本メナード化粧品株式会社 592262543 足立 浩章 山羽 宏行 堀田 直和 A61K 8/97 20060101AFI20131112BHJP A61K 36/18 20060101ALI20131112BHJP A61P 17/14 20060101ALI20131112BHJP A61Q 7/00 20060101ALI20131112BHJP A61Q 5/06 20060101ALI20131112BHJP A61Q 5/02 20060101ALI20131112BHJP A61Q 5/12 20060101ALI20131112BHJP A61K 36/00 20060101ALI20131112BHJP A61P 43/00 20060101ALI20131112BHJP JPA61K8/97A61K35/78 CA61P17/14A61Q7/00A61Q5/06A61Q5/02A61Q5/12A61K35/78 WA61P43/00 105A61P43/00 2 OL 9 4C083 4C088 4C083AA111 4C083AA112 4C083AA122 4C083AC072 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC302 4C083AC432 4C083AC482 4C083AC542 4C083AC642 4C083AC692 4C083AC782 4C083AD262 4C083AD352 4C083BB53 4C083CC32 4C083CC33 4C083CC37 4C083CC38 4C083CC39 4C083EE22 4C083FF01 4C088AB12 4C088AB37 4C088AC02 4C088AC03 4C088AC04 4C088BA09 4C088BA10 4C088CA02 4C088CA03 4C088CA05 4C088CA08 4C088CA11 4C088NA14 4C088ZA92 4C088ZB21 本願発明は、ランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物を含有することを特徴とするnogginの産生促進剤及び発毛促進剤に関する。 一般に、男性型脱毛症や老人性脱毛症の原因として、毛周期の異常、男性ホルモンの活性化、毛母細胞や毛乳頭細胞の機能低下、毛包環境の悪化(血行不良)等が考えられており、これらの原因を取り除く、又は軽減する成分の研究が広く行われている。このうち、毛周期の異常を抑制する手法としては、休止期から成長期へ誘導して発毛を促進する方法や、休止期への移行を抑制して成長期を本来の長さに戻すことにより毛髪を太く長く成長させる方法等が考えられている。休止期から成長期への移行シグナルには、noggin、STAT3、WNT、β−catenin/LEF1等が関与すると考えられている。 従来、発毛促進剤に配合される成分には、毛周期の異常を抑制する成分としてミノキシジルやピラゾール誘導体(特許文献1)、男性ホルモンの作用を緩和させる成分としてエストラジオール、エチニルエストラジオール等の女性ホルモン、細胞を賦活させる成分としてパントテン酸誘導体、プラセンタエキス、血管拡張及び血流を促進させる成分としてトウガラシチンキ、l−メントール、センブリ抽出物等が用いられている(非特許文献1)。 一方、ランブータン抽出物の育毛剤又は発毛剤への利用については、テストステロン−5α−レダクターゼ阻害剤(特許文献2)が報告されている。また、ビロードモウズイカ抽出物の育毛剤又は発毛剤への利用については、テストステロン−5α−レダクターゼ阻害剤及び外毛根鞘細胞の増殖促進剤(特許文献3)が報告されている。特開2011−136944特開平05−017365特開2007−008885化粧品ハンドブック、日光ケミカルズ株式会社、1996、p473−485. しかしながら、前記のように種々の試みがなされているにもかかわらず、従来の発毛剤の効果は必ずしも充分なものではなかった。本願発明は、顕著な発毛効果を有し、安全性の高い新規な発毛剤を提供することを課題とする。 本願発明者は、この問題点を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、ランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物を同時に配合することにより、驚くべきことに休止期から成長期への移行シグナルであるnogginの産生が顕著に促進され、極めて優れた発毛効果が発揮されることを偶然発見し、本願発明を完成するに至った。 すなわち、ランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物を含有することを特徴とするnogginの産生促進剤及び発毛促進剤である。 ランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物を併せて用いることにより、相乗的に毛母細胞におけるnogginの産生を促進し、発毛効果を高めることができる。 本願発明で用いるランブータンは、東南アジア原産のムクロジ科の果樹で、学名をNephelium lappaceumといい、熱帯・亜熱帯地方において栽培されている。部位としては、果実、果皮や種子等が利用できるが、果皮がより好ましい。また、ビロードモウズイカは、ゴマノハグサ科モウズイカ属に含まれる植物で、学名をVerbascum thapsus Lといい、ハーブとして流通する花や地上部等を利用できる。本願発明で用いるランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物は、市販品を用いることができるし、自生品や栽培品を用いても良い。 本願発明で用いるランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物の抽出方法は、特に限定されず、例えば、加熱抽出したものであっても良いし、常温抽出したものであっても良い。 抽出する溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)等が挙げられる。好ましくは、水、低級アルコール等の極性溶媒が良い。これらの溶媒は、一種でも二種以上を混合して用いても良い。 上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いても良く、必要に応じて、濃縮、希釈、濾過、活性炭等による脱色、脱臭、エタノール沈殿等の処理をして用いても良い。更には、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いても良い。 本願発明のランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物を含有することを特徴とするnoggin産生促進剤及び発毛促進剤は、化粧品、医薬部外品及び医薬品のいずれにも用いることができ、その剤型としては、例えば、ローション、トニック、ゲル剤、エアゾール剤、軟膏、ペースト剤、クリーム、シャンプー、リンス等の頭皮に適用されるものが挙げられる。ランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物をそのまま使用しても良く、抽出物の効果を損なわない範囲内で、外用剤に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、キレート剤等の成分を配合することができる。 本願発明で用いるランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物の配合量は、配合するnogginの産生促進剤又は発毛促進剤に対し、ランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物の合計量として、固形物に換算して0.001重量%以上、好ましくは0.001〜5重量%が良い。ランブータン抽出物とビロードモウズイカ抽出物の配合量の比率は、特に限定されないが、固形物に換算してランブータン抽出物1に対して、ビロードモウズイカ抽出物が重量比1であると、nogginの産生及び発毛作用がさらに相乗的に促進されるので、好ましい。添加の方法については、予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。 本願発明を詳細に説明するため、実施例として本願発明で用いる抽出物の製造例、処方例及び実験例を挙げるが、本願発明はこれに限定されるものではない。製造例1 ランブータンの熱水抽出物 ランブータンの果皮200gに蒸留水1Lを加えて、100℃で1時間抽出し、得られた抽出液を濾過し、その濾液を濃縮してランブータンの熱水抽出物を8.5g得た。製造例2 ビロードモウズイカの熱水抽出物 ビロードモウズイカの地上部の細断品100gに蒸留水1Lを加えて、100℃で1時間抽出し、得られた抽出液を濾過し、その濾液を濃縮してビロードモウズイカの熱水抽出物を10.8g得た。製造例3 ランブータンの50%エタノール抽出物 ランブータンの果皮200gに50%エタノール水溶液5Lを加えて、5時間還流抽出した。抽出終了後、濾過し、その濾液を濃縮してランブータンの50%エタノール抽出物を6.5g得た。製造例4 ビロードモウズイカの50%エタノール抽出物 ビロードモウズイカの地上部の細断品100gに50%エタノール水溶液5Lを加えて、5時間還流抽出した。抽出終了後、濾過し、その濾液を濃縮してビロードモウズイカの50%エタノール抽出物を5.9g得た。 本願発明で用いるランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物は、処方例として下記の製剤化を行うことができる。 処方例1 ヘアローション成分 配合量(重量%) 1.ランブータンの熱水抽出物(製造例1) 1.0 2.ビロードモウズイカの熱水抽出物(製造例2) 1.0 3.1,3−ブチレングリコール 8.0 4.グリセリン 2.0 5.キサンタンガム 0.02 6.クエン酸 0.01 7.クエン酸ナトリウム 0.1 8.エタノール 5.0 9.パラオキシ安息香酸メチル 0.110.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.111.香料 0.112.精製水 82.57[製造方法]成分1〜7及び12と、成分8〜11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とする。 比較例1 ランブータンのみを配合するヘアローション 処方例1において、ビロードモウズイカの熱水抽出物(製造例2)をランブータンの熱水抽出物(製造例1)に置き換えたものを、ランブータンのみを配合するローションとした。 比較例2 ビロードモウズイカのみを配合するヘアローション 処方例1において、ランブータンの熱水抽出物(製造例1)をビロードモウズイカの熱水抽出物(製造例2)に置き換えたものを、ビロードモウズイカのみを配合するローションとした。 処方例2 ヘアトニック成分 配合量(重量%) 1.ランブータンの50%エタノール抽出物(製造例3) 0.5 2.ビロードモウズイカの50%エタノール抽出物(製造例4) 0.5 3.エタノール 60.0 4.グリセリン 2.0 5.精製水 37.0[製造方法]成分1〜5を加え、十分撹拌混合し、製品とする。 処方例3 シャンプー成分 配合量(重量%) 1.ランブータンの50%エタノール抽出物(製造例3) 0.1 2.ビロードモウズイカの50%エタノール抽出物(製造例4) 0.1 3.アルキル硫酸トリエタノールアミン 18.0 4.ラウリン酸ジエタノールアミド 3.0 5.メチルセルロース 0.5 6.香料 0.1 7.精製水 78.2[製造方法]成分7に成分5を均一に溶解した後、成分1〜3を加え、70〜75℃で加熱溶解した後、成分4を加え、冷却途中に成分6を加え30℃まで冷却し製品とした。 処方例4 リンス成分 配合量(重量%) 1.ランブータンの50%エタノール抽出物(製造例3) 0.1 2.ビロードモウズイカの50%エタノール抽出物(製造例4) 0.4 3.ホホバ油 0.01 4.ベヘニルアルコール 3.0 5.1,3−ブチレングリコール 5.0 6.塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(75%) 8.0 7.クエン酸 0.05 8.香料 0.1 9.精製水 83.34[製造方法]成分1〜9を60℃で溶解し、撹拌して30℃まで冷却し製品とした。 以下、本願発明を効果的に説明するために、実験例を挙げる。なお、本願発明はこれにより限定されるものではない。 実験例1 上皮系細胞におけるnogginの産生促進試験 上皮系細胞である角化細胞におけるnogginの産生促進効果を下記の条件にて測定した。 ヒト角化細胞HaCaTを60mm dishに1×105個播種し、コンフルエントになった時点で、各濃度の試料を添加した。コントロールには、試料を希釈した溶媒を添加した。6時間培養後、総RNAの抽出を行った。細胞からの総RNAの抽出はTRIZOL Reagent(Invitrogen)を用いて行い、総RNA量は分光光度計(NanoDrop)を用いて260nmにおける吸光度により求めた。mRNA発現量の測定は、細胞から抽出した総RNAを基にしてリアルタイムRT−PCR法により行った。リアルタイムRT−PCR法には、SuperScript3 Platinum Two−Step qRT−PCR Kit with SYBR Green(Invitrogen)を用いた。すなわち、500ngの総RNAを逆転写反応後、PCR反応(95℃:15秒間、60℃:30秒間、40cycles)を行った。その他の操作は定められた方法に従い、noggin mRNAの発現量を、内部標準である18S ribosomal RNAの発現量に対する割合として求めた。nogginの産生促進効果は、コントロールのnoggin mRNAの発現量に対する試料添加群のnoggin mRNAの発現量の比率として算出した。尚、各遺伝子の発現量の測定に使用したプライマーは次の通りである。 nogginのプライマーセットCCTGGTGGACCTCATCG(配列番号1)GCAGCAGCGTCTCGTTCAG(配列番号2) 18S ribosomal RNA用のプライマーセットCCGAGCCGCCTGGATAC(配列番号3)CAGTTCCGAAAACCAACAAAATAGA(配列番号4) これらの試験結果を表1に示した。nogginの産生量は、ランブータン熱水抽出物又はビロードモウズイカ熱水抽出物の添加により、ブランク(試料未添加)と比べて144%又は84%の増加を示した。両試料を足し合わせたとき、その効果は228%(=144+84)になると期待されるが、実際の効果は292%の増加であった。また、50%エタノール抽出物でも同様の効果があり、両試料を足し合わせたとき、その効果は180%になると期待されるが、実際の効果は248%の増加であった。したがって、ランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物のそれぞれにnogginの産生促進効果が認められ、組み合わせて添加することにより、顕著な効果の増強が認められた。その他の濃度についても、nogginの産生量は、同様に相乗効果が認められた。 実験例2 使用試験 ヘアローションの処方例1及び比較例1、2を用いて、男性型脱毛症の30代〜40代の男性30名を対象に3ヵ月間の使用試験を行った。被験者を10名ずつ3群に分け、それぞれ、処方例1及び比較例1、2のヘアトニックを連日朝晩の2回使用させた。試験開始前及び試験終了後に、成長期毛率を測定して、発毛促進効果を評価した。成長期毛率の測定では、マイクロスコープを用いて、頭頂部毛髪の状態を観察し、7mm×7mmの部位について、毛髪を根元からハサミを用いて刈毛した。3日後に刈毛部位をマイクロスコープにて撮影し、刈毛の前後にて毛髪の伸長がみられたものを成長期毛と判定し、全毛髪数に対する成長期毛数を成長期毛率として算出した。 これらの試験結果を表2に示した。ランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物を配合した処方例1のヘアローションの使用により、3ヵ月後の成長期毛率は極めて顕著に促進した。ランブータン抽出物又はビロードモウズイカ抽出物のどちらか片方を配合した比較例1及び2のヘアローションの使用によっても、3ヵ月後の成長期毛率は促進したが、その変化量はランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物を配合した処方例1よりも少なかった。試験期間中、トラブルはひとりもなく、安全性においても問題はなかった。また、処方例2〜4についても優れた発毛促進作用が認められ、安全性においても問題はなかった。 以上の結果より、ランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物を併せて用いることにより、相乗的に上皮系細胞におけるnogginの産生が促進し、際立った発毛促進作用を示すことが明らかとなった。 ランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物を併せて用いることにより、相乗的に毛母細胞におけるnogginの産生を促進し、際立った発毛効果を発揮させることができる。本願発明により、顕著な発毛効果を有し、安全性の高い新規な発毛剤を提供することが可能となる。 ランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物を含有することを特徴とするnoggin産生促進剤。 請求項1記載のnoggin産生促進剤を含有することを特徴とする発毛促進剤。 【課題】顕著な発毛効果を有し、安全性の高い新規な発毛剤を提供することを課題とする。【解決手段】ランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物を含有することを特徴とするnogginの産生促進剤及び発毛促進剤である。nogginの産生促進作用を有するランブータン抽出物及びビロードモウズイカ抽出物を併せて用いることにより、相乗的に毛母細胞におけるnogginの産生を促進し、効果的かつ安全に発毛効果を高めることが可能となる。【選択図】なし配列表


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