タイトル: | 公開特許公報(A)_口腔用組成物 |
出願番号: | 2012116550 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | A61K 8/86,A61K 8/92,A61K 8/34,A61Q 11/00 |
小林 和法 JP 2013241378 公開特許公報(A) 20131205 2012116550 20120522 口腔用組成物 ポーラ化成工業株式会社 000113470 小林 和法 A61K 8/86 20060101AFI20131108BHJP A61K 8/92 20060101ALI20131108BHJP A61K 8/34 20060101ALI20131108BHJP A61Q 11/00 20060101ALI20131108BHJP JPA61K8/86A61K8/92A61K8/34A61Q11/00 2 OL 5 4C083 4C083AA122 4C083AC121 4C083AC122 4C083AC131 4C083AC132 4C083AC181 4C083AC182 4C083AC312 4C083AC432 4C083AC441 4C083AC442 4C083BB41 4C083CC41 4C083DD23 4C083EE06 4C083EE07 4C083EE31 4C083KK01 本発明は、口腔用組成物に関し、更に詳細には、マウスウォッシュあるいは液体歯磨きに好適な口腔用組成物に関するものである。 口腔用組成物は、口腔内の洗浄効果とともに、身体をリフレッシュさせる効果も重要であり、そのため香料は身体をリフレッシュさせる清涼剤として必須の構成要素となっている。通常この様な香料は油性成分であるので、界面活性剤を用いて可溶化することがよく知られているところであるが、とくにポリオキシエチレン系の非イオン界面活性剤を用いて可溶化することが定法となっている。その中でもポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が汎用されているのであるが(例えば、特許文献1を参照)、かかるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は特有の苦味を有しており、使用性がすこぶる低いという課題を有していた。一方で、他のポリオキシエチレン系の非イオン界面活性剤を用いた、香料を含有する口腔用組成物も知られているが(例えば、特許文献2を参照)、可溶化が不十分なため、製剤化に課題を有していた。特開2011−168506特開平11−12141 本発明は、香料を安定に含有する、苦味がなく使用性が高い口腔用組成物を提供することを課題とする。 このような状況に鑑みて、本発明者らは鋭意研究した結果、特定のポリオキシエチレン系の非イオン界面活性剤の組合せにさらに糖類を加えた口腔用組成物が、香料の清涼感を損なわず安定に含有され、苦味がなく使用性が高いことを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明の口腔用組成物は、以下に示すとおりである。(1)A)香料と、B)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、C)ポリオキシエチレンアルキルエーテルと、D)マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、グリセリンの1種又は2種以上から選ばれる糖類、とを含有することを特徴とする、口腔用組成物において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量の比が、10:1〜1:10であることを特徴とする、口腔用組成物。(2)ポリオキシエチレンアルキルエーテルが、ポリオキシエチレンイソセチルエーテルであることを特徴とする、(1)に記載の口腔用組成物。本発明によれば、香料の清涼感を損なわず、安定である口腔用組成物を提供することができる。(1)本発明の香料本発明の口腔用組成物は、必須成分として香料を含有することを特徴とする。かかる香料は公知のものでよいが、特に精油が好ましい。ここでいう精油とは、植物体に含まれ、水蒸気蒸留法により抽出される、揮発性の芳香物質を含む有機化合物のことを指す。このような成分としては、ティートリー油、ベルガモット油、ローズマリー油、レモン油、フランキンセンス油、マジョラム油、サンダルウッド油、パチュリ油、ネロリ油、マンダリン油、オレンジ油、スイートオレンジ油、ブルガリアンローズ油、グレープフルーツ油、ユーカリ油などから選択される1種又は2種以上が好ましく、ティートリー油、ベルガモット油、ローズマリー油、レモン油から選択される1種又は2種以上が本発明の口腔用組成物においては特に好ましい。(2)本発明のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル本発明の口腔用組成物は、必須成分としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする。該ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、後記ポリオキシエチレンアルキルエーテルと組み合わせることにより、本発明の香料の清涼作用を損ねることなく、安定に可溶化することができる。このようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、オキシエチレンの付加モル数が10〜50で、脂肪酸の炭素数が12〜18のものが好ましく、これらの中ではモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)などが特に好ましく例示できる。かかる成分は、市販されているものを使用することができ、このようなものとしては、東邦化学工業株式会社製の「ソルボンT-20」、「ソルボンT-40」、「ソルボンT-60」、「ソルボンT-80」、「ソルボンT-85」などが好ましく例示できる。このようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量は、本発明の口腔用組成物全体に対して、0.1質量%〜10質量%が好ましく、1質量%〜5質量%が特に好ましい。この範囲を外れると、可溶化の効果が低下する場合が存する。(3)本発明のポリオキシエチレンアルキルエーテル本発明の口腔用組成物は、必須成分としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有することを特徴とする。該ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと組み合わせることにより、本発明の香料の清涼作用を損ねることなく、安定に可溶化することができる。このようなポリオキシエチレンアルキルエーテルでは、オキシエチレンの付加モル数が10〜50のものが好ましく、ポリオキシエチレン(25E.O.)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(10E.O.)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(30E.O.)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(30E.O.)イソセチルエーテル、ポリオキシエチレン(20E.O.)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(30E.O.)ベヘニルエーテルなどがさらに好ましく例示できる。かかる成分は、市販されているものを使用することができ、このようなものとしては、日光ケミカルズ株式会社製の「ニッコールBL-25」、「ニッコールBC-10」、「ニッコールBC-30」、「ニッコールBH-30」、「ニッコールBO-20V」、「ニッコールBB-30」などが好ましく例示できる。このようなポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量は、本発明の口腔用組成物全体に対して、0.1質量%〜10質量%が好ましく、1質量%〜5質量%が特に好ましい。この範囲を外れると、可溶化の効果が低下する場合が存する。さらに、前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと該ポリオキシエチレンアルキルエーテルの質量比は、10:1〜1:10が好ましく、5:1〜1:5がさらに好ましい。この範囲を外れると、香料の清涼感が低下する場合が存する。(4)本発明の糖類本発明の口腔用組成物は、必須成分としてマルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、グリセリンの1種又は2種以上から選ばれる糖類を含有することを特徴とする。このような糖類は、前記2つの活性剤による香料の可溶化を、更に高める作用を有する。かかる糖類の中では、マルチトールが特に好ましい。このような糖類の含有量は、本発明の口腔用組成物全体に対して、1質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%が特に好ましい。(5)本発明の口腔用組成物本発明の口腔用組成物は、液状の組成物であって、口腔内に含ませて、漱いだ後、はき出して使用する形態の口腔内用の組成物を意味し、その目的としては、う蝕の予防、口臭の改善或いは予防、口腔内感染症の改善或いは予防などが挙げられる。このようなものの種類としては、マウスウォッシュ、水歯磨きあるいは、うがい薬などが好ましく例示できる。本発明の口腔用組成物は、かかる必須成分以外に、通常このような口腔用組成物で使用される任意の成分を含有することができる。かかる任意の成分としては、例えば、グリセリンや1,3−ブタンジオール、プロピレングリコールなどの多価アルコール類、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、安息香酸、安息香酸のエステルなどの抗菌成分、有機色素などの着色料、メチルセルロースなどの増粘成分、無機塩類、有機酸の塩類などが好ましく例示できる。本発明の口腔用組成物は、エタノールなどの低級アルコールを含有することもできる。本発明の口腔用組成物は、これら任意の成分と必須成分とを常法に従って処理することにより製造することができる。以下に実施例を示して本発明についてさらに詳細に説明を加えるが、本発明は、これらの実施例にのみ限定を受けないことはいうまでもない。<実施例>次の表1に示す処方に従って、本発明の口腔用組成物を作製した。即ち、処方成分を80℃に加熱し、可溶化し、攪拌冷却して、実施例1〜4である本発明のマウスウォッシュを得た。同様にして比較例1〜3も作製した。それぞれについて外観と、使用したときの苦味と清涼感について評価した。苦味、清涼感の評価基準は、○:良好、△:普通、×:不良とした。この結果より、本発明の口腔用組成物は、安定で清涼感があり、苦味もなく使用性が高いことが判る。次の表2に示す処方に従って、実施例1〜4と同様の方法で、実施例5〜11である本発明のマウスウォッシュを作製した。これらも実施例1〜4と同様に、安定で清涼感があり、苦味もなく使用性が高かった。A)香料と、B)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、C)ポリオキシエチレンアルキルエーテルと、D)マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、グリセリンの1種又は2種以上から選ばれる糖類、とを含有することを特徴とする、口腔用組成物において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量の比が、10:1〜1:10であることを特徴とする、口腔用組成物。ポリオキシエチレンアルキルエーテルが、ポリオキシエチレンイソセチルエーテルであることを特徴とする、請求項1に記載の口腔用組成物。 【課題】香料を安定に含有する、苦味がなく使用性の高い口腔用組成物を提供する。【解決手段】香料と、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、ポリオキシエチレンアルキルエーテルと、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、グリセリンの1種又は2種以上から選ばれる糖類、とを含有することを特徴とする、口腔用組成物において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量の比が、10:1〜1:10であることを特徴とする、本発明の口腔用組成物は清涼剤である香料を安定に可溶化し、苦味がなく使用性が高いものを提供することができる。【選択図】なし