生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_爪被覆剤用リムーバーおよび除去方法
出願番号:2012115568
年次:2013
IPC分類:A61K 8/49,A61K 8/34,A61Q 3/04


特許情報キャッシュ

若松 里恵子 原 顕子 田村 明日香 JP 2013241362 公開特許公報(A) 20131205 2012115568 20120521 爪被覆剤用リムーバーおよび除去方法 ライオン株式会社 000006769 志賀 正武 100064908 高橋 詔男 100108578 鈴木 三義 100094400 川越 雄一郎 100152272 加藤 広之 100153763 若松 里恵子 原 顕子 田村 明日香 A61K 8/49 20060101AFI20131108BHJP A61K 8/34 20060101ALI20131108BHJP A61Q 3/04 20060101ALI20131108BHJP JPA61K8/49A61K8/34A61Q3/04 2 OL 14 4C083 4C083AA122 4C083AC102 4C083AC151 4C083AC152 4C083AC171 4C083AC182 4C083AC841 4C083AC842 4C083AD282 4C083CC29 4C083DD27 本発明は、爪被覆剤用リムーバーおよびこれを用いた除去方法に関する。 爪の保護、装飾等のため、爪の表面を爪被覆剤で被覆することが行われている。 爪被覆剤としては、従来、ニトロセルロースを有機溶剤に溶解した塗液を爪の表面に塗布、乾燥して皮膜(エナメル)を形成するタイプの爪被覆剤(マニキュア)が主流である。 形成されたエナメルの除去には、エナメルを溶解する溶剤を主剤とするエナメルリムーバーが用いられている。該主剤としては、アセトン等のケトン系溶剤やエステル系溶剤が主に用いられている。 しかし、エナメルリムーバーは、主剤であるアセトン等の溶剤が爪やその周辺の皮膚にダメージを与える、引火性が高い等の問題がある。 このような問題に対し、例えば特許文献1には、刺激が少なく爪や指を痛めない爪のエナメル除去剤として、γ−ブチロラクトンやベンジルアルコールを主剤とするものが開示されている。特許文献2には、引火性がなく爪を痛めることないネイルラッカーリムーバーとして、特定の配合量のプロピレンカーボネート、エタノール、ヒドロキシプロピルセルロースおよび水を必須成分する不燃性の透明ゲル状のものが開示されている。特許文献3には、エナメル除去力、使用後のマイルド感に優れ、爪の損傷度合いを改善し、適度な粘性を有する乳化エナメルリムーバーとして、水、溶剤、界面活性剤、油分、低級アルキレンカーボネートおよびセルロース誘導体を含有してなるものが開示されている。 近年、爪被覆剤として、ウレタン系樹脂等の紫外線硬化型樹脂を含有するジェルを爪の表面にコーティングし、紫外線を照射して硬化させるタイプの爪被覆剤(ジェルネイル)が登場している。 ジェルネイルの硬化皮膜は、アセトンを主剤とするリムーバー(以下、アセトン系リムーバーという。)により除去されており、通常、容器に入れ加温したアセトン系リムーバー中に、爪を含む指先部位を浸漬して硬化皮膜を膨潤させ、スパチュラ等の器具で引っかくことにより剥離している。 しかし、ジェルネイルの硬化皮膜は、ニトロセルロース系のエナメルに比べて皮膜強度が強いため、従来のアセトン系リムーバーで除去しようとすると、爪を含む指先部位をアセトン系リムーバー中に20分間以上浸漬せざるを得ない。また、アセトン系リムーバー中に長時間浸漬することで、爪や指先の皮膚が著しくダメージを受け、例えば爪の表面が荒れたり皮膚の表面が白くなってしまう。 このような問題に対し、例えば、特許文献1〜3に開示されるような、爪や皮膚にダメージを与えにくいリムーバーを用いることが考えられる。 しかし、これらのリムーバーは、ジェルネイルに対するリムーバーに要求される除去性能と低ダメージ性とを兼ね備えるものとはいえない。例えばアセトンをある程度含まない場合、硬化皮膜を除去できなかったり、除去できても時間がさらにかかってしまう。アセトンをある程度含む場合、硬化皮膜を除去することはできるが、浸漬時間が長いため、爪や皮膚にダメージを与えてしまう。 したがって、爪被覆剤の皮膜、特にジェルネイルの硬化皮膜を、従来のアセトン系リムーバーと同等かそれよりも短い時間で除去できる除去性と、爪や皮膚にダメージを与えにくい低ダメージ性とを兼ね備えた爪被覆剤用リムーバーが求められる。特開昭62−207206号公報特開平01−242515号公報特開平09−268114号公報 本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、爪被覆剤の皮膜に対する高い除去性と、爪や皮膚に対する低いダメージ性とを兼ね備える爪被覆剤用リムーバーおよびこれを用いた爪被覆剤除去方法を提供することを目的とする。 本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の2成分を併用し、かつそれらの比率と合計量を特定範囲内とすることによって、短時間で、かつ爪や皮膚にダメージを与えることなく、従来のマニキュア(主成分ニトロセルロース)の皮膜や、これよりも除去が難しいジェルネイルの硬化皮膜を除去できることを見出した。 本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、以下の態様を有する。 本発明の第一の態様は、アルキレンカーボネート(A)と、下記一般式(b1)で表される化合物(B)と、を含有し、 前記アルキレンカーボネート(A)と前記化合物(B)との質量比が、(A)/(B)=70/30〜95/5の範囲内であり、 前記アルキレンカーボネート(A)と前記化合物(B)との合計量が、40〜70質量%であることを特徴とする、爪被覆剤用リムーバーである。[式(b1)中、R1はCH2OHまたはCH2OCH3を示し、R2はH、CH2OCH3またはOCH3を示す。] 本発明の第二の態様は、爪に設けられた爪被覆剤の皮膜を、請求項1に記載の爪被覆剤用リムーバーを用いて除去する除去方法である。 本発明によれば、爪被覆剤の皮膜に対する高い除去性と、爪や皮膚に対する低いダメージ性とを兼ね備える爪被覆剤用リムーバーおよびこれを用いた除去方法を提供できる。本発明の爪被覆剤用リムーバーを収容する容器の一実施形態の概略構成を示す分解図である。 本発明の爪被覆剤用リムーバー(以下、単にリムーバーということがある。)は、下記の(A)成分と(B)成分とを、(A)/(B)=70/30〜95/5の範囲内、それらの合計量が40〜70質量%となるように含有する。これにより、爪被覆剤の皮膜に対して、従来のアセトン系リムーバーと同等の優れた除去性を発揮し、通常のマニキュア(主成分ニトロセルロース)の皮膜を溶解除去できるほか、ジェルネイルの硬化皮膜も、従来のアセトン系リムーバーを用いた場合と同程度の短時間で除去できる。また、従来のアセトン系リムーバーに比べて、爪や皮膚に対してダメージを与えにくい。そのため、ジェルネイルの硬化皮膜の除去のためにある程度の時間接触させていても、ダメージはほとんど生じない。さらに、従来のアセトン系リムーバーよりも引火性が低い。 一方、(A)成分を含まないか、含んでいても(A)/(B)における(B)成分の比率が30を超える場合や、リムーバー中の(A)成分と(B)成分の合計が70質量%を超える場合は、爪や皮膚がダメージを受けやすくなる。 また、(B)成分を含まないか、含んでいても(A)/(B)における(B)成分の比率が5未満である場合や、リムーバー中の(A)成分と(B)成分の合計が40質量%未満である場合は、除去性が低下する。 以下、本発明のリムーバーについてより詳細に説明する。<(A)成分> (A)成分は、アルキレンカーボネートである。 (A)成分は、非プロトン性の極性溶媒であり、リムーバーの主剤(爪被覆剤の皮膜を溶解または膨潤させる成分)として用いられる。(A)成分は、単独ではジェルネイルの硬化皮膜に対する除去性が不充分であるが、(B)成分と特定比率で併用することで、アセトンと同等レベルの除去性を発揮する。また(A)成分は、爪や皮膚への負担が少ない溶剤でもある。 (A)成分としては、例えば、下記一般式(a1)で表される化合物が挙げられる。 式(a1)中、Ra〜Rdはそれぞれ独立に、Hまたはアルキル基を示す。 Ra〜Rdにおけるアルキル基としては、炭素数1〜2のアルキル基が好ましい。 (A)成分におけるアルキレン基、例えば前記一般式(a1)における−C(Ra)(Rb)−C(Rc)(Rd)−は、爪被覆剤の皮膜に対する除去性等の点から、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基がより好ましい。 (A)成分の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。 (A)成分は単独もしくは、2種類以上混合して使用することができる。 (A)成分としては、上記の中でも、爪被覆剤の皮膜に対する除去性、(B)成分との混合した際の液安定性の確保の点から、プロピレンカーボネートが好ましい。<(B)成分> (B)成分は、下記一般式(b1)で表される化合物である。 (B)成分は、(A)成分と同様、リムーバーの主剤として用いられる。(B)成分は、爪被覆剤の皮膜を溶解または膨潤させる作用に優れる。また、該皮膜へのリムーバーの浸透性を高める作用を有する。この(B)成分が(A)成分と相乗的に作用して爪被覆剤の皮膜の除去性が向上し、例えばジェルネイルの硬化皮膜の剥離に要する時間を短縮できる。 式(b1)中、R1はCH2OHまたはCH2OCH3を示し、R2はH、CH2OCH3またはOCH3を示す。 (B)成分の具体例としては、ベンジルアルコール、アニシルアルコール、p−キシリレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。 (B)成分は単独もしくは、2種類以上混合して使用することができる。 (B)成分としては、上記の中でも、除去性の点から、ベンジルアルコール、またはベンジルアルコールとp−キシリレングリコールジメチルエーテルとの混合物が好ましく、ベンジルアルコールが特に好ましい。 本発明のリムーバーにおいて、(A)成分と(B)成分との質量比は、(A)/(B)=70/30〜95/5の範囲内であり、85/15〜92/8の範囲内であることが好ましい。(B)成分を含まないか、含んでいても(A)/(B)における(B)成分の比率が5未満である場合は、除去性が低下する。(A)成分を含まないか、含んでいても(A)/(B)における(B)成分の比率が30を超える場合は、爪や皮膚がダメージを受けやすくなる。 また、本発明のリムーバーにおいて、(A)成分と(B)成分との合計量は、リムーバーの総質量に対し、40〜70質量%であり、45〜65質量%であることが好ましい。該合計量が70質量%を超える場合は、爪や皮膚がダメージを受けやすくなる。該合計量が40質量%未満である場合は、除去性が低下する。 リムーバー中の(A)成分、(B)成分それぞれの含有量は、(A)/(B)の値、(A)成分と(B)成分との合計量がそれぞれ上記の範囲内となる量であればよく、特に限定されないが、(A)成分の含有量は40〜60質量%がより好ましく、(B)成分の含有量は3〜15質量%が好ましく、3〜5質量%がより好ましい。 本発明のリムーバーは、必要に応じて、例えば使用方法等に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)成分、(B)成分以外の他の成分(任意成分)を含有してもよい。該任意成分としては、これまで、爪被覆剤リムーバー用途において用いられている各種成分を用いることができる。 本発明のリムーバーに好ましく配合される任意成分として、増粘剤、水、エタノール等が挙げられる。 例えば、増粘剤を配合することで、リムーバーをゲル状にすることができる。リムーバーがゲル状であると、爪被覆剤の皮膜の上に当該リムーバーを塗布して除去する場合に、塗布しやすい。また、皮膜への密着性向上、有効成分の揮発抑制、爪周囲の皮膚へのリムーバーの付着抑制等の効果も得られる。 水を配合することで、爪や皮膚からの水分蒸散が抑制され、爪や皮膚へのダメージがより低減され、マイルドな使用感が得られる。また、水を配合することで、引火性も低減できる。 エタノールは、本発明のリムーバーの液安定性の向上、有効成分の浸透性の向上等を目的として配合される。エタノールを配合することで、(A)成分や(B)成分、任意に配合される香料や染料を安定配合できる。また、エタノールは、水と溶剤との可溶化剤として機能し、エタノールを配合することで、水を溶剤((A)成分、(B)成分等)中に可溶化させることができる。そのため、水を配合する場合には、エタノールを配合することが好ましい。また、エタノールにより爪や指に付着した異物・油脂分が除去されることで、リムーバーの有効成分の浸透性向上が期待できる。 本発明においては、特に、(A)成分、(B)成分に加えて、水、増粘剤およびエタノールを含有することが好ましい。水、増粘剤およびエタノールを含有することで、爪や皮膚へのダメージ性がさらに低減されるほか、安定なゲル状となることから使用しやすい。<増粘剤> 増粘剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸ナトリウム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム等が挙げられる。 増粘剤の配合量は、増粘剤固形分として、リムーバーの総質量に対し、0.5〜5質量%が好ましく、2〜4質量%がより好ましい。0.5質量%以上であると充分な増粘効果が得られ、5質量%以下であると、使用後にベタつき感がない。<水> 水としては、蒸留水、イオン交換水、水道水等が挙げられる。 水の配合量は、リムーバーの総質量に対し、1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。1質量%以上であると、マイルド性を充分に付与できる。20質量%を超えると、皮膜の除去性が損なわれるおそれがある。<エタノール> エタノールの配合量は、リムーバーの総質量に対し、5〜50質量%が好ましく、5〜35質量%がより好ましい。5質量%未満では、エタノールの配合効果、例えば水を可溶化させる効果が不充分になるおそれがある。50質量%を超えると、皮膜の除去性を損なうおそれがある。<溶剤> 本発明のリムーバーに、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)成分、(B)成分およびエタノール以外の溶剤(C)を配合することができる。例えば増粘剤を配合する場合に、その溶解性を高めるために、溶剤(C)を配合してもよい。 溶剤(C)としては、例えば、アセトン、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、乳酸ブチル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、プロピルアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール等の多価アルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、メチレングリコールエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、エチレンカーボネート、ポリオキシプロピレンブチルエーテル等が挙げられる。 ただし、溶剤(C)は、除去性には優れるが、爪や皮膚にダメージを与えやすい。そのため、リムーバーにおける溶剤(C)の含有量は、リムーバーの総質量に対し、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。なかでも、リムーバーが、溶剤(C)を実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、製造時に配合されないことを意味する。<保湿剤> 本発明のリムーバーに、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、保湿剤(油分)を配合することができる。保湿剤を配合することで、爪や皮膚へのダメージをより低減できる。 保湿剤としては、例えば、流動パラフィン等の炭化水素化合物、オリーブ油、ひまし油、アーモンド油、スクワラン、ホホバオイル、シリコーン系油分、脂肪酸エステル等が挙げられる。<その他> 本発明のリムーバーには、さらに、香料、染料、界面活性剤等を配合することができる。 本発明のリムーバーは、爪や皮膚へのマイルド性の観点から、20℃におけるpHが6〜8であることが好ましい。 本発明のリムーバーの粘度は特に限定されないが、リムーバーを直接、爪被覆剤の皮膜の上に塗布して用いる場合、使用性の観点から、20℃における粘度が1000〜100000mPa・sであることが好ましく、3000〜30000mPa・sがより好ましい。粘度が1000mPa・s以上であると、リムーバーを爪にのせたときに液ダレしにくい。100000mPa・sを超えると、爪への広がりが悪くなり使い勝手が悪くなるおそれがある。該粘度は、B型粘度計を用いて、No.4ローター、30rpm、60secの条件にて測定される値である。 本発明のリムーバーは、取扱い性、安全性等の観点から、引火点が非危険物の領域にあることが好ましい。アルコール類製品の危険物判定フローより、引火点が22.2℃以上であれば非危険物の領域にあるといえる。 本発明のリムーバーは、(A)成分及び(B)成分を混合することにより調製できる。このとき必要に応じて任意成分を配合してもよい。 本発明のリムーバーは、爪被覆剤の皮膜の除去に用いられる。 爪被覆剤としては、従来のリムーバー、例えばアセトンを主剤とするリムーバーにより除去可能とされているものであれば特に限定されない。 例えば、ニトロセルロースを有機溶剤に溶解した塗液を爪の表面に塗布、乾燥して皮膜(エナメル)を形成するタイプの爪被覆剤(マニキュア)、ウレタン系樹脂等の紫外線硬化型樹脂を含有するジェルを爪の表面にコーティングし、紫外線を照射して硬化させるタイプの爪被覆剤(ジェルネイル)等が挙げられる。 本発明のリムーバーは、特に、ジェルネイル用として有用である。 ジェルネイルは、ソフトジェル、ソークオフジェルとも称される。 ジェルネイルとしては、特に限定されず、公知のものが挙げられる。ジェルネイルとしては、二重結合を有するウレタン系モノマーまたはオリゴマーを含有するものが一般的である。二重結合部位を有することで紫外線硬化可能となり、ウレタン結合部位を含んでいることによって、硬化皮膜が溶剤で除去可能となる。ウレタン結合部位が組成中に多いほど、硬化皮膜をアセトンで除去しやすいとされている。二重結合を有するウレタン系モノマーまたはオリゴマーとしては、主に、ウレタンアクリレートモノマーまたはオリゴマーが用いられている。また、必要に応じて、他のモノマーまたはオリゴマーが配合される。例えばエポキシアクリレートモノマーまたはオリゴマーが配合されたり、皮膜強度の向上のため、メタクリレートオリゴマーまたはモノマーが配合される。 本発明のリムーバーの使用方法、つまり本発明のリムーバーを用いて、爪に設けられた爪被覆剤の皮膜を除去する除去方法としては、特に限定されず、リムーバーを皮膜に接触させ、溶解するか、または膨潤させて剥離することにより除去できる。 例えば爪被覆剤がマニキュアである場合、爪に設けられたマニキュアの皮膜を、本発明のリムーバーにより溶解することにより除去できる。 爪被覆剤がジェルネイルである場合、爪に設けられたジェルネイルの硬化皮膜を、本発明のリムーバーにより膨潤させ、該硬化皮膜に力を加えて爪から剥離することにより除去できる。 爪被覆剤の皮膜の除去方法としてより具体的には、例えば、以下の方法1〜3が挙げられる。 1.リムーバーを染みこませたコットンまたは布で皮膜をふき取るか、または該コットンまたは布を皮膜の上に放置して皮膜を膨潤させ、力を加えて剥離する方法。 2.リムーバーを直接、爪被覆剤の皮膜の上に塗布し、その後、皮膜をふき取るか、または放置して皮膜を膨潤させ、力を加えて剥離する方法。放置時にリムーバーが蒸発して組成が変るおそれがある場合はアルミホイルで爪全体を覆う。 3.リムーバーを容器に収容し、その中に爪を含む指先を浸漬し、その後、コットンまたは布で皮膜をふき取るか、または膨潤した皮膜に力を加えて剥離する方法。 上記のなかでも、皮膚を傷めずに皮膜を除去し、かつリムーバーの使用量が少なくなる点から、方法2が特に好ましい。 方法2において、特に放置して皮膜を膨潤させる場合、使用するリムーバーは、皮膜上にリムーバーを保持しやすい点から、ゲル状であることが好ましい。ゲル状である場合の粘度は、爪にのせた時に垂れない程度の粘度が好ましい。具体的には、20℃における粘度が、上述したように、1000〜100000mPa・sであることが好ましく、3000〜30000mPa・sがより好ましい。 方法2において、1枚の皮膜上に塗布するリムーバーの量(爪一枚分の使用量)は、特に限定はされないが、通常、0.05〜0.3mg程度である。 方法2において、リムーバーを塗布する方法としては、特に限定されない。たとえば、1度のプッシュで爪一枚分の使用量が吐出されるプッシュ式の容器にリムーバーを収容し、皮膜上に爪一枚分の使用量を吐出して皮膜表面全体に塗り広げる方法、噴霧器で噴霧する方法、刷毛などで塗布する方法、等が挙げられる。 特に、一度に塗る量が節約でき、かつ爪へ塗布しやすい点で、1度のプッシュで爪一枚分の使用量が吐出されるプッシュ式の容器を用いる方法が好ましい。特に、持ちやすく塗布しやすい点から、容器がペン型であることが好ましい。 図1に、前記プッシュ式の容器の一実施形態を示す。図1は、本実施形態の容器1の概略構成を示す分解図である。容器1は、プッシュ式のペン型容器で、リムーバーを収容する内筒部2と、内筒部2の先端開口部に設置されるポンプ3と、先端にノズル4aを備え、後端にポンプ3および内筒部2を挿入する開口部4bを備える外筒部4と、ノズル4aを覆い、外筒部4に着脱自在なキャップ5とを備える。容器1は、外筒部4の開口部4bからポンプ3および内筒部2を挿入して当該容器1を組み立てた際に、内筒部2の後端側の一部が外筒部4の開口部4bから突出するように構成されている。ノズル4aは、厚肉の円筒形状で、先端側の開口端面がノズルの軸方向に対して傾斜した傾斜面となっている。 内筒部2にリムーバーを収容し、先端にポンプ3を設置し、これを外筒部4の開口部4bから挿入することで、容器1入りリムーバーとすることができる。この容器1入りリムーバーの内筒部2の後端面をプッシュすると、一定量のリムーバーがノズル4aから吐出される。吐出されたリムーバーは、ノズル4aの開口端面を利用して直接、爪被覆剤の皮膜の表面全体に塗り広げることができる。 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。<実施例1〜7、比較例1〜8> 表1〜2に示す組成となるように、以下の手順で各成分を混合してリムーバーを調製した。 まず、ビーカー中に、ヒドロキシプロピルセルロースとポリオキシプロピレンブチルエーテルを混合した。そこに、必要に応じてエタノール・香料・色素を混合し、さらに水を加えて10分程度撹拌した。充分均一になった後、必要に応じてホホバオイルを配合してさらに撹拌し、充分均一になった後、プロピレンカーボネート・ベンジルアルコールを配合し、10分程度撹拌して目的のリムーバーを得た。 表1〜2中、配合量の単位は質量%である。なお、実施例6のリムーバーのみ液状で、他のリムーバーはゲル状であった。ゲル状である実施例1〜5、7のリムーバーの粘度(20℃/B型粘度計/No.4ローター/30rpm/60sec)はいずれも約15000mPa・sであった。また、実施例1〜7のリムーバーの引火点(タグ密閉法により測定)はいずれも約24.5℃であり、非危険物の領域にあった。 得られたリムーバーについて以下の評価を行った。結果を表1〜2に併記した。[除去性の評価] 市販の紫外線硬化型の爪被覆剤(商品名:ネイリット!ソークオフジェルマニキュア、販売元:(株)ルーティア)1gを、石英プレート(縦2.5cm×横3.0cm)全面に薄く塗布し、紫外線照射機(品名:36W UV LAMP、(有)アージュインターナショナル製)で紫外線を3分間照射することにより爪被覆剤を硬化させた。 得られた硬化皮膜付きの石英プレートを、リムーバーを充分に染みこませたコットンで包み、アルミホイルで全体を覆った。そのまま、20分間放置した。 放置後、石英プレートからの硬化皮膜の剥離度合いを以下の基準で評価した。○以上を合格と判定した。(除去性の評価基準) ×:スパチュラで引っかいても硬化皮膜がプレートから剥がれなかった。 ○:スパチュラで引っかくと硬化皮膜がプレートから剥がれた。 ◎:硬化皮膜が膨潤し、プレートから剥がれていた。[爪、皮膚へのダメージ性の評価] リムーバー30mLを円形シャーレ(直径30mm)に入れ、予め爪を被覆した人差し指を15分間浸漬した。浸漬時の温度は25℃とした。浸漬後の爪及びその周辺部を肉眼観察し、以下の基準で評価した。○以上を合格と判定した。尚、爪の被覆は、前記除去性の評価と同様に、紫外線硬化型の爪被覆剤を用い、紫外線を照射して硬化させることにより行った。(ダメージ性の評価基準) ×:爪及び周辺部がかなり白くなった。 ○:爪及び周辺部が少し白くなったものの、3〜4分間程度の時間が経つと使用前とほぼ変わらなかった。 ◎:使用前とほぼ変わらなかった。 上記結果に示すとおり、実施例1〜7のリムーバーは、除去性、ダメージ性ともに合格であった。 一方、(A)成分を含まない比較例1、(A)成分と(B)成分の合計量が77質量%の比較例4、(A)/(B)の質量比が68/32の比較例5、(A)/(B)の質量比が66/33、(A)成分と(B)成分の合計量が15質量%で、主剤としてさらにアセトンを配合した比較例7、主剤としてアセトンのみを使用した比較例8はそれぞれ、ダメージ性が不合格となった。 また、(B)成分を含まない比較例2、(A)成分と(B)成分の合計量が30質量%の比較例3、(A)/(B)の質量比が98/2の比較例6はそれぞれ、除去性が不合格となった。 1…容器、2…内筒部、3…ポンプ、4…外筒部、5…キャップ アルキレンカーボネート(A)と、下記一般式(b1)で表される化合物(B)と、を含有し、 前記アルキレンカーボネート(A)と前記化合物(B)との質量比が、(A)/(B)=70/30〜95/5の範囲内であり、 前記アルキレンカーボネート(A)と前記化合物(B)との合計量が、40〜70質量%であることを特徴とする、爪被覆剤用リムーバー。[式(b1)中、R1はCH2OHまたはCH2OCH3を示し、R2はH、CH2OCH3またはOCH3を示す。] 爪に設けられた爪被覆剤の皮膜を、請求項1に記載の爪被覆剤用リムーバーを用いて除去する除去方法。 【課題】爪被覆剤の皮膜に対する高い除去性と、爪や皮膚に対する低いダメージ性とを兼ね備える爪被覆剤用リムーバーおよびこれを用いた除去方法の提供。【解決手段】アルキレンカーボネート(A)と、下記一般式(b1)[式(b1)中、R1はCH2OHまたはCH2OCH3を示し、R2はH、CH2OCH3またはOCH3を示す。]で表される化合物(B)と、を含有し、前記アルキレンカーボネート(A)と前記化合物(B)との質量比が、(A)/(B)=70/30〜95/5の範囲内であり、前記アルキレンカーボネート(A)と前記化合物(B)との合計量が、40〜70質量%であることを特徴とする、爪被覆剤用リムーバー。 [化1]【選択図】なし


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