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タイトル:公開特許公報(A)_マイコプラズマ属細菌の新規な抗原タンパク質、その遺伝子、及び組換えベクターとその利用
出願番号:2012066040
年次:2013
IPC分類:C12N 15/09,C07K 14/30,C12N 1/15,C12N 1/19,C12N 1/21,C12N 5/10,C12P 21/02,A61K 39/00,A61K 39/39,A61P 31/04,A61P 37/04


特許情報キャッシュ

下地 善弘 小川 洋介 大石 英司 佐野 陽之 JP 2013192546 公開特許公報(A) 20130930 2012066040 20120322 マイコプラズマ属細菌の新規な抗原タンパク質、その遺伝子、及び組換えベクターとその利用 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 501203344 株式会社微生物化学研究所 591193370 柳野 隆生 100074561 森岡 則夫 100124925 関口 久由 100141874 下地 善弘 小川 洋介 大石 英司 佐野 陽之 C12N 15/09 20060101AFI20130903BHJP C07K 14/30 20060101ALI20130903BHJP C12N 1/15 20060101ALI20130903BHJP C12N 1/19 20060101ALI20130903BHJP C12N 1/21 20060101ALI20130903BHJP C12N 5/10 20060101ALI20130903BHJP C12P 21/02 20060101ALI20130903BHJP A61K 39/00 20060101ALI20130903BHJP A61K 39/39 20060101ALI20130903BHJP A61P 31/04 20060101ALI20130903BHJP A61P 37/04 20060101ALI20130903BHJP JPC12N15/00 AC07K14/30C12N1/15C12N1/19C12N1/21C12N5/00 101C12P21/02 CA61K39/00 HA61K39/39A61P31/04 171A61P37/04 12 OL 14 (出願人による申告)平成22年度、農林水産省、レギュラトリーサイエンス新技術開発事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願 4B024 4B064 4B065 4C085 4H045 4B024AA01 4B024BA07 4B024BA31 4B024CA02 4B024CA05 4B024CA07 4B024DA06 4B024EA04 4B024GA11 4B024HA03 4B064AG31 4B064BJ12 4B064CA02 4B064CA19 4B064CC15 4B064CC24 4B064CE12 4B064DA01 4B065AA26X 4B065AB01 4B065AC14 4B065AC16 4B065BA02 4B065BD01 4B065BD14 4B065CA24 4B065CA27 4B065CA45 4C085AA03 4C085AA38 4C085BB11 4C085CC32 4C085DD21 4C085DD62 4C085DD86 4C085FF01 4C085FF02 4C085FF11 4C085FF18 4C085FF19 4C085FF24 4C085GG01 4C085GG02 4C085GG03 4C085GG04 4C085GG08 4C085GG10 4H045AA11 4H045BA09 4H045BA41 4H045CA11 4H045DA86 4H045DA89 4H045EA31 4H045FA74 4H045GA26 本発明は豚マイコプラズマ組換えタンパク質ワクチンの発明に関する。詳しくは、本発明は、マイコプラズマ・ハイオニューモニエのエノラーゼと該ポリペプチドをコードする遺伝子、ならびにそれらのマイコプラズマ属細菌の感染防御用ワクチンとしての使用に関する。 豚のマイコプラズマ肺炎はマイコプラズマ・ハイオニューモニエ(Mycoplasma hyopneumoniae:Mhp)を原因菌とする慢性肺炎であり、致死率は低いものの伝播が迅速で罹患率は高い。Mhp感染豚には特徴的な肺病変が形成され、肺の機能低下を引き起こす。そのため、Mhp感染は増体率及び飼料効率に悪影響を及ぼし、経済的損失が大きい。 現在、数種類の豚マイコプラズマ肺炎に対するワクチンが販売されている。その接種によってMhpの感染を防ぐことはできないものの、肺病変を軽減する程度の効果は得られている。これらのワクチンは、基本的に培養したMhp菌体を不活化し、アジュバントと混合したものであり、例えば培養物の表面浮遊物(特許文献1)、Mhp培養液の上清とアジュバント(特許文献2)を含むワクチン等が報告されている。 一方、ワクチン抗原として不活化抗原を用いる際の問題点として、安全性とコストの問題が挙げられる。現在市販されているワクチンに関してもその副作用としてアレルギー様反応のショックや発熱による元気消失が報告されている。しかしながら、様々なコンポーネントを含む菌体を使用している限り、原因物質を同定するのは困難である。また、Mhp菌体を培養する際に用いられる培養基は価格の高い馬血清や豚血清、及び高蛋白な成分を含むことが多いので、製造コストが高くなる。さらに、このような蛋白含有量の高いワクチンの頻回接種は、アレルギー等の副作用の発現率を高めることになる。従って、Mhp菌体構成成分の中で肺病変形成に関わる成分のみを特定し、その成分のみからなるワクチン(コンポーネントワクチン)を提供することが望まれる。 マイコプラズマは、ほとんどの栄養素を宿主に全面的に依存する寄生細菌である。そのため、栄養素を合成する多くの遺伝子群が不要となったため、進化の過程でそれらをゲノム上から脱落させた、いわゆる退行的進化をしたと考えられている。これまでのゲノム解析の結果、マイコプラズマのゲノムには脂肪酸やアミノ酸合成に関する遺伝子等、その殆どが失われているが、エネルギー生産に重要な役割を果たす解糖系の一連の酵素群は存在することが判明している。 エノラーゼは、解糖系に属する酵素であり、マイコプラズマを始めすべての動物病原体が保有している。これまでにエノラーゼはグラム陽性菌、例えばストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)において防御抗原であることが証明されていたがマイコプラズマ菌においてその報告はなく、マラリア原虫のエノラーゼ(特許文献3)、H.ピロリのカクテルワクチンの構成物の一つとしてのH.ピロリエノラーゼ(特許文献4)、クラミジア・トラコマチスのワクチンの免疫原候補の1つとしてC548−エノラーゼ(特許文献5)の報告があるだけである。特開平06−172213号公報特開平07−118167号公報特開2002−371098号公報特表2004−520825号公報特表2007−535473号公報 本発明は、非ヒト動物における各種マイコプラズマ感染症を効果的に防御でき、経済的に製造でき、しかも安全性の高いマイコプラズマ感染症ワクチンに関連するものであり、具体的には、前記ワクチンに利用できる組換えタンパク質及びその製造方法、前記組換えタンパク質をコードする遺伝子、該遺伝子を含む組換えベクター、該組換えベクターを含む形質転換体、さらには非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチンを提供することを目的とする。 これまでの研究から、エノラーゼはヒト連鎖球菌の表層に存在する付着因子として感染に重要な役割を果たすことが知られてきた。そこで我々は、退行的進化を起こしているマイコプラズマが依然、エノラーゼを保有することは、エネルギー生産のためばかりではなく、感染の過程においても重要な病原学的役割を果たすためではないかと考え、この蛋白分子に着目し、この蛋白を接種免疫した動物において防御が誘導されるかどうかを解析した。 また、本発明者である下地 善弘、小川 洋介らは、グラム陽性菌である豚丹毒菌の完全ゲノム解読をしたところ、豚丹毒菌は一般的なグラム陽性菌とMhp菌と両方の遺伝学的特徴を有することを発見している(Y. Ogawa, et.al., Journal of Bacteriology, 2011, 193, p. 2959-2971)。この発見は、「Mhp菌はグラム陽性菌から進化した」という当該分野で唱えられていた仮説を唯一、世界で初めて示唆するものであった。そこで、本発明者らは、豚丹毒菌を含むすべてのグラム陽性菌のゲノムに保存されている生存に必須なタンパクの中から、すべてのマイコプラズマ菌にも保存されており、かつ、これまでのグラム陽性菌の研究から感染防御に重要と予想されるエノラーゼに着目し、このタンパクのワクチン効果の有効性について豚を宿主とするMhp菌で検討した結果、そのワクチン効果を確認することに初めて成功し、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明の要旨は、〔1〕配列番号1に示すアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、豚マイコプラズマ肺炎に対する防御免疫誘導活性を有する組換えタンパク質、〔2〕配列番号1に示すアミノ酸配列を含む前記組換えタンパク質、〔3〕前記組換えタンパク質をコードする遺伝子であって、配列番号2に示す塩基配列と90%以上の相同性を有し、かつ豚マイコプラズマ肺炎に対する防御免疫誘導活性を有するタンパク質をコードするDNAからなる遺伝子、〔4〕配列番号2に示す塩基配列からなるDNAを含む前記遺伝子、〔5〕前記遺伝子を含む組換えベクター、〔6〕前記組換えベクターを含む形質転換体、〔7〕前記形質転換体を培地で培養し、得られる培養物から組換えタンパク質を採取する工程を含む、前記組換えタンパク質の製造方法、〔8〕前記組換えタンパク質を含む非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチン、〔9〕前記組換えベクターを利用した非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチン、〔10〕さらにアジュバンドを含む前記非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチン、〔11〕豚用である前記非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチン〔12〕処置対象のマイコプラズマ感染症がマイコプラズマ肺炎である前記非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチンに関する。 本発明によれば、非ヒト動物用のマイコプラズマ感染症ワクチンとして利用できる組換えタンパク質が提供される。この組換えタンパク質は、遺伝子組換え技術を用いて非病原性の組換え菌によって大量に生産することができ、また、これを成分とするワクチンは、市販の不活化ワクチンと異なりワクチン活性に不要な成分を削減できるコンポーネントワクチンであることから安全性が高く、マイコプラズマ全菌体を使用したワクチンよりも安価となる。 また、前記組換えタンパク質をコードする遺伝子を含む組換えベクターを利用して、DNAワクチン又はウイルスワクチンを作製することもできる。 また、本発明の組換えタンパク質は、Mhp以外のマイコプラズマに存在するエノラーゼと比べてもアミノ酸配列の相同性が高いことから、これらのマイコプラズマによって発症する豚以外の非ヒト動物用のマイコプラズマ感染症ワクチンとしても有用である。図1は、Mhpエノラーゼの合成遺伝子配列を示す。図2は、N末端側に6個の連続したヒスチジン配列のタグが付加され、C末端側に3個のpQE発現ベクター由来の配列が付加された51kDaの組換えタンパク質(組換えMhpエノラーゼ)を示す。図3は、精製した組換えMhpエノラーゼの電気泳動図を示す。1.組換えタンパク質 本発明は、配列番号1に示すアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、豚マイコプラズマ肺炎に対する防御免疫誘導活性を有する組換えタンパク質に関する。 本発明において、「配列番号1に示すアミノ酸配列と90%以上の相同性を有する」とは、NCBIホームページの「protein blast」(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)等を用いて配列番号1に示すアミノ酸配列との相同性を調べた場合に、90%以上の相同性を有することをいう。 具体的には、配列番号1に示すアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列が挙げられる。これらの変異を施す配列の位置は、特に限定はないが、前記の相同性の範囲内であることに加えて、後述の豚マイコプラズマ肺炎に対する防御免疫誘導活性を失わない位置であればよい。また、配列番号1に示すアミノ酸配列を全て備えたアミノ酸配列は100%の相同性を有するとする。 本発明において、「豚マイコプラズマ肺炎に対する防御免疫誘導活性を有する」とは、後述の実施例3に記載のような手法により、Mhpを感染させた豚において免疫した場合に、無免疫の豚に比べて肺病変形成が有意に低減されていることをいう。 本発明の組換えタンパク質としては、製造し易く、前記防御免疫誘導活性に優れる観点から、配列番号1に示すアミノ酸配列を含むタンパク質であることが好ましい。 本発明の組換えタンパク質は、該組換えタンパク質をコードする遺伝子から作製することができる。2.遺伝子 前記組換えタンパク質をコードする遺伝子としては、配列番号2に示す塩基配列と90%以上の相同性を有し、かつ豚マイコプラズマ肺炎に対する防御免疫誘導活性を有するタンパク質をコードするDNAからなる遺伝子が挙げられる。 本発明において、「配列番号2に示す塩基配列と90%以上の相同性を有する」とは、NCBIホームページの「nucleotide blast」等を用いて相同性検索を行った結果、90%以上の相同性を示すことを意味する。具体的には、配列番号2の塩基配列において、1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列が挙げられる。これらの変異を施す配列の位置は、特に限定はないが、前記の相同性の範囲内であることに加えて、形質転換体で作製されたタンパク質が前記のような豚マイコプラズマ肺炎に対する防御免疫誘導活性を失わない位置であればよく、例えば、配列番号2に示す塩基配列からなるDNAを含む遺伝子が挙げられる。 また、配列番号2に示す塩基配列を全て備えた塩基配列は100%の相同性を有するとする。 前記配列番号2に示す塩基配列は、後述の実施例1に記載のような手法で得ることができる。具体的にはNCBIホームページの「Pubmed」(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/) の「Nucleotide」検索から、「Mycoplasma hyopneumoniae enolase」の語句を入力することによってMhpのエノラーゼの全ゲノム情報を入手し、さらにそのサイトから塩基配列にたどりつくことによって前記塩基配列の情報を得る。次いで、得られた塩基配列の情報に基づいて、常法に従い人工合成によって配列番号2に示す塩基配列を得ることができる。この配列番号2に示す塩基配列は、エノラーゼの全長の塩基配列に比べて186番目と945番目のA(アデニン)をG(グアニン)に変換する変異が入ったものである。これは、マイコプラズマでは、トリプトファンコドンを示すTGAが他の生物では終始コドンに相当して、オリジナルの配列ではタンパク質が作製できないために、上記の変異を加えて改変している。 また、得られる塩基配列に対しては、必要に応じて、公知の手法に基づいて、1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加させてもよい。3.組換えベクター 本発明の組換えベクターは、プラスミド等の公知のベクターに本発明の前記遺伝子を連結(挿入)して得ることができる。前記組換えベクターは宿主中で複製可能なものであれば特に限定されず、例えば、プラスミドDNA、ファージDNA等が挙げられる。 前記プラスミドDNAとしては、大腸菌由来のプラスミド(例えば、 pBR322, pBR325, pUC18, pUC119, pTrcHis, pBlueBacHis 等)、枯草菌由来のプラスミド(例えば、 pUB110, pTP5 等)、酵母由来のプラスミド(例えば、 YEp13, YEp24, YCp50, pYE52 等)、植物細胞宿主用プラスミド(pBI221、pBI121)等が挙げられ、ファージDNAとしてはλファージ等が挙げられる。さらに、レトロウイルスまたはワクシニアウイルス等の動物ウイルス、バキュロウイルス等の昆虫ウイルスベクターを用いることもできる。 ベクターに本発明の遺伝子を挿入するには、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、適当なベクターDNAの制限酵素部位またはマルチクローニングサイトに挿入してベクターに連結する方法等が採用される。本発明の遺伝子は、その遺伝子が機能しうる態様で、宿主に応じたプロモーターに連結して導入される必要がある。ここで「機能しうる態様」とは、プロモーター活性によって、その下流に配置された本発明の遺伝子が宿主中で適切に発現され、その機能を発揮することをいう。使用されるプロモーターの種類は、宿主細胞によって適宜決定されるが、その詳細は次項で説明する。本発明のベクターは、プロモーター、本発明の遺伝子のほか、所望によりエンハンサー等のシスエレメント、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー(例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子等)、リボソーム結合配列(SD配列)等を含んでいてもよい。 本発明では、構成的に発現するプロモーターのほか、条件特異的(例えば、組織特異的あるいは環境特異的)に活性化されるプロモーターを好適に利用することができる。こうしたプロモーターの使用により、条件特異的に本発明の遺伝子を発現させることが可能になる。例えば、前記組換えベクターをDNAワクチン、ウイルスワクチンまたは細菌ワクチンとして利用することができるが、いずれの場合でも、投与する非ヒト動物内で機能するプロモーターを選択するのが望ましい。使用されるプロモーターは、合成・天然を問わず豚、牛、鶏等の投与対象の非ヒト動物が保有する転写の系でプロモーターとして有効に機能しうるものならどのような塩基配列のものでも良く、ウイルス由来のDNAや真核生物もしくは原核生物由来のDNAであっても上記条件を満たす限り本発明で使用できる。 なお、前記DNAワクチンでは前記組換えベクターを組み込んだDNAをワクチンとし、ウイルスワクチンでは前記組換えベクターを含むウイルスをワクチンとし、細菌ワクチンでは前記組換えベクターを含む細菌をワクチンとするが、いずれも処置対象の非ヒト動物に対して適当なDNA、ウイルス、細菌を適宜選択し、公知の手法に従って作製すればよい。なお細菌ワクチンに使用する細菌は、後述の形質転換体で宿主となる細菌と同じものも使用できる。4.形質転換体(宿主細胞) 本発明の形質転換体は、本発明の組換えベクターを、目的遺伝子が発現し得るように宿主中に導入することにより得ることができる。宿主は、本発明の遺伝子を発現できるものであれば特に限定されない。例えば、大腸菌(Escherichia coli)、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)等のバチルス属、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)等のシュードモナス属、リゾビウム・メリロティ(Rhizobium meliloti)等のリゾビウム属に属する細菌、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)等の酵母、シロイヌナズナ、タバコ、トウモロコシ、イネ、ニンジン等から株化した植物細胞やプロトプラスト、COS細胞、CHO細胞等の動物細胞、あるいはSf9、Sf21等の昆虫細胞等が挙げられる。 また、本発明の組換えベクターを導入した宿主をワクチンとする場合には、例えば、ウイルスワクチンではアデノウイルス、ポックスウイルス、ヘルペスウイルス、等のウイルス、細菌ワクチンでは豚丹毒菌、乳酸菌、サルモネラ菌等が挙げられる。 これらの宿主は目的に応じて適宜選択すればよい。 大腸菌等の細菌を宿主とする場合は、本発明の組換えベクターが該細菌中で自律複製可能であると同時に、プロモーター、リボゾーム結合配列、本発明の遺伝子、転写終結配列により構成されていることが好ましい。また、プロモーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。大腸菌としては、例えば、E. coli HMS174(DE3)、K12、DH1等が挙げられ、枯草菌としては、例えば、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)MI 114、207-21等が挙げられる。プロモーターとしては、大腸菌等の上記宿主中で発現できるものであれば特に限定されず、例えば、trpプロモーター、lacプロモーター、PLプロモーター、PRプロモーター等の、大腸菌やファージに由来するプロモーターが挙げられる。また、tacプロモーター等のように、人為的に設計改変されたプロモーターを用いてもよい。細菌への組換えベクターの導入方法は、特に限定されず、例えば、カルシウムイオンを用いる方法[Cohen, S.N. et al.:Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 69:2110-2114 (1972)]や、エレクトロポレーション法等が挙げられる。 酵母を宿主とする場合は、例えば、サッカロミセス・セレビシエ、シゾサッカロミセス・ポンベ、ピヒア・パストリス等が用いられる。プロモーターとしては、酵母中で発現できるものであれば特に限定されず、例えば、gal1プロモーター、gal10プロモーター、ヒートショックタンパク質プロモーター、MFα1プロモーター、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、AOX1プロモーター等を挙げることができる。酵母へのベクターの導入方法は、特に限定されず、例えば、エレクトロポレーション法[Becker, D.M. et al.:Methods. Enzymol., 194: 182-187 (1990)]、スフェロプラスト法[Hinnen, A.et al.:Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 75: 1929-1933 (1978)]、酢酸リチウム法[Itoh, H.:J. Bacteriol., 153:163-168 (1983)]等を挙げることができる。 植物細胞を宿主とする場合は、例えば、イネ、トウモロコシ、コムギ、シロイヌナズナ、タバコ、ニンジン等から株化した細胞や該植物から調製したプロトプラストが用いられる。この場合、プロモーターとしては植物中で発現できるものであれば特に限定されず、例えば、カリフラワーモザイクウイルスの35S RNAプロモーター、rd29A遺伝子プロモーター、rbcSプロモーター等が挙げられる。植物への組換えベクターの導入方法としては、アグロバクテリウム感染法等の間接導入法や、パーティクルガン法、ポリエチレングリコール法、リポソーム法、マイクロインジェクション法等の直接導入法等が挙げられる。また、アグロバクテリウム感染法を用いた植物細胞の形質転換を用いてもよい。 ウイルスを宿主とする場合には、例えば、CMV、RSV、SV40 等のウイルス由来のプロモーターが用いられる。5.組換えタンパク質の製造 本発明の組換えタンパク質は、前述の形質転換体(宿主細胞)を適当な培地で培養し、その培養物から豚マイコプラズマ肺炎に対する防御免疫誘導活性を有するタンパク質を採取することによって得ることができる。本発明の形質転換体の培養は、常法に従って行えばよい。例えば、大腸菌や酵母等の微生物を宿主とする形質転換体の場合は、微生物が資化しうる炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体を効率的に培養しうる天然培地、あるいは合成培地で培養すればよい。また、植物細胞を宿主として用いている場合には、チアミン、ピリドキシン等のビタミン類を添加した植物細胞用の培地で培養すればよい。 炭素源としては、グルコース、フラクトース、スクロース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類が用いられる。窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸若しくは有機酸のアンモニウム塩またはその他の含窒素化合物のほか、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー等が用いられる。無機物としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等が用いられる。 培地中は必要に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養する場合は、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、Lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)等を、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはインドールアクリル酸(IAA)等を培地に添加してもよい。 培養は、通常、振盪培養または通気攪拌培養等の好気的条件下、30〜37℃位で6時間〜3日間程度行う。培養期間中、pHは7.0〜7.5程度に保持する。pHの調整は、無機または有機酸、アルカリ溶液等を用いて行う。培養後、本発明の組換えタンパク質が菌体内または細胞内に生産される場合には、菌体または細胞を破砕することにより該組換えタンパク質を抽出する。また、本発明の組換えタンパク質が菌体外または細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により菌体または細胞を除去する。その後、組換えタンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば、硫酸アンモニウム沈殿、SDS−PAGE、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独でまたは適宜組み合わせて用いることにより、前記培養物中から本発明の組換えタンパク質を単離精製することができる。6.非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチン 本発明の組換えタンパク質は、非ヒト動物のマイコプラズマ感染症に対するワクチン(以下、非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチンという)用の抗原として使用できる。したがって、本発明の非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチンは、前記組換えタンパク質を含むものである。ただし、前記組換えタンパク質をそのままワクチンとして使用した場合、抗体の産生や感染防御効果は弱いと考えられる。そのため、例えば、薬理学上許容される担体もしくは媒体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤等と適宜組み合わせて製剤化することによって、前記組換えタンパク質に対する抗体の産生や、感染防御効果の増強が必要になる。各種免疫賦活剤の添加も有効である。 また、非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチンの別の形態としては、前記組換えタンパク質をコードする遺伝子を含む前記組換えベクターを利用したDNAワクチン、ウイルスワクチン、細菌ワクチンも含まれる。 前記DNAワクチン、ウイルスワクチン、細菌ワクチン等の調製方法は特に限定されない。DNAワクチン、ウイルスワクチン、細菌ワクチン等も上記の組換えタンパク質の場合と同様に滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤等と適宜組み合わせて製剤化することができる。 また、前記非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチンにはアジュバントを配合してもよい。配合されるアジュバントには、例えばアルミニウム塩等の無機物質、微生物もしくは微生物由来物質(BCG、ムラミルジペプチド、百日せき菌、百日せきトキシン、コレラトキシン等)、界面活性作用物質(サポニン、デオキシコール酸等)、油性物質(鉱油、植物油、動物油)のエマルジョン等があり、これらは、単独で使用するか、複数を組み合わせて使用することができる。 本発明のワクチンは、このアジュバントの配合によって、Mhpを含む各種のマイコプラズマに対する優れた防御効果と高い安全性を獲得することができる。 本発明のワクチンは、非ヒト動物に投与することを目的とする。非ヒト動物としては、豚が挙げられる。豚は、Mhpの感染が確認されている動物である。また、本発明のワクチンに使用する組換えタンパク質は、後述の実施例4に記載するように、Mhp以外のマイコプラズマ菌種が有するエノラーゼのアミノ酸配列と高い相同性を有していることから、これらのマイコプラズマ菌種に対するマイコプラズマ感染症ワクチンとしても有用である。したがって、Mhpが感染する豚だけでなく、他のマイコプラズマ菌種が感染することが確認されている牛、鶏等も投与対象の非ヒト動物に含まれる。中でも、豚に対して有効性が高い。 また、本発明が対象とするマイコプラズマ感染症としては、前記非ヒト動物における肺炎、関節炎、乳房炎、呼吸器病等が挙げられる。 本発明のワクチンの非ヒト動物への投与は、例えば、動脈内注射、静脈内注射、皮下注射等のほか、鼻腔内的、経気管支的、筋内的、又は経口的に当業者に公知の方法により行いうる。投与量は、動物の体重や齢、投与方法、使用目的等により変動するが、当業者であれば適当な投与量を適宜選択することが可能である。例えば、マイコプラズマ・ハイオニューモニエの発病は2〜6カ月齢の豚に多いとされていることから、豚が2カ月齢になるまでにワクチンを投与することが挙げられる。 なお、本発明において、マイコプラズマ感染症ワクチンによる作用には、マイコプラズマ菌種の感染経験の無い動物、あるいは感染の後の発症前の状態に有る動物への予防的な投与によって、感染症の発症を阻害する作用をいう。発症の阻害とは、1)発症そのものを防ぐ作用、2)発症を遅らせる作用、3)発症後の症状を軽減する作用、4)発症後の治癒を早める作用、5)発症した個体から他の個体への感染力を阻害する作用が含まれる。 以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。(実施例1)図1に示す合成遺伝子配列の作製 NCBIホームページの「Pubmed」(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/) の「Nucleotide」 検索から、「Mycoplasma hyopneumoniae enolase」の語句を入力することによってエノラーゼの全ゲノム情報を入手し、さらにそのサイトから塩基配列にたどりつくことで得たエノラーゼの塩基配列の情報を基に、該エノラーゼの塩基配列の186番目と945番目のA(アデニン)をG(グアニン)に変換した配列番号2に示す塩基配列を検討し、この塩基配列においてさらに大腸菌で終止コドンとなるtga配列をtgg(トリプトファン)コドンに変換した配列を民間会社に合成依頼した。合成を依頼した配列は図1の通り(配列番号3)。この図1に示す塩基配列は、pQE発現ベクターのBamHIとHindIIIの切断部に組み込むために、配列番号2に示す塩基配列の両端にBamHIとHindIIIの切断配列、すなわち、5’末端側に「GGATCC」と3’末端側に「AAGCTT」を付加した配列である。(実施例2)組換えタンパク質の作製 次いで、合成された図1の塩基配列を示す遺伝子をBamHI及びHindIIIの制限酵素で消化後、同制限酵素で消化したpQE30ベクター(Quiagen社)にライゲーション後、クローニングを行った。ライゲーションとクローニングは公知の手法に基づいて行った。この場合、図2に示ようにN末端側に6個の連続したヒスチジン配列のタグを含む12個のアミノ酸が付加され、C末端側に3個のpQE発現ベクター由来の配列が付加された51kDaの融合タンパク質として発現されることが予想された。図2に示すアミノ酸配列(配列番号4:アミノ酸数466)のうち、13〜463番目のアミノ酸配列は、配列番号1のアミノ酸配列と同じである。 上記の組換えプラスミドを大腸菌M15株(Quiagen社)に導入し、得られた組換え大腸菌を、アンピシリン100μg/mL及びカナマイシン50μg/mL加LB培地で一晩培養した。その後、IPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)を1mM添加後、さらに4時間培養した。この組換え大腸菌を集菌後超音波破砕し、その可溶性分画を組換えタンパク質に付加されたヒスチジン・タグとニッケルとの親和性を利用したアフィニティーカラムにより精製した。まず、ヒスチジン・タグ付加組換えタンパクをカラムに流し、組換えタンパク質をニッケル担体に結合させた。非吸着成分を洗浄により除去した後、250mM イミダゾール液を用いて、組換えタンパク質を溶出した。図3のレーン1に精製した組換えタンパク質(組換えMhpエノラーゼ)の泳動図を示す。レーン2は精製度を比較するために市販ウシ血清アルブミンを等濃度で泳動したコントロールである。図3の結果より、レーン1では51kDa付近にメインのバンドが見られたことから、レーン1の組換えタンパク質は、目的の組換えMhpエノラーゼであることがわかった。 したがって、前記大腸菌を培養することで、目的の組換えMhpエノラーゼを大量に作製することが可能となった。(実施例3)豚に対する防御免疫誘導活性についての有効性試験 材料及び方法: 供試動物:3週齢のSPF豚20頭をワクチン群10頭、対照群10頭に振り分けた。 ワクチンの調整:実施例2で得られた組換えMhpエノラーゼをPBSで終濃度1mg/mLになるように希釈したもの1容量と1/3容量のワクチン用アジュバント(「モンタナイド(登録商標)ISA−25」(SEPPIC社製))を混合、乳化したものをワクチンとして用いた。 ワクチン接種方法:ワクチン群に対して2週間隔で2回、頸部筋肉内に1mLずつ接種した。対照群については接種を行わなかった。 攻撃材料:マイコプラズマ・ハイオニューモニエE−1株感染豚の10%肺乳剤とフィリス培地(Firiis medium、Nord.Vet.Med.(1975)27:337-339))で4日間培養した菌液を等量混合し、攻撃材料とした。 攻撃方法:最終免疫後14〜16日目に攻撃材料2mL(2×109 color changing unit(CCU))を3日間連続で鼻腔内に接種した。 観察及び効果判定:攻撃後4週間、呼吸器症状の観察及び体温測定を行った。攻撃4週後に解剖し、病変部のスケッチから病変形成率を計算した。 結果:攻撃後4週間、両群において発咳、くしゃみ等の呼吸器症状及び発熱は認めなかった。しかし、剖検時の肺病変形成率を比較すると、表1に示すように、ワクチン群の肺病変形成率は対処群と比較して有意に低かった。これらの結果から、組換えエノラーゼで免疫した豚はマイコプラズマ・ハイオニューモニエ強毒株の攻撃に対し、肺病変形成抑制効果を示すことが確認された。したがって、実施例2で得られた組換えMhpエノラーゼは、豚に対して顕著な防御免疫誘導活性を有することがわかる。(実施例4)組換えMhpエノラーゼと他のマイコプラズマ菌種のエノラーゼとの相同性 実施例3において、防御効果が確認された組換えMhpエノラーゼは、NCBIホームページの「protein blast」(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)で調べたところ、既に防御効果が証明されているストレプトコッカス・スイス エノラーゼのアミノ酸と高い相同性(一致性:240/456[52%];類似性:313/456[68%];E−value:e−131)を示すものであった。したがって、組換えMhpエノラーゼは、アミノ酸配列の相同性が高いエノラーゼを有している他の菌種に対しても防御効果があると考えられた。ここで、アミノ酸の相同性が高いとは、組換えMhpエノラーゼと比べて50%以上の一致性を示すことをいう。 なお、「アミノ酸の一致性」とは、2つのアミノ酸配列のうち同じアミノ酸で構成されている割合をいう。通常はこの一致性により相同性を判断する。 また「アミノ酸の類似性」とは、2つのアミノ酸配列のうち疎水性、極性、酸性、塩基性の点で同種のアミノ酸で構成されている割合をいう。アミノ酸の種類が相違していても、同種類のアミノ酸であればタンパク質の機能は類似していると考えられる。 そこで、他のマイコプラズマ菌種として、豚の肺炎、関節炎の原因菌であるマイコプラズマ・ヒオリニス(Mycoplasma hyorhinis)、牛乳房炎や肺炎の原因菌であるマイコプラズマ・ボビス(Mycoplasma bovis)、鶏の肺炎、関節炎の原因菌であるマイコプラズマ・シノヴィエ(Mycoplasma synoviae)、鶏の呼吸器病の原因菌であるマイコプラズマ・ガリセプティクム(Mycoplasma gallisepticum)の各エノラーゼと組換えMhpエノラーゼとのアミノ酸配列の相同性について上記と同様にして調べたところ、組換えMhpエノラーゼはいずれのエノラーゼとも高い相同性を示した(表2参照)。 なお、上記各マイクプラズマ菌種のエノラーゼの遺伝子情報はNCBIホームページの データベースから取得した。 これらの結果から、組換えMhpエノラーゼはMhp以外のマイコプラズマ菌種に対する防御抗原としても使用できることが示唆されたことから、Mhpが感染する豚だけでなく、Mhp以外の前記マイコプラズマが感染する牛、鶏等の非ヒト動物用のマイコプラズマ感染症ワクチンとしても利用できると考えられる。 配列番号1に示すアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、豚マイコプラズマ肺炎に対する防御免疫誘導活性を有する組換えタンパク質。 配列番号1に示すアミノ酸配列を含む請求項1に記載の組換えタンパク質。 請求項1又は2に記載の組換えタンパク質をコードする遺伝子であって、 配列番号2に示す塩基配列と90%以上の相同性を有し、かつ豚マイコプラズマ肺炎に対する防御免疫誘導活性を有するタンパク質をコードするDNAからなる遺伝子。 配列番号2に示す塩基配列からなるDNAを含む請求項3に記載の遺伝子。 請求項3又は4に記載の遺伝子を含む組換えベクター。 請求項5に記載の組換えベクターを含む形質転換体。 請求項6に記載の形質転換体を培地で培養し、得られる培養物から組換えタンパク質を採取する工程を含む、請求項1又は2に記載の組換えタンパク質の製造方法。 請求項1又は2に記載の組換えタンパク質を含む非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチン。 請求項5に記載の組換えベクターを利用した非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチン。 さらにアジュバンドを含む請求項8又は9に記載の非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチン。 豚用である請求項8〜10いずれかに記載の非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチン。 処置対象のマイコプラズマ感染症がマイコプラズマ肺炎である請求項8〜11いずれかに記載の非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチン。 【課題】非ヒト動物における各種マイコプラズマ感染症を効果的に防御でき、経済的に製造でき、しかも安全性の高いマイコプラズマ感染症ワクチン、該ワクチンに利用できる組換えタンパク質を提供する。【解決手段】マイコプラズマ・ハイオニューモニエのエノラーゼを免疫原とする非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチン。前記エノラーゼと90%以上の相同性を有し、豚マイコプラズマ肺炎に対する防御免疫誘導活性を有する組換えタンパク質、該組換えタンパク質をコードする遺伝子、該遺伝子を含み組換えベクター、該組換えベクターを含む形質転換体、及びこれらを用いた前記非ヒト動物用マイコプラズマ感染症ワクチン。【選択図】なし配列表


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