生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_歯磨剤組成物
出願番号:2012060039
年次:2013
IPC分類:A61K 8/73,A61K 8/20,A61K 8/25,A61Q 11/00


特許情報キャッシュ

松本 典子 中村 晶 JP 2013193967 公開特許公報(A) 20130930 2012060039 20120316 歯磨剤組成物 ライオン株式会社 000006769 小島 隆司 100079304 重松 沙織 100114513 小林 克成 100120721 石川 武史 100124590 松本 典子 中村 晶 A61K 8/73 20060101AFI20130903BHJP A61K 8/20 20060101ALI20130903BHJP A61K 8/25 20060101ALI20130903BHJP A61Q 11/00 20060101ALI20130903BHJP JPA61K8/73A61K8/20A61K8/25A61Q11/00 5 OL 12 4C083 4C083AB171 4C083AB172 4C083AB331 4C083AB332 4C083AB472 4C083AC122 4C083AC132 4C083AC302 4C083AC472 4C083AC482 4C083AC662 4C083AC782 4C083AD351 4C083AD352 4C083CC41 4C083EE07 本発明は、塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物に関し、更に詳述すると歯肉の引き締め実感付与効果に優れると共に、口腔内滞留性に優れた泡を与え、かつ製剤外観、特に練り肌が良好な歯磨剤組成物に関する。 歯周病予防用の歯磨剤組成物において、歯ぐきの引き締め効果を奏する成分として塩化ナトリウムを配合することが効果的である。 しかし、塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物は、泡立ちが悪く、歯を磨いている間に泡が水っぽくなって口から垂れ易いという問題があった。 一方、薬用成分を歯ぐき等の適用部位に効果的に作用させるには、歯磨きをしている間に泡が適用部位に持続的に接触し滞留することが重要であると考えられるが、上述のように泡性能に問題がある塩化ナトリウム含有歯磨剤組成物において、適用部位に持続的に接触し得る滞留性の良い泡を与えることは困難であった。 従来、塩化ナトリウムによる泡性能低下の改善技術として、キサンタンガムとベタイン型両性界面活性剤、ラウリル硫酸ナトリウムを適切に配合した歯磨剤組成物が特許文献1(特開2009−137908号公報)に提案されている。しかし、これは発泡性、泡立ちの持続性の改善であり、口腔内での泡の滞留性については言及されていない。 また、口腔用組成物の泡性能、口腔内滞留性の改善技術として、特許文献2(特開2006−347987号公報)には、キサンタンガム、アルギン酸塩、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤を配合することで、泡立ち量が適度で泡の持続性を高めた口腔用組成物が提案されている。特許文献3(特開2007−291021号公報)には、アルギン酸又はその塩、キサンタンガム及びκ−カラギーナンを配合することで、歯ぐきや歯牙への付着力、口腔内滞留性が向上した口腔用組成物が提案され、更にシリカを配合し得ることが記載されている。しかし、特許文献2、3は、塩化ナトリウム含有歯磨剤組成物における泡性能の改善ではない。特開2009−137908号公報特開2006−347987号公報特開2007−291021号公報特開2008−115114号公報 従って、塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物においては、泡性能、特に泡の口腔内滞留性の向上が技術課題であった。 本発明は上記事情に鑑みなされたもので、歯肉の引き締め実感付与効果に優れると共に、口腔内滞留性に優れた泡を与え、かつ製剤外観が良好な、塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物を提供することを目的とする。 本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(A)塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物に、(B)キサンタンガム及び(C)アルギン酸ナトリウムと、(D)増粘性シリカとを配合することにより、歯肉の引き締め実感付与効果に優れると共に、口腔内の適用部位に持続的に接触し得る滞留性の良い泡を与え、かつ製剤外観、特に練り肌に優れることを知見し、本発明をなすに至った。 即ち、本発明者らは、塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物にキサンタンガム及びアルギン酸ナトリウムを配合すると、泡立ちが良くなり、更に立った泡がなかなか消えず、歯ぐき等の適用部位への泡の滞留性を高めることができるが、この場合、製剤外観、特に練り肌が悪くなり、表面に肌荒れが生じることが判明した。また、このような練り肌の低下はキサンタンガム又はアルギン酸ナトリウムの単独配合では生じず、キサンタンガム及びアルギン酸ナトリウムの両成分の併用により生じる、新たな課題であることがわかった。そこで、この課題を解決するため更に検討を進めた結果、キサンタンガム及びアルギン酸ナトリウムと共に、増粘性シリカ、特に特定の嵩密度を有する増粘性シリカを配合すると、上記練り肌の課題が解消し、歯の引き締め実感、泡の口腔内滞留性に優れ、塩化ナトリウムを適用部位に効果的に作用させ得る歯磨剤組成物が得られることを見出した。 なお、歯磨剤組成物における練り肌の劣化は、ノニオン性界面活性剤などの界面活性剤の凝集、バインダーの凝集、配合した粉体が原因であることが多く、練り肌改善にはこれら原因の解消が検討されるのが一般的である。特に粉体の添加は、通常、練り肌低下の要因になるものであるが、本発明においては、特に特定の嵩密度を有する増粘性シリカ粉体を配合することによって、意外にも練り肌が改善し、上記格別の作用効果を与えるものである。 特許文献4(特開2008−115114号公報)には、低温保存での練製剤外観(表面肌荒れ)が抑制された歯磨剤組成物として、塩化ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガムを含み、研磨剤として無水ケイ酸が配合された組成が記載されているが、これは特定の界面活性剤を配合することにより製剤外観を改善した技術である。かかる技術から、増粘性シリカ粉体により練り肌を改善し、格別の作用効果を与える本発明、その技術的思想は予想し難い。 従って、本発明は、(A)塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物に、(B)キサンタンガム及び(C)アルギン酸ナトリウムと、(D)増粘性シリカとを配合してなることを特徴とする歯磨剤組成物を提供する。 本発明によれば、歯肉の引き締め実感付与効果に優れると共に、口腔内滞留性に優れた泡を与え、かつ製剤外観が良好な、塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物を提供できる。 以下、本発明につき更に詳述する。本発明の歯磨剤組成物は、(A)塩化ナトリウム、(B)キサンタンガム、(C)アルギン酸ナトリウム、(D)増粘性シリカを含有することを特徴とする。 (A)塩化ナトリウムは、市販品を用いることができる。例えば、(株)日本海水製のさぬき塩・精選特級塩を使用することができる。 (A)成分の配合量は、組成全体の1〜15%(質量%、以下同様。)が好ましく、より好ましくは3〜10%である。配合量が1%より少ないと、十分な歯肉の引き締め実感が得られない場合がある。15%を超えると、泡の滞留性を十分に改善できない場合がある。また、塩味が強くなりすぎて使用感が低下することがある。 本発明では、(B)キサンタンガム及び(C)アルギン酸ナトリウムを併用して配合することが、塩化ナトリウム含有歯磨剤組成物の泡の滞留性改善に重要であり、(B)成分又は(C)成分を欠く場合は泡の滞留性に劣り、本発明の目的を達成できない。 (B)キサンタンガムは、キサントモナス属菌(Xanthomonas campestiris)を用いて発酵させて得られる多糖類で、主としてD−グルコース、D−マンノース及びD−グルクロン酸をベースに構成され、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩も含まれている。 キサンタンガムとしては、通常、歯磨剤組成物に使用されるものであればいずれのものでもよいが、キサンタンガムの粘度は、塩化カリウムを1%含むキサンタンガム1%水溶液の粘度が600〜2,000mPa・sのものが好ましく、とりわけ1,000〜2,000mPa・sのものが好適である。なお、上記粘度は、ブルックフィールド型回転粘度計、ローターNo.3、60rpm、25℃、測定時間30秒による値である。 このようなキサンタンガムとしては、市販品、例えばADMファーイースト(株)製のノヴァザン、CPケルコ社製のモナートガムDA、ケルザンT、ケルデント、大日本製薬(株)製のエコーガムなどを使用できる。 (B)キサンタンガムの配合量は、組成全体の0.01〜2%が好ましく、より好ましくは0.1〜1%である。配合量が0.01%より少ないと、泡の滞留性が向上しない場合がある。2%を超えると、練り肌が悪くなる場合がある。また、製剤が使用感に劣る場合がある。 (C)アルギン酸ナトリウムとしては、通常、歯磨剤組成物に使用されるものであればいずれのものでもよいが、特にアルギン酸ナトリウムの2%水溶液の粘度が1,000〜4,000mPa・sのものが好ましく、とりわけ2,000〜4,000mPa・sのものが好適である。なお、上記粘度は、BL型回転粘度計、ローターNo.3、12rpm、25℃、測定時間3分による値である。 アルギン酸ナトリウムとしては、例えば市販のキミカ(株)製のキミカアルギン等が挙げられる。 (C)アルギン酸ナトリウムの配合量は、組成全体の0.01〜2.5%が好ましく、より好ましくは0.5〜2%である。配合量が0.01%より少ないと、泡の滞留性を改善できない場合がある。2.5%を超えると、製剤が使用感に劣る場合がある。 (D)成分の増粘性シリカは、(A)成分と(B)及び(C)成分との併用による練り肌低下を改善し、良好な製剤外観を与えるのに重要な成分である。 増粘性シリカとしては、吸液量が2.0〜3.0ml/gの範囲の沈降性シリカ、火成性シリカなど、公知の製法で得られたシリカを用いることができる。増粘性シリカは、上記のような吸液量を有し、微小で研磨性はほとんどなく研磨剤としては通常使用されない。なお、研磨性シリカの吸液量は通常、2.0ml/g未満であり、(D)成分の増粘性シリカの吸液量とは相違する。 上記の吸液量とは、下記の通りである。 試料1.0gを清浄なガラス板上に量りとり、ミクロビュレットを用いて、42.5%グリセリンを少量ずつ滴下しながらステンレス製のへらで均一になるように試料を混合する。試料が一つの塊となり、へらでガラス板よりきれいに剥がれるようになるまでに要した液量(ml)を吸液量とした。 増粘性シリカとしては、特に微細で嵩密度が大きい粉体を用いることが、本発明の効果発現のために好適である。 増粘性シリカの嵩密度は100〜160g/Lであることが好ましく、より好ましくは120〜160g/Lである。嵩密度が100g/Lより小さいと、練り肌を改善できないことがある。160g/Lより大きいと、泡の滞留性を改善できない場合がある。 上記嵩密度の値は下記方法で測定した。 秤量した約100gの試料(M)を圧密せずに乾いた250mLメスシリンダーに静かに入れる。粉体層の上面を圧密せずに注意深くならし、ゆるみかさ体積(V0)を最小目盛単位まで読み取る。M/V0によって嵩密度を計算する。 このような増粘性シリカとしては、市販のものを使用でき、例えばDSLジャパン(株)製のカープレックス♯67Qを使用することができる。 (D)増粘性シリカの配合量は、組成全体の0.5〜3%が好ましく、より好ましくは1〜2%である。配合量が0.5%未満では、練り肌を改善できない場合がある。3%を超えると、泡の滞留性に劣る場合がある。 本発明では、更に(E)カラギーナンを配合することが好ましい。(B)、(C)成分と共に(E)成分を配合すると、もっちりとしたより滞留性の高い泡が得られ、本発明の効果を高めることができる。 カラギーナンとしては、κ(カッパ)−カラギーナン、ι(イオタ)−カラギーナン、λ(ラムダ)−カラギーナンがあるが、ι(イオタ)−カラギーナンを好適に使用することができ、1種単独でも2種を併用しても良い。ι−カラギーナンとしては、例えばCPケルコ社製のGENUVISCO type PJ−JPE、GENUGEL type CJなどが挙げられる。 (E)カラギーナンを配合する場合、その配合量は、組成全体の0.5〜1.5%が好ましく、より好ましくは0.5〜1%である。配合量が0.5%未満では、更に滞留性の高い泡が得られない場合がある。1.5%を超えると、練り肌を改善できない場合がある。 本発明の歯磨剤組成物は、練歯磨、液状歯磨、潤製歯磨等として、特に練歯磨として好適に調製できる。また、本発明組成物は、上記成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、剤型に応じた上記成分以外の公知の添加剤を配合できる。例えば、研磨剤、粘結剤、粘稠剤、界面活性剤、更に必要により甘味料、防腐剤、着色剤、香料、有効成分等を配合し得る。 研磨剤としては、シリカゲル、沈降シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、第2リン酸カルシウム2水和物及び無水和物、第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる。 これらの研磨剤の配合量は、通常、組成全体の2〜50%であり、特に10〜40%が好ましい。 粘結剤としては、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン及び増粘性シリカ以外のものを本発明の効果を妨げない範囲で配合してもよい。例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、グアガム、カチオン化セルロース、モンモリロナイト、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。これら粘結剤を配合する場合、その配合量は組成全体の2%以下が好ましい。 粘稠剤としては、ソルビット、キシリット、マルチット、ラクチット等の糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。これらの配合量は、通常、組成全体の5〜50%、特に20〜45%が好ましい。 界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を配合できる。 具体的に、アニオン性界面活性剤としてはラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル又はその塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のアシルサルコシン塩、α−オレフィンスルホン酸塩等、カチオン性界面活性剤としてはアルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。 ノニオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、アルキルグルコシド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。 両性界面活性剤としては酢酸ベタイン、イミダゾリニウムベタイン、アミドプロピルベタイン等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。 界面活性剤の配合量は、通常、組成全体の0.2〜15%、特に0.5〜10%である。 甘味料としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルヒドロカルコン、ペリラルチン等が挙げられる。 防腐剤としては、メチルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン等のパラベン類、安息香酸又はその塩等が挙げられる。 着色剤としては、青色1号、黄色4号、二酸化チタン等が挙げられる。 香料は、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料、これら天然香料を加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、メチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、歯磨剤組成物に用いられる公知の香料素材を使用することができる。 また、配合量も特に限定されないが、上記の香料素材は、製剤組成中に0.000001〜1%使用することが好ましい。また、上記香料素材を使用した賦香用香料としては、製剤組成中に0.1〜2.0%使用することが好ましい。 有効成分としては、塩化ナトリウム以外のもの、例えばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化第一錫、フッ化ストロンチウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物、正リン酸のカリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性リン酸化合物、デキストラナーゼ、ムタナーゼ等のグルカナーゼ、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ヒノキチオール、アスコルビン酸、塩化リゾチーム、グリチルリチン酸及びその塩類、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、酢酸dl−トコフェロール、α−ビサボロール、イソプロピルメチルフェノール、クロロヘキシジン塩類、塩化セチルピリジニウム、アズレン、グリチルレチン酸、銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅等の銅化合物、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸及びその誘導体、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、アミラーゼ、メトキシエチレン、無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エピジヒドロコレステリン、塩化ベンゼトニウム、ジヒドロコレステロール、トリクロロカルバニリド、クエン酸亜鉛、トウキ軟エキス、オウバクエキス、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の植物抽出物が挙げられる。なお、上記有効成分は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量配合することができる。 以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。また、使用原料において吸液量、嵩密度、粘度はそれぞれ上記と同様の方法により測定した値である。 [実施例、比較例] 表1〜3に示す組成の歯磨剤組成物を常法により調製し、下記の評価を行った。結果を表1〜3に示す。<歯肉の引き締め実感の評価方法> 被験者10名により、歯磨剤組成物約1gをブラシヘッド幅10mm、長さ20mmの歯ブラシ上にのせ、3分間、歯をブラッシングした時の歯肉の引き締め実感を4段階で評価した。「歯肉がよく引き締まった感じがした」を4点、「歯肉が引き締まった感じがした」を3点、「歯肉がわずかに引き締まった感じがした」を2点、「歯肉が引き締まった感じがしなかった」を1点とし、それぞれ10名の平均点から下記基準で歯ぐきの引き締め実感を評価した。 評価基準 ◎:平均点3.5点以上4.0点以下 ○:平均点3.0点以上3.5点未満 △:平均点2.0点以上3.0点未満 ×:平均点1.0点以上2.0点未満<泡の滞留性の評価方法> 歯磨剤組成物の4倍希釈液を、ブラシヘッド幅10mm、長さ20mmの歯ブラシを用いて荷重200g、刷掃回数1,000回、速度150rpm、ストローク幅36mmでブラッシングし、泡立てた。泡立てた泡1mlを顎模型(下顎)の片側第一小臼歯から第二大臼歯の範囲に塗布し、塗布直後と比べた1分後の泡の残存量を、以下の基準により目視で評価し、これにより泡の口腔内滞留性を評価した。 評価基準 ◎:残存量80%以上 ○:残存量70%以上80%未満 △:残存量60%以上70%未満 ×:残存量60%未満<練り肌の良さの評価方法> 歯磨剤組成物をラミネートチューブに50g充填し、わら半紙の上に15cm押し出し、目視にて歯磨剤表面のつやの有無、しわが認められるかを評価した。「歯磨剤表面につやがあり、しわが認められない」を4点、「歯磨剤表面にややつやがあり、しわが認められない」を3点、「歯磨剤表面にややつやがなく、しわが認められる」を2点、「歯磨剤表面につやがなく、しわが認められる」を1点として5回評価した平均を、下記の基準に基づき4段階で判断した。 評価基準 ◎:3.5点以上4.0点以下 ○:3.0点以上3.5点未満 △:2.0点以上3.0点未満 ×:2.0点未満 なお、使用原料の詳細は下記の通りである。(A)塩化ナトリウム;さぬき塩・精選特級塩、(株)日本海水製(B)キサンタンガム;モナートガムDA(粘度1,500Pa・s)、CPケルコ社製(C)アルギン酸ナトリウム;キミカアルギン(粘度3,000mPa・s)、キミカ(株)製(D)増粘性シリカ;カープレックス♯67Q(沈降性シリカ、吸液量2.3ml/g、嵩密度150g/L)、DSLジャパン(株)製(E)カラギーナン;カラギーナン、GENUVISCO type PJ−JPE、CPケルコ社製カルボキシメチルセルロースナトリウム;CMC1260、ダイセル化学工業(株)製 表3の結果から、(B)又は(C)成分を欠く場合(比較例1、2)は泡の滞留性に劣り、(D)成分を欠く場合は練り肌に劣り、また、(B)成分にカルボキシメチルセルロースを併用して配合しても泡の滞留性は改善しなかった。これらに対して、(A)成分含有の歯磨剤組成物に(B)、(C)及び(D)成分を配合した場合(表1、2の実施例)は、歯肉の引き締め実感付与効果に優れ、滞留性の良い泡を与えること、また練り肌が良好な製剤が得られることがわかった。 下記に処方例を示す。上記と同様の原料を使用して調製した処方例の歯磨剤組成物は、歯肉の引き締め実感付与効果に優れ、泡の滞留性、練り肌が良好な製剤であった。[処方例1]塩化ナトリウム 5.0キサンタンガム 0.3アルギン酸ナトリウム 0.8増粘性シリカ 1.2カラギーナン 0.8プロピレングリコール 4.0無水ケイ酸 10.0ラウリル硫酸ナトリウム 2.0イソプロピルメチルフェノール 0.5ラウロイルサルコシンナトリウム 0.1香料 1.2 精製水 残 合計 100.0%[処方例2]塩化ナトリウム 7.0キサンタンガム 0.2アルギン酸ナトリウム 0.9増粘性シリカ 1.0カラギーナン 0.8プロピレングリコール 4.0ソルビット 45.0無水ケイ酸 11.0ラウリル硫酸ナトリウム 2.0モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7イソプロピルメチルフェノール 1.0ラウロイルサルコシンナトリウム 0.2香料 1.3 精製水 残 合計 100.0%[処方例3]塩化ナトリウム 4.0キサンタンガム 0.5アルギン酸ナトリウム 0.7増粘性シリカ 0.8カラギーナン 0.6プロピレングリコール 4.0ソルビット 40.0無水ケイ酸 15.0ラウリル硫酸ナトリウム 1.4クエン酸ナトリウム 0.2イソプロピルメチルフェノール 1.0香料 1.1 精製水 残 合計 100.0%[処方例4]塩化ナトリウム 9.0キサンタンガム 0.2アルギン酸ナトリウム 0.7増粘性シリカ 1.7カラギーナン 0.9プロピレングリコール 3.0ソルビット 40.0無水ケイ酸 12.0クエン酸ナトリウム 0.3ラウリル硫酸ナトリウム 1.0イソプロピルメチルフェノール 0.7パラオキシ安息香酸メチル 0.2香料 1.0 精製水 残 合計 100.0% (A)塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物に、(B)キサンタンガム及び(C)アルギン酸ナトリウムと、(D)増粘性シリカとを配合してなることを特徴とする歯磨剤組成物。 (A)成分を1〜15質量%含有する請求項1記載の歯磨剤組成物。 (D)成分の配合量が0.5〜3質量%である請求項1又は2記載の歯磨剤組成物。 (D)成分が、嵩密度100〜160g/Lの増粘性シリカである請求項1、2又は3記載の歯磨剤組成物。 更に、(E)カラギーナンを配合してなる請求項1〜4のいずれか1項記載の歯磨剤組成物。 【課題】歯肉の引き締め実感付与効果に優れると共に、口腔内滞留性に優れた泡を与え、かつ製剤外観が良好な、塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物を提供する。【解決手段】(A)塩化ナトリウムを含有する歯磨剤組成物に、(B)キサンタンガム及び(C)アルギン酸ナトリウムと、(D)増粘性シリカとを配合してなることを特徴とする歯磨剤組成物。更に、(E)カラギーナンを配合してなる上記歯磨剤組成物。【選択図】なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る