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タイトル:公開特許公報(A)_アルキルエーテル化合物の製造方法
出願番号:2012049545
年次:2013
IPC分類:C07C 41/16,C07C 43/04,C07C 43/11,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

阪口 幸矢佳 JP 2013184905 公開特許公報(A) 20130919 2012049545 20120306 アルキルエーテル化合物の製造方法 三洋化成工業株式会社 000002288 阪口 幸矢佳 C07C 41/16 20060101AFI20130827BHJP C07C 43/04 20060101ALI20130827BHJP C07C 43/11 20060101ALI20130827BHJP C07B 61/00 20060101ALN20130827BHJP JPC07C41/16C07C43/04 BC07C43/11C07B61/00 300 3 OL 10 4H006 4H039 4H006AA02 4H006AB68 4H006AC43 4H006BA51 4H006BA65 4H006BA69 4H006BC10 4H006GN03 4H006GP01 4H039CA61 4H039CD10 4H039CD20 本発明は、アルコールアルキレンオキサイド付加物のアルキルエーテル化合物の製造方法に関する。より詳細には、アミンまたは第四級アンモニウム塩を用いて、高効率かつ外観安定性の良いアルコールアルキレンオキサイド付加物のアルキルエーテル化合物の製造方法に関する。 通常、アルキルエーテルの製造方法としては、苛性ソーダなどの強塩基触媒の存在下、アルコールにアルキルハロゲン化物を反応させる方法が知られている(例えば、特許文献1、2)。 しかしながら、アルコールと苛性ソーダの反応は固体と液体間の反応の為、効率的に反応が進行せず、反応時間が長くなるという問題がある。また、多量に副生する塩化ナトリウムなどの塩がアルキルエーテル化合物中に残った場合、アルキルエーテル化合物の外観がかすむという課題がある。特開平6−100487号公報特開平4−122728号公報 本発明は、生産効率が高く、かつ、かすみのない外観を有するアルキルエーテル化合物の製造方法を提供することを目的とする。 すなわち、本発明は、アミン(c1)又は第四級アンモニウム塩(c2)からなる有機アルカリ(C)の存在下、下記一般式(1)で表されるアルコール(A)とアルキル化剤(B)を反応させることを特徴とするアルキルエーテル化合物(D)の製造方法である。[式中、Zはn個の活性水素を有する炭素数6〜22の飽和又は不飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基、mはアルキレンオキシ基の平均付加モル数であって0〜100の数、nは1〜6の整数である。] 本発明の製造方法によれば、反応時間が短く、かつ、かすみのない外観を有するアルキルエーテル化合物が製造できるといった効果を奏する。 すなわち、本発明は、一般式(1)で表されるアルコール(A)とアルキル化剤(B)を、アミン(c1)又は第四級アンモニウム塩(c2)からなる有機アルカリ(C)の存在下で反応させることを特徴とするアルキルエーテル化合物(D)の製造方法である。 一般式(1)におけるZはn個の活性水素を有する炭素数6〜22の飽和又は不飽和脂肪族アルコール(a)から水酸基を除いた残基を表し、nは1〜6の整数である。n個、すなわち1〜6個の活性水素を有するアルコール(a)の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール及びイコサノール等の1価アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、ドデカンジオール等の2価アルコール類:グリセリン、トリメチロールプロパン、ひまし油、硬化ひまし油等の3価アルコール類;ペンタエリスリトール等の4価アルコール類;グルコース等の5価アルコール類類;ソルビトール等の6価アルコール類が挙げられる。なお、(a)としては、これらのうちの2種以上を併用してもよい。 アルコール(a)のうち好ましいのは、反応効率の観点から、1価アルコール、2価アルコール又は3価アルコールである。 一般式(1)におけるAOは、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基、1,2−プロピレンオキシ基及び1,2−、1,3−、2,3−又は1,4−ブチレンオキシ基があげられる。 一般式(1)におけるmはアルキレンオキシ基の平均付加モル数であって0〜100の数であり、好ましいのは0〜50である。 一般式(1)における(AO)mは、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基が単独のもの又は2種以上を併用したものでもよく、2種以上の付加形式はブロック状でもランダム状でもよい。 本発明におけるアルコール(A)としては、前記アルコール(a)、(a)のアルキレンオキサイド付加物(a1)及びこれらの混合物が挙げられる。 (a)のアルキレンオキサイド付加物(a1)としては、(a)のエチレンオキサイド(以下、EOと略記する。)付加物、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記する。)付加物、1,2−、1,3−、2,3−又は1,4−ブチレンオキサイド(以下、BOと略記する。)付加物、EOとPOのランダム付加物、EO/POブロック付加物、PO/EOブロック付加物、EOとBOのランダム付加物、EO/BOブロック付加物及びBO/EOブロック付加物が挙げられる。反応時間の観点から、これらのうち好ましいのはEO付加物及びEOとPO付加物であり、更に好ましいのはEO付加物及びPO/EOブロック付加物である。 (a1)の製造方法としては特に制限はないが、例えば以下の方法が挙げられる。 炭素数6〜22の飽和又は不飽和脂肪族アルコール(a)を加圧反応容器に仕込み、無触媒又は触媒の存在下に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを吹き込み、常圧又は加圧下に1段階又は多段階で反応を行なう。触媒としては、アルカリ触媒[例えばアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム及びセシウム等)の水酸化物並びにアルコキシド(メトキシド、エトキシド、プロポキシド及びブトキシド等]、酸[過ハロゲン酸(過塩素酸、過臭素酸及び過ヨウ素酸等)、硫酸、燐酸及び硝酸等(好ましくは過塩素酸)]及びこれらの塩[好ましいのは2価又は3価の金属(Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Co、Ni、Cu及びAl等)の塩]が挙げられる。反応温度は通常50〜200℃であり、反応時間は通常2〜20時間である。アルキレンオキサイドの付加反応終了後は、必要により触媒を中和し、吸着剤で処理して触媒を除去・精製することができる。 本発明におけるアルキル化剤(B)は、メチルクロライド、エチルクロライド、プロピルクロライド、ブチルクロライド、イソプロピルクロライド、アリルクロライドなどのアルキルクロライド;メチルブロマイド、エチルブロマイド、プロピルブロマイド、ブチルブロマイド、イソプロピルブロマイドなどのアルキルブロマイド;ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル硫酸、ジブチル硫酸、ジイソプロピル硫酸などのジアルキル硫酸などが挙げられる。 好ましくは、アルキルクロライドであり、特に好ましくは、エチルクロライド、メチルクロライドである。 アルコール(A)とアルキル化剤(B)の仕込み比率は、(A)の水酸基/アルキル化剤(B)の当量比として、通常1.0〜1.5、好ましくは1.0〜1.2である。1.0未満ではアルキルエーテル化が十分に進行せず、1.5を超えると反応に使用されない過剰なアルキル化剤(B)を投入することになるため好ましくない。 本発明における有機アルカリ(C)は、アミン(c1)又は第四級アンモニウム塩(c2)である。 アミン(c1)としては、炭素数1〜8のアルキル基を有する1〜3級のアルキルアミン[メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、トリメチルアミン及びトリエチルアミン等];炭素数2〜6のアルキレン基を1個以上有する(ポリ)アルキレンポリアミン[エチレンジアミン及びテトラメチレンジアミン等];炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基を1〜3個有するアルカノールアミン[モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等];環式アミジン化合物〔1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7及び1,6−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5等〕およびヒドラジン等が挙げられる。 アミン(c1)のうち好ましいのは、反応性の観点から、アルキルアミン、環式アミジン化合物であり、さらに好ましいのはトリメチルアミン又はトリエチルアミンである。 第四級アンモニウム塩(c2)としては、一般式(2)で表される化合物が挙げられる。[式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ同一でも異なっていてもよい炭素数1〜24、好ましくは1〜14の1価の炭化水素基;X−はアニオン基である。] 炭素数1〜24の炭化水素基としては、直鎖もしくは分岐の脂肪族(飽和または不飽和)炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香環含有炭化水素基等が挙げられる。 直鎖もしくは分岐の脂肪族飽和炭化水素基としては、アルキル(メチル、エチル、n−、i−、sec−およびt−ブチル、オクチル、2−エチルへキシル、オクタデシル等)基;直鎖もしくは分岐の脂肪族不飽和炭化水素基としては、アルケニル(ビニル、プロペニル、アリル及びブテニル等)基;脂環式炭化水素基としては、シクロアルキル基(シクロヘキシル基等);芳香環含有炭化水素基としては、アリール(フェニル、ナフチル等)基、アラルキル(ベンジル、フェネチル等)基及びアルキルアリール(メチルフェニル、エチルフェニル、ノニルフェニル、メチルナフチル、エチルナフチル)基等が挙げられる。これらの炭化水素基のうち反応性の観点から好ましいのは直鎖もしくは分岐の脂肪族飽和炭化水素基である。 一般式(2)で示される化合物を構成するカチオン基の例としては、下記[1]〜[4]のカチオンおよびこれらの混合物が挙げられる。[1]R1〜R4がいずれも炭素数1〜6のアルキル基であるカチオン[テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ(n−およびi−)プロピルアンモニウム、テトラ(n−、i−およびt−)ブチルアンモニウム、テトラペンチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウムおよびテトラエチルアンモニウム等];[2]R1〜R3が炭素数1〜6のアルキル基であって、R4が炭素数7〜24の炭化水素基であるカチオン[トリメチルへプチルアンモニウム、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルデシルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルステアリルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルへキシルアンモニウム、トリエチルオクチルアンモニウム、トリエチルステアリルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリブチルオクチルアンモニウムおよびトリへキシルステアリルアンモニウム等];[3]R1およびR2が炭素数1〜6のアルキル基であって、R3およびR4が炭素数7〜24の炭化水素基であるカチオン[ジメチルジオクチルアンモニウム、ジエチルジオクチルアンモニウムおよびジメチルジベンジルアンモニウム等];[4]R1が炭素数1〜6のアルキル基であって、R2〜R4が炭素数7〜24の炭化水素基であるカチオン[メチルトリオクチルアンモニウム、エチルトリオクチルアンモニウムおよびメチルオクチルジベンジルアンモニウム等]; 一般式(2)におけるカチオン基のうち、エーテル化反応の反応時間の観点から好ましいのは上記[1]、特に好ましいのはテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムおよびこれらの併用である。 一般式(2)におけるアニオン基としては、ハロゲンアニオン、カルボキシレートアニオン、ハイドロオキサイドアニオン、炭酸アニオン等が挙げられる。これらのうち、エーテル化反応の観点から好ましいのは、カルボキシレートアニオン、ハイドロオキサイドアニオン、さらに好ましくは、ハイドロオキサイドアニオンである。 従って、第四級アンモニウム塩(c2)としては、第四級アンモニウム水酸化物が好ましい。 本発明における有機アルカリ(C)のうち、反応性の観点から好ましいのは、第四級アンモニウム塩(c2)であり、さらに好ましくは第四級アンモニウム水酸化物、特に好ましいのはトリメチルハイドロオキサイドおよびトリエチルハイドロキサイドである。 アルコール(A)と有機アルカリ(C)の仕込み比率は、(A)の水酸基/アルカリ(C)の当量比として、通常1.0〜1.5、好ましくは1.0〜1.2である。1.0未満ではアルキルエーテル化が十分に進行せず、1.5を超えると反応に使用されない過剰な有機アルカリ投入することになるため好ましくない。 本発明の目的の化合物であるアルキルエーテル化合物(D)は、アルコール(A)とアルキル化剤(B)を、有機アルカリ(C)の存在下でアルキルエーテル化反応させることによって、製造することができる。 アルキルエーテル化反応の反応温度は通常20℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜130℃、さらに好ましくは50℃〜100℃である。20℃未満であると反応の進行が非常に遅く効率的でない。150℃を超えると、有機アルカリ(C)が分解したり、気化するため、反応が進行しにくく、好ましくない。 アルコール(A)、アルキル化剤(B)、有機アルカリ(C)の投入の順序は、急激な反応が生じなければ特に限定されないが、(A)および(C)を混合し、減圧と窒素などによる不活性ガスでの置換を繰り返した後(酸素濃度が好ましくは100ppm以下)、減圧下、有機アルカリ中の水分等を除去した後、(B)を滴下する方法が好ましい。 従来の水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物を用いた一般的なアルキルエーテル化反応時には、アルカリ金属塩とアルカリ金属水酸化物の凝集物が発生するため湿式粉砕装置が必要であるが、本発明のアルキルエーテル化合物(D)の製造方法においては、凝集物が発生しないため、湿式粉砕装置が必要なく、生産効率が高い。 本発明において、アルキルエーテル化反応後、未反応原料及び生成塩を除去することが好ましい。 アルキルエーテル化後の反応混合物に水を投入し、有機アルカリ(C)と生成塩を溶解させ分液する。分液後、有機層にアルカリ吸着剤を投入し、好ましくは70〜180℃、減圧下(好ましくは−85kPaG以下)で水、有機アルカリ(C)および有機アルカリ分解物を共に留去した後、ろ過することにより、アルキルエーテル化合物(D)を得ることができる。 分液後の有機層に投入する該アルカリ吸着剤は、例えば合成珪酸マグネシウム(例えば、「キョーワード600」:協和化学工業社製)、合成珪酸アルミニウム(例えば、「キョーワード700」:同上)、ハイドロタルサイト類(例えば、「キョーワード2000」:同上)、活性白土(例えば、「ガレオンアース」:同上))等が挙げられ、好ましくは合成珪酸マグネシウムである。これらの吸着剤と共に、ケイソウ土ろ過助剤(例えば、「ラヂオライト」:同上)を使用しても良い。アルカリ吸着剤の添加量は、分液後の有機層の重量に基づいて好ましくは0.1〜2.0重量%である。水、有機アルカリ(C)および有機アルカリ分解物を留出する温度は好ましくは70〜180℃であり、更に好ましくは90〜160℃である。 以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。 <製造例1>[ドデシルアルコールのEO5モル/PO6モルランダム付加物(A−1)の合成] 撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、ドデシルアルコール186部(1モル部)及び水酸化カリウム0.5部を投入し、窒素置換後密閉し、90℃で1時間減圧脱水を行った。140℃まで昇温した後、撹拌下、EO220部(5モル部)とPO348部(6モル部)を混合したものを圧力が0.5MPaG以下になるように調整しながら5時間かけて滴下し、160℃で2時間熟成した。次いで90℃に冷却後、吸着処理剤「キョーワード600」[協和化学工業(株)製]20部を投入し、90℃で1時間撹拌して水酸化カリウムを吸着処理した後、吸着処理剤をろ過してドデカノールのEO5モル/PO6モルランダム付加物(A−1)を得た{(A−1)は、一般式(1)におけるZはドデシルアルコールから水酸基を除いた残基、nは1、AOはエチレンオキシ基およびプロピレンオキシ基、mは11である化合物}。 <実施例1>[テトラデシルアルコールのメチルエーテル化物(D−1)の合成] 撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、テトラデシルアルコール214部(1モル部)及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシド五水和物199.1部(1.1モル部)を加え、撹拌下、室温で窒素置換を行った後、80℃で2時間減圧脱水を行った。メチルクロライド60.6g(1.2モル部)を徐々に滴下し、80℃を保って5時間反応させた。反応後、300部の水を加え、生成した塩および過剰のアルカリ分を溶解し、分液ロートに移し、30分静置後、下層(水層)を分液除去した。上層(有機層)にアルカリ吸着剤としてキョーワード600S(協和化学工業(株)社製)を5部加え、120℃、減圧下で脱水を行った後、ろ過して本発明のテトラデシルアルコールのメチルエーテル化物(D−1)を得た[テトラデシルアルコールは、Zはテトラデシルアルコールから水酸基を除いた残基、nは1である]。 <実施例2>[ドデシルアルコールのEO5モル/PO6モルランダム付加物のメチルエーテル化物(D−2)の合成] テトラデシルアルコール214部を(A−1)754部(1モル部)に変更した以外は実施例1と同様にして、[ドデシルアルコールのEO5モル/PO6モルランダム付加物のメチルエーテル化物(D−2)を得た。 <実施例3>[ポリプロピレングリコール(MW400)のエチルエーテル化物(D−3)の合成] テトラデシルアルコール214部をポリプロピレングリコール(サンニックスPP−400、三洋化成工業(株)製)400部(1モル部)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド五水和物199.1部を398.2部(2.2モル部)、メチルクロライド60.6部をエチルクロライド148.4部(2.3モル部)に変更した以外は実施例1と同様にして、ポリプロピレングリコール(MW400)のエチルエーテル化物(D−3)を得た[ポリプロピレングリコールは、Zはプロピレングリコールから水酸基を除いた残基、AOはオキシプロピレン基、m×nは5.6、nは2である]。 <実施例4>[ポリピロピレングリコールのメチルエーテル化物(D−4)の合成] テトラデシルアルコール214部をポリピロピレングリコール(サンニックスGP−1000、三洋化成工業社製)1000部(1モル部)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド五水和物199.1部を597.3部(3.3モル部)、メチルクロライド60.6部を166.7部(3.3モル部)に変更した以外は実施例1と同様にして、グリセリンのPO付加物のメチルエーテル化物(D−4)を得た[ポリプロピレングリコールは、Zはグリセリンから水酸基を除いた残基、AOはオキシプロピレン基、m×nは15.6、nは2である]。 <実施例5>[テトラデシルアルコールのメチルエーテル化物(D−5)の合成] 撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、テトラデシルアルコール214部(1モル部)及びトリエチルアミン111.1部(1.1モル部)を加え、撹拌下、室温で窒素置換を行った後、メチルクロライド60.6g(1.2モル部)を徐々に滴下し、60℃を保って5時間反応させた。反応後、300部の水を加え、生成した塩および過剰のアルカリ分を溶解し、分液ロートに移し、30分静置後、下層(水層)を分液除去した。上層(有機層)にアルカリ吸着剤としてキョーワード600S(協和化学工業社製)を5部加え、120℃、減圧下で脱水を行った後、ろ過して本発明のテトラデシルアルコールのメチルエーテル化物(D−5)を得た[テトラデシルアルコールは、Zはテトラデシルアルコールから水酸基を除いた残基、nは1である]。 <実施例6>[ドデシルアルコールのEO5モル/PO6モルランダム付加物のメチルエーテル化物(D−6)の合成] テトラデシルアルコール214部を(A−1)754部(1モル部)に変更した以外は実施例5と同様にして、[ドデシルアルコールのEO5モル/PO6モルランダム付加物のメチルエーテル化物(D−6)を得た。 <比較例1>[ドデシルアルコールのEO5モル/PO6モルランダム付加物のメチルエーテル化物(D’−1)の合成] 撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、(A−1)754部(1モル部)及び水酸化ナトリウム44部(1.1モル部)を加え、撹拌下、室温で窒素置換を行った。反応容器内を−0.1MPaGとしてメチルクロライド60.6g(1.2モル部)を徐々に滴下し、80℃を保って5時間反応させた。反応後、300部の水を加え、生成した塩および過剰のアルカリ分を溶解し、分液ロートに移し、30分静置後、下層(水層)を分液除去した。上層(有機層)にアルカリ吸着剤としてキョーワード600S(協和化学工業社製)を5部加え、120℃、減圧下で脱水を行った後、ろ過してテトラデシルアルコールのメチルエーテル化物(D’−1)を得た。 <比較例2>[ドデシルアルコールのEO5モル/PO6モルランダム付加物のメチルエーテル化物(D’−2)の合成] 撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、(A−1)754部(1モル部)及び水酸化ナトリウム80部(2モル部)を加え、撹拌下、室温で窒素置換を行った。反応容器内を−0.1MPaGとしてメチルクロライド101部(2モル部)を徐々に滴下し、80℃を保って10時間反応させた。反応後、300部の水を加え、生成した塩および過剰のアルカリ分を溶解し、分液ロートに移し、30分静置後、下層(水層)を分液除去した。上層(有機層)にアルカリ吸着剤としてキョーワード600S(協和化学工業社製)を5部加え、120℃、減圧下で脱水を行った後、ろ過して粗メチルエーテル化物を得た。次に、水酸化ナトリウム40部(1モル部)を加え、撹拌下、室温で窒素置換を行った。反応容器内を−0.1MPaGとしてメチルクロライド50.5部(1モル部)を徐々に滴下し、80℃を保って5時間反応させた。反応後、150部の水を加え、生成した塩および過剰のアルカリ分を溶解し、分液ロートに移し、30分静置後、下層(水層)を分液除去した。上層(有機層)にアルカリ吸着剤としてキョーワード600S(協和化学工業社製)を5部加え、120℃、減圧下で脱水を行った後、ろ過してテトラデシルアルコールのメチルエーテル化物のメチルエーテル化物(D’−2)を得た。 <比較例3>[ドデシルアルコールのEO5モル/PO6モルランダム付加物のメチルエーテル化物(D’−3)の合成] 分液ロートに、(D’−2)700部及び300部の水を投入し、30分静置後、下層(水層)を分液除去した。得られた上層(有機層)に水300部を投入し、30分静置後、下層(水層)を分液除去した。その後、上層(有機層)にアルカリ吸着剤としてキョーワード600S(協和化学工業社製)を5部加え、120℃、減圧下で脱水を行った後、ろ過してテトラデシルアルコールのメチルエーテル化物のメチルエーテル化物(D’−3)を得た。 <実施例1〜6及び比較例1〜3> 表1に反応時間、反応率、外観安定性を示す。反応率の計算及び外観の評価方法は以下の通りである。 <反応時間> アルキル化剤をアルカリ含有アルコールに投入してから、水を投入するまでの時間。 <反応率の計算> 反応率(%)=[1−アルキルエーテル化物(D)の水酸基価/アルコール(A)の水酸基価]×100 ここで、水酸基はJIS K1557−1:2007 に準拠、単位はmgKOH/gである。 <外観安定性> 実施例1〜6、比較例1〜3のアルキルエーテル化物を100mlメスシリンダーに入れ、25℃の恒温槽に1週間静置した後のアルキルエーテル化物の外観を目視で観察し、以下の評価基準で外観安定性を評価した。[評価基準] ○:透明△:僅かにカスミあり×:カスミ及び沈降物あり 表1から明らかなように、実施例1〜6で得られたアルキルエーテル化合物は、高反応率でかつ外観も透明である。一方、比較例1の方法は反応性が劣り、得られたアルキルエーテル化合物の外観安定性も良くなかった。比較例2で得られたアルキルエーテル化合物は反応率を高めるために、二段階でエーテル化反応を行う必要があり、また外観がかすんでいた。比較例3では、比較例2で得られたアルキルエーテル化合物を更に水洗することで副生塩を除去したが、外観安定性は良好でなく、廃液も大量に発生するため、生産効率が悪かった。 本発明のアルキルエーテル化合物の製造方法は、高反応率でアルキルエーテル化合物を製造する方法として有用である。また、得られたエーテル化合物は、外観安定性に優れるため、低起泡性界面活性剤、溶剤、化学品中間体及び樹脂改質剤等として利用可能である。アミン(c1)又は第四級アンモニウム塩(c2)からなる有機アルカリ(C)の存在下、下記一般式(1)で表されるアルコール(A)とアルキル化剤(B)を反応させることを特徴とするアルキルエーテル化合物(D)の製造方法。[式中、Zはn個の活性水素を有する炭素数6〜22の飽和又は不飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基、mはアルキレンオキシ基の平均付加モル数であって0〜100の数、nは1〜6の整数である。] 有機アルカリ(C)が第四級アンモニウム水酸化物である請求項1に記載のアルキルエーテル化合物の製造方法。前記反応の反応温度が50℃〜100℃である請求項1又は2記載の製造方法。 【課題】生産効率が高く、かつ、かすみのない外観を有するアルキルエーテル化合物の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】アミン(c1)又は第四級アンモニウム塩(c2)からなる有機アルカリ(C)の存在下、下記一般式(1)で表されるアルコール(A)とアルキル化剤(B)を反応させることを特徴とするアルキルエーテル化合物(D)の製造方法であり、有機アルカリ(C)としては、第四級アンモニウム水酸化物であることが好ましい。【選択図】なし


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