生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_有害金属排泄促進剤およびそれを用いた有害金属量評価方法
出願番号:2012047562
年次:2013
IPC分類:A61K 31/198,A61K 31/385,A61P 39/02,A61P 39/04,A23L 1/30,A23L 1/015,A23L 1/03,G01N 1/10


特許情報キャッシュ

鳥羽 悠子 JP 2013181019 公開特許公報(A) 20130912 2012047562 20120305 有害金属排泄促進剤およびそれを用いた有害金属量評価方法 アークレイ株式会社 000141897 辻丸 光一郎 100115255 中山 ゆみ 100129137 吉田 玲子 100146064 伊佐治 創 100154081 鳥羽 悠子 A61K 31/198 20060101AFI20130826BHJP A61K 31/385 20060101ALI20130826BHJP A61P 39/02 20060101ALI20130826BHJP A61P 39/04 20060101ALI20130826BHJP A23L 1/30 20060101ALI20130826BHJP A23L 1/015 20060101ALI20130826BHJP A23L 1/03 20060101ALI20130826BHJP G01N 1/10 20060101ALI20130826BHJP JPA61K31/198A61K31/385A61P39/02A61P39/04A23L1/30 ZA23L1/015A23L1/03G01N1/10 V 10 4 OL 8 2G052 4B018 4B035 4C086 4C206 2G052AA32 2G052AB22 2G052GA13 4B018MD07 4B018MD09 4B018ME14 4B035LC05 4B035LG04 4B035LK19 4C086AA01 4C086AA02 4C086BB04 4C086MA02 4C086MA04 4C086MA10 4C086MA52 4C086NA14 4C086ZC37 4C206AA01 4C206AA02 4C206HA28 4C206MA02 4C206MA04 4C206MA13 4C206MA72 4C206NA06 4C206NA09 4C206ZC37 本発明は、有害金属排泄促進剤およびそれを用いた有害金属量評価方法に関する。 水銀、カドミウム、鉛、砒素等の有害金属は、人体に蓄積され、健康に悪影響を及ぼす有害金属であることが知られている。このため、人体内に蓄積されている有害金属を、体内から尿等に排泄させることが重要である。また、前記有害金属を尿に排泄させ、前記排泄尿中の有害金属量を測定すれば、体内に蓄積する有害金属量を評価することもできるため、健康面の管理や改善等にも有用な情報となる。 体内の有害金属を尿中に排泄する効果のある物質としては、有害金属と結合する、2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(以下、「DMPS」ともいう)、ジメルカプトコハク酸(以下、「DMSA」ともいう)、エチレンジアミン四酢酸(以下、「EDTA」ともいう)等のキレート剤が知られている(非特許文献1参照)。また、これらの他に、αリポ酸について、尿中への有害金属の排泄を促進する効果があることが報告されている(特許文献1、2、3参照)。特開2008−74835号公報WO2005/112667号国際公開パンフレットUS2006/0099239号公報Alternative Medicine Review 1998;3:199−207健康食品データベース 第一出版 Pharmacist'sLetter/Prescriber's Letterエディターズ 編 (独)国立健康・栄養研究所 監訳Anaphylactic reaction in a patient sensitized to coriander seed. Manzanedo L, Blanco J, Fuentes M, Caballero ML, Moneo I. Allergy. 2004 Mar; 59(3): 362-3.Occupational rhinoconjunctivitis and food allergy because of aniseed sensitization. Garcia-Gonzalez JJ, Bartolome-Zavala B, Fernandez-Melendez S, Barcelo-Munoz JM, Miranda Paez A, Carmona-Bueno MJ, Vega-ChicoteJM, Negro Carrasco MA, Ameal Godoy A, Pamies Espinosa R. Ann Allergy Asthma Immunol. 2002 May; 88(5): 518-22.Occupational protein contact dermatitis from coriander. Kanerva L, Soini M. Contact Dermatitis. 2001 Dec; 45(6): 354-5.Occupational asthma due to different spices. Sastre J, Olmo M, Novalvos A, Ibanez D, Lahoz C. Allergy. 1996 Feb; 51(2) :117-20. しかしながら、EDTAは、静脈投与で用いる必要があるため、使用が容易ではなく、使用者の負担が大きい。一方、DMSAは、胃腸での吸収が良いことから、経口投与で使用可能であるものの、その匂いや味の性質上、使用者へ投与し難い。また、経口投与後も、使用者が、自身の尿や体臭に特異な臭いを感じる等、不快感等の負担を伴う。他方、αリポ酸は、そのような投与時の困難や、投与後の不快感を与える事は無いため、経口投与し易い。しかしながら、その効果はDMSAと比べて小さい。また、特許文献3には、αリポ酸に加え、一般的に重金属を遊離させる性質を有することが知られる、コリアンダーやシラントロを投与する有害金属排泄剤が記載されている。しかしながら、コリアンダーやシラントロは、アレルギーを発症した文献(非特許文献2〜6)が報告されている。このため、そのような症状を発症しない有害金属排泄促進剤が求められている。 そこで、本発明は、経口投与に負担を与えず、有害金属を効率よく排泄可能な、有害金属排泄促進剤およびそれを用いた有害金属量評価方法を提供することを目的とする。 前記目的を達成するために、本発明の有害金属排泄促進剤は、αリポ酸のみからなるキレート剤およびシトルリンを含むことを特徴とする。 本発明の有害金属量評価方法は、有害金属排泄促進剤が投与された被験者の排泄尿における有害金属量を測定する工程を含み、前記有害金属排泄促進剤が、前記本発明の有害金属排泄促進剤であることを特徴とする。 本発明によれば、αリポ酸およびシトルリンは、経口投与に負担を与えず、また、投与後も負担を与えない。また、本発明は、αリポ酸とシトルリンとの併用により、十分な有害金属排泄効果を実現できる。このため、本発明の有害金属排泄促進剤は、例えば、健康の維持、改善、向上のためのサプリメントや食品添加物、機能性食品としても有用である。また、本発明の有害金属排泄促進剤によれば、効果的に有害金属を尿中に排泄できるため、例えば、排泄尿の有害金属量の評価においても、非常に有用である。図1は、実施例1において、有害金属排泄促進剤の投与から1時間後までの排泄尿全量における総水銀量を示すグラフである。図2は、実施例1において、有害金属排泄促進剤の投与から2時間後までの排泄尿全量における総水銀量を示すグラフである。図3は、実施例1において、有害金属排泄促進剤の投与から3時間後までの排泄尿全量における総水銀量を示すグラフである。図4は、実施例1において、有害金属排泄促進剤の投与から4時間後までの排泄尿全量における総水銀量を示すグラフである。(有害金属排泄促進剤) 本発明の有害金属排泄促進剤は、前述のように、αリポ酸のみからなるキレート剤およびシトルリンを含むことを特徴とする。本発明は、キレート剤としてαリポ酸のみを含み、シトルリンと共存させることが特徴であって、その他の構成は何ら制限されない。 αリポ酸は、チオクト酸ともいい、または、1,2-ジチオラン−3−ペンタン酸という。 本発明の有害金属排泄促進剤において、αリポ酸とシトルリンとの含有比は、特に制限されない。αリポ酸(L)とシトルリン(C)との含有比(L:C)は、例えば、重量比で表わすことができる。αリポ酸とシトルリンとの重量比(L:C)は、1:0.5〜1:20が好ましく、例えば、1:4である。 本発明の有害金属排泄促進剤において、αリポ酸およびシトルリンの含有量は、特に制限されない。αリポ酸の含有量は、上限が、例えば、1200mgであり、下限が、例えば、1mgであり、含有量の範囲が、例えば、1〜1200mgである。シトルリンの含有量は、上限が、例えば、3400mgであり、下限が、例えば、1mgであり、含有量の範囲が、例えば、1〜3400mgである。 前記含有量は、例えば、体重60kgの成人に対する1回あたりの使用量として例示できる。また、前記含有量は、例えば、被験者の年齢、性別、体重等に基づいて、適宜調整可能である。本発明の有害金属排泄促進剤の投与条件は、特に制限されず、1日あたりの投与回数は、例えば、1〜3回であり、また、1日あたりの投与量は、例えば、αリポ酸が1〜1200mg、シトルリンが1〜3400mgである。 本発明の有害金属排泄促進剤の形態は、何ら制限されず、経口投与可能な形態があげられる。前記形態は、例えば、固体状または液体状の経口剤があげられ、具体的には、錠剤、被覆錠剤、丸剤、細粒剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等があげられる。 本発明の有害金属排泄促進剤は、例えば、αリポ酸とシトルリンの他に、例えば、賦形剤、着色剤、保存剤、安定剤、ゲル化剤、酸化防止剤等の添加剤を、適宜含有してもよい。前記添加剤は、特に制限されず、公知のものが使用できる。 本発明の有害金属排泄促進剤は、前述のように、効果的に有害金属を排出できることから、例えば、健康補助食品として使用できる。 本発明の有害金属排泄促進剤の投与対象は、特に制限されず、例えば、ヒトがあげられ、この他に、サル、ウマ、ブタ、ウシ、ヒツジおよびイヌ等の非ヒト哺乳類、鳥類等の動物があげられる。 本発明の有害金属排泄促進剤の投与方法は、特に制限されず、例えば、経口投与である。本発明の有害金属排泄促進剤は、例えば、Hg(水銀)、Cd(カドミウム)、Pb(鉛)等の有害重金属、As(砒素)等の有害ミネラル等、各種有害金属の排泄に利用可能である。(有害金属排泄方法) 本発明の有害金属排泄方法は、被験者に、前記本発明の有害金属排泄促進剤を投与する工程を含むことを特徴とする。本発明は、前記本発明の有害金属排泄促進剤を使用することが特徴であって、その他の構成は何ら制限されない。 本発明において、前記有害金属排泄促進剤の条件、前記有害金属排泄促進剤の投与条件等は、本発明の有害金属排泄促進剤の説明を援用できる。(有害金属量の評価方法) 本発明の有害金属量の評価方法は、前述のように、有害金属排泄促進剤が投与された被験者の排泄尿における有害金属量を測定する工程を含み、前記有害金属排泄促進剤が、前記本発明の有害金属排泄促進剤であることを特徴とする。本発明は、前記本発明の有害金属排泄促進剤を使用することが特徴であって、その他の構成は何ら制限されない。 本発明の評価方法において、前記排泄尿は、被験者に前記本発明の有害金属排泄促進剤を投与した後の排泄尿を採取することにより調製できる。前記採取する尿は、例えば、前記有害金属排泄促進剤の投与後、所定の時間に排泄された尿でもよいし、投与後から所定時間内に排泄された蓄積尿であってもよい。後者の場合、例えば、前記有害金属排泄促進剤の投与後から所定時間内に、尿中に排泄された有害金属の全量を測定することが可能である。前記所定時間は、特に制限されず、前記有害金属排泄促進剤の投与後、例えば、2時間以降、4時間以内が好ましく、より好ましくは1時間以降、4時間以内である。中でも、後者の排泄尿が好ましく、例えば、2時間以降、4時間以内の排泄尿を蓄積した蓄積尿が好ましく、より好ましくは、1時間以降、4時間以内の排泄尿を蓄積した蓄積尿である。 前記排泄尿における有害金属量の測定方法は、特に制限されず、例えば、前記排泄尿を、湿式灰化または乾式灰化した後、原子吸光光度計で測定する方法等があげられる。前記湿式灰化は、例えば、水銀分析マニュアル(環境省、平成16年3月)に従って行うことができる。具体例としては、水銀を測定する場合、例えば、前記排泄尿を湿式灰化処理した後、還元剤を適下することで、水銀の蒸気を発生させ、原子吸光法によって測定する方法、いわゆる、湿式灰化−還元気化原子吸光光度法が採用できる。これによって、前記排泄尿中の総水銀量が測定できる。測定波長は、例えば、253.7nmであり、測定装置として、例えば、高感度還元気化水銀測定装置(商品名マーキュリーRA−3320A、日本インスツルメンツ(株)製)が使用できる。また、Cd、As、Pb等を測定する場合は、例えば、前記排泄尿に前処理を施して、原子吸光光度計で測定する方法、ICP−MSで測定する方法等があげられる。 このように、前記有害金属排泄促進剤を投与した被験者の排泄尿における有害金属量を測定し、前記排泄尿の有害金属量を評価することで、例えば、前記被験者の体内における有害金属量を評価できる。 つぎに、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、下記の実施例により制限されない。[実施例1] 有害金属排泄促進剤を投与した被験者から排泄尿を採取し、前記排泄尿中の水銀量を測定して、水銀排泄能の比較を行った。(1)実施例1 健常な成人男女の被験者8名(A〜H)に、同じ朝食を摂取させ、午前9時に尿を排泄させた。その後、各被験者に、実施例1の有害金属排泄促進剤としてαリポ酸200mgおよびシトルリン800mgを同時に経口投与させた。そして、αリポ酸およびシトルリンの投与から、1時間後、2時間後、3時間後および4時間後に、各被験者の排泄尿を全量採取した。 前記1時間後、2時間後、3時間後および4時間後の各排泄尿について、後述する方法により水銀量を測定した。そして、測定結果から、前記投与から1時間後までの排泄尿全量における総水銀量、前記投与から2時間後までの排泄尿全量における総水銀量、前記投与から3時間後までの排泄尿全量における総水銀量、および、前記投与から4時間後までの排泄尿全量における総水銀量を、それぞれ算出した。 前記水銀量の測定は、以下の通りである。まず、前記排泄尿を水銀分析マニュアル(環境省、平成16年3月)に従って、湿式灰化処理した。処理後のサンプルに、還元剤を適下することで、水銀蒸気を発生させ、原子吸光法によって、前記水銀を測定し、前記排泄尿中の総水銀量を測定した。測定波長は、253.7nmとし、前記測定には、高感度還元気化水銀測定装置(商品名マーキュリーRA−3320A、日本インスツルメンツ(株)製)を使用した。(2)コントロール 前記被験者(A〜H)に対して、前記(1)の試験とは別の日に、αリポ酸およびシトルリンを投与しない以外は、前記実施例と同様の試験を行い、排泄尿中の総水銀量を算出した。(3)比較例1−1 比較例1−1として、前記被験者(A〜H)に対して、前記(1)および(2)の試験とは別の日に、αリポ酸200mgおよびシトルリン800mgに代えて、比較例1−1の有害金属排泄促進剤としてαリポ酸200mgのみを経口投与させた以外は、前記実施例と同様に試験を行い、排泄尿中の総水銀量を算出した。(4)比較例1−2 また、比較例1−2として、前記被験者(A〜H)に対して、前記(1)〜(3)の試験とは別の日に、αリポ酸200mgおよびシトルリン800mgに代えて、比較例1−2の有害金属排泄促進剤としてシトルリン800mgのみを経口投与させた以外は、前記実施例と同様に試験を行い、排泄尿中の総水銀量を算出した。 これらの結果を、図1〜4に示す。図1〜4は、それぞれ排泄尿全量における総水銀量(μg)を示すグラフであり、図1は、前記投与から1時間後までの排泄尿全量における総水銀量、図2は、前記投与から2時間後までの排泄尿全量における総水銀量、図3は、前記投与から3時間後までの排泄尿全量における総水銀量、図4は、前記投与から4時間後までの排泄尿全量における総水銀量を、それぞれ示す。 図1〜4に示すように、αリポ酸とシトルリンとを同時に投与した実施例1は、コントロール、αリポ酸単独投与の比較例1−1およびシトルリン単独投与の比較例1−2と比較した結果、いずれの時間の排泄尿においても、被験者間で、相対的に高い水銀排泄量が確認された。特に、投与後から1時間を超えた時点において、実施例1における総水銀量は、コントロール、比較例1−1および1−2と比較して、顕著に増加していることがわかった。この結果から、本発明によれば、効率よく水銀を尿中に排泄できることが確認できた。 以上のように、本発明によれば、αリポ酸およびシトルリンは、経口投与することに負担がなく、投与後の負担もないことから、使用者の負担が少ない。また、本発明は、αリポ酸とシトルリンとの併用により、十分な有害金属排泄効果を実現できる。このため、本発明の有害金属排泄促進剤は、例えば、健康の維持、改善、向上のためのサプリメントや機能性食品、食品添加物としても有用である。また、本発明の有害金属排泄促進剤によれば、効果的に有害金属を尿中に排泄できるため、例えば、排泄尿の有害金属量の評価においても、非常に有用である。αリポ酸のみからなるキレート剤およびシトルリンを含むことを特徴とする有害金属排泄促進剤。前記αリポ酸を1〜1200mg、前記シトルリンを1〜3400mg含む、請求項1記載の有害金属排泄促進剤。前記αリポ酸と前記シトルリンとの重量比が、1:0.5〜1:20である、請求項1または2記載の有害金属排泄促進剤。前記有害金属が、水銀、カドミウム、鉛および砒素からなる群から選択された少なくとも一つの金属である、請求項1から3のいずれか一項に記載の有害金属排泄促進剤。経口投与に用いられる、請求項1から4のいずれか一項に記載の有配金属排泄促進剤。少なくともαリポ酸を含むキレート剤およびシトルリンを含むことを特徴とする有害金属排泄促進剤。有害金属排泄促進剤が投与された被験者の排泄尿における有害金属量を測定する工程を含み、前記有害金属排泄促進剤が、請求項1から6のいずれか一項に記載の有害金属排泄促進剤であることを特徴とする有害金属量の評価方法。請求項1から6のいずれか一項に記載の有害金属排泄促進剤を含むことを特徴とするサプリメント。請求項1から6のいずれか一項に記載の有害金属排泄促進剤を含むことを特徴とする機能性食品。請求項1から6のいずれか一項に記載の有害金属排泄促進剤を含むことを特徴とする食品添加物。 【課題】経口投与に負担を与えず、有害金属を効率よく排泄可能な、有害金属排泄促進剤およびそれを用いた有害金属量評価方法を提供する。【解決手段】本発明の有害金属排泄促進剤は、αリポ酸のみからなるキレート剤およびシトルリンを含むことを特徴とする。本発明の有害金属排泄促進剤は、例えば、前記αリポ酸を1〜1200mg、前記シトルリンを1〜3400mg含むことが好ましく、前記αリポ酸と前記シトルリンとの重量比が、1:0.5〜1:20であることが好ましい。【選択図】図4


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