生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_フルオレン骨格を有する熱可塑性(メタ)アクリル樹脂
出願番号:2012045497
年次:2013
IPC分類:C08F 20/18,C07C 69/54


特許情報キャッシュ

三ノ上 渓子 服部 光宏 撫井 雅樹 宮内 信輔 長嶋 太一 JP 2013181097 公開特許公報(A) 20130912 2012045497 20120301 フルオレン骨格を有する熱可塑性(メタ)アクリル樹脂 大阪ガスケミカル株式会社 591147694 鍬田 充生 100090686 阪中 浩 100142594 三ノ上 渓子 服部 光宏 撫井 雅樹 宮内 信輔 長嶋 太一 C08F 20/18 20060101AFI20130826BHJP C07C 69/54 20060101ALI20130826BHJP JPC08F20/18C07C69/54 Z 12 OL 20 4H006 4J100 4H006AA03 4H006AB46 4H006KC14 4H006KD10 4J100AL03Q 4J100AL08P 4J100AL09Q 4J100BA02P 4J100BA08P 4J100BC12P 4J100BC48P 4J100CA01 4J100CA04 4J100DA01 4J100DA63 4J100JA01 4J100JA07 4J100JA15 4J100JA33 4J100JA46 本発明は、高屈折率などの優れた特性を有する新規な熱可塑性(メタ)アクリル樹脂、この樹脂の製造方法および前記樹脂を得るための組成物に関する。 連鎖重合により得られるポリマーは、重合性不飽和モノマーを重合(ラジカル重合、イオン重合など)させることにより得られる。このようなポリマーは、重合成分となるモノマーの種類に応じて、種々の優れた特性を有しており、各種樹脂材料として用いられている。例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA樹脂)は、その透明性や寸法安定性を活かし、光学材料、家庭電気機器及び自動車などの各部品などさまざまな分野で使用されている。近年、PMMA樹脂は、光学レンズ、プリズム、液晶ディスプレイ用シート・フィルム、導光板などの光学材料にも幅広く使用されるようになっている。 そして、このようなポリマーに要求される性能(例えば、耐熱性、光学特性など)は、樹脂材料の高機能化とともにより高度になってきている。例えば、前記のような透明性を有するPMMA樹脂は、デザイン性や省電力化に伴い、薄型軽量化(例えば、ランプレンズユニット用途など)が要求される傾向にあり、そのため、このような用途においては、レンズと光源の間隔を小さくするために、優れた耐熱性が要求されるようになっている。しかしながら、PMMA樹脂は、優れた透明性を有するものの、屈折率があまり高くない、耐熱性が低いなどの問題があった。 一方、フルオレン骨格を有する化合物は、耐熱性などに優れていることが知られており、このような化合物由来のフルオレン骨格を樹脂に導入する試みがなされている。 特開2009−79013号公報(特許文献1)には、9−フルオレニル(メタ)アクリロイルオキシフルオレン類や9−フルオレニル(メタ)アクリロイルオキシメチルフルオレン類が、特開2009−13096号公報(特許文献2)には、9−(メタ)アクリロイルオキシフェニル−9−フェニルフルオレンなどが、それぞれ、熱又は光硬化性(メタ)アクリル系樹脂の希釈剤などとして使用できることが記載されている。なお、これらの文献では、9−フルオレニル(メタ)アクリロイルオキシフルオレン類などを、樹脂用改質剤(希釈剤、共重合性単量体(又は樹脂の変性剤)など)として用いることができるとされており、熱可塑性ポリマー原料とすることを想定していない。 また、特開2004−346125号公報(特許文献3)には、(A)一般式(1)または(2)で表される(メタ)アクリレート・モノマー:(式中、R1とR2は、炭素数1〜3のアルキレン基、mは、0または1、およびXは、(メタ)アクリロイルオキシ基を表す。);(B)脂肪族、脂環族およびアラルキル族の多価(メタ)アクリレート・モノマー群より選択される1種類以上の多価(メタ)アクリレート・モノマー;および(C)光重合開始剤または/および熱重合開始剤を必須成分とする硬化型樹脂組成物が開示されている。 さらに、特開2000−319336号公報(特許文献4)には、9−(メタ)アクリロイルオキシメチルフルオレン(A)と、(A)成分以外の不飽和基含有化合物(B)を含む樹脂組成物が開示されている。そして、不飽和基含有化合物(B)として、反応性単量体(例えば、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(ジブロモフェニル)オキシプロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系の反応性単量体、N−ビニルカプロラクタムなど)、反応性オリゴマー(例えば、エポキシ樹脂類と(メタ)アクリル酸との反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート、ポリオール類と有機ポリイソシアネート類と水酸基含有(メタ)アクリレート類の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系の反応性オリゴマー)などが挙げられることが記載されている。なお、この文献では、樹脂組成物を紫外線などにより硬化させることを想定しており、特許文献3と同様に、熱可塑性ポリマーの製造を想定していない。 特開2006−193708号公報(特許文献5)には、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸t−ブチルエステル基から選ばれる1以上の基を含有する(メタ)アクリル系重合体と、これらの基と反応可能な官能基を有するフルオレン化合物(9−フルオレニルメタノールなど)を反応させてフルオレン骨格含有(メタ)アクリル系重合体を得る方法が開示されている。しかし、この文献の方法では、フルオレン単位をメタアクリル系重合体に導入できるものの、重合後、フルオレン化合物と反応させる二段階の反応を要する。また、カルボン酸基などがフルオレン化合物と反応することなく残存する可能性があり、所望の特性を有する(メタ)アクリル系重合体を効率よく得ることができなくなる虞がある。 特開2006−312709号公報(特許文献6)には、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(ポリメタクリル酸メチルなど)に、9−フルオレニルメタノールなどを反応させて、多環芳香族含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体を製造する方法が開示されている。しかし、この文献の方法でも、二段階の反応を要し、しかも、アルコールとの反応は反応性に乏しいエステル基とのエステル交換を利用するため、実質的に特殊なエステル交換触媒が必要となる。また、エステル交換は、ランダムに生じるため、ブロック構造などの構造規則性を有する重合体を得ることが困難である。さらに、エステル交換により副生したアルコール(メタノールなど)と9−フルオレニルメタノールとが競争反応となり、効率よく9−フルオレニルメチル基を導入できない虞がある。特開2009−79013号公報(特許請求の範囲)特開2009−13096号公報(特許請求の範囲)特開2004−346125号公報(特許請求の範囲)特開2000−319336号公報(特許請求の範囲、段落[0004]、[0008]〜[0010]、実施例)特開2006−193708号公報(特許請求の範囲)特開2006−312709号公報(特許請求の範囲) 従って、本発明の目的は、フルオレン骨格を有し、高屈折率などの優れた特性を有する新規な(メタ)アクリル樹脂(熱可塑性(メタ)アクリル樹脂)を得るのに有用な組成物(重合性組成物)、この組成物により得られるフルオレン骨格含有(メタ)アクリル樹脂、およびこの(メタ)アクリル樹脂の製造方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、フルオレン骨格を(メタ)アクリル樹脂に効率よく導入できる組成物、この組成物により得られるフルオレン骨格含有(メタ)アクリル樹脂を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、熱可塑性(メタ)アクリル樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのメタクリル酸メチルを主成分とする(メタ)アクリル樹脂)が有する優れた特性を損なうことなく、屈折率や耐熱安定性などの特性を改善できる組成物、この組成物により得られるフルオレン骨格含有(メタ)アクリル樹脂を提供することにある。 前記のように、9−フルオレニル(メタ)アクリロイルオキシメチルフルオレン類などのフルオレン骨格を有する単官能性(メタ)アクリルモノマーは、希釈剤や熱硬化性樹脂の構成モノマー(すなわち、多官能性モノマーと組み合わせて使用するモノマー)として使用することが知られていたが、熱可塑性樹脂原料、特に、熱可塑性(メタ)アクリル樹脂原料として使用可能であるという認識がなされておらず、その報告例もなかった。 このような状況の中、本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、フルオレン骨格を有する単官能性(メタ)アクリルモノマーが、単独で重合して、優れた光学的特性や耐熱安定性(熱分解温度が高いなど)を有する熱可塑性(メタ)アクリル樹脂を形成可能であること、また、このような単官能性(メタ)アクリルモノマーが、他の単官能性(メタ)アクリルモノマーと共重合可能であること、さらには、このような共重合によりフルオレン骨格が導入された熱可塑性(メタ)アクリル樹脂が、他の単官能性(メタ)アクリルモノマーの重合体に比べて光学的特性や耐熱安定性を著しく向上されていることを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明の重合性組成物は、フルオレン骨格を有する単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)を含む。このような重合性組成物は、通常、熱可塑性樹脂(特に、熱可塑性(メタ)アクリル樹脂)を製造するための重合性組成物であってもよい。 前記単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)は、例えば、下記式(A1)で表される化合物であってもよい。(式中、R1はシアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示し、R3はアルキレン基を示し、R4は直接結合、アルキリデン基又はアルキレン基を示し、R5は置換基を示す。kは0〜4の整数、mは0以上の整数、nは0又は1である。) 前記単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)は、代表的には、前記式(A1)において、R4が直接結合又はメチレン基、mが0、nが0である化合物であってもよい。 本発明の重合性組成物は、さらに、単官能性の非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)を含んでいてもよい。このような非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)は、代表的には、メタクリル酸メチルを含んでいてもよい。このような非フルオレン系(メタ)アクリル系モノマー(B)は、単独で又は主成分としてメタクリル酸メチルを含んでいるのが好ましく、例えば、非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)がメタクリル酸メチルを50モル%以上の割合で含んでいてもよい。 このような組成物において、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)の割合は、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)および非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)の総量に対して10モル%以上であってもよい。 本発明には、前記重合性組成物を重合させ、樹脂(特に、熱可塑性(メタ)アクリル樹脂)を製造する方法も含まれる。 また、本発明には、単官能性の非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)を重合成分とする熱可塑性(メタ)アクリル樹脂の耐熱安定性を向上させるための耐熱安定性向上剤であって、フルオレン骨格を有する単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)で構成された耐熱安定性向上剤も含まれる。 さらに、本発明には、前記重合性組成物の重合により得られる樹脂(特に、熱可塑性(メタ)アクリル樹脂)も含まれる。このような樹脂は、代表的には、非フルオレン系(メタ)アクリル系モノマー(B)由来の単位中のメタクリル酸メチル単位の割合が50モル%以上であり、単官能性(メタ)アクリレート(A)由来の単位の割合が、単官能性(メタ)アクリレート(A)由来の単位および非フルオレン系(メタ)アクリレート(B)由来の単位の総量に対して10モル%以上である熱可塑性(メタ)アクリル樹脂であってもよい。 前記樹脂は、高屈折率かつ優れた耐熱安定性(又は耐熱性)を有しており、例えば、25℃、589nmにおける屈折率が1.5以上、5%重量減少温度が200℃以上であってもよい。 なお、本明細書において、「非フルオレン系」とは「フルオレン骨格を有しない」ことを意味する。また、本明細書において、「フルオレン類」などの「類」とは、置換基を有していてもよいことを意味する。 本発明の重合性組成物は、高屈折率などの優れた特性を有する新規な(メタ)アクリル樹脂(熱可塑性(メタ)アクリル樹脂)を得るのに有用である。そして、このような組成物を重合に供することにより、(メタ)アクリル樹脂は、優れた特性[例えば、光学的特性(高屈折率、高透明性など)や耐熱性(又は耐熱安定性、例えば、熱分解温度が高いなど)]を有する(メタ)アクリル樹脂が効率よく得られる。 また、本発明の重合性組成物では、フルオレン骨格を有する単官能性(メタ)アクリルモノマーと他の単官能性(メタ)アクリルモノマーとを共重合できるので、フルオレン骨格を(メタ)アクリル樹脂に効率よく導入できる。このようなフルオレン骨格が導入された(メタ)アクリル樹脂では、他の単官能性(メタ)アクリルモノマーの重合体[すなわち、熱可塑性(メタ)アクリル樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのメタクリル酸メチルを主成分とする(メタ)アクリル樹脂)]が有する優れた特性を損なうことなく、前記のような屈折率や耐熱安定性などの特性を改善できる。特に、本発明では、フルオレン骨格を有する単官能性(メタ)アクリルモノマーを重合成分として少量使用するだけでも、屈折率や耐熱安定性などの特性を十分に向上又は改善できる。 [重合性組成物] 本発明の重合性組成物は、重合成分(特に熱可塑性樹脂の重合成分)として少なくともフルオレン骨格を有する単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)を含む。 (単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)) 単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)(フルオレンモノマーなどということがある)としては、フルオレン骨格を有し、単官能性(すなわち、付加重合性基である(メタ)アクリロイル基を1つ有する化合物)であれば特に限定されず、例えば、下記式(A1)で表される化合物、下記式(A2)で表される化合物などが挙げられる。(式中、R1は置換基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示し、R3はアルキレン基を示し、R4は直接結合又は二価の非芳香族性炭化水素基を示し、R5は置換基を示す。kは0〜4の整数、mは0以上の整数、nは0又は1である。)(式中、Zは芳香族炭化水素環、pは0以上の整数を示し、R1、R2、R3、R5、kおよびmは前記と同じ。) 式(A1)および(A2)において、基R1で表される置換基としては、非反応性置換基、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子など)、炭化水素基[例えば、アルキル基、アリール基(フェニル基などのC6−10アリール基)など]などであってもよく、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基(特にアルキル基)である場合が多い。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのC1−6アルキル基(例えば、C1−4アルキル基、特にメチル基)などが例示できる。なお、kが複数(2以上)である場合、基R1は互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、フルオレン(又はフルオレン骨格)を構成する2つのベンゼン環に置換する基R1は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、フルオレンを構成するベンゼン環に対する基R1の結合位置(置換位置)は、特に限定されない。好ましい置換数kは、0〜1、特に0である。なお、フルオレンを構成する2つのベンゼン環において、置換数kは、互いに同一又は異なっていてもよい。 式(A1)および(A2)において、基R3で表されるアルキレン基としては、例えば、C2−10アルキレン基(例えば、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブタン−1,2−ジイル基、ヘキシレン基などのC2−6アルキレン基)などが例示でき、特に、C2−4アルキレン基(特に、エチレン基、プロピレン基などのC2−3アルキレン基)が好ましい。なお、R3は、mが複数である場合、同一の又は異なるアルキレン基であってもよく、通常同一のアルキレン基であってもよい。オキシアルキレン基(OR3)の数(付加モル数)mは、例えば、0〜15(例えば、0〜10)程度の範囲から選択でき、例えば、0〜8(例えば、1〜8)、好ましくは0〜6(例えば、1〜6)、さらに好ましくは0〜4(例えば、1〜4)であってもよい。特に、高屈折率などの観点からは、mは0〜2程度であってもよい。 式(A1)において、二価の非芳香族性炭化水素基R4としては、例えば、アルキリデン基(例えば、メチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、プロパン−2,2−ジイル基などのC1−10アルキリデン基、好ましくはC1−6アルキルリデン基、さらに好ましくはC1−4アルキリデン基)、アルキレン基(例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などのC2−10アルキレン基、好ましくはC2−6アルキレン基、さらに好ましくはC2−4アルキレン基)、シクロアルキレン基(例えば、シクロヘキシレン基などのC5−10シクロアルキレン基、好ましくはC5−8シクロアルキレン基)、シクロアルカンジメチレン基(例えば、1,4−シクロヘキサンジメチレン基など)などが挙げられる。代表的な二価の非芳香族炭化水素基としては、アルキリデン基、アルキレン基が挙げられる。好ましい基R4は、直接結合、アルキリデン基(例えば、C1−4アルキリデン基、特にメチレン基)、アルキレン基(例えば、エチレン基などのC2−4アルキレン基)である。 式(A1)および(A2)において、置換基R5としては、例えば、通常、非反応性置換基、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのC1−12アルキル基、好ましくはC1−8アルキル基、さらに好ましくはC1−6アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロへキシル基などのC5−8シクロアルキル基、好ましくはC5−6シクロアルキル基など)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などのC6−14アリール基、好ましくはC6−10アリール基、さらに好ましくはC6−8アリール基など)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など)などの炭化水素基;アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基などのC1−8アルコキシ基、好ましくはC1−6アルコキシ基など)、シクロアルコキシ基(シクロへキシルオキシ基などのC5−10シクロアルキルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基などのC6−10アリールオキシ基)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基)などの基−OR[式中、Rは炭化水素基(前記例示の炭化水素基など)を示す。];アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基などのC1−8アルキルチオ基、好ましくはC1−6アルキルチオ基など)、シクロアルキルチオ基(シクロへキシルチオ基などのC5−10シクロアルキルチオ基など)、アリールチオ基(チオフェノキシ基などのC6−10アリールチオ基)、アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルチオ基)などの基−SR(式中、Rは前記と同じ。);アシル基(アセチル基などのC1−6アシル基など);アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基などのC1−4アルコキシ−カルボニル基など);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など);ニトロ基;シアノ基;置換アミノ基(例えば、ジメチルアミノ基などのジアルキルアミノ基など)などが挙げられる。 好ましい置換基R5は、例えば、炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、C1−6アルキル基)、シクロアルキル基(例えば、C5−8シクロアルキル基)、アリール基(例えば、C6−10アリール基)、アラルキル基(例えば、C6−8アリール−C1−2アルキル基)など]、アルコキシ基(C1−4アルコキシ基など)などが挙げられる。特に、基R5は、アルキル基[C1−4アルキル基(特にメチル基)など]、アリール基[例えば、C6−10アリール基(特にフェニル基)など]などであるのが好ましい。 式(A2)において、置換基R5の置換数pは、環Zの種類などに応じて適宜選択でき、特に限定されず、それぞれ、例えば、0〜8、好ましくは0〜6(例えば、1〜5)、さらに好ましくは0〜4、特に0〜2であってもよい。特に、環Zが、ベンゼン環である場合には、置換数pは、それぞれ、例えば、0〜3、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0又は1(特に1)である。なお、置換数pは、同一又は異なっていてもよい。なお、置換基R5の置換位置は、特に限定されず、例えば、環Zがベンゼン環である場合、フェニル基の2〜6位(例えば、3位、3,5−位など)の適当な位置に置換できる。 具体的な式(A1)で表される化合物には、例えば、式(A1)において、R4が直接結合である化合物[例えば、9−(メタ)アクリロイルオキシフルオレン、9−(メタ)アクリロイルオキシ−9−アルキルフルオレン、9−(メタ)アクリロイルオキシ−9−アリールフルオレンなど]、式(A1)において、R4がメチレン基である化合物[例えば、9−(メタ)アクリロイルオキシメチルフルオレンなど]などが含まれる。 また、具体的な式(A2)で表される化合物には、例えば、9−(メタ)アクリロイルオキシフェニル−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)−9−フェニルフルオレンなど]、9−(アルキル−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3−メチルフェニル)−9−フェニルフルオレン、9−(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC1−4アルキル−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−(アリール−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3−フェニルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC6−10アリール−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−(メタ)アクリロイルオキシ(ポリ)アルコキシフェニル−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(メタ)アクリロイルオキシ(ポリ)C2−4アルコキシフェニル−9−フェニルフルオレンなど]、9−(アルキル−(メタ)アクリロイルオキシ(ポリ)アルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル)−9−フェニルフルオレン、9−(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC1−4アルキル−(メタ)アクリロイルオキシ(ポリ)C2−4アルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−(アリール−(メタ)アクリロイルオキシ(ポリ)アルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC6−10アリール−(メタ)アクリロイルオキシ(ポリ)C2−4アルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン]などが挙げられる。 好ましい単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)は、式(A1)で表される化合物である。特に、式(A1)において、R4が直接結合又はメチレン基、mが0、nが0である化合物(例えば、9−(メタ)アクリロイルオキシフルオレン、9−(メタ)アクリロイルオキシメチルフルオレンなど)を好適に使用してもよい。式(A1)で表される化合物は、着色を抑制しやすく、低粘度である、合成が容易であるなどの理由により好適に利用できる。 なお、単官能性(メタ)アクリルモノマー(B)は、通常、メタクリル酸メチルを含んでいるが、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)は、メタクリルモノマー(例えば、式(A1)又は式(A2)において、R2がメチル基である化合物)であってもよく、アクリルモノマー(例えば、式(A1)又は式(A2)において、R2が水素原子である化合物)であってもよい。本発明では、アクリルモノマーであっても、メタクリル酸メチルと共重合可能である。 単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。 単官能性(メタ)アクリレートモノマー(A)は、単独重合(異なる単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)同士の共重合を含む)可能であり、このような重合により、光学的特性や耐熱性などに優れた熱可塑性(メタ)アクリル樹脂を得ることができる。 また、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)は、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)ではない単官能性(メタ)アクリルモノマー(すなわち、単官能性の非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー)と共重合させることも可能である。共重合により、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)を単独で使用した場合に比べて、重合性が向上する場合がある。そのため、本発明の組成物を構成する重合成分は、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)のみで構成することもできるが、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)と非フルオレン系モノマーとで構成してもよい。 (単官能性の非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)) 非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)は、フルオレン骨格を有しない単官能性(メタ)アクリルモノマー(すなわち、付加重合性基である(メタ)アクリロイル基を1つ有する化合物)であれば特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸C1−20アルキル、好ましくは(メタ)アクリル酸C1−10アルキル、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸C1−4アルキルなど]、(メタ)アクリル酸シクロアルキル[例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸C5−8シクロアルキル;ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸多環式シクロアルキル]、(メタ)アクリル酸アリール[(メタ)アクリル酸フェニルなど]、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシC2−10アルキル(メタ)アクリレートなど]、(ポリ)オキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート[例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)オキシC2−6アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど]、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチルなどの(メタ)アクリル酸C1−4アルコキシアルキルなど]、ハロアルキル(メタ)アクリレート[例えば、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレートなどのハロC1−10アルキル(メタ)アクリレートなど]、アリールオキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシC1−10アルキル(メタ)アクリレートなど]、アミノアルキル(メタ)アクリレート[例えば、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどのN−置換アミノアルキル(メタ)アクリレートなど]、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル(又は(メタ)アクリレート);(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド(N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジC1−4アルキル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのN−ヒドロキシC1−4アルキル(メタ)アクリルアミドなど)などの(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。(メタ)アクリルモノマー(B)は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。 代表的な(メタ)アクリルモノマー(B)には、(メタ)アクリル酸エステル(単官能性(メタ)アクリル酸エステル、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなど)が含まれる。特に、(メタ)アクリルモノマー(B)は、メタクリル酸メチルで少なくとも構成してもよい。このようなメタクリル酸メチルを含む(メタ)アクリルモノマー(B)は、メタクリル酸メチルのみで構成してもよく、メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリルモノマー(例えば、メタクリル酸メチルではない(メタ)アクリル酸エステルなど)とで構成してもよい。代表的には、非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)はメタクリル酸メチルを主成分とする場合が多く、例えば、非フルオレン系(メタ)アクリル系モノマー(B)中のメタクリル酸メチルの割合は、50モル%以上(例えば、50〜100モル%)、好ましくは70モル%以上(例えば、70〜100モル%)、さらに好ましくは80〜100モル%(例えば、90〜100モル%)程度であってもよい。 単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)と非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)との割合は、所望の特性に応じて選択でき、例えば、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)の割合は、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)および非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)の総量に対して、1モル%以上(例えば、3〜99モル%)、好ましくは5モル%以上(例えば、7〜97モル%)、さらに好ましくは10モル%以上(例えば、15〜95モル%)、特に20モル%以上(例えば、25〜90モル%)程度であってもよい。 特に、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)の割合を比較的小さくする場合、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)および非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)の総量に対して、1〜45モル%、好ましくは3〜40モル%、さらに好ましくは5〜40モル%、通常7〜35モル%(例えば、10〜30モル%)程度であってもよい。このように比較的小さい割合とすると、後述する樹脂(熱可塑性樹脂)中のフルオレン骨格の導入量もまた対応して小さくなるが、このような小さいフルオレン骨格の導入量であっても、耐熱安定性や屈折率を向上できる。そのため、単官能性(メタ)アクリルモノマー(B)由来の特性を極力低下させることなく、このような特性を改善又は向上できる。 一方、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)の割合を比較的大きくする場合、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)および非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)の総量に対して、45モル%以上(例えば、45〜99モル%、)好ましくは50〜98モル%、さらに好ましくは55〜97モル%、特に60〜95モル%(例えば、70〜90モル%)程度であってもよい。このように比較的大きい割合とすると、重合性を高めつつ、フルオレン骨格の割合の大きい樹脂(熱可塑性樹脂)を効率よく得ることができる。 なお、重合成分(又は重合性組成物)は、実害のない範囲であれば、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)および非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)のいずれの範疇に属さない単官能性モノマーを含んでいてもよい。このような単官能性モノマーとしては、例えば、オレフィン系モノマー[例えば、鎖状オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどのα−C2−6オレフィン)、環状オレフィン(ノルボルネンなど)など]、スチレン系モノマー(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなど)、ビニルエステル系モノマー(例えば、酢酸ビニルなど)、ハロゲン含有モノマー(例えば、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル)、シアン化ビニル系モノマー(例えば、(メタ)アクリロニトリル)、ビニルエーテル系モノマー(例えば、メチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル)、不飽和カルボン酸系モノマー(例えば、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸など)、ビニルピロリドンなどが挙げられる。これらの単官能性モノマーは単独で又は2種以上組み合わせてもよい。このような単官能性モノマーの割合は、重合成分全体に対して、20モル%以下、好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは5モル%以下であってもよい。すなわち、本発明の重合性組成物は、通常、(メタ)アクリルモノマーを主成分とする熱可塑性樹脂(すなわち、熱可塑性(メタ)アクリル樹脂)を得るための組成物である場合が多い。 また、本発明の重合性組成物は、主として熱可塑性樹脂(特に、熱可塑性(メタ)アクリル樹脂)を得るための組成物であるが、熱可塑性を損なわない範囲であれば、多官能性モノマーを含んでいてもよい。多官能性モノマーとしては、例えば、二官能性(メタ)アクリレート{アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート[エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのC2−10アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなど]、(ポリ)オキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート[ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)オキシC2−6アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなど]、ビスフェノールA(又はそのC2−3アルキレンオキシド付加体)のジ(メタ)アクリレート、多価アルコール(又はそのC2−3アルキレンオキシド付加体)のジ(メタ)アクリレート[例えば、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートなどのトリオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートなどのテトラオールのジ(メタ)アクリレート]、橋架け環式(メタ)アクリレート(例えば、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートなど)など}、三官能以上の多官能性(メタ)アクリレート{例えば、多価アルコール(又はそのC2−3アルキレンオキシド付加体)の(メタ)アクリレート、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどのポリオールトリ乃至ヘキサ(メタ)アクリレート}などの多官能性(メタ)アクリル系モノマー;ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性非(メタ)アクリル系モノマーなどが含まれる。多官能性モノマーは単独で又は2種以上組み合わせてもよい。なお、このような多官能性モノマーは、含まれる場合でも、ごく微量であり、例えば、重合成分全体の10モル%以下、好ましくは5モル%以下、さらに好ましくは3モル%以下であってもよい。 本発明の重合性組成物は、上記のような重合成分に加えて、慣用の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、重合方法などに応じて選択でき、例えば、重合開始剤、触媒(重合触媒)、乳化剤、分散剤、連鎖移動剤(チオール類など)、重合禁止剤(熱重合禁止剤など)などが挙げられる。これらの添加剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。 重合開始剤としては、光重合開始剤、熱重合開始剤などが挙げられる。通常、一般的なラジカル重合では、熱重合開始剤を好適に使用できる。熱重合開始剤としては、ジアルキルパーオキサイド類(ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなど)、ジアシルパーオキサイド類[ジアルカノイルパーオキサイド(ラウロイルパーオキサイドなど)、ジアロイルパーオキサイド(ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルトルイルパーオキサイド、トルイルパーオキサイドなど)など]、過酸エステル類[過酢酸t−ブチル、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどの過カルボン酸アルキルエステルなど]、ケトンパーオキサイド類、パーオキシカーボネート類、パーオキシケタール類などの有機過酸化物;アゾニトリル化合物[2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)など]、アゾアミド化合物{2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}など}、アゾアミジン化合物{2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩など}、アゾアルカン化合物[2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)など]、オキシム骨格を有するアゾ化合物[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)など]などのアゾ化合物などが含まれる。熱重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。 重合開始剤の割合は、重合成分(例えば、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)および非フルオレン系(メタ)アクリルモノマーの総量)100モルに対して、例えば、0.01〜20モル(例えば、0.05〜15モル)、好ましくは0.1〜10モル、さらに好ましくは0.3〜5モル程度であってもよい。 また、重合性組成物は、重合方法などに応じて、溶媒を含んでいてもよい。溶媒(又は分散媒)としては、使用する原料の種類に応じて、例えば、アルコール類(エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルキルアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類など)、炭化水素類(ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類など)、ハロゲン化炭化水素類(塩化メチレン、クロロホルムなど)、エーテル類(ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類など)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酪酸エチルなど)、ケトン類(アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドンなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなど)、カルビトール類(メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトールなど)、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類(プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテルなど)、グリコールエーテルエステル類(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、ニトリル類(アセトニトリル、ベンゾニトリルなど)、N−メチルピロリドンなどの有機溶媒が挙げられる。溶媒は、単独で又は混合溶媒として使用できる。また、重合方法によっては(乳化重合、懸濁重合など)、水の存在下で重合させることもできる。 溶媒(又は分散媒)中の重合成分の割合は、例えば、0.01〜10モル/L、好ましくは0.1〜5モル/L、さらに好ましくは0.3〜3モル/L程度であってもよい。 [樹脂およびその製造(重合)方法] 本発明の組成物(重合性組成物)は、樹脂を得るための組成物として有用である。このような樹脂は、熱又は光硬化性樹脂であってもよいが、通常、熱可塑性樹脂である。そして、このような熱可塑性樹脂は、前記のように、通常、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)か、又は単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)および非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)を重合成分の主成分とする樹脂、すなわち、熱可塑性(メタ)アクリル樹脂である場合が多い。 このような樹脂(特に、熱可塑性(メタ)アクリル樹脂)は、前記重合性組成物を重合させることにより得られる。重合(方法)は、付加重合(連鎖重合)であれば、特に限定されず、ラジカル重合、イオン重合(アニオン重合など)、配位重合などのいずれであってもよいが、簡便に重合を行うためには、ラジカル重合を好適に利用できる。ラジカル重合は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳濁重合などのいずれであってもよい。本発明では、反応制御の観点から、ラジカル重合の中でも、特に溶液重合を好適に利用してもよい。 重合反応は、重合方法に応じて、冷却下又は加熱下で行ってもよい。加熱する場合(例えば、熱重合させる場合など)、加熱温度としては、例えば、35〜200℃、好ましくは40〜150℃、さらに好ましくは45〜100℃程度であってもよい。また、重合時間(反応時間)は、例えば、20分〜100時間、好ましくは1〜50時間、さらに好ましくは2〜30時間(例えば、3〜20時間)程度であってもよい。 反応は、空気中で行ってもよいが、不活性ガス(ヘリウム、窒素、アルゴンなど)の雰囲気下又は流通下で行ってもよい。また、反応は、常圧下、加圧下、又は減圧下で行ってもよい。 なお、生成物は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、再沈殿、抽出、晶析(再結晶など)、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段(分離方法)や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製してもよい。 上記のようにして本発明の樹脂(熱可塑性(メタ)アクリル樹脂)が得られる。このような樹脂(特に、熱可塑性(メタ)アクリル樹脂)の重量平均分子量は、例えば、3000〜1000000、好ましくは5000〜500000、さらに好ましくは7000〜200000(例えば、10000〜100000)、特に15000〜80000程度であってもよい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で求めることができる。 なお、樹脂において、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)由来の単位や、非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)などの割合は、前記樹脂組成物における割合に概ね対応している。例えば、樹脂を構成する非フルオレン系(メタ)アクリル系モノマー(B)由来の単位中のメタクリル酸メチル単位の割合は、50モル%以上(例えば、50〜100モル%)、好ましくは70モル%以上(例えば、70〜100モル%)、さらに好ましくは80〜100モル%(例えば、90〜100モル%)程度であってもよい。 また、樹脂を構成する単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)由来の単位の割合は、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)由来の単位および非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)由来の単位の総量に対して、1モル%以上(例えば、3〜99モル%)、好ましくは5モル%以上(例えば、7〜97モル%)、さらに好ましくは10モル%以上(例えば、15〜95モル%)、特に20モル%以上(例えば、25〜90モル%)程度であってもよい。 特に、樹脂を構成する単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)由来の割合を比較的小さくする場合、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)由来の単位および非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)由来の単位の総量に対して、1〜45モル%、好ましくは3〜40モル%、さらに好ましくは5〜40モル%、通常7〜35モル%(例えば、10〜30モル%)程度であってもよい。 一方、樹脂を構成する単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)由来の単位の割合を比較的大きくする場合、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)由来の単位および非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)由来の単位の総量に対して、45モル%以上(例えば、45〜99モル%、)好ましくは50〜98モル%、さらに好ましくは55〜97モル%、特に60〜95モル%(例えば、70〜90モル%)程度であってもよい。 なお、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)と非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)とを組み合わせて重合させる場合、これらの共重合体が得られる。このような共重合体の形態は特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体などであってもよい。特に、本発明では、ブロック共重合体であっても得ることができる。このようなブロック共重合体では、モノマー(A)の重合体由来の特性とモノマー(B)の重合体由来の特性を維持しつつ、屈折率や耐熱性などの特性を向上させやすいようである。 本発明の樹脂は、光学的特性や耐熱性(耐熱安定性)などの種々の特性において優れている。例えば、本発明の樹脂の屈折率は、25℃、589nmにおいて、1.5以上(例えば、1.51〜1.75)程度の範囲から選択でき、1.52以上(例えば、1.525〜1.7)、好ましくは1.53以上(例えば、1.54〜1.68)、さらに好ましくは1.55以上(例えば、1.56〜1.65)、特に1.57以上(例えば、1.58〜1.64)程度であってもよい。 また、本発明の樹脂の5%重量減少温度(5重量%の重量が減少する温度)は、例えば、200℃以上(例えば、220〜400℃)、好ましくは230℃以上(例えば、240〜370℃)、さらに好ましくは250℃以上(例えば、260〜350℃)であってもよい。特に、本発明では、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)と非フルオレン系(メタ)アクリルモノマーとを組み合わせることにより、非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)(例えば、メタクリル酸メチル)のみを重合させた場合に比べて、5%重量減少温度を20℃以上(例えば、30〜200℃)、好ましくは40℃以上(例えば、45〜170℃)、さらに好ましくは50℃以上(例えば、60〜150℃)、特に70℃以上(例えば、80〜120℃)向上させることができる。 そのため、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)は、非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)を重合成分とする熱可塑性樹脂(熱可塑性(メタ)アクリル樹脂)の耐熱安定性(耐熱性)を向上させる(例えば、上記のように、非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)のみを重合させた場合に比べて、5%重量減少温度を50℃以上程度も上昇させる)ための耐熱安定性向上剤として作用する。すなわち、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)(又は耐熱安定性向上剤)は、非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)と共重合させることにより、非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)を重合成分とする熱可塑性(メタ)アクリル樹脂の耐熱安定性を上昇させる。 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。 なお、各種特性の分析又は測定手法は以下の通りである。 (分子量) 東ソー(株)製「HLC−8120GPC」を用い、移動相をテトラヒドロフラン(THF)として、流速1mL/分で、ポリスチレン換算にて測定した。 (Tg) 装置として、(株)リガク製の「Rigaku Thermo Plus シリーズ DSC8230」を用い、室温〜150℃(2nd run評価)、昇温速度10℃/分で測定した。 (NMR) 日本分光(株)製の「JSX−270」を用い、測定溶媒をCDCl3として測定した。 (5%重量減少温度) エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の「SII TG/DTA6200」を用いて、室温〜400℃および昇温速度10℃/分の条件下で測定した。 (屈折率) アタゴ(株)製の「アッベ屈折率型DR−M2/1410」を用い、25℃、589nmでの屈折率を測定した。 また、重合に使用した9−フルオレニルメチルアクリレート(9−アクリロイルオキシメチルフルオレン)は、以下のようにして合成したものを使用した。 9−フルオレニルメタノール40.3重量部、アクリル酸87.6重量部、トルエン151重量部、パラトルエンスルホン酸7.6重量部、メトキノン0.22重量部を仕込み、加熱し、生成水は溶剤と共に蒸留し、凝縮させ、分離器で水が18重量部生成した時点で反応混合物を冷却した。反応温度は92〜105℃であった。反応混合物をトルエン200重量部に溶解し、10%NaOH水溶液で中和した後、飽和食塩水100重量部で3回洗浄した。メトキノン0.22重量部を投入し、溶剤を減圧留去して生成物(9−フルオレニルメチルアクリレート)46.8重量部を得た。粘度(25℃)404cps、屈折率(25℃)1.606。 (実施例1) 窒素気流下、シュレンク管に、9−フルオレニルメチルアクリレート(5.059g、20.2mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNという、33.2mg、0.202mmol、9−フルオレニルメチルアクリレートに対して1mol%)及びトルエン(20.2mL)を入れた。これを激しく撹拌しながら30分間窒素バブリングした後、80℃で反応させた。6時間後、氷水にシュレンク管をつけて反応を停止させ、反応液をメタノール(800mL)に滴下した。析出したポリマーをろ取し、メタノール(100mL)で洗浄後、乾燥させることで白色粉末を得た(1.88g、収率37.2%)。得られた粉末を分析し、9−フルオレニルメチルアクリレートの単独重合体であることを確認した。 (実施例2) 窒素気流下、シュレンク管に、9−フルオレニルメチルアクリレート(3.020g、12.07mmol)、メタクリル酸メチル(以下MMAという、2.820g、28.17mmol、MMA/9−フルオレニルメチルアクリレート=70/30)、AIBN(66.2mg、0.403mmol、モノマー総量に対して1mol%)及びトルエン(40.2mL)を入れた。これを激しく撹拌しながら30分間窒素バブリングした後、80℃で反応させた。6時間後、氷水にシュレンク管をつけて反応を停止させ、反応液をメタノール(800mL)に滴下した。析出したポリマーをろ取し、メタノール(100mL)で洗浄後、乾燥させることで白色粉末を得た(2.60g、収率44.5%)。得られた粉末をNMRにて分析したところ、9−フルオレニルメチルアクリレートとメタクリル酸メチルとの共重合体(9−フルオレニルメチルアクリレート由来の単位/メタクリル酸メチル由来の単位(モル比)=20/80)であることを確認した。 (実施例3) 窒素気流下、シュレンク管に、9−フルオレニルメチルアクリレート(5.013g、20.0mmol)、MMA(2.006g、20.0mmol、MMA/9−フルオレニルメチルアクリレート=50/50),AIBN(65.8mg、0.401mmol、モノマー総量に対して1mol%)及びトルエン(40.0mL)を入れた。これを激しく撹拌しながら30分間窒素バブリングした後、80℃で反応させた。6時間後、氷水にシュレンク管をつけて反応を停止させ、反応液をメタノール(800mL)に滴下した。析出したポリマーをろ取し、メタノール(100mL)で洗浄後、乾燥させることで白色粉末を得た(2.65g、収率37.8%)。得られた粉末をNMRにて分析したところ、9−フルオレニルメチルアクリレートとメタクリル酸メチルとの共重合体(9−フルオレニルメチルアクリレート由来の単位/メタクリル酸メチル由来の単位(モル比)=37/63)であることを確認した。 (実施例4) 窒素気流下、シュレンク管に、9−フルオレニルメチルアクリレート(2.530g、10.1mmol)、MMA(4.015g、40.4mmol、MMA/9−フルオレニルメチルアクリレート=20/80),AIBN(82.9mg、0.505mmol、モノマー総量に対して1mol%)及びトルエン(50.5mL)を入れた。これを激しく撹拌しながら30分間窒素バブリングした後、80℃で反応させた。6時間後、氷水にシュレンク管をつけて反応を停止させ、反応液をメタノール(800mL)に滴下した。析出したポリマーをろ取し、メタノール(100mL)で洗浄後、乾燥させることで白色粉末を得た(2.19g、収率33.4%)。得られた粉末をNMRにて分析したところ、9−フルオレニルメチルアクリレートとメタクリル酸メチルとの共重合体(9−フルオレニルメチルアクリレート由来の単位/メタクリル酸メチル由来の単位(モル比)=56/44)であることを確認した。 (比較例1) 窒素気流下、シュレンク管に、MMA(5.06g、50.5mmol)、AIBN(82.9mg、0.505mmol、MMAに対して1mol%)及びトルエン(50.5mL)を入れた。これを激しく撹拌しながら30分間窒素バブリングした後、80℃で反応させた。6時間後、氷水にシュレンク管をつけて反応を停止させ、反応液をメタノール(800mL)に滴下した。析出したポリマーをろ取し、メタノール(100mL)で洗浄後、乾燥させることで白色粉末を得た(1.63g、収率32.3%)。 (比較例2) 窒素気流下、シュレンク管に、アクリル酸メチル(以下MAという、4.50g、52.3mmol)、AIBN(85.8mg、0.523mmol、モノマー総量に対して1mol%)及びトルエン(52.3mL)を入れた。これを激しく撹拌しながら30分間窒素バブリングした後、80℃で反応させた。6時間後、氷水にシュレンク管をつけて反応を停止させ、反応液をメタノール(800mL)に滴下した。析出したポリマーをろ取し、メタノール(100mL)で洗浄後、乾燥させることで白色粉末を得た(1.29、収率28.6%)。 表に実施例および比較例で得られたポリマーの諸特性をまとめたものを示す。なお、表1において、「9−FMA」とは9−フルオレニルメチルアクリレート、「MMA」とはメタクリル酸メチル、「MA」とはアクリル酸を、「Mn」とは数平均分子量、「Mw」とは重量平均分子量、「Tg」とはガラス転移温度を示す。 表から明らかなように、9−フルオレニルメチルアクリレートは単独重合が可能であり、このような単独重合により、高屈折率で、かつ5重量%減少温度が高い優れた耐熱性を有する熱可塑性アクリル樹脂が得られた。 また、9−フルオレニルメチルアクリレートは、メタクリル酸メチルと共重合可能であり、このような共重合により、アクリレートであるにもかかわらず、Tgを極端に低下させることなく高いレベルで保持でき、メタクリル酸メチルの単独重合体(ポリメタクリル酸メチル)に比べて、屈折率を向上させつつ、5%重量減少温度を著しく向上できた。特に、実施例2では、20モル%程度の少ない導入量でも、ポリメタクリル酸メチルに比べて5重量%重量減少温度の著しい向上が確認できた。 本発明の重合性組成物は、高屈折率や高耐熱性の熱可塑性(メタ)アクリル樹脂を製造するために有用である。そして、このような重合性組成物を重合させて得られる熱可塑性(メタ)アクリル系樹脂(又はその成形体)は、各種樹脂材料、例えば、インク材料、発光材料、有機半導体、ガス分離膜、コート剤(例えば、LED(発光ダイオード)用素子のコート剤などの光学用オーバーコート剤又はハードコート剤など)、レンズ[ピックアップレンズ(例えば、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)用ピックアップレンズなど)、マイクロレンズ(例えば、液晶プロジェクター用マイクロレンズなど)、眼鏡レンズなど]、偏光膜(例えば、液晶ディスプレイ用偏光膜など)、反射防止フィルム(又は反射防止膜、例えば、表示デバイス用反射防止フィルムなど)、タッチパネル用フィルム、フレキシブル基板用フィルム、ディスプレイ用フィルム[例えば、PDP(プラズマディスプレイ)、LCD(液晶ディスプレイ)、OLED(有機ELディスプレイ)、VFD(真空蛍光ディスプレイ)、SED(表面伝導型電子放出素子ディスプレイ)、FED(電界放出ディスプレイ)、NED(ナノ・エミッシブ・ディスプレイ)、ブラウン管、電子ペーパーなどのディスプレイ(特に薄型ディスプレイ)用フィルム(フィルタ、保護フィルムなど)など]、燃料電池用膜、光ファイバー、光導波路、ホログラムなどに好適に使用できる。特に、本発明の熱可塑性(メタ)アクリル樹脂(又はその成形体)は、光学材料用途に好適に利用でき、このような光学材料の形状としては、例えば、フィルム又はシート状、板状、レンズ状、管状などが挙げられる。 熱可塑性(メタ)アクリル樹脂を製造するための重合性組成物であって、フルオレン骨格を有する単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)を含む重合性組成物。 単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)が、下記式(A1)で表される化合物である請求項1記載の重合性組成物。(式中、R1はシアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示し、R3はアルキレン基を示し、R4は直接結合、アルキリデン基又はアルキレン基を示し、R5は置換基を示す。kは0〜4の整数、mは0以上の整数、nは0又は1である。) 単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)が、前記式(A1)において、R4が直接結合又はメチレン基、mが0、nが0である化合物である請求項1又は2記載の重合性組成物。 さらに、単官能性の非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)を含む請求項1〜3のいずれかに記載の重合性組成物。 非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)がメタクリル酸メチルを含む請求項4記載の重合性組成物。 非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)がメタクリル酸メチルを50モル%以上の割合で含む請求項4又は5記載の重合性組成物。 単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)の割合が、単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)および非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)の総量に対して10モル%以上である請求項4〜6のいずれかに記載の重合性組成物。 請求項1〜7のいずれかに記載の重合性組成物を重合させ、熱可塑性(メタ)アクリル樹脂を製造する方法。 単官能性の非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)を重合成分とする熱可塑性(メタ)アクリル樹脂の耐熱安定性を向上させるための耐熱安定性向上剤であって、フルオレン骨格を有する単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)で構成された耐熱安定性向上剤。 請求項1〜7のいずれかに記載の重合性組成物の重合により得られる熱可塑性(メタ)アクリル樹脂。 非フルオレン系(メタ)アクリル系モノマー(B)由来の単位中のメタクリル酸メチル単位の割合が50モル%以上であり、単官能性(メタ)アクリレート(A)由来の単位の割合が、単官能性(メタ)アクリレート(A)由来の単位および非フルオレン系(メタ)アクリレート(B)由来の単位の総量に対して10モル%以上である請求項10記載の熱可塑性(メタ)アクリル樹脂。 25℃、589nmにおける屈折率が1.5以上、5%重量減少温度が200℃以上である請求項10又は11記載の熱可塑性(メタ)アクリル樹脂。 【課題】耐熱安定性などの特性が改善された新規な熱可塑性(メタ)アクリル樹脂を提供する。【解決手段】フルオレン骨格を有する単官能性(メタ)アクリルモノマー(A)と、単官能性の非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)[特に、メタクリル酸メチルを単独で又は主成分として含む非フルオレン系(メタ)アクリルモノマー(B)]とを含む重合性組成物を重合させる。このような重合により得られる熱可塑性(メタ)アクリル樹脂は、高屈折率(例えば、25℃、589nmにおける屈折率が1.5以上)、優れた耐熱安定性(例えば、5%重量減少温度が200℃以上)を有する。【選択図】なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る