タイトル: | 公開特許公報(A)_脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物 |
出願番号: | 2012032056 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C07C 69/54,C08F 20/18 |
川本 教博 JP 2013166733 公開特許公報(A) 20130829 2012032056 20120216 脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物 株式会社日本触媒 000004628 特許業務法人 安富国際特許事務所 110000914 川本 教博 C07C 69/54 20060101AFI20130802BHJP C08F 20/18 20060101ALI20130802BHJP JPC07C69/54 BC08F20/18 1 OL 25 4H006 4J100 4H006AA01 4H006AB46 4H006AB84 4H006BJ10 4H006KC14 4H006KE20 4J100AL08P 4J100AL08Q 4J100AL62Q 4J100AL66P 4J100AL66Q 4J100AL67P 4J100AL67Q 4J100BA03P 4J100BC02P 4J100DA37 4J100DA48 4J100JA01 4J100JA32 4J100JA50本発明は、脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物、脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物含有組成物、及び、該組成物を硬化させてなる硬化物に関する。より詳しくは、硬化性樹脂の原料、アクリル系架橋剤等として使用できる、光学材料や塗料、反応性希釈剤、界面活性剤原料、医農薬製造用の中間体、レジスト用原料等の他、様々な用途に有用な脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物、それを含有する組成物、及び、該組成物を硬化させてなる塗膜や成形体等の硬化物に関する。多官能(メタ)アクリレート化合物は、2つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有することにより、複数の二重結合による多官能性を発現する化合物であり、(メタ)アクリル系硬化性樹脂組成物から硬化物を得る場合に広く使用されている。また、(メタ)アクリル系架橋剤として、種々の化学製品の原料として使用されている。このように、多官能(メタ)アクリレート化合物を用いることによって2つ以上の高分子鎖が架橋した構造を形成することができるが、例えば、硬化性樹脂組成物に速硬性を付与したり硬度を高めたりする場合、3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物が使用される場合が多い。官能基数を高めると、硬化性や硬度等の物性を高めることができるが、通常では要求される性能等によって適度な官能基数を選択することになる。従来の多官能(メタ)アクリレート化合物としては、脂環式ジオレフィンとアクリル酸とを反応させて(メタ)アクリロイルオキシ基を2つと脂環式オレフィン残基とを有する脂環式ジエステル化合物を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また下記一般式で表されるアクリレート化合物が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。下記一般式中、Rは、−OH又はCH2=CH−COO−を表す。特開平4−316536号公報(第1−4頁)特公平5−17898号公報(第1−4頁)従来の多官能(メタ)アクリレート化合物としては、2つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基が直鎖状の炭化水素基や芳香環等に結合した構造を有するものが多いが、極性官能基の割合が高いため、吸湿性が高く、耐候性の点でも改善の余地があった。また、レンズやディスプレイのような透明材料用途では、光透過性や耐光性の点からUV、可視光の波長領域に吸収帯を有する芳香環構造を含まない材料が要求される場合が多い。ところで、多官能(メタ)アクリレート化合物が用いられるような硬化性樹脂においては、種々の用途における要求性能を発揮するため、速硬性、高硬度、低吸湿性、耐候性、光透過性、耐光性等の特性が求められることになる。しかしながら、これらの特性・機能を高いレベルで共存させることは困難であった。例えば、DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)を使用して硬化性樹脂を調製し、硬化塗膜を形成する場合、速硬性、高硬度、耐すり傷性、耐熱性といった塗膜物性においては、高い性能を得ることが可能であるが、低吸湿性、耐候性といった塗膜物性においては、充分な性能を得ることができない。一方、NDDA(1,9−ノナンジオールジアクリレート)を使用して硬化性樹脂を調製し、硬化塗膜を形成する場合、低吸湿性、耐候性、耐熱性といった塗膜物性においては、高い性能を得ることが可能であるが、速硬性、高硬度、耐すり傷性といった塗膜物性においては、充分な性能を得ることができない。このように、いずれかの性能が充分なものとはならず、これらすべての特性・機能を共存させることが困難であるといった課題があった。そのため、硬化性樹脂原料として多官能(メタ)アクリレート化合物を硬化剤や架橋剤として用いる場合、高い性能が要求される様々な用途において、種々の特性・機能をすべて高いレベルで発揮することが求められるところであった。従来の技術においては、例えば、上述した特許文献1では、2つの(メタ)アクリロイルオキシ基が5員環、6員環、8員環、複素環の脂環式炭化水素基に結合した化合物が開示されているが、そのような構造であると、極性官能基の割合が高くなったり、製造上容易に合成することができなかったり、硬化性・架橋性が充分なものとならなかったりすることとなる。特許文献2においても、2つのアクリロイルオキシ基が8員環の脂環式炭化水素基に結合した化合物が開示されているが、そのような化合物とともに1つのアクリロイルオキシ基が8員環の脂環式炭化水素基に結合した化合物も開示されていて、多官能性化合物に特化したうえでその有用性が述べられたものではない。また、特許文献2に開示された化合物についても、硬化性・架橋性が充分なものとはならない。これらの特許文献に開示された発明においては、上述した化合物群を更に特定するものではなく、また、速硬性、高硬度、低吸湿性、耐候性、光透過性、耐光性等の機能性を高めることが発明の課題とはなっていない。本発明は、前述の課題を解決するものである。すなわち、本発明は、速硬性、高硬度、低吸湿性、高耐候性、光透過性、高耐光性といった、共存させることが困難であった機能を兼ね備えることができ、硬化性樹脂等に好適に使用することができる多官能(メタ)アクリレート化合物を提供することを目的とする。本発明者は、多官能(メタ)アクリレート化合物について鋭意検討を重ねた結果、脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物が速硬性、高硬度、低吸湿性、高耐候性、光透過性、高耐光性といった機能をすべて兼ね備えた硬化性樹脂及びその硬化物の原料として有用であることを見出した。すなわち、上記の機能を共存させるために必要な構造を抽出し、モノマーを設計したところ、脂環式の骨格を有する多官能(メタ)アクリレート化合物とすれば、(1)速硬性、高硬度については、多官能、環構造、(2)低吸湿性、高耐候性については、極性基濃度低、炭化水素基濃度高、(3)光透過性、高耐光性については、非芳香族であることが有利に働き、従来の多官能(メタ)アクリレート化合物においては共存させることが困難であったこれらの機能をすべて満足させることが可能であることを見出したものである。2つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基が脂環式骨格に直接結合することにより、極性基濃度を低くして多官能性を実現することができ、また、非芳香族である環構造を有するものとすることができる。これによって、多官能(メタ)アクリレート化合物を硬化剤や架橋剤として用いるような硬化性樹脂において、種々の特性・機能をすべて高いレベルで発揮させることができることに想到し、本発明に至ったものである。すなわち、本発明は、下記一般式(1);(式中、R1は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。R2は、同一又は異なって、水酸基又は1価の有機基を表す。mは、2〜10の数を表す。nは、0〜10の数を表す。Xは、脂環式炭化水素基を表し、mが2のときは、9〜40員環の単環を有する脂環式炭化水素基を表す。)で表される脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物である。以下に本発明を詳述する。なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。本発明の脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物は、脂環式骨格に直接結合した2つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有することを特徴とする化合物である。このように、(メタ)アクリロイルオキシ基が脂環式骨格に直接結合することにより、硬化物性を硬くするうえで有利となる。上記一般式(1)中、CH2=CR1COO−において、R1が水素原子の場合はアクリロイルオキシ基となり、R1がメチル基の場合はメタクリロイルオキシ基となる。いずれを選択してもよく、また、1つの分子中にこれらの基を混在させてもよい。上記一般式(1)において、R2は、水酸基又は1価の有機基を表し、Xの脂環式炭化水素基を構成する炭素原子に単結合するものである。好ましい製法にて調製される場合、原料又は中間体となる複数の官能基を有する脂環式化合物における官能基の残基を表すことが好ましい。R2の水酸基、1価の有機基のうち、好ましくは1価の有機基である。上記R2における1価の有機基としては、炭素数1〜25の1価の有機基が好ましく、例えば、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アロイルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基等が挙げられる。アルコキシ基、アルキル基の炭素数としては、1〜24であることが好ましく、より好ましくは1〜12である。アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基の炭素数としては、2〜25であることが好ましく、より好ましくは2〜13である。アリール基、アリールオキシ基の炭素数としては、6〜24であることが好ましく、より好ましくは6〜12である。アロイルオキシ基、アリールオキシカルボニル基の炭素数としては、7〜25であることが好ましく、より好ましくは7〜13である。また、当該1価の有機基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。上記一般式(1)において、mは2〜10の数であるが、mが2のとき、Xは、9〜40員環のいずれかの単環を有する脂環式炭化水素基を表す。mが3〜10のとき、Xは、環を構成する炭素数は特に限定されず、単環であってもよく複数の環を有してもよい脂環式炭化水素基を表す。上記mの数に関して、脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物は、例えば、mが2のときにジ(メタ)アクリレートとなり、mが3のときにトリ(メタ)アクリレートとなる。好ましい形態としては、mが2〜10である形態、より好ましくは、mが2〜8である形態であり、更に好ましくは、mが3〜6である形態である。上記Xの脂環式炭化水素基の形態としては、mが2のときは、Xの脂環式炭化水素基が、9〜40員環のいずれかであり、好ましくは9〜20員環のいずれかであり、より好ましくは9〜16員環のいずれかであり、更に好ましくは9〜12員環のいずれかであり、特に好ましくは10〜12員環のいずれかである。また、mが3〜10のときは、Xの脂環式炭化水素基が、好ましくは9〜100員環のいずれかであり、より好ましくは12〜80員環のいずれかであり、更に好ましくは12〜60員環のいずれかであり、特に好ましくは12〜40員環のいずれかである。すなわち、上記Xの脂環式炭化水素基の炭素数(=Xの脂環式炭化水素基の環を構成する炭素数)をaとすると、mが2のとき、aは、9〜40であり、好ましくは9〜20、より好ましくは9〜16であり、更に好ましくは9〜12であり、特に好ましくは10〜12である。また、mが3〜10のとき、aは、好ましくは9〜100、より好ましくは12〜80、更に好ましくは12〜60であり、特に好ましくは12〜40である。また、下記a/mを満たすことが好ましい。つまり、脂環式骨格の炭素数aを(メタ)アクリロイルオキシ基の数mで除した値a/mは、mが2のとき、硬化性と疎水性(低吸湿性)の両方に優れる点から、好ましくは4.5〜10、より好ましくは4.5〜8、更に好ましくは4.5〜6である。また、mが3〜10のとき、硬化性と疎水性(低吸湿性)の両方に優れる点から、a/mは、好ましくは3〜10、より好ましくは4〜8、更に好ましくは4〜6である。具体的には、m及びa/mで場合分けして、好ましい脂環式炭化水素基Xについて説明すると、以下のようになる。m=2のとき、Xは、好ましくは9〜20員環(a/m=4.5〜10)、より好ましくは9〜16員環(a/m=4.5〜8)、更に好ましくは9〜12員環(a/m=4.5〜6)である。また、m=3のとき、Xは、好ましくは9〜30員環(a/m=3〜10)、より好ましくは12〜24員環(a/m=4〜8)、更に好ましくは12〜18員環(a/m=4〜6)である。更に、m=4〜10のときは、m=3のときと同様にして、Xが何員環が好ましいかについて求めることができる。上記Xの脂環式炭化水素基の構造としては、mが2のとき、単環の脂環式炭化水素基となり、mが3〜10のとき、単環であってもよく複数の環を有してもよい脂環式炭化水素基となるが、単環であることが好ましい。Xの脂環式炭化水素基が単環構造であれば、耐衝撃性や可撓性等の機械物性を付与することができる。該単環構造としては、例えば、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロヘキサデカン、シクロへプタデカン、シクロオクタデカン、シクロノナデカン、シクロイコサン、シクロヘンイコサン、シクロドコサン、シクロトリコサン、シクロテトラコサン、シクロペンタコサン、シクロヘキサコサン、シクロヘプタコサン、シクロオクタコサン、シクロノナコサン、シクロトリアコンタン、シクロヘントリアコンタン、シクロドトリアコンタン、シクロトリトリアコンタン、シクロテトラトリアコンタン、シクロペンタトリアコンタン、シクロヘキサトリアコンタン、シクロテトラコンタン等が挙げられる。これらの中でも、シクロデカン、シクロドデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロヘキサデカン、シクロオクタデカン、シクロイコサン、シクロヘンイコサン、シクロテトラコサン、シクロペンタコサン、シクロオクタコサン、シクロトリアコンタン、シクロドトリアコンタン、シクロヘキサトリアコンタン、シクロテトラコンタンであることが好ましい。より好ましくは、シクロデカン、シクロドデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロヘキサデカン、シクロオクタデカン、シクロイコサン、シクロテトラコサン、シクロオクタコサン、シクロトリアコンタン、シクロドトリアコンタン、シクロヘキサトリアコンタンである。更に好ましくは、シクロドデカン、シクロヘキサデカン、シクロイコサン、シクロテトラコサン、シクロオクタコサンである。上記一般式(1)において、nは0〜10を表す。nは、好ましくは0〜5である。nは、後述する好ましい製法にて調製される場合、原料又は中間体となる複数の官能基を有する脂環式化合物における、官能基、又は、その官能基を反応により変換した有機基、又は、原料に由来する有機基、の残数を表すことが好ましい。本発明の化合物に要求される性能、使用する用途等に合わせて、(メタ)アクリレートの官能基選定と同様の方法によって適宜設定すればよい。例えば、耐候性を高めたい場合には、R2としてアルキル基又はアルコキシ基を導入すればよく、撥水性を付与したければ、フルオロアルキル基やフルオロアルコキシ基を導入すればよい。また、他の樹脂との密着性を高めたければ、その樹脂と親和性の高い官能基を導入すればよい。本発明の化合物は、nが0の場合、CH2=CR1COO−で表される(メタ)アクリロイルオキシ基のm個がXの脂環式炭化水素基を構成する炭素原子に単結合した構造となり、nが1〜10の場合、CH2=CR1COO−で表される(メタ)アクリロイルオキシ基のm個がそれぞれXの脂環式炭化水素基を構成する炭素原子に単結合するとともに、R2のn個がそれぞれXの脂環式炭化水素基を構成する炭素原子に単結合した構造となる。2つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基は、Xの脂環式炭化水素基を構成する炭素原子1つに対して1つ結合又は2つ結合することになり、R2が複数ある場合は、複数のR2がXの脂環式炭化水素基を構成する炭素原子1つに対して1つ又は2つ結合することになる。また、(メタ)アクリロイルオキシ基とR2とは、Xの脂環式炭化水素基を構成する同じ炭素原子に結合していてもよく、別の炭素原子に結合していてもよい。好ましい形態としては、Xの脂環式炭化水素基を構成する炭素原子1つに対して、1つの(メタ)アクリロイルオキシ基又は1つのR2が結合している形態である。また、上記Xの脂環式炭化水素基における(メタ)アクリロイルオキシ基及びR2の結合する位置としては、好ましい製法にて調製される場合、原料又は中間体となる複数の官能基を有する脂環式化合物における官能基の位置となることが好ましい。本発明の脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、例えば、下記のような化合物等が好ましく挙げられる。本発明の脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物の製造方法としては、原料又は中間体となる複数の官能基を有する脂環式化合物の複数の官能基の一部又は全部に(メタ)アクリレート化できる化合物を反応させて製造することができる。また、次の(1)〜(3)の製造方法のいずれかであることが好ましい。(1)複数の不飽和結合を有する脂環式化合物の複数の不飽和結合に、(メタ)アクリル酸を直接付加させて、脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物を製造する方法。(2)複数の水酸基を有する脂環式化合物の水酸基に、(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アクリル酸を反応させて、脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物を製造する方法。(3)複数の水酸基を有する脂環式化合物の水酸基に、塩化(メタ)アクリロイルを反応させて、脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物を製造する方法。以下では、複数の不飽和結合を有する脂環式化合物を「不飽和脂環式化合物」、複数の水酸基を有する脂環式化合物を「水酸基含有脂環式化合物」ともいう。これらの製造方法において、不飽和脂環式化合物、水酸基含有脂環式化合物が、原料又は中間体となる複数の官能基を有する脂環式化合物であり、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、塩化(メタ)アクリロイルが、(メタ)アクリレート化できる化合物である。上記(1)の製造方法においては、不飽和脂環式化合物の複数の不飽和結合の1つに対し、1つの(メタ)アクリロイルオキシ基が結合することになる。不飽和脂環式化合物の複数の不飽和結合の一部又は全部に(メタ)アクリル酸が反応し、かつ、不飽和脂環式化合物の2つ以上の不飽和結合部位に(メタ)アクリロイルオキシ基が結合した脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物が生成するようにすればよい。また上記(2)、(3)の製造方法においては、水酸基含有脂環式化合物の複数の水酸基の一部又は全部に(メタ)アクリレート化できる化合物が反応し、かつ、水酸基含有脂環式化合物の2つ以上の水酸基に換えて(メタ)アクリロイルオキシ基が結合した脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物が生成するようにすればよい。なお、水酸基含有脂環式化合物は、上記製造方法においては出発原料として用いられているが、本発明の脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物の製造において、水酸基含有脂環式化合物は、出発原料として用いられてもよく、中間体として用いられてもよい。例えば、複数の不飽和結合を有する脂環式化合物としてシクロドデカトリエンを用い、複数の水酸基を有する脂環式化合物としてシクロドデカントリオールを用い、脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物としてシクロドデカントリイルトリアクリレートを製造する場合、上記(1)〜(3)の製造方法における反応式を示せば、次のようになる。なお、下式中、R3は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のいずれかを表す。上記式中、水酸基やアクリロイルオキシ基は、シクロドデカン環を構成する炭素原子のいずれかに結合していることを表している。すなわち、水酸基やアクリロイルオキシ基のシクロドデカン環への結合を表す線をシクロドデカン環の内側まで引いているが、それらの結合位置が特に限定されないためにそのように表したものである。上記製造方法において、原料となる不飽和脂環式化合物、原料又は中間体となる水酸基含有脂環式化合物としては、上記一般式(1)においてmが2である脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物を生成させる場合、9〜40員環の単環の化合物を用いることになる。mが3〜10である脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物を生成させる場合、環を構成する炭素数の限定がなく、単環であってもよく複数の環を有してもよい化合物を用いることになる。また同様に、上述した脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物の好ましい形態に応じて、原料となる不飽和脂環式化合物、原料又は中間体となる水酸基含有脂環式化合物を適宜選択すればよい。不飽和脂環式化合物、水酸基含有脂環式化合物の環を構成する炭素数に関して、mが2のときの形態としては、9〜40員環のいずれかであり、好ましくは9〜20員環のいずれかであり、より好ましくは9〜16員環のいずれかであり、更に好ましくは9〜12員環のいずれかであり、特に好ましくは10〜12員環のいずれかである。mが3〜10のときの形態としては、好ましくは9〜100員環のいずれかであり、より好ましくは12〜80員環のいずれかであり、更に好ましくは12〜60員環のいずれかであり、特に好ましくは12〜40員環のいずれかである。また、不飽和脂環式化合物、水酸基含有脂環式化合物は、mが2のとき、単環の化合物となり、mが3〜10のとき、単環であってもよく複数の環を有してもよい化合物となるが、単環であることが好ましい。上記製造方法において、不飽和脂環式化合物の複数の不飽和結合の数、水酸基含有脂環式化合物の複数の水酸基の数としては、2〜10であることが好ましい。より好ましくは、2〜8であり、更に好ましくは、3〜6である。上記(メタ)アクリレート化できる化合物が不飽和脂環式化合物の複数の不飽和結合の一部に付加し、一部の不飽和結合が残ってもよく、水酸基含有脂環式化合物の複数の水酸基の一部に付加し、一部の水酸基が残ってもよい。好ましくは、(メタ)アクリレート化できる化合物が不飽和脂環式化合物の複数の不飽和結合の全部に付加する形態、水酸基含有脂環式化合物の複数の水酸基の全部と反応する形態である。なお、一部の水酸基が残る場合、例えば、一般式(1)において、R2が水酸基を表し、(メタ)アクリレート化できる化合物が付加しなかった水酸基の残数がnの数となる。その際、残った水酸基を有機合成的手法により、用途に適した官能基に適宜変換してもよい。上記各製造方法における反応条件等としては、次のようである。上記製造方法(1)のように、不飽和脂環式化合物に(メタ)アクリル酸を反応させて、脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物を製造する場合は、触媒として、例えば、三フッ化ホウ素のエーテル錯体、濃硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、イオン交換樹脂、ヘテロポリ酸及びその塩等を用いることができる。その使用量は、反応基質の合計重量に対して、不飽和脂環式化合物の重合及び異性化の回避、製造装置への負荷低減、触媒費低減等の点から10〜100000ppmが好ましい。不飽和脂環式化合物と(メタ)アクリル酸、及び、生成する脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物は、熱的に不安定な物質であるため、重合禁止剤を添加して反応を行うのが好ましい。重合禁止剤としては、キノン類、フェノール類、ナフトール類、カテコール類、フェノチアジン、ニトロソ化合物等が挙げられる。その使用量は、反応基質の合計重量に対して、触媒活性及び副反応への影響等の点から10〜10000ppmが好ましい。反応温度は、反応を十分に進行させ、かつ、副反応を抑制する点から、−20〜150℃が好ましく、より好ましくは0〜120℃である。反応時間は1〜20時間が好ましい。また、溶媒を用いることもできる。当該溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない限り特に制限はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の脂肪族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル等が挙げられる。これらは1種でも2種以上でも用いることができる。溶媒の使用量は、水酸基含有脂環式化合物100質量部に対して、10〜1000質量部とすることが、反応時間の観点から好ましい。不飽和脂環式化合物と(メタ)アクリル酸の使用量は、実質的に等量以上とすることが好ましい。例えば、不飽和脂環式化合物としてシクロドデカトリエンを用いる場合、シクロドデカトリエン1当量に対して、(メタ)アクリル酸を3.0〜12.0当量にすることが好ましい。上記製造方法(2)のように、(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アクリル酸を用いて水酸基含有脂環式化合物をエステル化して、脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物を製造する場合は、触媒を使用し、生成する低級アルコール又は水を連続的に系外へ取り出すことにより反応を促進することができる。当該触媒としては、例えば、硫酸、p−トルエンスルホン酸、三フッ化ホウ素等のエステル化触媒として公知のものが挙げられ、これらから任意に選択して使用することができる。その使用量は、製造装置への負荷低減、触媒費低減等の点から、反応基質の合計重量に対して、10〜100000ppmが好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステルの熱重合を防止するために、重合禁止剤を添加することが好ましい。当該重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、3−ヒドロキシチオフェノール、α−ニトロソ−β−ナフトール、p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−キノン、銅塩、p−フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフチルアミン等が挙げられる。その使用量は、反応基質の合計重量に対して、触媒活性及び副反応への影響等の点から10〜10000ppmが好ましい。反応温度は、反応時間の短縮と重合防止の点から、−20〜120℃で行うのが好ましい。より好ましくは0〜100℃である。反応時間は1〜20時間が好ましい。また、溶媒を用いることもできる。当該溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない限り特に制限はなく、例えば、前記の溶媒と同じものが挙げられる。溶媒の使用量は、水酸基含有脂環式化合物100質量部に対して、10〜1000質量部とすることが、反応時間の観点から好ましい。水酸基含有脂環式化合物と、(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アクリル酸の合計の使用量は、実質的に等量以上とすることが好ましい。例えば、水酸基含有脂環式化合物としてシクロドデカントリオールを用いる場合、シクロドデカントリオール1当量に対して、(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸の合計を3.0〜12.0当量にすることが好ましい。上記製造方法(3)のように、塩化(メタ)アクリロイルを用いて水酸基含有脂環式化合物をエステル化して、脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物を製造する場合は、塩基性化合物の存在下で反応を行うことが好ましく、触媒を使用して反応を促進することもできる。当該塩基性化合物としては、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン等の3級アミン類;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のリン酸塩;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化物等の、塩基性化合物として公知のものが挙げられ、これらから任意に選択して使用することができる。その使用量は、製造装置への負荷低減、原料費低減等の点から、水酸基含有脂環式化合物100質量部に対して、10〜1000質量部であることが好ましい。当該触媒としては、例えば、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン等のピリジン類;N−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;トリエチレンジアミン等の3級アミン類等の、酸塩化物のエステル化反応に公知である触媒が挙げられ、これらから任意に選択して使用することができる。その使用量は、製造装置への負荷低減、触媒費低減等の点から、反応基質の合計重量に対して、10〜100000ppmが好ましい。また、塩化(メタ)アクリロイルの熱重合を防止するために、重合禁止剤を添加することが好ましい。当該重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、3−ヒドロキシチオフェノール、α−ニトロソ−β−ナフトール、p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−キノン、銅塩、p−フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフチルアミン等が挙げられる。その使用量は、反応基質の合計重量に対して、触媒活性及び副反応への影響等の点から10〜10000ppmが好ましい。反応温度は、反応時間の短縮と重合防止の点から、−20〜120℃で行うのが好ましい。より好ましくは−10〜90℃である。反応時間は1〜20時間が好ましい。また、溶媒を用いることもできる。当該溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない限り特に制限はなく、例えば、前記の溶媒と同じものが挙げられる。溶媒の使用量は、水酸基含有脂環式化合物100質量部に対して、10〜1000質量部とすることが、反応時間の観点から好ましい。水酸基含有脂環式化合物と、塩化(メタ)アクリロイルの使用量は、実質的に等量以上とすることが好ましい。例えば、水酸基含有脂環式化合物としてシクロドデカントリオールを用いる場合、シクロドデカントリオール1当量に対して、塩化(メタ)アクリロイルを3.0〜6.0当量にすることが好ましい。上記製造方法における原料である不飽和脂環式化合物としては、例えば、2つの不飽和結合を有する化合物として、シクロデカジエン、シクロウンデカジエン、シクロドデカジエン、シクロトリデカジエン、シクロテトラデカジエン、シクロペンタデカジエン、シクロヘキサデカジエン、シクロヘプタデカジエン、シクロオクタデカジエン、シクロノナデカジエン、シクロイコサジエン;3つの不飽和結合を有する化合物として、シクロドデカトリエン、シクロペンタデカトリエン、シクロオクタデカトリエン、シクロヘンイコサントリエン、シクロテトラコサトリエン;4つの不飽和結合を有する化合物として、シクロヘキサデカテトラエン、シクロイコサンテトラエン、シクロテトラコサンテトラエン、シクロオクタコサンテトラエン、シクロドトリアコンタンテトラエン;5つの不飽和結合を有する化合物として、シクロイコサペンタエン、シクロペンタコサンペンタエン、シクロトリアコンタンペンタエン、シクロペンタトリアコンタンペンタエン;6つの不飽和結合を有する化合物として、シクロテトライコサヘキサエン、シクロトリアコンタンヘキサエン、シクロヘキサトリアコンタンヘキサエン;7つの不飽和結合を有する化合物として、シクロオクタイコサヘプタエン、シクロペンタトリアコンタンヘプタエン;8つの不飽和結合を有する化合物として、シクロドトリアコンタオクタエン、シクロテトラコンタンオクタエン;9つの不飽和結合を有する化合物として、シクロヘキサトリアコンタノナエン;10つの不飽和結合を有する化合物として、シクロテトラコンタデカエン等が挙げられる。これらの中でも、シクロデカジエン、シクロドデカジエン、シクロテトラデカジエン、シクロヘキサデカジエン、シクロドデカトリエン、シクロペンタデカトリエン、シクロオクタデカトリエン、シクロヘンイコサントリエン、シクロテトラコサトリエン、シクロヘキサデカテトラエン、シクロイコサンテトラエン、シクロテトラコサンテトラエン、シクロオクタコサンテトラエン、シクロドトリアコンタンテトラエン、シクロイコサペンタエン、シクロペンタコサンペンタエン、シクロトリアコンタンペンタエン、シクロペンタトリアコンタンペンタエン、シクロテトライコサヘキサエン、シクロトリアコンタンヘキサエン、シクロヘキサトリアコンタンヘキサエン、シクロオクタイコサヘプタエン、シクロペンタトリアコンタンヘプタエン、シクロドトリアコンタオクタエン、シクロテトラコンタンオクタエン、シクロヘキサトリアコンタノナエン、シクロテトラコンタデカエンを用いることが好ましい。また、シクロドデカトリエン、シクロヘキサデカテトラエン、シクロイコサペンタエン、シクロテトライコサヘキサエン、シクロオクタイコサヘプタエン、シクロドトリアコンタオクタエンを用いることがより好ましい。なお、上記不飽和脂環式化合物の例示において、不飽和結合の数を満たしていれば、不飽和結合を有することが可能な位置であれば、不飽和結合をどこに有していてもよい。上記不飽和脂環式化合物の製造方法としては、特に制限されるものではなく、従来公知の方法から適宜選択すればよい。例えば、(4)共役ジエン類の多量化反応を用いる方法(例えば、特公昭46−31216号公報;特公昭46−31849号公報;特公昭49−7153号公報;特公昭55−43874号公報;米国特許第2964574号;G.Wilke,Angewandte Chemie International,Edition 2,105〜164(1963)等参照)、(5)シクロアルケン類又はシクロアルカジエン類又はシクロアルカトリエン類の環拡大反応を用いる方法(例えば、特公昭55−33689号公報;英国特許第1105565号等参照)、(6)直鎖ポリエン類の閉環メタセシス反応を用いる方法(例えば、米国特許第3439057号等参照)等が挙げられる。好ましくは(4)、(5)の方法である。上記共役ジエン類としては、ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン、クロロプレン、ジクロロブタジエン等が挙げられる。脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物中の有機残基の耐光性の観点から、これらの中でもブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエンを用いることが好ましい。上記シクロアルケン類としては、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロへプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、シクロウンデセン、シクロドデセン等が挙げられる。これらの中でも、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロへプテン、シクロオクテンを用いることが好ましい。上記シクロアルカジエン類としては、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、シクロノナジエン、シクロデカジエン、シクロウンデカジエン、シクロドデカジエン、シクロトリデカジエン、シクロテトラデカジエン、シクロペンタデカジエン、シクロヘキサデカジエン等が挙げられる。これらの中でも、シクロオクタジエン、シクロデカジエン、シクロドデカジエン、シクロテトラデカジエン、シクロヘキサデカジエンを用いることが好ましい。上記シクロアルカトリエン類としては、シクロドデカトリエン、シクロペンタデカトリエン、シクロオクタデカトリエン、シクロヘンイコサトリエン、シクロテトラコサトリエン等が挙げられる。これらの中でも、シクロドデカトリエンを用いることが好ましい。上記製造方法における原料である水酸基含有脂環式化合物としては、例えば、2つの水酸基を有する化合物として、シクロノナンジオール、シクロデカンジオール、シクロウンデカンジオール、シクロドデカンジオール、シクロトリデカンジオール、シクロテトラデカンジオール、シクロペンタデカンジオール、シクロヘキサデカンジオール、シクロヘプタデカンジオール、シクロオクタデカンジオール、シクロノナデカンジオール、シクロイコサンジオール;3つの水酸基を有する化合物として、シクロノナントリオール、シクロデカントリオール、シクロウンデカントリオール、シクロドデカントリオール、シクロトリデカントリオール、シクロテトラデカントリオール、シクロペンタデカントリオール、シクロヘキサデカントリオール、シクロヘプタデカントリオール、シクロオクタデカントリオール、シクロノナデカントリオール、シクロイコサントリオール、シクロヘンイコサントリオール、シクロドコサントリオール、シクロトリコサントリオール、シクロテトラコサントリオール、シクロペンタコサントリオール、シクロヘキサコサントリオール、シクロヘプタコサントリオール、シクロオクタコサントリオール、シクロノナコサントリオール、シクロトリアコンタントリオール;4つの水酸基を有する化合物として、シクロドデカンテトラオール、シクロトリデカンテトラオール、シクロテトラデカンテトラオール、シクロペンタデカンテトラオール、シクロヘキサデカンテトラオール、シクロヘプタデカンテトラオール、シクロオクタデカンテトラオール、シクロノナデカンテトラオール、シクロイコサンテトラオール、シクロヘンイコサンテトラオール、シクロドコサンテトラオール、シクロトリコサンテトラオール、シクロテトラコサンテトラオール、シクロペンタコサンテトラオール、シクロヘキサコサンテトラオール、シクロヘプタコサンテトラオール、シクロオクタコサンテトラオール、シクロノナコサンテトラオール、シクロトリアコンタンテトラオール、シクロヘントリアコンタンテトラオール、シクロドトリアコンタンテトラオール、シクロトリトリアコンタンテトラオール、シクロテトラトリアコンタンテトラオール、シクロペンタトリアコンタンテトラオール、シクロヘキサトリアコンタンテトラオール、シクロヘプタトリアコンタンテトラオール、シクロオクタトリアコンタンテトラオール、シクロノナトリアコンタンテトラオール、シクロテトラコンタンテトラオール;5つの水酸基を有する化合物として、シクロペンタデカンペンタオール、シクロヘキサデカンペンタオール、シクロヘプタデカンペンタオール、シクロオクタデカンペンタオール、シクロノナデカンペンタオール、シクロイコサンペンタオール、シクロヘンイコサンペンタオール、シクロドコサンペンタオール、シクロトリコサンペンタオール、シクロテトラコサンペンタオール、シクロペンタコサンペンタオール、シクロヘキサコサンペンタオール、シクロヘプタコサンペンタオール、シクロオクタコサンペンタオール、シクロノナコサンペンタオール、シクロトリアコンタンペンタオール、シクロヘントリアコンタンペンタオール、シクロドトリアコンタンペンタオール、シクロトリトリアコンタンペンタオール、シクロテトラトリアコンタンペンタオール、シクロペンタトリアコンタンペンタオール、シクロヘキサトリアコンタンペンタオール、シクロヘプタトリアコンタンペンタオール、シクロオクタトリアコンタンペンタオール、シクロノナトリアコンタンペンタオール、シクロテトラコンタンペンタオール;6つの水酸基を有する化合物として、シクロオクタデカンヘキサオール、シクロノナデカンヘキサオール、シクロイコサンヘキサオール、シクロヘンイコサンヘキサオール、シクロドコサンヘキサオール、シクロトリコサンヘキサオール、シクロテトラコサンヘキサオール、シクロペンタコサンヘキサオール、シクロヘキサコサンヘキサオール、シクロヘプタコサンヘキサオール、シクロオクタコサンヘキサオール、シクロノナコサンヘキサオール、シクロトリアコンタンヘキサオール、シクロヘントリアコンタンヘキサオール、シクロドトリアコンタンヘキサオール、シクロトリトリアコンタンヘキサオール、シクロテトラトリアコンタンヘキサオール、シクロペンタトリアコンタンヘキサオール、シクロヘキサトリアコンタンヘキサオール、シクロヘプタトリアコンタンヘキサオール、シクロオクタトリアコンタンヘキサオール、シクロノナトリアコンタンヘキサオール、シクロテトラコンタンヘキサオール;7つの水酸基を有する化合物として、シクロヘンイコサンヘプタオール、シクロドコサンヘプタオール、シクロトリコサンヘプタオール、シクロテトラコサンヘプタオール、シクロペンタコサンヘプタオール、シクロヘキサコサンヘプタオール、シクロヘプタコサンヘプタオール、シクロオクタコサンヘプタオール、シクロノナコサンヘプタオール、シクロトリアコンタンヘプタオール、シクロヘントリアコンタンヘプタオール、シクロドトリアコンタンヘプタオール、シクロトリトリアコンタンヘプタオール、シクロテトラトリアコンタンヘプタオール、シクロペンタトリアコンタンヘプタオール、シクロヘキサトリアコンタンヘプタオール、シクロヘプタトリアコンタンヘプタオール、シクロオクタトリアコンタンヘプタオール、シクロノナトリアコンタンヘプタオール、シクロテトラコンタンヘプタオール;8つの水酸基を有する化合物として、シクロテトラコサンオクタオール、シクロペンタコサンオクタオール、シクロヘキサコサンオクタオール、シクロヘプタコサンオクタオール、シクロオクタコサンオクタオール、シクロノナコサンオクタオール、シクロトリアコンタンオクタオール、シクロヘントリアコンタンオクタオール、シクロドトリアコンタンオクタオール、シクロトリトリアコンタンオクタオール、シクロテトラトリアコンタンオクタオール、シクロペンタトリアコンタンオクタオール、シクロヘキサトリアコンタンオクタオール、シクロヘプタトリアコンタンオクタオール、シクロオクタトリアコンタンオクタオール、シクロノナトリアコンタンオクタオール、シクロテトラコンタンオクタオール等が挙げられる。これらの中でも、シクロドデカントリオール、シクロペンタデカントリオール、シクロオクタデカントリオール、シクロヘンイコサントリオール、シクロテトラコサントリオール、シクロヘキサデカンテトラオール、シクロイコサンテトラオール、シクロテトラコサンテトラオール、シクロオクタコサンテトラオール、シクロドトリアコンタンテトラオール、シクロイコサンペンタオール、シクロペンタコサンペンタオール、シクロトリアコンタンペンタオール、シクロペンタトリアコンタンペンタオール、シクロテトラコンタンペンタオール、シクロテトラコサンヘキサオール、シクロトリアコンタンヘキサオール、シクロヘキサトリアコンタンヘキサオール、シクロオクタコサンヘプタオール、シクロペンタトリアコンタンヘプタオール、シクロドトリアコンタンオクタオール、シクロテトラコンタンオクタオールが好ましい。また、シクロドデカントリオール、シクロヘキサデカンテトラオール、シクロイコサンペンタオール、シクロテトラコサンヘキサオール、シクロオクタコサンヘプタオール、シクロドトリアコンタンオクタオールがより好ましい。なお、上記水酸基含有脂環式化合物の例示において、水酸基の数を満たしていれば、水酸基を有することが可能な位置であれば、水酸基をどこに有していてもよい。上記水酸基含有脂環式化合物の製造方法としては、特に制限されるものではなく、従来公知の方法から適宜選択すればよい。例えば、(7)不飽和脂環式化合物の水和反応による方法(例えば、Chwang,W.K.;Nowlan,V.J.;Tidwell,T.T.;J.Am.Chem.Soc.,1977,99,7233等参照)、(8)不飽和脂環式化合物の酸化反応及び還元反応を経る方法(例えば、S.Ishiyama;T.Mukaiyama;Chem.Lett.,1989,569等参照)、(9)ホウ素化合物を用いたヒドロホウ素化反応及び過酸化物による酸化反応を経る方法(例えば、D.J.Collins;C.Lewis;J.M.Swan;Aust.J.Chem.,1974,27,2593等参照)、(10)ケイ素化合物を用いたヒドロシリル化反応及び過酸化物を用いる酸化反応を経る方法(例えば、Kohei Tamao;Toshio Kakui;Makoto Kumada;J.Am.Chem.Soc.,1978,100,2268等参照)、(11)オキシ水銀化反応及び加水分解を経る反応(例えば、H.C.Browun;P.J.Geoghegan,Jr.;J.T.Kurek;J.Org.Chem.,1981,46,3810等参照)、(12)ほう酸を用いるシクロアルカンの酸化による方法(例えば、日本国特許第3568843号等参照)等が挙げられる。好ましくは上記(7)、(8)、(9)の方法である。本発明はまた、上記脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物と硬化剤とを含んでなる脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物含有組成物でもある。上記組成物は、脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物と硬化剤とを必須とするものであればよく、該脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物を硬化剤及び/又は架橋剤として用いる組成物であることが好ましい。また、硬化性成分として、脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物以外のラジカル重合性化合物を含有していてもよい。上記脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物とラジカル重合性化合物の合計を100質量%とすると、その中の脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物の質量比率が10質量%を超えるようにすることが好ましい。脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物の質量比率は、50質量%を超えることがより好ましく、70質量%以上が更に好ましく、90質量%以上が特に好ましく、実質的に脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物だけを含有するものが最も好ましい。上記脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物以外のラジカル重合性化合物としては、特に限定されるわけではないが、例えば、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(無水)マレイン酸等が挙げられる。これらは1種でも2種以上でも用いることができる。具体的には、上記単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(n=2)(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(n=2.5)(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、フルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート等が挙げられる。上記3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。上記脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物含有組成物においては、モノマー成分として上記脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物の1種又は2種以上を必須とし、上記ラジカル重合性化合物の1種又は2種以上を含んでいてもよい。また、上記脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物及び上記ラジカル重合性化合物以外のモノマー成分を含んでいてもよく、例えば、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル系モノマー、その他のモノマーの1種又は2種以上を含むことができる。上記硬化剤としては、モノマーを硬化させるために用いられる光硬化剤、熱硬化剤のいずれも用いることができる。これらは、硬化性樹脂において通常用いられるラジカル重合開始剤等を適宜選択して用いればよい。光硬化剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアルキルフェノン系光重合開始剤;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤;ベンゾフェノン等のアリールフェノン系光重合開始剤等が挙げられる。熱硬化剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系ラジカル開始剤;過酸化ベンゾイル等の過酸化物系ラジカル開始剤等が挙げられる。上記硬化剤の配合量としては、特に限定されないが、樹脂性能への影響回避の点から、脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物100質量部に対して、0.2〜20質量部であることが好ましく、0.2〜5質量部であることがより好ましい。また、当該組成物が用いられる用途に応じて、上記必須成分以外の成分として、例えば、溶剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤等の各種添加剤を含有させることもできる。上記溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の脂肪族炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル類等が挙げられる。また、上記各種添加剤の配合量は、特に限定されず、所望に応じて適宜選択すればよい。本発明は更に、上記脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物含有組成物を硬化させてなる硬化物でもある。上記硬化物の調製においては、硬化条件を光硬化としても熱硬化としてもよい。いずれにおいても速硬性の効果を奏することができる。光硬化方法としては、特に限定されるわけではないが、上記脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物含有組成物を基板上へ塗布、又は、型に流し込んだ後、紫外線照射装置内にて照射する方法が好ましい。UV照射量は光源の強度、硬化剤の種類及び濃度等により適宜調整すればよい。熱硬化方法としては、特に限定されるわけではないが、上記脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物含有組成物を基板上へ塗布、又は、型に流し込んだ後、オーブン内で又はホットプレート上にて加熱する方法が好ましい。硬化温度及び昇温速度は、硬化剤の種類及び濃度等により適宜調整すればよい。従来の多官能(メタ)アクリレート化合物であれば、例えば光学用途等に用いる場合、そのような硬化性樹脂に要求される光透過性等の特性を充分なものとしたうえで、速硬性、高硬度、低吸湿性、耐候性、耐光性といった特性をすべて兼ね備えるものとすることはできなかったが、本発明の脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物であれば、これらの特性をすべて兼ね備えるものとすることができる。このように、本発明の脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物、それを含有する組成物、その硬化物は、上述したように速硬性、高硬度、低吸湿性、高耐候性、光透過性、高耐光性といった共存させることが困難であった機能をすべて兼ね備えることができるため、種々の用途に好適に用いることができる。すなわち、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂の用途、特にアクリル系樹脂の用途に好適であり、例えば、アクリル系のハードコート剤、塗料、インキ、希釈剤、接着剤、粘着剤等として好適なものである。本発明は、上述した構成からなり、速硬性、高硬度、低吸湿性、高耐候性、光透過性、高耐光性といった、既存の多官能(メタ)アクリレート化合物では共存させることが困難であった機能をすべて兼ね備えることができ、硬化性樹脂等に好適に使用することができる、脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物を得ることができる。以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。実施例1:シクロドデカントリイルトリアクリレート(CDDTA)の合成1,5,9−シクロドデカトリエン(アルドリッチ社製)40gをテトラヒドロフラン40ml中に溶解した。窒素雰囲気下、氷浴中で攪拌しながら、1Mボラン・テトラヒドロフラン溶液265mlを1時間かけて滴下した。氷浴を外し、室温で攪拌しながら、3N水酸化ナトリウム水溶液を90ml加えた。氷浴中で攪拌しながら、8.8M過酸化水素水溶液90mlを30分かけて滴下した。容器をオイルバスに浸し、50℃で2時間還流した。冷却後、ヘキサン100mlで2回、ジイソプロピルエーテル100mlで2回、反応液を洗浄した。水相を塩化ナトリウムで飽和し、ブタノール100mlで4回抽出した。ブタノール溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。2−プロパノール/テトラヒドロフラン/トルエンから再結晶を行い、シクロドデカントリオールを32g取得した。塩化メチレン200mlに、取得したシクロドデカントリオール22g、トリエチルアミン46g、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン1.2gを溶解した。窒素雰囲気下で氷冷しながら、塩化アクリロイル30gを滴下した。室温で30分攪拌した後、油浴中50℃で1時間還流した。反応液にジイソプロピルエーテル200mlを加え、塩化メチレンを留去し、溶媒を交換した。0.5M水酸化ナトリウム水溶液50mlで2回、1M塩酸で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)を行い、シクロドデカントリイルトリアクリレート(CDDTA)16g(無色透明、粘性液体)を取得した。CDDTAの1HNMRスペクトル溶媒にCDCl3を使用し、核磁気共鳴装置(VARIAN社製「Unity plus 400」)を用いて測定した。δ 1.12−1.96、bm、18H(脂環骨格)δ 4.86−5.14、bm、3H(OCH)δ 5.88−5.98、m、3H(アクリロイル)δ 6.08−6.22、m、3H(アクリロイル)δ 6.26−6.38、m、3H(アクリロイル)CDDTAのIRスペクトルKBr法によりフーリエ変換赤外分光光度計(サーモニコレー社製、NEXUS 670)を用いて測定した。νmax(cm−1):2954,2864,1724,1720,1717,1637,1619,1407,1296,1274,1201,1047,986,811上記で得られたシクロドデカントリイルトリアクリレートに、光重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製)3部を加えて溶解させ、脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物含有組成物を得た。また、上記組成物を用い、バーコーターを使用して、各種基板上に膜厚約0.1mm(溶媒を蒸発させる必要があるものは蒸発後の膜厚)となるよう塗膜を作製した。そして、以下の各種評価(粘度及び吸水率を除く)で用いた。実施例2上記実施例1で得られた脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物(CDDTA)50部と、ラジカル重合性化合物としてのNDDA50部を組合せて用い、上記実施例1と同様にして、組成物及び塗膜を作製した。比較例1〜6下記の市販の多官能アクリレートを用い、上記実施例1と同様にして、組成物及び塗膜を作製した。比較例7〜10表2記載の配合量で、下記の市販の多官能アクリレートを2種組合せて用い、上記実施例1と同様にして、組成物及び塗膜を作製した。NDDA(1,9−ノナンジオールジアクリレート)TCDDA(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)TMPTA(トリメチロールプロパントリアクリレート)DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)ICTA(トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート)NPDA(ネオペンチルグリコールジアクリレート)上記実施例及び比較例において、粘度、UV硬化性、密着性、鉛筆硬度、耐すり傷性、吸水率は、以下のようにして測定して求めた。また、これら結果を表1、表2に示す。<粘度>上記実施例及び比較例で得られた組成物の粘度を、E型回転粘度計(東機産業社製「VISCOMETER TVE−20L」)を用いて、表1記載の温度で20rpmの条件下で測定した。<UV硬化性>上記実施例及び比較例で作製した塗膜に、UVランプを66mJ/cm2・sで照射した際、表面を手で軽く触り、塗膜のタックがなくなるまでの時間(秒)を測定した。<密着性>上記実施例及び比較例で作製した塗膜に、UVランプを照射量330mJ/cm2(66mJ/cm2・s×5秒間、以下同様)の条件で照射してUV硬化させた後、当該塗膜を100個にクロスカットし、スコッチテープ用いて剥離した後の、基材上に残存した個数を測定した。基材としては、PC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)を用いた。<鉛筆硬度>上記実施例及び比較例で作製した塗膜に、UVランプを照射量330mJ/cm2の条件で照射してUV硬化させた後、当該塗膜表面を、様々な硬度の鉛筆を硬度の低いものから用いて、荷重1kgでこすり、最初に塗膜に傷がついた際の鉛筆の硬度を調べた。基材としては、PMMA(ポリメチルメタクリレート)を用いた。<耐すり傷性>上記実施例及び比較例で作製した塗膜表面にスチールウール#0をあて、荷重1kgを加えて10回往復させ、各塗膜の耐すり傷性を測定した。また、評価基準は以下のとおり。○:傷が全くつかない、△:小さな傷が少しつく、×:深い傷がつく。<吸水率>上記実施例及び比較例で得られた組成物を用いて、ガラス基板上に面積10平方センチメートル、質量200mgの塗膜(膜厚約0.05μm)を作製し、UVランプを照射量330mJ/cm2の条件で照射して硬化させた後、この硬化塗膜をガラス基板より剥がし、超純水中に浸漬させ、24時間後の質量を測定し、浸漬前の質量との比較により、各塗膜の吸水率を測定した。なお、本発明の脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物、比較を行った多官能(メタ)アクリレート化合物ともに、光透過性等の特性を有するものであるが、上記のように、速硬性、高硬度、低吸湿性、耐候性、耐光性等の特性については、従来の多官能(メタ)アクリレート化合物では、すべて高い水準で性能を発揮させることはできない。しかし、本発明の脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物であれば、硬化性樹脂に要求されるこれらの特性すべてにおいて、高い水準で性能を発揮させることができる。また、本発明の脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物は、優れた密着性を有し、比較を行った多官能(メタ)アクリレート化合物と同等以上の耐すり傷性も有する。上記実施例では、一般式(1)においてXが12員環の脂環式炭化水素基で(メタ)アクリロイルオキシ基を3つ有する構造をもつCDDTAが使用されているが、上述したように、本発明の脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物においては、多官能性基が環構造に直接結合していること、極性基濃度が従来の多官能(メタ)アクリレート化合物より低くなること、非芳香族であることによって、上述したすべての特性が発現する作用機序はすべて同様であるものと考えられる。したがって、上記触媒調製例及び実施例の結果から、本発明の技術的範囲全般において、また、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができるといえる。下記一般式(1);(式中、R1は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。R2は、同一又は異なって、水酸基又は1価の有機基を表す。mは、2〜10の数を表す。nは、0〜10の数を表す。Xは、脂環式炭化水素基を表し、mが2のときは、9〜40員環の単環を有する脂環式炭化水素基を表す。)で表されることを特徴とする脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物。 【課題】速硬性、高硬度、低吸湿性、高耐候性、光透過性、高耐光性といった、共存させることが困難であった機能を兼ね備えることができ、硬化性樹脂等に好適に使用することができる多官能(メタ)アクリレート化合物を提供する。【解決手段】下記一般式(1);[化1](式中、R1は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。R2は、同一又は異なって、水酸基又は1価の有機基を表す。mは、2〜10の数を表す。nは、0〜10の数を表す。Xは、脂環式炭化水素基を表し、mが2のときは、9〜40員環の単環を有する脂環式炭化水素基を表す。)で表されることを特徴とする脂環式多官能(メタ)アクリレート化合物。【選択図】なし