生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_聴覚喪失予防用の組成物
出願番号:2012021469
年次:2013
IPC分類:A61K 36/00,A23L 1/302,A23L 1/304,A23L 1/30,A61K 31/365,A61K 31/375,A61K 33/06,A61K 33/04,A61K 33/24,A61K 31/198,A61K 33/30,A61K 33/34,A61K 33/26,A61K 31/352,A61P 27/16,A61K 31/015


特許情報キャッシュ

村上 篤良 JP 2013159572 公開特許公報(A) 20130819 2012021469 20120203 聴覚喪失予防用の組成物 村上 篤良 500457519 花岡 孝吉 000124764 大坪 亮一 509030490 小山 かすみ 509029933 小山 有 100085257 村上 篤良 A61K 36/00 20060101AFI20130723BHJP A23L 1/302 20060101ALI20130723BHJP A23L 1/304 20060101ALI20130723BHJP A23L 1/30 20060101ALI20130723BHJP A61K 31/365 20060101ALI20130723BHJP A61K 31/375 20060101ALI20130723BHJP A61K 33/06 20060101ALI20130723BHJP A61K 33/04 20060101ALI20130723BHJP A61K 33/24 20060101ALI20130723BHJP A61K 31/198 20060101ALI20130723BHJP A61K 33/30 20060101ALI20130723BHJP A61K 33/34 20060101ALI20130723BHJP A61K 33/26 20060101ALI20130723BHJP A61K 31/352 20060101ALI20130723BHJP A61P 27/16 20060101ALI20130723BHJP A61K 31/015 20060101ALI20130723BHJP JPA61K35/78 BA23L1/302A23L1/304A23L1/30 BA61K31/365A61K31/375A61K33/06A61K33/04A61K33/24A61K31/198A61K33/30A61K33/34A61K33/26A61K31/352A61P27/16A61K35/78 XA61K31/015 2 1 OL 7 4B018 4C086 4C088 4C206 4B018MD01 4B018MD07 4B018MD23 4B018MD25 4B018MD48 4B018ME14 4B018MF01 4C086AA01 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先行技術としては特許文献1および特許文献2が挙げられる。特許文献1にはmyo−イノシトールと銀杏葉エキスからなる健康食品組成物が提案されている。myo−イノシトールはビタミンB複合体で脂肪肝や肝硬変の治療に有効であり、銀杏葉エキス(ギンコエキス)は脳や手足の抹消血流の改善に有効と言われている。また、特許文献1では脳内の血流減少からくる老人性痴呆症、視力減退、難聴、記憶力減退、疲労に効果があると記載されている。特許文献2には、鶏卵の鮮度を維持するための飼料として、銀杏葉、ビタミンEおよび脱脂米ぬかを混合したものが提案されている。特開平10−257866号公報特開2002−142689号公報特許文献1にあっては、myo−イノシトールと銀杏葉エキスからなる健康食品組成物が難聴に有効であると記載されているが、これは難聴の原因を加齢、または加齢に由来する脳内の血流減少として捕らえているから例示しているだけであり、実際には脳内の血流が増加したとしても、このような効果はない。また、特許文献2は、鶏卵の鮮度維持を目的としており、難聴については何ら触れていないし、元々鶏などの鳥類は人間と異なり有毛細胞は喪失しても再生される。 本発明者らは、銀杏葉エキスは内耳(蝸牛)の末梢血中の活性酸素と接触することでその有効性が大幅に減退する知見を得た。そこで、本発明に係る聴覚喪失予防用の組成物は、銀杏葉エキス、マルチビタミン及びミネラルを含み、前記銀杏葉エキスはギンコライドB27%以上、テルペンラクトン7%以上を含み、前記マルチビタミンは水溶性であり且つ抗酸化剤として有効なビタミンCとβカロチンを必須要素として含み、前記ミネラルはマグネシウム、セレウム、クロム、N-アセチルシステイン及びケルセチンのうちに少なくとも1つを含む構成とした。 本発明に係る聴覚喪失予防用の組成物によれば、有毛細胞が、高血糖や騒音環境によって酷使された結果、休眠状態にはあるが完全には死滅していない初期の難聴、または難聴予備軍の人々に有効である。 例えば、日常的に騒音に接する機会が多い職業(歌手や音楽関係者、工場従業者)は騒音を継続して受けると難聴状態(有毛細胞が休眠状態)になるが、一定時間静かな環境で過ごすと元に戻る。これは現在は致命的ではないが、このような症状を継続することにより、近い将来、有毛細胞が死滅し、職能にダメージを与える危険性が高いと言える。このような場合に本発明に係る組成物は有効である。 本発明において、銀杏葉エキスを構成するギンコライドBの22%以上、テルペンラクトンの5%以上は、効果を発揮するために必要とされる最低限の濃度であり、ギンコライドBについては27%以上、テルペンラクトンについては7%以上が好ましい。 また、マルチビタミンを水溶性としたのは、コンパクトにして摂取しやすくするためである。必須要素としてビタミンCとβカロチンを含むのはこれらが抗酸化剤として優れた機能を発揮するためである。ここでβカロチンの代わりにビタミンAを用いてもよい。 更にミネラルとしてセレニウムは抗酸化酵素の重要な構成要素であり、N-アセチルシステイン及びケルセチンを挙げているのは、これらがビタミン類が消耗された後も抗酸化作用を有し、体内を活性酸素から守ってくれる高分子系持続性抗酸化剤だからである。また、クロムは血糖値コントロールに重要な役割を果たすGTF(有耐糖因子)の必須の構成要素であり、過剰な血糖の影響を避けるためでもある。マグネシウムやビタミンB群は、体や組織、代謝のバランスを整え、上記した抗酸化剤が働きやすい環境を維持してくれるために必須である。つまり、内耳(蝸牛)以外で発生する体内の活性酸素をマルチビタミン、ミネラルで消去し、組織のバランスを整えることで、内耳の末梢血管で作用するギンコの働きと効果を高める意図がある。また今回のテストに使用した上記成分のほか、銅、亜鉛、マンガン、鉄などのミネラルも抗酸化酵素の必須の構成要素として加えてもよく、グルタチオンやメチオニンをはじめとする抗酸化作用を有するアミノ酸類を加えてもよい。実験用サプリメントに使用した1回分の成分及び配合量を示す図以下に本発明の実施例を説明する。図1は今回調整した実験用サプリメントの成分及び配合量を示し、このサプリメントを被験者1〜16に摂取してもらい以下の実験を行った。実験用サプリメントにあっては、銀杏葉エキスの量を60mgとしているが、これはマルチビタミンやミネラルとのバランスを考慮したものであり、10〜100mgであれば変更可能である。この被験者のうち、7,8,9の3名は総合ビタミン剤を定常的に摂取していたが、難聴の症状が全く解消していない。さらに、他の2名の被験者12、13はイチョウ葉エキス(ギンコライド24%、テルペンラクトン6%=特許文献1に該当するイチョウ葉エキスである)を単体で摂取していたが、難聴の症状に改善の兆しはなかった。実験1 難聴もしくは突発性難聴を発症して半年以上経過した被験者1〜6に対しサプリメントを摂取してもらい、一定期間後にその治療効果もしくは改善効果を調べた。結果を以下の(表1)に示す。 (表1)からすでに有毛細胞が死滅し、難聴が進行している被験者に関しては本サプリメントは効果を発揮しないことが判明した。実験2 一時的に難聴(もしくは耳鳴り)になっても、一定時間経過すると元通りになる難聴予備軍の被験者7〜13に対し、東京から新大阪まで新幹線で移動した場合の難聴の起こり具合の有無を調べた。通常の生活においては、必ずしも難聴を起こすとは限らない難聴予備軍の人でも、新幹線、飛行機などで移動すると、音楽などを継続的に聞いていなくても、必ずと言ってよいほど難聴または耳鳴り、あるいはその両方を引き起こす。 新幹線、飛行機など、高速での移動は人体に大きなストレスを与えるが、この大きなストレスによって体内の毛細血管が収縮し、血管収縮由来の虚血再灌流による大量の活性酸素の発生を招く。この大量の活性酸素は、新幹線や飛行機の騒音との相乗効果を発揮し、難聴発生の不確定さを除去し、被験者に必ず難聴状態を一定時間再現できるため、テストに適していると判断した。 被験者には本サプリメントの摂取を乗車1時間前に摂取してもらい新大阪到着後に難聴もしくは耳鳴りが起こったかどうかで判断した。ここで、新幹線の「ひかり」号が240km/hで直線を走行している際の社内の騒音は70dB程度であり、これは通常の会話の2倍程度の音量として人間は認識する。速度が上がると騒音もさらに上昇する。また鉄橋やトンネルを通過するときには100dBに達することがあり、これはJRの高架下で電車が通過する時の音量であり、短時間であっても難聴を引き起こしやすい。尚、被験者7〜13は同日同時刻に全員一斉に実験を行っていないが、停車駅が一致していれば新幹線の運行状態からすると、日時や天候が異なっていても、難聴に関する条件はほぼ同じと判断した。結果を以下の(表2)に示す。 (表2)から難聴予備軍の被験者に対しては、本願のサプリメントは有効であることが判明した。実験3 日常生活においては不具合はないが、飛行機で移動した時に難聴あるいは耳鳴りがするという難聴予備軍の被験者14〜16を対象として、国内線東京−福岡便で実験を行った。 フライト時間は1時間半程度である。航空機の種類にもよるか、機内での騒音は85dB〜90dBで、これは人間の聴覚としては、新幹線の車内の騒音の3倍から4倍の音量に相当する。また、飛行中の気圧の急激な変化による内耳へのストレス、さらに高速移動による体内での活性酸素の発生量は新幹線のそれを大きく上回るため、被験者の難聴再現がさらに容易となる。結果を以下の(表3)に示す。(表3)からから難聴予備軍の被験者に対しては、本願のサプリメントは有効であることが判明した。 銀杏葉エキス、マルチビタミン及びミネラルを含む聴覚喪失予防用の組成物であって、前記銀杏葉エキスはギンコライドB22%以上、テルペンラクトン5%以上を含み、前記マルチビタミンは水溶性であり且つビタミンCとβカロチンを必須要素として含み、前記ミネラルはマグネシウム、セレウム、クロム、N-アセチルシステイン、亜鉛、銅、鉄及びケルセチンのうちに少なくとも1つを含むことを特徴とする聴覚喪失予防用の組成物。 請求項1に記載の聴覚喪失予防用の組成物において、前記ギンコライドBは27%以上、テルペンラクトンは7%以上であることを特徴とする聴覚喪失予防用の組成物。 【課題】 聴覚予備軍に対して有効な組成物を提供する。【解決手段】 聴覚喪失予防用の組成物は、銀杏葉エキス、マルチビタミン及びミネラルを含み、前記銀杏葉エキスはギンコライドB22%以上、テルペンラクトン5%以上を含み、前記マルチビタミンは水溶性であり且つビタミンCとβカロチンを必須要素として含み、前記ミネラルはマグネシウム、セレウム、クロム、N-アセチルシステイン及びケルセチンのうちに少なくとも1つを含む。【選択図】 図1


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