生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_トリメチルシリルアジドの製造における溶媒の回収方法
出願番号:2012017975
年次:2013
IPC分類:C07C 7/10,C07C 9/15,C07C 9/22,C07F 7/10


特許情報キャッシュ

大森 秀彰 小福田 徹 中澤 滋人 JP 2013116878 公開特許公報(A) 20130613 2012017975 20120131 トリメチルシリルアジドの製造における溶媒の回収方法 東洋紡株式会社 000003160 大森 秀彰 小福田 徹 中澤 滋人 JP 2011238936 20111031 C07C 7/10 20060101AFI20130517BHJP C07C 9/15 20060101ALI20130517BHJP C07C 9/22 20060101ALI20130517BHJP C07F 7/10 20060101ALN20130517BHJP JPC07C7/10C07C9/15C07C9/22C07F7/10 N 6 OL 8 4H006 4H049 4H006AA02 4H006AD16 4H006BC50 4H006BC51 4H049VN01 4H049VP01 4H049VQ40 4H049VR23 4H049VR51 4H049VS12 4H049VT53 4H049VU32 4H049VV02 4H049VW02 4H049VW05 本発明は、アミノ化剤、アジド化剤あるいはヘテロ環化合物の合成に有用なトリメチルシリルアジドの製造における溶媒の回収方法に関する。 トリメチルシリルアジドを製造する方法としては、トリメチルシリルクロライドとアジ化水素の無機塩とを無溶媒下で合成する方法が報告されている(特許文献1参照)。 上記製造方法では、生成したトリメチルシリルアジドは多段数の精密蒸留装置を必要とせず単蒸留のみで高純度に単離することができるものの、無溶媒のために副生塩等が分散せず蒸留終盤になるほど撹拌が困難となる問題があった。 上記問題を解決するため、トリメチルシリルクロライドとアジ化水素の無機塩とを高沸点の有機溶媒中で合成する方法も報告されている(特許文献2参照)。 上記製造方法であれば、高純度のトリメチルシリルアジドを単蒸留のみで単離することができるばかりでなく、トリメチルシリルアジド蒸留後も高沸点の有機溶媒によって、副生塩等を分散でき、容易に撹拌を継続させることができる。このことから当該製造方法は、トリメチルシリルアジドの工業的製造方法としては極めて優れた方法であるといえる。特開平10−45769号国際公開2006/038329号 しかしながら、トリメチルシリルアジド蒸留後に残留した高沸点の有機溶媒には副生塩、相間移動触媒、及び留出しきれなかった微量のトリメチルシリルアジドが混入しており、そのままでは高沸点の有機溶媒の回収はできない。特にトリメチルシリルアジドは猛毒性かつ揮発性の物質であるため、安全かつ容易に高沸点の有機溶媒を回収する方法の開発が望まれている。 本発明の課題は、上記した従来技術の問題点を解決し、トリメチルシリルアジド蒸留後に残留する高沸点の有機溶媒を安全かつ容易に回収する方法を提供することを目的とする。 本発明者は上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、高沸点の有機溶媒中、トリメチルシリルクロライドをアジ化水素の無機塩、相間移動触媒で反応させトリメチルシリルアジドを合成し、当該トリメチルシリルアジドを蒸留した後、残留した高沸点の有機溶媒をアルカリ水溶液及び/又は水で洗浄し、その後ヘキサメチルジシロキサンを除去し、高沸点の有機溶媒を容易に回収することで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。 即ち、本発明は、トリメチルシリルアジド製造で使用された高沸点の有機溶媒を回収すること、及び回収した高沸点の有機溶媒をトリメチルシリルアジドの製造に使用し、再び回収する方法に関する。 1.高沸点の有機溶媒中、トリメチルシリルクロライドをアジ化水素の無機塩、相間移動触媒で反応させトリメチルシリルアジドを合成し、当該トリメチルシリルアジドを蒸留した後、残留した高沸点の有機溶媒をアルカリ水溶液及び/又は水で洗浄し、その後ヘキサメチルジシロキサンを除去すること、を特徴とする高沸点の有機溶媒の回収方法。 2.回収した高沸点の有機溶媒をトリメチルシリルアジドの製造に使用する項1記載の方法。 3.前記アルカリ水溶液が水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液である項1又は2に記載の方法。 4.前記アルカリ水溶液の濃度が0.1〜40質量%である項1〜3のいずれかに記載の方法。 5.前記アルカリ水溶液及び/又は水の洗浄量がトリメチルシリルクロライドに対して50〜1000質量部であり、洗浄温度が1〜60℃であり、洗浄時間が10分〜4時間である項1又は2に記載の方法。 6.回収した高沸点の有機溶媒に含まれるヘキサメチルジシロキサンが1%以下、かつ水分が1質量%以下である項1〜5のいずれかに記載の方法。 本発明によれば、従来の高沸点の有機溶媒を用いるトリメチルシリルアジドの製造において、高価な高沸点の有機溶媒を安全かつ容易に回収することができる。さらに、回収した高沸点の有機溶媒は高品質であるため、再度トリメチルシリルアジドの製造に利用でき、工業的に非常に有利な方法である。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明の方法において用い得る高沸点の有機溶媒としては、トリメチルシリルアジドや回収途中で副生するヘキサメチルジシロキサンよりも高沸点であることが好ましく、具体的には沸点216℃以上であり、より好ましくは252℃以上であり、さらに好ましくは287℃以上である。さらに、一度回収された高沸点の有機溶媒を再び使用することもできる。 高沸点の有機溶媒の具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくはドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ナノデカン及びエイコサンが工業的に好適である。これら高沸点の有機溶媒を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。 高沸点の有機溶媒の使用量は反応溶液を撹拌できれば特に制限はなく、トリメチルシリルクロライド100質量部に対して、10〜1000容積部、好ましくは30〜500容積部、さらに好ましくは50〜200容積部である。 本発明の製造方法において用い得るアジ化水素の無機塩の具体例としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアジ化物が挙げられる。好ましくはアジ化ナトリウムが工業的に好適である。これらのアジ化水素の無機塩の使用量はトリメチルシリルクロライド1モルに対して、アジ化水素換算で1.0〜1.5モルの範囲、好ましくは1.0〜1.05モルである。 本発明の製造方法において用い得る相間移動触媒の具体例としては、従来公知の4級アンモニウム塩、4級アンモニウム源となり得る3級アミン、ポリエーテル化合物を使用することができる。例えば、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルアンモニウムブロマイド、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド、トリエチルアミン塩酸塩、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ポリエチレングリコールテトラヒドロフルフリルエーテル、ポリエチレングリコールジアステリン酸エステル、ポリエチレングリコール、およびポリエチレングリコールメチルエーテル、ポリエチレングリコールテトラヒドロフルフリルエーテル、ポリエチレングリコールのシリル化物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、工業的で安価な点よりポリエチレングリコールおよびそのシリル化物である。これらの相間移動触媒の使用量はトリメチルシリルクロライドに対し、通常0.1質量%以上、好ましくは1〜6質量%の範囲である。 反応に際しては、アジ化水素の無機塩、溶媒、触媒、およびトリメチルシリルクロライドを一度に仕込んだ後に反応することができるが、好ましくは、あらかじめ溶媒を仕込んだ中に、アジ化水素の無機塩、触媒、トリメチルシリルクロライドを添加することにより撹拌起動時の負荷を低減することができ、さらには添加速度を制御することにより、反応に伴う発熱を制御することができる。 反応温度は、通常0〜70℃、好ましくは45〜60℃の範囲である。反応時間は触媒の添加量、反応温度により影響を受けるが、通常0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間である。 反応終了後に高純度のトリメチルシリルアジドを単離するには、蒸留によって行うことができる。高沸点の有機溶媒を使用しているため、多段数の精密蒸留装置を必要とせず単蒸留のみで可能であり、さらに、高沸点の有機溶媒の存在下、副生塩等を分散することができ蒸留終了まで撹拌を容易にすることができる。 トリメチルシリルアジド蒸留後、副生塩等を除去するためには、残留した高沸点の有機溶媒をアルカリ水溶液及び/又は水で洗浄することができる。蒸留後の残留溶液には副生塩の他、相間移動触媒、留出しきれなかった微量のトリメチルシリルアジドが含まれているため、アルカリ水溶液で洗浄することがより好ましい。水で洗浄した場合、トリメチルシリルアジドはヘキサメチルジシロキサンとアジ化水素に分解するが、アルカリ水溶液で洗浄した場合はヘキサメチルジシロキサンとアジ化水素のアルカリ塩に分解する。アジ化水素は揮発性の高い猛毒性の物質であるが、アジ化水素のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩になると、揮発することはないので、より安全である。 アルカリ水溶液は塩基性を示す水溶液であればよく、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の水酸化物等の水溶液が使用できる。具体的には、水酸化リチウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化ベリリウム水溶液、水酸化マグネシウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、水酸化ストロンチウム水溶液、水酸化バリウム水溶液等が挙げられ、工業的には入手性や価格等の面から水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液が好適である。これらアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。 アルカリ水溶液のアルカリ濃度はアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属が水に溶解すれば良いため、特に制限されないが、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは1〜20質量%であり、さらに好ましくは5〜10質量%である。 アルカリ水溶液及び/又は水量は副生塩等を溶解することができれば特に制限されないが、トリメチルシリルクロライド100質量部に対して、50〜1000質量部、好ましくは100〜600質量部、さらに好ましくは200〜400質量部である。 アルカリ水溶液及び/又は水での洗浄温度は、高沸点の有機溶媒の融点以上で、副生塩等を溶解することができれば、特に制限されないが、1〜60℃が好ましく、より好ましくは5〜40℃であり、さらに好ましくは10〜30℃である。 アルカリ水溶液及び/又は水での洗浄時間は、副生塩等を溶解することができれば、特に制限されないが、10分〜4時間が好ましく、より好ましくは30分〜3時間であり、さらに好ましくは1〜2時間である。 アルカリ水溶液及び/又は水で洗浄後、副生塩、相間移動触媒、アジ化水素のアルカリ金属塩及び/又はアジ化水素は水層に溶解するので、水層と高沸点の有機溶媒とを分液すれば、除去できる。残留溶媒中の副生塩等を完全に除去するために、アルカリ水溶液及び/又は水による洗浄を2回以上繰り返しても良い。また、アルカリ水溶液での洗浄後にさらに水洗浄を行うと高沸点の有機溶媒中のアルカリ成分も除去できる。 上記、アルカリ水溶液及び/又は水で洗浄し、水層を分液除去した高沸点の有機溶媒には、トリメチルシリルアジドが分解したヘキサメチルジシロキサンが含まれている。ヘキサメチルジシロキサンの沸点は約100℃であり、トリメチルシリルアジドの沸点(約97℃)と近似しているため、当該ヘキサメチルジシロキサンが混入した高沸点の有機溶媒を用いて、トリメチルシリルアジドを合成した場合、単蒸留ではトリメチルシリルアジドとヘキサメチルジシロキサンを分けることは極めて困難である。精密に分ける場合は、多段数の精密蒸留装置を用いる必要がある。 そのため、当該高沸点の有機溶媒の再使用を前提とした場合、当該溶媒からあらかじめヘキサメチルジシロキサンを除去しておく必要がある。除去方法としては、特に制限されないが、高沸点の有機溶媒との沸点差を利用して濃縮留去が好ましい。ヘキサメチルジシロキサンの混入量としては、1%以下が好ましく、より好ましくは0.5%以下であり、さらに好ましくは0.1%以下である。 また、当該回収した高沸点の有機溶媒をトリメチルシリルアジドの合成溶媒に再使用する場合、水分が混入しているとトリメチルシリルクロライド及びトリメチルシリルアジドが水分で分解して、ヘキサメチルジシロキサンが副生するので水分量は低いことが好ましい。水分の除去方法としては、特に制限されないが、硫酸マグネシウムや塩化カルシウム等の脱湿剤を使用しても良いし、濃縮留去しても良い。水分の混入量としては、1質量%以下が好ましく、より好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下である。このような操作を経て回収した高沸点の有機溶媒は高純度であるため、新たにトリメチルシリルアジドの製造に再使用できるし、さらに繰り返し使用もできる。 以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、回収された高沸点の有機溶媒の評価はガスクロマトグラフィー(GC)とカールフィッシャー式水分測定によって行った。(1)ガスクロマトグラフィー(GC) カラム:DB−17(アジレント・テクノロジー社製) キャリアガス:ヘリウム 注入方式:スプリット注入 検出器:水素炎イオン検出器(FID)(2)含有水分(カールフィッシャー) カールフィッシャー式容量法水分測定装置(京都電子工業(株)製)を用いて、JIS K 0113(2005年発行)に準拠して測定した。 (実施例1) 還流冷却器、温度計および撹拌機を設けたフラスコに、n−テトラデカン50mL、アジ化ナトリウム15.4g(0.2モル)、およびポリエチレングリコール0.3gを入れ、50〜54℃に加熱して、トリメチルシリルクロライド25.0g(0.2モル)を滴下した。滴下終了後、54〜61℃で3時間反応させた。反応終了後、内温を105〜112℃まで加熱し、トリメチルシリルアジドを単蒸留によって単離した。蒸留終了後も副生塩を分散することができ、容易に撹拌することができた。その結果、無色澄明液体のトリメチルシリルアジド24.3g(0.2モル)を得た。これはトリメチルシリルクロライドに対して収率91.5%に相当する。また、ガスクロマトグラフィー(GC)分析による純度は94.3%であった。 一方、トリメチルシリルアジド蒸留後の残留液を20℃まで冷却し、5%水酸化ナトリウム水溶液を50g添加し、20℃で1時間撹拌して、副生塩を完全に溶解させた。水層を分液除去し、さらに有機層を水50gで洗浄し、水層を分液除去した。得られた有機層からヘキサメチルジシロキサン及び水分を濃縮留去した。濃縮留去後の回収n−テトラデカンは48mLであり、回収n−テトラデカンに含まれるヘキサメチルジシロキサンのGC純度は0%、水分は0.1質量%であった。 (実施例2) 実施例1と同様な装置に、n−ヘキサデカン50mL、アジ化ナトリウム15.4g(0.2モル)、およびポリエチレングリコール0.3gを入れ、50〜57℃に加熱して、トリメチルシリルクロライド25.0g(0.2モル)を滴下した。滴下終了後、60〜62℃で3時間反応させた。反応終了後、内温を105〜116℃まで加熱し、トリメチルシリルアジドを単蒸留によって単離した。蒸留終了後も副生塩を分散することができ、容易に撹拌することができた。その結果、無色澄明液体のトリメチルシリルアジド24.6g(0.2モル)を得た。これはトリメチルシリルクロライドに対して収率92.9%に相当する。また、ガスクロマトグラフィー(GC)分析による純度は96.1%であった。 一方、トリメチルシリルアジド蒸留後の残留液を30℃まで冷却し、5%水酸化ナトリウム水溶液を50g添加し、30℃で30分間撹拌して、副生塩を完全に溶解させた。水層を分液除去し、さらに有機層を水50gで洗浄し、水層を分液除去した。得られた有機層からヘキサメチルジシロキサン及び水分を濃縮留去した。濃縮留去後の回収n−ヘキサデカンは48mLであり、回収n−ヘキサデカンに含まれるヘキサメチルジシロキサンのGC純度は0%、水分は0.1質量%であった。 (実施例3) 実施例1と同様な装置に、n−オクタデカン50mL、アジ化ナトリウム15.4g(0.2モル)、およびポリエチレングリコール0.3gを入れ、50〜54℃に加熱して、トリメチルシリルクロライド25.0g(0.2モル)を滴下した。滴下終了後、62〜63℃で3時間反応させた。反応終了後、内温を103〜115℃まで加熱し、トリメチルシリルアジドを単蒸留によって単離した。蒸留終了後も副生塩を分散することができ、容易に撹拌することができた。その結果、無色澄明液体のトリメチルシリルアジド24.7g(0.2モル)を得た。これはトリメチルシリルクロライドに対して収率93.2%に相当する。また、ガスクロマトグラフィー(GC)分析による純度は96.6%であった。 一方、トリメチルシリルアジド蒸留後の残留液を30℃まで冷却し、5%水酸化ナトリウム水溶液を50g添加し、30℃で1時間撹拌して、副生塩を完全に溶解させた。水層を分液除去し、さらに有機層を水50gで洗浄し、水層を分液除去した。得られた有機層からヘキサメチルジシロキサン及び水分を濃縮留去した。濃縮留去後の回収n−オクタデカンは49mLであり、回収n−オクタデカンに含まれるヘキサメチルジシロキサンのGC純度は0%、水分は0.1質量%であった。 (実施例4) 5%水酸化ナトリウム水溶液の代わりに5%水酸化カリウム水溶液を用いた以外は実施例1と同様にトリメチルシリルアジドの合成及びn−テトラデカンの回収を行った。回収したn−テトラデカンに含まれるヘキサメチルジシロキサンのGC純度は0.1%、水分は0.2質量%であった。 (実施例5) 5%水酸化ナトリウム水溶液及び水量を100gとした以外は実施例2と同様にトリメチルシリルアジドの合成及びn−ヘキサデカンの回収を行った。回収したn−ヘキサデカンに含まれるヘキサメチルジシロキサンのGC純度は0%、水分は0.1質量%であった。 (実施例6) 5%水酸化ナトリウム水溶液の代わりに10%水酸化ナトリウム水溶液を用いた以外は実施例5と同様にトリメチルシリルアジドの合成及びn−ヘキサデカンの回収を行った。回収したn−ヘキサデカンに含まれるヘキサメチルジシロキサンのGC純度は0%、水分は0.1質量%であった。 (実施例7) 実施例1で回収したn−テトラデカンを用いた以外は、実施例1と同様にトリメチルシリルアジドの合成及びn−テトラデカンの回収を行った。得られたトリメチルシリルアジドは24.1g(0.2モル)で無色澄明液体であった。これはトリメチルシリルクロライドに対して収率91.0%に相当する。また、GC分析による純度は94.5%であった。一方、再度回収したn−テトラデカンに含まれるヘキサメチルジシロキサンのGC純度は0%、水分は0.1質量%であった。 (実施例8) 実施例2で回収したn−ヘキサデカンを用いた以外は、実施例2と同様にトリメチルシリルアジドの合成及びn−ヘキサデカンの回収を行った。得られたトリメチルシリルアジドは24.7g(0.2モル)で無色澄明液体であった。これはトリメチルシリルクロライドに対して収率93.3%に相当する。また、GC分析による純度は95.9%であった。一方、再度回収したn−ヘキサデカンに含まれるヘキサメチルジシロキサンのGC純度は0%、水分は0質量%であった。 (実施例9) 実施例3で回収したn−オクタデカンを用いた以外は、実施例3と同様にトリメチルシリルアジドの合成及びn−オクタデカンの回収を行った。得られたトリメチルシリルアジドは25.4g(0.2モル)で無色澄明液体であった。これはトリメチルシリルクロライドに対して収率95.9%に相当する。また、GC分析による純度は97.0%であった。一方、再度回収したn−オクタデカンに含まれるヘキサメチルジシロキサンのGC純度は0%、水分は0質量%であった。 (実施例10) 実施例7で回収したn−テトラデカンを用いた以外は、実施例7と同様にトリメチルシリルアジドの合成及びn−テトラデカンの回収を行った。得られたトリメチルシリルアジドは24.4g(0.2モル)で無色澄明液体であった。これはトリメチルシリルクロライドに対して収率92.1%に相当する。また、GC分析による純度は95.2%であった。一方、再度回収したn−テトラデカンに含まれるヘキサメチルジシロキサンのGC純度は0%、水分は0.1質量%であった。 本発明によれば、従来の高沸点の有機溶媒を用いるトリメチルシリルアジドの製造において、高価な高沸点の有機溶媒を安全かつ容易に回収することができる。さらに、回収した高沸点の有機溶媒は高品質であるため、再度トリメチルシリルアジドの製造に利用でき、工業的に非常に有利な方法である。トリメチルシリルアジドは、アミノ化剤、アジド化剤あるいはヘテロ環化合物の合成に有用化合物である。 高沸点の有機溶媒中、トリメチルシリルクロライドをアジ化水素の無機塩、相間移動触媒で反応させトリメチルシリルアジドを合成し、当該トリメチルシリルアジドを蒸留した後、残留した高沸点の有機溶媒をアルカリ水溶液及び/又は水で洗浄し、その後ヘキサメチルジシロキサンを除去すること、を特徴とする高沸点の有機溶媒の回収方法。 回収した高沸点の有機溶媒をトリメチルシリルアジドの製造に使用する請求項1記載の方法。 前記アルカリ水溶液が水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液である請求項1又は2に記載の方法。 前記アルカリ水溶液の濃度が0.1〜40質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 前記アルカリ水溶液及び/又は水の洗浄量がトリメチルシリルクロライドに対して50〜1000質量部であり、洗浄温度が1〜60℃であり、洗浄時間が10分〜4時間である請求項1又は2に記載の方法。 回収した高沸点の有機溶媒に含まれるヘキサメチルジシロキサンが1%以下、かつ水分が1質量%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。 【課題】高沸点の有機溶媒中、トリメチルシリルクロライドをアジ化水素の無機塩、相間移動触媒で反応させトリメチルシリルアジドを合成し、得られたトリメチルシリルアジドを蒸留した後に、残留した高沸点の有機溶媒を安全、容易に回収すること。【解決手段】高沸点の有機溶媒中、トリメチルシリルクロライドをアジ化水素の無機塩、相間移動触媒で反応させトリメチルシリルアジドを合成し、当該トリメチルシリルアジドを蒸留した後、残留した高沸点の有機溶媒をアルカリ水溶液及び/又は水で洗浄し、その後ヘキサメチルジシロキサンを除去すること、を特徴とする高沸点の有機溶媒の回収方法。【選択図】なし


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