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タイトル:公開特許公報(A)_油中水型乳化皮膚化粧料
出願番号:2012005760
年次:2013
IPC分類:A61K 8/58,A61K 8/34,A61K 8/29,A61K 8/27,A61K 8/19,A61K 8/894,A61K 8/06,A61Q 19/00,A61Q 17/04


特許情報キャッシュ

佐々木 一貴 JP 2013144655 公開特許公報(A) 20130725 2012005760 20120116 油中水型乳化皮膚化粧料 株式会社 資生堂 000001959 ▲高▼野 俊彦 100094570 佐々木 一貴 A61K 8/58 20060101AFI20130628BHJP A61K 8/34 20060101ALI20130628BHJP A61K 8/29 20060101ALI20130628BHJP A61K 8/27 20060101ALI20130628BHJP A61K 8/19 20060101ALI20130628BHJP A61K 8/894 20060101ALI20130628BHJP A61K 8/06 20060101ALI20130628BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20130628BHJP A61Q 17/04 20060101ALI20130628BHJP JPA61K8/58A61K8/34A61K8/29A61K8/27A61K8/19A61K8/894A61K8/06A61Q19/00A61Q17/04 3 OL 15 4C083 4C083AB172 4C083AB211 4C083AB212 4C083AB231 4C083AB232 4C083AB241 4C083AB242 4C083AB442 4C083AC011 4C083AC012 4C083AC101 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC132 4C083AC172 4C083AC242 4C083AC262 4C083AC341 4C083AC342 4C083AC352 4C083AC422 4C083AC472 4C083AC482 4C083AC511 4C083AC512 4C083AC532 4C083AC542 4C083AC622 4C083AC852 4C083AD092 4C083AD152 4C083AD161 4C083AD162 4C083AD171 4C083AD172 4C083BB14 4C083BB46 4C083CC02 4C083CC19 4C083DD32 4C083EE06 4C083EE07 4C083FF05 本発明は油中水型乳化皮膚化粧料に関する。さらに詳しくは、疎水化処理酸化チタン、疎水化処理酸化亜鉛、疎水化処理酸化鉄からなる群から選択される1種又は2種以上の粉末を配合した油中水型乳化皮膚化粧料において、皮膚に塗布後の経時による粉ぎしみを抑制すると同時に、皮膚に塗布時の肌なじみの良さと、皮膚に塗布後のべたつきのなさを改善した油中水型乳化皮膚化粧料に関する。 特許文献1には、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛からなる顔料と液状油からなる分散媒と分散剤とを含む顔料分散体において、分散剤として特定の反応性有機変性シリコーンを使用した化粧料が開示されている。その結果、化粧料の伸びがよく、塗布膜の透明性が向上し、粉っぽさがなく、不自然に白くなることもない等の効果を発揮する化粧料である。 特許文献1で使用される反応性有機変性シリコーンは、アミノ変性シリコーン及び/又はカルボキシ変性シリコーンを含むものであるが、具体的には、本願発明で使用するカルボキシデシルトリシロキサンよりも高い分子量を有する反応性有機変性シリコーンを使用している。そのため当該化粧料の製剤の粘度が高くなってしまい、皮膚に塗布した場合に、均一な塗布膜が得られない場合がある。 また、経時にて液状油が揮発した際にも、当該化粧料の塗布膜中における顔料の流動性に欠けるため、顔料の粉ぎしみを有効に解決することは出来ない。 一方、特許文献2には、本願発明で使用するカルボキシ変性シリコーンのカルボキシデシルトリシロキサンを使用した発明が記載されている。 しかしながら、引用文献2記載の発明は「粉末成分と結合剤としての不揮発性油性成分と分散剤としてのカルボン酸変性シリコーンを揮発性溶媒中で混合してスラリーとするスラリー調製工程と、前記スラリーを乾燥して乾燥粉末を得る乾燥工程と、を備え、該乾燥粉末から粉末化粧料を得る粉末化粧料の製造方法であって、前記乾燥工程で用いる乾燥装置は、前記スラリーを機械的なせん断力により微細液滴化し、該微細液滴に乾燥ガスを送風することで前記スラリーの乾燥を行う乾燥装置であることを特徴とする粉末化粧料の製造方法」に関する発明であり、特に化粧持ちに優れた粉末化粧料を製造するための製造方法を提供する発明であって、本願発明とは全く異なる内容の発明である。特開2002−80771号公報特開2010−143844号公報 本願発明者は、カルボキシ変性シリコーンの中から特定構造を有するカルボキシデシルトリシロキサンを選択し、特定量のカルボキシデシルトリシロキサンと、特定量の水と特定量のエタノールと特定量の揮発性油分を配合すると、化粧料に多用される酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の粉末を配合した油中水型乳化皮膚化粧料において、皮膚に塗布後の経時による粉ぎしみを抑制すると同時に、皮膚に塗布時の肌なじみの良さと、皮膚に塗布後のべたつきのなさを改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。 本発明の目的は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄からなる群から選択される1種又は2種以上の粉末を配合した油中水型乳化皮膚化粧料において、皮膚に塗布後の経時による粉ぎしみ(なめらかさが欠けてくる感触)を抑制すると同時に、皮膚に塗布時の肌なじみの良さと、皮膚に塗布後のべたつきのなさを改善した油中水型乳化皮膚化粧料を提供することである。 すなわち、本発明は、下記成分(a)〜(e)を含有することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料を提供するものである。(a)水:5〜50質量%(b)エタノール:1〜20質量%(c)揮発性油分:2〜50質量%(d)下記式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサン:0.1〜5質量%(e)疎水化処理酸化チタン、疎水化処理酸化亜鉛、疎水化処理酸化鉄からなる群から選択される1種又は2種以上:2〜50質量% また、本発明は、前記油中水型乳化皮膚化粧料が、(f)ポリエーテル変性シリコーンで乳化されていることを特徴とする上記の油中水型乳化皮膚化粧料を提供するものである。 さらに、本発明は、さらに(g)紫外線吸収剤を配合することを特徴とする上記の油中水型乳化皮膚化粧料を提供するものである。 本発明によれば、化粧料に多用される、疎水化処理された酸化チタン、酸化亜鉛並びに酸化鉄等の粉末を配合した油中水型乳化皮膚化粧料において、皮膚に塗布後の経時による粉ぎしみを抑制し、きしみ感のない油中水型乳化皮膚化粧料を提供することが可能である。 また、本発明によれば、化粧料に多用される、疎水化処理された酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の粉末を配合した油中水型乳化皮膚化粧料において、皮膚に塗布時の肌なじみの良さと、皮膚に塗布後のべたつきのなさを改善した油中水型乳化皮膚化粧料を提供することが可能である。 以下、本発明を詳述する。「(a)水」 本発明に配合される水は特に限定されないが、イオン交換水が好ましく使用される。 本発明において水は他の水性成分と共に油中水型乳化皮膚化粧料の内相の水相を構成する。 水の配合量は、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して5〜50質量%であり、好ましくは、6〜40質量%である。「(b)エタノール」 本発明の配合されるエタノールは水と共に油中水型乳化化粧料の内相の水相を構成する。 エタノールの配合量は、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して1〜20質量%であり、好ましくは、3〜15質量%である。「(c)揮発性油分」 本発明に用いる揮発性油分としては、例えば、比較的低分子量の炭化水素油、比較的低分子量の直鎖状シリコーン、比較的低分子量の環状シリコーンが挙げられ、特に、軽質流動性イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン、揮発性ジメチルポリシロキサン、または環状ポリシロキサンが好ましい。具体的には、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルシクロヘプタシロキサンが好ましい。特に好ましくは、軽質流動性イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン、デカメチルシクロペンタシロキサンである。 本発明に用いる揮発性油分は、他の任意成分の油分と共に、油中水型乳化皮膚化粧料の外相の油相を構成する成分である。そして、当該外相の油分中に、下記(d)成分の疎水化処理した酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄の微粒子粉末が均一に分散する。 揮発性油分の配合量は、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して2〜50質量%であり、好ましくは、5〜45質量%であり、さらに好ましくは10〜40質量%である。 なお、油相を構成する任意配合成分の油分は特に限定されず、例えば、油脂、ロウ、炭化水素油、植物油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油等が挙げられる。その配合量は製品に応じて適宜決定されるが油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して、通常、3〜20質量%が配合可能である。「(d)下記式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサン」 本発明に用いるカルボキシ変性シリコーンは下記式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサンである。 当該成分(d)は、本発明においては、油中水型乳化皮膚化粧料の油相中に溶解する必須成分であり、当該成分の作用により、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄の微粒子粉末の粉ぎしみが抑制される。 その化学名は、3−(10−カルボキシデシル)−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンであり、公知のカルボキシ変性シリコーンである。本発明においては、「DOW CORNING TORAY OP−1800MF CARBOXY FLUID(東レ・ダウコーニンング)等の市販品を好ましく使用される。 なお、式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサンは、上述したように化粧料配合成分として公知のカルボキシ変性シリコーンである。しかしながら、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄からなる群から選択される1種又は2種以上の粉末を配合した油中水型乳化皮膚化粧料において、皮膚に塗布後の経時による上記粉末の粉ぎしみを抑制する化粧料配合成分として配合されたことはこれまでにない。そして、本発明の組成物とすることにより、皮膚に塗布後の経時による粉ぎしみを抑制すると同時に、皮膚に塗布時の肌なじみの良さと、皮膚塗布後のべたつきのなさを改善できる本発明の効果は、本発明者により初めて見出された予測出来ない顕著な効果である。 式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサンの配合量は、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して0.1〜5質量%であり、好ましくは0.1〜3質量%であり、さらに好ましくは0.5〜2質量%である。「(e)疎水化処理酸化チタン、疎水化処理酸化亜鉛、疎水化処理酸化鉄からなる群から選択される1種又は2種以上」 酸化チタン及び酸化亜鉛は、例えば紫外線散乱剤として日焼け止め化粧料に多用される粉末であり、また、化粧料塗布後に粉ぎしみが発生しやすい粉末である。 また、酸化鉄は、塗布後の肌の明度の向上、若しくは色ムラの改善に多用される粉末であり、また、化粧料塗布後に粉ぎしみが発生しやすい粉末である。 上記粉末は、疎水化処理された粉末であるが、疎水化処理剤や疎水化処理方法は限定されず、公知の疎水化処理剤により常法により疎水化処理が行われる。疎水化処理剤としてはシリコーン処理剤、脂肪酸、脂肪酸石鹸、脂肪酸エステル等が挙げられる。シリコーン処理剤としては、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどの各種のシリコーンオイルや、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどの各種のアルキルシランや、トリフルオロメチルエチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランなどの各種のフルオロアルキルシランなどが挙げられる。また、脂肪酸としては、例えば、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ロジン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。また、脂肪酸石鹸としては、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。また、脂肪酸エステルとしては、デキストリン脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの疎水化処理剤のうち、1種または2種以上を用いて、常法に従い、微粒子粉末の疎水化処理を行うことができる。 そして、疎水化処理された微粒子粉末は、本発明の油中水型乳化皮膚化粧料の外相の油相中に均一に分散されて、粉ぎしみが抑制される。 なお、上記の粉末は、平均粒子径が10〜1000nmの微粒子粉末を配合することが、紫外線防御効果の点、塗布後の肌の明度の向上、若しくは色ムラの改善の点から好ましい。平均粒子径は、例えば電子顕微鏡写真の画像解析による個数平均径などの常法によって測定される。 酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄からなる群から選択される1種又は2種以上の粉末の配合量は、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して2〜50質量%であり、好ましくは、5〜40質量%であり、さらに好ましくは7〜35質量%である。「(f)ポリエーテル変性シリコーン」 本発明の油中水型乳化皮膚化粧料に用いる界面活性剤(乳化剤)は、ポリエーテル変性シリコーンを用いることが好ましい。 本発明に用いるポリエーテル変性シリコ−ンは特に限定されず、分岐のシリコーン鎖やアルキル鎖を有するものも含まれる。なお、好ましいポリエーテル変性シリコーンの市販品としては、信越化学工業株式会社のシリコーンKF−6017P、シリコーンKF−6028、シリコーンKF−6038、Degussa社のABIL EM90が挙げられる。 なお、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲でポリエーテル変性シリコーン以外の界面活性剤(乳化剤)を併用することも可能である。 ポリエーテル変性シリコーンの配合量は、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して0.1〜10質量%であり、好ましくは、0.5〜5質量%である。「(g)紫外線吸収剤」 本発明の油中水型乳化皮膚化粧料においては、紫外線吸収剤を配合して日焼け止め化粧料として利用することも好ましい。特に、紫外線散乱剤である酸化亜鉛及び/又は酸化チタンを配合する場合には、紫外線吸収剤と共に紫外線防御効果を増大できる利点がある。 紫外線吸収剤としては下記化合物が挙げられる。(1)安息香酸系紫外線吸収剤 例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステルなど。(2)アントラニル酸系紫外線吸収剤 例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレートなど。(3)サリチル酸系紫外線吸収剤 例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレートなど。(4)ケイ皮酸系紫外線吸収剤 例えば、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート) 、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメートなど。(5)トリアジン系紫外線吸収剤 例えば、ビスレゾルシニルトリアジン。 さらに具体的には、ビス{〔4−(2−エチルヘキシロキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス{4−(2−エチルヘキシロキシカルボニル)アニリノ}1,3,5−トリアジンなど。(6)その他の紫外線吸収剤 例えば、3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、2,2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン、5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン。ジモルホリノピリダジノンなどのピリダジン誘導体。 紫外線吸収剤の配合量は、目的とする製品に応じて適宜決定されるが、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して、通常、1〜25質量%であり、好ましくは、5〜20質量%である。 本発明の油中水型乳化皮膚化粧料には上記した必須成分の他に通常化粧料に用いられる他の成分、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、金属イオン封鎖剤、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料等を必要に応じて適宜配合し、目的とする製品に応じて常法により製造することが出来る。 次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。配合量は特に断りのない限り全量に対する質量%である。 「表1」及び「表2」に示す処方にて、油中水型乳化皮膚化粧料の日焼け止めクリームを常法により製造し、10名の専門パネルにより実使用試験を行い、顔面に塗布した場合の使用感を以下の基準で判定した。「経時による粉末成分(e)の粉ぎしみの抑制(皮膚に塗布した1時間後の粉ぎしみ感のなさ)」<判定基準>◎ :9〜10名が塗布1時間後の粉ぎしみ感がないと回答した。○ :6〜8名が塗布1時間後の粉ぎしみ感がないと回答した。△ :3〜5名が塗布1時間後の粉ぎしみ感がないと回答した。△×:1〜2名が塗布1時間後の粉ぎしみ感がないと回答した。× :0名が塗布1時間後の粉ぎしみ感がないと回答した。「塗布時の肌なじみの良さ」<判定基準>◎ :9〜10名が塗布時の肌なじみが良いと回答した。○ :6〜8名が塗布時の肌なじみが良いと回答した。△ :3〜5名が塗布時の肌なじみが良いと回答した。△×:1〜2名が塗布時の肌なじみが良いと回答した。× :0名が塗布時の肌なじみが良いと回答した。「塗布後のべたつきのなさ」<判定基準>◎ :9〜10名が塗布後のべたつきがないと回答した。○ :6〜8名が塗布後のべたつきがないと回答した。△ :3〜5名が塗布後のべたつきがないと回答した。△×:1〜2名が塗布後のべたつきがないと回答した。× :0名が塗布後のべたつきがないと回答した。*1 KF-6017P(信越化学工業株式会社)*2 X22-3701E(信越化学工業株式会社)*3 FSA62-ZnO(SF)(大東化成工業株式会社)*4 ST-485SA(チタン工業株式会社)*5 OTS-2 SACHTLEBEN RC402(大東化成工業株式会社)*1 KF-6017P(信越化学工業株式会社)*2 X22-3701E(信越化学工業株式会社)*3 FSA62-ZnO(SF)(大東化成工業株式会社)*4 ST-485SA(チタン工業株式会社)*5 OTS-2 SACHTLEBEN RC402(大東化成工業株式会社) 「表1」及び「表2」の結果から、本発明の実施例は、比較例に比べて、「塗布1時間後の粉ぎしみ感がなさ」、「塗布時の肌なじみの良さ」及び「塗布後のべたつきのなさ」からなる全ての効果の点において優れていることが分かる。 以下に、本発明の油中水型乳化皮膚化粧料の処方例を挙げる。実施例6:日焼け止めクリーム 配合成分 質量%(1)(e)疎水化処理酸化亜鉛 20(2)(e)疎水化処理酸化チタン 2(3)(g)メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 7(4)(c)デカメチルシクロペンタシロキサン 10(5)ミリスチン酸イソプロピル 5(6)ミネラルオイル 1(7)(d)カルボキシデシルトリシロキサン 2(8)メチルシロキサン網状重合体 5(9)(f)ポリエーテル変性シリコーン 4(10)有機変性ベントナイト 2(11)(a)イオン交換水 残量(12)グリセリン 2.5(13)1,3−ブチレングリコール 5(14)(b)エタノール 5(15)フェノキシエタノール 0.5製造方法:(1)〜(10)を混合分散した。その後、混合溶解した(11)〜(15)の水相を添加し混合し、目的の日焼け止めクリームを得た。実施例7:日焼け止めローション(2層型) 配合成分 質量%(1)(c)デカメチルシクロペンタシロキサン 20(2)(c)イソヘキサデカン 10(3)ジメチルポリシロキサン(6cs) 5(4)(f)ポリエーテル変性シリコーン 2(5)(d)カルボキシデシルトリシロキサン 0.5(6)(g)オクトクリレン 3(7)(g)メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 5(8)(e)疎水化処理酸化亜鉛 12(9)(e)疎水化処理酸化チタン 5(10)ポリメチルメタクリレート球状粉末 3(11)架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体 3(12)(a)イオン交換水 残量(13)2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル 1(14)フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 2(15)グリセリン 2(16)1,3−ブチレングリコール 3(17)パラベン 0.2(18)(b)エタノール 5製造方法:(1)〜(11)を混合分散した。その後、混合溶解した(12)〜(18)の水相を添加し混合し、目的の日焼け止めローションを得た。実施例8:日焼け止めローション(2層型) 配合成分 質量%(1)(c)イソドデカン 17(2)ジメチルポリシロキサン(6cs) 5(3)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 5(4)(d)カルボキシデシルトリシロキサン 3(5)(f)ポリエーテル変性シリコーン 2(6)有機変性ベントナイト 0.4(7)オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉末 10(8)(e)疎水化処理酸化亜鉛 15(9)(e)疎水化処理酸化チタン 7(10)(a)イオン交換水 残量(11)トラネキサム酸 2(12)EDTA 0.2(13)キシリトール 3(14)1,3−ブチレングリコール 5(15)フェノキシエタノール 0.5(16)(b)エタノール 3製造方法:(1)〜(9)を混合分散した。その後、混合溶解した(10)〜(16)の水相を添加し混合し、目的の日焼け止めローションを得た。 本発明によれば、疎水化処理酸化チタン、疎水化処理酸化亜鉛、疎水化処理酸化鉄からなる群から選択される1種又は2種以上の粉末を配合した油中水型乳化皮膚化粧料において、皮膚に塗布後の経時による粉ぎしみ(なめらかさが欠けてくる感触)を抑制すると同時に、皮膚に塗布時の肌なじみの良さと、皮膚に塗布後のべたつきのなさを改善した油中水型乳化皮膚化粧料を提供することが可能である。 本発明の油中水型乳化皮膚化粧料は、優れた使用感を有する日焼け止め化粧料として特に利用価値が高い。 下記成分(a)〜(e)を含有することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料。(a)水:5〜50質量%(b)エタノール:1〜20質量%(c)揮発性油分:2〜50質量%(d)下記式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサン:0.1〜5質量%(e)疎水化処理酸化チタン、疎水化処理酸化亜鉛、疎水化処理酸化鉄からなる群から選択される1種又は2種以上:2〜50質量% 前記油中水型乳化皮膚化粧料が、(f)ポリエーテル変性シリコーンで乳化されていることを特徴とする請求項1記載の油中水型乳化皮膚化粧料。 さらに(g)紫外線吸収剤を配合することを特徴とする請求項1又は2記載の油中水型乳化皮膚化粧料。 【課題】皮膚に塗布後の経時による粉ぎしみを抑制すると同時に、皮膚に塗布時の肌なじみの良さと、皮膚塗布後のべたつきのなさを改善した、疎水化処理粉末を配合した油中水型乳化皮膚化粧料の提供。【解決手段】下記成分(a)〜(e)を含有することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料。(a)水:5〜50質量%(b)エタノール:1〜20質量%(c)揮発性油分:2〜50質量%(d)特定構造のカルボキシデシルトリシロキサン:0.1〜5質量%(e)疎水化処理酸化チタン、疎水化処理酸化亜鉛、疎水化処理酸化鉄からなる群から選択される1種又は2種以上:2〜50質量%【選択図】なし20130419A16333全文3 下記成分(a)〜(e)を含有することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料であって、前記油中水型乳化皮膚化粧料が、(f)ポリエーテル変性シリコーンで乳化されていて、さらに(g)紫外線吸収剤を配合することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料。(a)水:5〜50質量%(b)エタノール:1〜20質量%(c)揮発性油分:2〜50質量%(d)下記式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサン:0.1〜5質量%(e)疎水化処理酸化亜鉛:2〜50質量% 下記成分(a)〜(e)を含有することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料であって、前記油中水型乳化皮膚化粧料が、(f)ポリエーテル変性シリコーンで乳化されていて、さらに(g)紫外線吸収剤を配合することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料。(a)水:5〜50質量%(b)エタノール:1〜20質量%(c)揮発性油分:2〜50質量%(d)下記式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサン:0.1〜5質量%(e)疎水化処理酸化チタンと疎水化処理酸化亜鉛と疎水化処理酸化鉄:2〜50質量% 前記油中水型乳化皮膚化粧料が、日焼け止めクリーム又は日焼け止めローションであることを特徴とする請求項1又は2記載の油中水型乳化皮膚化粧料。A1633000073 すなわち、本発明は、下記成分(a)〜(e)を含有することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料であって、前記油中水型乳化皮膚化粧料が、(f)ポリエーテル変性シリコーンで乳化されていて、さらに(g)紫外線吸収剤を配合することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料を提供するものである。(a)水:5〜50質量%(b)エタノール:1〜20質量%(c)揮発性油分:2〜50質量%(d)下記式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサン:0.1〜5質量%(e)疎水化処理酸化亜鉛:2〜50質量%A1633000083 また、本発明は、下記成分(a)〜(e)を含有することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料であって、前記油中水型乳化皮膚化粧料が、(f)ポリエーテル変性シリコーンで乳化されていて、さらに(g)紫外線吸収剤を配合することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料を提供するものである。(a)水:5〜50質量%(b)エタノール:1〜20質量%(c)揮発性油分:2〜50質量%(d)下記式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサン:0.1〜5質量%(e)疎水化処理酸化チタンと疎水化処理酸化亜鉛と疎水化処理酸化鉄:2〜50質量%A1633000093 さらに、本発明は、前記油中水型乳化皮膚化粧料が、日焼け止めクリーム又は日焼け止めローションであることを特徴とする上記の油中水型乳化皮膚化粧料を提供するものである。


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特許公報(B2)_油中水型乳化皮膚化粧料

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_油中水型乳化皮膚化粧料
出願番号:2012005760
年次:2013
IPC分類:A61K 8/894,A61K 8/37,A61K 8/34,A61K 8/31,A61K 8/891,A61K 8/27,A61K 8/29,A61K 8/19,A61K 8/06,A61Q 17/04


特許情報キャッシュ

佐々木 一貴 JP 5357280 特許公報(B2) 20130906 2012005760 20120116 油中水型乳化皮膚化粧料 株式会社 資生堂 000001959 ▲高▼野 俊彦 100094570 佐々木 一貴 20131204 A61K 8/894 20060101AFI20131114BHJP A61K 8/37 20060101ALI20131114BHJP A61K 8/34 20060101ALI20131114BHJP A61K 8/31 20060101ALI20131114BHJP A61K 8/891 20060101ALI20131114BHJP A61K 8/27 20060101ALI20131114BHJP A61K 8/29 20060101ALI20131114BHJP A61K 8/19 20060101ALI20131114BHJP A61K 8/06 20060101ALI20131114BHJP A61Q 17/04 20060101ALI20131114BHJP JPA61K8/894A61K8/37A61K8/34A61K8/31A61K8/891A61K8/27A61K8/29A61K8/19A61K8/06A61Q17/04 A61K 8/00− 8/99 A61Q 1/04− 90/00 CAplus/REGISTRY(STN) 国際公開第2010/016437(WO,A1) 特開2009−084232(JP,A) 国際公開第2011/065438(WO,A1) 国際公開第2009/025146(WO,A1) 国際公開第2012/070309(WO,A1) 特開2010−143844(JP,A) 国際公開第2009/022621(WO,A1) 3 2013144655 20130725 13 20121210 松本 直子 本発明は油中水型乳化皮膚化粧料に関する。さらに詳しくは、疎水化処理酸化チタン、疎水化処理酸化亜鉛、疎水化処理酸化鉄からなる群から選択される1種又は2種以上の粉末を配合した油中水型乳化皮膚化粧料において、皮膚に塗布後の経時による粉ぎしみを抑制すると同時に、皮膚に塗布時の肌なじみの良さと、皮膚に塗布後のべたつきのなさを改善した油中水型乳化皮膚化粧料に関する。 特許文献1には、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛からなる顔料と液状油からなる分散媒と分散剤とを含む顔料分散体において、分散剤として特定の反応性有機変性シリコーンを使用した化粧料が開示されている。その結果、化粧料の伸びがよく、塗布膜の透明性が向上し、粉っぽさがなく、不自然に白くなることもない等の効果を発揮する化粧料である。 特許文献1で使用される反応性有機変性シリコーンは、アミノ変性シリコーン及び/又はカルボキシ変性シリコーンを含むものであるが、具体的には、本願発明で使用するカルボキシデシルトリシロキサンよりも高い分子量を有する反応性有機変性シリコーンを使用している。そのため当該化粧料の製剤の粘度が高くなってしまい、皮膚に塗布した場合に、均一な塗布膜が得られない場合がある。 また、経時にて液状油が揮発した際にも、当該化粧料の塗布膜中における顔料の流動性に欠けるため、顔料の粉ぎしみを有効に解決することは出来ない。 一方、特許文献2には、本願発明で使用するカルボキシ変性シリコーンのカルボキシデシルトリシロキサンを使用した発明が記載されている。 しかしながら、引用文献2記載の発明は「粉末成分と結合剤としての不揮発性油性成分と分散剤としてのカルボン酸変性シリコーンを揮発性溶媒中で混合してスラリーとするスラリー調製工程と、前記スラリーを乾燥して乾燥粉末を得る乾燥工程と、を備え、該乾燥粉末から粉末化粧料を得る粉末化粧料の製造方法であって、前記乾燥工程で用いる乾燥装置は、前記スラリーを機械的なせん断力により微細液滴化し、該微細液滴に乾燥ガスを送風することで前記スラリーの乾燥を行う乾燥装置であることを特徴とする粉末化粧料の製造方法」に関する発明であり、特に化粧持ちに優れた粉末化粧料を製造するための製造方法を提供する発明であって、本願発明とは全く異なる内容の発明である。特開2002−80771号公報特開2010−143844号公報 本願発明者は、カルボキシ変性シリコーンの中から特定構造を有するカルボキシデシルトリシロキサンを選択し、特定量のカルボキシデシルトリシロキサンと、特定量の水と特定量のエタノールと特定量の揮発性油分を配合すると、化粧料に多用される酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の粉末を配合した油中水型乳化皮膚化粧料において、皮膚に塗布後の経時による粉ぎしみを抑制すると同時に、皮膚に塗布時の肌なじみの良さと、皮膚に塗布後のべたつきのなさを改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。 本発明の目的は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄からなる群から選択される1種又は2種以上の粉末を配合した油中水型乳化皮膚化粧料において、皮膚に塗布後の経時による粉ぎしみ(なめらかさが欠けてくる感触)を抑制すると同時に、皮膚に塗布時の肌なじみの良さと、皮膚に塗布後のべたつきのなさを改善した油中水型乳化皮膚化粧料を提供することである。 すなわち、本発明は、下記成分(a)〜(e)を含有することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料であって、前記油中水型乳化皮膚化粧料が、(f)ポリエーテル変性シリコーンで乳化されていて、さらに(g)紫外線吸収剤を配合することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料を提供するものである。(a)水:5〜50質量%(b)エタノール:1〜20質量%(c)揮発性油分:2〜50質量%(d)下記式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサン:0.1〜5質量%(e)疎水化処理酸化亜鉛:2〜50質量% また、本発明は、下記成分(a)〜(e)を含有することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料であって、前記油中水型乳化皮膚化粧料が、(f)ポリエーテル変性シリコーンで乳化されていて、さらに(g)紫外線吸収剤を配合することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料を提供するものである。(a)水:5〜50質量%(b)エタノール:1〜20質量%(c)揮発性油分:2〜50質量%(d)下記式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサン:0.1〜5質量%(e)疎水化処理酸化チタンと疎水化処理酸化亜鉛と疎水化処理酸化鉄:2〜50質量% さらに、本発明は、前記油中水型乳化皮膚化粧料が、日焼け止めクリーム又は日焼け止めローションであることを特徴とする上記の油中水型乳化皮膚化粧料を提供するものである。 本発明によれば、化粧料に多用される、疎水化処理された酸化チタン、酸化亜鉛並びに酸化鉄等の粉末を配合した油中水型乳化皮膚化粧料において、皮膚に塗布後の経時による粉ぎしみを抑制し、きしみ感のない油中水型乳化皮膚化粧料を提供することが可能である。 また、本発明によれば、化粧料に多用される、疎水化処理された酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の粉末を配合した油中水型乳化皮膚化粧料において、皮膚に塗布時の肌なじみの良さと、皮膚に塗布後のべたつきのなさを改善した油中水型乳化皮膚化粧料を提供することが可能である。 以下、本発明を詳述する。「(a)水」 本発明に配合される水は特に限定されないが、イオン交換水が好ましく使用される。 本発明において水は他の水性成分と共に油中水型乳化皮膚化粧料の内相の水相を構成する。 水の配合量は、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して5〜50質量%であり、好ましくは、6〜40質量%である。「(b)エタノール」 本発明の配合されるエタノールは水と共に油中水型乳化化粧料の内相の水相を構成する。 エタノールの配合量は、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して1〜20質量%であり、好ましくは、3〜15質量%である。「(c)揮発性油分」 本発明に用いる揮発性油分としては、例えば、比較的低分子量の炭化水素油、比較的低分子量の直鎖状シリコーン、比較的低分子量の環状シリコーンが挙げられ、特に、軽質流動性イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン、揮発性ジメチルポリシロキサン、または環状ポリシロキサンが好ましい。具体的には、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルシクロヘプタシロキサンが好ましい。特に好ましくは、軽質流動性イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン、デカメチルシクロペンタシロキサンである。 本発明に用いる揮発性油分は、他の任意成分の油分と共に、油中水型乳化皮膚化粧料の外相の油相を構成する成分である。そして、当該外相の油分中に、下記(d)成分の疎水化処理した酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄の微粒子粉末が均一に分散する。 揮発性油分の配合量は、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して2〜50質量%であり、好ましくは、5〜45質量%であり、さらに好ましくは10〜40質量%である。 なお、油相を構成する任意配合成分の油分は特に限定されず、例えば、油脂、ロウ、炭化水素油、植物油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油等が挙げられる。その配合量は製品に応じて適宜決定されるが油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して、通常、3〜20質量%が配合可能である。「(d)下記式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサン」 本発明に用いるカルボキシ変性シリコーンは下記式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサンである。 当該成分(d)は、本発明においては、油中水型乳化皮膚化粧料の油相中に溶解する必須成分であり、当該成分の作用により、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄の微粒子粉末の粉ぎしみが抑制される。 その化学名は、3−(10−カルボキシデシル)−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンであり、公知のカルボキシ変性シリコーンである。本発明においては、「DOW CORNING TORAY OP−1800MF CARBOXY FLUID(東レ・ダウコーニンング)等の市販品を好ましく使用される。 なお、式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサンは、上述したように化粧料配合成分として公知のカルボキシ変性シリコーンである。しかしながら、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄からなる群から選択される1種又は2種以上の粉末を配合した油中水型乳化皮膚化粧料において、皮膚に塗布後の経時による上記粉末の粉ぎしみを抑制する化粧料配合成分として配合されたことはこれまでにない。そして、本発明の組成物とすることにより、皮膚に塗布後の経時による粉ぎしみを抑制すると同時に、皮膚に塗布時の肌なじみの良さと、皮膚塗布後のべたつきのなさを改善できる本発明の効果は、本発明者により初めて見出された予測出来ない顕著な効果である。 式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサンの配合量は、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して0.1〜5質量%であり、好ましくは0.1〜3質量%であり、さらに好ましくは0.5〜2質量%である。「(e)疎水化処理酸化チタン、疎水化処理酸化亜鉛、疎水化処理酸化鉄からなる群から選択される1種又は2種以上」 酸化チタン及び酸化亜鉛は、例えば紫外線散乱剤として日焼け止め化粧料に多用される粉末であり、また、化粧料塗布後に粉ぎしみが発生しやすい粉末である。 また、酸化鉄は、塗布後の肌の明度の向上、若しくは色ムラの改善に多用される粉末であり、また、化粧料塗布後に粉ぎしみが発生しやすい粉末である。 上記粉末は、疎水化処理された粉末であるが、疎水化処理剤や疎水化処理方法は限定されず、公知の疎水化処理剤により常法により疎水化処理が行われる。疎水化処理剤としてはシリコーン処理剤、脂肪酸、脂肪酸石鹸、脂肪酸エステル等が挙げられる。シリコーン処理剤としては、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどの各種のシリコーンオイルや、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどの各種のアルキルシランや、トリフルオロメチルエチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランなどの各種のフルオロアルキルシランなどが挙げられる。また、脂肪酸としては、例えば、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ロジン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。また、脂肪酸石鹸としては、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。また、脂肪酸エステルとしては、デキストリン脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの疎水化処理剤のうち、1種または2種以上を用いて、常法に従い、微粒子粉末の疎水化処理を行うことができる。 そして、疎水化処理された微粒子粉末は、本発明の油中水型乳化皮膚化粧料の外相の油相中に均一に分散されて、粉ぎしみが抑制される。 なお、上記の粉末は、平均粒子径が10〜1000nmの微粒子粉末を配合することが、紫外線防御効果の点、塗布後の肌の明度の向上、若しくは色ムラの改善の点から好ましい。平均粒子径は、例えば電子顕微鏡写真の画像解析による個数平均径などの常法によって測定される。 酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄からなる群から選択される1種又は2種以上の粉末の配合量は、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して2〜50質量%であり、好ましくは、5〜40質量%であり、さらに好ましくは7〜35質量%である。「(f)ポリエーテル変性シリコーン」 本発明の油中水型乳化皮膚化粧料に用いる界面活性剤(乳化剤)は、ポリエーテル変性シリコーンを用いることが好ましい。 本発明に用いるポリエーテル変性シリコ−ンは特に限定されず、分岐のシリコーン鎖やアルキル鎖を有するものも含まれる。なお、好ましいポリエーテル変性シリコーンの市販品としては、信越化学工業株式会社のシリコーンKF−6017P、シリコーンKF−6028、シリコーンKF−6038、Degussa社のABIL EM90が挙げられる。 なお、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲でポリエーテル変性シリコーン以外の界面活性剤(乳化剤)を併用することも可能である。 ポリエーテル変性シリコーンの配合量は、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して0.1〜10質量%であり、好ましくは、0.5〜5質量%である。「(g)紫外線吸収剤」 本発明の油中水型乳化皮膚化粧料においては、紫外線吸収剤を配合して日焼け止め化粧料として利用することも好ましい。特に、紫外線散乱剤である酸化亜鉛及び/又は酸化チタンを配合する場合には、紫外線吸収剤と共に紫外線防御効果を増大できる利点がある。 紫外線吸収剤としては下記化合物が挙げられる。(1)安息香酸系紫外線吸収剤 例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステルなど。(2)アントラニル酸系紫外線吸収剤 例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレートなど。(3)サリチル酸系紫外線吸収剤 例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレートなど。(4)ケイ皮酸系紫外線吸収剤 例えば、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート) 、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメートなど。(5)トリアジン系紫外線吸収剤 例えば、ビスレゾルシニルトリアジン。 さらに具体的には、ビス{〔4−(2−エチルヘキシロキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス{4−(2−エチルヘキシロキシカルボニル)アニリノ}1,3,5−トリアジンなど。(6)その他の紫外線吸収剤 例えば、3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、2,2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン、5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン。ジモルホリノピリダジノンなどのピリダジン誘導体。 紫外線吸収剤の配合量は、目的とする製品に応じて適宜決定されるが、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して、通常、1〜25質量%であり、好ましくは、5〜20質量%である。 本発明の油中水型乳化皮膚化粧料には上記した必須成分の他に通常化粧料に用いられる他の成分、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、金属イオン封鎖剤、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料等を必要に応じて適宜配合し、目的とする製品に応じて常法により製造することが出来る。 次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。配合量は特に断りのない限り全量に対する質量%である。 「表1」及び「表2」に示す処方にて、油中水型乳化皮膚化粧料の日焼け止めクリームを常法により製造し、10名の専門パネルにより実使用試験を行い、顔面に塗布した場合の使用感を以下の基準で判定した。「経時による粉末成分(e)の粉ぎしみの抑制(皮膚に塗布した1時間後の粉ぎしみ感のなさ)」<判定基準>◎ :9〜10名が塗布1時間後の粉ぎしみ感がないと回答した。○ :6〜8名が塗布1時間後の粉ぎしみ感がないと回答した。△ :3〜5名が塗布1時間後の粉ぎしみ感がないと回答した。△×:1〜2名が塗布1時間後の粉ぎしみ感がないと回答した。× :0名が塗布1時間後の粉ぎしみ感がないと回答した。「塗布時の肌なじみの良さ」<判定基準>◎ :9〜10名が塗布時の肌なじみが良いと回答した。○ :6〜8名が塗布時の肌なじみが良いと回答した。△ :3〜5名が塗布時の肌なじみが良いと回答した。△×:1〜2名が塗布時の肌なじみが良いと回答した。× :0名が塗布時の肌なじみが良いと回答した。「塗布後のべたつきのなさ」<判定基準>◎ :9〜10名が塗布後のべたつきがないと回答した。○ :6〜8名が塗布後のべたつきがないと回答した。△ :3〜5名が塗布後のべたつきがないと回答した。△×:1〜2名が塗布後のべたつきがないと回答した。× :0名が塗布後のべたつきがないと回答した。*1 KF-6017P(信越化学工業株式会社)*2 X22-3701E(信越化学工業株式会社)*3 FSA62-ZnO(SF)(大東化成工業株式会社)*4 ST-485SA(チタン工業株式会社)*5 OTS-2 SACHTLEBEN RC402(大東化成工業株式会社)*1 KF-6017P(信越化学工業株式会社)*2 X22-3701E(信越化学工業株式会社)*3 FSA62-ZnO(SF)(大東化成工業株式会社)*4 ST-485SA(チタン工業株式会社)*5 OTS-2 SACHTLEBEN RC402(大東化成工業株式会社) 「表1」及び「表2」の結果から、本発明の実施例は、比較例に比べて、「塗布1時間後の粉ぎしみ感がなさ」、「塗布時の肌なじみの良さ」及び「塗布後のべたつきのなさ」からなる全ての効果の点において優れていることが分かる。 以下に、本発明の油中水型乳化皮膚化粧料の処方例を挙げる。実施例6:日焼け止めクリーム 配合成分 質量%(1)(e)疎水化処理酸化亜鉛 20(2)(e)疎水化処理酸化チタン 2(3)(g)メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 7(4)(c)デカメチルシクロペンタシロキサン 10(5)ミリスチン酸イソプロピル 5(6)ミネラルオイル 1(7)(d)カルボキシデシルトリシロキサン 2(8)メチルシロキサン網状重合体 5(9)(f)ポリエーテル変性シリコーン 4(10)有機変性ベントナイト 2(11)(a)イオン交換水 残量(12)グリセリン 2.5(13)1,3−ブチレングリコール 5(14)(b)エタノール 5(15)フェノキシエタノール 0.5製造方法:(1)〜(10)を混合分散した。その後、混合溶解した(11)〜(15)の水相を添加し混合し、目的の日焼け止めクリームを得た。実施例7:日焼け止めローション(2層型) 配合成分 質量%(1)(c)デカメチルシクロペンタシロキサン 20(2)(c)イソヘキサデカン 10(3)ジメチルポリシロキサン(6cs) 5(4)(f)ポリエーテル変性シリコーン 2(5)(d)カルボキシデシルトリシロキサン 0.5(6)(g)オクトクリレン 3(7)(g)メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 5(8)(e)疎水化処理酸化亜鉛 12(9)(e)疎水化処理酸化チタン 5(10)ポリメチルメタクリレート球状粉末 3(11)架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体 3(12)(a)イオン交換水 残量(13)2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル 1(14)フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 2(15)グリセリン 2(16)1,3−ブチレングリコール 3(17)パラベン 0.2(18)(b)エタノール 5製造方法:(1)〜(11)を混合分散した。その後、混合溶解した(12)〜(18)の水相を添加し混合し、目的の日焼け止めローションを得た。実施例8:日焼け止めローション(2層型) 配合成分 質量%(1)(c)イソドデカン 17(2)ジメチルポリシロキサン(6cs) 5(3)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 5(4)(d)カルボキシデシルトリシロキサン 3(5)(f)ポリエーテル変性シリコーン 2(6)有機変性ベントナイト 0.4(7)オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉末 10(8)(e)疎水化処理酸化亜鉛 15(9)(e)疎水化処理酸化チタン 7(10)(a)イオン交換水 残量(11)トラネキサム酸 2(12)EDTA 0.2(13)キシリトール 3(14)1,3−ブチレングリコール 5(15)フェノキシエタノール 0.5(16)(b)エタノール 3製造方法:(1)〜(9)を混合分散した。その後、混合溶解した(10)〜(16)の水相を添加し混合し、目的の日焼け止めローションを得た。 本発明によれば、疎水化処理酸化チタン、疎水化処理酸化亜鉛、疎水化処理酸化鉄からなる群から選択される1種又は2種以上の粉末を配合した油中水型乳化皮膚化粧料において、皮膚に塗布後の経時による粉ぎしみ(なめらかさが欠けてくる感触)を抑制すると同時に、皮膚に塗布時の肌なじみの良さと、皮膚に塗布後のべたつきのなさを改善した油中水型乳化皮膚化粧料を提供することが可能である。 本発明の油中水型乳化皮膚化粧料は、優れた使用感を有する日焼け止め化粧料として特に利用価値が高い。 下記成分(a)〜(e)を含有することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料であって、前記油中水型乳化皮膚化粧料が、(f)ポリエーテル変性シリコーンで乳化されていて、さらに(g)紫外線吸収剤を配合することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料。(a)水:5〜50質量%(b)エタノール:1〜20質量%(c)揮発性油分:2〜50質量%(d)下記式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサン:0.1〜5質量%(e)疎水化処理酸化亜鉛:2〜50質量% 下記成分(a)〜(e)を含有することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料であって、前記油中水型乳化皮膚化粧料が、(f)ポリエーテル変性シリコーンで乳化されていて、さらに(g)紫外線吸収剤を配合することを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料。(a)水:5〜50質量%(b)エタノール:1〜20質量%(c)揮発性油分:2〜50質量%(d)下記式(1)で表されるカルボキシデシルトリシロキサン:0.1〜5質量%(e)疎水化処理酸化チタンと疎水化処理酸化亜鉛と疎水化処理酸化鉄:2〜50質量% 前記油中水型乳化皮膚化粧料が、日焼け止めクリーム又は日焼け止めローションであることを特徴とする請求項1又は2記載の油中水型乳化皮膚化粧料。


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