タイトル: | 公表特許公報(A)_溶媒交流蒸発法による徐放性マイクロスフェアの製造方法 |
出願番号: | 2011524904 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | A61K 9/58,A61K 47/34,A61K 38/00,A61P 5/06 |
リム,ナクヒョン キム,スングゥン キム,スェヨン ジョン,ヒョンジュン チャ,キョンフェ JP 2012501321 公表特許公報(A) 20120119 2011524904 20090828 溶媒交流蒸発法による徐放性マイクロスフェアの製造方法 ドン クック ファーマシューティカル カンパニー リミテッド 501241726 野河 信太郎 100065248 秋山 雅則 100145229 甲斐 伸二 100159385 金子 裕輔 100163407 稲本 潔 100166936 リム,ナクヒョン キム,スングゥン キム,スェヨン ジョン,ヒョンジュン チャ,キョンフェ KR 10-2008-0085368 20080829 A61K 9/58 20060101AFI20111216BHJP A61K 47/34 20060101ALI20111216BHJP A61K 38/00 20060101ALI20111216BHJP A61P 5/06 20060101ALI20111216BHJP JPA61K9/58A61K47/34A61K37/02A61P5/06 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW KR2009004820 20090828 WO2010024615 20100304 18 20110413 4C076 4C084 4C076AA61 4C076CC30 4C076EE24 4C076FF31 4C076FF68 4C076GG30 4C084AA01 4C084AA03 4C084BA01 4C084BA17 4C084DB09 4C084MA05 4C084MA38 4C084NA10 4C084NA12 4C084ZC042 本発明は、薬物の長期間放出を調節し得る徐放性マイクロスフェアの製造方法に関する。 さらに詳しくは、本発明は、生分解性高分子を含む担体に薬物を封入したマイクロスフェアの製造法として、共溶媒を用いた溶媒交流蒸発法を採用することによって、生理活性物質の初期過多放出を抑制して、体内で生理活性物質が持続的、かつ均一に放出されるようにした、徐放性マイクロスフェアの製造方法に関するものである。 従来、徐放性注射製剤の一般的な製造方法として、コアセルベーション法、溶融押出法、噴霧乾燥法および溶媒蒸発法などが知られている。これらの方法のうち、二重エマルジョン溶媒蒸発法(W/O/W;水/油/水型)と単一エマルジョン溶媒蒸発法(O/W;油/水型)とに分類される溶媒蒸発法が、一般的に使われてきた。 このような徐放性注射製剤を改善するために、薬物封入効率の向上、製造工程の単純化および初期過多放出の低減のような、多くの試みが行われてきた。 韓国特許出願2003−0023130号は、生分解性高分子と薬物を溶媒に溶解する工程、噴霧乾燥法を用いて溶液を一定流量で噴霧する工程、および減圧下に乾燥する工程を含む、徐放性マイクロスフェアの製造方法を開示している。 しかしながら、この発明は、高価な噴霧乾燥機の設置費用、設備の無菌処理および生理活性物質の初期過多放出のような短所を有していた。 韓国特許出願2004−7009999号は、浸透圧調節剤を加えてマイクロスフェア内への薬物封入を増大させ、マイクロスフェアの分散性を改善する、マイクロスフェアの製造方法を開示している。 しかしながら、この発明は、薬物の過剰封入により引き起こされるマイクロスフェア表面に分布する薬物量の増加による初期過多放出という短所を依然として有している。 韓国特許第409413号は、水中乾燥法によりマイクロカプセルを製造した後、得られたマイクロカプセルを生分解性高分子のガラス転移温度以上の温度で加熱乾燥して、生理活性物質の初期過多放出を抑制し、残存有機溶媒を最小化する方法を開示している。 しかしながら、この発明は、生理活性物質が熱変性されるという短所を有している。 米国特許第5366734号は、薬物と生分解性高分子との混合物をインプラントの形態に固形化し、該インプラントをコーティングして、連続投与用の医薬活性ペプチド製剤を製造する方法を開示している。 しかしながら、このようなインプラントは大きすぎるため、皮下注射用の注射針のサイズを大きくしなければならない。その結果、患者に恐怖感を与え、また注射時の疼痛ゆえに局所麻酔を必要とする。 本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明により解決されるべき技術的な課題は、従来技術の有する問題がなく、かつ生理活性物質の初期過多放出を効率よく抑制する徐放性マイクロスフェアの製造方法を提供することである。 前記の目的を達成するために、本発明は、生理活性物質および生分解性高分子を含むエマルジョンに共溶媒を加えた後、該エマルジョンを水性溶液に加えることを含む、生理活性物質の初期過多放出に対して優れた抑制効果を有する徐放性マイクロスフェアの製造方法を提供する。 また、本発明は、上記の製造方法によって製造される徐放性マイクロスフェアを提供する。 本発明は、生理活性物質、特にペプチドまたはその塩を含む徐放性マイクロスフェアの製造方法を提供するものであり、この方法では製造工程中に除去され得る共溶媒を加えることにより、初期過多放出を抑制することができ、その他の添加剤や工程を必要としない。 さらに、本発明で用いられる共溶媒は、溶媒除去工程を経て完全に除去されるため、本発明は、人体に安全で優れた初期過多放出抑制効果を有する徐放性のマイクロスフェアを提供することができる。 本発明を以下に詳細に説明する。 本発明は、i)生理活性物質を水性溶媒に、生分解性高分子を非水性溶媒にそれぞれ溶解し、前記の水性溶媒、非水性溶媒、または水性溶媒と非水性溶媒の両方に界面活性剤をさらに溶解する;ii)上記の工程i)の水性溶液および非水性溶液を混合してエマルジョンを形成する;iii)上記の工程ii)で形成されたエマルジョンに共溶媒を加える;iv)上記の工程iii)のエマルジョンを水性溶媒に加えてマイクロスフェアを形成する;そしてv)有機溶媒を除去する工程を含む、徐放性マイクロスフェアの製造方法を提供する。 この明細書では、上記の方法を、「溶媒交流蒸発法」(solvent intra-exchange evaporation)という。 本発明において、生理活性物質は特に限定されないが、黄体形成ホルモン−放出ホルモン(LHRH)同族体のようなペプチド薬物またはこれらの塩から選択されるのが好ましい。 例えば、LHRH同族体のうち、アゴニストはゴセレリン、ロイプロリド、トリプトレリン、ブセレリン、ナファレリンなどを含み、アンタゴニストはセトロレリクスを含む。さらに、その他の利用可能なペプチド薬物はオクトレオチドなどを含む。 LHRH同族体のアゴニストは、それが投与されたとき、脳下垂体に作用して黄体形成ホルモンの分泌を抑制(アゴニストは初期には分泌を促進するが、それが持続的に放出されたときには分泌を抑制する)することにより、性ホルモン−テストステロンおよびエストロゲン−の分泌を抑制するペプチド分子である。 その結果として、LHRH同族体のアゴニストは、ホルモン−センシティブである前立腺癌、乳癌、子宮内膜症などに対して治療効果を有する。 本発明において、生理活性物質は、マイクロスフェアの全重量に対して、1.0〜30重量%、好ましくは2.0〜20重量%、より好ましくは3.0〜15重量%の量で含まれ得る。生理活性物質が1.0重量%未満であると、投与されるマイクロスフェアの量が注射するには多くなりすぎ、あるいは注射時に問題が生じるおそれがある。生理活性物質の量が30重量%を超えると、初期の過多放出を抑制するのが困難となる。 本発明において、工程i)で生理活性物質を溶解するのに用いられる水性溶媒は注射用の水である。 本発明では、上記の工程i)の水性溶媒および/または非水性溶媒に界面活性剤が加えられる。使用可能な界面活性剤は、ポリソルベート、スパン80、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、トコフェロールなどを含むが、これらに限定されるものではない。 本発明において、界面活性剤は前記の水性溶液および非水性溶液の全重量、100重量部に対して、0.01〜5.0重量部の量で添加され得る。界面活性剤の量が0.01重量部未満であると、界面活性剤の効果が低下するため、エマルジョンの形成に問題が生じるおそれがある。界面活性剤の量が5.0重量部を超えると、大量の界面活性剤が注射部位に皮膚発赤や掻痒感のような局所的な副作用を引き起こすおそれがある。 本発明でマイクロスフェアの製造に通常用いられる生分解性の高分子は、制限なしに用いることができる。生分解性の高分子は、例えばポリラクチド、ポリグリコライド、ポリ(ラクチド−コ−グリコライド)およびポリ(ラクチド−コ−グリコライド)グルコースを含むが、これらに限定されるものではない。 本発明では、60000以下の重量平均分子量を有する生分解性高分子が用いられ得る。例えば、約13000の分子量を有するポリ(ラクチド−コ−グリコライド)(50:50);約33000の分子量を有するポリ(ラクチド−コ−グリコライド)(50:50);約52000の分子量を有するポリ(ラクチド−コ−グリコライド)(50:50)、約20000の分子量を有するポリ(ラクチド−コ−グリコライド)(75:25)、約16000の分子量を有するポリ(ラクチド)(100:0)などが用いられ得る。そのような生分解性高分子は、例えば、ベーリンガー・インゲルハイム社製のResomer(商標)RG502H、RG503H、RG504H、RG752H、RG752SおよびR202Hを含む。 本発明では、生分解性高分子は0.1〜0.7dL/gの固有粘度を有していてもよい。本発明において、生分解性高分子の固有粘度が0.1dL/g未満であると、生理活性物質の持続的な放出を所望の時間にわたって調節するには、高分子の分解が早過ぎる。生分解性高分子の固有粘度が0.7dL/gを超えると、高分子の分解が遅過ぎて、生理活性物質の放出量が少なくなるため、薬効が示されないおそれがある。 本発明では、生分解性の高分子は、マイクロスフェアの全重量に対して、70.0〜99.0重量%、好ましくは80.0〜98.0重量%、より好ましくは85.0〜97.0重量%の量で含まれ得る。 本発明で、マイクロスフェアに含まれる生分解性高分子の量が70.0重量%未満であると、マイクロスフェア中の生理活性物質の相対的な量が増えるため、初期過多放出が抑制されないとか、あるいは所望の期間にわたって薬効が持続されないという問題がある。 また、マイクロスフェア中に含まれる生分解性高分子の量が99.0重量%を超えると、患者に注射されるべきマイクロスフェアの量が多くなり、注射が困難となるか、または不可能になるおそれさえある。 本発明の前記の工程i)において、生分解性高分子を溶解するのに用いられる非水性溶媒は、生分解性高分子を溶解でき、前記の工程iii)で添加される共溶媒と混和し得るものである限り、特に限定されない。例えば、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリル、ジメチルスルホキサイド、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなどが用いられ得る。 本発明において、前記の工程iii)で添加される共溶媒は、前記の工程i)で用いられる水性および非水性の溶媒と混和し得るものであり、生理活性物質の溶解度が低く、製造工程中に残留する溶媒を容易に除去できるように低い沸点を有するものが好ましい。 本発明における共溶媒は、メタノール、エタノール、アセトン、イソプロパノール、クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸、アセトニトリルおよびこれらの混合溶媒を含むが、これらに限定されるものではない。 本発明において、共溶媒は、前記の工程i)で用いられる溶媒、すなわち水性溶媒および非水性溶媒の全重量、100重量部に対して、1.0〜20重量部、好ましくは5.0〜15重量部、より好ましくは5.0〜10重量部の量で加えられ得る。 加えられる共溶媒の量が1.0重量部未満であると、初期過多放出に対する抑制効果がないおそれがある。加えられる共溶媒の量が20重量部を超えると、残留溶媒の除去が困難になるおそれがある。 本発明では、共溶媒の添加が、水相内の生理活性物質を析出させることにより、溶媒の蒸発時に生理活性物質の表面への移動を抑制することにより、また生分解性高分子の硬化を助けてエマルジョンを比較的により硬くし、表面の多孔性を低下させることにより、初期の過多放出を成功裡に抑制するものと考えられる。 本発明において、前記の工程iv)で用いられる水性溶媒としては注射用の水を用いることができ、エマルジョンの分離を抑制するために、これに低粘度の高分子を任意に添加してもよい。この低粘度の高分子の例は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどを含むが、これらに限定されない。図1は、製造されたマイクロスフェアの表面の写真である(前:共溶媒使用前、後:共溶媒使用後)。図2は、インビトロ長期溶出試験の結果を示すグラフである(●:実施例5、▲:実施例4、×:比較例)。図3は、ゴセレリンの血中濃度の結果を示すグラフである(▲:マイクロスフェアで注射されたラット)。図4は、ゴセレリン注射後のテストステロンの濃度変化を示すグラフである(▲:マイクロスフェアで注射されたラットのホルモン濃度、○:マイクロスフェアで注射されていないラットのホルモン濃度、‐‐‐:去勢レベルの濃度)。 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。しかしながら、本発明の保護範囲はこれらの実施例に限定されないことが理解されるべきである。実施例1〜6 酢酸ゴセレリン含有エマルジョンの製造 表1に記載の含量に従って、注射用の水(375mg)に酢酸ゴセレリン(120mg)(スイス、Bachem社製)を加えた後、撹拌・溶解して澄明な水相を得た。生分解性高分子としてのRG502H(1,250mg)およびRG503H(630mg)(ベーリンガーインゲルハイム社製)、スパン80(5.0mg)(メルク社製)および塩化メチレン(5,000mg)(メルク社製)を、激しく撹拌して溶解し、これを上記の水相に加え、激しく撹拌してエマルジョンを形成した。 共溶媒の種類によるマイクロスフェアの製造 表2に記載の含量に従って、共溶媒を上記で得られたエマルジョンにそれぞれ加え、激しく撹拌した。得られた溶液を、L4Rミキサー(英国、Silverson社製、)により激しく撹拌中の0.5%ポリビニルアルコール(500mL)(Mn=30,000〜70,000、シグマ社製)溶液に25℃でゆっくり注入した。10分後、温度を40℃に上げ、撹拌速度を下げて、添加された有機溶媒を2時間で蒸発させた。温度を25℃に下げ、30分間放冷した後、5.0μm フィルタ(材質:SVLP、ミリポア社製)を用いて真空ろ過した。次いで、蒸留水で数回洗浄し、72時間凍結乾燥して、マイクロスフェアを得た。比較例1 前記の実施例で製造された酢酸ゴセレリン含有エマルジョンに共溶媒を添加しない点を除いて、実施例1〜6と同じ方法に従ってマイクロスフェアを製造した。比較例2 市販の酢酸ゴセレリンのインプラント製剤(Zoladex(商標)、アストラゼネカ社製)を、同じ条件で、本発明のマイクロスフェアと比較した。試験例1マイクロスフェア形態の観察 マイクロスフェアの表面を観察するために、マイクロスフェア約10mgをアルミニウムのスタブ(stub)に固定し、真空度0.1torrおよび高電圧(10kV)下で3分間、パラジウムでコーティングした。白金で被覆されたマイクロスフェアを、走査電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800 FE-SEM)にインストールし、イメージ分析プログラムを用いて、マイクロスフェアの表面を観察した。 結果を図1に示す。その結果から、共溶媒を用いることにより、表面の多孔性が相対的に減少していることが分かる。試験例2マイクロスフェアのゴセレリン封入率 マイクロスフェア約100mgをジメチルホルムアミド(メルク社製 )25mL中に完全に溶解し、0.45μmのシリンジフィルタでろ過した。マイクロスフェア内に封入されているゴセレリンの含量を、次の条件でHPLCにより測定した。カラム:YMC C18 ODS 5μm、4.6×50mm注入量:10μL検出波長:280nm移動相:リン酸緩衝生理食塩液(pH3.0) 結果を表3に示す。その結果から、当初の添加量に基づいて約90%以上のゴセレリンがマイクロスフェア中に十分に封入されていることが分かる。試験例3マイクロスフェアのインビトロ長期溶出試験 マイクロスフェア約50mgを50mL試験管に入れた後、これに50mLのリン酸緩衝生理食塩液(pH7.4)を加え、39℃で培養した。1、3、7、14、21および28日目に上澄液を採取し、マイクロスフェアから溶出するゴセレリンの量をHPLCにより測定した。その測定結果を表4および図2に示す。 その測定結果から、共溶媒を添加したマイクロスフェアの初期溶出率が、共溶媒を添加しないマイクロスフェアの溶出率の半分以下に低下していることが分かる。また、本発明のマイクロスフェアは、低い初期溶出率を有する比較例2のインプラント製剤と同程度に初期過多放出を抑制していることが分かる。試験例4マイクロスフェアのインビボ試験 製剤化されたゴセレリンを懸濁液1.5mLに希釈し、ゴセレリン(100μg/kg)を10匹のラットに皮下注射(S.C.)した。注射後、6時間、1、2、4、7、14、21および28日目に、血液試料約1.5mLを採取した。採取した血液を遠心分離して、上澄液から血漿を得た。血漿中のゴセレリンの濃度および性ホルモン濃度を、LC/MS/MSおよびテストステロンELISAキット(IBL)を用いて測定した。 その測定結果を図3および4に示す。その結果から、本発明により製造されたマイクロスフェアは、薬物を血中に持続的に放出し、かつホルモンの濃度も標準レベル以下に維持されていることが分かる。i)生理活性物質を水性溶媒に、生分解性高分子を非水性溶媒にそれぞれ溶解し、前記の水性溶媒、非水性溶媒、または水性溶媒と非水性溶媒の両方に界面活性剤をさらに溶解する;ii)上記の工程i)の水性溶液および非水性溶液を混合してエマルジョンを形成する;iii)上記の工程ii)で形成されたエマルジョンに共溶媒を加える;iv)上記の工程iii)のエマルジョンを水性溶媒に加えてマイクロスフェアを形成する;そしてv)有機溶媒を除去する工程を含む、徐放性マイクロスフェアの製造方法。共溶媒が、メタノール、エタノール、アセトン、イソプロパノール、クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸およびアセトニトリルからなる群から選択される一つ以上であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。共溶媒が、工程i)の水性溶媒および非水性溶媒100重量部に対して、1.0〜20重量部の量で添加される、請求項1に記載の方法。生理活性物質が、ゴセレリン、ロイプロリド、トリプトレリン、ブセレリン、オクトレオチドおよびセトロレリクスまたはそれらの塩から選択される1種である、請求項1に記載の方法。生理活性物質の含量が、マイクロスフェアの全重量に対して、1.0〜30重量%である、請求項4に記載の方法。生分解性高分子が、ポリラクチド、ポリグリコライド、ポリ(ラクチド−コ−グリコライド)およびポリ(ラクチド−コ−グリコライド)グルコースからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。生分解性高分子の固有粘度が、0.1〜0.7dL/gである、請求項6に記載の方法。生分解性高分子の含量が、マイクロスフェアの全重量に対して、70.0〜99.0重量%である、請求項6に記載の方法。界面活性剤が、ポリソルベート、スパン、ポロキサマー、ポリエチレングリコールおよびトコフェロールからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。界面活性剤が、工程i)の水性溶媒および非水性溶媒100重量部に対して、0.01〜5.0重量部の量で添加される、請求項1に記載の方法。請求項1〜10のいずれかに記載の方法により製造される徐放性マイクロスフェア。 本発明は、薬物の放出を長期間調節し得る徐放性マイクロスフェアの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、生分解性高分子を含む担体中に薬物が封入されたマイクロスフェアの製造において、生理活性物質の初期過多放出を抑制し、生理活性物質を体内で持続的かつ均一に放出するために、共溶媒の手段による溶媒交流蒸発法を用いる、徐放性マイクロスフェアの製造方法に関する。【選択図】 図1