タイトル: | 特許公報(B2)_ジアミン化合物、ポリアミド酸、ポリイミド及び液晶配向処理剤 |
出願番号: | 2011523647 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | C07D 233/61,C07D 241/12,C07D 239/42,C08G 73/10,G02F 1/1337 |
三木 徳俊 南 悟志 片山 雅章 JP 5729299 特許公報(B2) 20150417 2011523647 20100716 ジアミン化合物、ポリアミド酸、ポリイミド及び液晶配向処理剤 日産化学工業株式会社 000003986 泉名 謙治 100090918 小川 利春 100082887 山本 量三 100072774 三木 徳俊 南 悟志 片山 雅章 JP 2009170396 20090721 20150603 C07D 233/61 20060101AFI20150514BHJP C07D 241/12 20060101ALI20150514BHJP C07D 239/42 20060101ALI20150514BHJP C08G 73/10 20060101ALI20150514BHJP G02F 1/1337 20060101ALI20150514BHJP JPC07D233/61 102C07D241/12C07D239/42 ZC08G73/10G02F1/1337 525 C07D233 C07D239 C07D241 CAplus/REGISTRY(STN) 国際公開第2004/048462(WO,A1) 特開平10−104633(JP,A) 特開2009−157351(JP,A) 特許第5663876(JP,B1) 特開平09−316200(JP,A) 特開平08−076128(JP,A) 12 JP2010062109 20100716 WO2011010619 20110127 34 20130712 早乙女 智美 本発明は、液晶配向膜に使用する重合体の原料として有用である新規なジアミン化合物、それを用いて得られるポリアミド酸及びポリイミド、並びに液晶配向処理剤に関する。さらには、前記液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜を有する液晶表示素子に関する。 現在、液晶表示素子の液晶配向膜としては、ポリアミド酸などのポリイミド前駆体や可溶性ポリイミドの溶液を主成分とする液晶配向処理剤(液晶配向剤とも云う)をガラス基板等に塗布し焼成した、いわゆるポリイミド系の液晶配向膜が主として用いられている。 液晶配向膜は、液晶の配向状態を制御する目的で使用されるものである。しかしながら、液晶表示素子の高精細化に伴い、液晶表示素子のコントラスト低下の抑制や残像現象の低減といった要求から、使用される液晶配向膜においても電圧保持率が高いことや、直流電圧を印加した際の残留電荷が少ない、及び/又は直流電圧により蓄積した残留電荷の緩和が早いといった特性が次第に重要となっていた。 ポリイミド系の液晶配向膜において、直流電圧によって発生した残像が消えるまでの時間が短いものとして、ポリアミド酸やイミド基含有ポリアミド酸に加えて特定構造の3級アミンを含有する液晶配向剤を使用したもの(例えば特許文献1参照)や、ピリジン骨格などを有する特定ジアミン化合物を原料に使用した可溶性ポリイミドを含有する液晶配向剤を使用したもの(例えば特許文献2参照)などが知られている。また、電圧保持率が高く、かつ直流電圧によって発生した残像が消えるまでの時間が短いものとして、ポリアミド酸やそのイミド化重合体などに加えて分子内に1個のカルボン酸基を含有する化合物、分子内に1個のカルボン酸無水物基を含有する化合物及び分子内に1個の3級アミン基を含有する化合物から選ばれる化合物を極少量含有する液晶配向剤を使用したもの(例えば特許文献3参照)が知られている。 しかしながら、近年では大画面で高精細の液晶テレビが広く実用化されており、このような用途における液晶表示素子では、それまでの文字や静止画を主として表示するディスプレイ用途と比較して、残像に対する要求はより厳しくなり、かつ過酷な使用環境での長期使用に耐えうる特性が要求されている。従って、使用される液晶配向膜は従来よりも信頼性の高いものが必要となってきており、液晶配向膜の電気特性に関しても、初期特性が良好なだけでなく、例えば、高温下に長時間曝された後であっても、良好な特性を維持することが求められている。特開平9−316200号公報特開平10−104633号公報特開平8−76128号公報 本発明の目的は、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜を得ることができる液晶配向処理剤を形成するポリアミド酸及び/又はポリイミド(以下、重合体ともいう)の原料として使用可能なジアミン化合物を提供することにある。 さらに、本発明の目的は、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜を得ることができる液晶配向処理剤、及び過酷な使用環境での長期使用に耐えうる信頼性の高い液晶表示素子を提供することにある。 本発明者は、上記の目的を達成するべく鋭意研究を進めたところ、特定の新規な構造を有するジアミン化合物を見出し、該ジアミン化合物を用いて得られる重合体を含む液晶配向処理剤が上記の目的を達成することを見出した。本発明はかかる知見に基づくもので、以下の要旨を有する。(1)下記式[1]のジアミン化合物。(式中、X1は−CO−、−CONH−を表し、X2は炭素数1〜5のアルキレン基、又は窒素原子を含有する非芳香族複素環を表し、X3は炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよい、窒素原子を2つ含有する5員環又は6員環の芳香族複素環を表す。)(2)前記芳香族複素環が、イミダゾール環、ピラジン環、又はピリミジン環である上記(1)に記載のジアミン化合物。(3)前記窒素原子を含有する非芳香族複素環が、ピペラジン環である上記(1)又は(2)に記載のジアミン化合物。(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のジアミン化合物を含むジアミン成分と、テトラカルボン酸二無水物成分とを反応させて得られるポリアミド酸又は該ポリアミド酸をイミド化したポリイミド。(5)前記ジアミン成分中に、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のジアミン化合物が1〜80モル%含まれる上記(4)に記載のポリアミド酸又は該ポリアミド酸をイミド化したポリイミド。(6)前記ジアミン成分中に、分子内にカルボキシル基を含有するジアミン化合物が含まれる上記(4)に記載のポリアミド酸又は該ポリアミド酸をイミド化したポリイミド。(7)前記ジアミン成分中に、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のジアミンの1モルに対して、分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物が、0.01〜99モル含まれる上記(6)に記載のポリアミド酸又は該ポリアミド酸をイミド化したポリイミド。(8)前記分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物が、下記の式[2]で表されるジアミンである上記(6)又は(7)に記載のポリアミド酸又は該ポリアミド酸をイミド化したポリイミド。(式[2]中、X5は炭素数6〜30の芳香族環を有する有機基であり、nは1〜4の整数である。)(9)上記(4)〜(8)のいずれかに記載のポリアミド酸及び該ポリアミド酸をイミド化したポリイミド(但し、前記ポリアミド酸を合成するのに用いる上記式[1]のジアミンは、X2が窒素原子を2つ有する5員環又は6員環の芳香族複素環の窒素原子と隣り合わない炭素原子に結合している場合を除く)のうち少なくとも一方と、溶媒とを含有する液晶配向処理剤。(10)前記溶媒中の5〜80質量%が貧溶媒である上記(9)に記載の液晶配向処理剤。(11)上記(9)又は(10)に記載の液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜。(12)上記(11)に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。 本発明のジアミン化合物は、窒素原子を2つ含有する5員環又は6員環の芳香族複素環を含む特定構造を側鎖に含む新規なジアミン(以下、特定ジアミン化合物と称することもある)であり、比較的簡便な方法で得ることができる。該特定ジアミン化合物における窒素原子を2つ含有する5員環又は6員環の芳香族複素環は、その共役構造により電子のホッピングサイトとして機能するので、特定ジアミン化合物を使用したポリアミド酸及び/又は該ポリアミド酸をイミド化したポリイミド重合体から得られる液晶配向膜は、液晶配向膜中の電荷の移動を促進させることができ、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が速いという特性を有することができる。 かくして、本発明の本発明のジアミン化合物を使用したポリアミド酸及び/又はポリイミド重合体を含む液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜を有する液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビ等に好適に使用できる。 <特定ジアミン化合物> 本発明の特定ジアミン化合物は、下記の式[1]で表される。 式中、X1は−CO−又は−CONH−を表し、X2は炭素数1〜5のアルキレン基、又は窒素原子を含有する非芳香族複素環を表し、X3は炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよい、窒素原子を2つ含有する5員環又は6員環の芳香族複素環を表す。 式[1]における二つのアミノ基(−NH2)の結合位置は限定されない。具体的には、側鎖の結合基(X1)に対して、ベンゼン環上の2,3の位置、2,4の位置、2,5の位置、2,6の位置、3,4の位置、3,5の位置が挙げられる。これらのなかでも、ポリアミド酸を合成する際の反応性の観点、及びジアミン化合物を合成する際の容易性も加味すると、二つのアミノ基の結合位置が2,4の位置、2,5の位置、3,5の位置が特に好ましい。 式[1]中、X1は−CO−又は−CONH−である。 式[1]中、X2は炭素数1〜5のアルキレン基、又は窒素原子を含有する非芳香族複素環である。 X2が炭素数1〜5のアルキレン基である場合は、該アルキレン基は直鎖状でもよいし、分岐していてもよい。特に、アルキレン基の炭素数は1〜3が好ましい。 また、X2が窒素原子を含有する非芳香族複素環である場合は、例としては、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラゾリジン環、キヌクリジン環、イミダゾリジン環が挙げられる。特に、非芳香族複素環が5員環又は6員環のものは、液晶配向膜とした場合に良好な配向性が得られるので好ましい。また、非芳香族複素環が窒素原子を2つ含有する場合は、液晶表示素子とした場合に、液晶配向膜界面において液晶中のイオン性不純物を吸着し、液晶表示素子の良好な電気特性を保つので望ましい。以上の観点より、窒素原子を含有する非芳香族複素環としては、ピペラジン環がとりわけ好ましい。 X2は、X3中の窒素原子又は前記窒素原子に隣接する原子、好ましくは炭素原子と結合していると、液晶表示素子において直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和を早くする効果を奏し易いため好ましい。 式[1]中、X3は炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよい、窒素原子を2つ含有する5員環又は6員環の芳香族複素環である。窒素原子を2つ含有する5員環又は6員環の芳香族複素環の例としては、イミダゾール環、ピラゾール環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環が挙げられるが、なかでも、イミダゾール環、ピラジン環、またはピリミジン環が好ましい。X3における芳香族複素環がアルキル基で置換されている場合、そのアルキル基の炭素数は1〜3が好ましい。 上記式[1]におけるX1、X2、及びX3の好ましい具体的組み合わせは、下記の表1及び表2に示す通りである。<特定ジアミン化合物の合成方法> 本発明の式[1]で表される特定ジアミン化合物を製造する方法は特に限定されないが、好ましい方法としては以下の方法が挙げられる。 本発明の特定ジアミン化合物は、式[3]で表されるジニトロ化合物を合成し、さらにジニトロ化合物の有するニトロ基を還元してアミノ基に変換することで得られる。ジニトロ化合物を還元する方法には、特に制限はなく、通常、パラジウム-炭素、酸化白金、ラネーニッケル、白金黒、ロジウム-アルミナ、硫化白金炭素などを触媒として用い、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アルコール系などの溶媒中、水素ガス、ヒドラジン、塩化水素などによって行う方法がある。式[3]中のX1、X2、及びX3は、式[1]の定義と同義である。 式[3]で表されるジニトロ化合物は、ジニトロベンゼンに対してX1を介して−X2−X3を結合させる方法などで得ることができ、例えば、X1がアミド結合(−CONH−)の場合には、ジニトロベンゼン酸クロリドと、X2及びX3を含むアミノ化合物とをアルカリ存在下で反応させる方法が挙げられる。また、X1が逆アミド結合(−HNCO−)の場合には、アミノ基含有ニトロベンゼンと、X2及びX3を含む酸クロリドとをアルカリ存在下で反応させる方法が挙げられる。 上記のジニトロベンゼン酸クロリドとしては、3,5−ジニトロ安息香酸クロリド、3,5−ジニトロ安息香酸、2,4−ジニトロ安息香酸クロリド、3,5−ジニトロベンジルクロリド、2,4−ジニトロベンジルクロリド、また、アミノ基含有ニトロベンゼンとしては、2,4−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリンなどが挙げられる。原料の入手性、反応の点を考慮して、一種又は複数種を選択して用いることができる。<重合体> 本発明の重合体は、特定ジアミン化合物を含有するジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物との反応によって得られるポリアミド酸及びこのポリアミド酸を脱水閉環させて得られるポリイミドである。これらのポリアミド酸及びポリイミドのいずれもが、液晶配向膜を得るための重合体として有用である。 本発明の重合体を用いて得られる液晶配向膜は、上記ジアミン成分における特定ジアミン化合物の含有割合が多くなるほど、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早くなる。 上記した特性を高める目的では、ジアミン成分の1モル%以上が特定ジアミン化合物であることが好ましい。更には、ジアミン成分の5モル%以上が特定ジアミン化合物であることが好ましく、より好ましくは10モル%以上である。 ジアミン成分の100モル%が特定ジアミン化合物であってもよいが、液晶配向処理剤を塗布する際の均一塗布性の観点から、特定ジアミン化合物はジアミン成分の80モル%以下が好ましく、より好ましくは40モル%以下である。<分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物> 本発明において、ジアミン成分として、特定ジアミン化合物とともに、分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物を使用した場合には、上記特定ジアミン化合物の有する窒素原子を2つ有する芳香族複素環が、分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物の有するカルボキシル基と、塩形成や水素結合といった静電的相互作用で結ばれることにより、カルボキシル基と窒素含有芳香族複素環との間で電荷の移動が起こる。そのため、窒素含有芳香族複素環部位に移動した電荷は、効率的に共重合体の分子内、分子間を移動でき、その結果、この場合に得られる液晶配向処理剤は、液晶配向膜にした際、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和さらに速いという効果を奏する。 分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物は、その具体的構造について特に限定されないが、式[2]で表される化合物が好ましい 式[2]中、X5は炭素数6〜30の芳香族環を有する有機基であり、nは1〜4の整数である。 式[2]を具体的に示すとすれば、下記の式[3]〜[7]の構造が挙げられる。 式[3]中、m1は1〜4の整数であり、式[4]中、X6は単結合、−CH2−、−C2H4−、−C(CH3)2−、−CF2−、−C(CF3)2−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH3)−、−CONH−、−NHCO−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−CON(CH3)−、又は−N(CH3)CO−であり、m2及びm3はそれぞれ0〜4の整数であり、かつm2+m3は1〜4の整数を示し、式[5]中、m4及びm5はそれぞれ1〜5の整数であり、式[6]中、X7は炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキル基であり、m6は1〜5の整数であり、式[7]中、X8は単結合、−CH2−、−C2H4−、−C(CH3)2−、−CF2−、−C(CF3)2−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH3)−、−CONH−、−NHCO−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−CON(CH3)−、又は−N(CH3)CO−であり、m7は1〜4の整数を示す。 式[3]〜式[7]の構造において、好ましくは、式[3]中、m1が1〜2の整数である構造、式[4]中、X6が単結合、−CH2−、−C2H4−、−C(CH3)2−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH3)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、又は−OCO−であり、m2及びm3は共に1の整数である構造、式[7]中、X8は単結合、−CH2−、−O−、−CO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、又は−OCO−であり、m7は1〜2の整数である構造である。 式[3]〜式[7]で表されるジアミン化合物の具体例として、下記の式[8]〜式[18]の化合物を挙げることができる。 式[17]中、X9は単結合、−CH2−、−O−、−CO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、又は−OCO−であり、式[18]中、X10は単結合、−CH2−、−O−、−CO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、又は−OCO−である。[その他のジアミン化合物] 本発明においては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、特定ジアミン化合物、及び上記分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物に加えて、その他のジアミン化合物を、ジアミン成分として併用することができる。その具体例を以下に挙げる。 p−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノベンジルアルコール、2,4−ジアミノベンジルアルコール、4,6−ジアミノレゾルシノール、4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジヒドロキシ−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ビフェニル、3,3'−トリフルオロメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、3,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジアミノビフェニル、2,2'−ジアミノビフェニル、2,3'−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,2'−ジアミノジフェニルメタン、2,3'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、2,2'−ジアミノジフェニルエーテル、2,3'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−スルホニルジアニリン、3,3'−スルホニルジアニリン、ビス(4−アミノフェニル)シラン、ビス(3−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(4−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(3−アミノフェニル)シラン、4,4'−チオジアニリン、3,3'−チオジアニリン、4,4'−ジアミノジフェニルアミン、3,3'−ジアミノジフェニルアミン、3,4'−ジアミノジフェニルアミン、2,2'−ジアミノジフェニルアミン、2,3'−ジアミノジフェニルアミン、N−メチル(4,4'−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,3'−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,4'−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,2'−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,3'−ジアミノジフェニル)アミン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4'−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ジアミノナフタレン、2,2'−ジアミノベンゾフェノン、2,3'−ジアミノベンゾフェノン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,5−ジアミノナフタレン、2,6ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,8−ジアミノナフタレン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、1,2−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(4アミノフェニル)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、1,4−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、4,4'−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4'−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4'−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3'−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3'−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、1,4−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,4−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、ビス(4−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(3−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(4−アミノフェニル)イソフタレート、ビス(3−アミノフェニル)イソフタレート、N,N'−(1,4−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N'−(1,3−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N'−(1,4−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N'−(1,3−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N'−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N'−ビス(3−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N'−ビス(4−アミノフェニル)イソフタルアミド、N,N'−ビス(3−アミノフェニル)イソフタルアミド、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2'−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2'−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2'−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2'−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2'−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2'−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2'−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2'−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,5−ビス(3−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(4−アミノフェノキシ)へキサン、1,6−ビス(3−アミノフェノキシ)へキサン、1,7−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,7−(3−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタン、1,8−ビス(3−アミノフェノキシ)オクタン、1,9−ビス(4−アミノフェノキシ)ノナン、1,9−ビス(3−アミノフェノキシ)ノナン、1,10−(4−アミノフェノキシ)デカン、1,10−(3−アミノフェノキシ)デカン、1,11−(4−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,11−(3−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,12−(4−アミノフェノキシ)ドデカン、1,12−(3−アミノフェノキシ)ドデカン。ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカンなどが挙げられる。 また、ジアミン側鎖として、アルキル基、フッ素含有アルキル基、芳香環、脂肪族環、複素環、及びそれらからなる環状置換基を有するジアミン化合物を挙げることができる。該ジアミン化合物の具体例としては、下記の式[DA1]〜式[DA26]で表されるジアミン化合物を挙げることができる。 式[DA1]〜式[DA5]中、R1は、炭素数1以上22以下のアルキル基又はフッ素含有アルキル基である。 式[DA6]〜式[DA9]中、R2は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CH2−、−O−、−CO−、又は−NH−を示し、R3は炭素数1以上22以下のアルキル基又はフッ素含有アルキル基を示す。 式[DA10]及び式[DA11]中、R4は、−O−、−OCH2−、−CH2O−、−COOCH2−、又は−CH2OCO−を示し、R5は炭素数1以上22以下のアルキル基、アルコキシ基、フッ素含有アルキル基又はフッ素含有アルコキシ基である。 式[DA12]〜式[DA14]中、R6は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−COOCH2−、−CH2OCO−、−CH2O−、−OCH2−、又は−CH2−を示し、R7は炭素数1以上22以下のアルキル基、アルコキシ基、フッ素含有アルキル基又はフッ素含有アルコキシ基である。 式[DA15]及び式[DA16]中、R8は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−COOCH2−、−CH2OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2−、−O−、又は−NH−を示し、R9はフッ素基、シアノ基、トリフルオロメタン基、ニトロ基、アゾ基、ホルミル基、アセチル基、アセトキシ基、又は水酸基である。 加えて、下記の式[DA27]で示されるジアミノシロキサンなども挙げられる。(式[DA27]中、mは、1〜10の整数である。) その他のジアミン化合物は、液晶配向膜とした際の液晶配向性、電圧保持特性、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類又は2種類以上を混合して使用することもできる。<テトラカルボン酸二無水物> 本発明のポリアミド酸を得るためにジアミン成分と反応させるテトラカルボン酸二無水物は特に限定されない。その好ましい具体例を以下に挙げる。 ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジフェニル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロヘプタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1−シクロへキシルコハク酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[4,3,0]ノナン−2,4,7,9−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[4,4,0]デカン−2,4,7,9−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[4,4,0]デカン−2,4,8,10−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[6.3.0.0<2,6>]ウンデカン−3,5,9,11−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドリナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロへキサン−1,2−ジカルボン酸二無水物、テトラシクロ[6,2,1,1,0,2,7]ドデカ−4,5,9,10−テトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2:3,5:6ジカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。 テトラカルボン酸二無水物は、液晶配向膜にした際の液晶配向性、電圧保持特性、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類又は2種類以上併用することができる。 テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分との反応により、本発明のポリアミド酸を得るにあたっては、公知の合成手法を用いることができる。一般的にはテトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを有機溶媒中で反応させる方法である。テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分との反応は、有機溶媒中で比較的容易に進行し、かつ副生成物が発生しない点で有利である。 テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分との反応に用いる有機溶媒としては、生成したポリアミド酸が溶解するものであれば特に限定されない。その具体例を以下に挙げる。 N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、ジペンテン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、n−へキサン、n−ペンタン、n−オクタン、ジエチルエーテル、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライム、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどが挙げられる。これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。さらに、ポリアミド酸を溶解させない溶媒であっても、生成したポリアミド酸が析出しない範囲で、上記溶媒に混合して使用してもよい。 また、有機溶媒中の水分は重合反応を阻害し、さらには生成したポリアミド酸を加水分解させる原因となるので、有機溶媒はなるべく脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。 テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを有機溶媒中で反応させる際には、ジアミン成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液を攪拌させ、テトラカルボン酸二無水物をそのまま、又は有機溶媒に分散あるいは溶解させて添加する方法、逆にテトラカルボン酸二無水物を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液にジアミン成分を添加する方法、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを交互に添加する方法などが挙げられ、これらのいずれの方法を用いてもよい。また、テトラカルボン酸二無水物又はジアミン成分が複数種の化合物からなる場合は、あらかじめ混合した状態で反応させてもよく、個別に順次反応させてもよく、さらに個別に反応させた低分子量体を混合反応させ高分子量体としてもよい。 その際の重合温度は−20℃〜150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは−5℃〜100℃の範囲である。また、反応は任意の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液の粘性が高くなり過ぎて均一な攪拌が困難となるので、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分の反応溶液中での合計濃度が、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%である。反応初期は高濃度で行い、その後、有機溶媒を追加することができる。 ポリアミド酸の重合反応においては、テトラカルボン酸二無水物の合計モル数と、ジアミン成分の合計モル数の比は0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重合反応と同様に、このモル比が1.0に近いほど生成するポリアミド酸の分子量は大きくなる。 本発明のポリイミドは、前記のポリアミド酸を脱水閉環させて得られるポリイミドであり、液晶配向膜を得るための重合体として有用である。 本発明のポリイミドにおいて、アミド酸基の脱水閉環率(イミド化率)は、必ずしも100%である必要はなく、用途や目的に応じて任意に調整することができる。 ポリアミド酸をイミド化させる方法としては、ポリアミド酸の溶液をそのまま加熱する熱イミド化、ポリアミド酸の溶液に触媒を添加する触媒イミド化が挙げられる。 ポリアミド酸を溶液中で熱イミド化させる場合の温度は、100℃〜400℃、好ましくは120℃〜250℃であり、イミド化反応により生成する水を系外に除きながら行う方が好ましい。 ポリアミド酸の触媒イミド化は、ポリアミド酸の溶液に、塩基性触媒と酸無水物とを添加し、−20℃〜250℃、好ましくは0℃〜180℃で攪拌することにより行うことができる。塩基性触媒の量はアミド酸基の0.5〜30モル倍、好ましくは2〜20モル倍であり、酸無水物の量はアミド酸基の1〜50モル倍、好ましくは3〜30モル倍である。塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミンなどを挙げることができ、なかでもピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。酸無水物としては、無水酢酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などを挙げることができ、なかでも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量と反応温度、反応時間を調節することにより制御することができる。 ポリアミド酸又はポリイミドの反応溶液から、生成したポリアミド酸又はポリイミドを回収する場合には、反応溶液を貧溶媒に投入して沈殿させればよい。沈殿に用いる貧溶媒としてはメタノール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、トルエン、ベンゼン、水などを挙げることができる。貧溶媒に投入して沈殿させたポリマーは濾過して回収した後、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収した重合体を、有機溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2〜10回繰り返すと、重合体中の不純物を少なくすることができる。この際の貧溶媒として、例えば、アルコール類、ケトン類、炭化水素などが挙げられ、これらの内から選ばれる3種類以上の貧溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。 本発明の液晶配向処理剤に含有されるポリアミド酸及びポリイミドの分子量は、そこから得られる塗膜の強度及び、塗膜形成時の作業性、塗膜の均一性を考慮した場合、GPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定した重量平均分子量で5,000〜1,000,000とするのが好ましく、より好ましくは、10,000〜150,000である。<液晶配向処理剤> 本発明の液晶配向処理剤は、液晶配向膜を形成するための塗布液であり、高分子被膜を形成するための高分子成分が溶媒中に溶解した溶液である。ここで、前記の高分子成分には、上記した本発明の重合体の少なくとも一種の重合体が含まれる。その際、高分子成分の含有量は、液晶配向処理剤中、1質量%〜20質量%が好ましく、より好ましくは3質量%〜15質量%、特に好ましくは3〜10質量%である。 本発明において、前記の高分子成分は全てが本発明の重合体であってもよく、本発明の効果を損なわない限りにおいて他の重合体を含有してもよい。高分子成分が他の重合体を含有する場合、その含有量は本発明の重合体の1質量部に対して、0.05〜4質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量部である。 上記他の重合体は、例えば、テトラカルボン酸ニ無水物成分と反応させるジアミン成分としては、上記特定ジアミン化合物以外のジアミン化合物を使用して得られるポリアミド酸又は該ポリアミド酸をイミド化したポリイミドなどが挙げられる。 本発明の液晶配向処理剤に用いる溶媒は、高分子成分を溶解させる有機溶媒が好ましく、その具体例を以下に挙げる。 N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、2−ピロリドン、N−エチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジグライム、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどが挙げられる。これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。 本発明の液晶配向処理剤は、上記以外の成分を含有してもよい。その例としては、液晶配向処理剤を塗布した際の膜厚均一性や表面平滑性を向上させる溶媒や化合物、液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物などである。 膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる溶媒としては、液晶配向処理剤中の高分子成分に対する溶解性が小さい貧溶媒が挙げられる。貧溶媒の具体例としては次のものが挙げられる。 例えば、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、1−ヘキサノール、n−へキサン、n−ペンタン、n−オクタン、ジエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルなどの低表面張力を有する溶媒などが挙げられる。 これらの貧溶媒は1種類でも複数種類を混合して用いてもよい。上記のような貧溶媒を用いる場合は、貧溶媒は、液晶配向処理剤に含まれる溶媒全体の5〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜60質量%である。 膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノ二オン系界面活性剤などが挙げられる。 より具体的には、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(トーケムプロダクツ社製))、メガファックF171、F173、R−30(大日本インキ社製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子社製)などが挙げられる。これらの界面活性剤の使用割合は、液晶配向処理剤に含有される高分子成分の100質量部に対して、好ましくは0.01〜2質量部、より好ましくは0.01〜1質量部である。 液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物の具体例としては、次に示す官能性シラン含有化合物やエポキシ基含有化合物などが挙げられる。 例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N',N',−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N',N',−テトラグリシジル−4、4'−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。 基板との密着性を向上させる化合物を使用する場合、その使用量は、液晶配向処理剤に含有される高分子成分の100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜20質量部である。使用量が0.1質量部未満であると密着性向上の効果は期待できず、30質量部よりも多くなると液晶の配向性が悪くなる場合がある。 本発明の液晶配向処理剤には、上記の他、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、液晶配向膜の誘電率や導電性などの電気特性を変化させる目的で、誘電体や導電物質、さらには、液晶配向膜にした際の膜の硬度や緻密度を高める目的の架橋性化合物を添加してもよい。<液晶配向膜・液晶表示素子> 本発明の液晶配向処理剤は、基板上に塗布、焼成した後、ラビング処理や光照射などで配向処理をして、又は垂直配向用途などでは配向処理無しで液晶配向膜として用いることができる。この際、用いる基板としては透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、若しくはアクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板などを用いることができる。また、液晶駆動のためのITO電極などが形成された基板を用いることがプロセスの簡素化の観点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では片側の基板のみにならばシリコンウエハー等の不透明な物でも使用でき、この場合の電極はアルミ等の光を反射する材料も使用できる。 液晶配向処理剤の塗布方法は特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェットなどで行う方法が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ、ロールコーター、スリットコーター、スピンナーなどがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。 液晶配向処理剤を基板上に塗布した後の焼成は、ホットプレートなどの加熱手段により50℃〜300℃、好ましくは80℃〜250℃で行い、溶媒を蒸発させて、塗膜を形成させることができる。焼成後に形成される塗膜の厚みは、厚すぎると液晶表示素子の消費電力の面で不利となり、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、好ましくは5〜300nm、より好ましくは10〜100nmである。液晶を水平配向や傾斜配向させる場合は、焼成後の塗膜をラビング又は偏光紫外線照射などで処理する。 本発明の液晶表示素子は、上記した手法により本発明の液晶配向処理剤から液晶配向膜付き基板を得た後、公知の方法で液晶セルを作製し、液晶表示素子としたものである。 液晶セル作製の一例を挙げると、液晶配向膜の形成された1対の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサーを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、又は、スペーサーを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に基板を貼り合わせて封止を行う方法などが例示できる。このときのスペーサーの厚みは、好ましくは1〜30μm、より好ましくは2〜10μmである。 以上のようにして、本発明の液晶配向処理剤を用いて作製された液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用できる。 以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明の解釈はこれらの実施例に限定されるものではない。[ジアミン化合物の合成]<実施例1> ジアミン化合物(4)の合成 化合物(2)(57.00g,455mmol)、及びトリエチルアミン(46.08g,455mmol)のテトラヒドロフラン(1000g)溶液を10℃以下に冷却し、化合物(1)(100.00g,434mmol)のテトラヒドロフラン(500g)溶液を発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、反応温度を23℃に上げ、さらに反応を行った。HPLC(高速液体クロマトグラフ)にて反応の終了を確認後、蒸留水(9L)中に反応液を注いだ後、析出した固体をろ過、水洗後、2−プロパノール(200g)で分散洗浄し、化合物(3)を得た(得量:120.6g,得率:89%)。 1H-NMR(1H核磁気共鳴分光)(400MHz,DMSO-d6,δ(ppm)):9.21(1H,t),9.05(2H,d),8.97(1H,t),7.66(1H,s),7.22(1H,s),6.90(1H,s),4.05(2H,t),3.31(2H,q),2.01(2H,tt). 次いで、化合物(3)(100.00g,313mmol)、5%パラジウムカーボン(含水型,10.00g,10wt%)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2000g)の混合物を、水素存在下にて、23℃で攪拌した。反応終了後、窒素置換した後、活性炭(10.00g)を加え、23℃で1時間撹拌した。その後、触媒及び活性炭をろ過により除き、ろ液を留去し、粗結晶を得た。この粗結晶に2−プロパノール(300g)を加え、23℃で30分撹拌した。ろ過、乾燥を行い、ジアミン化合物(4)を得た(得量:76.3g,得率:94%)。 1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δ(ppm)):8.05(1H,t),7.62(1H,t), 7.16(1H,t),6.85(1H,t),6.16(2H,d),5.89(1H,t),4.82(4H,broad), 3.94(2H,t),3.43(2H,q),1.85(2H,tt).<実施例2> ジアミン化合物(7)の合成 化合物(5)(24.00g,195mmol)、及びトリエチルアミン(19.72g,195mmol)のテトラヒドロフラン(500g)溶液を10℃以下に冷却し、化合物(1)(42.80g、186mmol)のテトラヒドロフラン(142g)溶液を発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、反応温度を23℃に上げ、さらに反応を行った。HPLCにて反応の終了を確認後、蒸留水(3.9L)中に反応液を注いだ後、析出した固体をろ過、水洗後、2−プロパノール(240g)で分散洗浄し、化合物(6)を得た(得量:51.3g,得率:87%)。 1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δ(ppm)):9.87(1H,broad),9.10(2H,d), 8.97(1H,t),8.57(1H,d),8.50(1H,t),4.65(2H,s),2.84(3H,s). 次いで、化合物(6)(45.00g,142mmol)、5%パラジウムカーボン(含水品,4.5g,10wt%)、及び1,4−ジオキサン(675g)/DMF(200g)の混合物を、水素存在下にて、70℃で攪拌した。反応終了後、窒素置換した後、活性炭(4.5g)を加え、70℃で1時間撹拌した。その後、触媒及び活性炭をろ過により除き、ろ液を留去し、粗結晶を得た。得られた粗物を2−プロパノール(100g)で分散洗浄することにより、ジアミン化合物(7)を得た(得量:33.7g,得率:92%)。 1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):8.60(1H,t),8.42(1H,m), 8.38(1H,d),6.22(2H,d),5.92(1H,t),4.84(4H,s),4.43(2H,d), 2.43(3H,s). <実施例3> ジアミン化合物(10)の合成 化合物(8)(24.00g,146mmol)、及びトリエチルアミン(14.79g,146mmol)のテトラヒドロフラン(332g)溶液を10℃以下に冷却し、化合物(1)(32.10g、139mmol)のテトラヒドロフラン(100g)溶液を発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、反応温度を23℃に上げ、さらに反応を行った。HPLCにて反応の終了を確認後、蒸留水(3.9L)中に反応液を注いだ後、析出した固体をろ過、水洗後、2−プロパノール(200g)で分散洗浄し、化合物(9)を得た(得量:47.6g,得率:95%)。 1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δ(ppm)):8.88(1H,t),8.70(2H,d),8.40(2H,t),6.68(1H,t),3.9(2H,broad),3.75(4H,broad),3.42(2H,broad). 次いで、化合物(9)(40.00g,112mmol)、5%パラジウムカーボン(含水品、4.0g,10wt%)、及びDMF(800g)の混合物を、水素存在下にて、70℃で攪拌した。反応終了後、触媒をセライトにてろ過した後、エバポレーターにて溶媒を留去し、粗物を得た。得られた粗物を2−プロパノール(12g)で分散洗浄し、ジアミン化合物(10)を得た(得量:1.7g,得率:68%)。 1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δ(ppm)):8.35(2H,d),6.63(1H,t),5.82(1H,t),5.75(2H,d),4.86(4H,s),3.70(4H,broad),3.49(4H,broad).<合成例1> ジアミン化合物(13)の合成 化合物(11)(15.22g,142mmol)、及びトリエチルアミン(15.09g,149mmol)のテトラヒドロフラン(150g)溶液を10℃以下に冷却し、化合物(1)(31.1g,135mmol)のテトラヒドロフラン(50g)溶液を発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、反応温度を23℃に上げ、さらに反応を行った。HPLCにて反応の終了を確認後、蒸留水(1L)中に反応液を注いだ後、析出した固体をろ過し、水洗した。その後、固体をエタノール(300g)で分散洗浄し、化合物(12)を得た(得量:36.92g,得率:90%)。 1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δ(ppm)):9.75(1H,broad),9.10(2H,s), 8.97-8.92(1H,m),7.40-7.22(5H,m),4.59-4.52(2H,m). 次いで、化合物(12)(36.00g,119mmol)、5%パラジウムカーボン(含水型,3.6g,10wt%)、及び1,4−ジオキサン(300g)の混合物を、水素存在下にて、60℃で攪拌した。反応終了後、触媒をセライトにてろ過した後、エバポレーターにて溶媒を留去し、粗物を得た。得られた粗物をメタノール(200g)で再結晶し、ジアミン化合物(13)を得た(得量:21.5g,得率:72%)。 1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δ(ppm)):8.55(1H,broad),7.34-7.17(5H,m),6.28(2H,s),6.98-6.94(1H,m),4.85-4.74(4H,broad),4.42-4.35(2H,m).<合成例2> ジアミン化合物(16)の合成 化合物(14)(23.45g,190mmol)、及びトリエチルアミン(19.23g,277mmol)のテトラヒドロフラン(230g)溶液を10℃以下に冷却し、化合物(1)(41.68g,180mmol)のテトラヒドロフラン(110g)溶液を発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、反応温度を23℃に上げ、さらに反応を行った。HPLC(高速液体クロマトグラフ)にて反応の終了を確認後、蒸留水(1.5L)中に反応液を注いだ後、析出した固体をろ過し、水洗した。その後、固体をエタノール(380g)で分散洗浄し、化合物(15)を得た(得量:50.82g,得率:89%)。 1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δ(ppm)):9.76(1H,t),9.09-9.02(2H,m), 8.99-8.93(1H,m),8.50(1H,broad),7.64-7.60(1H,m),7.36-7.32(1H,m),7.20-7.14(1H,m),4.57(2H,s),3.35(2H,s). 次いで、化合物(15)(48.00g,151mmol)、5%パラジウムカーボン(含水型,4.8g,10wt%)、及び1,4−ジオキサン(490g)の混合物を、水素存在下にて、60℃で攪拌した。反応終了後、触媒をセライトにてろ過した後、エバポレーターにて溶媒を留去し、粗物を得た。得られた粗物をエタノール(300g)で分散洗浄し、ジアミン化合物(16)を得た(得量:27.20g,得率:70%)。 1H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δ(ppm)):8.64(1H,t),8.50(1H,d), 8.44(1H,d),7.67(1H,d),7.34(1H,q),6.23(2H,d),5.94(1H,s), 4.87(4H,s),4.39(2H,d).[ポリアミド酸及びポリイミドの合成] 以下に使用したテトラカルボン酸二無水物などの化合物の略号を示した。(テトラカルボン酸二無水物) CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物 BODA:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物(ジアミン化合物)DBA:3,5−ジアミノ安息香酸 p−PDA:p−フェニレンジアミン AP18::1,3−ジアミノ−4−オクタデシルオキシベンゼン PCH7DAB:1,3−ジアミノ−4−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロへキシル)フェノキシ〕ベンゼン(有機溶媒) NMP:N−メチル−2−ピロリドン BCS:ブチルセロソルブ<ポリイミドの分子量測定> 合成例におけるポリイミドの分子量は、昭和電工社製 常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101)、Shodex社製カラム(KD−803、KD−805)を用い、以下のようにして測定した。 カラム温度:50℃ 溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L) 流速:1.0ml/分 検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量 約900,000、150,000、100,000、30,000)、及び、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(分子量 約12,000、4,000、1,000)。<イミド化率の測定> 合成例におけるポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。 ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(草野科学社製 NMRサンプリングチューブスタンダード φ5)に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6、0.05%TMS(テトラメチルシラン)混合品)0.53mlを添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液を日本電子データム社製NMR測定器(JNW−ECA500)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。 イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100 上記式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。<実施例4> BODA(3.24g,13.0mmol)、p−PDA(0.65g,6.01mmol)、PCH7DAB(3.30g,8.67mmol)、及び実施例1で得られたジアミン化合物(4)(0.68g,2.62mmol)をNMP(14.5g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.85g,4.34mmol)とNMP(11.9g)を加え、40℃で6時間反応させてポリアミド酸溶液(A)(濃度:24.8質量%)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は22,800、重量平均分子量は53,900であった。<実施例5> 実施例4で得たポリアミド酸溶液(A)(20.0g)にNMPを加え、ポリアミド酸の濃度を6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.65g)、及びピリジン(2.07g)を加え、80℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(B)を得た。このポリイミドのイミド化率は40%であり、数平均分子量は18,800、重量平均分子量は49,500であった。<実施例6> BODA(3.25g,13.0mmol)、DBA(0.52g,3.42mmol)、PCH7DAB(3.30g,8.67mmol)、及び実施例1で得られたジアミン化合物(4)(1.36g,5.24mmol)をNMP(15.5g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.85g,4.34mmol)とNMP(12.7g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液(C)(濃度:24.8質量%)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は24,100、重量平均分子量は55,500であった。<実施例7> 実施例6で得たポリアミド酸溶液(C)(20.1g)にNMPを加え、ポリアミド酸の濃度を6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.66g)、及びピリジン(2.07g)を加え、80℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(D)を得た。このポリイミドのイミド化率は40%であり、数平均分子量は19,900、重量平均分子量は51,500であった。<実施例8> BODA(3.15g,12.6mmol)、p−PDA(1.01g,9.34mmol)、AP18(1.25g,3.32mmol)、及び実施例2で得られたジアミン化合物(7)(1.10g,4.28mmol)をNMP(8.35g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.85g,4.34mmol)とNMP(6.83g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は21,500、重量平均分子量は52,400であった。 得られたポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加え、ポリアミド酸の濃度を6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.65g)、及びピリジン(2.07g)を加え、80℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(E)を得た。このポリイミドのイミド化率は40%であり、数平均分子量は18,100、重量平均分子量は48,700であった。<実施例9> BODA(3.22g,12.9mmol)、DBA(0.79g,5.19mmol)、PCH7DAB(3.22g,8.46mmol)、及び実施例2で得られたジアミン化合物(7)(0.92g,3.58mmol)をNMP(13.5g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.85g,4.34mmol)とNMP(11.0g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は23,700、重量平均分子量は54,000であった。 得られたポリアミド酸溶液(20.1g)にNMPを加え、ポリアミド酸の濃度を6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.65g)、及びピリジン(2.07g)を加え、80℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(F)を得た。このポリイミドのイミド化率は40%であり、数平均分子量は19,900、重量平均分子量は49,800であった。<実施例10> BODA(2.97g,11.9mmol)、p−PDA(0.70g,6.47mmol)、PCH7DAB(3.06g,8.04mmol)、及び実施例3で得られたジアミン化合物(10)(0.51g,1.71mmol)をNMP(12.6g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.85g,4.34mmol)とNMP(10.3g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液(G)(濃度:26.1質量%)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は21,200、重量平均分子量は52,100であった。<実施例11> 実施例10で得たポリアミド酸溶液(G)(20.0g)にNMPを加え、ポリアミド酸の濃度を6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.67g)、及びピリジン(2.05g)を加え、80℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(360ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(H)を得た。このポリイミドのイミド化率は40%であり、数平均分子量は18,100、重量平均分子量は48,500であった。<合成例3> BODA(3.22g,12.9mmol)、p−PDA(0.65g,6.00mmol)、PCH7DAB(3.26g,8.57mmol)、及び合成例1で得られたジアミン化合物(13)(0.62g,2.56mmol)をNMP(15.2g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.84g,4.28mmol)とNMP(11.1g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液(I)(濃度:24.6質量%)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は22,100、重量平均分子量は53,200であった。<合成例4> 合成例3で得たポリアミド酸溶液(I)(20.1g)にNMPを加え、ポリアミド酸の濃度を6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.68g)、及びピリジン(2.04g)を加え、80℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(J)を得た。このポリイミドのイミド化率は41%であり、数平均分子量は18,400、重量平均分子量は49,100であった。<合成例5> BODA(3.29g,13.2mmol)、p−PDA(0.67g,6.14mmol)、PCH7DAB(3.34g,8.77mmol)、及び合成例2で得られたジアミン化合物(16)(0.68g,2.79mmol)をNMP(15.0g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(0.86g,4.39mmol)とNMP(11.5g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液(K)(濃度:25.0質量%)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は22,600、重量平均分子量は54,900であった。<合成例6> 合成例5で得たポリアミド酸溶液(K)(20.0g)にNMPを加え、ポリアミド酸の濃度を6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.65g)、及びピリジン(2.08g)を加え、80℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(320ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(L)を得た。このポリイミドのイミド化率は40%であり、数平均分子量は18,900、重量平均分子量は49,200であった。 実施例4〜11、及び合成例3〜6(ポリアミド酸及びポリイミドの合成)の反応条件(各成分のmol)及びイミド化率を、まとめて表3と表4に示す。[液晶配向処理剤の調製・評価]<実施例12> 実施例4で得られたポリアミド酸溶液[A](10.0g)にNMP(10.2g)、及びBCS(20.0g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[1]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、高分子成分は均一に溶解していることが確認された。[液晶セルの作製] 上記で得た液晶配向処理剤[1]を3cm×4cm(縦×横)ITO電極付き基板のITO面にスピンコートし、80℃で5分間、210℃の熱風循環式オーブンで1時間焼成を行い、膜厚100nmのポリイミド塗膜を作製した。 この液晶配向膜付き基板を、ロール径120mm、レーヨン布のラビング装置にて、回転数300rpm、ロール進行速度20mm/sec、押し込み量0.3mmの条件にてラビング処理をし、液晶配向膜付き基板を得た。 この液晶配向膜付き基板を2枚用意し、その1枚の液晶配向膜面上に6μmのビーズスペーサーを散布した後、その上からシール剤を印刷した。用意したもう1枚の基板を、液晶配向膜面を内側にし、ラビング方向が逆向きになるようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−6608(メルク・ジャパン社製)を注入し、アンチパラレル配向のネマチック液晶セルを得た。[電圧保持率の評価] 上記で得られた液晶セルに、80℃の温度下で4Vの電圧を60μs印加し、16.67ms後及び1667ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率(%)として計算した。結果は、表5に示す。[残留電荷の緩和の評価] 電圧保持率測定後の液晶セルに、直流電圧10Vを30分印加し、1秒間短絡させた後、液晶セル内に発生している電位を1800秒間測定した。そして、50秒後及び1000秒後の残留電荷(V)を測定した。なお、測定には東陽テクニカ社製6254型液晶物性評価装置を用いた。結果は、表6に示す。[高温放置後の評価] 残留電荷測定後の液晶セルを、100℃に設定した高温槽に7日間放置した後、電圧保持率及び残留電荷の測定を行った。結果は、後述する表5及び表6に示す。 以下の実施例13〜19、及び比較例1〜4で得られる液晶配向処理剤についても、実施例12と同様に、これらの液晶配向処理剤を使用して液晶セルの作製し、さらに各液晶セルの評価を行った。それらの結果をまとめて表5及び表6に示す。<実施例13> 実施例5で得られたポリイミド粉末[B](5.1g)にNMP(36.3g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(18.1g)、及びBCS(25.6g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[2]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、高分子成分は均一に溶解していることが確認された。<実施例14> 実施例6で得られたポリアミド酸溶液[C](10.0g)にNMP(10.2g)、及びBCS(20.0g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[3]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、高分子成分は均一に溶解していることが確認された。<実施例15> 実施例7で得られたポリイミド粉末[D](5.0g)にNMP(30.3g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(14.8g)、及びBCS(33.8g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[4]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、高分子成分は均一に溶解していることが確認された。<実施例16> 実施例8で得られたポリイミド粉末[E](5.1g)にNMP(33.0g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(17.1g)、及びBCS(29.8g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[5]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、高分子成分は均一に溶解していることが確認された。<実施例17> 実施例9で得られたポリイミド粉末[F](5.2g)にNMP(34.5g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(16.5g)、及びBCS(30.3g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[6]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、高分子成分は均一に溶解していることが確認された。<実施例18> 実施例10で得られたポリアミド酸溶液[G](10.0g)にNMP(15.6g)、及びBCS(17.1g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[7]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、高分子成分は均一に溶解していることが確認された。<実施例19> 実施例11で得られたポリイミド粉末[H](5.0g)にNMP(35.5g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(17.8g)、及びBCS(25.1g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[8]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、高分子成分は均一に溶解していることが確認された。<比較例1> 合成例3で得られたポリアミド酸溶液[I](10.0g)にNMP(18.8g)、及びBCS(12.2g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[9]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、高分子成分は均一に溶解していることが確認された。<比較例2> 合成例4で得られたポリイミド粉末[J](4.7g)にNMP(38.6g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(19.4g)、及びBCS(15.8g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[10]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、高分子成分は均一に溶解していることが確認された。<比較例3> 合成例5で得られたポリアミド酸溶液[K](10.4g)にNMP(17.5g)、及びBCS(15.3g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[11]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、高分子成分は均一に溶解していることが確認された<比較例4> 合成例6で得られたポリイミド粉末[L](4.5g)にNMP(34.5g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(17.2g)、及びBCS(18.8g)を加え、25℃にて2時間攪拌することにより、液晶配向処理剤[12]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、高分子成分は均一に溶解していることが確認された。 本発明のジアミン化合物を含有する液晶配向処理剤は、液晶配向膜にした際、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する電荷の緩和が速い液晶配向膜が得られる。更には過酷な使用環境での長期使用に耐えうる信頼性の高い液晶表示素子を提供することができる。その結果、TN素子、STN素子、TFT液晶素子、更には、垂直配向型や水平配向型(IPS)の液晶表示素子などに有用である。 なお、2009年7月21日に出願された日本特許出願2009−170396号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。 下記式[1]のジアミン化合物。(式中、X1は−CO−又は−CONH−を表し、X2は炭素数1〜5のアルキレン基、又は窒素原子を含有する非芳香族複素環を表し、X3は炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよい、窒素原子を2つ含有する5員環又は6員環の芳香族複素環を表す。) 前記芳香族複素環が、イミダゾール環、ピラジン環、又はピリミジン環である請求項1に記載のジアミン化合物。 前記窒素原子を含有する非芳香族複素環が、ピペラジン環である請求項1又は2に記載のジアミン化合物。 請求項1〜3のいずれかに記載のジアミン化合物を含むジアミン成分と、テトラカルボン酸二無水物成分とを反応させて得られるポリアミド酸又は該ポリアミド酸をイミド化したポリイミド。 前記ジアミン成分中に、請求項1〜3のいずれかに記載のジアミン化合物が1〜80モル%含まれる請求項4に記載のポリアミド酸又は該ポリアミド酸をイミド化したポリイミド。 前記ジアミン成分中に、分子内にカルボキシル基を含有するジアミン化合物が含まれる請求項4に記載のポリアミド酸又は該ポリアミド酸をイミド化したポリイミド。 前記ジアミン成分中に、請求項1〜3のいずれかに記載のジアミン化合物の1モルに対して、分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物が、0.01〜99モル含まれる請求項6に記載のポリアミド酸又は該ポリアミド酸をイミド化したポリイミド。 前記分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物が、下記の式[2]で表されるジアミンである請求項6又は7に記載のポリアミド酸又は該ポリアミド酸をイミド化したポリイミド。(式[2]中、X5は炭素数6〜30の芳香族環を有する有機基であり、nは1〜4の整数である。) 請求項4〜8のいずれかに記載のポリアミド酸及び該ポリアミド酸をイミド化したポリイミド(但し、前記ポリアミド酸を合成するのに用いる上記式[1]のジアミンは、X2が窒素原子を2つ有する5員環又は6員環の芳香族複素環の窒素原子と隣り合わない炭素原子に結合している場合を除く)のうち少なくとも一方と、溶媒とを含有する液晶配向処理剤。 前記溶媒中の5〜80質量%が貧溶媒である請求項9に記載の液晶配向処理剤。 請求項9又は10に記載の液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜。 請求項11に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。