タイトル: | 公表特許公報(A)_フラジェリンポリペプチドワクチン |
出願番号: | 2011505618 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | A61K 39/00,A61K 39/12,A61K 39/04,A61K 39/002,A61P 31/04,A61P 31/12,A61P 33/00,A61K 39/235,A61K 39/125,A61K 39/245,A61K 39/21,A61K 39/145,A61K 39/23,A61K 39/275,A61P 31/14,A61P 31/16,A61P 31/18,A61P 31/20,A61P 31/22,A61K 39/118,A61K 39/09,A61K 39/085,A61K 39/095,A61K 39/02,A61K 39/106,A61K 39/05,A61K 39/07,A61K 39/104,A61K 39/112,A61K 39/187,A61K 39/295,A61K 39/15,A61K 39/20,C12N 15/09,C12N 1/20,C12N 7/06,C07K 14/11,C07K 19/00,C07K 14/255 |
アデレム、アラン、エー. ダイアークス、アラン、エイチ. ミャオ、エドワード、エー. ローゼンバーガー、キャリー、エム. JP 2011519834 公表特許公報(A) 20110714 2011505618 20090424 フラジェリンポリペプチドワクチン インスティチュート フォー システムズ バイオロジー 503409676 加藤 朝道 100080816 内田 潔人 100098648 アデレム、アラン、エー. ダイアークス、アラン、エイチ. ミャオ、エドワード、エー. ローゼンバーガー、キャリー、エム. US 61/048,100 20080425 A61K 39/00 20060101AFI20110617BHJP A61K 39/12 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/04 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/002 20060101ALI20110617BHJP A61P 31/04 20060101ALI20110617BHJP A61P 31/12 20060101ALI20110617BHJP A61P 33/00 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/235 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/125 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/245 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/21 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/145 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/23 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/275 20060101ALI20110617BHJP A61P 31/14 20060101ALI20110617BHJP A61P 31/16 20060101ALI20110617BHJP A61P 31/18 20060101ALI20110617BHJP A61P 31/20 20060101ALI20110617BHJP A61P 31/22 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/118 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/09 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/085 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/095 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/02 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/106 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/05 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/07 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/104 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/112 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/187 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/295 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/15 20060101ALI20110617BHJP A61K 39/20 20060101ALI20110617BHJP C12N 15/09 20060101ALN20110617BHJP C12N 1/20 20060101ALN20110617BHJP C12N 7/06 20060101ALN20110617BHJP C07K 14/11 20060101ALN20110617BHJP C07K 19/00 20060101ALN20110617BHJP C07K 14/255 20060101ALN20110617BHJP JPA61K39/00 HA61K39/12A61K39/04A61K39/002A61P31/04A61P31/12A61P33/00A61K39/235A61K39/125A61K39/245A61K39/21A61K39/145A61K39/23A61K39/275A61P31/14A61P31/16A61P31/18A61P31/20A61P31/22A61K39/118A61K39/09A61K39/085A61K39/095A61K39/02A61K39/106A61K39/05A61K39/07A61K39/104A61K39/112A61K39/187A61K39/295A61K39/15A61K39/20C12N15/00 AC12N1/20 EC12N7/06C07K14/11C07K19/00C07K14/255 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW IB2009006511 20090424 WO2009130618 20091029 31 20101227 4B024 4B065 4C085 4H045 4B024AA01 4B024BA31 4B024BA32 4B024CA02 4B024CA07 4B024DA05 4B024DA20 4B024EA02 4B024EA04 4B065AA46X 4B065AA46Y 4B065AA95X 4B065AA95Y 4B065AB01 4B065AC14 4B065BA02 4B065CA24 4B065CA45 4C085AA03 4C085BA02 4C085BA07 4C085BA09 4C085BA10 4C085BA14 4C085BA15 4C085BA16 4C085BA18 4C085BA20 4C085BA24 4C085BA45 4C085BA51 4C085BA52 4C085BA55 4C085BA56 4C085BA61 4C085BA75 4C085BA77 4C085BA78 4C085BA85 4C085CC07 4C085CC08 4C085EE01 4C085GG01 4H045AA30 4H045BA10 4H045BA41 4H045CA01 4H045CA11 4H045DA86 4H045EA31 4H045FA74EFS−WEBを介して提出された配列リストの参照 MPEPセクション1730 II.B.2(a)(C)において認定され及び明記されるUSPTO EFS−WEBサーバーを介した配列リストの以下の電子的な提出の全ての内容は、全ての目的のために、引用によってその全てが本願明細書に組み込まれる。配列リストは、以下の電子的に出願されるテキストファイル上のものと同一である。 本願発明は、自然免疫反応ないし応答(innate immune response)の刺激のためのフラジェリン(flagellin)ポリペプチドを提供するワクチンに関する。 フラジェリンポリペプチドは、獲得免疫反応ないし応答(adaptive immune response)を誘発するために単独で又は抗原と共に使用し得る。 フラジェリンは、重合し細菌運動に関連するフラジェラ(flagella)を形成する約500アミノ酸の単量体タンパク質である。 フラジェラは、プロペラ様の回転運動により細菌の運動を可能にする、むち様(whip-like)の構造である。これらの構造は、フラジェリンから成るポリマーであり、そして、基部体(basal body)及びフック(hook)構造により細菌細胞壁にアンカーされる(anchored)。用語「フラジェリン」は、重合しフィラメントを形成する単量体サブユニットを指すのに対し、用語「フラジェラ」は、より広く、フィラメントの任意の成分、基部体又はフックを指す。 フラジェラ遺伝子発現は、厳密に(tightly)制御され、フック及び基部体(HBB)遺伝子は最初に発現され、そして最終のフラジェラ成分はHBBが完全に組み立てられる(assembled)時にのみ発現される。 フラジェラ遺伝子は、3つの転写クラスに分けられる。 クラスI遺伝子は、主要転写調節タンパク質であるFlhC/FlhDを含む。 クラスII遺伝子は、基部体及びフックをエンコードし(encode)、そして転写アクチベーター(transcriptional activator)であるFliA及びFliAのリプレッサーであるFlgMをも含む。 HBBの完成の際に、リプレッサーであるFlgMはHBBを介してエクスポート(export)される。 これは、FlgMタンパク質の細菌細胞基質を枯渇させ(deplete)、それによって、クラスIII遺伝子プロモーターに結合し、そして、それらの転写を活性化するFliAを開放する。 クラスIII遺伝子は、フック‐フィラメントアダプター、キャップ、モーター、化学感受系(chemosensory system)及び、重合しフラジェラフィラメントを形成するフラジェリンタンパク質をエンコードする。 フラジェリンは、毒性因子を輸送する他のT3SSに進化的に関連し、HBBに局在するIII型分泌系(T3SS)によってエクスポートされる。 この分泌装置は、内膜、細胞膜周辺腔(perplasmic space)及び外膜にわたる単一構造を形成し、細菌細胞壁の外部にあるフック構造で終結する。フラジェリンは、HBBの空洞コア(hollow core)を介してエクスポートされ、最大30,000までのフラジェリンサブユニットが、フックの終端で集合する(assemble)。 様々な細菌種からのフラジェリンのアミノ酸配列は、SEQ ID NO:1‐SEQ ID NO:23に明記される。 また、表記された(listed)フラジェリンポリペプチドをエンコードするヌクレオチド配列は、NCBI GeneBank データベースにおいて公に利用できる。 特に中でも、ネズミチフス菌1(S. Typhimurium 1)、ピロリ菌(H. Pylori)、コレラ菌(V. Cholera [sic. V. Cholerae])、S.マルセッセンス(S. marcesens, [sic. S. marcenscens])、S.フレクスネリ(S. flexneri)、T.パリダム(T. Pallidum)、L.ニューモフィラ(L. pneumophila)、B.バーグドルフェリ(B. burgdorferei [sic. B. burgdorferi])、C.ディフィシル(C. difficile)、R.メリロティ(R. meliloti)、A.ツメファシエンス(A. tumefaciens)、R.ルピニ(R. lupini)、B.クラリゲイア(B. clarridgeiae)、P.ミラビリス(P.Mirabilis)、B.サブティリス(B. subtilus [sic. B. subtilis])、リステリア菌(L. monocytogenes)、緑膿菌(P. aeruginosa)及び大腸菌(E. coli)からのフラジェリン配列が知られる。 フラジェリン単量体は、大文字のギリシャ文字のガンマ(Γ)の様な形をしており、そしてD0からD3のドメインにより形成される。 幹を形成するD0及びD1は、直列の長いアルファへリックスから構成され、そして異なる細菌の間で高度に保存される。 モノマーが積み重ねられる時に、D0及びD1はフィラメントの中央に埋められる。 Γの上部は、D2及びD3という、フラジェラフィラメントの表面上に暴露されそして抗体の反応が向けられる、2つの高度に変化可能な(variable)球状ドメインから構成される。 しかしながらD2及びD3ドメインは、自然免疫反応を誘発することに関与しない。 自然免疫反応は、細胞表面のToll様レセプター(TLR's)及び細胞内のNod‐LRRタンパク質(NLR)により媒介され、そして、それらはそれぞれD1及びD0領域により媒介される。 自然免疫反応は、TLR(TLR5を含む)活性化及びカスパーゼ‐1の活性に応答したサイトカイン生産及び、或る(特定の)NLRs(Ipafを含む)に応答したIL‐1β分泌を含む。 この反応は特異的抗原と独立的であるが、抗原特異的である獲得免疫反応にアジュバンドとして作用(act)する。 抗原はワクチン又は感染の形で外部から供給され得、又は、例えば、腫瘍関連抗原の場合のように生来のもの(indigenous)であり得る。 2002年10月31日に公開された国際公開WO02/085933は、フラジェラポリペプチドは、Toll様レセプター5(TLR5)との交互作用を介して自然免疫反応を刺激することが可能であることを示す。 細胞表面上に現わされるこのレセプターは、細胞外でフラジェリンポリペプチドと相互作用する。 2005年7月7日に公開された米国特許公報2005/0147627は、TLR5との相互作用に関与するフラジェリンの領域がD1ドメインにのみ見られると指摘する。 Smith, K. D., et al., Nature Immunol. (2003) 4: 1247-1253は、TLR5が、N末端残基78‐129及び135‐173、及びC末端残基395‐444から構成されるネズミチフス菌のフラジェリン上の部位(site)を認識すると開示する。 細胞質のフラジェリンは、カスパーゼ1を活性化しそして、またNLRC4とも表示されるIpafを介してインターロイキン1βの分泌をもたらすことが続いて明らかにされた。 Miao, E. A., et al., Nat. Immunol. (2006) 7:569-575; Maio, E. A., et al., Semin. Immunophathol. (2007) 29:275-288。 この活性化に関与するフラジェリン領域は、レジオネラ ニューモフィラのフラジェリンの441‐475の位置にあるD0領域におけるC末端の35のアミノ酸であるようであり、[これらのアミノ酸は]機能的なNLR‐アポトーシス阻害タンパク質5(Naip5)によりエンハンスされるNLRC4の活性化のために重要である。 Lightfield, K. L., et al., Nature Immunol. (2008) 9: 1171-1178。 ワクチンにおけるこれらのポリペプチドの使用が一般的に広く記載されているが、フラジェリンポリペプチドに細胞内と細胞外の反応の両方を提供するであろうワクチンの示唆はなく、所望の抗原と融合する免疫調節性フラジェリンポリペプチドを含む融合ペプチドの記載もされていない。 従って、本願発明は、自然免疫反応を誘発するためにフラジェリンポリペプチドを用いるワクチンの改良に向けられる。 [本願明細書の]背景部分及び明細書を通して引用されるいかなる文書も引用によりその全てが組み込まれ、本書において言及されるペプチド/タンパク質のアミノ酸及びヌクレオチド配列及び、公開及び公共データベースで利用できるORFsに相当するそれらも同様である。[発明の開示] 本願発明は、細胞外及び細胞内ベースの(based)いずれの自然免疫反応も誘発することができるフラジェリンポリペプチドを用いる改良ワクチンに向けられ、そして、所望の抗原及び/又は細胞取り込み(cellular uptake)を促進する配列と結合する免疫調節性フラジェリンポリペプチドから形成される融合タンパク質を含むワクチンに向けられる。 細菌及びウイルスはどちらも細胞に進入することができ、シグナル配列を提供された場合に細菌は有効にフラジェリンタンパク質を分泌でき、そして内因的な分泌機構を介して感染が予定される細胞に有効にフラジェリンタンパク質を分泌できるため、フラジェリンポリペプチドの生産のための遺伝子構造物を含む、改変(modified)ウイルス及び細菌を基礎としたワクチンは本願発明に含まれる。 加えて、リステリオリシンO(listeriolysin O)及び、tatタンパク質及びメリチン(melittin)のような他の導入剤( transfection agent)のような細胞のタンパク質導入の媒介物(mediator)は、フラジェリンを細胞質に輸送するための手段を提供する。 この一番最後のアプローチ(方法)は、Amer, A., et al., J. Biol. Chem. (2006) 281:35217-35223; Franchi, L., et al., Nat. Immunol. (2006) 7:576-582; Miao, E. A., et al., Nat. Immunol. (2006) 7:569-575; Molofsky, A. B., et al., J. Exp. Med. (2006) 203:1093-1104; 及び、Wren, T., et al., PLoS Pathog. (2006) 2:e18によるインビトロ研究に記載されている。 また、本願発明は、薬理学的に許容できる導入(薬)剤を提供するタンパク質ベースのワクチンを含む。 従って、1つの側面において、本願発明は、フラジェリンポリペプチドへの細胞外ベースの反応又はフラジェリンポリペプチドへの細胞内反応又はその両方を発生することができるフラジェリンポリペプチドの生産のための組み換え構成物を含む組成物に向けられる。 この一般概念の範囲内の様々な選択可能な実施形態が想定される。 1つの実施形態において、フラジェリンポリペプチドのD0又はD1領域又は、その両方をエンコードするヌクレオチド配列が、インフルエンザウイルスのような弱毒化ウイルス(attenuated virus)のゲノムに挿入される。 この実施形態の範囲内に含まれるものとしては、細胞内レセプターのみを標的とすることが意図されるワクチンがあり、そして、この場合ヌクレオチド配列はフラジェリン単量体のD0領域のみをエンコードできる。また、この実施形態の範囲内に含まれるものとしては、外部レセプターを活性化するD1領域のみがエンコードされる形態もあるし、D0領域及びD1領域がエンコードされ、従って、両方の[レセプターを]活性化する形態もある。 他の実施形態において、フラジェリン単量体のD1及び/又はD0領域をエンコードするヌクレオチド配列を有し、或いは、染色体外で又はゲノムの中から作動する発現系に含まれる両方の配列を有する弱毒化細菌株が用いられる。 また、真核性寄生体の細胞も使用され得る。 3番目の実施形態において、関連のあるフラジェリン単量体は、毒性の無い導入(薬)剤と共に、モイエティ(分離した部分:moieties)として又は融合タンパク質としてのどちらかで投与される。 更に他の実施形態において、フラジェリンポリペプチドの関連のある部分は、所望の抗原と結合する。この実施形態において、更にD0及び/又はD1領域が含まれる。 他の側面としては、哺乳類における病原性感染若しくは疾病の処置又は、リスク低減のための方法があり、本願発明の組成物を哺乳類に投与することを含むものである。図1のA及びBは、pWSK29におけるSPI2調節プロモーターからのFliC遺伝子を含む、改変ネズミチフス菌を使用して行われた実験の結果を表す。 図1Aは、野生型又はIpafを欠損したマクロファージにおけるIL‐1b分泌によって決定(ないしは、測定)される、これら改変細胞のフラジェリンを生産する能力を表す。 図1Bは、これら細菌に感染した野生型及びIpafヌル(null)ネズミにおける脾臓及び肝臓の細菌数を表す。 本願発明は、生の(live)又は複製可能なワクチンの組成物及び、例えば、ウイルス、細菌又は、真核寄生生物を含むそれと同様のものを使用する方法に関連し、当該ワクチン組成物は、免疫調節性フラジェリンポリペプチドをエンコードしそして内因的に発現するヌクレオチド配列を含む。 或る(特定の)実施形態において、哺乳類において複製するように生のワクチン組成物は弱毒化され、そしてそれによって、広くそして有効的な免疫反応を発生するが、典型的に、病的な感染の原因とはならない。 本願明細書で提供される免疫調節性フラジェリンポリペプチドは、一般的に、自然免疫反応を刺激及び/又はエンハンスする働きをし、その結果、獲得免疫反応を刺激及び/又はエンハンスする(つまり、体液性及び細胞媒介性免疫反応)。 エンハンスされた免疫反応は、そうでなければ免疫反応を免れたであろう外来の又は病的に異常な細胞の破壊をもたらすことができる免疫系の活性化の一般的な増加を引き起こす。 或る(特定の)実施形態において、内因的に発現される本願発明のフラジェリンポリペプチドは、Toll様レセプター5(TLR5)及びIpafを刺激し、これら両者は、例えば様々な免疫調節性サイトカインの発現と分泌を調節することによって自然免疫反応の特定の側面を媒介する。[定義] この明細書において使用される場合、他に明示の指示がない場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、複数形を含む。 「単離され」に関しては、自然状態で通常は物質に付随する成分が、実質的に又は本質的に含まれない物質(material)を意味する。 用語「複製可能な」又は「生の」は、一般的に、宿主又は宿主細胞で1以上のラウンドの分裂又は拡張(expansion)が可能なウイルス、細菌又は、寄生体を指す。 例えば、複製可能なウイルスは、一般的に、例えば、最初の細胞に感染し、そしてその最初の細胞中で、追加の細胞に感染することができる1つ以上のウイルス粒子を生産することによって、細胞の集団において(例えば、細胞培養又は生命体において)感染の単ラウンドを超えて複製又は拡張することができるものなどである。 生の(ないしは、生きている)細菌は、一般的に、複数回の細胞分裂に耐えることができ、それによって、親細胞から娘細胞を生産し、典型的に更なる細胞分裂に耐える。 用語「弱毒化され」は、一般的に、宿主内で複製し又は細胞分裂に耐えることが可能であるが宿主に対し重大に病原性でない(すなわち、重大な「病的状態」をもたらさない)ウイルス、細菌又は、寄生体を指す。 弱毒化ワクチンは、生の(ないしは生きている)微生物又はウイルスの毒性又は病原性の欠損に通じるが、予防の免疫を誘導する能力を保持する悪条件下で培養される生の(ないしは生きている)微生物又はウイルスから調製され得るか、又は、除去されなければ微生物又はウイルスの病原性(pathogenesis)又は毒性に寄与するであろう或る(特定の)必須でない遺伝子(例えば、複製又は細胞分裂に必須でない遺伝子)の除去によって調製され得る。 用語「予防する」又は「予防の」又は「予防のための」は、微生物感染又はウイルス感染又は癌の状態のような、疾病又は病的状態を受けることについての「リスクを低減させる」ことと関連する。 用語「予防する」は、必ずしも与える疾病又は状態を受ける全てのリスクを除くものではない。 例えば、「予防の」ワクチン組成物を接種される(receive)哺乳類は、「予防の」ワクチン組成物を接種されなかった哺乳類ほど特定の疾病又は状態を受ける可能性は高くないが、それでもなお、疾病又は状態を受け得る。 或る(特定の)状況において、「予防の」ワクチンの投与にも関わらず疾病又は状態を受ける哺乳類は、それでもなお、予防のワクチン接種されなかった哺乳類より弱い毒性症状を経験し得る。 用語「処置」(treatment)又は「処置する」(treating)は、症状又は疾病又は状態の病状(pathology)上の任意の所望の効果を含み、そして、1以上の処置されている疾病又は状態の測定可能なマーカーにおける最小限の減少でさえ含み得る。 「処置」は、疾病又は状態、又は関連するそれらの症状の完全な根絶又は回復を必ずしも示すものではない。 この処置を受ける対象(subject)は、[処置を]必要とする任意の動物であり、霊長類、とりわけヒト、及び、馬、牛、豚及び羊のような他の哺乳類、及び一般の家禽及びペットを含む。 以下の議論において、様々な免疫調節性のフラジェリンポリペプチド及びそれらを含む融合タンパク質の特性が記載される。 多くの場合において、それらポリペプチド又は融合タンパク質は、組み換えによって生産されるであろうし、それらの生産のための構成物(constructs)は、本願発明の一部分である。 従って、ポリペプチド又は融合タンパク質の記載は、それらをエンコードするヌクレオチド配列と同様に適用され、その逆も同様である。 つまり、また、ポリペプチドの特性の記載は、それらをエンコードするヌクレオチド配列の内在的な(ないし固有の:inherent)記載及び、アミノ酸配列でエンコードされるそれらの特色を内在的に記載するポリペプチド又はタンパク質をエンコードするヌクレオチド配列の記載を含む。 それゆえ、内容から明白でない限り、アミノ酸配列の記載もまた、ヌクレオチド配列をエンコードするそれら[アミノ酸配列]を内在的に記載し、その逆もまた同様である。 本願明細書で提供される免疫調節性フラジェリンポリペプチドは、一般的に、自然免疫反応を刺激する働きをし、上記で指摘されるように、獲得免疫反応をエンハンスするだけでなく、獲得免疫反応とは独立的である有益な免疫関連反応を提供し得る。 ワクチン組成物は、免疫調節性フラジェリンポリペプチドをエンコードする核酸及び、その発現を指示(指令)する(direct)核酸を含み、それによって、自然免疫反応の或る(特定)の側面を刺激する。 例えば、感染細胞、細菌、寄生体又はウイルス粒子の表面(上)に存在し、又は分泌又は細胞溶解によって、細胞外環境へ放出されるフラジェリンポリペプチドは、免疫細胞及び間質細胞を含む或る(特定の)哺乳類細胞の表面(上)に存在する、Toll様レセプター5のような、Toll様レセプター分子と相互作用し、及び/又は、[それを]刺激し得る。 あるいは、例えば、フラジェリン発現遺伝子組み換えウイルス又は細菌が感染する間に哺乳類細胞の細胞質に存在するフラジェリンポリペプチドは、その細胞中のIpaf媒介シグナル伝達経路と相互作用し、及び又は[それを]刺激し得る。 他の側面において、本願明細書で提供される生のワクチンの中で発現されるフラジェリンポリペプチドは、TLR5及びIpaf媒介経路の両方と相互作用し、及び/又は、[それを]刺激し得、それによって免疫反応をエンハンスすることに関連する相乗的な効果を提供する。 マクロファージ及び樹状細胞のような自然免疫細胞は、フラジェリンが哺乳類細胞の外部に残っているか又は細胞質へのアクセスを獲得しているか、及びフラジェリンによるIpaf活性化がTLR5の活性化と独立的に生じるかを決定することができる。 如何なる理論にも拘束されることを望むものではないが、本願発明の或る(特定の)実施形態は、Ipaf媒介免疫反応及びTLR5媒介免疫反応の両方を活性化することができるという利点を提供する。 例示において、前述のワクチン関連の方法は、ワクチンアジュバンドとして、外因的に(exogenously)生産され、単離され、そして精製される、フラジェリンポリペプチドを利用する。 しかしながら、単離されるフラジェリンポリペプチドの直接投与は、一般的に、これらポリペプチドを標的免疫細胞の細胞質に入れることは必ずしも必要でなく、Ipafを刺激することが可能な機能的に完全な形でよい。 Ipafは、細胞内経路であるので、単離された外因的なフラジェリンポリペプチドの哺乳類への直接投与は、一般的に、Ipaf媒介免疫反応を刺激しないが、その代わり、単に、細胞表面TLR5分子と相互作用し、及び/又は、[それを]刺激する。 その一方、本願発明の或る(特定の)実施形態に従って投与されるフラジェリンポリペプチドは、細胞質のような細胞内に発現され得、又は、細菌宿主により細胞質に注入され得、そして、従って、例えば、細胞溶解に続くフラジェリンの放出の際に細胞表面(上)のTLR5分子を刺激し得るだけでなく、細胞内Ipafシグナル伝達経路もまた刺激し得る。 外因的に生産されるフラジェリンポリペプチドの単回投与(single administration)と比較して、生のワクチン剤の単回投与によるフラジェリンポリペプチドの細胞内生産及び拡張は、エンハンスされそして保持される免疫調節性活性(つまり、免疫反応)をも提供する。 この利点は、外因的なフラジェリンポリペプチドの繰り返しの投与又は、外因的に生産され、精製されるフラジェリンタンパク質の大容量の[投与への]依存のいずれかを必要とせずに、より少ない初回ワクチン投与量又は、より少ない「免疫原性の量」の使用を可能にする。 ワクチン製剤が、自然[免疫反応]、体液性[免疫反応]、細胞媒介性[免疫反応]又は、免疫反応のそれらの型の任意の組み合わせを誘導するか[どうか]は、それらの免疫反応を特徴付けるための方法は当該技術分野によく知られているので、簡単に検出(ないしは、測定)することができる。 自然免疫反応の検出は、一般的に、ワクチン投与の数時間又は数日の内に達成することができる。 ワクチンの組成物又は製剤の体液性反応を誘導する能力は、ワクチン組成物でプライムされる(primed)哺乳類における抗原特異的抗体の力価を測ることにより決定され得、又は、ELISA、ウエスタンブロッティング又は他のよく知られた方法により抗原と交差反応をする抗体の存在を検出することにより決定され得る。 細胞媒介性免疫反応は、例えば、当該技術分野に良く知られる方法の種類を使用し、抗原に応答する細胞障害性T細胞を測定することにより決定され得る。[免疫調節性フラジェリンポリペプチド] 本願発明の組成物の全ては、「免疫調節性(immunomodulatory)フラジェリンポリペプチド」を含む。 当該技術分野に理解されるように、これらポリペプチドは、TLR5媒介免疫反応、Ipaf媒介免疫反応、又はその両方を含む自然免疫反応をもたらす、フラジェリン単量体又はそれらの定義される変異体の一部である。 TLR5との相互作用を介して細胞外でもたらされるこの反応は、更に下記で定義される、タンパク質のアミノ及びカルボキシドメイン(amino and carboxy domains)から継がる(ないし)隣接する(contiguous)残基を含むD1ドメインにおける関連する部分を用いる。 D1は、幹の上部及び「ガンマ」(Γないし逆L字形)の形をしたフラジェリン単量体の肘を形成する。 従って、TLR5と相互作用するようにデザインされる組成物は、少なくともD1ドメインの有効的な部分を含むであろう。 組成物は、このドメインのこれら部分から本質的に構成され得又は、このドメインのこれら部分から構成され得る。 その反応の細胞内の開始トリガ(triggering)は、D0ドメインのIpaf/NLRC4との相互作用からの結果として生ずる。 従って、Ipafと相互作用するようにデザインされる組成物は、少なくとも実質的に、単量体のC末端のおよそ35のアミノ酸を指すD0ドメインを含むであろう。 組成物は、このドメインから本質的に構成され得るか、又は、このドメインから構成され得る。 前述の記載は、ポリペプチド/アミノ酸レベルでのこれらドメイン及び、その特異的な構成物及び方法論によるRNA又はDNAであり得る核酸をエンコードする関連するもの[the relevant]の両方を指す。 免疫調節性フラジェリンポリペプチドは、天然フラジェリン単量体の関連する部分のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を正確に有し得るか、又は、そのような配列から重要でない態様で逸脱し得る(異なってもよい)。 本願明細書でSEQ ID NO:1‐SEQ ID NO:23として例示される全長のフラジェリン配列から明らかであるように、一般的に、関連する配列は、細菌種の間で保存される。 置換、特にそれら部分ないし領域(regions)における重大でない(non-critical)残基の置換は、許容され得、そして、そのような置換を伴うそれら部分の実施形態は、本願発明の請求の範囲の中に含まれる。 この免疫調節性機能は、フラジェリンがTLR5に結合する又はIpafを活性化する能力により規定される(dictated)。 TLR5の活性化のために、関係する配列の正確なマッピングが行われている。 認識部位は、タンパク質のD1ドメインの中にあるアミノ酸のすくなくとも2つの連続するストレッチ(stretch)からの残基を必要とする。1)残基88‐114及び2)残基411‐431(ネズミチフス菌における FliCフラジェリン(Smith, Nautre Immunology (2003) 4:1247-1253(上記))。 これら2つの領域の内、残基88‐100はとりわけ強く保存され、そしてTLR5活性化のためのサイン(signature)として、最良と考えることができる。 TLR5の活性化をなお保持する、サルモネラ(Salmonella)のフラジェリン及び、他のフラジェリン(例えばセラチアマルセッセンス[が有するフラジェリン]、これは6つの置換を有する)の間では、88‐100の領域における13アミノ酸の内、少なくとも6つの置換が許容されるが、一方、サルモネラからの8つの変異を含む配列は、検出されない(例えばピロリ菌[が有するフラジェリン])(E. Andersen-Nissen, PNAS(2005) 102:9247-9252)。 それゆえ、免疫調節性フラジェリンポリペプチドは、TLR5を活性化し、そしてサルモネラの配列のFliCの88‐100[の位置](これは、LQRVRELAVQSANである)に53%以上同一である13のアミノ酸モチーフを含むフラジェリン様配列を含む。 このモチーフ中の或る(特定の)アミノ酸は不変であり、そしてTLR5の活性化を維持するように変異させることはできない(Smith, 2003, 上記)。 これらは、このTLR5活性化モチーフの下線を付した残基を含む:LQRVRELAVQSAN。 Ipafを活性化するフラジェリンモチーフは、あまり良く定義されていないが、フラジェリンタンパク質のカルボキシ末端の35のアミノ酸内に位置する。 この領域の中で、レジオネラ ニューモフィラ FlaAフラジェリン及び、ネズミチフス菌 FliCフラジェリンの間で15の置換があり、それら両方はIpafを介して検出される。 従って、免疫調節性フラジェリンポリペプチドは、Ipafを活性化し、かつ、TEVSNMSRAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLRの配列を有するネズミチフス菌 FliCフラジェリンのカルボキシ末端の35のアミノ酸配列とすくなくとも57%で同一である35のアミノ酸配列を含むフラジェリン様免疫調節性配列を含む。 代替の定義において、免疫調節機能が保持される限り、そして全てのアミノ酸配列が少なくとも85%又は95%(又は97%又は99%)[の値で]、少なくとも1つの特定の天然領域に同一である限り、天然の細菌フラジェリン単量体配列の変異体は、「免疫調節性フラジェリンポリペプチド」の定義の中に含まれる。 免疫調節性フラジェリンポリペプチドの定義のこの形において、ネズミチフス菌の35のC末端アミノ酸に相当する(corresponds to)D0領域及びD1領域は、Smith(前記)により記載されるネズミチフス菌フラジェリンの残基88‐114と残基411‐431を足した(plus)ものに相当するとして定義される。 置換を許容しない重要な(critical)残基は、当該技術分野で特定されており、特に、公開された、上記で引用される米国特許明細書2005/0147627の他、上記でも引用されるSmith, K. D., et al., Nat. Immunol.において記載されたもので特定されている。 従って、免疫調節性フラジェリンポリペプチドの関連する領域におけるアミノ酸配列の構造機能(structure function)の関係は、当該技術分野に理解されている。 2つのアミノ酸又はヌクレオチド配列の間のパーセント同一性(percent identity)は、ALIGNプログラム(2.0版)に組み込まれているE. Meyers及び W. Miller (Cabios (1989) 4: 11-17)のアルゴリズムを使用し、PAM120重量残基表(weight residue table)、12のギャップ長ペナルティ(gap length penalty)及び4のギャップペナルティ(gap penalty)を使用して決定され得る。 本願発明の免疫調節性フラジェリンポリペプチドは、それらをエンコードするヌクレオチド配列の観点からも定義され得る。 従って、本願発明の免疫調節性フラジェリンポリペプチドは、SEQ ID NO:1‐SEQ ID NO:23で明記される天然フラジェリンタンパク質のD0及び/又はD1の領域のいずれかをエンコードするポリヌクレオチドに特定のストリンジェンシー(stringency)な条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりエンコードされるもの[免疫調節性フラジェリンポリペプチド]を含み、当該D0及びD1領域は、上記で明記されるものとして定義される。 従って、フラジェリンポリペプチドは、これら参照フラジェリンヌクレオチド配列又はそれらの補体(complements)に、中間のストリンジェンシー又は高いストリンジェンシーでハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるもの[フラジェリンポリペプチド]を含む。 ハイブリダイゼーション反応を行うためのガイダンスは、Ausubel, et al., (1998,上記), Section 6.3.1-6.3.6に見ることができる。中間のストリンジェンシーとは、およそ45℃で6×SSCでハイブリダイズし、続いて、60℃で、0.2×SSC、0.1%SDSで、1回以上洗浄することを指す。 高いストリンジェンシー状態とは、およそ45℃で6×SSCでハイブリダイズし、続いて、65℃で0.2×SSC、0.1%SDSで、1回以上洗浄することを指す。 いくつかの実施形態において、フラジェリンポリペプチドは、65℃で0.5Mリン酸ナトリウム、7%SDSでハイブリダイズし、続いて、65℃で0.2×SSC、1%SDSで一回以上洗浄することを指す「とても高い」ストリンジェンシー状態の下で、開示されたヌクレオチド配列とハイブリダイズするポリヌクレオチドによりエンコードされる。[融合タンパク質] また、本願発明は、哺乳類において免疫反応を発生させるためのフラジェリンキメラタンパク質又はフラジェリン融合タンパク質の使用をも意図する。 本願明細書で使用されるフラジェリン「キメラタンパク質」又は「融合タンパク質」は、非フラジェリン的ポリペプチドに結合した(linked)フラジェリンポリペプチドを含む。 「非フラジェリン的(non-flagellin)ポリペプチド」は、フラジェリンタンパク質と異なるタンパク質及び、同一又は異なる生命体由来のタンパク質に相当するアミノ酸配列を有するポリペプチドを指す。 融合タンパク質のフラジェリンポリペプチドは、全て又は免疫調節部分(例えば、フラジェリンアミノ酸配列の本願明細書に記載されるフラグメント)に対応することができる。 フラジェリン融合タンパク質は、フラジェリンタンパク質のD0又はD1領域又はその両方の、少なくとも関連する部分を含む。 非フラジェリン的ポリペプチドは、フラジェリンポリペプチドのN末端又はC末端に融合することができる。 融合タンパク質は、リガンドに高親和性を有する、モイエティ(ないし、部分:moiety)ないしリンカー配列を含むことができる。 例えば、融合タンパク質は、フラジェリン配列がGST配列のC末端、又は当業者に知られる1以上の異なるエピトープタグ、に融合するGST‐フラジェリン融合タンパク質であり得る。 フラジェリンポリペプチドは、GSK3bからのエピトープ又はインフルエンザHAエピトープに融合し得、又は、GSK3bからのエピトープ及びHA.11モノクローナル抗体によって、すなわち、アミノ酸配列MSGRPRTTSFAESLDYPYDVPDYAが認識されるインフルエンザHAエピトープの両方を含む二重のエピトープタグに融合し得る。 フラジェリンポリペプチドのD2及びD3ドメインは、取り除かれることができかつD1(もし望むならばD0を含む)ドメインのアミノ及びカルボキシ末端セグメントがリンカードメインによって橋渡しされるように、リンカードメインに置き換えられ得る。 リンカードメインは、任意の機能的な異種のポリペプチド配列を含み得る。 そのような融合又はキメラタンパク質は、ワクチン組成物中のフラジェリンの同定を促進することができ、そしてタンパク質の折り畳み(folding)及び安定性に貢献し得る。 或る(特定の)宿主細胞において、フラジェリンタンパク質の分泌は、異種シグナル配列の使用を介して調節され(regulated)ることができ、従って、異種ペプチドは、シグナル配列であり得る。 また、異種ペプチドは、細胞貫通をエンハンスし得、例えば、フラジェリン融合ポリペプチドは、タンパク質導入(transduction)ドメイン又は、特に中でもHIV転写因子Tat及びドロソフィラ(Drosophila)転写因子Antennapediaと表示されるような細胞‐貫通ペプチドを含み得る(Green, et al., TRENDS in Pharmacological Sciences (2003) 24:213-215; Chauhan, et al., J Control Release (2007) 117:148-162; 及び Vives, et al., J Biol Chem (1997) 272: 16010-16017を参照、これらそれぞれは、本願明細書に引用によって組み入れられる)。 タンパク質導入ドメインの内包(inclusion)は、細胞溶解を含む、細菌細胞又はウイルス感染細胞からのポリペプチドの分泌の際の近隣細胞によるフラジェリンポリペプチドの摂取を促進する。 或る(特定の)実施形態において、細胞‐貫通ペプチドは、HIVtat由来のアミノ酸配列、RKKRRQRを含み得る。 更に、或る(特定の)翻訳後修飾(modifications)は、フラジェリン含有タンパク質の哺乳類細胞の細胞質への輸送のために使用され得る。 ミリストイルグループ(myristoyl group)は、ポリペプチドのミリストイル化(myristoylation)が、膜標的化(membrane targeting)を導くように、細胞質タンパク質を細胞内膜へ標的する役割を果たす自然に発生する翻訳後修飾であるが、ミリストイル化は、細胞外タンパク質を細胞質へ輸送することも示されている。(Nelson, et al., Biochemistry (2007) 46:14771-14781)。 酵素であるN‐ミリストイルトランスフェラーゼ(N-myristoyltransferase)は、適切な配列モチーフの存在に従って、ミリスチン酸塩の、様々なタンパク質のN末端への共有結合(covalent attachment)を触媒する(Maurer-Stroh, et al., J Mol Biol. (2002) 317:523-540)。 それゆえ、本願発明は、適切なタンパク質ミリストイル化モチーフで修飾される(modified)フラジェリンポリペプチドにおいて、インビトロ生産の間に、フラジェリンポリペプチドのN末端に、ミリストイルグループを結合させる(attachment)ことを意図する。 後続の、動物へのこのタンパク質の輸送は、細胞質へのフラジェリンの輸送及びIpafの活性化をもたらすであろう。 重要な実施形態において、免疫調節性フラジェリンポリペプチドに融合する異種のアミノ酸配列は、獲得免疫反応が所望される1つ以上の抗原であろう。 そのような抗原は、ウイルス、細菌及び寄生体を含む伝染性の病原体(infectious agents)を代表する抗原、腫瘍関連抗原のような内因的な目標を示す抗原、及び免疫反応が所望される他の配列を含む。 適切なウイルス及び細菌抗原は、以下に詳細に記載されるワクチンが標的とし得る疾病に関連する。 また、腫瘍関連抗原の特性は当該技術分野に良く知られ、そしてそのような抗原はしばしば内因的な腫瘍における個々の発現に基づく。[ウイルスワクチン] 本願発明の1つの側面において、組成物は、免疫調節性フラジェリンポリペプチドをエンコードし、そして標的細胞に進入及び感染の際に発現する、単離され、複製可能で又は伝染性の、ウイルスを含む。 宿主内で複製するが、重大な病的状態を引き起こさないように複製可能なウイルスは弱毒化されることができる。 ウイルス感染細胞の細胞質中でのフラジェリンポリペプチドの内因的な発現は、ウイルスワクチンのアジュバンドとしてフラジェリンポリペプチドを使用する時のような、ワクチンの一部として外因的に加えられるフラジェリンの使用を超える利点を供給すると考えられる。 例えば、ウイルス感染細胞中での免疫調節性フラジェリンポリペプチドの内因的な発現は、細胞表面TLR5の刺激と異なった仕方で自然免疫を刺激する細胞内Ipafシグナル伝達経路の刺激を可能にする。 フラジェリンポリペプチドのウイルス的な発現は、感染細胞の細胞質にポリペプチドを放出でき、従って、Ipafを活性化する。また、フラジェリンタンパク質がウイルス表面タンパク質と融合した場合も同様である。 これらウイルスは、その上、TLR5をも活性化するであろう。 また、細胞質タンパク質としてフラジェリンを発現するウイルスは、ウイルス感染細胞の溶解の場合にTLR5を活性化するであろう。 或る(特定の)実施形態において、複製可能なウイルスは、アデノウイルス(Adenoviridae)、カリシウイルス(Caliciviridae)、ピコルナウイルス(Picornoviridae [sic. Picornaviridae])、ヘルペスウイルス(Herpesviridae)、ヘパドナウイルス(Hepadnaviridae)、フィロウイルス(Filoviridae)、フラビウイルス(Flaviviridae)、レトロウイルス(Retroviridae)、オルトミクソウイルス(Orthomyxoviridae)、パポバウイルス(Papovaviridae)、パルボウイルス(Parvoviridae)、ポックスウイルス(Poxviridae)、レオウイルス(Reoviridae)、トガウイルス(Togaviridae)(以上科名)、及びインフルエンザウイルス(Influenzae)から選択される。 当該ウイルスは、感染細胞中で免疫調節性フラジェリンポリペプチドを発現し得る。 従って、本願で主張されるワクチンを構成するために使用され得るウイルスの例は、以下に限定されないが、ヒトアデノウイルスAからFを含むアデノウイルスのメンバー、ノーウォークウイルス(Norwalk virus)(又はノロウイルス(norovirus))のようなカリシウイルスのメンバー、例えばエンテロウイルス(enteroviruses)AからD、ポリオウイルス(poliovirus)、ライノウイルス(rhinoviruses)A及びB、A型肝炎ウイルス(Hepatitis A virus)、脳心筋炎ウイルス(encephalomyocarditis virus)、口蹄疫(foot and mouth disease)、ヒト パレコウイルス1から6(human perchoviruses [sic. human parechoviruses])、馬鼻炎Bウイルス1から3(equine rhinitis B viruses 1 to 3)を含むピコルナウイルスのメンバー、そして、例えば、ヒト ヘルペスウイルス1から8(HHV1-8) 、また、単純ヘルペスウイルスとして知られる(HSV)‐1、HVS2、水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus)、エプスタインバーウイルス(Epstein-Barr virus)、サイトメガロウイルス(cytomegalovirus)、ロゼオロウイルス(roseolovirus)、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(Kaposi's sarcoma-associated herpesvirus)(KSHV)を含むヘルペスウイルスのメンバーを含む。 ヘルペスウイルスの追加の例は、ウシヘルペスウイルス、ウマヘルペスウイルス、イヌヘルペスウイルス及びネコヘルペスウイルスを含む。 ヘパドナウイルスの追加の例は、B型肝炎ウイルスを含み、フィロウイルスは、例えば、エボラウイルス(Ebola viruses)及びマールブルグウイルス(Marburg viruses)のような出血熱ウイルス(hemorrhagic fever viruses)を含み、及び、フラビウイルスは、例えば、デング熱ウイルス(dengue fever viruses)、日本脳炎ウイルス(Japanese encephalitis viruses)、マレーバレー脳炎ウイルス(Murray Valley encephalitis viruses)、セントルイス脳炎ウイルス(St. Louis encephalitis viruses)、ダニ媒介性脳炎ウイルス(Tick-born encephalitis viruses [sic. Tick-borne encephalitis virus])、ウエストナイルウイルス(West Nile viruses)、黄熱病ウイルス(yellow fever viruses)及びC型肝炎ウイルス(hepatitis C virus)を含む。 本願発明に従って利用され得るレトロウイルスの例は、例えば、ラウス肉腫ウイルス(Rous sarcoma virus)、UR2 肉腫ウイルス(UR2 sarcoma virus)及び、Y73 肉腫ウイルス(Y73 sarcoma virus)のようなアルファレトロウイルス;マウス乳癌ウイルス(mouse mammary tumor virus)、ヤーグジークテヒツジレトロウイルス(Jaagsiekte sheep retrovirus)、マソン‐ファイザー サルウイルス(Mason-Pfizer monkey virus)及び、ラングールウイルス(Langur virus)のようなベータレトロウイルス;マウス白血病ウイルス(murine leukemia viruses)、ネコ白血病ウイルス(feline leukemia viruses)、テナガザル白血病ウイルス(Gibbon ape leukemia viruses)、ネコ肉腫ウイルス(feline sarcoma viruses)及び、ネズミ肉腫ウイルス(murine sarcoma viruses)のようなガンマレトロウイルス;ウシ白血病ウイルス、霊長類Tリンパ球向性ウイルス(primate T-lymphotropic virus)及び、ヒトTリンパ球向性ウイルス(human T-lymphotropic virus)のようなデルタレトロウイルス;ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus)(HIV)‐1、HIV‐2、サル免疫不全ウイルス(simian immunodeficiency viruses)、ウシ免疫不全ウイルス(bovine immunodeficiency viruses)、ウマ免疫不全ウイルス(equine immunodeficiency viruses)、ネコ免疫不全ウイルス(feline immunodeficiency viruses)及び、ビスナ/マエディウイルス(Visna/maedi viruses)のようなレンチウイルス(lentiviruses);及び、マカク泡沫状ウイルス(macaque foamy viruses)、ウシ泡沫状ウイルス(bovine foamy viruses)、ウマ泡沫状ウイルス(equine foamy viruses)、ネコ泡沫状ウイルス(feline foamy viruses)及び、ヒト泡沫状ウイルス(human foamy viruses)のようなスプーマウイルス(spumaviruses)を含む。 ウイルスの追加の例には、インフルエンザウイルスAからCのようなオルトミクソウイルス;はしかウイルス(measles viruses)、ムンプスウイルス(mumps viruses)、センダイウイルス(sendai virus)、パラインフルエンザウイルス(parainfluenza viruses)1及び3、ヒト及びウシ呼吸器合胞体ウイルス(human and bovine respiratory syncytial viruses)、ヒトメタニューモウイルス(human metapneumoviruses)、牛疫ウイルス(Rinderpest virus)及び、イヌジステンパーウイルス(canine distemper virus)のようなパラミクソウイルス、特に中でも、例えば、ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus)(HPV)-1、HPV-2、HPV-4、HPV-3、HPV-5、HPV-6、HPV-7、HPV-10、HPV-11、HPV-13、HPV-16及び、HPV-18、HPV-31、HPV-32、HPV-33、HPV-35、HPV-39、HPV-42、HPV-43、HPV-44、HPV-45、HPV-51、HPV-55のようなパピローマウイルス(papillomaviruses)及び、SV40のようなポリオーマウイルス(polyomaviruses)を含むパポバウイルス;及び、特に中でも、B19ウイルス、アデノ関連ウイルス(adeno-associated viruses)(AAV)-1、AAV-2、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8のようなパルボウイルス、を含み、それらのハイブリッドを含む。 追加の例には、ワクシニアウイルス(vaccinia virus)、牛痘(cowpox)、天然痘(smallpox)、伝染性軟属腫ウイルス(molluscum contagiosum virus)のようなポクッスウイルス;哺乳類オルトレオウイルス(mammalian orthoreoviruses)、ロタウイルスA(rotavirus A)、コロラドダニ熱ウイルス(Colorado tick fever virus)のようなレオウイルス;及び、シンドビスウイルス(Sindbis virus)、東部ウマ脳炎ウイルス(Eastern equine encephalitis virus)、西部ウマ脳炎ウイルス(Western equine encephalitis virus)、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(Venezuelan equine encephalitis virus)、ロスリバーウイルス(Ross River virus)、オニョンニョンウイルス(O'nyong'nyong virus)及び、風疹ウイルス(Rubella viruses)のようなトガウイルスを含む。 インフルエンザは、改良されるワクチンが重要であろう、重篤でかつありふれたウイルス感染である。 それゆえ、下記の例は、ウイルスワクチンベクターへの挿入の例として、インフルエンザワクチンにおけるフラジェリンポリペプチドの有用性に光を当てたものである。 ウイルスワクチンは、インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB又は、インフルエンザウイルスCのようなインフルエンザウイルス(IV)を含み得、ここで、免疫調節性フラジェリンポリペプチドがインフルエンザウイルスのゲノムに挿入される。 [インフルエンザウイルス]IVは、大体球状であるが、それは、延長された形状又は不規則な形状でもあり得る。ウイルスの内部で、単鎖(single-stranded)RNAの8つのセグメントは、ウイルスを作成するための遺伝的指令(genetic instructions)を含む。 ウイルスのもっとも顕著な特徴は、ウイルスの表面全体にわたり外側に突出するスパイクの層(layer of spikes)があることである。 スパイクには2つの異なった型があり、1つは、分子ヘマグルチニン(HA)から構成され、もう1つは、ノイラミニダーゼ(NA)から構成される。 HA分子は、ウイルスを細胞に「付着する(stick)」ことを可能にし、感染を開始する。 NA分子は、新しく形作られるウイルスを、細胞表面又はお互いに付着することなしに、それらの宿主細胞から出る(exit)ことを可能にする。 ウイルスカプシドは、ウイルスリボ核酸及びいくつかのいわゆる「内部」タンパク質(ポリメラーゼ(PB1、PB2及びPA、マトリクスタンパク質(M1)及び核タンパク質(NP))が含まれる。 HA及びNAに対する抗体は、感染と戦うのにもっとも有効的であることが伝統的に(traditionally)証明されているため、多くの研究が、その構造、機能及びそれら分子の遺伝的多様性(genetic variation)に集中している。 また、インフルエンザウイルスは、2つの非構造(non-structural)タンパク質M2及びNS1を含み、これら両方は、ウイルス感染に重要な役割を果たす。 インフルエンザウイルス粒子は、線状ネガティブ‐センスの一本鎖RNAの7つのセグメント(インフルエンザCウイルス)又は、8つのセグメント(インフルエンザA及びBウイルス)を含む。 ウイルスゲノムの大部分のセグメントは、単一タンパク質をコードする。 多くのインフルエンザウイルスに関しては、全てのゲノムが現在知られている。 ウイルスの遺伝子再集合(genetic reassortment)は、所定の型の2つの異なったウイルスにより細胞が共感染される時に、ウイルスの子孫における親遺伝セグメントの内部混合(intermixing)の結果生じる。 この現象は、インフルエンザウイルスのゲノムのセグメント特性(segumental nature)により促進される。 遺伝子再集合は、ウイルス表面抗原の急変として現われる。 フラジェリンポリペプチドは、ウイルスポリペプチドをエンコードするヌクレオチド配列のような、インフルエンザのコード領域に挿入されることができ、又は、ウイルスポリペプチドのコード領域に干渉することなしにゲノムに挿入されることができる。 フラジェリンポリペプチドは、インフルエンザウイルスプロモーターに、作動可能(operably)に連結されることができ、又は、CMVプロモーター、ユビキチンプロモーター又は、分子生物分野において知られる他のプロモーターのような異種プロモーターに作動可能に連結されることができる。 インフルエンザウイルスは、例えば、インフルエンザ感染の病原性に関連する遺伝子のような毒性遺伝子における1つ以上の欠損及び/又は変異により、弱毒化され得る。 1つの例において、インフルエンザウイルスは、[変異しなければ]インフルエンザウイルスの病原性に貢献する野生型NS‐1遺伝子を、フラジェリンポリペプチドのコード配列をNS‐1のコード配列に挿入することによって、変異することにより弱毒化されることができ、又は、当該ウイルスは、完全な又は部分的なNS‐1ヌクレオチド配列のN末端若しくはC末端のどちらかに融合するフラジェリンポリペプチドをエンコードすることができる。 NS1遺伝子は、開始/終止配列の付加によって切断され(truncated)ることができ、開始/終止配列の下流は、フラジェリンポリペプチドのコード配列を含み、125番目のアミノ酸での開始/終止配列(TAATG)により、125番目のアミノ酸の後でNS1を止め、そしてフラジェリンポリペプチドコード配列の開始コドンを提供する。 フラジェリンポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチドは、例えば、インフルエンザウイルス粒子の表面に局在する、NA、HA及び/又はMタンパク質コード配列のような他のウイルスポリペプチドコード配列に挿入されることができる。 如何なる理論にも拘束されることを望むものではないが、ウイルス表面(上)のフラジェリンポリペプチド発現は、細胞とウイルスの相互作用の際に、様々なTLR5媒介細胞反応を刺激することができ、一方、続いて起こる感染細胞によるフラジェリンポリペプチドの細胞内発現は、Ipaf媒介細胞反応を刺激するであろうし、それによって、ウイルスワクチンへの免疫反応の相乗的なエンハンスメント(enhancement)を提供すると考えられる。 引用によってその全てが本願明細書に組み込まれるWO94/21797は、NP、HA、M1、PB1及びNS1をエンコードするDNA構成物を含む[インフルエンザウイルス]IVワクチン組成物を開示し、そしてそれらDNAワクチン組成物の予防的に有効な量を有する予防接種を含む[インフルエンザウイルス]IV感染に対する防御の方法もまた開示する。 また、本願発明は、1つ以上の所望のポリペプチド抗原へのエンハンスされる免疫反応を発生するための様々なウイルスベクター又は核酸構成物の使用を意図する。 ウイルスベクター又は構成物は、ウイルス抗原、腫瘍抗原、細菌抗原及び/又は、寄生体抗原のような、所望のポリペプチド抗原をエンコードするポリヌクレオチド配列に加えて、フラジェリンポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチド配列を含むことができる。 用いられるウイルスベクターは、所望の抗原に関連してもよく、又は関連しなくてもよい。 例えば、レトロウイルスの(例えばMLV又はレンチウイルスベクター)[ウイルスベクター]、ワクシニア[ウイルスベクター]、ヘルペス[ウイルスベクター]又は、アデノ関連ウイルスベクターは、腫瘍又は細菌抗原、又は関連しないウイルスからの抗原を輸送することに用いられ得る。 ウイルスベクターの例は、アデノウイルス、カナリヤポックス、水泡性口内炎ウイルス(vesicular stomatitis virus)、アデノ関連ウイルス、ポックスウイルス、アルファウイルスレプリコン(replicon)及び増殖型アデノウイルス(replicating adenovirus)4を含む。 ウイルスベクターは、本願明細書に記載されるように、哺乳類への投与の際増殖型(replication-competent)であってもよく、又は、投与の際の感染の単回にのみ(増殖)可能(competent)であってもよい。 典型的に、フラジェリンポリペプチド及び所望の抗原をエンコードするポリヌクレオチド配列は、1つ以上のプロモーター配列に作動可能に連結される。 或る(特定の)実施形態において、フラジェリンポリペプチド及び所望のポリペプチド抗原は、融合又はキメラタンパク質を形成し得る。 そのようなものとして、内因的に発現されるフラジェリンポリペプチドを含むウイルスベクター輸送系は、任意の所望の抗原へのエンハンスされる免疫反応を発生させるのに利用され得る。[細菌ワクチン] また、本願発明は生の弱毒化細菌ワクチンの使用をも含み、当該細菌は、免疫調節性フラジェリンポリペプチドをエンコードする外因的なヌクレオチド配列を含み、そして、当該外因的なヌクレオチド配列は、細菌プロモーターに作動可能(operably)に連結される。 細菌株の特性に依存して、免疫調節性ペプチドのエンコード配列は、シグナル配列をエンコードする作動可能に連結される配列を備える必要があり得る。 分泌シグナルは当該技術分野に良く知られており、そして、TLR5活性化がなされるべき場合には、シグナル配列を備えるべきである。 しかしながら、細菌株が、TLR5を回避する(evade)フラジェリンを発現する[ものである]場合(例えば、ヘリコバクター及びカンピロバクター(Campylobacter))、TLR5を回避しない異種フラジェリンポリペプチドが発現されることができ、そして細胞外空間からTLR5を活性化するために天然フラジェラ分泌器官を介して分泌されることができる。 これら細菌は、更なる改変(modification)無しでは、Ipafを活性化することが期待できないであろう。 シゲラ(Shigella)、リステリア(Listeria)、他のもので示される細菌株の感染が細胞質への細菌の進入の回避をもたらす場合、分泌シグナルは、Ipafを活性化するように、細菌の外側のタンパク質を細胞質にエクスポートするために付加され得る。 また、感染細胞の溶解の際又は細菌が宿主細胞の外側又は、宿主細胞の間にある場合に、TLR5は活性化されるであろう。 従って、熟練した当業者は、如何にしてTLR5又はIpaf又はその両方への適正なアクセスを提供するためのポリペプチドの適切な分泌を提供するかを理解するだろう。 従って、改変細菌は、細菌上に存在する抗原へのエンハンスされる獲得反応と、適切なレセプターとフラジェリンポリペプチドの相互作用に起因する自然反応の両方を誘発するであろう。 感染に用いられる細菌株が、或る(特定の)毒性因子分泌器官(virulence factors secretion apparatuses)を発現する場合、それら[或る(特定の)毒性因子分泌器官]が、宿主細胞の細胞質へのフラジェリンの輸送を促進することができ、それによってIpafを活性化する。 その例としては、(サルモネラに見られるような)III型分泌系及び、(レジオネラ(Legionella)に見られるような)IV型分泌系を含む。 フラジェリンは、これら2つの系により、異種分泌シグナルの添加無しで、細菌細胞質から宿主細胞質へ移行されることができるが、しかし、フラジェラシャペロンタンパク質(ネズミチフス菌におけるFliS)は、必要とされ得る。 従って、III型分泌系を発現するが、フラジェリンを発現しない細菌に関して、フラジェリンは細菌内で発現されることができ、その結果Ipafにより検出される、フラジェリンの宿主細胞質への転位をもたらす。 それに利用され得る細菌の例は、サルモネラ種及びペスト菌(Yersinia pestis)である。 生(live)の細菌ワクチンは、宿主において複製する細菌株を含み、そのため、ワクチンは、自然感染により誘発される免疫反応に類似の免疫反応を誘発することができる。 生の細菌ワクチンは弱毒化されることができ、即ちその疾病の原因となる許容量(disease-causing capacity)が、生物学的な又は技術的な操作によって、最小化され又は取り除かれることを意味する。 典型的に、生の細菌ワクチンは、弱毒化の程度が低い(underattenuated)(すなわち限られた病原性さえも維持する)ものでもなく、過度に弱毒化された(overattenuated)(すなわち有効的なワクチンとなるのに十分な感染ももはやなくなっている)ものでもない。生の細菌ワクチンは、大抵の場合、細胞性免疫と同様に、体液性の免疫も誘発する。 本願明細書に記載される、外因的なフラジェリンポリペプチドを含む生の細菌ワクチンは、より活発な体液性の及び細胞性の免疫反応を次々に促進(promote)するであろう増加した自然免疫反応を誘発することが予見される。 生の弱毒化細菌ワクチンは、毒性因子を抑制するための条件下でインビトロ培養するというような古典的な方策により生産され得る。 例えば、結核ワクチン(BCGワクチン)は、一連のインビトロ継代(二次)培養法(subculturing method)により弱毒化されたウシ結核菌(Mycobacterium bovis)の生の弱毒株から成り、そして、世界中の何十億の人々に接種されている。 しかしながら、BCGワクチンは、免疫原性が変動し、そして臨床試験において、予防の有効性の割合が変動する。 本願発明の或る(特定の)実施形態は、この[生の弱毒化BCGワクチン]の免疫原性をエンハンスするための、本願明細書に記載されている外因的なフラジェリンエンコードポリヌクレオチド配列を含む生の弱毒化BCGワクチンを含み得る。 生の弱毒化細菌ワクチンは化学的な突然変異生成(mutagenesis)によっても生産されることができる。 例えば、チフス菌(Salmonella typhi)のTy21株は、化学的な突然変異生成技術に従い生成され、そして、腸チフスの予防又はリスクの低減のために認可される。 従って、本願発明は、サルモネラのTy21株のような化学的な突然変異生成によって産生される弱毒化ワクチンの使用を意図し、当該化学的に変異される細菌は、例えばTLR5及び/またはIpaf媒介細胞免疫反応を刺激することによるこのワクチン剤の免疫原性をエンハンスするための外因的に提供されるフラジェリンポリペプチドエンコード配列を含む。 従って、例えば、構成的なプロモーターによってフラジェリンを発現するサルモネラのTy21は、親のTY21株よりも大きな免疫反応を誘発することができよう。 また、生の弱毒化細菌ワクチンは、組み換え技術によって生産され得る。 例えば、1つの方策は、毒性、コロニー形成(colonization)及び/または生存(survival)に関与する遺伝子の同定、及び、その遺伝子又は遺伝子(複数)のどちらかを除去すること又はそのような遺伝子のインビボでの発現を阻止又は調節することを含み得る。 或る(特定の)実施形態において、復帰の可能性を減少させるために、毒性に貢献する2つ以上の独立した遺伝子又は遺伝子座を削除することが望ましい。例えば、認可されたコレラ菌ワクチンは、毒性因子(例えばコレラトキシン)をエンコードする遺伝子を削除することによって生産される株に基づく。 加えて、シゲラ株は、病原性を減少させるために特定のプラスミド又は、染色体遺伝子を変異させることにより開発されている。 そのようなものとして、本願発明は、当該技術分野に知られるビブリオ(Vibrio)及びシゲラワクチンのような、組み換え技術によって弱毒化される細菌ワクチンの使用を意図し、当該細菌は本願明細書で提供される、免疫調節性フラジェリンポリペプチドをエンコードする外因的なポリヌクレオチド配列を含む。 免疫調節性フラジェリンポリペプチドをエンコードする外因的なヌクレオチド配列を含み、当該外因的なヌクレオチド配列が、細菌プロモーターに作動可能に連結される、生の弱毒化細菌株は、本願発明の一部である。 細菌株は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、マイコバクテリウム レプレ(Mycobacterium leprae)、ペスト菌、淋菌(Neisseria gonorrhea)、クラミジア トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、クラミジア ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、A群ストレプトコッカス(group A Streptococcus)、B群ストレプトコッカス(group B Streptococcus)、ナイセリア メニンギティディス(Neisseria meningiditis [sic. Neisseria meningitides] )、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)及びアシネトバクター バウミー(Acinetobacter baumii)から選択される細菌のような、内因的なフラジェリン遺伝子を含まないものであり得る。 他の実施形態において、細菌は、TLR5媒介免疫反応又はIpaf媒介免疫反応を誘導しない内因的なフラジェリンポリペプチドを含む。 そのような細菌は、例えば、ピロリ菌及びカンピロバクター ジェジュニ(Camphylobacter jejuni)を含む。 他の実施形態において、細菌は、TLR5及び/又はIpaf媒介反応を誘導することができる内因的なフラジェリンポリペプチド配列を産生しないように改変される。 そのような細菌は、ネズミチフス菌、チフス菌、パラチフス菌(Salmonella paratyphi)、サルモネラ エンテリディティス(Salmonella enteriditis)及び、リステリア菌から選択され得る。 或る(特定の)実施形態において、外因的に提供されるフラジェリンポリヌクレオチド配列を含む細菌は、細菌の表面成分として、又は分泌される分子としてフラジェリンポリペプチドを発現し得る。 或る(特定の)実施形態において、細菌は、哺乳類宿主細胞の中で複製することが可能である型である(すなわち、細胞内複製)。 細菌ワクチンは、内因的なフラジェリンエンコードヌクレオチド配列を含むか又は、そのような内因的な配列を含み得ない細菌を含み得る。 例えば、細菌ワクチンは、無鞭毛(non-flagellated)細菌、自然にTLR5又はIpaf媒介細胞反応を誘導しない有鞭毛(flagellated)細菌、及び/又はTLR5又はIpaf媒介細胞反応を誘導できるフラジェリンポリペプチドを含むが、それにも関わらず感染宿主の自然免疫の活性化を避けるために内因的なフラジェリン発現を抑制する有鞭毛細菌を含み得る。 無鞭毛細菌(つまり、典型的に内因的なフラジェリン遺伝子を含まない細菌)の例は、以下に限定されないが、結核菌、マイコバクテリウム レプレ、ペスト菌、淋菌、クラミジア トラコマチス、クラミジア ニューモニエ、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、A群ストレプトコッカス(GAS)、B群ストレプトコッカス(GBS)、ナイセリア メニンギティディス、インフルエンザ菌及び、アシネトバクター バウミーを含む。 如何なる理論にも拘束されることを望まないが、そうでなければ無鞭毛である細菌の細胞表面として又は分泌される分子としてフラジェリンポリペプチドを発現するポリヌクレオチド配列を導入することは、TLR5及び/又はIpaf媒介細胞反応を刺激するであろうこと、それによって、所定の無鞭毛細菌ワクチンへの自然免疫反応及び獲得免疫反応をエンハンスすると考えられる。 内因的なフラジェリン遺伝子を含むが、TLR5媒介、又はIpaf媒介免疫反応を誘導しない(つまり、TLR5及び/又はIpafが、内因的な細菌フラジェリンタンパク質との相互作用を行わない)有鞭毛細菌の例は、以下に限定されないが、カンピロバクター ジェジュニ(Campylobacter jejuni)及びピロリ菌を含む。 例示において、TLR5がフラジェリンの高度に保存されるドメインを認識する事実にも関わらず、いくつかの有鞭毛細菌は、TLR5による検出を妨げる(prevent)D1ドメインにおける配列変異を含むことが示されている。 例えば、上記で指摘されるように、ヒトの病原菌であるカンピロバクター ジェジュニ及びピロリ菌を含むε‐プロテオバクテリア(ε-Proteobacteria)は、フラジェリン重合(polymerization)及び運動性を回復する補償的変異(compensatory mutation)と同様に、TLR5の回避を許容する配列変異を含む。 本願明細書に記載される免疫調節性フラジェリンポリペプチドをエンコードし及び発現する外因的なポリヌクレオチド配列の付加は、TLR及び/又はIpaf媒介細胞反応を刺激するであろうし、そしてそれによって、細菌のそれらの型(types)への免疫反応を増強(エンハンス)すると考えられる。 TLR5又はIpaf媒介反応を誘導することができるフラジェリンポリペプチドを含むがしかし他方で自然免疫の活性化を避けるために前記フラジェリン遺伝子の発現を抑制する有鞭毛細菌の例は、以下に限定されないが、ネズミチフス菌、チフス菌、パラチフス菌、サルモネラ エンテリディティス、リステリア菌を含む。 細菌のそれらの型に関して、免疫調節性フラジェリンポリペプチドを、細菌によって阻害されない細菌プロモーターのようなプロモーターのコントロール下に置くことは、TLR及び/又はIpaf媒介細胞反応を刺激するであろうし、そしてそれによって、細菌のそれらの型への免疫反応をエンハンスする、と考えられる。 免疫調節性フラジェリンポリペプチドをエンコードする外因的なポリヌクレオチド配列は、当該技術分野に知られる技術を使用して、細菌に導入することができる。[真核性寄生生物ワクチン] また、本願発明は、真核性寄生生物を含むワクチン組成物の使用を意図し、当該寄生生物は、免疫調節性フラジェリンポリペプチドをエンコードする外因的なヌクレオチド配列を含み、そして、当該外因的なヌクレオチド配列は、プロモーターに作動可能に連結される。 寄生生物の例は、以下に限定されないが、赤痢アメーバ(Entemoeba histolytica [sic. Entamoeba histolytica])、アメリカ鉤虫(Necator americanus)、ズビニ鉤虫(Ancylostoma duodenale)、リーシュマニア属(Leishmania)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原虫(P. vivax)、卵形マラリア原虫(P. ovale)、四日熱マラリア原虫(P. malariae)、マンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)、ビルハルツ住血吸虫(S. haematobium)、日本住血吸虫(S. japonicum)、回旋糸状虫(Onchocerca volvulus)、トリパノソーマ クルージ(Trypanosoma cruzi)及び、メジナ虫(Dracunculus medinensis)を含む。[投与のための組成物/製剤] 本願発明は、薬学的な組成物及び、本願明細書に記載される、複製可能なウイルス、ウイルスベクター、生の弱毒化細菌及び/又は、真核性寄生生物を含むワクチン組成物(つまりワクチン剤)又は融合タンパク質を包含する。 薬学的な組成物は、典型的に、薬学的に許容できる輸送体ないし担体(carrier)又は、本願発明のワクチン剤と組み合わせる賦形剤を含む。 ワクチン組成物は、典型的に、本願発明のワクチン(薬)剤と組み合わせる追加の薬学的に許容できるアジュバンドを含む。 本願発明の薬学的な及びワクチンの組成物は、以下に限定されないが、吸入[投与]、皮内[投与]、経皮[投与]、筋肉内[投与]、局所[投与]、鼻腔内[投与]、皮下[投与]、直接注射[投与]及び、製剤を含む投与の任意の適切な手段に従って投与され得る。 本願発明の組成物は、ヒドロキシプロピルセルロースのような界面活性剤が適切に混合される水で調製され得る、本願明細書で提供される活性化ワクチン剤(例えばウイルス又は細菌)の溶液を含み得る。 また、分散系(dispersions)は、グリセロール、脂質ポリエチレングリコール及びそれらの混合物中(in)において及び油中(in)において調製され得る。 保存及び使用のありふれた条件の下、これら調製物は、望ましくない微生物の増殖を妨げるための保存料を含む。 注入可能な使用に適した薬学的な形態(form)は、無菌的な注射可能な溶液又は分散系の即時(席)調製(extemporaneous preparation)のための、無菌的な水溶液又は分散系(体)及び、無菌的な粉末を含む。 全ての場合において、溶液の形は無菌的であり、そして簡単な注射器による注射可能な流動性(syringability)が存在するように、液体であるべきである。 製造及び保存の条件下では安定であるべきであり、その最中に提供されるワクチン剤に関係の無い細菌および菌類のような、不要な微生物の汚染活動(contaminating action)に対して保存されるべきである。 輸送体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び脂質ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物、及び/又は植物油を含む、溶液又は分散媒体(dispersion medium)であり得る。 適した流動性(fluidity)は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用、分散の場合において必要とされる粒子径の維持及び、界面活性剤の使用により維持され得る。或る(特定の)実施形態において生きた細菌は組成物に含まれないが、望ましくない微生物の活動の防止(prevention)は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどの様々な抗細菌及び抗菌剤によってもたらされ得る。 多くの場合において、例えば砂糖又は塩化ナトリウムなどの等張剤を、好ましくは含むであろう。 注射可能な組成物の持続的吸収(prolonged absorption)は、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンという吸収を遅らせる薬剤の組成物中での使用によってもたらされ得る。 一般的に、適切な製剤は、本願明細書に引用として組み込まれる、Remington's Pharmaceutical Sciences, latest edition, Mack Publishing Co., Easton, PAに記載される。[処置の方法/疾病] 本願発明は、変性状態(degenerative conditions)又は癌のような病的に異常な細胞に起因する状態に加えて、ウイルス感染、細菌感染及び寄生体感染のような、伝染性の疾病を含む広い範囲の疾病又は状態の処置又は受けるリスクの低減のために本願明細書で提供されるワクチンを利用することを意図する。 ウイルス性伝染性疾病又は病原体(agent)の例は、以下に限定されないが、特に本願明細書の他で記載された中でも、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、E型肝炎、カリシウイルス関連性下痢(Caliciviruses associated diarrhea)、ロタウイルス性下痢、インフルエンザ菌B肺炎(Haemophilus influenzae B pneumonia)及び、侵襲性疾患(invasive disease)、インフルエンザ、はしか(measles)、おたふく風邪(mumps)、風疹(rubella)、パラインフルエンザ関連性肺炎(Parainfluenza associated pneumonia)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)肺炎、重症急性呼吸器症候群(SARS)、ヒトパピローマウイルス、単純ヘルペス2型生殖器潰瘍(genital ulcers)、HIV/AIDS、デング熱、日本脳炎、ダニ媒介脳炎、ウエストナイルウイルス関連性疾病、黄熱病、エプスタインバーウイルス、ラッサ熱(Lassa fever)、クリミア‐コンゴ出血熱、エボラ出血熱、マールブルグ出血熱、狂犬病、リフトバレー熱、天然痘、ハンセン病、上及び下気道感染症、灰白髄炎(poliomyelitis)を含む。 細菌感染疾病又は病原体の例は、以下に限定されないが、特に本願明細書の他で記載された中でも、炭疽菌(Bacillus antracis [sic. Bacillus anthracis])、ボレリア バーグドルフェリ(Borellia burgdorferi [sic. Borrelia burgdorferi])、ブルセラ アボルタス(Brucella abortus)、ブルセラ カニス(Brucella canus [sic. Brucella canis])、ブルセラ メリテンシス(Brucella melitensis)、ブルセラ スイス (Brucella suis)、カンピロバクター ジェジュニ、クラミジア ニューモニエ、クラミジア シッタシ(Chlamydia psitacci [sic. Chlamydia psittaci])、クラミジア トラコマチス、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、C.ディフィシル、ウエルシュ菌(C. perfringens)、破傷風菌(C. tetani)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)(すなわち、ジフテリア)、エンテロコッカス(Enterococcus)、大腸菌、インフルエンザ菌、ピロリ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、レプトスピラ(Leptospira)、リステリア菌、マイコバクテリウム レプレ、結核菌、マイコプラズマ ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、淋菌、ナイセリア メニンギティディス(N. meningitidis)、緑膿菌、リケッチア リケッチイ(Rickettsia recketisii [sic. Rickettsia rickettsii])、チフス菌、ネズミチフス菌、ソンネ菌(Shigella sonnei)、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)、腐性ブドウ球菌(S. saprophyticus)、ストレプトコッカス アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、肺炎球菌、化膿連鎖球菌(S. pyogenes)、トレポネーマ パリダム、コレラ菌、ペスト菌、百日咳菌(Bordatella pertussis [sic. Bordetella pertussis)及び中耳炎(otitis media)(例えば、しばしば肺炎球菌、インフルエンザ菌又は、カタル球菌(Moraxella catarrhalis)が一因となる)を含む。 或る(特定の)実施形態は、哺乳類に、単離された真核性寄生生物を含む組成物を投与することを含み、哺乳類における病原性寄生性感染(parasitic infection)若しくは寄生性疾病(parasitic disease)の処置又はリスクの低減のための方法を意図し、当該寄生生物は、免疫調節性フラジェリンペプチドをエンコードする外因的なヌクレオチド配列を含み、そして、当該外因的なヌクレオチド配列は、プロモーターに作動可能に連結される。 寄生性伝染性疾病は、以下に限定されないが、アメーバ症(例えば、赤痢アメーバ)、鉤虫病(Hookworm Disease)(例えば、アメリカ鉤虫及びズビニ鉤虫のようなネマトードパラサイト(nematode parasites))、リーシュマニア症(Leishmaniasis)、マラリア(4種類の寄生性原虫であるプラスモジウム;熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、四日熱マラリア原虫)、住血吸虫症(Schistosomiasis)(寄生性住血吸虫 (parasitic Schistosoma);マンソン住血吸虫、ビルハルツ住血吸虫及び、日本住血吸虫)、回旋糸状虫(河川盲目症(River blindness))、トリパノソーマ クルージ(シャーガス病/アメリカ眠り病(American sleeping sickness))及び、メジナ虫、リンパ管フィラリア(lymphatic filariasis)を含む。 また、本願明細書で提供される方法は、癌若しくは変性状態のような「病的に異常な細胞」を特徴とする状態の処置又は関連するリスクの低減のために使用され得る。 例えば、或る(特定の)実施形態は、単離された複製可能なウイルス又は複製不可能なウイルス(つまり、感染の単回にのみ[複製]能を有する)を含む組成物を哺乳類に投与することを含む、癌の状態又は変性状態(つまり、「病的に異常な細胞」を特徴とする状態)を処置する方法を意図し、当該複製可能なウイルスは、免疫調節性フラジェリンポリペプチドをエンコードするヌクレオチド配列を含み、そして当該ウイルスは、所望の抗原をエンコードするヌクレオチド配列を含む。 或る(特定の)実施形態において、所望の抗原は、腫瘍細胞のような癌細胞に関連するが、正常細胞には、有意には関連しない。 例えば、癌又は腫瘍細胞は、それら細胞表面(上)で特徴的な抗原を発現し得、それは本願明細書で提供されるワクチンを使用する免疫療法のための標的を提供できる。 例えば、5T4抗原発現は、悪性腫瘍の進行(development)の間中、どの悪性腫瘍にも広がり、そして結腸直腸腫瘍、卵巣腫瘍及び胃の腫瘍のような腫瘍において見られる。 これらの場合において、5T4の発現は、予後の補助(prognostic aid)として使用され、正常組織において5T4は発現がとても限られているため、そしてそれゆえ本願明細書で提供される方法での使用のための所望の抗原であることを示す。 TLR5媒介反応及び/又はIpaf媒介細胞反応を刺激することにより、癌細胞に関連する抗原に対するエンハンスされる免疫反応を刺激することは、癌又は腫瘍細胞に対する細胞性免疫反応のような免疫反応を誘導するであろうし、それによって、癌又は腫瘍細胞を破壊する手助けをすると考えられる。 本願発明に従って処置され得る癌又は腫瘍の例は、以下に限定されないが、前立腺癌、肺癌、結腸直腸癌、膀胱癌、皮膚メラノーマ(cutaneous melanoma)、膵癌、白血病、乳癌、子宮内膜癌、非ホジキンリンパ腫、卵巣癌、悪性メラノーマ、腎細胞癌、甲状腺癌、皮膚癌(メラノーマではないもの)を含む。 また、本願発明は、生物剤(生物治療)、化学治療剤及び、放射線治療剤のような抗癌剤と共に使用することを含む、化学治療の付属として本願明細書で提供されるワクチン組成物の使用をも意図する。 広い範囲にわたって使用されている放射線治療の例は、γ線、X線、及び/又は腫瘍細胞への放射性同位体の定方向伝達(directed delivery)として一般的に知られるものを含む。 また、マイクロ波及び紫外線照射のような、DNAを損傷する因子の他の形が意図される。 恐らく、これらの因子の全ては、DNA、DNA前駆体、DNAの複製又は修復(repair)及び、染色体の組み立て(assembly)及び維持に関する広い範囲の損傷に影響を及ぼす。 以下の例は、例示として提供され、本願発明を限定するものではない。[挿入されたフラジェリンを有するインフルエンザNSのクローニング] フラジェリンは、PCR増幅され、そしてストランドオーバーラップエクスチェンジPCR(strand overlap exchange PCR)によってインフルエンザのNSセグメントに挿入された。 結果として[得られた]産物(product)は、NS1遺伝子に挿入されたフラジェリンを有する、pHW198‐NSプラスミドからのPR8のNSセグメントを含む。 NS1を125番目のアミノ酸の後に終止しそしてフラジェリン挿入を開始する、開始/終止配列(TAATG)によって、NS1は、125番目のアミノ酸で切断される。 本願発明者らは、TLR5及びIpafにより認識されるであろう最小のフラジェリン配列を利用した。 このフラジェリンは、取り除かれる変化可能なドメインを有し、1‐184[の位置の]ネズミチフス菌フラジェリンfliCのアミノ酸、エピトープタグリンカー(GSK-HA)、続いて395‐494[の位置の]フラジェリン残基を含む。この構成物は、NS2遺伝子スプライス部位(splice site)を保持するが、但しNS2が不連続にならないようにしておくべきである。PCR産物は、ApaI及びNheIで切断され、そして同一の酵素で切断されたpHW198‐NSに挿入された。[組み換えインフルエンザウイルスによるTLR5のインビトロ活性化] この実施例において、フラジェリンを発現する組み換えインフルエンザウイルスは、TLR5を活性化することにより確認される。 フラジェリンを発現する組み換えインフルエンザの2つの型が使用される:1)インフルエンザエンベロープタンパク質(HA又はNA)の1つに融合する免疫調節性フラジェリンポリペプチド、又は、2)感染細胞の細胞質中で自由に発現され、かつ感染細胞の破裂(rupture)の際、細胞外空間に逃げ出す(escape)ことができるようなペプチド。 そのような組み換えフラジェリンポリペプチド発現インフルエンザに感染した細胞からの上清は、NF‐κB応答プロモーターによって駆動されるルシフェラーゼと共にヒトTLR5を発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)と共にインキュベートされる。 この細胞株は、ルシフェラーゼ活性によってTLR5エンゲージメント(の作動)(engagement)の評価を可能にする。 陽性のルシフェラーゼ生産は、組み換えウイルスからの成功したフラジェリンポリペプチド発現の証拠と受け取られる。 これらウイルスによりエンコードされるフラジェリンポリペプチドは、D1ドメインの関連する部分を含まなければならないが、そのタンパク質のそれを越える部分を含むことができる。 アッセイのために、CHO K1細胞は、pEF6/V5‐His TOPOベクター(Invitrogen)にクローン化されたヒト又はネズミTLR5cDNA、ELAM‐LUC49及び、pRL‐TK(Promega)プラスミドを導入され、ブラストサイジンで選択され、そして限界希釈法(limiting dilution)によりクローン化される。 安定したクローンは、4‐5時間刺激され、そしてルシフェラーゼ活性についてアッセイされる。 全てのアッセイは、3通り(triplicate)行われ、そして各実験は、少なくとも3回繰り返される。 「〜倍誘導」(Fold induction)は、テスト状態でのルシフェラーゼ値(luciferase values)をコントロール状態での相対的なルシフェラーゼ値で割ることにより計算される。[組み換えインフルエンザウイルスによるIpafのインビトロ活性化] この実施例において、組み換えフラジェリンポリペプチド発現インフルエンザは、Ipaf活性化について分析される。 フラジェリンポリペプチドは、感染細胞の細胞質における遊離(free)タンパク質として発現される。 Ipaf活性化を決定するために、マクロファージに組み換えウイルス粒子を感染させ、そしてIL‐1β分泌を、野生型インフルエンザウイルスと比較して測定する。 Ipafシグナル伝達への依存は、Ipafを欠くネズミ由来のマクロファージの使用によって決定され、又は、ヒト単球由来マクロファージにおけるshRNA又はsiRNAを使用するノックダウンにより決定される。 これらウイルスにおいて発現されるフラジェリンは、D0ドメインを含まなければならないが、そのタンパク質のそれを越える部分を含むことができる。[組み換えインフルエンザによるTLR5及びIpafシグナル伝達のインビボ活性化] 一度、上記の組み換えインフルエンザウイルスが、上記実施例2及び3により確認されていれば、それら[インフルエンザウイルス]は、ネズミに感染させるのに使用される。 ネズミに、フラジェリンポリペプチドを発現する組み換えインフルエンザを、経鼻内で感染させる。 ウイルス複製、サイトカイン発現、組織病理及び、予防の獲得免疫反応の発生に対するフラジェリンポリペプチドの効果は、野生型インフルエンザウイルスと比較される。 これら実験は、作動(action)の機構を決定するために、TLR5、Ipaf、又はそれら両方を欠損するネズミにおいて繰り返される。[Ipafによる細胞質フラジェリンの検出] 細胞質フラジェリンは、IL‐1β分泌を刺激する。 (a)オボアルブミン(OVA)又は様々な量のフラジェリン(FliC)タンパク質を処置され、LPS刺激されたBMMからのIL‐1β生産についてのELISA。 (b)30ngのフラジェリン(FliC)又は、正常の感染の間マクロファージの細胞質にアクセスする他の細菌毒性因子、SspH1(サルモネラ SPI1 TTSS エフェクター)、SseI(サルモネラ SPI2 TTSS エフェクター)、ActA(リステリア 毒性因子)又は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を処置されたBMMからのIL‐1β生産についてのELISA。 (c)125ngのOVA若しくはフラジェリン(FliC)を処置され又は、プロテインキナーゼKで終夜消化(overnight digestion)後のタンパク質を処置されたBMMからのIL‐1β生産についてのELISA。 プロフェクト(薬)剤(Profect reagent)の省略は、コントロールとして示される。 (d)60ngのフラジェリン(FliC)又はOVAを導入されたBMMより分泌された成熟(mature)IL‐1βについての免疫ブロット。 細胞毒性はごくわずかであり、そしてサンプル間で同等であった(<5%)。 Ipafは、細胞質フラジェリンへの反応に必要とされる。 (a‐b)野生型(WT)、Ipaf‐KO又はTLR5‐KOネズミ由来のBMMは、60ngの精製されたフラジェリンでのプロフェクト導入(Profect transfection)前に、2時間LPSで刺激された。 (a)IL‐1bβ分泌についてのELISA。 野生型及びTLR5‐KOヌル(null) BMMの間に観察される差(difference)は、統計的に有意でなく(p>0.05)、一方Ipaf‐KO BMMは、野生型及びTLR5‐KO BMMよりも有意に低かった(p<0.05)。 (b)プロセスされたカスパーゼ1は、精製されたフラジェリン又はOVAの2時間のプロフェクト導入の後に、免疫ブロットにより検出された。 (c)LPS(50 ng/ml)又はPoly I:C(5μg/ml)とR848(5μg/ml)で24時間刺激された野生型又はIpaf‐KO BMMからのIL‐1βの分泌についてのELISA。 (d)30ngの精製されたフラジェリンのプロフェクト導入前に10ng/mlのLPSで2時間刺激された野生型、Ipaf‐KO又はASC‐KOネズミからのBMMからのIL‐1β分泌についてのELISA。 野生型及びASC‐KO BMMの間に観察される差は、統計的に有意であった(p<0.05)。 細胞毒性はごくわずかであり、そしてサンプル間で同等であった(<5%)。[Ipafは、フラジェリン発現病原体を制限する] ネズミチフス菌は、インビトロにおいて、SPI1 T3SSを介するフラジェリンの輸送によってIpafを活性化するが、全身感染(systemic infection)の間は、PhoP/PhoQ制御系を介してフラジェリンの発現を抑制する。 フラジェリン発現は、ネズミチフス菌感染ネズミの脾臓において検出できず、そして、Ipafヌルネズミは、ネズミチフス菌感染に対する感受性が有意に増加していない。 その一方、レジオネラ ニューモフィラは、この回避方策を身に付けておらず、そして感染の間、フラジェリンの発現を維持し、結果としてIpaf媒介クリアランス(clearance)をもたらす。 有鞭毛病原体に対するIpaf媒介防御の重要性の研究のために、本願発明者らは、インビボにおいてフラジェリンを抑制することが不可能な株を創作し、そしてこれら細菌は、宿主細胞の細胞質にフラジェリンを特異的に輸送する。 本願発明者らは、高度に安定なpWSK29発現ベクター(pSPI2 fliC)で運ばれるSPI2共調節(co-regulated)プロモーターからFliCを発現した。 これら細菌は、SPI2 T3SSを介してフラジェリンを宿主細胞質へ分泌し、そしてIpaf依存IL‐1β分泌を誘導する。 骨髄由来マクロファージ(BMDM)に、pSPI2 fliCを発現する、野生型[ネズミチフス菌]又はSPI2変異体(ssaT)ネズミチフス菌を、MOI 12で、1時間次にゲンタマイシンを7時間処置して感染させた。 IL‐1β分泌は、ELISAによって決定(ないしは、測定)された。 結果は図1Aに表される。 本願発明者らは、野生型ネズミチフス菌はIpafを回避するための方策を進化させているので、この株が正常なネズミチフス菌病原性(pathogenesis)を反映するものでないという事実を認識している。 本願発明者らの目的は、自然免疫反応におけるIpafの役割を研究するための特異的なプローブとしてこの株を使用することである。 ワクチンとしての、この株の有効性をテストするために、予備実験が行われた。 一方のネズミに、pSPI2 fliCを発現するネズミチフス菌を経口で感染させた。 2週間後、そのネズミは、野生型のネズミチフス菌の致死量をチャレンジされた(challenged)。 コントロールのネズミは5‐7日以内に死亡したが、ワクチン接種されたネズミは、はっきりとした症状なしで感染を生き残った。 インビボにおけるIpafの役割を研究するために、野生型又はIpafヌルネズミに、腹腔内に、5×104cfuの[濃度の]、カナマイシン耐性でマークされた野生型ネズミチフス菌又は、アンピシリン耐性でマークされたpSPI2 fliCネズミチフス菌のそれぞれを共感染させ(co-infected)、そして脾臓及び肝臓における細菌の持続性(bacterial persistence)を決定した。 野生型又はIpafヌルネズミに、pSPI2 fliC(pWSK29内;アンピシリン)又は空のpWSK129(カナマイシン)ベクターを有するネズミチフス菌を1:1の割合で共感染させた。 2日後、ネズミを安楽死させ、そして脾臓及び肝臓からの細菌数が決定(ないしは測定)された。 pSPI2 fliC/ベクターの10の対数値(log10(pSPI2 fliC/vector))が示される(-2は、100倍減少に対応する)。 結果は、図1Bに表される。 pSPI2 fliCを発現する細菌は、野生型ネズミにおいて複製を欠損しており、野生型ネズミチフス菌と比較して回収される細菌が100倍だけ少ない。 この制限は、Ipafヌル動物においては観察されず、Ipaf活性化は細菌増殖を制限することを示している。 これらインビトロ及びインビボ実験において、細菌は無傷(intact)のSPI1及びフラジェリン遺伝子を含む。 しかしながら、SPI1 T3SS及びフラジェリン遺伝子が転写活性でないことから、その細菌は増殖する(終夜の定常期細菌培養)。 対象において自然免疫反応を誘発するための組成物であって、当該組成物が、(a)免疫調節性フラジェリンポリペプチドをエンコードするヌクレオチド配列のための発現系を含む単離された複製可能なウイルス;(b)外因的な免疫調節性フラジェリンポリペプチドのための発現系を含むように改変された単離された細菌株;(c)免疫調節性フラジェリンポリペプチドのための発現系を含む真核性寄生微生物;及び(d)抗原及び/又は前記対象の細胞において細胞貫通を促進するアミノ酸配列と融合する免疫調節性フラジェリンポリペプチドから本質的に成る融合タンパク質から成るグループから選択される活性成分を含有する組成物。 当該複製可能なウイルスが、アデノウイルス、カリシウイルス、ピコルナウイルス、ヘルペスウイルス、ヘパドナウイルス、フィロウイルス、フラビウイルス、レトロウイルス、オルトミクソウイルス、パポバウイルス、パルボウイルス、ポックスウイルス、レオウイルス、トガウイルス及びインフルエンザから選択されることを特徴とする請求項1の組成物。 (a)における、免疫調節性フラジェリンをエンコードする当該ヌクレオチド配列が、ウイルスポリペプチドをエンコードするヌクレオチド配列に挿入されることを特徴とする請求項1の組成物。 当該ウイルスポリペプチドが、表面タンパク質であることを特徴とする請求項3の組成物。 (b)における当該細菌株が、内因的なフラジェリン遺伝子を含まないことを特徴とする請求項1の組成物。 (b)における当該免疫調節性フラジェリンポリペプチドが、シグナル配列と作動可能に結合されることを特徴とする請求項1の組成物。 (b)における当該細菌株が、結核菌、マイコバクテリウム レプレ、ペスト菌、淋菌、クラミジア トラコマチス、クラミジア ニューモニエ、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、A群ストレプトコッカス、B群ストレプトコッカス、ナイセリア メニンギティディス[sic. Neisseria meningitidis]、インフルエンザ菌、アシネトバクター バウミー、ピロリ菌及びカンピロバクター ジェジュニから選択されることを特徴とする請求項1の組成物。 (b)における当該細菌株が、内因的な免疫調節性フラジェリンポリペプチドの抑制を妨げるように改変されることを特徴とする請求項1の組成物。 当該細菌株が、ネズミチフス菌、チフス菌、パラチフス菌、サルモネラ エンテリディティス及び、リステリア菌から選択されることを特徴とする請求項8の組成物。 (d)における当該融合タンパク質が、細胞貫通ポリペプチド配列を含むことを特徴とする請求項1の組成物。 (d)における当該融合タンパク質が、ウイルス、細菌又は寄生体抗原を含むことを特徴とする請求項1の組成物。 前記免疫調節性フラジェリンポリペプチドが、単鎖の形であることを特徴とする請求項1の組成物。 当該免疫調節性フラジェリンポリペプチドが、単一のポリペプチドとして又は分離したポリペプチドとして、D1ドメイン、D0ドメイン又は、その両方の必要とされる部分を含むことを特徴とする請求項1の組成物。 当該自然反応が、獲得反応を増加させることを特徴とする請求項1の組成物。 対象において自然免疫反応を誘導するための方法であって、当該方法が、その様な誘導を必要としている対象に、有効な量の請求項1にかかる組成物を投与することを含む方法。 【課題】 対象において、細胞内及び細胞外で自然免疫反応を刺激することができるワクチンを提供する。【解決手段】ワクチンに、(a)免疫調節性フラジェリンポリペプチドをエンコードするヌクレオチド配列のための発現系を含むウイルス;(b)外因的な免疫調節性フラジェリンポリペプチドのための発現系を含む細菌株;(c)免疫調節性フラジェリンポリペプチドのための発現系を含む寄生細胞;及び(d)抗原及び/又は細胞貫通ペプチドと融合する免疫調節性フラジェリンポリペプチドから成る融合タンパク質、から成るグループから選択される活性成分を含ませる。【選択図】 図1 配列表