タイトル: | 公表特許公報(A)_心筋症の画像誘導療法:組成物、製造法、および適用法 |
出願番号: | 2011501782 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | A61K 31/16,A61K 31/138,A61K 51/00,A61K 49/00,A61P 9/00,A61P 9/12,A61P 9/06,A61P 9/10,A61P 9/04 |
ヤング デイビッド ジェイ. オー チャン ソク コハニム サーディー ユー ドン‐ファン キム エドムンド イー. メンデス リチャード JP 2011515467 公表特許公報(A) 20110519 2011501782 20081219 心筋症の画像誘導療法:組成物、製造法、および適用法 ザ ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティー オブ テキサス システム 508152917 清水 初志 100102978 春名 雅夫 100102118 山口 裕孝 100160923 刑部 俊 100119507 井上 隆一 100142929 佐藤 利光 100148699 新見 浩一 100128048 小林 智彦 100129506 渡邉 伸一 100130845 大関 雅人 100114340 五十嵐 義弘 100114889 川本 和弥 100121072 ヤング デイビッド ジェイ. オー チャン ソク コハニム サーディー ユー ドン‐ファン キム エドムンド イー. メンデス リチャード US 61/038,973 20080324 A61K 31/16 20060101AFI20110422BHJP A61K 31/138 20060101ALI20110422BHJP A61K 51/00 20060101ALI20110422BHJP A61K 49/00 20060101ALI20110422BHJP A61P 9/00 20060101ALI20110422BHJP A61P 9/12 20060101ALI20110422BHJP A61P 9/06 20060101ALI20110422BHJP A61P 9/10 20060101ALI20110422BHJP A61P 9/04 20060101ALI20110422BHJP JPA61K31/16A61K31/138A61K49/02 AA61K49/02 BA61K49/00 AA61K49/00 CA61P9/00A61P9/12A61P9/06A61P9/10A61P9/04 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW US2008087777 20081219 WO2009120244 20091001 33 20101111 4C085 4C206 4C085HH01 4C085HH03 4C085HH07 4C085HH09 4C085KA28 4C085KA29 4C085KA36 4C085KB45 4C085KB46 4C085LL01 4C206AA01 4C206AA02 4C206FA21 4C206GA07 4C206GA23 4C206MA01 4C206MA04 4C206NA14 4C206ZA36 4C206ZC41 本出願は、2008年3月24日に出願された米国仮特許出願第61/038,973号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書中に組み入れられる。I.発明の技術分野 本発明は、一般的に放射性イメージング、放射線治療、標識、化学療法、および化学合成の分野に関する。より具体的に、本発明は、心疾患のイメージングおよび治療に適した特定の新規の剤に関連する。II.背景および関連技術の説明 心血管疾患(CVD)は、多くの西洋諸国において主な死亡原因であり、脳、心臓そのもの、およびその他の重要臓器などの身体における重要な生命維持領域に酸素を供給する心臓、動脈、静脈、および肺における機能障害性状態を含む。米国では、ほぼ二人に一人のアメリカ人がある種の心血管疾患により死亡し、年間の死亡者数は975,000を超える。心血管疾患は、冠動脈心疾患(CHD)、冠動脈疾患(CAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アテローム性動脈硬化症、内因性心筋症(CM)、および血栓症を含んでもよく、心不全、心筋梗塞、肺塞栓症、および脳卒中等の潜在的に命を脅かす現象につながる可能性がある。 生物医学的イメージングは、心血管疾患を評価するため、および最近になって治療手段を方向付けるために、医師および研究者により幅広く利用されている、多様なモダリティを含む。臨床手順に種々のこの様な手法を組み合わせることにより、心血管系機能または機能障害の主要な機能的および形態的特徴を評価することができる。心血管機能の詳細な像を医療従事者に提供することは、治療ならびに早期および正確な診断において重大な意味を持つ。多くの病状と同様に、心血管疾患の早期診断は、治療効果を最大にし、長期に渡る健康への影響を最小にするために重要である。更に重要なことは、心血管疾患のいくつかの型において、これは健康的な生活様式へ転換させるための時間を患者に提供すると共に、そのような試みにより患者の予後が改善される可能性が高まることを提供する。 心血管疾患の広範な発生、その頻繁に致命的な転帰、および早期診断を受けた患者に対する潜在的利益のため、様々な型の心血管機能障害のための追加的な診断手段および治療の選択肢がなおも必要とされている。 本発明者は、新規の診断用および治療用剤として適用可能な特定の化学結合体を合成した。本発明の特定の側面に従って、エチレンジアミンを結合されたまたは組み込まれた(embedded)、ベータアドレナリン受容体を標的とする化合物を含む、標的部分を含む剤が提供される。結合は、化学結合または複数のリンカーを介した部分のカップリングを意味してもよい。ベータアドレナリン受容体を標的とする化合物は、AC623、アセブトロール、アルプレノロール、アモスラロール、アロチノロール、アテノロール、ベフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブシンドロール、ブクモロール、ブフェトロール、ブフラロール、ブニトロロール、ブプラノロール、ブチドリン塩酸塩、ブトフィロロール、カラゾロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、セタモロール、クロラノロール、ジレバロール、エスモロール、インデノロール、ラベタロール、ランジオロール、レボブノロール、メピンドロール、メチプラノロール、メトプロロール、モプロロール、ナドロール、ナドキソロール、ネビボロール、ニフェナロール、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プラクトロール、プロネタロール、プロプラノロール、ソタロール、スルフィナロール、タリノロール、テルタトロール、チリソロール、チモロール、トリプロロール、キシベノロール、およびその組み合わせを含むが、これらに限定されない。特定の態様において、ベータアドレナリン受容体を標的とする化合物は、エスモロールである。 化学的結合のための適当な結合手法の例は、米国特許第4,439,356号および同第5,188,934号;米国特許広報第2003/0194740号;欧州特許出願第87310256.0号;国際特許出願第PCT/US90/05565号に掲載されており、その各々は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。「リンカー」とは、単共有結合または一連の安定した共有結合を含む部分を意味し、該部分は、化学反応性を有する基または塩基部分等の非生物学的成分および生物学的成分等の別の部分にレポーター部分を共有結合により連結させる、C、N、O、S、およびPからなる群より選択される1から40個の複数価原子をしばしば含む。リンカー中の複数価原子の数は、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、25、30、または40までの更に大きな数もしくはそれ以上であってよい。リンカーは、線形または非線形であってよく;一部のリンカーは、ペンダント側鎖またはペンダント官能基(またはその両方)を有する。そのようなペンダント部分の例としては、親水性変更因子、例えばスルホ(--SO3Hまたは--SO3-)等の可溶化基が挙げられる。一つの態様において、リンカーは、単結合、二重結合、三重結合、または芳香族性炭素-炭素結合、炭素-窒素結合、窒素-窒素結合、炭素-酸素結合、および炭素-硫黄結合の任意の組み合わせから構成される。例示的な結合メンバーとしては、--C(O)NH--、--C(O)O--、--NH--、--S--、--O--等を含む部分が含まれる。リンカーは、例えば、--C(O)NH--、--C(O)O--、--NH--、--S--、--O--、--C(O)--、--S(O)n--ここでnは0、1または2、--O--、単環式の5-または6-員環および任意のペンダント官能基、例えばスルホ、ヒドロキシ、およびカルボキシより選択される部分の組み合わせからなるものでもよい。リンカーがレポーター部分に結合することにより形成された部分は、-L-Rxと表してもよい。レポーター部分は、それと反応する物質と反応させ、それによりリンカーが結合型物質に結合されてもよく;この場合、リンカーは、典型的には反応性を有する基の残基(例えば、エステルのカルボニル基)を含む。 特定の態様において、造影剤はエチレンジアミンを含む。特定の局面において、有価金属イオンは、エチレンジアミンまたはベータアドレナリン受容体/エチレンジアミン結合体に連結またはカップリングしている。全ての有価金属イオンが本発明の剤へのキレート化に企図される。例えば、有価金属イオンとしては、Gd、Fe、Tc-99m、Cu-60、Cu-61、Cu-62、Cu-64、Cu-67、In-111、Tl-201、Ga-67、Ga-68、As-72、Re-186、Re-188、Ho-166、Y-90、Sm-153、Sr-89、Bi-212、およびBi-213が含まれるが、これらに限定されない。有価金属イオンは、更にヒ素、コバルト、銅、セレン、タリウム、およびプラチナからなる群より選択される治療用金属であってもよい。従って、造影剤のターゲティング特性を利用することにより治療を標的化することもできる。 このような剤の中には、一つまたは場合によって複数のイメージングモダリティを用いたイメージング法に使用できるものもあることを本発明者は見出した。例えば、剤の造影には、標準的なCT(またはMRI)造影剤の動的造影能力をPET(またはSPECT)造影剤と組み合わせることができる。例えば、本明細書に示す剤は、PET、CT、SPECT、MRI、PET/CT、SPECT/CT、PET/MRI、SPECT/MRI、および/または光学的イメージング/MRI、および多様なその他の組み合わせ等、広範な種々のイメージングモダリティの組み合わせに適用できる。 特定の態様において、これらの剤は更に、イメージング研究において既知あるいは使用されている任意の剤を含むイメージング部分を含んでいてよい。イメージング部分は、被験体の心筋組織等の細胞または組織のイメージングに適用できる剤を含む。当業者に公知の任意のモダリティによるイメージングが、このイメージング部分の定義に企図される。特定の態様において、イメージング部分はCT造影剤、MRI造影剤、光学的造影剤、および超音波造影剤等の造影剤である。コントラストは、陽性でも陰性でもよい。陽性造影剤は、周囲の組織よりも高い減衰密度を有する。これは、イメージングした際にコントラストが周囲の組織よりも不透明に見えることを意味する。陰性造影剤は、周囲の組織よりも低い減衰密度を有する。これは、コントラストが体と比べて不透明でないこと意味する。陰性コントラストは、気体としてのみ見出される。陽性コントラストは、高原子番号を有する物質であり、更に無毒性である。コントラストは、体内のほぼすべての管腔構造の像を作成するのに用いることができる。 陽性造影剤の種類としては、ヨウ素系および非ヨウ素系造影剤が含まれる。ウログラフィンまたはオムニパーク等のヨウ素系造影剤は、身体に対するその比較的無害な相互作用により、放射線学において最も一般的に使用されている。これらは主に血管を可視化するために用いられるが、尿路、子宮、および卵管の検査にも使用できる。一般的に使用されるヨウ素化された造影剤としては、ジアトリゾ酸、メトリゾ酸、イオキサグル酸、イオパミドール、イオヘキソール、イオキシラン、イオプロミド、およびイオジキサノールが挙げられるが、これらに限定されない。非ヨウ素系造影剤には、多様な形の硫化バリウムが含まれるが、これらに限定されない。バリウムは、主に消化器系のイメージングに用いられる。その他の造影剤としては、磁気共鳴イメージングに造影剤として用いられるガドリニウムが含まれる。陰性造影剤の種類としては、気体、通常は空気、二酸化炭素、または酸素が含まれる。 任意のCT造影剤が本発明の剤に含まれることが企図される。例えば、CT造影剤は、イオタラム酸、イオヘキソール、ジアトリゾ酸、イオパミドール、エチオドール、およびイオパノ酸であり得る。特定の具体的な態様において、CT造影剤は、ジアトリゾ酸である。 企図されるMRI造影剤は、ガドリニウムキレート、マンガンキレート、クロムキレート、および鉄粒子からなる群より選択されてもよい。 光学的造影剤も本発明の剤に利用することができる。例えば、光学的造影剤はフルオレセイン、フルオレセイン誘導体、インドシアニングリーン、オレゴングリーン、オレゴングリーン誘導体、ローダミングリーン、ローダミングリーンの誘導体、エオシン、エリスロシン、テキサスレッド、テキサスレッドの誘導体、マラカイトグリーン、ナノゴールド・スルホスクシンイミジル・エステル、カスケードブルー、クマリン誘導体、ナフタレン、ピリジルオキサゾール誘導体、カスケードイエロー色素、またはダポキシル色素であってよい。 当業者に公知の任意の超音波造影剤は、本発明の剤に含まれることが企図される。例えば、超音波造影剤は、全フッ素置換化合物(perfluorine)または全フッ素置換化合物の類似体等の全フッ素置換された剤であり得る。超音波造影剤として有用な任意の全フッ素置換された剤は、本発明の剤に含まれることが企図される。 本発明の更なる態様は、通常、(a)診断において有効またはイメージング可能な量の剤を含む組成物を被験体に投与する工程、および(b)上記剤からの第一の信号を検出することにより、第一のイメージングモダリティを用いたイメージングを実施する工程;および代替的にまたは追加的に(c)上記剤からの第二の信号を検出することにより、第二のイメージングモダリティを用いたイメージングを実施する工程を含み、ここで第一のイメージングモダリティと第二のイメージングモダリティが同時にまたは連続的に実施される、第一のイメージングモダリティ、および/または第二のイメージングモダリティを使用した、典型的には被験体をイメージングする方法に関連する。特定の態様において、二つのイメージングモダリティは、同一であるか、または類似している。当業者に公知の任意のイメージングモダリティは、本発明の方法において適用されるイメージングモダリティとして企図される。例えば、イメージングモダリティには、PET、CT、SPECT、MRI、光学的イメージング、および/または超音波が含まれ得る。イメージングモダリティの任意の組み合わせが本発明の方法に含まれることが企図される。例えば、第一および第二のイメージングモダリティは、PETおよびCT、SPECTおよびCT、PETおよびMRI、SPECTおよびCT、PETおよびMRI、SPECTおよびMRI、光学的イメージングおよびMRI、またはPETおよび超音波、またはSPECTおよび超音波であってよい。被験体は心血管疾患を患っているか、ベータ遮断薬または同様の治療を必要とし得る。 本発明の他の態様は、通常、(a)治療的に有効な量の本明細書に記載の剤を得る工程、および(b)治療的に有効な量の上記剤を含む組成物を被験体に投与する工程を含む、心血管疾患を患っている被験体を治療する方法に関連する。小型哺乳動物、およびヒトを含むいかなる種類の被験体もこれらの方法に含まれることが企図される。特定の態様において、被験体は、心血管疾患を患っているヒトである。心血管疾患は、任意の種類の心血管疾患であってよく、その例としては、高血圧症、心臓病、心筋症、冠動脈疾患、心不整脈、うっ血性心不全、心房頻拍、心房細動、心房性不整脈、心室細動、心室性不整脈、心室期外収縮、心室頻拍、心室性期外収縮、房室解離、多源性異所性拍動、二段脈、三段脈、狭心症、冠不全、交感神経性に誘発された疼痛、または冠れん縮が挙げられる。具体的に、心血管疾患は、高血圧症であり得る。 本発明の更なる態様は、所定の量の上記の剤のいずれかに基づく剤を含む密封された容器を含む、診断用または治療用の組成物を調整および/または使用するためのキットに関連する。特定の態様において、上記キットは更に放射性核種を含む。イメージングに適していることが当業者に知られている任意の放射性核種を本発明のキットに含むことができる。例えば、放射性核種は、Tc-99m、Cu-60、Cu-61、Cu-62、Cu-67、In-111、Tl-201、Ga-67、Ga-68、As-72、Re-188、Ho-166、Y-90、Sm-153、Sr-89、Gd-157、Bi-212、および/またはBi-213であってよい。上記キットは、本明細書に記載の成分以外のものを更に含んでいてもよい。上記キットは、イメージング、化学療法、および/または化学療法と放射線療法に適した組成物を調整するためのキットであり得る。 ベータ遮断薬療法を必要とする被験体のイメージングに使用される上記のキットまたは剤は、被験体に対するベータ遮断薬療法の有効性を予測するためにも適用してよい。 ベータ遮断薬療法に対する好ましい反応を予測して被験体を選ぶために、上記の剤またはキットを用いたイメージング方法を適用してもよい。被験体は、心筋症を患っている患者等、ベータ遮断薬療法を必要とするヒトであり得る。好ましい反応は、典型的には、心臓と筋肉との間の画像密度の比率の増加により示され、例えば、同じ被験体における心臓と肺、肝臓、胃、腎臓、または腫瘍等の他の組織との間の比率よりも少なくとも2、3、4、5、6倍高い(または、その間の任意の数値または範囲)。 本明細書で使用される「a」または「an」は、一つまたは複数を意味し得る。本明細書中の請求項において使用されるように、「含む(comprising)」という用語と共に使用される場合、「a」または「an」という用語は、一つまたは複数を意味し得る。本明細書において使用される「別の(another)」は、少なくとも第二のまたはそれ以上を意味し得る。 本発明のほかの目的、特徴、および/または利点は、以下の詳細な説明により明らかにされる。この詳細な説明および特定の実施例は本発明の好ましい態様を示しているが、詳細な説明に鑑みれば、本発明の精神と範囲内において多様な変化や改変が当業者には明らかとなるため、これらは説明の目的のみに提示したものであることが理解されよう。 以下の図面は本明細書の一部を形成するものであり、本発明の特定の局面を更に示すために含まれる。本発明は、これらの図面の一つまたは複数を、本明細書に示される具体的な態様の詳細な説明と組み合わせて参照することにより、より良く理解され得る。4-(オキシラニルメトキシ)-ベンゼンプロピオン酸メチルエステルの1H-NMRを示す。4-(オキシラニルメトキシ)-ベンゼンプロピオン酸メチルエステルの13C-NMRを示す。ESMの1H-NMRを示す。ESMの13C-NMRを示す。EDA-ESMの1H-NMRを示す。EDA-ESMの13C-NMRを示す。EDA-ESMの質量スペクトルを示す。酢酸アンモニウム(1M):メタノール(4:1)を溶離液として用いた99mTc-EDA-ESMのラジオ-TLC解析を示す。放射化学的純度は>98%であった。乳癌担癌ラットにおける99mTc-EDA-ESMの平面画像を示す。15〜45分で得た乳癌担癌ラットにおける99mTc-EDA-ESM(300μCi/ラット)の平面シンチグラフィーを示す。数字は、心臓/上部縦隔カウント密度(カウント/ピクセル)比を示す。線形曲線は、外側に位置する組織に比べて高い心臓領域のカウント/ピクセル比を示した。乳癌担癌ラット(n=4 300 pCi/ラット、IV)における99mTc-EDA-ESMの心臓対組織のカウント密度比を示す。2時間でラットを屠殺し、その後の心臓/臓器比(B:血液、Lu:肺、Li:肝臓、S:胃、K:腎臓、T:腫瘍、M:筋肉)。正常なラットにおける99mTc-EDA-ESMの20〜180分の平面画像を示す。99mTc-EDA-ESMのSPECT/CTを示す。具体的な態様の説明 特定の態様において、本発明は、心血管疾患または心臓を標的とするように設計された新規のEDA結合体を提供することにより、当該分野の欠損を克服するものである。EDA結合体は、被験体の診断またはイメージングに使用するために放射標識することができる。更に、β-1遮断薬を含む放射標識されたEDA結合体は、β-1遮断薬療法の効力を予測または有効性を評価するために用いることができる。より具体的に、本発明は、被験体における心血管疾患を標的とするための放射標識された99mTc-EDA結合体を提供する。β-1遮断薬を含むEDA結合体を用いて心血管疾患を患っている被験体を治療する方法も提供される。I.心血管疾患 うっ血性心疾患(CHF)は、約500万人のアメリカ人に影響を及ぼし、毎年新たな症例が500,000件以上診断されている。本質的に、CHFは、心臓病により心拍出量が低下し、静脈圧が上昇する臨床的な症候群であって、機能不全の心臓に進行性の機能低下をもたらす分子異常を伴うものである(Heart Failure: Pathophysiology, Molecular Biology, and Clinical Management, Katz, A M, Lippincott Williams and Wilkins, 2000より)。何十年も研究が進められてきたが、CHFの原因の詳細な理解は未だに明らかにされていない。しかしながら、科学的および臨床所見は、疾病経過の早期段階が「心肥大」と呼ばれる(「肥大型心筋症」とも言う)ストレスに対する心筋の不適応な反応からなることをはっきりと示す。絶え間ない高血圧、弁疾患、または組織の損傷(心筋梗塞)の状態における心臓に対する慢性的な過負荷は、心拍出量が一時的に回復する限りにおいて、最初は適応性である肥大性成長反応をもたらすが、徐々に時間と共に不適応となり、収縮機能の低下、心拡張、および心不全をもたらす。一旦心不全が症候性となると、5年生存率が50%未満となるため、心筋肥大を加速させる分子プロセスを考慮しない心不全の定義は、いかなるものでも、この症候群の主要な臨床的特徴を見落としていることとなる。 心血管疾患は、一般的なために変化に富み、これらに限定されないが、うっ血性心不全、うっ血性心筋症、心肥大、左室肥大、右室肥大、梗塞後心破裂、心室中隔破裂、心内膜炎(細菌性のものを含む)、心室瘤、肺性心、リウマチ性心疾患、および心室機能不全を含むことができる。心血管疾患は、大動脈弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁逸脱、僧帽弁逸脱、三尖弁逸脱、僧帽弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、および三尖弁狭窄症を含むがこれらに限定されない心弁膜疾患も含む。心血管疾患は更に、肥大型心筋症、うっ血性心筋症、大動脈弁下狭窄症、肺動脈弁下狭窄症、拘束型心筋症、およびシャーガス心筋症を含むがこれらに限定されない心筋疾患も含む。他の態様において、治療的に有効な用量は、心筋梗塞後リモデリング、心弁膜疾患、持続性の心後負荷、心筋炎、および家族性肥大型心筋症からなる群より選択される疾患によってもたらされる肥大型心筋症の症状または生理学的状態の予防または改善をもたらすのに十分な量の調節物質を意味する。心血管疾患は、更に大動脈縮窄、大動脈肺動脈中隔欠損、ファロー三徴症、心室中隔欠損症、および家族性肥大型心筋症等の先天性心臓欠損を含むことができるが、これらに限定されない。II.イメージング 生物医学的なイメージングは、被験体における疾患の診断を補助するだけでなく、体の正常な構造および機能の理解を深めるためにも、医師および研究者に広く使われている多様なモダリティを含む。 広く利用されているそのようなイメージングモダリティの一つは、コンピュータ断層撮影(CT)である。CTは、1970年代に開発され、医学的イメージング技術を実質的に改善したことを特徴とする最初のイメージングモダリティである。一連のX線撮影、時には一千回より多い撮影を様々な角度から行い、その後コンピュータを用いて組み合わせることにより、CTは身体の任意の部分の三次元画像構築を可能とした。これにより医師はコンピュータに二次元切片を任意の角度および任意の深度で表示させることができる。CTにおいて、初期のCTスキャンが特徴的でない場合、放射線不透過性造影剤の静脈内注射は、疑わしい軟部組織瘤の特定に役立つことができる。同様に、造影剤は、軟部組織または骨病変の血管分布の評価に役立つ。例えば、造影剤の使用は、腫瘍と隣接する血管構造の関係の明確化を可能とし得る。 1980年代の始めに、CTに磁気共鳴イメージング(MRI)が加わった。MRIは、強力な磁石および高周波数信号を用いて、一般的には水分子の性質を利用することにより画像を作り出す臨床的な診断および研究の手順である。生物組織において最も豊富な分子種は水である。水プロトン核の量子力学的「スピン」が最終的にイメージング実験における信号を生じさせる。MRIでは、イメージングする試料を強力な静磁場(1〜12テスラ)内に置き、高周波(RF)照射のパルスによりスピンを励起させ、試料中に正味磁化をもたらす。次に、様々な磁場勾配および他のRFパルスがスピンに作用することにより空間的情報を記録された信号にコード化する。これらの信号を収集して分析することにより、三次元画像を算出することができ、これはCT画像と同様に、通常は二次元切片として表示される。 MRイメージングに使用される造影剤は、他のイメージング手法に使用されるものと異なる。これらの目的は、同一の信号特性を有する組織成分の区別、および緩和時間を短縮すること(これにより、T1強調スピンエコーMR画像上でより強い信号を生じさせ、そしてT2強調画像上で強度の更に弱いシグナルを生じさせる)に役立つことである。MRI造影剤の例としては、ガドリニウムキレート、マンガンキレート、クロムキレート、および鉄粒子が挙げられる。CTおよびMRIは、病変の解剖学上の局在情報を提供するのに有用であるが、これらのイメージングモダリティ用の造影剤は細胞内標的情報を提供しない。 細胞生存性等の細胞レベルの情報に関する情報を提供するイメージングモダリティは、陽電子放射型断層撮影法(PET)および単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)を含む。PETにおいては、患者は、身体を通って移動する物質としてモニターできる陽電子を発する微放射性物質を摂取するか、またはそれが注射される。一つの一般的な適用において、例えば、患者は陽電子放射体が連結したグルコースを投与され、様々な課題を実施するときに患者の脳がモニターされる。脳は、働く際にグルコースを利用するため、PET画像は脳の活動が活発な箇所を示す。PETと密接に関係しているものは、単光子放射型コンピュータ断層撮影法、すなわちSPECTである。この二つの間の主な差は、陽電子放射物質の代わりに、SPECTでは高エネルギーの光子を放射する放射性トレーサーを用いることである。SPECTは、冠動脈疾患の診断において価値あるものであり、既に250万件程度のSPECTによる心臓の研究が毎年米国において行われている。 光学的イメージングは別のイメージングモダリティであり、特定の医療分野において広範囲に受け入れられている。例としては、フルオレセイン血管造影法およびインドシアニングリーン血管造影法などが挙げられる。 広範に受け入れられている別の生物医学的イメージングモダリティは、超音波である。超音波イメージングは軟組織構造のリアルタイムの横断面、そして更には三次元画像および身体の血流情報を提供するために非侵襲的に使用されてきた。高周波数の音波およびコンピュータにより、血管、組織、および臓器の画像を作成する。 血流の超音波イメージングは、血管の大きさおよび深度等の多くの要因により制限を受ける可能性がある。比較的最近に開発された超音波造影剤としては、例えば全フッ素置換された造影剤が挙げられ、これらのものは、グレイスケール画像およびドップラーシグナルの増強を助けることによりこれらの制限を克服するように設計されている(DengおよびLizzi、2002;OphirおよびParker、1989;Goldbergら、1994;Goldberg、1997;Forsberg、1997)。 複数のイメージングモダリティの組み合わせは、解剖学的情報と細胞の情報の同時取得を可能とし、これにより目的の病変の解像度の改善を可能とする。従って、腫瘍のイメージングにおいて剤は特に有用であり得る。更に、これらの剤はコストを削減し、患者の不便を軽減する可能性がある。患者は注射を二回受ける必要がない。イメージング剤を利用する一つの試験のほうが二つの別々の試験を行うよりも安価であり得るため、患者にとっては費用の削減になり得る。更に、一つのイメージング剤を用いる二つの試験の方が二つの異なるイメージング剤を利用する二つの別々のイメージング試験よりも少ない時間を要するため、患者は時間を節約できる。 従って、複数のイメージングモダリティの実施において適用できるイメージング剤が必要とされている。イメージングに使用するための任意の剤の記述は極めて限定されている。例としては、特定の光学活性磁気共鳴イメージング剤を記載する米国特許第6,521,209号、放射標識LTB4結合剤および放射標識灌流イメージング剤を含む特定の組成物に関する米国特許第6,770,259号、並びに、蛍光染料およびMRI造影剤を含む剤を記載するWO 2004/026344を参照されたい。即ち、複数のイメージングモダリティを用いた同時イメージングにおいて使用できる新規なイメージング剤が必要とされている。 更に、心血管疾患の疫学的重要性に鑑みれば、進歩した診断法および治療法が必要とされている。心臓病専門医は、心臓発作の危険性を最小化するために、冠動脈疾患を疾患進行の早期の段階で確認しようとする。早期冠動脈疾患において、冠動脈は部分的にのみ封鎖されている。従って壁運動異常は少ないか存在しない場合があるが、灌流障害はあり得る。米国では2006年に280万回の負荷エコー法(心エコー法)が実施されたが、心臓超音波は、冠動脈疾患の決定的な評価にはしばしば不十分である。例えば、心壁運動はストレス条件下、特に肥満患者においては観察が困難であり得る。更に、造影剤を使用しない心臓超音波では、心筋灌流を検出することができない。 現在、心臓超音波診断または心筋灌流イメージング法に使用できるFDAに認可された超音波造影剤は存在しない。超音波造影剤は、心内膜境界の明確化等において最適以下の画像が得られた患者における他の非灌流性の徴候に対して、FDAより認可されている。この場合、超音波は心室腔の境界および左室不透明化を観察するために利用される。従って、超音波は、心臓の左室腔の血液量を観察するために利用される。放射性映像においては、sesta-MIBIおよびSPECTによるタリウム負荷スキャンを用いて心血流を測定し、これは心筋細胞による取り込みのためのものではない。PETによるF-18フルオロデオキシグルコースは、心臓によるグルコースの利用を評価できるが、これは治療に関する情報を提供しない。III.イメージングモダリティおよびイメージング剤 本発明の特定の態様は、本明細書に記載の結合体の一つを含む組成物を投与した後に、第一のイメージングモダリティおよび第二のイメージングモダリティを利用して被験体をイメージングする方法に関連する。本発明では、当業者に公知のいかなるイメージングモダリティも企図される。イメージングモダリティの例を以下に示す。A.イメージングモダリティの例 本発明の特定の態様は、本発明の剤の一つを診断上有効な量で含む組成物を被験体に投与する工程を含む、第一のイメージングモダリティおよび第二のイメージングモダリティを利用して被験体をイメージングする方法に関する。本発明では、当業者に公知の任意のイメージングモダリティが企図される。例えば、特定の態様において、第一のイメージングモダリティおよび第二のイメージングモダリティは、PET、CT、SPECT、MRI、光学的イメージング、および超音波を含む群より選択される。イメージングモダリティの他の例としては、デジタルサブトラクション血管造影およびX線血管造影が挙げられる。1.コンピュータ断層撮影(CT) コンピュータ断層撮影(CT)は本発明との関係において、イメージングモダリティとして企図される。一連のX線撮影、時には一千回より多い撮影を様々な角度から行い、その後コンピュータを用いて組み合わせることにより、CTは身体の任意の部分の三次元画像構築を可能とした。コンピュータは任意の角度から、そして任意の深度において、二次元の切片を表示するようにプログラムされる。 CTにおいて初回CTスキャンが診断性でない場合に、放射線不透明性造影剤の静脈内注射は、軟組織の塊の発見および明確化に役立つことができる。同様に造影剤は軟組織または骨病変の血管分布の評価に役立つ。例えば、造影剤の使用は腫瘍と隣接する血管構造の関係の明確化を援助し得る。 CT造影剤は例えばヨウ素化造影剤を含む。これらの剤の例としては、イオタラメート、イオヘキソール、ジアトリゾエート、イオパミドール、エチオドールおよびイオパノエートが挙げられる。ガドリニウム剤もCT造影剤としての使用が報告されている(例えば、Hensonら、2004参照)。例えば、ガドペンテート剤はCT造影剤として使用されている(StrunkおよびSchild、2004において考察されている)。2.磁気共鳴イメージング(MRI) 磁気共鳴イメージング(MRI)は、CTよりも新しいイメージングモダリティであり、画像を作成するために強力な磁石および高周波数信号を使用する。生物学組織において最も豊富な分子種は水である。水プロトン核の量子力学的「スピン」が最終的にイメージング実験における信号を生じさせる。MRIでは、イメージングする試料を強力な静磁場(1〜12テスラ)内に置き、高周波(RF)照射のパルスによりスピンを励起させ、試料中に正味磁化をもたらす。次に、多様な磁場勾配および他のRFパルスがスピンに作用することにより空間的情報を記録された信号にコード化する。これらの信号を収集して分析することにより、三次元画像を算出することができ、これはCT画像と同様に、通常は二次元切片として表示される。 MRイメージングに使用される造影剤は、他のイメージング手法に使用されるものと異なる。これらの目的は、同一の信号特性を有する組織成分の区別、および緩和時間の短縮を援助すること(これにより、T1強調スピンエコーMR画像上でより強い信号を生じさせ、そしてT2強調画像上でより弱い強度のシグナルを生じさせる)である。MRI造影剤の例としては、ガドリニウムキレート、マンガンキレート、クロムキレート、および鉄粒子が挙げられる。 CTおよびMRIはいずれも組織の境界および血管の構造の識別を援助する解剖学的情報を提供する。CTと比較した場合のMRIの不都合な点は、患者の耐容性が低いこと、ペースメーカーおよびある種の他の移植された金属装置の禁忌、および、多数の原因、特に動きに関連するアーチファクト(artifact)を含む(Albericoら、2004)。他方、CTは迅速で、耐用性良好で、かつ容易に利用できるが、MRIよりも低いコントラスト分解能を有し、ヨウ素化コントラストおよび電離放射線を必要とする(Albericoら、2004)。CTおよびMRI双方の不利点は、いずれのイメージングモダリティも細胞レベルで機能的な情報を提供しないことである。例えば、いずれのモダリティも細胞生存率に関する情報を提供しない。3.PETおよびSPECT 細胞生存率等の細胞レベルの情報に関する情報を提供するイメージングモダリティは、陽電子放射型断層撮影法(PET)および単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)を含む。PETにおいては、患者は、身体を通って移動する物質としてモニターできる陽電子を発する微放射性物質を摂取するか、またはそれが注射される。一つの一般的な適用において、例えば、患者は陽電子放射体が連結されたグルコースを投与され、多様な課題を実施するときに患者の脳がモニターされる。脳は、働く際にグルコースを利用するため、PET画像は脳の活動が活発な箇所を示す。 PETと密接に関係しているものは、単光子放射型コンピュータ断層撮影法、すなわちSPECTである。この二つの間の主な差は、陽電子放射物質の代わりに、SPECTでは高エネルギーの光子を放射する放射性トレーサーを用いることである。SPECTは、冠動脈疾患の診断において価値あるものであり、既に250万程度のSPECTによる心臓の研究が毎年米国において行われている。 イメージングのためのPET放射性医薬は、11C、13N、15O、18F、82Rb、62Cu、および68Ga等の陽電子放射体で通常は標識される。SPECT放射性医薬は、通常、99mTc、201Tl、および67Ga等の陽電子放射体で標識される。脳のイメージングに関しては、PETおよびSPECT放射性医薬は、血液脳関門透過性、脳灌流および代謝受容体結合および抗原-抗体結合に従って分類される(Sahaら、1994)。99mTcO4-DTPA、201Tl、および[67Ga]クエン酸塩等の血液脳関門SPECT剤は正常な脳細胞には排除されるが、BBBが改変されているため、腫瘍細胞には侵入する。[123I]IMP、[99mTc]HMPAO、[99mTc]ECD等のSPECT灌流剤は親油性剤であり、従って、正常な脳の中に拡散する。重要な受容体結合性SPECT放射性医薬には、[123I]QNE、[123I]IBZM、および[123I]イオマゼニルが含まれる。これらのトレーサーは、特異的な受容体に結合し、受容体関連疾患の評価において重要である。4.光学的イメージング 光学的イメージングは、医学の特定の領域において広範に受け入れられている別のイメージングモダリティである。例としては細胞成分の光学的標識、ならびに、フルオレセイン血管造影法およびインドシアニングリーン血管造影法等の血管造影である。光学的イメージング剤の例としては、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、インドシアニングリーン、オレゴングリーン、オレゴングリーンの誘導体、ローダミングリーン、ローダミングリーンの誘導体、エオシン、エリスロシン、テキサスレッド、テキサスレッドの誘導体、マラカイトグリーン、ナノゴールドスルホスクシンイミジルエステル、カスケードブルー、クマリン誘導体、ナフタレン、ピリジルオキサゾール誘導体、カスケードイエロー色素、ダポキシル色素が挙げられる。5.超音波 広範に受け入れられている別の生物医学的イメージングモダリティは、超音波である。超音波イメージングは軟組織構造のリアルタイムの横断面、そして更には三次元画像および体内の血流情報を提供するために非侵襲的に使用されてきた。高周波数の音波およびコンピュータにより血管、組織、および臓器の画像を作成する。 血流の超音波イメージングは、血管の大きさおよび深度等の多くの要因により制限を受ける可能性がある。比較的最近開発された超音波造影剤はパーフルオリンおよびパーフルオリン類縁体を含み、これはグレイスケール画像およびドプラーシグナルの増強を助けることによりこれらの制限を克服するように設計されている。B.イメージングの手順 例えば、上記のように、イメージングモダリティとしては、これらに限定されないが、CT、MRI、PET、SPECT、超音波、または光学的イメージングが挙げられる。当業者にとって公知のイメージングモダリティのその他の例が本発明によって企図される。 二つのイメージング部分に結合した炭水化物を有する剤を診断上有効量含む組成物を投与中または投与後の任意の時点でイメージングモダリティが実施される。例えば、本発明のイメージング剤の投与中に、またはそれ以降の任意の時点でイメージングの研究を行ってもよい。いくつかの態様においては、イメージング剤の投与と同時に、もしくはそのイメージング剤の投与から約1秒後、1時間後、1日後、もしくは更に長い任意の期間後、またはこれらの規定された任意の時間の間の任意の時点から、第一のイメージングモダリティの実施を開始する。 第二のイメージングモダリティを第一のイメージングモダリティと同時に実施してもよく、または第一のイメージングモダリティの後の任意の時点で実施してもよい。たとえば、第一のイメージングモダリティの終了から約1秒後、約1時間後、約1日後、もしくは更に長い任意の期間後、またはこれらの規定された任意の時間の間の任意の時点から、第二のイメージングモダリティを実施してもよい。本発明の特定の態様において、第一のイメージングモダリティと第二のイメージングモダリティは、投薬後、同じ時点で開始するように、同時に実施される。当業者であれば、本発明によって企図される種々のイメージングモダリティの能力に精通しているであろう。 本発明のイメージング方法の一部の態様においては、同じイメージング装置を用いて第一のイメージングモダリティおよび第二のイメージングモダリティを実施する。例えば、特定の態様においては、診断用剤(X線造影剤または光学的造影剤)および放射性金属物質を同じ炭水化物に結合させる。これはPET/CT、SPECT/CTまたは光学的/CT用途の為に使用してもよい。例えば、特定の態様においては、放射性剤または光学的造影剤および非放射性金属物質(ガドリニウム、鉄、マンガン)を同じ炭水化物に結合させる。これはPET/MRI、SPECT/MRIまたは光学的/MRI用途の為に使用してもよい。例えば、特定の態様においては、治療用剤および放射線治療用の金属物質を同じ炭水化物に結合させる。これは放射線化学療法の為に使用してもよい。別の態様においては、異なるイメージング装置を用いて第二のイメージングモダリティを実施する。第一のイメージングモダリティおよび第二のイメージングモダリティの実施の為に使用できるイメージング装置は当業者にはよく知られており、画像を形成するためのこれらの装置の使用は当業者であれば精通しているであろう。IV.放射性医薬および放射性イメージング 核医学の分野において、特定の病理的状態は、局在化するか、またはそれらの程度が、少量の内部投与される放射性標識されたトレーサー化合物(放射性トレーサーまたは放射性医薬と呼ばれる)の分布を検出することによって評価される。これらの放射性医薬を検出するための方法は、イメージング法または放射性イメージング法として一般的に知られている。 放射性イメージングにおいて、放射性標識は、γ線放射型の放射性核種であり、放射性トレーサーは、γ線検出カメラを使用して位置特定される(このプロセスは、しばしば、γシンチグラフィーと呼ばれる)。イメージングされた部位は、放射性トレーサーが病的部位に局在するように選択されている(陽性造影と呼ばれる)か、または放射性トレーサーがそのような病的部位に局在しないように特別に選択されている(陰性造影と呼ばれる)のいずれかであることから、検出可能である。V.心臓テラノスティクス(cardiotheranostics) 診断検査を治療実体と組み合わせたものは、テラノスティクスと呼ばれる。この心臓のイメージングおよび治療に適用される用語は、一般的には、特定の心臓治療的介入より利益を得るであろう患者と治療に反応しないあるいは重い副作用を示すであろう患者を区別するために計画された診断検査を意味する。多くの疾病研究の分野が分子標的治療の開発に焦点を置く中、これらの特定の治療と結び付けることが可能なイメージング手順は、重要な技術進歩とみなされる。テラノスティク手法の基本概念は、心血管疾患に対するアプローチにおいては特に適用可能である。これは、これらの疾患の治療において、イメージング手順が診療の大変重要な診断要素であるからであり、関連する分子標的の特定が進行中である。 複数の治療標的が心血管疾患の工程と相関があり、これらはテラノスティックとしてイメージング手法と有利に組み合わせることができ、その例としては、限定されるものではないが、アデノシン、アンジオテンシン、トロンボキサン、エンドセリン、糖タンパク質GPIIb/IIIa、およびカテコールアミンの受容体が含まれる。特に興味深いものとしては、左室機能の制御および左室機能不全の病態生理学において重要な役割を果たす、心臓交感神経系のカテコールアミンまたはアドレナリン受容体である。 アドレナリン受容体は、二つの主要な種類、αおよびβのGタンパク質共役受容体であり、それぞれがサブタイプを含み、それらは種々の組織において発現されており、心血管疾患に結び付けられる。特定のカテコールアミンにより結合された場合、両種のアドレナリン受容体が交感神経反応(闘争逃走反応)を媒介するシグナルカスケードを開始する。αアドレナリン受容体は、Gqと共役したα1サブタイプおよびGiと共役したα2サブタイプを有する。βアドレナリン受容体はβ1、β2、およびβ3サブタイプを有し、これらは全てGsタンパク質と共役し、その結果それらはアデニルシクラーゼに連結している。心筋症などの心血管疾患用に企図されている心臓テラノスティクス的なアプローチの一部として、例えば、アドレナリン受容体を標的とすることは、多種多様な入手可能なよく特徴づけられたアドレナリン拮抗薬(即ち、アルファおよびベータ遮断薬)からアドレナリン標的部分を選択しながらイメージング剤で心筋を直接標的とすることが可能であるという利点も有りうる。 ベータアドレナリン受容体を標的とするのに有用な化合物には、ベータ遮断薬またはβ遮断薬が含まれてもよく、これらは多様な適用のために使用される薬物のクラスであるが、特に心不整脈の管理および心筋梗塞後の心臓保護に使用される。ベータ遮断薬は、ベータアドレナリン受容体上の内在性カテコールアミン(特にエピネフリンン(アドレナリン)およびノルエピネフリン(ノルアドレナリン))の作用を遮断する。ベータサブタイプの発現は多少組織特異的であるため、ベータアドレナリン受容体を遮断する利点は、一般的に疾患過程および関与する組織によって決定される。β1アドレナリン受容体は、主に心臓および腎臓に位置している。β2アドレナリン受容体は、主に肺、胃腸管、肝臓、子宮、血管平滑筋、および骨格筋に位置している。β3受容体は脂肪細胞に位置している。ベータ遮断薬は、ベータアドレナリン遮断剤、ベータアドレナリン拮抗薬、またはベータ拮抗薬と呼ばれてもよい。一部のβ-1受容体剤、例えばプラクトロール、メトプロロール、アテノロール、アセブトロール、セリプロロール、エスモロール、ベタキソロール、ベバントロール、およびビソプロロールは、心筋症において選択性を示した。改善された診断的および治療的適用のためのこれらおよびその他の剤の改変が、特定の態様において企図されている。VI.エチレンジアミン(EDA) 特定の態様において、本発明はエチレンジアミン(EDA)結合体を、心臓または心筋を標的とする標識剤として、ならびに心血管疾患の治療における医薬剤の有効性の評価のため、または高血圧などの心血管疾患の治療に利用する。 エチレンジアミンは、式C2H4(NH2)2で表される有機化合物である。アンモニアのような臭いを持つ無色の液体であり、強塩基性アミンである。化学合成において広く利用されている構成単位であり、1998年には約500,000,000kg生産された。化学構造は以下のとおりである。 EDAを組織標的リガンドに結合する利点は、組織標的リガンドの特異的結合特性が目的の領域上で放射性シグナルを濃縮することである。標識手段としてのEDAの使用は、ベータ受容体などの疾患受容体を標的とするために設計されたリガンドにおいて効果的であると考えられる。 エチレンジアミンは、当業者に公知のように、アンモニアと1,2-ジクロロエタンを反応させて製造する。反応からは、エチレンジアミンおよび直鎖ポリアミンの混合物が得られる。エチレンジアミンは、多くの工業化学物質の生産に大量に利用されている。また、カルボン酸(脂肪酸を含む)、ニトリル、アルコール(高温で)、アルキル化剤、二硫化炭素、ならびにアルデヒドおよびケトンと誘導体を形成する。二個のアミンを有する二官能性であるため、イミダゾリジン類等の複素環を容易に形成する。 エチレンジアミンは、キレート剤またはその前駆体として使用されてきた。エチレンジアミンの最も顕著な誘導体は、シアン化物とホルムアルデヒドの関与するストレッカー合成を介して、エチレンジアミンから導かれるEDTAである。別の商業的に重要なキレート剤はヒドロキシエチルエチレンジアミンである。サリチルアルデヒドとエチレンジアミンの縮合から導かれるサレンリガンドは、商業的には重要でないが、研究室内では一般的に人気のあるキレート剤である。 アミノフィリン、いくつかの抗ヒスタミン薬等を含む多数の生理活性化合物がN-CH2-CH2-N結合を含む。エチレンビスジチオカルバメートの塩は商業的に重要な殺真菌薬である。一部のイミダゾリン含有殺真菌薬はエチレンジアミンに由来する。 エチレンジアミンは、いわゆるポリエチレンアミンの第一のメンバーであり、その他のメンバーは以下のとおりである:ジエチレントリアミン、略してdienまたはDETA(ジエチレングリコールの類似体であるH2N-CH2CH2-NH-CH2CH2-NH2);トリエチレンテトラミン、略してtrienまたはTETA(H2N-CH2CH2-NH-CH2CH2-NH-CH2CH2-NH2);テトラエチレンペンタミン、略してTEPA(H2N-CH2CH2-NH-CH2CH2-NH-CH2CH2-NH-CH2CH2-NH2);ペンタエチレンヘキサミン、略してPEHA(H2N-CH2CH2-NH-CH2CH2-NH-CH2CH2-NH-CH2CH2-NH-CH2CH2-NH2);およびポリエチレンアミンまで。同様に、ピペラジンは、ジオキサンの類似体である。 生産量の点では、エチレンジアミンが(ナイロン66の前駆体であるジアミノヘキサンを除いては)最も重要なジアミンである。エチレンジアミンの関連する誘導体としては、テトラメチルエチレンジアミン、略して(TMEDA)、(CH3)2N-CH2CH2-N(CH3)2およびテトラエチルエチレンジアミン、略して(TEEDA)、(C2H5)2N-CH2CH2-N(C2H5)2が挙げられる。VII.ベータ遮断薬 特定の態様において、本発明は、ベータ遮断薬を含み得るベータ受容体を標的とする部分に結合されたまたは組み込まれたエチレンジアミン(EDA)を含む、剤を利用する。これらの剤は、ベータアドレナリン受容体への結合特異性を有するため、心血管疾患に対する診断用または治療用剤として利用することができる。本明細書における「ベータ遮断薬療法」とは、被験体を治療するための、一つまたは複数のベータ遮断薬またはその誘導体を使用することを含む任意の治療法を意味する。 一般的に、ベータ遮断薬は、ベータ刺激薬と逆の下流効果を有する。エピネフリン等の天然ベータ刺激薬は、ベータ受容体に結合し、それを刺激する。一方で同じ受容体に結合するベータ遮断薬はその作用を抑制する。β1受容体のエピネフリンによる刺激は、心臓における伝道速度および自動性を上昇させる。腎細胞上のβ1受容体のエピネフリンによる刺激は、血圧の制御に関与する酵素レニンの放出を引き起こす。β2受容体のエピネフリンによる刺激は、平滑筋の弛緩、骨格筋の振戦、および肝臓や骨格筋におけるグリコーゲン分解の増加を誘発することができる。脂肪組織におけるベータ受容体の刺激には、脂肪分解が含まれる。ベータ遮断薬は、これらの正常なエピネフリンを介した交感神経性作用を阻害するが、安静状態の被験体にはわずかな影響を及ぼす。即ち、これらは興奮および/または労作の心拍数および心臓の収縮力、血管の拡張、ならびに気管支の拡張に対する影響を減少させ、更に、振戦および脂質やグリコーゲンの分解を減少させる。 医薬のクラスとしてのベータ遮断薬(またはβ遮断薬)は、高血圧、狭心症、および不整脈を含むがこれらに限定されない種々の心血管系の病気の治療に適用され、より具体的には、心不整脈の管理および心筋梗塞後の心臓保護に適用されている。ベータ遮断薬の具体的な例はエスモロールである。エスモロール(Brevibloc(商標))は、心選択性のβ1受容体遮断薬であり、速やかな発現および非常に短い作用期間を有し、治療用量では著しい内因性交感神経刺激活性または膜安定化活性を示さない。エスモロールは、心臓および体内の他の臓器に存在する交感神経系のベータアドレナリン受容体を遮断することにより、心臓収縮の力および速度を低下させる。エスモロールは、二つの天然物質、エピネフリンおよびノルエピネフリンの作用を妨げる。臨床的適用において、エスモロールはしばしば、ゆっくりとした静脈内注射により投与される。これは、頻脈を予防または治療するために、手術の際に患者によく使用され、また急性上室性頻拍症の治療にも用いられている。エスモロールは大動脈解離が疑われる場合の選択薬でもある。 非選択的なベータ遮断薬には、以下のものが関与する降圧性効果があると見られる:心拍出量の減少(陰性の変時作用および変力作用による)、腎臓からのレニン放出の減少、交感神経活性を低下させるための神経系作用における交感神経作用の抑制(プロプラノロールなどの血液脳関門を通過しないβ遮断薬に関する)。 ベータ遮断薬の抗狭心症作用も陰性の変時作用および変力作用、ならびに心臓の作業負荷および酸素需要の減少に起因する。 ベータ遮断薬の抗不整脈効果は、交感神経系の遮断から生じ、洞結節機能および房室結節伝導の低下、ならびに延長された心房不応期をもたらす。特に、ソタロールは、更なる抗不整脈特性を有し、活動電位持続時間をカリウムチャンネルの遮断により延長させる。 レニンの放出による交感神経系の遮断は、レニンアンジオテンシンアルドステロン系を介してアルドステロンの低下を引き起こし、その結果ナトリウムおよび水の保持が低下することにより血圧が低下する。 いくつかのベータ遮断薬(例えば、オクスプレノロールおよびピンドロール)は、内因性の交感神経刺激活性(ISA)を示す。これらの剤は、βアドレナリン受容体において低レベルのアゴニスト活性を発揮できると同時に受容体部位アンタゴニストとして作用することができる。従って、これらの剤は、持続性ベータ遮断薬療法により過剰な徐脈を示す個体においては有用であり得る。ISAを有する剤は、有益であることが示されていないため、心筋梗塞後には使用されない。これらは、狭心症および頻脈性不整脈の管理においても、他のベータ遮断薬と比較して効果が低い可能性がある。 ベータ遮断薬は、症状を悪化させる可能性があるため、うっ血性心不全には一時期禁忌であったが、1990年代後半の研究により、うっ血性心不全における罹患率および死亡率に対するそれらの好ましい効果が示された。ビソプロロール、カルベジロール、および除放性メトプロロールは、特にうっ血性心不全における標準的なACE阻害剤および利尿薬療法の補助として示される。ベータ遮断薬は、心拍数を下げ、それにより心筋のエネルギー消費が少なくなるため、有益である。これにより拡張期充満が延長され、冠血管の灌流時間が延長される。ベータ遮断薬は、心臓の駆出率を初期には低下させるものの、その改善にも利益をもたらしている。ベータ遮断薬は死亡の絶対リスクを13ヶ月の期間において4.5%減少させることが試験から明らかになった。試験においては、死亡率が低下したことに加えて、通院回数および入院回数も減少した。VIII.有価金属イオンおよび放射性核種 本発明のEDA組織特異的リガンド結合体は任意の放射性核種にキレート化してもよく、放射性核種療法に使用され得ることも想定される。一般的に、実質的に任意のα、β放射体、γ放射体、またはβ、γ放射体が、本発明とともに使用され得ることが考えられる。好ましいα放射体としては、ビスマス-213、アスタチン-211、およびラジウム-223が挙げられる。好ましいβ、γ放射体としては、166Ho、188Re、186Re、153Sm、および89Srが挙げられる。好ましいβ放射体としては、90Yおよび225Acが挙げられる。好ましいγ放射体としては、67Ga、68Ga、64Cu、62Cuおよび111Inが挙げられる。好ましいα放射体としては、211Atおよび212Biが挙げられる。Gd、Mn、Cu、またはFe等の常磁性物質が、本発明と組み合わせた使用のためにEDAとキレート化され得ることも想定される。 放射性イメージングには、種々の有価金属イオンまたは放射性核種が有用であることが知られている。その例としては、67Ga、68Ga、99mTc、111In、123I、125I、131I、169Yb、60Cu、61Cu、62Cu、201Tl、72A、および157Gdが挙げられる。より良いイメージング特性およびより低価格に起因して、可能な場合、123I、131I、67Ga、および111In標識された化合物を対応する99mTc標識化合物に置き換える試みがなされている。 ヒトにおける最適な放射性イメージングのために、多くの因子が考慮されなければならない。検出の効率を最大にするために、100〜200keVの範囲でγエネルギーを放射する有価金属イオンが好ましい。本明細書において定義される「γ放射体」は、任意の範囲のγ線エネルギーを放出する剤である。当業者は、γ放射体である様々な有価金属イオンに精通しているであろう。患者に対する吸収される放射線量を最小にするために、放射性核種の物理的半減期は、イメージング手順が可能である限り短くあるべきである。検査が任意の日にそしてその日の任意の時間で行われることを可能とするために、臨床現場にいつでも利用可能な放射性核種の供給源を有することが有利である。99mTcは、140keVでγ線を放射し、6時間の物理的半減期を有し、そしてモリブデン-99/テクネチウム-99m発生器を使用して、現場で容易に利用可能であるので、好ましい放射性核種である。当業者は、ヒトにおける最適な放射性イメージングを決定する方法に精通しているであろう。 化学療法および放射線療法に適した剤を含む本発明の剤の他の態様において、EDAは、治療用放射性核種とキレート化していてもよい。例えば、本発明の一部の態様において、治療用放射性核種は、β放射体である。本明細書に定義されるように、β放射体は任意の範囲のβエネルギーを放射する任意の剤である。β放射体の例としては、Re-188、Re-186、Ho-166、Y-90、Bi-212、Bi-213、およびSn-153が挙げられる。β放射体は、γ放射体であっても、なくてもよい。当業者は、心血管疾患の治療におけるβ放射体の使用に精通しているであろう。 本発明の剤の更なる態様において、有価金属イオンは、β放射体でもγ放射体でもない治療用金属イオンである。例えば、治療用金属イオンは、プラチナ、コバルト、銅、ヒ素、セレニウム、およびタリウムであり得る。これらの治療用金属イオンを含む剤は、高血圧の治療など、心血管疾患の治療を目的とした本発明の方法に適用してもよい。本発明の剤が関与する化学療法および放射線療法を実施する方法を、以下に更に詳しく説明する。IX.イメージング部分 本発明の特定の具体的態様において、本発明の剤は、イメージング部分を含む。イメージング部分としては、当業者に公知のいかなるイメージング剤も企図される。本明細書における「部分」とは、分子の一部分と定義される。本明細書に定義される「イメージング部分」は、イメージングモダリティを利用することにより被験体、組織または細胞の具体的な性質または局面の可視化を容易にする目的で、被験体への投与、組織との接触、または細胞への適用が可能な剤または化合物である分子の一部分である。当業者に公知のいかなるイメージング剤も本発明のイメージング部分として企図される。 特定の態様において、イメージング部分は、造影剤である。例としては、CT造影剤、MRI造影剤、光学的造影剤、超音波造影剤、または当業者に知られている任意のその他のイメージングモダリティ形態に利用される任意のその他の造影剤が挙げられる。これら造影剤の特定の具体例は、背景の部分および本発明の概要において記載されており、それらがこの部分に具体的に組み入れられる。例としては、ジアトリゾ酸(CT造影剤)、ガドリニウムキレート(MRI造影剤)、およびフルオレセインナトリウム(光学的造影剤)が挙げられる。X.放射標識剤 本発明の特定の態様は、イメージングのための放射標識イメージング剤を合成する方法、および、化学療法および放射線療法のための治療用剤を合成する方法に関連する。本発明の他の態様は、これらの放射標識剤を製造するためのキットに関連する。本発明により提供される放射標識剤、化合物および組成物は、適当な量の放射能を有するものとして提供される。例えば、99mTc放射性複合体の形成においては、mL当たり約0.01ミリキューリー(mCi)〜約300mCiの濃度において放射能を含有する溶液中の放射性複合体を形成することが一般的に好ましい。 本発明により提供される放射標識イメージング剤は、哺乳動物の身体における部位を可視化するために使用できる。本発明によれば、イメージング剤は、当業者に公知の任意の方法により投与される。例えば、投与は単回用量の注射用量であってよい。当業者に公知の任意の一般的な担体、例えば滅菌食塩水または血漿は、注射用の本発明の剤を製造するために、放射標識後に利用してもよい。一般的に、投与すべき単回用量は約0.01mCi〜約300mCi、好ましくは10mCi〜約200mCiの放射能を有している。単位用量における注射すべき溶液は約0.01mL〜約10mLである。 イメージング剤である本発明の剤の静脈内投与の後、インビボの臓器または腫瘍のイメージングを、望まれる場合には、放射標識剤が患者に投与されてから数時間以上のうちに行うことができる。大部分の場合においては、十分な投与量が約0.1時間以内にイメージングすべき領域内に蓄積する。上記の通り、イメージングは当業者に公知の任意の方法を用いて実施してもよい。例としてはPET、SPECTおよびガンマシンチグラフィーが挙げられる。ガンマシンチグラフィーにおいては、放射標識はガンマ線照射放射型の放射性核種であり、放射性トレーサーはガンマ線照射検出カメラを用いて位置特定する(この工程はしばしばガンマシンチグラフィーと称される)。イメージングされた部位は、放射性トレーサーが病理学的部位に局在するように選択されている(陽性コントラストと呼ばれる)か、または、放射性トレーサーがそのような病理学的部位に局在しないように特別に選択されている(陰性コントラストと呼ばれる)のいずれかであることから、検出可能である。XI.薬物評価 特定の薬物に基づくEDA結合体は、被験体の薬物に対する薬理学的反応の測定に適用できる。投薬に対する被験体の反応測定には、広範囲のパラメーターを測定することができる。当業者は測定可能な反応の種類に精通しているであろう。これらの反応は、評価されている具体的な薬物、被験体が治療を受けている具体的な特定の疾病または状態、被験体の特徴を含む様々な要因に一部依存する。XII.医薬製剤 本発明の医薬組成物は、請求項記載の本発明のイメージング剤または治療用剤の治療上または診断上有効な量を含む。「薬学的にまたは薬理学的に許容される」または「治療上有効な」または「診断上有効な」という表現は適宜、例えばヒト等の動物に投与した場合に有害、アレルギー性、または他の望ましくない反応を誘発することのない分子的実体および組成物を指す。治療上有効な、または、診断上有効な組成物の調製は、参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences, 21th Ed. Lippincott Williams & Wilkins, 2005に例示される通り、本開示を鑑みれば当業者には明らかとなるものである。更にまた、動物(例えばヒト)への投与に対しては、製剤は、FDA Office of Biological Standardsにより要求されている滅菌性、発熱性、全般的安全性、および純度の基準を満たさなければならない。 本明細書においては、「治療上有効な量を含む組成物」または「診断上有効な量を含む組成物」とは、当業者に知られる通り、ありとあらゆる溶媒、分散媒体、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、保存料(例えば抗細菌剤、抗カビ剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存料、医薬、薬物安定剤、ゲル、結合剤、賦形剤、崩壊剤、潤滑剤、甘味剤、調味剤、色素のような材料、およびそれらの組合せを含む。如何なる従来の担体も活性成分と不適合で無い限り、本発明の組成物におけるその使用が企図される。 本発明の組成物はそれが固体、液体、またはエアロゾルの形で投与されるかどうか、および、それが注射等の投与経路のために滅菌されている必要があるかどうかに応じて、異なる種類の担体を含んでもよい。本発明のイメージング剤および治療用剤は静脈内、皮内、動脈内、腹腔内、患部内、頭蓋内、関節内、前立腺内、胸膜腔内、気管内、鼻内、硝子体内、膣内、直腸内、局所、腫瘍内、筋肉内、腹腔内、皮下、結膜下、小胞内、粘膜、心膜内、臍帯内、眼内、経口、局所、局部、注射、注入、連続注入、標的細胞の直接の局所灌流浴、カテーテル使用、洗浄液中、脂質組成物中(例えばリポソーム)によるか、または、当業者に公知の他の方法または上記の任意の組合せにより投与できる。 患者に投与される本発明の組成物の実際の必要量は、身体的および生理学的な要因、例えば体重、状態の重症度、治療されている疾患の種類、以前のまたは併用している治療的介入、患者の特発性および投与経路により決定できる。投与担当の医師は、何れの場合においても、個々の被験体に対して、組成物中の活性成分の濃度、および適切な用量を決定する。 特定の態様においては、医薬組成物は、例えばイメージング剤または治療用剤の少なくとも約0.1%を含んでもよい。他の態様においては、活性化合物は単位の重量の例えば約2%〜約75%、または、例えば約25%〜約60%、およびそれより導かれる任意の範囲を含んでもよい。他の非限定的な例においては、用量はまた、約0.1mg/kg/体重〜約1000mg/kg/体重、またはこの範囲内の任意の量、または1000mg/kg/体重より多い任意の量を投薬当たり含んでもよい。 いずれの場合においても、組成物は一つまたは複数の成分の酸化を遅延させるために多様な抗酸化剤を含み得る。更に又、微生物の作用の防止は、例えばパラベン(例えばメチルパラベン、プロピルパラベン)、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールまたはこれらの組合せを含むがそれらに限定されない多様な抗細菌および抗カビ剤等の保存料によりもたらすこともできる。 本発明のイメージング剤および治療用剤は、遊離の塩基、中性、または塩の形態で組成物中に製剤化してもよい。薬学的に許容される塩としては、無機の塩基、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウムまたは鉄の水酸化物;または有機の塩基、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、またはプロカインから誘導された遊離のカルボキシル基で形成された塩が挙げられる。 組成物が液体形態である態様においては、担体は、限定されないが、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール等)、脂質(例えば、トリグリセリド、植物油、リポソーム)およびこれらの組合せを含む溶媒または分散媒体であることができる。適切な流動性は、例えばレシチン等のコーティングの使用により;例えば液体ポリオールまたは脂質等の担体中の分散による必要な粒径の維持により;例えばヒドロキシプロピルセルロース等の界面活性剤の使用により;またはこのような方法の組合せにより維持することができる。多くの場合において、等張性付与剤、例えば炭水化物、塩化ナトリウム、またはその組合せを含ませることが好ましい。 滅菌注射用溶液は、必要に応じて上記列挙した種々の量の他の成分と共に適切な溶媒の必要量に放射標識エチレンジアミン誘導体を配合すること、その後濾過滅菌することにより調製する。一般的に、分散体は基剤となる分散媒体および/または他の成分を含有する滅菌ビヒクル中に多様な滅菌された活性成分を配合することにより調製する。滅菌注射用溶液、懸濁液、または乳液の調製のための滅菌粉末の場合は、調製の好ましい方法は真空乾燥または凍結乾燥の手法であり、これは、活性成分と任意の追加的な所望の成分の粉末を、その予め滅菌濾過された液体媒体から得るものである。液体媒体は必要に応じて適当に緩衝されなければならず、そして液体希釈剤は注射の前に先ず十分な食塩水またはグルコースで等張性としなければならない。直接の注射のための高度に濃縮された組成物の調製もまた企図され、その場合、溶媒としてのDMSOの使用は非常に急速な浸透をもたらし、小領域に高濃度の活性剤を送達すると予測される。 組成物は、製造および保存の条件下において安定であり、かつ細菌およびカビ等の微生物の汚染作用に対抗して保存されなければならない。内毒素汚染は最小限安全なレベル、例えば0.5ng/mgタンパク質未満に維持しなければならないことが分かる。 具体的な態様においては、注射用組成物の延長吸収は、吸収を遅延させる剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム、ゼラチンまたはその組合せを含む組成物中で使用することにより達成できる。XIII.キット 本発明の特定の態様は一般的に、イメージングのための放射標識イメージング剤を含む組成物を調製するためのキット、または、化学療法および放射線療法のための放射標識剤を含む組成物を調製するためのキットに関する。キットは、所定量の本発明の剤、および任意に、放射性核種で剤を標識するための十分な量の還元剤を含有する密封されたバイアルを含むことができる。本発明の一部の態様においては、キットは放射性核種を含む。特定の態様においては、具体的な放射性核種は99mTcである。 キットは、更に、従来の医薬添加物、例えば浸透圧を調節するための薬学的に許容される塩、緩衝物質、保存料、抗酸化剤等を含有してもよい。 特定の態様においては、抗酸化剤および遷移キレーターを組成物に含有させることによりキレーター部分の酸化を防止する。特定の態様においては、抗酸化剤はビタミンC(アスコルビン酸)である。しかしながら、当業者に公知の任意の他の抗酸化剤、例えばトコフェロール、ピリドキシン、チアミン、またはルチンも使用してもよいことが企図される。キットの成分は液体、凍結、または乾燥形態であってよい。好ましい態様においては、キットの成分は凍結乾燥形態で提供される。 キットに含まれる試薬および/または成分が凍結乾燥した形態(凍結乾燥品)または乾燥粉末として提供される場合、凍結乾燥品または粉末は、適切な溶媒を加えることにより再構成される。特定の態様において、溶媒は、滅菌された薬学的に許容される緩衝液および/またはその他の希釈液でありうる。溶媒はキットの一部として提供されてもよいと考えられている。 キットの成分が一つおよび/または複数の溶液として提供される場合、溶液は、限定されない例として、滅菌された水溶液であり得る。組成物は、注入可能な組成物に製剤化してもよい。この場合、容器としては、それ自体がシリンジ、ピペット、および/またはその様な器具であってもよく、製剤はこれより身体の感染部分に投与されてもよく、動物に注射されてもよく、および/またはキットのほかの成分と一緒に投与および/または混合されてもよい。XIV.疾患 本発明の特定の局面は、一般的に、本発明の剤を用いて被験体において心血管疾患を治療する方法、または治療に対する感受性がより強い被験体を選択するために本発明の剤によるイメージングを使用する方法に関係する。心血管疾患は、心臓または血管が関与する疾患のクラスに関連する(動脈および静脈)。この用語は、専門的には心血管系に影響を及ぼす任意の疾患に関するが、アテローム性動脈硬化症(動脈疾患)に関連する疾患にしばしば用いられる。これらの状態は類似の原因、機構、および治療法を有する。 多くの西洋諸国は、高く上昇している心血管疾患の発生率に直面している。毎年、癌よりも心臓病によるアメリカ人の死亡者のほうが多い。心臓の疾患のみの場合が死亡原因の30%を占め、心血管系のその他の疾患は、実質的に更なる死亡および障害を引き起こす。2005年までは米国および多くのヨーロッパ諸国において死亡および障害の原因の第一位であった。大規模な組織学的研究(PDAY)は、血管損傷が青年期より蓄積することを明らかにし、このことから、一次予防の試みが幼児期から必要である。 心臓の不具合が検出された頃には、その根本にある原因(アテローム性動脈硬化)は通常かなり進行しており、数十年進行している。従って、健康的な食事、運動、および喫煙の回避など、危険因子を修正することによるアテローム性動脈硬化症の予防が更に重要視されてきている。 心血管疾患は、任意の種類の心血管疾患であってよく、その例は高血圧症、心臓病、心筋症、冠動脈疾患、心不整脈、うっ血性心不全、心房頻拍、心房細動、心房性不整脈、心室細動、心室性不整脈、心室期外収縮、心室頻拍、心室性期外収縮、房室解離、多源性異所性拍動、二段脈、三段脈、狭心症、冠不全、交感神経性に誘発された疼痛、または冠れん縮等である。ある局面において、心血管疾患は、高血圧症であり得る。 心筋の疾患および障害は、心臓の筋肉からなる中心の最も厚い心臓壁の層である心筋の正常な構造または機能からずれが生じているか、または、それらが妨げられている状態である。心筋の疾患は虚血性(心臓の筋肉への乏しい血液供給)または非虚血性であると考えられ、これは心臓の筋肉そのものにおける疾患であることを示唆する。虚血性心筋疾患に関しては、詳しい記述がなされており、血管バイパス、ステント、成長因子の投与、および多くのその他の介入の影響を受けやすい。糖尿病は、最もよく知られた心筋の加速された虚血性疾患の生理学的モデルであると思われる。非虚血性心筋疾患(非虚血性心筋症も参照)は、心筋疾患において全く異なる存在である。シャーガス病の心不全(Carlos Chagasも参照)は、心筋の自律神経性不全のおそらく一番よく知られた生理学的モデルである。 心筋梗塞(心臓発作)は、冠動脈疾患の重篤な結果である。冠動脈疾患は、コレステロール・プラークの蓄積により動脈が狭窄または硬化した場合に、アテローム性動脈硬化症から生じる。更なる狭窄は、プラークの表面に形成される血栓(血液凝固)により起こり得る。心筋梗塞は、冠動脈が極度にブロックされ、その結果、血液供給の著しい減少または中断が起こり、心筋(心臓の筋肉)の一部に障害または死をもたらした場合に起こる。心筋の損傷の程度に応じて、患者は、心筋梗塞の結果、著しい障害または死を経験し得る。XV.化学療法および放射線療法(「放射性化学療法」) 本発明の特定の態様は、心血管疾患を患っている被験体を治療する方法であって、ベータ受容体を標的とする化合物のEDA結合体を含む本発明の剤または組成物を治療上有効な量で含む組成物を被験体に投与する工程を含む方法に関連する。 当業者は、本発明の剤の投与に適用できる化学療法の手順および放射線療法の手順の設計に精通しているであろう。下記のとおり、これらの剤は、心筋症または高血圧等の心血管疾患の治療を目的として、その他の治療モダリティと組み合わせて使用してもよい。更に当業者は、被験体への投与に適切な用量を選択する工程に精通しているであろう。手順は、一用量または複数用量が関与するものでよい。当業者によく知られている手順を用いて、患者は、毒性および治療への応答に関して監視される。 本明細書において使用される用語「放射性核種」という用語は、放射活性のある核種(測定可能な寿命にわたって存在することができ、その電荷、質量、数、および核の量子状態によって特徴づけられる原子種)と定義されており、具体的な態様においては、粒子または電磁放射線の放出で分解する。この用語は、「放射性同位元素」という用語と互換的に用いられてもよい。 本明細書において使用される用語「薬物」は、疾病や病状の治療を援助する化合物、または疾病や病状に関連する任意の生理学的もしくは病理学的な状態を制御または改善する化合物として定義される。具体的な態様において、医薬は、ベータ遮断薬に結合したEDAである。 本明細書で使用される用語「a」または「an」は、一つまたは複数を意味し得る。本明細書中の請求項において使用されるように、「含む(comprising)」という用語と共に使用される場合、「a」または「an」という用語は、一つまたは複数を意味し得る。本明細書において使用される「別の(another)」は、少なくとも第二のまたはそれ以上を意味し得る。本明細書において使用される用語「部分(moiety)」は、本発明の剤または化合物の一部分を意味する。 以下の実施例は、本発明の好ましい態様を示すために含まれる。以下の実施例において開示される技術が、本発明の実施において十分に機能することが発明者らによって見いだされた技術を代表し、そのため、その実施のための好ましい様式を構成するとみなしうることが当業者には理解されるはずである。しかしながら、当業者は、本発明の開示に鑑みて、開示された具体的な態様にさまざまな変化を加えることができ、それでもなお本発明の精神および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果が得られることも理解するはずである。実施例1‐エチレンジアミン-エスモロール(EDA-ESM)の合成 EDA-ESMは、三段階様式により合成された。第一段階および第二段階は、米国特許第4,387,103号;Erhardtら1982;Rondaら1995の手順を改変したものであり、これらの文献はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。例えば、第一段階においては、圧力反応器の利用を除くために炭酸ナトリウムの代わりに金属ナトリウムを使用した。化学薬品は、Aldrich Chemical Company(ウィスコンシン州、ミルウォーキー)より購入した。EDA-ESMの合成模式図を以下に示す。第一段階:4-(オキシラニルメトキシ)-ベンゼンプロピオン酸メチルエステルの合成 この段階においては、1011.6mg(44mmol)の金属ナトリウム小片を100ml容器中の60mlのメタノールに窒素下で加え、金属ナトリウムが全て溶解するまで反応混合物を攪拌した。7208mg(40mmol)の3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステルを上部の溶液に加え、この混合物を室温で一時間攪拌し、6.26mL(80mmol)のエピクロロヒドリンを室温で上部の溶液に加えた。この混合物を一晩還流させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣を50mlの酢酸エチルに取り込み、これを50mlの水で洗浄した。有機層を無水塩化マグネシウムで乾燥させ、濾過後、蒸発により濃縮した。残渣を、勾配溶媒系を用いたカラムクロマトグラフィーにより単離工程に供し(ヘキサン:酢酸エチル=10:2から10:10)、これにより6.196gの油状生成物を得た(収率65%)。TLC(SiO2、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)Rf値=0.47。1-H-NMR(図1)および13-C-NMR(図2)のデータは、帰属された構造と一致した。第二段階:ESMの合成 上に示した段階において、17ml(200mmol)のイソプロピルアミンを15mlのメタノールに入れた溶液を、蒸留冷却器と塩化カルシウム管を備えた50ml二口フラスコ中の4.725g(20mmol)のエポキシド化合物に加えた。反応混合物を4時間還流させた。次に反応溶媒を蒸発させた。得られた油状物をメタノールに取り込み、エーテルHCl中の塩酸で処理することにより結晶が3451.0mgの白色粉末として得られた(収率52%)。一方、遊離塩基反応混合物は、勾配溶媒系(酢酸エチル:メタノール=10:2〜0:10)を用いたカラムクロマトグラフィーに供することにより単離が行われた。遊離塩基:TLC(SiO2、メタノールのみ)Rf値=0.37。1-H-NMR(図3)および13-C-NMR(図4)のデータは、帰属された構造と一致した。第三段階:EDA-ESMの合成 第三段階において、蒸留冷却器と塩化カルシウム乾燥管を備えた50ml二口フラスコ中の0.45ml(6.78mmol)のエチレンジアミンを15mlのメタノールに入れた溶液に、1.0g(3.39mmol)のエスモロールを攪拌しながら加え、次にこの混合物を8時間還流させた。反応媒体を蒸発させ、残渣を10mlのクロロホルムに溶解した。有機層を水で二回(2×7ml)洗浄し、無水塩化マグネシウムで乾燥させた。有機層を蒸発させた後の残渣を勾配溶媒系(メタノール:トリエチルアミン=10:0から10:1)を用いたカラムクロマトグラフィーに供することにより単離を行い、954.6mgの油状物を得た(収率74.0%)。それと同時に油状物をメタノールに取り込み、エーテル中の塩酸で処理することにより塩酸塩の型を得た。遊離塩基:TLC(SiO2、メタノール:トリエチルアミン=10:1)Rf値=0.44。1-H NMR(図5)、13-C NMR(図6)、および質量スペクトルのデータ(図7)は、帰属された構造と一致した。実施例2‐99mTc-エチレンジアミン-エスモロール(99mTc-EDA-ESM)の放射合成 EDA-ESM(0.1mg)を0.2mlの水に溶解した。次に0.1mlの塩化スズ(II)(0.1mg)を加えた。その後、Na99mTcO4(1mCi)を加えた。三種の系(アセトン、食塩水、1MのNH4Cl/MeOH(4:1))を利用した放射薄層クロマトグラフィーを用いて99mTc-EDA-ESMの放射化学的純度を解析した。これらの系により解析された99mTc-EDA-ESMの放射化学的純度は98%よりも高い値を示した(図8)。以下の模式図に提唱された構造を示す。実施例3‐シンチグラフィーイメージング研究 99mTc-EDA-ESMが、腫瘍探索剤ではなく、心臓に特異的な剤であることを確認するために、本発明者らは腫瘍モデルを作製した。344匹の雌Fischerラット(125〜175g、n=5)に乳癌細胞を接種した(13762NF、106細胞/ラット、後ろ足の皮下)。15〜20日後、腫瘍体積が1cmの段階で、乳癌担癌ラットに300μCiの99mTc-EDA-ESMを投与した。シンチグラフィー画像を、低エネルギー平行穴型コリメーターを備えたγカメラを使用して、15分から45分の時点で得た。別の研究において、344匹の正常な雌Fischerラット(150〜1759、n=5)に300μCiの99mTc-EDA-ESMを投与し、シンチグラフィー画像を30分から180分の時点で得た。一匹のラットに300μCiの99mTc-EDA-ESMを投与し、45分の時点でSPECT/CTを実施した。99mTc-EDA-ESMを投与されたラットから選択された一匹の担癌ラットの画像を図9に示す。腫瘍はよく可視化できなかったが、心臓は高度の取り込みを見せた。担癌ラット(n=4)から得られた心臓対筋肉(H/M)カウント密度取り込み比率は、他の組織のものよりも高かった(図10)。99mTc-EDA-ESMを投与された正常ラット(n=5)における心臓対筋肉(HIM)カウント密度取り込み比率は、30分から180分の時点において上昇した(2.7から5.1)(図11)。高度の心臓への取り込みを見せた正常ラットのSPECT/CT画像(図12)。 本明細書に開示および請求されている全ての組成物および方法は、本開示を踏まえて、過度に実験を行うことなく作成および実施できる。本発明の組成物および方法は好ましい態様により説明されているが、本発明の概念、精神、および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の組成物および方法の段階もしくは段階の順序に変化を加えてもよいことは、当業者には理解されるはずである。より具体的には、化学的および生理学的関連性の両方を示す特定の剤は、本明細書に記載の剤を置換してもよく、同様または類似の結果が得られることも理解される。当業者に明らかな、この様な類似の置換および改変の全ては、添付の請求項により定義される本発明の精神、範囲および概念内にあると見なされる。参考文献 以下の参考文献は、これらが本明細書中に記載されるものに対して補助的な、例示的手順または他の詳細を提供する程度まで、本明細書中に参考として具体的に組み入れられる。 ベータアドレナリン受容体を標的とする化合物を含む標的部分を含む剤であって、前記化合物にエチレンジアミンが結合されたまたは組み込まれた(embedded)、剤。 前記ベータアドレナリン受容体を標的とする化合物がAC623、アセブトロール、アルプレノロール、アモスラロール、アロチノロール、アテノロール、ベフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブシンドロール、ブクモロール、ブフェトロール、ブフラロール、ブニトロロール、ブプラノロール、ブチドリン塩酸塩、ブトフィロロール、カラゾロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、セタモロール、クロラノロール、ジレバロール、エスモロール、インデノロール、ラベタロール、ランジオロール、レボブノロール、メピンドロール、メチプラノロール、メトプロロール、モプロロール、ナドロール、ナドキソロール、ネビボロール、ニフェナロール、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プラクトロール、プロネタロール、プロプラノロール、ソタロール、スルフィナロール、タリノロール、テルタトロール、チリソロール、チモロール、トリプロロール、キシベノロール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の剤。 前記ベータアドレナリン受容体を標的とする化合物がエスモロールである、請求項1に記載の剤。 エチレンジアミンに連結した有価金属イオンを更に含む、請求項1に記載の剤。 前記有価金属イオンが、Gd、Fe、Tc-99m、Cu-60、Cu-61、Cu-62、Cu-64、Cu-67、In-111、Tl-201、Ga-67、Ga-68、As-72、Re-186、Re-188、Ho-166、Y-90、Sm-153、Sr-89、Bi-212、およびBi-213からなる群より選択される、請求項4に記載の剤。 前記有価金属イオンが、ヒ素、コバルト、銅、セレン、タリウム、およびプラチナからなる群より選択される治療用金属からなる群より選択される、請求項4に記載の剤。 イメージング部分を更に含む、請求項1に記載の剤。 前記イメージング部分が造影剤である、請求項7に記載の剤。 前記造影剤がCT造影剤、MRI造影剤、および光学的造影剤、ならびに超音波造影剤からなる群より選択される、請求項8に記載の剤。 a)有効量の請求項1記載の剤を含む組成物を被験体に投与する工程;および b)前記剤からの第一の信号を検出することにより、第一のイメージングモダリティを用いたイメージングを実施する工程;ならびに c)前記剤からの第二の信号を検出することにより、第二のイメージングモダリティを用いたイメージングを実施する工程を含む、心血管疾患を患っている被験体をイメージングする方法であって、第一のイメージングモダリティと第二のイメージングモダリティが同時にまたは連続的に実施される、方法。 前記第一のイメージングモダリティと前記第二のイメージングモダリティがそれぞれ、PET、CT、SPECT、MRI、光学的イメージング、および超音波からなる群より選択される、請求項10に記載の方法。 前記第一のイメージングモダリティと前記第二のイメージングモダリティが同一である、請求項10に記載の方法。 心血管疾患を患っている被験体を治療する方法であって、以下の工程を含む方法: a)治療的に有効な量の請求項1記載の剤を得る工程;および b)治療的に有効な量の前記剤を含む組成物を被験体に投与する工程。 前記心血管疾患が、高血圧症、心臓病、心筋症、冠動脈疾患、心不整脈、うっ血性心不全、心房頻拍、心房細動、心房性不整脈、心室細動、心室性不整脈、心室期外収縮、心室頻拍、心室性期外収縮、房室解離、多源性異所性拍動、二段脈、三段脈、狭心症、冠不全、交感神経性に誘発された疼痛、および冠れん縮からなる群より選択される、請求項10または13に記載の方法。 所定の量の請求項1記載の剤を含む密封された容器を含む、診断用または治療用の組成物を調整するためのキット。 Tc-99m、Cu-60、Cu-61、Cu-62、Cu-67、In-111、Tl-201、Ga-67、Ga-68、As-72、Re-188、Ho-166、Y-90、Sm-153、Sr-89、Gd-157、Bi-212、およびBi-213からなる群より選択される放射性核種を更に含む、請求項15に記載のキット。 (a)請求項10記載の方法に基づき、ベータ遮断薬療法を必要とする被験体をイメージングする工程;および (b)第一の心臓/筋肉のイメージング強度比が、第二の心臓/別の非心臓組織の比よりも高いか否かを決定する工程を含む、ヒト被験体のための治療に対する好ましい反応を予測する方法であって、ここで第一の比が第二の比よりも高いことが認められた場合に被験体がベータ遮断薬療法に対して好ましい反応を示すと考えられる、方法。 イメージングならびに化学療法および放射線療法のための組成物および方法が開示されている。具体的に、本発明は、エチレンジアミンが結合されたまたは組み込まれた、ベータアドレナリン受容体を標的とする化合物を含む、標的部分を含む剤に関する。本発明は、更に心血管疾患のイメージングおよび治療のためにそのような剤を適用する方法、および放射標識された治療用剤または診断用剤を調製するためのキットにも関係する。