生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_アセチレン中の水分測定装置
出願番号:2011273560
年次:2013
IPC分類:G01N 5/02


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安達 啓輔 JP 2013124920 公開特許公報(A) 20130624 2011273560 20111214 アセチレン中の水分測定装置 大陽日酸株式会社 000231235 木戸 一彦 100086210 木戸 良彦 100128358 安達 啓輔 G01N 5/02 20060101AFI20130528BHJP JPG01N5/02 E 6 1 OL 7 本発明は、アセチレン中の水分測定装置に関し、詳しくは、水晶発振式水分計を用いて溶解アセチレン中の微量水分を測定するための装置に関する。 近年、フラーレン、カーボンナノチューブ、SiC半導体デバイスを製造する際の原料の一つとして超高純度アセチレンが期待されており、このような用途にアセチレンを用いる際には、アセチレン中に含まれる微量水分を正確に測定することが求められている。各種ガス中の微量水分を測定するための機器としては、水晶発振式水分計が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特開平6−167436号公報 しかし、アセチレンは、一般に、アセトンやN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの溶媒を珪酸カルシウムなどの無機多孔性物質に含浸させた固形マスを詰めた容器にアセチレンを圧縮充填し、アセチレンを前記溶媒に溶解した状態とした溶解アセチレンボンベにより行われているため、溶解アセチレンボンベから取り出されるアセチレンガス(以下、溶解アセチレンという)には、前記溶媒に溶解する空気成分、前記無機多孔性物質に吸着する空気成分、さらに、前記溶媒自体が不純物として混入している。 このため、前記水晶発振式水分計で溶解アセチレン中の水分を測定しようとした場合、溶解アセチレン中の前記溶媒が水晶振動子の表面にコーティングされている水分吸着物質に吸着し、正確な水分濃度の測定を行うことができなかった。また、溶解アセチレン中の水分濃度を測定するためには、ゼロガスに高純度のアセチレンを必要とするが、容量が少ない高価な圧縮アセチレンを使用しなければならず、分析に要するコストが上昇するという問題があった。 そこで本発明は、高価な圧縮アセチレンを使用することなく、溶解アセチレン中の溶媒の影響も回避して容易かつ安価にアセチレン中の水分を測定することができるアセチレン中の水分測定装置を提供することを目的としている。 上記目的を達成するため、本発明のアセチレン中の水分測定装置は、溶解アセチレンに含まれる水分を測定するための装置であって、溶解アセチレンに含まれる水分を測定する水晶発振式水分計と、ガス供給部に配置された溶解アセチレンボンベから取り出した前記溶解アセチレンを、該溶解アセチレンに含まれる水分以外の有機物系不純物を除去するための溶媒除去手段を通して前記水晶発振式水分計に導入する測定アセチレン導入経路と、前記溶解アセチレンを前記溶媒除去手段及び該溶解アセチレンに含まれる水分を除去するための水分除去手段を通して前記水晶発振式水分計に導入する精製アセチレン導入経路と、一定量の水分を含む校正用ガスを前記水晶発振式水分計に導入する校正用ガス導入経路とを備えていることを特徴としている。 さらに、本発明のアセチレン中の水分測定装置は、前記水晶発振式水分計が水分を含まない乾燥ガスを導入する乾燥ガス導入経路を備えていること、乾燥ガス導入経路が前記測定アセチレン導入経路の前記溶媒除去手段をバイパスする経路、あるいは、前記精製アセチレン導入経路の前記溶媒除去手段及び前記水分除去手段をバイパスする経路のいずれかの経路を備えていること、前記校正用ガス導入経路が前記測定アセチレン導入経路の前記溶媒除去手段をバイパスする経路、あるいは、前記精製アセチレン導入経路の前記溶媒除去手段及び前記水分除去手段をバイパスする経路のいずれかの経路であること、前記溶媒除去手段が前記測定アセチレン導入経路に設けられた第1溶媒除去手段と前記精製アセチレン導入経路に設けられた第2溶媒除去手段とに分かれて設けられていること、前記水晶発振式水分計にガスを導入する各経路が各経路の一部が重複していることを特徴としている。 本発明のアセチレン中の水分測定装置によれば、精製アセチレン導入経路から水分以外の有機物系不純物及び水分を含まない溶解アセチレンをゼロガスとして導入し、校正用ガス導入経路から一定量の水分を含む校正用ガスを水晶発振式水分計に導入することにより、この二つのガスによって検量線を作成することができ、検量線作成後に測定アセチレン導入経路から溶媒を除去して水分が残留した状態の溶解アセチレンを水晶発振式水分計に導入することにより、溶解アセチレン中の溶媒が水晶発振式水分計の水分吸着物質に吸着することを防止して溶解アセチレン中の水分濃度を正確に測定することができる。 また、乾燥ガス導入経路を設けて該乾燥ガス導入経路から乾燥ガス、例えば窒素ガスを水晶発振式水分計に導入することにより、高価な溶解アセチレンに代えて安価な窒素ガスをゼロガスとして使用することができる。また、乾燥ガス導入経路を、溶媒除去手段や水分除去手段をバイパスする経路で形成することにより、装置全体の経路全長を短縮することができる。同様に、校正用ガス導入経路を、溶媒除去手段や水分除去手段をバイパスする経路で形成することにより、装置全体の経路全長を短縮することができる。さらに、各経路の一部を重複させた状態で形成することにより、装置全体の経路全長を更に短縮することができる。本発明のアセチレン中の水分測定装置の一形態例を示す系統図である。検量線の一例を示す図である。溶媒除去手段を通したときのDMFの濃度と水分の濃度との状態を示す図である。 本形態例に示すアセチレン中の水分測定装置は、溶解アセチレンボンベ11から取り出した溶解アセチレンに含まれる水分を測定するものであって、前記溶解アセチレンに含まれる水分を測定する水晶発振式水分計12と、前記溶解アセチレンに含まれる溶媒を除去する第1溶媒除去手段13を通して溶解アセチレンを前記水晶発振式水分計12に導入する測定アセチレン導入経路14と、前記溶解アセチレンに含まれる溶媒を除去する第2溶媒除去手段15及び該溶解アセチレンに含まれる水分を除去する水分除去手段16を通して溶解アセチレンを前記水晶発振式水分計12に導入する精製アセチレン導入経路17とを備えており、ガス供給部18には、前記溶解アセチレンボンベ11に加えて、一定量の水分を含む校正用ガス、例えば水分濃度を20〜100ppmに調製した窒素ガス(標準窒素ガス)を充填した校正用窒素ボンベ19と、水分を含まないゼロガスとしての乾燥ガス、例えば水分を除去した窒素ガスを充填したゼロガス用窒素ボンベ20とが設けられている。 また、前記測定アセチレン導入経路14の前記第1溶媒除去手段13の部分には、該第1溶媒除去手段13をバイパスする第1バイパス経路21が設けられ、前記精製アセチレン導入経路17の第2溶媒除去手段15及び水分除去手段16の部分には、該第2溶媒除去手段15及び水分除去手段16をバイパスする第2バイパス経路22が設けられている。さらに、本形態例に示す測定装置では、溶解アセチレンに含まれる溶媒、例えばDMFの濃度を測定するフーリエ変換赤外分光光度計(Fourier Transform Infrared Spectroscopy,FT−IR)23が設けられている。 前記各経路14,17,21,22の所定の位置には、ガスが流れる経路を切り替えるための開閉弁31〜46がそれぞれ設けられるとともに、流量を調整するための流量調節計(MFC)51〜55、二次側圧力を調整するための背圧弁(BPR)61,62、各ボンベから取り出すガスを減圧するための減圧弁71〜73が設けられ、さらに、溶解アセチレンボンベ11から溶解アセチレンを取り出す経路には逆火防止器81が設けられている。 前記第1溶媒除去手段13及び第2溶媒除去手段15には、水分以外の有機物系不純物を選択的に吸着する吸着剤、例えば、活性炭、多孔質活性炭を充填した吸着筒が用いられており、水分除去手段16には水分を吸着除去するモレキュラーシーブ3A(又は4A)を充填した吸着筒が用いられている。なお、各溶媒除去手段には、水分を除去せずにDMFなどの溶媒を選択的に除去することができれば、気体分離膜を使用した膜分離機などの適宜な溶媒除去手段を用いることができる。 以下、溶解アセチレン中の水分を測定する手順に基づいて前記水分測定装置を更に詳細に説明する。まず、検量線を作成するための準備として、ゼロガス用窒素ボンベ20から減圧弁73で所定圧力、例えば50kPa(ゲージ圧、以下同じ)に減圧して取り出した窒素ガス(ゼロガス)を、MFC51〜54にて流量調節し、例えば、それぞれ200sccmに調節して測定アセチレン導入経路14と精製アセチレン導入経路17とに導入する。 測定アセチレン導入経路14に導入したゼロガスは、第1溶媒除去手段13を通さずに第1バイパス経路21を通して水晶発振式水分計12に導入し、精製アセチレン導入経路17に導入したゼロガスは、第2溶媒除去手段15及び水分除去手段16を通さずに第2バイパス経路22を通して水晶発振式水分計12に導入する。このように、水晶発振式水分計12にゼロガスを流して水晶発振式水分計12のドライダウンを行う。 所定時間、例えば12時間、ドライダウンを行った後、前記ゼロガスに代えて校正用窒素ボンベ19から減圧弁72で同じ圧力に減圧して取り出した標準窒素ガスをMFC53で同じ流量に調節し、測定アセチレン導入経路14を通して水晶発振式水分計12に導入し、ゼロガスと標準窒素ガスとから得たデータによって検量線を作成する。作成した検量線の一例を図2に示す。検量線作成後には、前記同様にして再びドライダウンを所定時間行う。 検量線を作成し、所定のドライダウンを行った後、ゼロガス及び標準窒素ガスを止めた状態で、溶解アセチレンボンベ11から減圧弁71で所定圧力、例えば前記同様の50kPaに減圧し、逆火防止器81を介して取り出した溶解アセチレンを、MFC53,54で同じ流量に調節して測定アセチレン導入経路14と精製アセチレン導入経路17とに導入する。 測定アセチレン導入経路14に導入した溶解アセチレンは、第1バイパス経路21に通さずに第1溶媒除去手段13を通してDMFなどの溶媒をはじめとする有機物系不純物を微量にまで、例えば、数百ppmから1ppm以下にまで除去した後、水分を含んだ状態で水晶発振式水分計12に導入する。 一方、精製アセチレン導入経路17に導入した溶解アセチレンは、第2バイパス経路22を通さずに第2溶媒除去手段15に通してDMFなどの溶媒をはじめとする有機物系不純物を除去するとともに、水分除去手段16に通して水分を除去した後、有機物系不純物及び水分を含まない状態で水晶発振式水分計12に導入する。 これにより、測定アセチレン導入経路14からDMFなどの溶媒を含む水分以外の有機物系不純物が選択的に除去され、水分が残留した状態の溶解アセチレンが水晶発振式水分計12に導入されることになり、水晶発振式水分計の水分吸着物質に溶媒が吸着することを防止しながら溶解アセチレン中の水分濃度を正確に測定することができる。さらに、精製アセチレン導入経路17から水分も除去した状態の溶解アセチレンを水晶発振式水分計12に導入することにより、両溶解アセチレンのデータから、溶解アセチレンボンベ11から取り出した溶解アセチレンに含まれる水分濃度を正確に得られることができる。 また、測定アセチレン導入経路14に導入した溶解アセチレンを第1バイパス経路21に通してからFT−IR23に導入することにより、溶解アセチレンに含まれるDMFなどの溶媒の濃度を測定することができ、第1溶媒除去手段13を通した溶解アセチレン中の溶媒が除去されていることも確認できる。 図3は、第1バイパス経路21に通して溶解アセチレン中に溶媒(DMF)と水分とを含んだ状態で測定した水分濃度と、溶解アセチレンの経路を第1バイパス経路21から第1溶媒除去手段13に切り替えてDMFを除去した状態で測定した水分濃度の状態を表すもので、第1溶媒除去手段13を通しても、溶解アセチレン中の水分を測定した濃度が変化しないことを示している。 このように、第1溶媒除去手段13で溶解アセチレン中の溶媒を除去してから水晶発振式水分計12で水分濃度を測定することにより、溶解アセチレン中の水分濃度を正確に測定することができる。また、図2に示す検量線から、1〜100ppmの範囲の水分濃度を測定できることがわかる。 さらに、ゼロガスとして高価な圧縮アセチレンを使用する必要がなくなるので、分析に要するコストの削減も図ることができる。また、溶解アセチレン以外の各種アセチレン、例えば高純度アセチレンなどに含まれる水分も高精度で測定することができる。 なお、本形態例に示した水分測定装置では、溶媒除去手段を第1溶媒除去手段と第2溶媒除去手段とに分割したが、溶媒除去手段を一つとして溶媒除去手段の出口部で測定アセチレン導入経路と精製アセチレン導入経路とに分岐させることも可能である。また、校正用ガス導入経路や乾燥ガス導入経路をバイパス経路で形成したが、水晶発振式水分計の手前まで独立した経路で形成することも可能である。さらに、ゼロガスとして精製アセチレン導入経路からの溶解アセチレンを使用する場合は、ゼロガス用窒素ボンベは不要であり、溶媒濃度を測定する必要がない場合はFT−IRも不要である。また、各経路の接続状態は任意であり、適宜な配管系統を形成することができる。 11…溶解アセチレンボンベ、12…水晶発振式水分計、13…第1溶媒除去手段、14…測定アセチレン導入経路、15…第2溶媒除去手段、16…水分除去手段、17…精製アセチレン導入経路、18…ガス供給部、19…校正用窒素ボンベ、20…ゼロガス用窒素ボンベ、21…第1バイパス経路、22…第2バイパス経路、23…FT−IR、31〜46…開閉弁、51〜55…流量調節計(MFC)、61,62…背圧弁(BPR)、71〜73…減圧弁、81…逆火防止器 溶解アセチレンに含まれる水分を測定するための装置であって、溶解アセチレンに含まれる水分を測定する水晶発振式水分計と、ガス供給部に配置された溶解アセチレンボンベから取り出した前記溶解アセチレンを、該溶解アセチレンに含まれる水分以外の有機物系不純物を除去するための溶媒除去手段を通して前記水晶発振式水分計に導入する測定アセチレン導入経路と、前記溶解アセチレンを前記溶媒除去手段及び該溶解アセチレンに含まれる水分を除去するための水分除去手段を通して前記水晶発振式水分計に導入する精製アセチレン導入経路と、一定量の水分を含む校正用ガスを前記水晶発振式水分計に導入する校正用ガス導入経路とを備えているアセチレン中の水分測定装置。 前記水晶発振式水分計は、水分を含まない乾燥ガスを導入する乾燥ガス導入経路を備えている請求項1記載のアセチレン中の水分測定装置。 乾燥ガス導入経路は、前記測定アセチレン導入経路の前記溶媒除去手段をバイパスする経路、あるいは、前記精製アセチレン導入経路の前記溶媒除去手段及び前記水分除去手段をバイパスする経路のいずれかの経路を備えている請求項2記載のアセチレン中の水分測定装置。 前記校正用ガス導入経路は、前記測定アセチレン導入経路の前記溶媒除去手段をバイパスする経路、あるいは、前記精製アセチレン導入経路の前記溶媒除去手段及び前記水分除去手段をバイパスする経路のいずれかの経路である請求項1乃至3のいずれか1項記載のアセチレン中の水分測定装置。 前記溶媒除去手段は、前記測定アセチレン導入経路に設けられた第1溶媒除去手段と、前記精製アセチレン導入経路に設けられた第2溶媒除去手段とに分かれて設けられている請求項1乃至4のいずれか1項記載のアセチレン中の水分測定装置。 前記水晶発振式水分計にガスを導入する各経路は、各経路の一部が重複している請求項1乃至5のいずれか1項記載のアセチレン中の水分測定装置。 【課題】アセチレン中の水分を容易かつ正確に測定することができるアセチレン中の水分測定装置を提供する。【解決手段】溶解アセチレンに含まれる水分を測定する水晶発振式水分計12と、溶解アセチレンボンベ11から取り出した溶解アセチレンを、水分以外の有機物系不純物を除去するための第1溶媒除去手段13を通して水晶発振式水分計に導入する測定アセチレン導入経路14と、溶解アセチレンを第2溶媒除去手段15及び水分を除去するための水分除去手段16を通して水晶発振式水分計に導入する精製アセチレン導入経路17と、一定量の水分を含む校正用ガスを水晶発振式水分計に導入する校正用ガス導入経路とを備えている。【選択図】図1


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