生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_酒粕エキス
出願番号:2011270126
年次:2013
IPC分類:A61K 8/97,A61Q 5/00,A61Q 19/00,A61P 43/00,A61P 29/00,A61K 36/899,A61K 36/00,A23L 1/30


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芝野 真喜雄 竹内 一男 久保 弘亨 JP 2013121924 公開特許公報(A) 20130620 2011270126 20111209 酒粕エキス 株式会社トウバン 507202002 株式会社ヤマダ薬研 397014558 岡村 俊雄 100089004 芝野 真喜雄 竹内 一男 久保 弘亨 A61K 8/97 20060101AFI20130524BHJP A61Q 5/00 20060101ALI20130524BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20130524BHJP A61P 43/00 20060101ALI20130524BHJP A61P 29/00 20060101ALI20130524BHJP A61K 36/899 20060101ALI20130524BHJP A61K 36/00 20060101ALI20130524BHJP A23L 1/30 20060101ALN20130524BHJP JPA61K8/97A61Q5/00A61Q19/00A61P43/00 111A61P29/00A61K35/78 UA61K35/78 YA23L1/30 B 2 OL 9 4B018 4C083 4C088 4B018MD50 4B018MD91 4B018ME14 4B018MF01 4C083AA111 4C083CC02 4C083CC31 4C083EE12 4C083EE13 4C088AB74 4C088AC14 4C088CA08 4C088MA52 4C088MA63 4C088NA14 4C088ZA89 本発明は、酒粕から抽出される酒粕エキスに関するものである。 日本酒の醸造過程で副産物として産出される酒粕は、酵母菌体、麹菌体、エチルアルコール等のアルコール類、酢酸イソアミル、カブロン酸エチル等の各種エステル類、乳酸、コハク酸、酢酸等の有機酸類、ビタミン類、グリシン、グルタミン酸等のアミノ酸類等を含有する栄養価の高い代謝産物であるため、近年、化粧品や食品等の素材として注目されつつある。 特許文献1には、酒粕に含まれるトリアシルグリセロールに、シミ、そばかすの要因と なるメラニン色素の生成を律速する酵素チロシナーゼを阻害するチロシナーゼ活性阻害作用や美白効果があることが記載されている。チロシナーゼは、アミノ酸の一種であるL−チロシンに作用してメラニン色素前駆物質であるドーパクロムの生成を促進する。特開2008−24618号公報 特許文献1の記載から、酒粕は、チロシナーゼ活性阻害作用を有するので、日焼けによる色素沈着、シミ、そばかすの予防又は改善や美白効果を有する美白用化粧品の素材として有用である。美白用化粧品は、健康肌の人だけでなく、敏感肌の人も使用したいものであるが、敏感肌の人が長期間使用した場合、かぶれや痒みなどの炎症による肌への悪影響が懸念される。そこで、本願出願人は、酒粕に含まれるエキスの抗炎症作用の有無について着目した。 本発明の目的は、安全で且つ安価であり、抗炎症作用を有し、化粧品や食品の素材として有用な酒粕エキスを提供することである。 請求項1の酒粕エキスは、酒粕からアルコール水抽出して濾過した酒粕エキスであってシクロオキシゲナーゼの活性を抑制する抗炎症作用を有することを特徴としている。 請求項2の酒粕エキスは、請求項1の発明において、シクロオキシゲナーゼ1型に比べ、シクロオキシゲナーゼ2型をより強く抑制することを特徴としている。 本発明の酒粕エキスは、人体に対して安全性が高く且つ原料の入手が容易で安価であるうえ、抗炎症作用を有するので、敏感肌用のスキンケア用品、ヘアケア用品及びボディケア用品や食品の素材として有用である。酒粕エキス抽出方法の工程図である。アスピリンのCOX−1の活性阻害率を示すものである。アスピリンのCOX−2の活性阻害率を示すものである。酒粕エキスのCOX−1の活性阻害率を示すものである。酒粕エキスのCOX−2の活性阻害率を示すものである。 本発明の酒粕エキスは、酒米を原料とする日本酒の醸造過程から産出される副産物としての酒粕からアルコール水抽出され、肌におけるかぶれや痒み等の炎症反応の律速酵素であるシクロオキシゲナーゼの活性を阻害する抗炎症作用を有することを特徴としている。 酒米としては、タンパク質分量が少なく、大粒で粒が充実して揃っている、山田錦、雄町、五百万石、たかね錦、八反等が挙げられる。特に、山田錦は、一般米に比べて米粒並びにその中心部にある「心白」というデンプン質が大きく、タンパク質、脂肪の含有量が少なく、吸水性、消化性が良好で弾力にとみ、酵母菌がはぜ込みやすく、糖化されやすいため、酒造米として最も好適である。 酒粕エキスを化粧料、洗顔剤、洗髪料、入浴剤として用いる場合、クリーム、乳液、ローション、パック、ゲル等の種々の剤型とすることができる。斯かる剤型は、本発明の酒粕エキスに、油性成分、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、増粘剤、薬効成分、香料、樹脂、植物抽出物、アルコール類、酸化防止剤等を適宜組み合わせることにより調製することができる。 酒粕エキスを食品として用いる場合は、パン類、ケーキ類、麺類、菓子類、ゼリー類、冷凍食品、乳製品、飲料などの各種食品の他、錠剤、カプセル剤或いは液剤の形態のサプリメント製剤等が挙げられる。種々の形態の食品は、本発明の酒粕エキスに、他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香料、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせることにより調製することができる。 その他、酒粕エキスを衣服に用いる場合には、酒粕エキスを練り込んだ繊維を素材とすることができる。(酒粕について) 酒粕として、酒米「山田錦」を原料とする日本酒の醸造過程で産出された山田錦の酒粕と、比較対照として前記山田錦を含まない滋賀県産の酒米「銀吹雪」を原料とする日本酒の醸造過程で産出された銀吹雪の酒粕を夫々用いた。(酒粕エキスの抽出方法) 図1は、酒粕エキスの抽出方法の工程図を示すものである。図1において、符号Pi(i=1,2・・)は各工程を示す。最初に、酒粕(300g)に抽出溶剤として1,3ブチレングリコール50%水溶液(1.3L)を加えて、室温で1週間不定間隔で攪拌しながら放置した後、アルコール水抽出を行う(P1)。次に、抽出液を2、3回繰り返し濾過した後(P2)、濾過した抽出液をメンブランフィルター(例えば孔径0.45μm)で除菌し(P3)、酒粕エキスを得る。この抽出方法から抽出された各種酒粕エキスの比重を測定した(山田錦の酒粕エキスの比重:1.022g/cm3、銀吹雪の酒粕エキスの比重:1.019g/cm3)。尚、抽出溶剤は、前記1,3ブチレングリコールの他、メタノール、エタノールなどの低級アルコール水溶液を用いてもよい。 前記抽出方法により抽出された山田錦の酒粕エキスには、タンパク質・脂質・炭水化物のほか、ビタミン類やミネラル類、アミノ酸、アラニン、グリシンなどが含まれ、これらの成分は、保湿効果や抗酸化効果等を有することが既に知られている。(シクロオキシゲナーゼ活性阻害試験) 各種酒粕エキスの抗炎症作用の有無を評価するため、炎症反応の律速酵素であるシクロオキシゲナーゼの活性阻害試験を行った。 シクロオキシゲナーゼ(Cyclooxygenase,以下COXと称す)は、生体膜由来のアラキドン酸からプロスタグランジンやトロンボキサン等のケミカルメディエーターを生成するアラキドン酸カスケードの律速酵素である。COXには、シクロオキシゲナーゼ1型(以下、COX−1と称す)と、シクロオキシゲナーゼ2型(以下、COX−2と称す)の2種類のアイソザイムが存在する。 COX−1は、血小板や胃、血管内皮細胞などの多くの細胞に恒常的に存在する構成酵素である。COX−2は、発癌プロモータやホルモン等の刺激により新たに産出される誘導酵素であって、炎症反応、発癌、アルツハイマー病に関与する誘導酵素である。 COX活性阻害試験は、ケイマンケミカル(CaymanChemical)社のコックスインヒビータスクリーニングアッセイキット(COX Inhibitor Screening Assay Kit、CatalogNo.760111)を用いて行った。 酵素には、COX−1としてヒツジ精嚢ミクロソーム(ケイマンケミカル社製)、COX−2としてヒツジ胎盤由来COX−2精製品(ケイマンケミカル社製)を使用した。(試料溶液について) 試料溶液は、濃度を、12.5μg/ml、25μg/ml、50μg/mlに夫々調製した山田錦の酒粕エキス、濃度を前記と同様の濃度に夫々調製した銀吹雪の酒粕エキスを用いた。陽性対照(ポジティブコントロール)として、アセチルサリチル酸、即ち、アスピリン(非ステロイド性抗炎症剤の医薬品)(ナカライテスク社製)を用いた。アスピリンは、濃度を0.5mM、1mM、2mM、4mMに夫々調製したものを用いた。(各種試料のCOX−1及びCOX−2の阻害活性率の測定) COX−1、COX−2に、夫々、基質であるアラキドン酸を添加し、プロスタンジンの生成反応(以下、COX反応)を行い、酒粕エキスをキットの試験方法に従い添加し、プロスタンジンの生成量への影響を調べた。COX反応によって生成されたプロスタンジンは酵素免疫測定法(EIA法)を利用して定量した。COX活性により生じた酸化N,N,N’,N’-tetrametyl-p-phenylenediamine(TMPD)の吸光度(590nm)の増加を指標に酵素活性を測定し、酒粕エキスのCOX−1活性阻害率と、COX−2活性阻害率を夫々算出した。その結果を図2〜図4に示す。また、この結果を用いて酒粕エキスのシクロオキシゲナーゼ阻害活性IC50の値(シクロオキシゲナーゼの活性を50%阻害することを示す)を算出した。その結果を表1に示す。尚、アスピリンについても、上記と同様の方法で、COX−1及びCOX−2の活性阻害率とIC50の値を算出した。 図2に示すように、陽性対照であるアスピリンのCOX−1活性阻害率は、0.5mMで48.8%、1mMで63.8%、2mMで76%、4mMで83.4%であった。この結果から、アスピリンは、COX−1活性阻害作用を有し、濃度が高くなる程COX−1活性阻害率が高くなる傾向にあることが認められる。 図3に示すように、アスピリンのCOX−2活性阻害率は、0.5mMで35.2%、1mMで63.6%、2mMで74.4%、4mMで83%であった。この結果から、アスピリンは、COX−2活性阻害作用を有し、濃度が高くなる程COX―2活性阻害率が高くなる傾向にあることが認められる。 図2,3及び表1から、アスピリンは、COX−1とCOX−2のIC50がほぼ同等の値であり且つ活性阻害率もほぼ同等の値であるため、COX−1及びCOX−2の両方に対して強い活性阻害作用を有する。そのため、アスピリンは、関節炎、痛風、外傷、歯痛、神経痛などの鎮痛目的で使用する場合に有用であるが、COX−1の活性を阻害することで胃腸障害やめまいなどの副作用を引き起こす可能性が大きい。 図4に示すように、山田錦の酒粕エキスのCOX−1活性阻害率は、12.5μg/mlで3.5%、25μg/mlで6.4%、50μg/mlで14.1%であった。この結果から、山田錦の酒粕エキスは、COX−1の活性を抑制し、濃度が高くなる程COX―1活性阻害率が高くなる傾向にあることが認められる。なお、銀吹雪の酒粕エキスについては、濃度依存的な阻害活性率の上昇が確認できなかったので、COX−1活性阻害なしとした。 図5に示すように、山田錦の酒粕エキスのCOX−2活性阻害率は、12.5μg/mlで0.2%、25μg/mlで8.6%、50μg/mlで20.5%であった。この結果から、山田錦の酒粕エキスは、COX−2の活性を抑制し、濃度が高くなる程COX−2活性阻害率が高くなる傾向にあることが認められる。また、銀吹雪の酒粕エキスも、COX−2の活性を抑制し、濃度が高くなる程COX−2活性阻害率が高くなる傾向にあることが認められる。 更に、表1に示すように、山田錦の酒粕エキスのCOX−1及びCOX−2のIC50の値からCOX−1/COX−2が、1.68の値であった。つまり、山田錦の酒粕エキスは、COX−1に比べてCOX−2の活性を選択的に抑制する傾向にあることが認められる。 以上の結果から、山田錦の酒粕エキスは、COX―1よりもCOX−2の活性阻害率が高く、COX−1に比べてCOX−2の活性をより強く抑制するため、肌におけるかぶれや痒みレベルの炎症反応を抑制する抗炎症作用を有し、人体に悪影響のない安全性が高いものであること認められる。 このように、酒粕エキスは、保湿効果、抗酸化効果の他に、炎症時などで発現されるCOX−2を抑制する抗炎症効果を有するうえ、安全で且つ原料の入手が容易で安価であるため、敏感肌用のスキンケア用品、ヘアケア用品及びボディケア用品や食品の素材として好適である。 酒粕からアルコール水抽出して濾過した酒粕エキスであってシクロオキシゲナーゼの活性を抑制する抗炎症作用を有することを特徴とする酒粕エキス。 シクロオキシゲナーゼ1型に比べ、シクロオキシゲナーゼ2型をより強く抑制することを特徴とする請求項1に記載の酒粕エキス。 【課題】人体に対して安全で且つ原料の入手が容易で安価であり、抗炎症作用を有し、化粧品や食品の素材として有用な酒粕エキスを提供する。【解決手段】酒米を原料とする日本酒の醸造過程から産出される酒粕からアルコール水抽出して濾過した酒粕エキスであって、肌におけるかぶれや痒み等の炎症反応を引き起こす律速酵素であるシクロオキシナーゼの活性を抑制する抗炎症作用を有し、シクロオキシゲナーゼ1型に比べ、シクロオキシゲナーゼ2型をより強く抑制する酒粕エキス。【選択図】 なし


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