タイトル: | 公開特許公報(A)_動物用眼科組成物 |
出願番号: | 2011258694 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | A61K 33/22,A61P 27/02,A61P 43/00,A61K 9/08,A61K 9/70,A61P 29/00,A61P 31/04,A61K 47/36,A61K 47/38,A61K 47/16 |
西畑 秀一 JP 2013112628 公開特許公報(A) 20130610 2011258694 20111128 動物用眼科組成物 千寿製薬株式会社 000199175 岩谷 龍 100077012 西畑 秀一 A61K 33/22 20060101AFI20130514BHJP A61P 27/02 20060101ALI20130514BHJP A61P 43/00 20060101ALI20130514BHJP A61K 9/08 20060101ALI20130514BHJP A61K 9/70 20060101ALI20130514BHJP A61P 29/00 20060101ALI20130514BHJP A61P 31/04 20060101ALI20130514BHJP A61K 47/36 20060101ALI20130514BHJP A61K 47/38 20060101ALI20130514BHJP A61K 47/16 20060101ALI20130514BHJP JPA61K33/22A61P27/02A61P43/00 171A61K9/08A61K9/70A61P29/00A61P31/04A61K47/36A61K47/38A61K47/16 7 OL 10 4C076 4C086 4C076AA12 4C076AA71 4C076BB21 4C076BB24 4C076BB31 4C076CC05 4C076CC10 4C076CC18 4C076CC31 4C076DD30Z 4C076DD48R 4C076EE30G 4C076EE32G 4C076FF11 4C076FF16 4C076FF17 4C076FF39 4C076FF61 4C076FF68 4C086AA01 4C086AA02 4C086HA05 4C086MA01 4C086MA02 4C086MA03 4C086MA04 4C086MA05 4C086MA07 4C086MA10 4C086MA17 4C086MA32 4C086MA56 4C086MA58 4C086MA63 4C086NA05 4C086NA10 4C086NA14 4C086ZA33 4C086ZB11 4C086ZB35 4C086ZC61 本発明は、動物の眼下毛の汚れを除去する効果と、動物の眼に潤いを与え、角膜表面を保護し、炎症を予防または治療する殺菌効果を併せ持つ清拭および点眼用組成物に関する。 眼の乾燥を防ぐために、涙は常に産生されている。しかし、何らかの原因で、涙が多く、目から涙が溢れると涙焼けや涙染色症候群を引き起こす。涙焼けの原因は、たとえば、眼瞼内反、涙点閉鎖、涙嚢炎、疼痛性角膜病変、睫毛重生、異所性睫毛や眼瞼皮膚のアレルギー性皮膚炎による流涙症などが挙げられる。また、涙染色症候群は、動物の内眼角の被毛及び皮膚が涙によって茶色に染色される症状を呈することをいい、過剰涙中のラクトフェリン、ポルフィリンやカテコラミン等によって被毛や皮膚が染色されてしまうことにより生じる。 特に、イヌにおいては、毛色が白いイヌほど目立ちやすく、短吻種や眼球が若干突出しているイヌ (シーズー、マルチーズ、チワワなど)に多い。通常、涙は鼻涙管を通じて鼻腔、口腔へと降りていく。したがって、涙が溢れる事はないが、短吻種の場合、鼻涙管が屈曲していたり、管が狭くなっていたりする事が多いため、涙が正常に降りて来ないことがある。 このような涙焼けや涙染色症候群は、単に眼およびその周囲の美容的な観点からだけではなく、感染症などの原因となることもあり、動物、特に愛玩用動物にとってこれらの症状の予防と改善は大きな課題となっている。 この背景から、これまでにこの問題を解決するいくつかの方法が行われているが、いずれも解決すべきと課題を有する。たとえば、漂白剤やオキシドール等を成分とする拭き取り液により、眼のまわりに付着した涙焼けをクリーニングするという方法を選択することもできる。しかし、目に入ってしまった場合には、目に障害を引き起こすおそれが高く、このことが拭き取り作業を難しくしている。 もし、「清拭薬」と「点眼薬」の効能を併せ持つ単一製剤があれば、これらの問題は解決できるが、ここに製剤技術的な課題ある。すなわち、涙焼けの拭き取りに使う「清拭薬」は、眼下毛に塗布するものであり、無菌製剤であることを必要とせず、また保存剤も必要はない。一方、「点眼薬」は、眼下毛に塗布することは予定されておらず、無菌製剤であり、保存剤も含有するなど相反する要件を備える全く別の製剤であるという事である。 清拭薬と点眼薬が、全く別の製剤であることは、畜産局長通達による再評価において認められた標準処方の点眼剤の項にある記載からも明白である。当該通達の記載によれば、清拭薬とは、表1のDに属する有効成分を主体とし,眼下毛に適用する製剤を示すのに対し、一般点眼薬とは、清拭薬、洗眼薬製剤以外の点眼剤を示し、製剤上、明確に区別されている。また、効能又は効果に関しても、表2に示すように、点眼薬では、結膜炎、結膜充血、角膜炎、涙腺炎、眼瞼炎、外傷性眼炎であり、清拭薬では、眼下毛の汚れの清拭であって、異なる製剤として区別されるものである。 (注)類型は薬理作用に基づく類別で、類型の欄のAは充血除去成分、同欄のBは消炎・収れん成分、同欄のCは抗ヒスタミン剤、同欄のDは殺菌剤に相当する。 かかる異なる機能を併せ持つ単一の製剤を提供し、使用者の便宜に役立たせることは、当業者といえども容易ではない。したがって、動物の眼下毛の汚れを除去する清拭効果と、眼に潤いを与え、角膜表面を保護し、炎症を予防または治療する殺菌効果を併せ持つ安全かつ利便性を有する製剤的な技術思想が求められていた。昭和50年1月16日付け50畜A第222号農林省畜産局長通知第十六改正日本薬局方、一般試験法、45.粘度測定法、第2法回転粘度計法第十六改正日本薬局方、一般試験法、48.pH測定法 本発明の目的は、動物の眼下毛の汚れを除去する清拭効果と、動物の眼に潤いを与え、角膜表面を保護し、炎症を予防または治療する殺菌効果を併せ持つ清拭および点眼用組成物を提供することである。また、当該組成物を調製する方法、ならびにその使用を提供することも本発明の目的である。 本発明者らは、上記のような事情に鑑み、種々検討を重ねた結果、驚くべきことに、ホウ酸を含有する本発明の製剤が、上記の清拭効果と点眼効果を同時に達成することを見出した。 背景で述べたように従来技術では、清拭効果と点眼効果を併せ持つ単一製剤で本課題を解決した例はなく、本発明により、動物用の眼のトータルケアが可能となった。 本発明は、 [1]製剤全体に対して1〜5重量%のホウ酸を含有する組成物であって、点眼薬用途と眼下毛清拭薬用途に併用されることを特徴とする動物用製剤。 [2]さらに粘稠剤を含有する[1]に記載の製剤; [3]さらにpH調節剤を含有する[1]または[2]に記載の製剤; [4]さらに界面活性剤を含有する[1]〜[3]のいずれか1項に記載の製剤; [5]さらに保存剤を含有する[1]〜[4]のいずれか1項に記載の製剤; [6]pHが5〜12である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の製剤;および [7]滅菌および等張化過程を含む[1]〜[6]に記載の製剤の調製方法;を開示するものである。 本発明によれば、動物の眼下毛の汚れを除去する清拭効果と、動物の眼に潤いを与え、角膜表面を保護し、結膜炎、結膜充血、角膜炎、涙腺炎、眼瞼炎、外傷性眼炎などの炎症を予防または治療する殺菌効果を併せ持つ清拭および点眼用組成物の供給が可能となる。 本発明の動物用製剤は、水性または非水性の希釈剤等を用いて公知の方法により製造できる。例えば、水性の溶液剤または懸濁剤用希釈剤としては、蒸留水、生理食塩水等が挙げられる。非水性の溶液剤または懸濁剤用希釈剤としては、植物油、流動パラフィン、鉱物油、プロピレングリコール、p−オクチルドデカノール等が挙げられる。 本発明の組成物は必要に応じて、生体に許容される範囲内のpH及び/または浸透圧に調節される。許容されるpHは、通常pH4.0〜12.0、好ましくは5〜8.5、特に好ましくは5.5〜8.0である。浸透圧は、100〜1200mOsm、好ましくは100〜600mOsm、特に好ましくは150〜400mOsm程度であり、生理食塩液に対する浸透圧比は、通常、0.3〜4.1、好ましくは0.3〜2.1、特に好ましくは0.5〜1.4程度である。pHや浸透圧の調節は、既述のpH調整剤、等張化剤・塩類等を用いて、当該技術分野において既知の方法で行うことができる。 無菌処理に、通常はろ過滅菌が用いられる。加圧式蒸気滅菌機(例えば、オートクレーブ)に入れて圧力をかけながら所定時間、レトルト殺菌を行う場合は、加熱温度は、限定されるものないが、好ましくは115〜125℃、加熱時間は、4〜30分間で、レトルト殺菌することが好ましい。 本発明を適用する動物はペットや家畜、動物園等で観賞用に飼育されている動物等が挙げられる。ペットは、例えば、イヌ、サル、ネコ、ウサギ、マウス、ラット、モルモット、フェレット等が挙げられる。家畜は、例えば、ブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ等が挙げられる。影響がない場合は、鳥類や爬虫類等のペットに適用してもよく、これらも本発明の動物の範囲内である。 本発明の動物用製剤は、蒸留水または精製水等の適当な希釈剤中で、ホウ酸と任意の添加物を混合して、上記の浸透圧及びpHに調整し、必要に応じて無菌環境下、ろ過滅菌処理し、洗浄滅菌済みの容器に無菌充填することにより製造できる。 本発明の動物用製剤に含まれるホウ酸は、現時点においては、上記の畜産局長通達による再評価において認められた標準処方で2%とされているが、1%から5%が好ましい。特に好ましくは2%である。しかし、これに限定されるわけではなく、有効量含有すればよい。「有効量含有する」とは、清拭効果と点眼効果に貢献する量のホウ酸が、動物の眼下毛の汚れを除去する清拭効果と、動物の眼に潤いを与え、角膜表面を保護し、炎症を予防または治療する殺菌効果に貢献するような濃度で含有されていることを意味し、本発明に係る動物用製剤が使用される動物の種類、大きさ、性別、症状等に応じて適宜決定されるものである。 本発明の動物用製剤を製造するにあたっては、ホウ酸に種々の添加物を適当な工程で配合することもできる。例としては、限定されるものではないが、粘稠剤、界面活性剤、pH調節剤、保存剤、等張化剤・塩類、保湿剤、着色剤、矯臭剤・香料等が挙げられる。 適切な粘稠剤としては、限定されるものではないが、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、エチルセルロース、カロメロースナトリウム、キサンタンガム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、α−シクロデキストリン、濃グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポピドン、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、マクロゴール4000、マクロゴール20000、無水エタノール、メチルセルロース、流動パラフィン等が挙げられる。 好ましくは、任意のヒアルロン酸類を用いることができる。そのようなヒアルロン酸類の例として、ヒアルロン酸またはその誘導体またはこれらの薬学的生理学的に許容される塩類が挙げられる。なお、由来(鶏冠由来、微生物由来等)や分子量は特に限定されないが、具体例として、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸マグネシウム、ヒアルロン酸カルシウム等が挙げられるが、なかでもヒアルロン酸ナトリウムが好ましい。本発明に用いられるヒアルロン酸類の分子量としては、平均分子量が50万〜500万の範囲にあるものが好ましく、より好ましくは60万〜400万、特に好ましくは60万〜250万である。 ヒアルロン酸類の配合量は、組成物の用途、意図する粘度、用いるヒアルロン酸類の分子量などにより異なるが、例えば組成物が点眼薬などの眼科用組成物である場合、通常0.0001〜10重量%、より好ましくは0.001〜1重量%、特に好ましくは0.005〜0.5重量%の範囲である。なお、この濃度範囲から著しく低濃度に外れると、製剤に粘稠性が付与されず、また薬理面でも十分な効果が得られにくく、一方で高濃度に外れると、特に無菌製剤の製造においてのろ過作業に支障を及ぼすおそれがある。 適切な界面活性剤としては、限定されるものではないが、非イオン性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン界面活性剤等の、眼科用製剤に通常用いられる任意の界面活性剤を用いることができる。 非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、「POE」という)−ポリオキシプロピレン(以下、「POP」という)ブロックコポリマー(ポロクサマー類)、POEソルビタン脂肪酸エステル類(ポリソルベート類)、POE(60)硬化ヒマシ油等のPOE硬化ヒマシ油類、POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、またはPOEヒマシ油類等が挙げられる。 本発明組成物に用いられる他の界面活性剤として、アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸ベタイン型、イミダゾリン型などの両性界面活性剤;POE(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのPOEアルキルエーテルリン酸及びその塩、ラウロイルメチルアラニンナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、N−ココイルメチルタウリンナトリウムなどのN−アシルタウリン塩、テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、POE(3) ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのPOEアルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などの陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、アルキル4級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなど)、またはアルキルピリジニウム塩(塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウムなど)などの陽イオン界面活性剤などが挙げられる。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。これらの界面活性剤の配合量も上記非イオン性界面活性剤の場合に準ずる。 好ましくは、非イオン性界面活性剤であり、より好ましくはPOEソルビタン脂肪酸エステル類(ポリソルベート類)である。 これら界面活性剤は単独で配合されていてもよく、又は二種以上組み合わせて配合されていてもよい。 適切なpH調節剤としては、限定されるものではないが、アジピン酸、アンモニア水、塩酸、乾燥炭酸ナトリウム、希塩酸、クエン酸水和物、クエン酸ナトリウム水和物、クエン酸二水素ナトリウム、グリシン、グルコノ−δ−ラクトン、グルコン酸、結晶リン酸二水素ナトリウム、コハク酸、酢酸、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム水和物、ジイソプロパノールアミン、酒石酸、D−酒石酸、L−酒石酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム水和物、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、二酸化炭素、乳酸、乳酸カルシウム水和物、乳酸ナトリウム液、氷酢酸、フマル酸一ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂、マレイン酸、無水クエン酸、無水酢酸ナトリウム、無水リン酸一水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム、メグルミン、メタンスルホン酸、モノエタノールアミン、硫酸、硫酸アルミニウムカリウム水和物、DL−リンゴ酸、リン酸、リン酸三ナトリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム、またはリン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。 これらpH調節剤は単独で配合されていてもよく、又は二種以上組み合わせて配合されていてもよい。 適切な保存剤としては、限定されるものではないが、安息香酸、安息香酸ナトリウム、アンソッコウ、イソプロパノール、液状フェノール、エタノール、エデト酸ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、塩化セチルピリジニウム、カアトレジン、カプタン、乾燥亜硫酸ナトリウム、クエン酸水和物、グリセリン、L−グルタミン酸カリウム、クレゾール、m−クレゾール、クロルヘキシジン塩酸塩、クロルヘキシジングルコン酸塩、クロロクレゾール、クロロブタノール、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、臭化ベンゾドデシニウム、D−ソルビトール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、チメロサール、チモール、デヒドロ酢酸ナトリウム、濃ベンザルコニウム塩化物液50、ノルマルブチルグリシジルエーテル、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸プロピルナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸メチルナトリウム、人血清アルブミン、フェニルエチルアルコール、フェノキシエタノール、フェノール、プロピレングリコール、ベンザルコニウム塩化物、ベンザルコニウム塩化物液、ベンジルアルコール、ベンゼトニウム塩化物、ホウ砂、ホルマリン、2−メルカプトベンズイミダゾール、硫酸銅、またはリン酸等が挙げられる。 これら保存剤は単独で配合されていてもよく、又は二種以上組み合わせて配合されていてもよい。 適切な等張化剤・塩としては、限定されるものではないが、亜硫酸水素ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、果糖、キシリトール、クエン酸水和物、クエン酸ナトリウム水和物、グリセリン、結晶リン酸二水素ナトリウム、臭化カルシウム、臭化ナトリウム、水酸化ナトリウム、生理食塩水、D−ソルビトール、D−ソルビトール液、タウリン、炭酸水素ナトリウム、ニコチン酸アミド、乳酸ナトリウム、乳糖水和物、濃グリセリン、ブドウ糖、プロピレングリコール、ベンザルコニウム塩化物、ベンジルアルコール、ホウ砂、マクロゴール4000、D−マンニトール、が、無水ピロリン酸ナトリウム、リン酸、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素カリウム、またはリン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。 これら等張化剤・塩は単独で配合されていてもよく、又は二種以上組み合わせて配合されていてもよい。 適切な保湿剤としては、限定されるものではないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1 , 3 − ブチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、カルボキシルビニールポリマー、キサンタムガム、またはグリコシドトレハロース等が挙げられる。 これら保湿剤は単独で配合されていてもよく、又は二種以上組み合わせて配合されていてもよい。 適切な着色剤としては、限定されるものではないが、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号などの水溶性食用タール色素、前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩などの水不溶性レーキ色素、β−カロチン、クロロフィル、ベンガラなどの天然色素等が挙げられる。 これら着色剤は単独で配合されていてもよく、又は二種以上組み合わせて配合されていてもよい。 適切な矯臭剤・香料としては、限定されるものではないが、チェリーフレーバー、デントミント、ビターエッセンス、ヒノキ6E−84211、ペパーミント、l−メントール、サリチル酸メチル、またはオレンジ香料等が挙げられる。 これら矯臭剤は単独で配合されていてもよく、又は二種以上組み合わせて配合されていてもよい。 本発明の組成物は、溶液状が好ましい。使用に差し障りのない限り、懸濁状、ジェル状、油状、軟こう状であってもよい。 本発明の組成物は、点眼容器に収納する他、ガーゼ、脱脂綿、不織布などに含浸させた形態で販売および使用に供することもできる。すなわち、ウエットティッシュのような形態で販売に供すこともできる。また、動物の眼のクリーナーとする場合には、該組成物を適切な容器に収納することができる。スプレー容器に収納してもよい。 本発明の組成物を収容する容器の材質に関しては、特に限定されるものではないが、好ましくはポリエステル類(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキシレン・ジメチル・テレフタレート、Uポリマー、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート類(ポリカーボネート等)、ポリオレフィン類(ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン等)、エチレン・ビニルアルコール共重合体等があげられる。またはそれらのブレンド品、共重合体、または、多層成形品などを用いてもよいし、更にポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリカーボネート類をブレンドしてもよい。 用法・用量は、本発明に係る動物用製剤が使用される動物の種類、大きさ、性別、症状等に応じて適宜決定されるものである。たとえば、点眼は1日3〜6回、1回1〜3滴の範囲であり、清拭は、1日1〜2回数滴を眼下毛に滴下し、汚れを拭き取り、又は綿棒に滴下し眼下毛に塗布し、汚れを清拭する。 以下に実施例を示して、本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。当業者には明白なように、本発明の範囲から逸脱することなく、材料および方法の両面で種々の改変が可能である。 以下の実施例及び試験例における粘度の測定は次の方法で行う。 粘度は、円すい一平板形回転粘度計を用いる方法で測定する。この方法は、第十六改正日本薬局方に記載の、一般試験法、45.粘度測定法、第2法回転粘度計法、「(3)円すい−平板形回転粘度計」の項に記載の方法で測定できる。すなわち、粘度の測定は、市販の円すい−平板形回転粘度計と適宜選択されたロータとを用いて測定することができ、例えば、そのような粘度計の例には、E型粘度計[トキメック(TOKIMEC)製、東機産業(日本)から販売]、シンクローレクトリックPC 型(ブルックフィールド、米国)、フェランティシャーリー(フェランティ、英国)、ロートビスコR(ハーケ、独国)、IGK ハイシャーレオメーター(石田技研、日本)、島津レオメーターR(島津製作所、日本)、ワイセンベルグレオゴニオメーター(サンガモ、英国)、メカニカルスペクトロメーター(レオメトリックス、米国)等がある。これらの市販の粘度計とロータを適宜選択し、披検試料測定毎にJIS Z8809により規定されている石油系の炭化水素油(ニュートン流体)を校正用標準液として適宜調整することにより、20℃における粘度(単位:mPa・s(Pa ・s =103 mPa・s ))を測定できる。 pHは、第十六改正日本薬局方、一般試験法、48.pH測定法に準じて測定できる。%は、特にことわりのない限り、通常は質量%である。[実施例1]処方 ホウ酸2gを含有する清拭効果と点眼効果を併せ持つ組成物は、表3に示す処方で製造した。製法 約80℃の水にヒプロメロースを分散させ、冷却しながら溶解し、ヒアルロン酸ナトリウムを溶解させる。順次、ホウ酸、クロルヘキシジングルコン酸塩を溶解させ、水酸化ナトリウムでpH7.0に調整する。これを無菌環境下、ろ過滅菌処理し、洗浄滅菌済みの15mLの容器に無菌充填することにより製造した。適用例1 実施例1の組成物を健康なイヌに点眼し、1日、2回数滴点眼し、同時に眼下毛にも本組成物を数滴別途に脱脂綿に垂らして、清拭した。適用例2 実施例1の組成物を涙焼けを起こしたイヌに、適用例1と同様に、1日、2回数滴点眼し、同時に眼下毛にも本組成物を数滴別途に脱脂綿に垂らして、清拭した。結果 適用1の様に健康なイヌに点眼・清拭を同時に施したところ、副作用は観察されなかった。また、処置作業を行った人体の手指にも、全く異常が見られないことが確認できた。 次いで、適用例2のように涙焼けを起こしたイヌに点眼・清拭を同時に施したところ、数日から2週間程度で症状の改善が見られた。 本実施例では以下の特徴を有し、眼のトータルケアに有効であることが明らかとなった。 1.単一の製剤により、点眼と清拭を同時に行うことができる。 2.ホウ酸を主剤としており、殺菌作用がある。 3.洗眼剤と異なり、塩化ベンザルコニウム塩化物(使用時濃度:0.005%、表1参照)ではなく、角膜障害が少ないクロルヘキシジングルコン酸塩を保存剤として少量(0 . 001%) 使用しており、角膜障害が起こりにくい。 4.眼をきれいにし、長期間使用できるように容量を15mLとしている。 5.ヒアルロン酸ナトリウムとヒプロメロースで適度な粘度となっており、目に潤いを与え、角膜表面の保護に有効ある。 6.pHと浸透圧は涙に近く、刺激や眼への障害が少ない。 本発明は、単一の製剤により、点眼と清拭を同時に行うことができ、動物の眼下毛の汚れを除去する清拭効果と、動物の眼に潤いを与え、角膜表面を保護し、結膜炎、結膜充血、角膜炎、涙腺炎、眼瞼炎、外傷性眼炎などの炎症を予防または治療する殺菌効果を有し、産業上の有用である。 製剤全体に対して1〜5重量%のホウ酸を含有する組成物であって、点眼薬用途と眼下毛清拭薬用途に併用されることを特徴とする動物用製剤。 さらに粘稠剤を含有する請求項1に記載の製剤。 さらにpH調節剤を含有する請求項1または請求項2に記載の製剤。 さらに界面活性剤を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の製剤。 さらに保存剤を含有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の製剤。 pHが5〜12である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の製剤。 滅菌および等張化過程を含む請求項1〜請求項6に記載の製剤の調製方法。 【課題】発明は、動物の眼下毛の汚れを除去する効果と、動物の眼に潤いを与え、角膜表面を保護し、炎症を予防または治療する殺菌効果を併せ持つ清拭および点眼用組成物、当該組成物を調製する方法を提供する。【解決手段】ホウ酸を含有する本発明の組成物が、上記の清拭効果と点眼効果を併せ持つ単一製剤になりうることを見出した。本発明の製剤には、必要に応じて、粘稠剤、界面活性剤、pH調節剤、保存剤、等張化剤・塩類、保湿剤、着色剤、矯臭剤・香料等を含有することができる。本発明は、動物の眼下毛の汚れを除去する清拭効果と、眼に潤いを与え、角膜表面を保護し、併せて、炎症を予防または治療する殺菌効果を有する組成物を提供し、動物用の眼のトータルケアが可能となった。【選択図】なし