タイトル: | 公開特許公報(A)_ロイコ色素の安定化方法 |
出願番号: | 2011249486 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C09B 67/00,C09B 21/00,C09K 15/06,C09K 15/22,C12Q 1/26 |
塚本 暁 西村 研吾 JP 2013104007 公開特許公報(A) 20130530 2011249486 20111115 ロイコ色素の安定化方法 東洋紡株式会社 000003160 塚本 暁 西村 研吾 C09B 67/00 20060101AFI20130507BHJP C09B 21/00 20060101ALI20130507BHJP C09K 15/06 20060101ALI20130507BHJP C09K 15/22 20060101ALI20130507BHJP C12Q 1/26 20060101ALN20130507BHJP JPC09B67/00 LC09B21/00C09K15/06C09K15/22C12Q1/26 4 OL 14 4B063 4H025 4B063QA01 4B063QA05 4B063QA18 4B063QQ03 4B063QQ08 4B063QR02 4B063QR41 4B063QS03 4B063QS08 4B063QS22 4B063QX01 4H025AA17 4H025AA38 本発明は、ロイコ色素の安定化方法に関する。更に詳しくは、ロイコ色素を用いた分析試薬組成物におけるロイコ色素の安定化方法に関する。 臨床検査分野では、酵素法により様々な項目の測定が行われている。例えばグルコースオキシダーゼ等の酸化酵素を用いて過酸化水素を発生させ、ペルオキシダーゼと色素の存在下で発色後の吸光度を測定し、物質の濃度を定量化する方法が従来から知られている。 この際用いられる色素の種類としてはトリンダー試薬と呼ばれる色素またはロイコ色素と呼ばれる色素が存在する。トリンダー試薬とは4−アミノアンチピリンなどのカップラーと各種トリンダー試薬との2種からなる色素であり、特徴としては光や熱に対して安定な色素である。感度に関しては過酸化水素2分子に反応する。一方ロイコ色素は10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67)やN−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4−ビス(ジメチルアミノ)ビフェニルアミン(DA−64)などがあり過酸化水素1分子に対して反応するため高感度の測定が可能だが、光や熱に対して不安定なため、測定前のブランクが高くなるなどの問題があり、ロイコ色素の自己発色抑制に関して様々な検討が行われている。 特許文献1では発色試薬にシクロデキストリン又は及びその誘導体を共存させることにより液体系の試薬でのロイコ色素DA67の自己発色抑制について検討されている。10日以内の短期間の効果は認められているが、長期間保存した場合の挙動についての記載が一切なく長期保存の効果は不明である。 特許文献2ではDA67と界面活性剤やフラボノイド系色素を安定化剤として用いて色素の安定化をする試みがなされており、バックグラウンドの抑制を達成しているが、その後の主反応である酸化反応の精度への影響について記載がなく効果は不明である。特開平01―118768号公報WO2009/116575 本発明の目的は、ロイコ色素の長期における自己発色抑制を行うための安定化方法および安定化剤を提供することにある。 本発明者らが鋭意検討した結果、ロイコ色素と酸化防止剤を共存させることにより、ロイコ色素の自己発色を長期に亘って抑制できることを見出した。さらに検討を進めた結果、アスコルビン酸およびグルタチオンが極めて顕著な効果をもたらすことを見出し、本発明を完成するに至った。アスコルビン酸は、血中に含むアスコルビン酸(還元剤)が酸化発色反応に影響を及ぼし精度に悪影響するという問題が知られていた。本発明は従来反応の阻害物質とされていた物質に効果を見出したものである。すなわち、本発明は、以下の構成からなる。(1)ロイコ色素をアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、グルタチオン及びグルタチオン誘導体からなる群より選ばれる一種以上の酸化防止剤と共存させることを特徴とするロイコ色素安定化方法。(2)酸化防止剤に対する色素のモル比が0.003以上0.11以下である、(1)に記載のロイコ色素安定化方法。(3)ロイコ色素が10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67)である、(1)もしくは(2)に記載のロイコ色素安定化方法。(4)アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、グルタチオン及びグルタチオン誘導体からなる群より少なくとも1種選ばれる、ロイコ色素安定化剤。 ロイコ色素は他の色素と比べて感度が高く、精度の求められる測定系への使用が期待される半面、自己発色による保存安定性の低さが問題であった。本発明に因れば、比較的長期間、色素の自己発色を抑制することができ、安定的に色素の性能を発揮させることができる。本発明を応用すれば、とりわけ生化学分析の分野でロイコ色素を使用することができるようになり、より精度の高い生化学分析測定に資することができる。本発明によるロイコ色素は、トリフェニルメタン誘導体、フェノチアジン誘導体、ジフェニルアミン誘導体等が挙げられる。具体的には、4,4’−ベンジリデンビス(N,N−ジメチルアニリン)、4,4’−ビス[N−エチル−N−(3−スルホプロピルアミノ)−2,6−ジメチルフェニル]メタン、1−(エチルアミノチオカルボニル)−2−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−4,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)イミダゾール、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン、N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン塩(DA64)、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン塩(DA67)等が挙げられる。これらの中でも、モル吸光係数が高く、極大吸収波長が高波長側にあり、血液中の共存物質の波長を回避でき、かつ色素の波長を検出しやすいという理由から、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン塩(DA67)が好ましい。本発明のロイコ色素安定化方法では、一種以上の酸化防止剤と共存させることを特徴とする。酸化防止剤には、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、グルタチオン及びグルタチオン誘導体が好ましく用いられる。より好ましくは、アスコルビン酸及び/又はアスコルビン酸誘導体が用いられる。酸化防止剤のないロイコ色素単体の状態では空気による酸化劣化し、反応前に感度が低下するという問題がある。アスコルビン酸やグルタチオンのような酸化防止剤は還元作用が強く、共存させることにより不安定なロイコ色素を還元し、酸化劣化を防ぐことができる。ロイコ色素と共存させる酸化防止剤は2種以上を混合し共存させてもよい。本発明のロイコ色素安定化方法では酸化防止剤に対する色素のモル比が0.003以上0.11以下であることを特徴とする。モル比が0.11を超えると還元力が不十分であり、ロイコ色素の酸化劣化が進み自己発色する。またモル比が0.003未満であると酸化防止剤の添加量が過剰になり吸光度測定時に、酸化防止剤によるバックグラウンド上昇がお起こりこのましくない。 モル比の計算については以下の式1もしくは式2によって行った。(式1)モル比=単位量あたりの色素mol量(mol/L)/単位量あたりの酸化防止剤のmol量(mol/L)(式2)モル比=単位面積あたりの色素mol量(mol/cm2)/単位面積あたりの酸化防止剤のmol量(mol/cm2) 本発明における生化学分析とは、生体由来の検体に存在する有機・無機化合物を測定するために行われる分析のことをいい、臨床検査に用いられる測定項目の分析を指しても用いられる。生化学分析が用いられる臨床検査としては、血液検査、尿・糞便検査等があり、本発明は、血液検査に属する生化学分析に好適に使用される。血液検査における生化学分析における分析対象項目の例としては、血糖(グルコース)、ヘモグロビンA1c、グリコアルブミン、インスリン、総タンパク質、アルブミン、コリンエステラーゼ、乳酸脱水素酵素(LD)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT=GPT)、アスパラギン酸アミノトラスフェラーゼ(AST=GOT)、γ−グルタミントランスペプチダーゼ、アルカリフォスファターゼ、ビルビリン、アミラーゼ、クレアチニン、クレアチンキナーゼ、総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、尿酸がある。 生化学分析が乾式試薬の場合、例えば前記酸化防止剤とロイコ色素が共存した乾燥体が上げられる。作成方法としては前記酸化防止剤と色素を溶媒に溶解した後、溶媒を除去することで調整できる。前記ドライ系の発色試薬は例えばパウダー状であって容器等に収容されてもよいし、例えば基材に担持された測定チップや試験片のような状態であってもよい。 生化学分析が液体試薬の場合、例えば前記酸化防止剤とロイコ色素とを溶媒に溶解、懸濁または分散させることで調整できる。前記溶媒としては特に限定されないが、例えば、水、緩衝液等の水系溶媒等が挙げられ、また水系溶媒と有機溶媒との混合液等も使用できる。前記緩衝液としては一般的なものが使用できる。以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。本実施例は、色素や酸化防止剤を乾燥状態で固定させた多層構造からなる乾式の試験片を用いて試験を行ったが、本発明は本実施例に限定されるものではなく、溶液状態での試薬でも同様の結果を得られる。(試験片作成方法)繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成した。酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)と東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD))と色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))と酸化防止剤をバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。酵素や色素、酸化防止剤の量については表1、2中に示す。(フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)の活性測定)フルクトシルアミノ酸オキシダーゼの活性は、ペルオキシダーゼ存在下で、糖化バリルヒスチジンと糖化アミノ酸オキシダーゼとの反応で生成した過酸化水素と酸化還元系発色試薬を反応させ、その吸光度変化から算出した。ここで、フルクトシルアミノ酸オキシダーゼの至適pH(pH=6.5)で、37℃−1分あたり、フルクトシルバリルヒスチジンを加水分解し、1.0μmolの過酸化水素を生成する酵素量を1Uと定義した。(ペルオキシダーゼ(POD)の活性測定)ペルオキシダーゼの活性は、ペルオキシダーゼ存在下で、過酸化水素とピロガロール(Pyrogallol)とを反応させ、生成したプルプロガリン(Purpurogallin)に由来する吸光度の変化から算出した。ここで、ペルオキシダーゼの至適pH(pH=6.0)で、20℃−20秒あたり、1.0mgのプルプロガリン(Purpurogallin)に相当する呈色を生ずる酵素量を1Uと定義した。(吸光度評価、自己発色抑制効果の確認方法)上記の方法で作成した試験片の発色抑制状態を反射光測定装置(島津製作所社製クロマトスキャナー CS−9300PC)によって、測定温度は20℃で、光源としては1mm×5mmで行い、色素のλmax=666nmの吸光度を測定した。なお測定については、スライド作成後、200ルクス20℃の条件で保管し、1日後、3日後、8日後の吸光度を測定し、自己発色の有無について評価を行った。(実施例1) 試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD))40Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤アスコルビン酸0.3mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。200ルクス20℃の条件で保管し、保管開始から1日後、3日後、8日後の吸光度評価を行った。その結果を表1に示す。なお表1、表2、表3、表4中の評価欄において、記号の表す意味は以下の通りである。◎ 666nm付近において十分な自己発色抑制効果がみられた。○ 666nm付近において自己発色抑制効果がみられた。△ 666nm付近において自己発色抑制効果がみられたが不十分である。× 666nm付近において自己発色抑制効果がみられなかった。表1の吸光度測定結果から明らかな通り、酸化防止剤アスコルビン酸0.3mg/cm2とDA67と2種の酵素を添加した場合、経時的な自己発色がなく、666nm付近において十分な自己発色抑制効果がみられた。(実施例2)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD))40Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤アスコルビン酸0.5mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表1に示す。酸化防止剤アスコルビン酸0.5mg/cm2とDA67と2種の酵素を添加した場合、経時的な自己発色がなく、666nm付近において十分な自己発色抑制効果がみられた。(実施例3)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD))40Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤アスコルビン酸3.0mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表1に示す。酸化防止剤アスコルビン酸3.0mg/cm2とDA67と2種の酵素を添加した場合、経時的な自己発色がなく、666nm付近において十分な自己発色抑制効果がみられた。(実施例4)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD))40Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤アスコルビン酸5.0mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表1に示す。酸化防止剤アスコルビン酸5.0mg/cm2とDA67と2種の酵素を添加した場合、経時的な自己発色がなく、666nm付近において十分な自己発色抑制効果がみられた。(実施例5)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD))40Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤グルタチオン0.4mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表1に示す。酸化防止剤グルタチオン0.4mg/cm2とDA67と2種の酵素を添加した場合、経時的な自己発色がなく、666nm付近において十分な自己発色抑制効果がみられた。(実施例6)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD))40Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤グルタチオン0.6mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表1に示す。酸化防止剤グルタチオン0.6mg/cm2とDA67と2種の酵素を添加した場合、経時的な自己発色がなく、666nm付近において十分な自己発色抑制効果がみられた。(実施例7)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD))40Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤グルタチオン3.0mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表2に示す。酸化防止剤グルタチオン3.0mg/cm2とDA67と2種の酵素を添加した場合、経時的な自己発色がなく、666nm付近において十分な自己発色抑制効果がみられた。(実施例8)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD))40Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤グルタチオン5.0mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表2に示す。酸化防止剤グルタチオン5.0mg/cm2とDA67と2種の酵素を添加した場合、経時的な自己発色がなく、666nm付近において十分な自己発色抑制効果がみられた。(実施例9)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD))40Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤アスコルビン酸0.3mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表2に示す。酸化防止剤グルタチオン0.3mg/cm2とDA67と酵素ペルオキシダーゼ1種を添加した場合、経時的な自己発色がなく、666nm付近において十分な自己発色抑制効果がみられた。(実施例10)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤アスコルビン酸0.3mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表2に示す。酸化防止剤グルタチオン0.3mg/cm2とDA67と酵素フルクトシルアミノ酸オキダーゼ1種を添加した場合、経時的な自己発色がなく、666nm付近において十分な自己発色抑制効果がみられた。(実施例11)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤アスコルビン酸0.3mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表2に示す。酸化防止剤グルタチオン0.3mg/cm2とDA67のみを添加した場合、経時的な自己発色がなく、666nm付近において十分な自己発色抑制効果がみられた。(比較例1)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD))40Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表3に示す。酸化防止剤は使用せず、DA67と2種の酵素を添加した場合、経時的な自己発色が激しく、666nm付近において吸光度が経時的に上昇し自己発色抑制効果がみられなかった。(比較例2)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD))40U/cm2と色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤アスコルビン酸0.05mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表3に示す。酸化防止剤アスコルビン酸0.05mg/cm2とDA67と2種の酵素を添加した場合、経時的な自己発色が激しく、666nm付近において吸光度が経時的に上昇し自己発色抑制効果がみられなかった。(比較例3)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD))40Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤アスコルビン酸0.1mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表3に示す。酸化防止剤アスコルビン酸0.10mg/cm2とDA67と2種の酵素を添加した場合、経時的な自己発色が激しく、666nm付近において吸光度が経時的に上昇し自己発色抑制効果がみられなかった。(比較例4)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD))40Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤グルタチオンン0.05mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表3に示す。酸化防止剤グルタチオン0.05mg/cm2とDA67と2種の酵素を添加した場合、経時的な自己発色が激しく、666nm付近において吸光度が経時的に上昇し自己発色抑制効果がみられなかった。(比較例5)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD))40Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgと酸化防止剤グルタチオンン0.10mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表4に示す。酸化防止剤グルタチオン0.10mg/cm2とDA67と2種の酵素を添加した場合、経時的な自己発色が激しく、666nm付近において吸光度が経時的に上昇し自己発色抑制効果がみられなかった。(比較例6)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)10Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表4に示す。酸化防止剤は使用せずとDA67と酵素フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ1種のみを添加した場合、経時的な自己発色が激しく、666nm付近において吸光度が経時的に上昇し自己発色抑制効果がみられなかった。(比較例7)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、酵素(東洋紡績製ペルオキシダーゼ(POD))40Uと色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表4に示す。酸化防止剤は使用せずとDA67と酵素ペルオキシダーゼ1種のみを添加した場合、経時的な自己発色が激しく、666nm付近において吸光度が経時的に上昇し自己発色抑制効果がみられなかった。(比較例8)試験方法と評価方法は実施例1と同様に行った。試験片の作成方法については、繊維構造体(織物、平織り、目付け80g/m2、厚み110μm)から1cm2の試験片を作成し、色素(10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67))0.05mgをバッファー10μL(50mM PIPES)に溶解し試薬を調整した。この試薬を繊維構造体へ含浸させ、50℃の熱風で15分間乾燥させ生化学分析用試験片を作成した。試験片の試薬組成については表4に示す。酸化防止剤は使用せずとDA67のみを添加した場合、経時的な自己発色が激しく、666nm付近において吸光度が経時的に上昇し自己発色抑制効果がみられなかった。本発明により感度の高い色素を安定的に使用可能となり、安定した酵素反応性が得られる。そのため糖尿病診断や様々な病気の診断時に測定精度の向上が可能になり、病気の予防や診断など産業界に大きく寄与することが期待される。 ロイコ色素をアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、グルタチオン及びグルタチオン誘導体からなる群より選ばれる一種以上の酸化防止剤と共存させることを特徴とするロイコ色素安定化方法。 酸化防止剤に対する色素のモル比が0.003以上0.11以下である、請求項1に記載のロイコ色素安定化方法。 ロイコ色素が10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA67)である、請求項1もしくは2に記載のロイコ色素安定化方法。アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、グルタチオン及びグルタチオン誘導体からなる群より少なくとも1種選ばれる、ロイコ色素安定化剤。 【課題】 ロイコ色素の長期における自己発色抑制を行うための安定化方法および安定化剤を提供する。【解決手段】 ロイコ色素をアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、グルタチオン及びグルタチオン誘導体からなる群より選ばれる一種以上の酸化防止剤と共存させることを特徴とするロイコ色素安定化方法。【選択図】 なし