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タイトル:公開特許公報(A)_環状トリチオカーボネートの製造方法
出願番号:2011078961
年次:2012
IPC分類:C07D 339/06,B01J 31/02,C07F 7/10,C07B 61/00


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竹中 康将 崔 準哲 安田 弘之 森 悟郎 清洲 高広 JP 2012214386 公開特許公報(A) 20121108 2011078961 20110331 環状トリチオカーボネートの製造方法 和光純薬工業株式会社 000252300 独立行政法人産業技術総合研究所 301021533 竹中 康将 崔 準哲 安田 弘之 森 悟郎 清洲 高広 C07D 339/06 20060101AFI20121012BHJP B01J 31/02 20060101ALI20121012BHJP C07F 7/10 20060101ALN20121012BHJP C07B 61/00 20060101ALN20121012BHJP JPC07D339/06B01J31/02 ZC07F7/10 XC07B61/00 300 12 OL 46 (出願人による申告)平成22年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「革新的マイクロ反応場利用部材技術開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願 4C023 4G169 4H039 4H049 4C023NA03 4G169AA02 4G169AA08 4G169BA02A 4G169BA02B 4G169BA21A 4G169BA21B 4G169BD05A 4G169BD05B 4G169BD06A 4G169BD06B 4G169BE14A 4G169BE14B 4G169BE17B 4G169BE32A 4G169BE32B 4G169BE38A 4G169BE38B 4G169CB25 4G169FC04 4H039CA42 4H039CH40 4H049VN01 4H049VP11 4H049VQ35 4H049VQ59 4H049VR21 4H049VR43 4H049VS35 4H049VS59 4H049VU33 4H049VV02 4H049VW02 本発明は、例えば電子デバイス作製用化学品材料の用途等として期待されている環状トリチオカーボネートの製造方法に関する。更に詳しくは、エピスルフィド(チイラン)と二硫化炭素を原料とする環状トリチオカーボネートの製造方法に関する。 環状トリチオカーボネートは、例えば医薬、農薬、化粧品等の合成中間体としての用途、例えば電子デバイス作製用化学品材料の用途等として期待されている化合物であり、特に最近では、リチウムイオン電池用電解液やキャパシタの電解質添加剤として有望視されている化合物である。 従来より、これらの環状トリチオカーボネートの製造方法としては、例えばエピスルフィド(チイラン)と二硫化炭素とをトリエチルアミンの存在下、200〜800MPaといった超高圧で反応させて製造する方法(例えば非特許文献1等)、例えばエピスルフィド(チイラン)と二硫化炭素とをオニウム塩の存在下、350℃以上の高温で反応させて製造する方法(例えば特許文献1等)等が知られている。 また、エポキシド(オキシラン)を原料として環状トリチオカーボネートを製造する方法としては、例えばハイドロタルサイトを触媒として用いる方法(例えば非特許文献2等)、例えばアンモニウム塩及びアルミニウムサレン錯体を触媒として用いる方法(例えば非特許文献3等)等が知られている。米国特許第3073846号明細書Bull. Chem. Soc. Jpn., 60, 727-730 (1987)Synthesis, 53-56 (2008)Synlett, 623-627 (2010) 上記したように、エピスルフィド(チイラン)又はエポキシド(オキシラン)を原料として環状トリチオカーボネートを製造する方法は知られてはいるものの、これらの方法は、超高圧条件、高温条件等が求められたりするなど反応条件が厳しい、合成例が少なく種々のエピスルフィド(チイラン)に適用できる反応かどうかが明らかでない、或いはエピスルフィド(チイラン)又はエポキシド(オキシラン)の種類によって目的とする環状トリチオカーボネートの収率にばらつきがあるなどの問題点があり、未だに改良が求められている現状にある。 本発明は、上記した如き状況に鑑みなされたもので、比較的穏和な条件下で反応を行っても、目的とする環状トリチオカーボネートを高収率で製造することができ、種々のエピスルフィド(チイラン)にも適用できる当該環状トリチオカーボネートの製造方法を提供することにある。本発明者らは、このような製造方法について鋭意研究を重ねた結果、エピスルフィド(チイラン)と二硫化炭素との反応において、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒を用いることで、上記問題点を解決できることを見出した。また、シリカ触媒を用いる方法は、副反応がほとんど生じないことから、エポキシド(オキシラン)を原料としてエピスルフィド(チイラン)を中間体として経る環状トリチオカーボネートの製造方法にも応用できることを見出し、本発明を完成させるに至った。 本発明は、エピスルフィド(チイラン)と二硫化炭素とを、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒の存在下で反応させることを特徴とする、環状トリチオカーボネートの製造方法の発明である。以下、当該発明を本発明の第一の製造方法と略記する場合がある。 また、本発明は、エポキシド(オキシラン)と、チオ尿素とチオシアン酸アンモニウムとから選ばれる少なくとも一方とを反応させてエピスルフィド(チイラン)を得る第1の工程と、上記エピスルフィド(チイラン)と二硫化炭素とを、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒の存在下で反応させる第2の工程と、を含んでなり、上記第1の工程と上記第2の工程とが、連続的に行われることを特徴とする、環状トリチオカーボネートの製造方法の発明である。以下、当該発明を本発明の第二の製造方法と略記する場合がある。 更に、本発明は、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカを含有する、エピスルフィド(チイラン)と二硫化炭素とを反応させることにより、環状トリチオカーボネートを製造する際に用いられる触媒の発明である。 本発明の第一の製造方法によれば、エピスルフィド(チイラン)と二硫化炭素とを原料として環状トリチオカーボネートを製造するにあたり、触媒としてシリカに特定構造のアミン性基を修飾させた触媒を用いることで、比較的穏和な条件下で反応を行っても、目的とする環状トリチオカーボネートを高収率で製造することが可能となる。すなわち、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカを触媒として用いることにより、収率よく環状トリチオカーボネートを得ることができるのである。 また、本発明の第二の製造方法によれば、エポキシド(オキシラン)を原料として、チオ尿素とチオシアン酸アンモニウムとから選ばれる少なくとも一方とを反応させてエピスルフィド(チイラン)を得る第1の工程と、第1の工程で得られたエピスルフィド(チイラン)を二硫化炭素と反応させる上記した如き本発明の第一の製造方法(第2の工程)とを組み合わせて、なおかつ連続的に行うことで、効率的かつ収率よく環状トリチオカーボネートを得ることができるのである。すなわち、従来は、第1の工程で使用する未反応のエポキシド(オキシラン)や残存するチオ尿素又はチオシアン酸アンモニウムが、上記第2の工程に悪影響を与える可能性が高く、上記第1の工程で得られたエピスルフィド(チイラン)を一旦単離する必要があると考えられていたが、本発明の第一の製造方法を組み合わせる方法であれば、上記第1の工程で得られたエピスルフィド(チイラン)を単離することなく、次反応である第2の工程に付すことができるようになるのである。 更に、シリカに第二級又は第三級アミン性基で修飾させた、本発明のシリカ触媒は、均一系触媒に比べて、回収、再利用が容易であるという利点を有する触媒である。 はじめに、本発明の第一の製造方法について説明する。本発明の第一の製造方法に係るエピスルフィド(チイラン)は、後述する二硫化炭素と同様に、環状トリチオカーボネートを製造するための原料として用いられる。当該エピスルフィド(チイラン)としては、通常この分野で用いられているエピスルフィド(チイラン)であれば特に限定されず、具体的には、例えば一般式[1](式中、R1、R2、R3及びR4は夫々独立して、水素原子、ヘテロ原子で置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基又はヘテロ原子で置換されていてもよいアラルキル基を表し、R2とR3とでこれらが結合している炭素原子と共に炭素数4〜10の環状構造を形成していてもよい。)で示される化合物が挙げられる。 一般式[1]におけるR1、R2、R3及びR4で示される、ヘテロ原子で置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基におけるヘテロ原子としては、具体的には、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、例えば酸素原子等が挙げられ、なかでも、酸素原子が好ましい。 一般式[1]におけるR1、R2、R3及びR4で示される、ヘテロ原子で置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基における炭素数1〜20の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、n-ウンデシル基、シクロウンデシル基、n-ドデシル基、シクロドデシル基、n-トリデシル基、シクロトリデシル基、n-テトラデシル基、シクロテトラデシル基、n-ペンタデシル基、シクロペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、シクロヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、シクロヘプタデシル基、n-オクタデシル基、シクロオクタデシル基、n-ノナデシル基、シクロノナデシル基、n-イコシル基、シクロイコシル基、ノルボルニル基、ボルニル基(ボルナン-χ-イル基)、アダマンチル基、メチルアダマンチル基、メンチル基(メンタ-χ-イル基)、デカヒドロナフチル基等が挙げられ、なかでも、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基等の炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基が好ましい。 一般式[1]におけるR1、R2、R3及びR4で示される、ヘテロ原子で置換されていてもよいアラルキル基におけるヘテロ原子としては、具体的には、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、例えば酸素原子等が挙げられ、なかでも、酸素原子が好ましい。 一般式[1]におけるR1、R2、R3及びR4で示される、ヘテロ原子で置換されていてもよいアラルキル基におけるアラルキル基としては、単環式、縮合多環式のいずれであってもよく、具体的には、例えばベンジル基、フェネチル基、α-メチルベンジル基、3-フェニルプロピル基、1-メチル-1-フェニルエチル基、4-フェニルブチル基、2-メチル-2-フェニルプロピル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、ナフチルメチル基、2-ナフチルエチル基等の炭素数7〜12のアラルキル基が挙げられ、なかでも、ベンジル基、フェネチル基、α-メチルベンジル基等の炭素数7〜8のアラルキル基が好ましい。 一般式[1]におけるR2及びR3で示される、これらが結合している炭素原子と共に炭素数4〜10の環状構造を形成する場合の具体例としては、例えばシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン等が挙げられ、なかでも、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の炭素数5〜8のシクロアルカンが好ましく、そのなかでも、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜6のシクロアルカンがより好ましい。 上記一般式[1]で示されるエピスルフィド(チイラン)の具体例としては、例えばエチレンスルフィド、プロピレンスルフィド、ブチレンスルフィド、イソブチレンスルフィド、ペンチレンスルフィド、ヘキシレンスルフィド、へプチレンスルフィド、オクチレンスルフィド、ノニレンスルフィド、デシレンスルフィド、ウンデシレンスルフィド、ドデシレンスルフィド、トリデシレンスルフィド、テトラデシレンスルフィド、ペンタデシレンスルフィド、ヘキサデシレンスルフィド、ヘプタデシレンスルフィド、オクタデシレンスルフィド、ノナデシレンスルフィド、イコシレンスルフィド、シクロペンテンスルフィド、シクロヘキセンスルフィド、シクロヘプテンスルフィド、シクロオクテンスルフィド、2,3-ブチレンスルフィド、トリメチルエチレンスルフィド、テトラメチルエチレンスルフィド、メトキシメチルエチレンスルフィド、イソプロポキシメチルエチレンスルフィド、フェノキシメチルエチレンスルフィド、クロロメチルエチレンスルフィド等が挙げられるが、本発明の第一の製造方法においては、ここに例示されるエピスルフィド(チイラン)に限定されず、上記一般式[1]で示されるエピスルフィド(チイラン)に包含されるものであれば特に問題なく用いることができる。なお、これらの一般式[1]で示されるエピスルフィド(チイラン)は、市販のものを用いるか、常法により合成したものを適宜用いれば足りる。 これら一般式[1]で示されるエピスルフィド(チイラン)のなかでも、目的とする環状トリチオカーボネートの単離が容易となる等の、本発明の効果とは別の有利な効果が得られるという観点からすれば、一般式[1]で示されるエピスルフィド(チイラン)のなかでも、一般式[1'](式中、R1'、R2'及びR3'は夫々独立して、水素原子、ヘテロ原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基又はヘテロ原子で置換されていてもよいアラルキル基を表し、R2'とR3'とでこれらが結合している炭素原子と共に炭素数5〜8の環状構造を形成していてもよい。)で示されるエピスルフィド(チイラン)が好ましい。 一般式[1']におけるR1'、R2'及びR3'で示される、ヘテロ原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基におけるヘテロ原子としては、具体的には、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、例えば酸素原子等が挙げられ、なかでも、酸素原子が好ましい。 一般式[1']におけるR1'、R2'及びR3'で示される、ヘテロ原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基における炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基等が挙げられる。 一般式[1']におけるR1'、R2'及びR3'で示される、ヘテロ原子で置換されていてもよいアラルキル基におけるヘテロ原子としては、具体的には、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、例えば酸素原子等が挙げられ、なかでも、酸素原子が好ましい。 一般式[1']におけるR1'、R2'及びR3'で示される、ヘテロ原子で置換されていてもよいアラルキル基におけるアラルキル基としては、単環式、縮合多環式のいずれであってもよく、具体的には、例えばベンジル基、フェネチル基、α-メチルベンジル基、3-フェニルプロピル基、1-メチル-1-フェニルエチル基、4-フェニルブチル基、2-メチル-2-フェニルプロピル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、ナフチルメチル基、2-ナフチルエチル基等の炭素数7〜12のアラルキル基が挙げられ、なかでも、ベンジル基、フェネチル基、α-メチルベンジル基等の炭素数7〜8のアラルキル基が好ましい。 一般式[1']におけるR2'及びR3'で示される、これらが結合している炭素原子と共に炭素数5〜8の環状構造を形成する場合の具体例としては、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等が挙げられ、なかでも、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜6のシクロアルカンが好ましい。 上記一般式[1']で示されるエピスルフィド(チイラン)の具体例としては、例えばエチレンスルフィド、プロピレンスルフィド、ブチレンスルフィド、イソブチレンスルフィド、ペンチレンスルフィド、ヘキシレンスルフィド、へプチレンスルフィド、オクチレンスルフィド、ノニレンスルフィド、デシレンスルフィド、ウンデシレンスルフィド、ドデシレンスルフィド、シクロペンテンスルフィド、シクロヘキセンスルフィド、シクロヘプテンスルフィド、シクロオクテンスルフィド、2,3-ブチレンスルフィド、トリメチルエチレンスルフィド、メトキシメチルエチレンスルフィド、イソプロポキシメチルエチレンスルフィド、フェノキシメチルエチレンスルフィド、クロロメチルエチレンスルフィド等が挙げられるが、本発明の第一の製造方法においては、ここに例示されるエピスルフィド(チイラン)に限定されず、上記一般式[1']で示されるエピスルフィド(チイラン)に包含されるものであれば特に問題なく用いることができる。なお、これらの一般式[1']で示されるエピスルフィド(チイラン)は、市販のものを用いるか、常法により合成したものを適宜用いれば足りる。 本発明の第一の製造方法により得られる環状トリチオカーボネートとしては、具体的には、例えば一般式[2](式中、R1、R2、R3及びR4は上記に同じ。)で示されるものが挙げられる。 上記一般式[2]で示される環状トリチオカーボネートの具体例としては、例えばエチレントリチオカーボネート、プロピレントリチオカーボネート、ブチレントリチオカーボネート、イソブチレントリチオカーボネート、ペンチレントリチオカーボネート、ヘキシレントリチオカーボネート、へプチレントリチオカーボネート、オクチレントリチオカーボネート、ノニレントリチオカーボネート、デシレントリチオカーボネート、ウンデシレントリチオカーボネート、ドデシレントリチオカーボネート、トリデシレントリチオカーボネート、テトラデシレントリチオカーボネート、ペンタデシレントリチオカーボネート、ヘキサデシレントリチオカーボネート、ヘプタデシレントリチオカーボネート、オクタデシレントリチオカーボネート、ノナデシレントリチオカーボネート、イコシレントリチオカーボネート、シクロペンテントリチオカーボネート、シクロヘキセントリチオカーボネート、シクロヘプテントリチオカーボネート、シクロオクテントリチオカーボネート、4,5-ジメチルエチレントリチオカーボネート(4,5-ジメチル-1,3-ジチオラン-2-チオン)、トリメチルエチレントリチオカーボネート(4,4,5-トリメチル-1,3-ジチオラン-2-チオン)、テトラメチルエチレントリチオカーボネート(テトラメチル-1,3-ジチオラン-2-チオン)、メトキシメチルエチレントリチオカーボネート(4-メトキシメチル-1,3-ジチオラン-2-チオン)、イソプロポキシメチルエチレントリチオカーボネート(4-イソプロポキシメチル-1,3-ジチオラン-2-チオン)、フェノキシメチルエチレントリチオカーボネート(4-フェノキシメチル-1,3-ジチオラン-2-チオン)、クロロメチルエチレントリチオカーボネート(4-クロロメチル-1,3-ジチオラン-2-チオン)等が挙げられるが、本発明の第一の製造方法においては、ここに例示される環状トリチオカーボネートに限定されず、上記一般式[2]で示される環状トリチオカーボネートであれば差し支えない。 これら一般式[2]で示される環状トリチオカーボネートのなかでも、当該環状トリチオカーボネートの単離が容易となる等の、本発明の効果とは別の有利な効果が得られるという観点からすれば、一般式[2]で示される環状トリチオカーボネートのなかでも、一般式[2'](式中、R1'、R2'及びR3'は上記に同じ。)で示される環状トリチオカーボネートが好ましい 上記一般式[2']で示される環状トリチオカーボネートの具体例としては、例えばエチレントリチオカーボネート、プロピレントリチオカーボネート、ブチレントリチオカーボネート、イソブチレントリチオカーボネート、ペンチレントリチオカーボネート、ヘキシレントリチオカーボネート、へプチレントリチオカーボネート、オクチレントリチオカーボネート、ノニレントリチオカーボネート、デシレントリチオカーボネート、ウンデシレントリチオカーボネート、ドデシレントリチオカーボネート、シクロペンテントリチオカーボネート、シクロヘキセントリチオカーボネート、シクロヘプテントリチオカーボネート、シクロオクテントリチオカーボネート、4,5-ジメチルエチレントリチオカーボネート(4,5-ジメチル-1,3-ジチオラン-2-チオン)、トリメチルエチレントリチオカーボネート(4,4,5-トリメチル-1,3-ジチオラン-2-チオン)、メトキシメチルエチレントリチオカーボネート(4-メトキシメチル-1,3-ジチオラン-2-チオン)、イソプロポキシメチルエチレントリチオカーボネート(4-イソプロポキシメチル-1,3-ジチオラン-2-チオン)、フェノキシメチルエチレントリチオカーボネート(4-フェノキシメチル-1,3-ジチオラン-2-チオン)、クロロメチルエチレントリチオカーボネート(4-クロロメチル-1,3-ジチオラン-2-チオン)等が挙げられるが、本発明の第一の製造方法においては、ここに例示される環状トリチオカーボネートに限定されず、上記一般式[2']で示される環状トリチオカーボネートであれば差し支えない。 本発明の第一の製造方法に係る二硫化炭素は液体であるので、例えばそのまま反応系内に供給してよいし、二硫化炭素をあらかじめ適当な溶媒に溶解させてそれを反応系内に供給してもよい。すなわち、どのような供給形態の二硫化炭素であっても差し支えない。また、二硫化炭素の使用量としては特に限定されないが、例えばエピスルフィド(チイラン)のmol数に対して、通常0.5mol当量〜20mol当量、好ましくは0.9mol当量〜10mol当量となるように設定される。なお、二硫化炭素は、市販のものを適宜用いれば足りる。 本発明の第一の製造方法に係る第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒とは、シリカ中のシラノール基の一部に第二級又は第三級アミン性基が導入された触媒をいい、より具体的には、第二級又は第三級アミン性基を有する含ケイ素化合物中のケイ素原子に結合した反応性基のうちの少なくとも1つと、シリカ中の表面シラノール基とを、脱ハロゲン化水素化、脱水、脱アルコール化等の縮合反応等で反応させることにより得られるものである。このようにして得られるシリカ触媒は、担体であるシリカの表面に、通常含ケイ素化合物に由来する、第二級又は第三級アミン性基が、シリカ中の表面シラノール基との間で化学結合によって直接的又は間接的にシリカに結合されているものである。すなわち、ここでいうシリカ触媒とは、シリカが第二級又は第三級アミン性基で表面修飾されているものをいう。 上記第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒の具体例としては、例えば一般式[3]{式中、R5は、結合手、炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基又はアラルキレン基を表し、2つのR6は夫々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基又はアリル基を表し、Yは、第二級又は第三級アミン由来の基を表し、Zは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基、アリル基又は一般式[4](式中、R5、R6及びYは上記に同じ。)で示されるシラザン基を表す。}で示される含ケイ素化合物とシリカとを反応させることによって得られるものであって、シリカ中の表面シラノール基が、一般式[5]一般式[5](式中、R5、R6及びYは上記に同じ。)で示される基、一般式[6](式中、R5、R6及びYは上記に同じ。)で示される基、又は一般式[7](式中、R5及びYは上記に同じ。)で示される基となっているもの、すなわち、シリカ表面に上記一般式[5]、[6]又は[7]で示される構成単位を有するものが挙げられる。言い換えれば、当該シリカ触媒は、上記一般式[3]で示される含ケイ素化合物中の反応性基である、R6又はZで示されるハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリル基及び一般式[4]で示されるシラザン基のうちの少なくとも1つと、シリカ中の表面シラノール基とが反応することによって得られるものであって、シリカ表面に上記一般式[5]、[6]又は[7]で示される構成単位を有するものである。 一般式[3]、[4]、[5]、[6]及び[7]におけるR5で示される炭素数1〜10のアルキレン基としては、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキレン基であれば特に限定されず、具体的には、例えばメチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の炭素数1〜10の直鎖状アルキレン基、例えばメチルメチレン基、メチルジメチレン基(メチルエチレン基)、メチルトリメチレン基、メチルテトラメチレン基、メチルペンタメチレン基、メチルヘキサメチレン基、メチルヘプタメチレン基、メチルオクタメチレン基、メチルノナメチレン基、エチルメチレン基、エチルジメチレン基(エチルエチレン基)、エチルトリメチレン基、エチルテトラメチレン基、エチルペンタメチレン基、エチルヘキサメチレン基、エチルヘプタメチレン基、エチルノナメチレン基、プロピルメチレン基、プロピルジメチレン基(プロピルエチレン基)、プロピルトリメチレン基、プロピルテトラメチレン基、プロピルペンタメチレン基、プロピルヘキサメチレン基、プロピルヘプタメチレン基、ブチルメチレン基、ブチルジメチレン基(ブチルエチレン基)、ブチルトリメチレン基、ブチルテトラメチレン基、ブチルペンタメチレン基、ブチルヘキサメチレン基等の炭素数2〜10の分枝状アルキレン基、例えばシクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基等の炭素数4〜10の環状アルキレン基等が挙げられ、なかでも、例えばメチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の炭素数1〜10の直鎖状アルキレン基が好ましく、そのなかでも、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素数2〜6の直鎖状アルキレン基がより好ましく、更にそのなかでも、炭素数2〜3の直鎖状アルキレン基であるジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基がさらに好ましい。なお、アルキレン鎖に結合しているメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基は、アルキレン鎖のいずれの炭素原子に結合していてもよく、これらのアルキル基は直鎖状のn-体に限定されず、イソ体、sec-体、tert-体等の分枝状であってもよい。 一般式[3]、[4]、[5]、[6]及び[7]におけるR5で示されるアリーレン基としては、単環式、縮合多環式、環集合式のいずれであってもよく、具体的には、例えばフェニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ビフェニレン基等の炭素数6、10又は12のアリーレン基が挙げられる。 一般式[3]、[4]、[5]、[6]及び[7]におけるR5で示されるアラルキレン基としては、単環式、縮合多環式のいずれであってもよく、具体的には、例えばベンジレン基、フェネチレン基、α-メチルベンジレン基、3-フェニルプロピレン基、1-メチル-1-フェニルエチレン基、4-フェニルブチレン基、2-メチル-2-フェニルプロピレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチレン基、ナフチルメチレン基、2-ナフチルエチレン基等の炭素数7〜12のアラルキレン基が挙げられる。 一般式[3]、[4]、[5]、[6]及び[7]におけるR5としては、結合手、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましい。 一般式[3]、[4]、[5]及び[6]におけるR6、並びに一般式[3]におけるZで示されるハロゲン原子としては、具体的には、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、なかでも、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。 一般式[3]、[4]、[5]及び[6]におけるR6で示される炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基等が挙げられ、なかでも、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基が好ましく、そのなかでも、炭素数1〜2のアルキル基であるメチル基、エチル基がより好ましい。 一般式[3]、[4]、[5]及び[6]におけるR6、並びに一般式[3]におけるZで示される炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基としては、具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、シクロブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2-メチルブトキシ基、1,2-ジメチルプロポキシ基、1-エチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、1,2-ジメチルブトキシ基、2,3-ジメチルブトキシ基、1-エチルブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec-ヘプチルオキシ基、tert-ヘプチルオキシ基、ネオヘプチルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、ネオオクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec-ノニルオキシ基、tert-ノニルオキシ基、ネオノニルオキシ基、シクロノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec-デシルオキシ基、tert-デシルオキシ基、ネオデシルオキシ基、シクロデシルオキシ基等が挙げられ、なかでも、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、シクロブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2-メチルブトキシ基、1,2-ジメチルプロポキシ基、1-エチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、1,2-ジメチルブトキシ基、2,3-ジメチルブトキシ基、1-エチルブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基が好ましく、そのなかでも、炭素数1〜2のアルコキシ基であるメトキシ基、エトキシ基がより好ましい。 一般式[3]、[4]、[5]及び[6]におけるR6としては、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基が好ましく、なかでも、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基がより好ましい。 一般式[3]におけるZとしては、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基、上記一般式[4]で示されるシラザン基が好ましく、なかでも、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基がより好ましい。 一般式[3]、[4]、[5]、[6]及び[7]におけるYで示される、第二級又は第三級アミン由来の基とは、式中に第二級又は第三級アミン構造を有する1価の基を表す。上記第二級又は第三級アミン由来の基の具体例としては、例えば一般式[8]一般式[8](式中、R7は、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、R8は、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。)で示される非環式第二級又は第三級アミノ基、一般式[9](式中、R9は、二重結合を有していてもよい炭素数4又は5のアルキレン基を表す。)で示される複素環式非芳香族第三級アミノ基、一般式[10](式中、R10は、二重結合を有する炭素数5又は9の4価の基を表す。)で示される複素環式芳香族第三級アミン由来の基、一般式[11](式中、R11は、二重結合を有していてもよい炭素数4又は5の3価の基を表し、R12は、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基を表す。)で示される複素環式非芳香族第二級又は第三級アミン由来の基等が挙げられる。 一般式[8]及び[11]におけるR7、R8及びR12で示される炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基等が挙げられ、なかでも、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基が好ましく、そのなかでも、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル等の炭素数1〜4の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基がより好ましく、更にそのなかでも、炭素数1〜2のアルキル基であるメチル基、エチル基がさらに好ましく、そのなかでも、炭素数1のアルキル基であるメチル基が特に好ましい。 一般式[8]及び[11]におけるR7、R8及びR12で示されるアリール基としては、単環式、縮合多環式のいずれであってもよく、具体的には、例えばフェニル基、ナフチル基、アズレニル基等の炭素数6又は10のアリール基が挙げられる。 一般式[8]及び[11]におけるR7、R8及びR12で示されるアラルキル基としては、単環式、縮合多環式のいずれであってもよく、具体的には、例えばベンジル基、フェネチル基、α-メチルベンジル基、3-フェニルプロピル基、1-メチル-1-フェニルエチル基、4-フェニルブチル基、2-メチル-2-フェニルプロピル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、ナフチルメチル基、2-ナフチルエチル基等の炭素数7〜12のアラルキル基が挙げられる。 一般式[8]及び[11]におけるR7及びR12としては、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基が好ましい。 一般式[8]におけるR8としては、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基が好ましい。 一般式[9]におけるR9で示される二重結合を有していてもよい炭素数4又は5のアルキレン基としては、具体的には、例えばテトラメチレン基、ペンタメチレン基等の二重結合を有さない炭素数4又は5のアルキレン基、例えばブタ-1-エン-1,4-ジイル基、ブタ-2-エン-1,4-ジイル基、ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、ペンタ-1-エン-1,5-ジイル基、ペンタ-2-エン-1,5-ジイル基、ペンタ-1,3-ジエン-1,5-ジイル基、ペンタ-1,4-ジエン-1,5-ジイル基等の二重結合を有する炭素数4又は5のアルキレン基、いわゆるアルケニレン基等が挙げられる。 一般式[10]におけるR10で示される二重結合を有する炭素数5又は9の4価の基としては、一般式[10]における窒素原子に対する3つの結合手のうち、窒素原子と二重結合を形成する結合手が置換している炭素原子を1位とした場合の命名として、具体的には、例えばペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,1,5-テトライル基、ペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,2,5-テトライル基、ペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,3,5-テトライル基等の炭素数5の4価の基、例えばベンゾ[b]ペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,1,5-テトライル基、ベンゾ[b]ペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,4,5-テトライル基、ベンゾ[b]ペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,5,5-テトライル基、ベンゾ[b]ペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,1’,5-テトライル基、ベンゾ[b]ペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,2’,5-テトライル基、ベンゾ[b]ペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,3’,5-テトライル基、ベンゾ[b]ペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,4’,5-テトライル基、ベンゾ[d]ペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,1,5-テトライル基、ベンゾ[d]ペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,2,5-テトライル基、ベンゾ[d]ペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,3,5-テトライル基、ベンゾ[d]ペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,1’,5-テトライル基、ベンゾ[d]ペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,2’,5-テトライル基、ベンゾ[d]ペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,3’,5-テトライル基、ベンゾ[d]ペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,4’,5-テトライル基等の炭素数9の4価の基が挙げられる。 一般式[11]におけるR11で示される二重結合を有していてもよい炭素数4又は5の3価の基としては、一般式[11]における窒素原子に対する2つの結合手のうち、いずれか1つの結合手が置換している炭素原子を1位とした場合の命名として、具体的には、例えばテトラメチル-1,1,4-トリイル基、テトラメチル-1,2,4-トリイル基、ペンタメチル-1,1,5-トリイル基、ペンタメチル-1,2,5-トリイル基、ペンタメチル-1,3,5-トリイル基等の二重結合を有さない炭素数4又は5の3価の基、例えばブタ-1-エン-1,1,4-トリイル基、ブタ-1-エン-1,2,4-トリイル基、ブタ-1-エン-1,3,4-トリイル基、ブタ-1-エン-1,4,4-トリイル基、ブタ-2-エン-1,1,4-トリイル基、ブタ-2-エン-1,2,4-トリイル基、ブタ-1,3-ジエン-1,1,4-トリイル基、ブタ-1,3-ジエン-1,2,4-トリイル基、ペンタ-1-エン-1,1,5-トリイル基、ペンタ-1-エン-1,2,5-トリイル基、ペンタ-1-エン-1,3,5-トリイル基、ペンタ-1-エン-1,4,5-トリイル基、ペンタ-1-エン-1,5,5-トリイル基、ペンタ-2-エン-1,1,5-トリイル基、ペンタ-2-エン-1,2,5-トリイル基、ペンタ-2-エン-1,3,5-トリイル基、ペンタ-2-エン-1,4,5-トリイル基、ペンタ-2-エン-1,5,5-トリイル基、ペンタ-1,3-ジエン-1,1,5-トリイル基、ペンタ-1,3-ジエン-1,2,5-トリイル基、ペンタ-1,3-ジエン-1,3,5-トリイル基、ペンタ-1,3-ジエン-1,4,5-トリイル基、ペンタ-1,3-ジエン-1,5,5-トリイル基、ペンタ-1,4-ジエン-1,1,5-トリイル基、ペンタ-1,4-ジエン-1,2,5-トリイル基、ペンタ-1,4-ジエン-1,3,5-トリイル基等の二重結合を有する炭素数4又は5の3価の基等が挙げられる。 一般式[8]で示される非環式第二級アミノ基の具体例としては、例えばモノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、モノプロピルアミノ基、モノブチルアミノ基、モノペンチルアミノ基、モノヘキシルアミノ基、モノヘプチルアミノ基、モノオクチルアミノ基、モノノニルアミノ基、モノデシルアミノ基等の炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基置換型のモノアルキルアミノ基、例えばモノフェニルアミノ基、モノナフチルアミノ基等のアリール基置換型のモノアリールアミノ基、例えばモノベンジルアミノ基、モノフェネチルアミノ基等のアラルキル基置換型のモノアラルキルアミノ基等が挙げられるが、必ずしもここで例示される基に限定されず、一般式[8]で示される非環式第二級アミノ基であれば差し支えない。なお、ここで例示されるプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基は直鎖状のn-体に限定されず、イソ体、sec-体、tert-体、シクロ体等の分枝状若しくは環状であってもよい。 一般式[8]で示される非環式第三級アミノ基の具体例としては、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、エチルプロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ブチルメチルアミノ基、ブチルエチルアミノ基、ブチルプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、メチルペンチルアミノ基、エチルペンチルアミノ基、ペンチルプロピルアミノ基、ブチルペンチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ヘキシルメチルアミノ基、エチルヘキシルアミノ基、ヘキシルプロピルアミノ基、ブチルヘキシルアミノ基、ヘキシルペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基等の炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基置換型のジアルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ナフチルフェニルアミノ基等のアリール基置換型のジアリールアミノ基、例えばジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基、ベンジルフェネチルアミノ基等のアラルキル基置換型のジアラルキルアミノ基、例えばメチルフェニルアミノ基、エチルフェニルアミノ基、メチルナフチルアミノ基、エチルナフチルアミノ基等のアルキル基及びアリール基置換型のアルキルアリールアミノ基、例えばベンジルメチルアミノ基、ベンジルエチルアミノ基、メチルフェネチルアミノ基、エチルフェネチルアミノ基等のアルキル基及びアラルキル基置換型のアルキルアラルキルアミノ基、例えばフェニルベンジルアミノ基、フェニルフェネチルアミノ基等のアラルキル基及びアリール基置換型のアラルキルアリールアミノ基等が挙げられるが、必ずしもここで例示される基に限定されず、一般式[8]で示される非環式第三級アミノ基であれば差し支えない。なお、ここで例示されるプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基は直鎖状のn-体に限定されず、イソ体、sec-体、tert-体、シクロ体等の分枝状若しくは環状であってもよい。 一般式[9]で示される複素環式非芳香族第三級アミノ基の具体例としては、例えば1-ピロリジノ基、1-ピペリジノ基等の二重結合を有さない炭素数4又は5の複素環式非芳香族第三級アミノ基、例えば1-ピロリル基、2,3-ジヒドロ-1H-1-ピロリル基、2,5-ジヒドロ-1H-1-ピロリル基、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ピリジル基、1,2,5,6-テトラヒドロ-1-ピリジル基、1,2-ジヒドロ-1-ピリジル基、1H,3H-1-ピリジル基等の二重結合を有する炭素数4又は5の複素環式非芳香族第三級アミノ基等が挙げられる。 一般式[10]で示される複素環式芳香族第三級アミン由来の基の具体例としては、例えば2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基等の炭素数5の複素環式芳香族第三級アミン由来の基、例えば2-キノリル基、3-キノリル基、4-キノリル基、5-キノリル基、6-キノリル基、7-キノリル基、8-キノリル基、1-イソキノリル基、3-イソキノリル基、4-イソキノリル基、5-イソキノリル基、6-イソキノリル基、7-イソキノリル基、8-イソキノリル基等の炭素数9の複素環式芳香族第三級アミン由来の基等が挙げられるが、必ずしもここで例示される基に限定されず、一般式[10]で示される複素環式芳香族第三級アミン由来の基であれば差し支えない。 一般式[11]で示される複素環式非芳香族第二級アミン由来の基の具体例としては、例えば2-ピロリジニル基、3-ピロリジニル基等の二重結合を有さない炭素数4の複素環式非芳香族第二級アミン由来の基、例えば2-ピペリジル基、3-ピペリジル基、4-ピペリジル基等の二重結合を有さない炭素数5の複素環式非芳香族第二級アミン由来の基、例えば2-ピロリル基、3-ピロリル基、2,3-ジヒドロ-1H-2-ピロリル基、2,3-ジヒドロ-1H-3-ピロリル基、2,3-ジヒドロ-1H-4-ピロリル基、2,3-ジヒドロ-1H-5-ピロリル基、2,5-ジヒドロ-1H-2-ピロリル基、2,5-ジヒドロ-1H-3-ピロリル基等の二重結合を有する炭素数4の複素環式非芳香族第二級アミン由来の基、例えば1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ピリジル基、1,2,3,4-テトラヒドロ-3-ピリジル基、1,2,3,4-テトラヒドロ-4-ピリジル基、1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリジル基、1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ピリジル基、1,2,5,6-テトラヒドロ-2-ピリジル基、1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジル基、1,2,5,6-テトラヒドロ-4-ピリジル基、1,2,5,6-テトラヒドロ-5-ピリジル基、1,2,5,6-テトラヒドロ-6-ピリジル基、1,2-ジヒドロ-2-ピリジル基、1,2-ジヒドロ-3-ピリジル基、1,2-ジヒドロ-4-ピリジル基、1,2-ジヒドロ-5-ピリジル基、1,2-ジヒドロ-6-ピリジル基、1H,3H-2-ピリジル基、1H,3H-3-ピリジル基、1H,3H-4-ピリジル基等の二重結合を有する炭素数5の複素環式非芳香族第二級アミン由来の基等が挙げられるが、必ずしもここで例示される基に限定されず、一般式[11]で示される複素環式非芳香族第二級アミン由来の基であれば差し支えない。 一般式[11]で示される複素環式非芳香族第三級アミン由来の基の具体例としては、例えばN-メチル-2-ピロリジニル基、N-エチル-2-ピロリジニル基、N-プロピル-2-ピロリジニル基、N-ブチル-2-ピロリジニル基、N-ペンチル-2-ピロリジニル基、N-ヘキシル-2-ピロリジニル基、N-ヘプチル-2-ピロリジニル基、N-オクチル-2-ピロリジニル基、N-ノニル-2-ピロリジニル基、N-デシル-2-ピロリジニル基、N-メチル-3-ピロリジニル基、N-エチル-3-ピロリジニル基、N-プロピル-3-ピロリジニル基、N-ブチル-3-ピロリジニル基、N-ペンチル-3-ピロリジニル基、N-ヘキシル-3-ピロリジニル基、N-ヘプチル-3-ピロリジニル基、N-オクチル-3-ピロリジニル基、N-ノニル-3-ピロリジニル基、N-デシル-3-ピロリジニル基等の二重結合を有さない炭素数4の複素環式非芳香族第三級アミン由来の基、例えばN-メチル-2-ピペリジル基、N-エチル-2-ピペリジル基、N-プロピル-2-ピペリジル基、N-ブチル-2-ピペリジル基、N-ペンチル-2-ピペリジル基、N-ヘキシル-2-ピペリジル基、N-ヘプチル-2-ピペリジル基、N-オクチル-2-ピペリジル基、N-ノニル-2-ピペリジル基、N-デシル-2-ピペリジル基、N-メチル-3-ピペリジル基、N-エチル-3-ピペリジル基、N-プロピル-3-ピペリジル基、N-ブチル-3-ピペリジル基、N-ペンチル-3-ピペリジル基、N-ヘキシル-3-ピペリジル基、N-ヘプチル-3-ピペリジル基、N-オクチル-3-ピペリジル基、N-ノニル-3-ピペリジル基、N-デシル-3-ピペリジル基、N-メチル-4-ピペリジル基、N-エチル-4-ピペリジル基、N-プロピル-4-ピペリジル基、N-ブチル-4-ピペリジル基、N-ペンチル-4-ピペリジル基、N-ヘキシル-4-ピペリジル基、N-ヘプチル-4-ピペリジル基、N-オクチル-4-ピペリジル基、N-ノニル-4-ピペリジル基、N-デシル-4-ピペリジル基等の二重結合を有さない炭素数5の複素環式非芳香族第三級アミン由来の基、例えばN-メチル-2-ピロリル基、N-エチル-2-ピロリル基、N-プロピル-2-ピロリル基、N-ブチル-2-ピロリル基、N-ペンチル-2-ピロリル基、N-ヘキシル-2-ピロリル基、N-ヘプチル-2-ピロリル基、N-オクチル-2-ピロリル基、N-ノニル-2-ピロリル基、N-デシル-2-ピロリル基、N-メチル-3-ピロリル基、N-エチル-3-ピロリル基、N-プロピル-3-ピロリル基、N-ブチル-3-ピロリル基、N-ペンチル-3-ピロリル基、N-ヘキシル-3-ピロリル基、N-ヘプチル-3-ピロリル基、N-オクチル-3-ピロリル基、N-ノニル-3-ピロリル基、N-デシル-3-ピロリル基、N-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-2-ピロリル基、N-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-2-ピロリル基、N-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-3-ピロリル基、N-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-3-ピロリル基、N-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-4-ピロリル基、N-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-4-ピロリル基、N-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-5-ピロリル基、N-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-5-ピロリル基、N-メチル-2,5-ジヒドロ-1H-2-ピロリル基、N-エチル-2,5-ジヒドロ-1H-2-ピロリル基、N-メチル-2,5-ジヒドロ-1H-3-ピロリル基、N-エチル-2,5-ジヒドロ-1H-3-ピロリル基等の二重結合を有する炭素数4の複素環式非芳香族第三級アミン由来の基、例えばN-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ピリジル基、N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-3-ピリジル基、N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-ピリジル基、N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリジル基、N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ピリジル基、N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロ-2-ピリジル基、N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジル基、N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロ-4-ピリジル基、N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロ-5-ピリジル基、N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロ-6-ピリジル基、N-メチル-1,2-ジヒドロ-2-ピリジル基、N-メチル-1,2-ジヒドロ-3-ピリジル基、N-メチル-1,2-ジヒドロ-4−ピリジル基、N-メチル-1,2-ジヒドロ-5-ピリジル基、N-メチル-1,2-ジヒドロ-6-ピリジル基、N-メチル-1H,3H-2-ピリジル基、N-メチル-1H,3H-3-ピリジル基、N-メチル-1H,3H-4-ピリジル基等の二重結合を有する炭素数5の複素環式非芳香族第三級アミン由来の基等が挙げられるが、必ずしもここで例示される基に限定されず、一般式[11]で示される複素環式非芳香族第三級アミン由来の基であれば差し支えない。なお、ここで例示されるプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基は直鎖状のn-体に限定されず、イソ体、sec-体、tert-体、シクロ体等の分枝状若しくは環状であってもよい。 本発明の第一の製造方法に係る第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒は、従来公知の調製方法によって調製したものを用いればよく、当該調製方法は特に限定されない。上記シリカ触媒の調製方法の代表例としては、例えばJ. Am. Chem. Soc. 127, 530 (2005) 等の文献に記載された方法等である。より具体的な調製方法としては、例えば上記一般式[3]で示される含ケイ素化合物とシリカとを、例えばベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム等の原料や生成物等の反応に悪影響を与えない溶媒中、還流等の適当な温度条件下で反応させた後、反応液をろ過してシリカをろ取し、得られた修飾シリカを適当な溶媒で洗浄後、乾燥させることにより、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒を調製することができる。 一般式[3]で示される含ケイ素化合物は、市販のものを用いるか、従来公知の調製方法によって調製したものを適宜用いればよい。上記含有ケイ素化合物の調製方法の代表例としては、例えば市販のハロゲン化アルキルトリメトキシシラン、ハロゲン化アリールトリメトキシシラン、ハロゲン化アラルキルトリメトキシシラン、アセトキシアルキルトリメトキシシラン、アセトキシアリールトリメトキシシラン、アセトキシアラルキルトリメトキシシラン等の脱離基を有する化合物に対して、一般式[8]で示される非環式第二級又は第三級アミノ基、或いは一般式[9]で示される複素環式非芳香族第三級アミノ基に対応するアミンを、要すればパラジウム触媒等の存在下で反応させる等の従来公知の調製方法により適宜行えばよい。また、上記含ケイ素化合物の調製方法の他の代表例としては、例えばビニルピリジン等の一般式[10]で示される複素環式芳香族第三級アミン由来の基、或いは一般式[11]で示される複素環式非芳香族第二級又は第三級アミン由来の基を含むアルケニル化合物に対して、トリクロロシランを、要すればニッケル触媒等の存在下で反応させ、更に要すれば一般式[10]で示される複素環式芳香族第三級アミン由来の基、或いは一般式[11]で示される複素環式非芳香族第二級又は第三級アミン由来の基を含むトリクロロシリル化合物に対して、例えばトリエチルオルトホルメート等のトリアルキルホルメートを、要すればアルミニウム触媒等の存在下で反応させる等の従来公知の調製方法により適宜行えばよい。 このようにして得られる上記一般式[3]で示される含ケイ素化合物は、上でも少し述べたように、シリカと反応することのできる少なくとも1つ以上の反応性基、すなわち一般式[3]におけるZで示される基又はZ及びR6で示される基を有しており、Zで示される基はここでいう反応性基であって、2つのR6で示される基は夫々独立して、ここでいう反応性基である場合もあるし、反応性基でない場合もあることを意味する。 このような一般式[3]で示される含ケイ素化合物の主な例として、一般式[3]におけるYが一般式[8]で示される非環式第二級アミノ基の場合の具体例としては、例えばモノメチルアミノメチルトリメトキシシラン、モノメチルアミノメチルトリエトキシシラン、モノメチルアミノメチルトリプロポキシシラン、モノメチルアミノメチルトリクロロシラン、モノメチルアミノメチルトリブロモシラン、モノメチルアミノメチルトリヨードシラン、モノメチルアミノエチルトリメトキシシラン、モノメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノメチルアミノブチルトリメトキシシラン、モノメチルアミノペンチルトリメトキシシラン、モノメチルアミノヘキシルトリメトキシシラン、モノメチルアミノヘプチルトリメトキシシラン、モノメチルアミノオクチルトリメトキシシラン、モノメチルアミノノニルトリメトキシシラン、モノメチルアミノデシルトリメトキシシラン、モノエチルアミノエチルトリメトキシシラン、モノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノエチルアミノブチルトリメトキシシラン、モノエチルアミノペンチルトリメトキシシラン、モノエチルアミノヘキシルトリメトキシシラン、モノプロピルアミノエチルトリメトキシシラン、モノプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノプロピルアミノブチルトリメトキシシラン、モノプロピルアミノペンチルトリメトキシシラン、モノプロピルアミノヘキシルトリメトキシシラン、モノブチルアミノエチルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノブチルトリメトキシシラン、モノブチルアミノペンチルトリメトキシシラン、モノブチルアミノヘキシルトリメトキシシラン、モノフェニルアミノエチルトリメトキシシラン、モノフェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノフェニルアミノブチルトリメトキシシラン、モノフェニルアミノペンチルトリメトキシシラン、モノフェニルアミノヘキシルトリメトキシシラン、モノナフチルアミノエチルトリメトキシシラン、モノナフチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノナフチルアミノブチルトリメトキシシラン、モノナフチルアミノペンチルトリメトキシシラン、モノナフチルアミノヘキシルトリメトキシシラン、モノベンジルアミノエチルトリメトキシシラン、モノベンジルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノベンジルアミノブチルトリメトキシシラン、モノベンジルアミノペンチルトリメトキシシラン、モノベンジルアミノヘキシルトリメトキシシラン、モノフェネチルアミノエチルトリメトキシシラン、モノフェネチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノフェネチルアミノブチルトリメトキシシラン、モノフェネチルアミノペンチルトリメトキシシラン、モノフェネチルアミノヘキシルトリメトキシシラン、モノメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、モノエチルアミノフェニルトリメトキシシラン、モノプロピルアミノフェニルトリメトキシシラン、モノブチルアミノフェニルトリメトキシシラン、モノフェニルアミノフェニルトリメトキシシラン、モノナフチルアミノフェニルトリメトキシシラン、モノベンジルアミノフェニルトリメトキシシラン、モノフェネチルアミノフェニルトリメトキシシラン、モノメチルアミノベンジルトリメトキシシラン、モノエチルアミノベンジルトリメトキシシラン、モノプロピルアミノベンジルトリメトキシシラン、モノブチルアミノベンジルトリメトキシシラン、モノフェニルアミノベンジルトリメトキシシラン、モノナフチルアミノベンジルトリメトキシシラン、モノベンジルアミノベンジルトリメトキシシラン、モノフェネチルアミノベンジルトリメトキシシラン等が挙げられるが、必ずしもここで例示される含ケイ素化合物に限定されず、一般式[3]におけるYが一般式[8]で示される非環式第二級アミノ基の場合のものであれば差し支えない。なお、ここで例示されるプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基は直鎖状のn-体に限定されず、イソ体、sec-体、tert-体、シクロ体等の分枝状若しくは環状であってもよい。 また、一般式[3]におけるYが一般式[8]で示される非環式第三級アミノ基の場合の含ケイ素化合物の具体例としては、例えばジメチルアミノメチルトリメトキシシラン、ジメチルアミノメチルトリエトキシシラン、ジメチルアミノメチルトリプロポキシシラン、ジメチルアミノメチルトリクロロシラン、ジメチルアミノメチルトリブロモシラン、ジメチルアミノメチルトリヨードシラン、ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジメチルアミノペンチルトリメトキシシラン、ジメチルアミノヘキシルトリメトキシシラン、ジメチルアミノヘプチルトリメトキシシラン、ジメチルアミノオクチルトリメトキシシラン、ジメチルアミノノニルトリメトキシシラン、ジメチルアミノデシルトリメトキシシラン、ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジエチルアミノペンチルトリメトキシシラン、ジエチルアミノヘキシルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノエチルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノブチルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノペンチルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノヘキシルトリメトキシシラン、ジブチルアミノエチルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジブチルアミノペンチルトリメトキシシラン、ジブチルアミノヘキシルトリメトキシシラン、エチルメチルアミノエチルトリメトキシシラン、エチルメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、エチルメチルアミノブチルトリメトキシシラン、エチルメチルアミノペンチルトリメトキシシラン、エチルメチルアミノヘキシルトリメトキシシラン、メチルプロピルアミノエチルトリメトキシシラン、メチルプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、メチルプロピルアミノブチルトリメトキシシラン、メチルプロピルアミノペンチルトリメトキシシラン、メチルプロピルアミノヘキシルトリメトキシシラン、ブチルメチルアミノエチルトリメトキシシラン、ブチルメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ブチルメチルアミノブチルトリメトキシシラン、ブチルメチルアミノペンチルトリメトキシシラン、ブチルメチルアミノヘキシルトリメトキシシラン、エチルプロピルアミノエチルトリメトキシシラン、エチルプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、エチルプロピルアミノブチルトリメトキシシラン、エチルプロピルアミノペンチルトリメトキシシラン、エチルプロピルアミノヘキシルトリメトキシシラン、ブチルエチルアミノエチルトリメトキシシラン、ブチルエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ブチルエチルアミノブチルトリメトキシシラン、ブチルエチルアミノペンチルトリメトキシシラン、ブチルエチルアミノヘキシルトリメトキシシラン、ブチルプロピルアミノエチルトリメトキシシラン、ブチルプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ブチルプロピルアミノブチルトリメトキシシラン、ブチルプロピルアミノペンチルトリメトキシシラン、ブチルプロピルアミノヘキシルトリメトキシシラン、メチルフェニルアミノエチルトリメトキシシラン、メチルフェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、メチルフェニルアミノブチルトリメトキシシラン、メチルフェニルアミノペンチルトリメトキシシラン、メチルフェニルアミノヘキシルトリメトキシシラン、エチルフェニルアミノエチルトリメトキシシラン、エチルフェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、エチルフェニルアミノブチルトリメトキシシラン、エチルフェニルアミノペンチルトリメトキシシラン、エチルフェニルアミノヘキシルトリメトキシシラン、ジフェニルアミノエチルトリメトキシシラン、ジフェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルアミノブチルトリメトキシシラン、ジフェニルアミノペンチルトリメトキシシラン、ジフェニルアミノヘキシルトリメトキシシラン、ジナフチルアミノエチルトリメトキシシラン、ジナフチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジナフチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジナフチルアミノペンチルトリメトキシシラン、ジナフチルアミノヘキシルトリメトキシシラン、ベンジルメチルアミノエチルトリメトキシシラン、ベンジルメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ベンジルメチルアミノブチルトリメトキシシラン、ベンジルメチルアミノペンチルトリメトキシシラン、ベンジルメチルアミノヘキシルトリメトキシシラン、ベンジルエチルアミノエチルトリメトキシシラン、ベンジルエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ベンジルエチルアミノブチルトリメトキシシラン、ベンジルエチルアミノペンチルトリメトキシシラン、ベンジルエチルアミノヘキシルトリメトキシシラン、ジベンジルアミノエチルトリメトキシシラン、ジベンジルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジベンジルアミノブチルトリメトキシシラン、ジベンジルアミノペンチルトリメトキシシラン、ジベンジルアミノヘキシルトリメトキシシラン、ジフェネチルアミノエチルトリメトキシシラン、ジフェネチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジフェネチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジフェネチルアミノペンチルトリメトキシシラン、ジフェネチルアミノヘキシルトリメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、ジエチルアミノフェニルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノフェニルトリメトキシシラン、ジブチルアミノフェニルトリメトキシシラン、エチルメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、メチルプロピルアミノフェニルトリメトキシシラン、ブチルメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、エチルプロピルアミノフェニルトリメトキシシラン、ブチルエチルアミノフェニルトリメトキシシラン、ブチルプロピルアミノフェニルトリメトキシシラン、ジフェニルアミノフェニルトリメトキシシラン、ジナフチルアミノフェニルトリメトキシシラン、ジベンジルアミノフェニルトリメトキシシラン、ジフェネチルアミノフェニルトリメトキシシラン、ジメチルアミノベンジルトリメトキシシラン、ジエチルアミノベンジルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノベンジルトリメトキシシラン、ジブチルアミノベンジルトリメトキシシラン、エチルメチルアミノベンジルトリメトキシシラン、メチルプロピルアミノベンジルトリメトキシシラン、ブチルメチルアミノベンジルトリメトキシシラン、エチルプロピルアミノベンジルトリメトキシシラン、ブチルエチルアミノベンジルトリメトキシシラン、ブチルプロピルアミノベンジルトリメトキシシラン、ジフェニルアミノベンジルトリメトキシシラン、ジナフチルアミノベンジルトリメトキシシラン、ジベンジルアミノベンジルトリメトキシシラン、ジフェネチルアミノベンジルトリメトキシシラン等が挙げられるが、必ずしもここで例示される含ケイ素化合物に限定されず、一般式[3]におけるYが一般式[8]で示される非環式第三級アミノ基の場合のものであれば差し支えない。なお、ここで例示されるプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基は直鎖状のn-体に限定されず、イソ体、sec-体、tert-体、シクロ体等の分枝状若しくは環状であってもよい。 更に、一般式[3]におけるYが一般式[9]で示される複素環式非芳香族第三級アミノ基の場合の含ケイ素化合物の具体例としては、例えば1-ピロリジノメチルトリメトキシシラン、1-ピロリジノメチルトリエトキシシラン、1-ピロリジノメチルトリプロポキシシラン、1-ピロリジノメチルトリクロロシラン、1-ピロリジノメチルトリブロモシラン、1-ピロリジノメチルトリヨードシラン、1-ピロリジノエチルトリメトキシシラン、1-ピロリジノプロピルトリメトキシシラン、1-ピロリジノブチルトリメトキシシラン、1-ピロリジノペンチルトリメトキシシラン、1-ピロリジノヘキシルトリメトキシシラン、1-ピロリジノヘプチルトリメトキシシラン、1-ピロリジノオクチルトリメトキシシラン、1-ピロリジノノニルトリメトキシシラン、1-ピロリジノデシルトリメトキシシラン、1-ピペリジノエチルトリメトキシシラン、1-ピペリジノプロピルトリメトキシシラン、1-ピペリジノブチルトリメトキシシラン、1-ピペリジノペンチルトリメトキシシラン、1-ピペリジノヘキシルトリメトキシシラン、1-ピロリルエチルトリメトキシシラン、1-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、1-ピロリルブチルトリメトキシシラン、1-ピロリルペンチルトリメトキシシラン、1-ピロリルヘキシルトリメトキシシラン、2,3-ジヒドロ-1H-1-ピロリルエチルトリメトキシシラン、2,3-ジヒドロ-1H-1-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、2,3-ジヒドロ-1H-1-ピロリルブチルトリメトキシシラン、2,3-ジヒドロ-1H-1-ピロリルペンチルトリメトキシシラン、2,3-ジヒドロ-1H-1-ピロリルヘキシルトリメトキシシラン、2,5-ジヒドロ-1H-1-ピロリルエチルトリメトキシシラン、2,5-ジヒドロ-1H-1-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、2,5-ジヒドロ-1H-1-ピロリルブチルトリメトキシシラン、2,5-ジヒドロ-1H-1-ピロリルペンチルトリメトキシシラン、2,5-ジヒドロ-1H-1-ピロリルヘキシルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ピリジルブチルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ピリジルペンチルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ピリジルヘキシルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-1-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-1-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-1-ピリジルブチルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-1-ピリジルペンチルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-1-ピリジルヘキシルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-1-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-1-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-1-ピリジルブチルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-1-ピリジルペンチルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-1-ピリジルヘキシルトリメトキシシラン、1H,3H-1-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1H,3H-1-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1H,3H-1-ピリジルブチルトリメトキシシラン、1H,3H-1-ピリジルペンチルトリメトキシシラン、1H,3H-1-ピリジルヘキシルトリメトキシシラン、1-ピロリジノフェニルトリメトキシシラン、1-ピペリジノフェニルトリメトキシシラン、1-ピロリルフェニルトリメトキシシラン、2,3-ジヒドロ-1H-1-ピロリルフェニルトリメトキシシラン、2,5-ジヒドロ-1H-1-ピロリルフェニルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ピリジルフェニルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-1-ピリジルフェニルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-1-ピリジルフェニルトリメトキシシラン、1H,3H-1-ピリジルフェニルトリメトキシシラン、1-ピロリジノベンジルトリメトキシシラン、1-ピペリジノベンジルトリメトキシシラン、1-ピロリルベンジルトリメトキシシラン、2,3-ジヒドロ-1H-1-ピロリルベンジルトリメトキシシラン、2,5-ジヒドロ-1H-1-ピロリルベンジルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ピリジルベンジルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-1-ピリジルベンジルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-1-ピリジルベンジルトリメトキシシラン、1H,3H-1-ピリジルベンジルトリメトキシシラン等が挙げられるが、必ずしもここで例示される含ケイ素化合物に限定されず、一般式[3]におけるYが一般式[9]で示される複素環式非芳香族第三級アミノ基の場合のものであれば差し支えない。なお、ここで例示されるプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基は直鎖状のn-体に限定されず、イソ体、sec-体、tert-体、シクロ体等の分枝状若しくは環状であってもよい。 更にまた、一般式[3]におけるYが一般式[10]で示される複素環式芳香族第三級アミン由来の基の場合の含ケイ素化合物の具体例としては、例えば2-ピリジルトリメトキシシラン、2-ピリジルトリエトキシシラン、2-ピリジルトリプロポキシシラン、2-ピリジルトリクロロシラン、2-ピリジルトリブロモシラン、2-ピリジルトリヨードシラン、2-ピリジルメチルトリメトキシシラン、2-ピリジルエチルトリメトキシシラン、2-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、2-ピリジルブチルトリメトキシシラン、2-ピリジルペンチルトリメトキシシラン、2-ピリジルヘキシルトリメトキシシラン、2-ピリジルヘプチルトリメトキシシラン、2-ピリジルオクチルトリメトキシシラン、2-ピリジルノニルトリメトキシシラン、2-ピリジルデシルトリメトキシシラン、3-ピリジルエチルトリメトキシシラン、3-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、3-ピリジルブチルトリメトキシシラン、3-ピリジルペンチルトリメトキシシラン、3-ピリジルヘキシルトリメトキシシラン、4-ピリジルエチルトリメトキシシラン、4-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、4-ピリジルブチルトリメトキシシラン、4-ピリジルペンチルトリメトキシシラン、4-ピリジルヘキシルトリメトキシシラン、2-キノリルエチルトリメトキシシラン、2-キノリルプロピルトリメトキシシラン、2-キノリルブチルトリメトキシシラン、2-キノリルペンチルトリメトキシシラン、2-キノリルヘキシルトリメトキシシラン、3-キノリルエチルトリメトキシシラン、3-キノリルプロピルトリメトキシシラン、3-キノリルブチルトリメトキシシラン、3-キノリルペンチルトリメトキシシラン、3-キノリルヘキシルトリメトキシシラン、4-キノリルエチルトリメトキシシラン、4-キノリルプロピルトリメトキシシラン、4-キノリルブチルトリメトキシシラン、4-キノリルペンチルトリメトキシシラン、4-キノリルヘキシルトリメトキシシラン、5-キノリルエチルトリメトキシシラン、5-キノリルプロピルトリメトキシシラン、5-キノリルブチルトリメトキシシラン、5-キノリルペンチルトリメトキシシラン、5-キノリルヘキシルトリメトキシシラン、6-キノリルエチルトリメトキシシラン、6-キノリルプロピルトリメトキシシラン、6-キノリルブチルトリメトキシシラン、6-キノリルペンチルトリメトキシシラン、6-キノリルヘキシルトリメトキシシラン、7-キノリルエチルトリメトキシシラン、7-キノリルプロピルトリメトキシシラン、7-キノリルブチルトリメトキシシラン、7-キノリルペンチルトリメトキシシラン、7-キノリルヘキシルトリメトキシシラン、8-キノリルエチルトリメトキシシラン、8-キノリルプロピルトリメトキシシラン、8-キノリルブチルトリメトキシシラン、8-キノリルペンチルトリメトキシシラン、8-キノリルヘキシルトリメトキシシラン、1-イソキノリルエチルトリメトキシシラン、1-イソキノリルプロピルトリメトキシシラン、1-イソキノリルブチルトリメトキシシラン、1-イソキノリルペンチルトリメトキシシラン、1-イソキノリルヘキシルトリメトキシシラン、3-イソキノリルエチルトリメトキシシラン、3-イソキノリルプロピルトリメトキシシラン、3-イソキノリルブチルトリメトキシシラン、3-イソキノリルペンチルトリメトキシシラン、3-イソキノリルヘキシルトリメトキシシラン、4-イソキノリルエチルトリメトキシシラン、4-イソキノリルプロピルトリメトキシシラン、4-イソキノリルブチルトリメトキシシラン、4-イソキノリルペンチルトリメトキシシラン、4-イソキノリルヘキシルトリメトキシシラン、5-イソキノリルエチルトリメトキシシラン、5-イソキノリルプロピルトリメトキシシラン、5-イソキノリルブチルトリメトキシシラン、5-イソキノリルペンチルトリメトキシシラン、5-イソキノリルヘキシルトリメトキシシラン、6-イソキノリルエチルトリメトキシシラン、6-イソキノリルプロピルトリメトキシシラン、6-イソキノリルブチルトリメトキシシラン、6-イソキノリルペンチルトリメトキシシラン、6-イソキノリルヘキシルトリメトキシシラン、7-イソキノリルエチルトリメトキシシラン、7-イソキノリルプロピルトリメトキシシラン、7-イソキノリルブチルトリメトキシシラン、7-イソキノリルペンチルトリメトキシシラン、7-イソキノリルヘキシルトリメトキシシラン、8-イソキノリルエチルトリメトキシシラン、8-イソキノリルプロピルトリメトキシシラン、8-イソキノリルブチルトリメトキシシラン、8-イソキノリルペンチルトリメトキシシラン、8-イソキノリルヘキシルトリメトキシシラン、2-ピリジルフェニルトリメトキシシラン、3-ピリジルフェニルトリメトキシシラン、4-ピリジルフェニルトリメトキシシラン、2-キノリルフェニルトリメトキシシラン、3-キノリルフェニルトリメトキシシラン、4-キノリルフェニルトリメトキシシラン、5-キノリルフェニルトリメトキシシラン、6-キノリルフェニルトリメトキシシラン、7-キノリルフェニルトリメトキシシラン、8-キノリルフェニルトリメトキシシラン、1-イソキノリルフェニルトリメトキシシラン、3-イソキノリルフェニルトリメトキシシラン、4-イソキノリルフェニルトリメトキシシラン、5-イソキノリルフェニルトリメトキシシラン、6-イソキノリルフェニルトリメトキシシラン、7-イソキノリルフェニルトリメトキシシラン、8-イソキノリルフェニルトリメトキシシラン、2-ピリジルベンジルトリメトキシシラン、3-ピリジルベンジルトリメトキシシラン、4-ピリジルベンジルトリメトキシシラン、2-キノリルベンジルトリメトキシシラン、3-キノリルベンジルトリメトキシシラン、4-キノリルベンジルトリメトキシシラン、5-キノリルベンジルトリメトキシシラン、6-キノリルベンジルトリメトキシシラン、7-キノリルベンジルトリメトキシシラン、8-キノリルベンジルトリメトキシシラン、1-イソキノリルベンジルトリメトキシシラン、3-イソキノリルベンジルトリメトキシシラン、4-イソキノリルベンジルトリメトキシシラン、5-イソキノリルベンジルトリメトキシシラン、6-イソキノリルベンジルトリメトキシシラン、7-イソキノリルベンジルトリメトキシシラン、8-イソキノリルベンジルトリメトキシシラン等が挙げられるが、必ずしもここで例示される含ケイ素化合物に限定されず、一般式[3]におけるYが一般式[10]で示される複素環式芳香族第三級アミン由来の基の場合のものであれば差し支えない。なお、ここで例示されるプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基は直鎖状のn-体に限定されず、イソ体、sec-体、tert-体、シクロ体等の分枝状若しくは環状であってもよい。 また、一般式[3]におけるYが一般式[11]で示される複素環式非芳香族第二級アミン由来の基の場合の含ケイ素化合物の具体例としては、例えば2-ピロリジニルトリメトキシシラン、2-ピロリジニルトリエトキシシラン、2-ピロリジニルトリプロポキシシラン、2-ピロリジニルトリクロロシラン、2-ピロリジニルトリブロモシラン、2-ピロリジニルトリヨードシラン、2-ピロリジニルメチルトリメトキシシラン、2-ピロリジニルエチルトリメトキシシラン、2-ピロリジニルプロピルトリメトキシシラン、2-ピロリジニルブチルトリメトキシシラン、2-ピロリジニルペンチルトリメトキシシラン、2-ピロリジニルヘキシルトリメトキシシラン、2-ピロリジニルヘプチルトリメトキシシラン、2-ピロリジニルオクチルトリメトキシシラン、2-ピロリジニルノニルトリメトキシシラン、2-ピロリジニルデシルトリメトキシシラン、3-ピロリジニルエチルトリメトキシシラン、3-ピロリジニルプロピルトリメトキシシラン、3-ピロリジニルブチルトリメトキシシラン、3-ピロリジニルペンチルトリメトキシシラン、3-ピロリジニルヘキシルトリメトキシシラン、2-ピペリジルエチルトリメトキシシラン、2-ピペリジルプロピルトリメトキシシラン、2-ピペリジルブチルトリメトキシシラン、2-ピペリジルペンチルトリメトキシシラン、2-ピペリジルヘキシルトリメトキシシラン、3-ピペリジルエチルトリメトキシシラン、3-ピペリジルプロピルトリメトキシシラン、3-ピペリジルブチルトリメトキシシラン、3-ピペリジルペンチルトリメトキシシラン、3-ピペリジルヘキシルトリメトキシシラン、4-ピペリジルエチルトリメトキシシラン、4-ピペリジルプロピルトリメトキシシラン、4-ピペリジルブチルトリメトキシシラン、4-ピペリジルペンチルトリメトキシシラン、4-ピペリジルヘキシルトリメトキシシラン、2-ピロリルエチルトリメトキシシラン、2-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、2-ピロリルブチルトリメトキシシラン、2-ピロリルペンチルトリメトキシシラン、2-ピロリルヘキシルトリメトキシシラン、3-ピロリルエチルトリメトキシシラン、3-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、3-ピロリルブチルトリメトキシシラン、3-ピロリルペンチルトリメトキシシラン、3-ピロリルヘキシルトリメトキシシラン、2,3-ジヒドロ-1H-2-ピロリルエチルトリメトキシシラン、2,3-ジヒドロ-1H-2-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、2,3-ジヒドロ-1H-3-ピロリルエチルトリメトキシシラン、2,3-ジヒドロ-1H-3-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、2,3-ジヒドロ-1H-4-ピロリルエチルトリメトキシシラン、2,3-ジヒドロ-1H-4-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、2,3-ジヒドロ-1H-5-ピロリルエチルトリメトキシシラン、2,3-ジヒドロ-1H-5-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、2,5-ジヒドロ-1H-2-ピロリルエチルトリメトキシシラン、2,5-ジヒドロ-1H-2-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、2,5-ジヒドロ-1H-3-ピロリルエチルトリメトキシシラン、2,5-ジヒドロ-1H-3-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-3-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-3-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-4-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-4-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-2-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-2-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-4-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-4-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-5-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-5-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-6-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2,5,6-テトラヒドロ-6-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-2-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-2-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-3-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-3-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-4-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-4-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-5-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-5-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-6-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1,2-ジヒドロ-6-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1H,3H-2-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1H,3H-2-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1H,3H-3-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1H,3H-3-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、1H,3H-4-ピリジルエチルトリメトキシシラン、1H,3H-4-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、2-ピロリジニルフェニルトリメトキシシラン、3-ピロリジニルフェニルトリメトキシシラン、2-ピペリジルフェニルトリメトキシシラン、3-ピペリジルフェニルトリメトキシシラン、4-ピペリジルフェニルトリメトキシシラン、2-ピロリルフェニルトリメトキシシラン、3-ピロリルフェニルトリメトキシシラン、2-ピロリジニルベンジルトリメトキシシラン、3-ピロリジニルベンジルトリメトキシシラン、2-ピペリジルベンジルトリメトキシシラン、3-ピペリジルベンジルトリメトキシシラン、4-ピペリジルベンジルトリメトキシシラン、2-ピロリルベンジルトリメトキシシラン、3-ピロリルベンジルトリメトキシシラン等が挙げられるが、必ずしもここで例示される含ケイ素化合物に限定されず、一般式[3]におけるYが一般式[11]で示される複素環式非芳香族第二級アミン由来の基の場合のものであれば差し支えない。なお、ここで例示されるプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基は直鎖状のn-体に限定されず、イソ体、sec-体、tert-体、シクロ体等の分枝状若しくは環状であってもよい。 更に、一般式[3]におけるYが一般式[11]で示される複素環式非芳香族第三級アミン由来の基の場合の含ケイ素化合物の具体例としては、例えばN-メチル-2-ピロリジニルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリジニルトリエトキシシラン、N-メチル-2-ピロリジニルトリプロポキシシラン、N-メチル-2-ピロリジニルトリクロロシラン、N-メチル-2-ピロリジニルトリブロモシラン、N-メチル-2-ピロリジニルトリヨードシラン、N-メチル-2-ピロリジニルメチルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリジニルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリジニルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリジニルブチルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリジニルペンチルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリジニルヘキシルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリジニルヘプチルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリジニルオクチルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリジニルノニルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリジニルデシルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピロリジニルエチルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピロリジニルプロピルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピロリジニルブチルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピロリジニルペンチルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピロリジニルヘキシルトリメトキシシラン、N-プロピル-2-ピロリジニルエチルトリメトキシシラン、N-プロピル-2-ピロリジニルプロピルトリメトキシシラン、N-プロピル-2-ピロリジニルブチルトリメトキシシラン、N-プロピル-2-ピロリジニルペンチルトリメトキシシラン、N-プロピル-2-ピロリジニルヘキシルトリメトキシシラン、N-ブチル-2-ピロリジニルエチルトリメトキシシラン、N-ブチル-2-ピロリジニルプロピルトリメトキシシラン、N-ブチル-2-ピロリジニルブチルトリメトキシシラン、N-ブチル-2-ピロリジニルペンチルトリメトキシシラン、N-ブチル-2-ピロリジニルヘキシルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピロリジニルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピロリジニルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピロリジニルブチルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピロリジニルペンチルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピロリジニルヘキシルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピロリジニルエチルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピロリジニルプロピルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピロリジニルブチルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピロリジニルペンチルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピロリジニルヘキシルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピペリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピペリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピペリジルブチルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピペリジルペンチルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピペリジルヘキシルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピペリジルエチルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピペリジルプロピルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピペリジルブチルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピペリジルペンチルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピペリジルヘキシルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピペリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピペリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピペリジルブチルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピペリジルペンチルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピペリジルヘキシルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピペリジルエチルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピペリジルプロピルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピペリジルブチルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピペリジルペンチルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピペリジルヘキシルトリメトキシシラン、N-メチル-4-ピペリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-4-ピペリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-4-ピペリジルブチルトリメトキシシラン、N-メチル-4-ピペリジルペンチルトリメトキシシラン、N-メチル-4-ピペリジルヘキシルトリメトキシシラン、N-エチル-4-ピペリジルエチルトリメトキシシラン、N-エチル-4-ピペリジルプロピルトリメトキシシラン、N-エチル-4-ピペリジルブチルトリメトキシシラン、N-エチル-4-ピペリジルペンチルトリメトキシシラン、N-エチル-4-ピペリジルヘキシルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリルブチルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリルペンチルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリルヘキシルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピロリルエチルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピロリルブチルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピロリルペンチルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピロリルヘキシルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピロリルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピロリルブチルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピロリルペンチルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピロリルヘキシルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピロリルエチルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピロリルブチルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピロリルペンチルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピロリルヘキシルトリメトキシシラン、N-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-2-ピロリルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-2-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-3-ピロリルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-3-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-4-ピロリルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-4-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-5-ピロリルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-5-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-2,5-ジヒドロ-1H-2-ピロリルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-2,5-ジヒドロ-1H-2-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-2,5-ジヒドロ-1H-3-ピロリルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-2,5-ジヒドロ-1H-3-ピロリルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-3-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-3-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロ-2-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロ-2-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロ-4-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロ-4-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロ-5-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロ-5-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロ-6-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロ-6-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2-ジヒドロ-2-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2-ジヒドロ-2-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2-ジヒドロ-3-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2-ジヒドロ-3-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2-ジヒドロ-4-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2-ジヒドロ-4-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2-ジヒドロ-5-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2-ジヒドロ-5-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2-ジヒドロ-6-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1,2-ジヒドロ-6-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1H,3H-2-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1H,3H-2-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1H,3H-3-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1H,3H-3-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-1H,3H-4-ピリジルエチルトリメトキシシラン、N-メチル-1H,3H-4-ピリジルプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリジニルフェニルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピロリジニルフェニルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピロリジニルフェニルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピロリジニルフェニルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピペリジルフェニルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピペリジルフェニルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピペリジルフェニルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピペリジルフェニルトリメトキシシラン、N-メチル-4-ピペリジルフェニルトリメトキシシラン、N-エチル-4-ピペリジルフェニルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリルフェニルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピロリルフェニルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピロリルフェニルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピロリルフェニルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリジニルベンジルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピロリジニルベンジルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピロリジニルベンジルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピロリジニルベンジルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピペリジルベンジルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピペリジルベンジルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピペリジルベンジルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピペリジルベンジルトリメトキシシラン、N-メチル-4-ピペリジルベンジルトリメトキシシラン、N-エチル-4-ピペリジルベンジルトリメトキシシラン、N-メチル-2-ピロリルベンジルトリメトキシシラン、N-エチル-2-ピロリルベンジルトリメトキシシラン、N-メチル-3-ピロリルベンジルトリメトキシシラン、N-エチル-3-ピロリルベンジルトリメトキシシラン等が挙げられるが、必ずしもここで例示される含ケイ素化合物に限定されず、一般式[3]におけるYが一般式[11]で示される複素環式非芳香族第三級アミン由来の基の場合のものであれば差し支えない。なお、ここで例示されるプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基は直鎖状のn-体に限定されず、イソ体、sec-体、tert-体、シクロ体等の分枝状若しくは環状であってもよい。 上記した一般式[3]で示される含ケイ素化合物の具体例は、一般式[3]における2つのR6及びZが共にアルコキシ基又はハロゲン原子である含ケイ素化合物である。しかしながら、何らこれらの具体例に限定されるものではなく、例えば2つのR6及びZが共にヒドロキシル基である含ケイ素化合物や2つのR6が炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基であって、かつZがアリル基である含ケイ素化合物、また、例えばR6が炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基であって、かつZが上記一般式[4]で示されるシラザン基である含ケイ素化合物、すなわち、一般式[17](式中、R5、R6及びYは上記に同じ。)で示されるジシラザン構造のものである含ケイ素化合物も、上記一般式[3]で示される含ケイ素化合物に含まれる。 含ケイ素化合物の入手、或いは合成が容易である等の、本発明の効果とは別の有利な効果が得られるという観点からすれば、ここまで述べてきた一般式[3]で示される含ケイ素化合物のなかでも、一般式[3]におけるR5が炭素数2〜6の直鎖状アルキレン基であり、2つのR6及びZが共に炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基であって、かつYで示される第二級又は第三級アミン由来の基が、上記一般式[8]で示される非環式第二級又は第三級アミノ基である含ケイ素化合物、すなわち、一般式[12](式中、R5'は、炭素数2〜6の直鎖状アルキレン基を表し、R13は、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基を表し、R7及びR8は上記に同じ。)で示される含ケイ素化合物、並びに一般式[3]におけるR5が炭素数2〜6の直鎖状アルキレン基であり、2つのR6及びZが共に炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基であって、かつYで示される第二級又は第三級アミン由来の基が、上記一般式[10]で示される複素環式芳香族第三級アミン由来の基である含ケイ素化合物、すなわち、一般式[13](式中、R5'、R1及びR13は上記に同じ。)で示される含ケイ素化合物が好ましい。 一般式[12]及び[13]におけるR5'で示される炭素数2〜6の直鎖状アルキレン基としては、具体的には、例えばジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられ、なかでも、炭素数2〜3の直鎖状アルキレン基であるジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基が好ましい。 一般式[12]及び[13]におけるR13で示される炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基等が挙げられ、なかでも、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基が好ましく、そのなかでも、炭素数1〜2のアルキル基であるメチル基、エチル基がより好ましい。 上記一般式[12]で示される含ケイ素化合物のなかでも、一般式[12]におけるR5'が炭素数3の直鎖状アルキレン基であり、R7が水素原子であり、R8が炭素数1のアルキル基であるメチル基であって、かつ3つのR13がすべて炭素数1のアルキル基であるメチル基である含ケイ素化合物、すなわち、式[14]で示される含ケイ素化合物(モノメチルアミノプロピルトリメトキシシラン)、一般式[12]におけるR5'が炭素数3の直鎖状アルキレン基であり、R7及びR8が共に炭素数1のアルキル基であるメチル基であって、かつ3つのR13がすべて炭素数1のアルキル基であるメチル基である含ケイ素化合物、すなわち、式[15]で示される含ケイ素化合物(ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン)がより好ましい。 上記一般式[13]で示される含ケイ素化合物のなかでも、一般式[13]におけるR5'が炭素数2の直鎖状アルキレン基であり、R10がペンタ-1,2,4-トリエン-1,1,3,5-テトライル基で表される二重結合を有する炭素数5の4価の基であって、かつ3つのR13がすべて炭素数1のアルキル基であるメチル基である含ケイ素化合物、すなわち、式[16]で示される含ケイ素化合物(4-ピリジルエチルトリメトキシシラン)がより好ましい。 一般式[3]で示される含ケイ素化合物と反応させて、第二級又は第三級アミン性基で修飾させるためのシリカとしては、上記一般式[3]で示される含ケイ素化合物と反応できる多孔性のシリカが好ましい。具体的には、例えばシリカゲル、例えばMCM-41(例えばC. T. Kresge, et. al., Nature 359, (1992), p.710等に記載の方法により製造可能)、SBA-15(例えばD.Zhao, et. al., Science 279, (1998), p.548等に記載の方法により製造可能)、SBA-16(例えばD. Zhao, et. al., J. Am. Chem. Soc., 120, (1998), p.6024-6046等に記載の方法により製造可能)、FSM-16(例えばS. Inagaki et. al., J. Chem. Soc. Chem. Commun., (1993), p.680等に記載の方法により合成可能)等のメソポーラスシリカ、ヒュームドシリカ、多孔質ガラス等のアモルファス(非晶質)シリカ、例えばシリカライト等の結晶性シリカ等が挙げられる。なお、これらのシリカは、市販のものを用いてもよいし、適宜合成したものを用いてもよい。 シリカは適当な細孔を有していることが好ましく、当該シリカの比表面積は、下限が、通常10m2/g以上、好ましくは50m2/g以上、より好ましくは100m2/g以上であり、上限が、通常2000m2/g以下、好ましくは1500m2/g以下、より好ましくは1200m2/g以下であることが望ましい。なお、これら比表面積の算出にあたっては、BET法を適用すればよい。 また、シリカの細孔容積は、下限が、通常0.01cm3/g以上、好ましくは0.1cm3/g以上、より好ましくは0.3cm3/g以上であり、上限が、通常10cm3/g以下、好ましくは5cm3/g以下、より好ましくは3cm3/g以下であることが望ましい。なお、これら細孔容積の算出にあたっては、BJT法を適用すればよい。 市販されているメソポーラスシリカの代表例としては、例えばSilica, mesostructured, MCM-41 type(商品名:平均細孔径2.3-2.7nm)、Silica, mesostructured, HMS(商品名:平均細孔径3.9nm)、Silica, mesostructured, MSU-H(商品名:平均細孔径7.1nm)等のAldrich社製、例えばTMPS-1.5(商品名:平均細孔径1.5nm)、TMPS-4(商品名:平均細孔径4nm)等のTMPSシリーズ(太陽化学(株)製)等が挙げられる。 市販されているアモルファスシリカの代表例としては、例えばCARiACT-Q-3(商品名:平均細孔径3nm)、CARiACT-Q-6(商品名:平均細孔径6nm)、CARiACT-Q-10(商品名:平均細孔径10nm)、CARiACT-Q-15(商品名:平均細孔径15nm)、CARiACT-Q-30(商品名:平均細孔径30nm)等のCARiACTシリーズ(富士シリシア化学(株)製)、例えばアエロジル(商品名)、アエロジル200(商品名)、アエロジル300(商品名)、アエロジル380(商品名)、アエロジルA300(商品名)、アエロジルbs-50(商品名)、アエロジルE300(商品名)、アエロジルK7(商品名)、アエロジルM-300(商品名)等のアエロジルシリーズ(エボニックデグサ社製)、例えばワコーシルC-200(商品名)、ワコーシルC-300(商品名)等のワコーシルシリーズ(和光純薬工業(株)製)、例えばワコーゲルC-100(商品名)、ワコーゲルC-200(商品名)、ワコーゲルC-300(商品名)、ワコーゲルC-300HG(商品名)、ワコーゲルC-400HG(商品名)、ワコーゲルC-500HG(商品名)等のワコーゲルシリーズ(和光純薬工業(株)製)等が挙げられる。 一般式[3]で示される含ケイ素化合物とシリカとの反応によって得られる、本発明の第一の製造方法に係る、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒は、上記した如き反応により、当該含ケイ素化合物に由来する基が、当該含ケイ素化合物とシリカ中の表面シラノール基との化学的結合反応により担持されたものである。具体的には含ケイ素化合物に由来する上記一般式[5]、[6]及び[7]のうち少なくともいずれかで示される基が導入された構成単位を有するものである。なお、当該シリカ触媒の構造を表すことは難しいが、例えば当該シリカ触媒は、一般式[I]、[II]及び[III](式中、R5、R6及びYは上記に同じ。)の模式図のうちの少なくともいずれかとして表すこともできる。 本発明の第一の製造方法に係る、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒における、一般式[3]で示される含ケイ素化合物に由来する構成単位の担持量は特に限定されないが、当該シリカ触媒の使用量は後述するように、シリカ触媒中の含ケイ素化合物に由来する基が導入された構成単位に含まれるすべての窒素原子のmol数に対応するため、あまりに担持量が少ないとシリカ触媒の使用量が多くなりすぎる等の問題が生ずる場合がある。そのため、シリカ触媒そのものの重量に対する窒素原子の重量%として、通常0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.2重量%〜4重量%となるように設定される。また、当該構成単位の担持量が上記の数値範囲となるように、上記した一般式[3]で示される含ケイ素化合物とシリカとの反応におけるこれらの反応比が適宜決定される。なお、シリカ触媒中の窒素原子の重量及びmol数は、元素分析等の方法により確認することができる。 本発明の第一の製造方法に係る、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒は、シリカの表面に一般式[3]で示される含ケイ素化合物がシリカと反応して、含ケイ素化合物に由来する基が担持されるため、当該シリカ触媒における比表面積や細孔容積は、一般式[3]で示される含ケイ素化合物と反応させるシリカ(原料シリカ)の比表面積や細孔容積と比較した場合、その数値範囲は多少変動する。上記シリカ触媒の比表面積は、下限が、通常10m2/g以上、好ましくは50m2/g以上、より好ましくは100m2/g以上であり、上限が、通常2000m2/g以下、好ましくは1500m2/g以下、より好ましくは1200m2/g以下であることが望ましく、また、上記シリカ触媒の細孔容積は、下限が、通常0.01cm3/g以上、好ましくは0.1cm3/g以上、より好ましくは0.3cm3/g以上であり、上限が、通常10cm3/g以下、好ましくは5cm3/g以下、より好ましくは3cm3/g以下であることが望ましい。なお、これら数値の算出方法にあたっては、上記したようにBET法やBJT法を適用すればよい。 なお、本発明の第一の製造方法に係る、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒としては、シリカに含ケイ素化合物に由来する基を導入後、含ケイ素化合物に由来する基が導入され得なかった残存シラノール基を、例えばトリメチルシリル化剤等のエンドキャッピング剤で処理(エンドキャッピング)したものも使用することができる。本発明に係るシリカ触媒には、このようなエンドキャッピング処理をしてシラノール基の一部を潰した(保護した)シリカ触媒も含まれる。 このようにして得られるシリカ触媒の使用量としては、エピスルフィド(チイラン)1molに対するシリカ触媒中の含ケイ素化合物に由来する構成単位に含まれるすべての窒素原子のmol数として、通常0.01mol%〜30mol%、好ましくは0.1mol%〜20mol%、より好ましくは0.5mol%〜10mol%である。なお、シリカ触媒の使用量が極めて少ない場合には、目的とする環状トリチオカーボネートの収率が低下する傾向にある。 このように、本発明の第一の製造方法は、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒を用いることによって、比較的穏和な条件下で反応を行っても、目的とする環状トリチオカーボネートを高収率で製造することができるという、優れた効果が生じる。一方、このような効果は、第一級アミン性基又は第四級アンモニウムイオン性基で修飾されたシリカ触媒を用いたのでは得られないのである。 本発明の第一の製造方法においては、原料として用いられる二硫化炭素が溶媒としての機能を備えるので、必ずしも二硫化炭素以外の反応溶媒を必要とするものではないが、原料として用いられるエピスルフィド(チイラン)及び二硫化炭素、並びに反応生成物である環状トリチオカーボネート等に悪影響を与えない溶媒を反応に用いてもよい。このような溶媒の具体例としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン(クロロホルム)、テトラクロロメタン等のハロゲン系非極性溶媒、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、例えばジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、例えばアセトニトリル等のニトリル系溶媒等が挙げられる。なお、目的とする環状トリチオカーボネートは、加水分解を受けやすいので、これらの溶媒は、いずれも脱水処理を施したものが好ましい。また、これらの溶媒は、1種類のものを単独で用いてもよいし、複数種のものを適宜組み合わせて用いてもよい。 上記した如き溶媒の使用量としては特に限定されるものではないが、例えば原料として用いられるエピスルフィド(チイラン)1gに対して、通常0.1mL〜1000mL、好ましくは1mL〜100mLである。なお、ここでは、溶媒を用いる系について説明したが、本発明においては、目的とする環状トリチオカーボネートの単離が容易となる等の、本発明の効果とは別の有利な効果が得られるという観点からすれば、二硫化炭素以外の溶媒を添加しないで反応を行うことが好ましい場合もある。 本発明の第一の製造方法における反応温度は、原料として用いられるエピスルフィド(チイラン)と二硫化炭素とが効率的に反応し、目的とする環状トリチオカーボネートが高収率で得られるような温度に設定することが望ましく、具体的には、例えば通常0℃〜200℃、好ましくは10℃〜180℃である。 本発明の第一の製造方法における反応時の圧力は、原料として用いられるエピスルフィド(チイラン)と二硫化炭素とが効率的に反応し、目的とする環状トリチオカーボネートが高収率で得られるような圧力に設定することが望ましく、具体的には、例えば通常0.1MPa〜2MPa、好ましくは0.1MPa〜1MPaである。本発明の第一の製造方法においては、従来の製造方法で求められるような超高圧を要しないため、高強度の耐圧装置を要しないという点でも有利な反応である。なお、加圧条件下による環状トリチオカーボネートの製造は、シールドチューブ、オートクレーブ等の通常この分野で用いられる耐圧装置を用いて行えばよい。 本発明の第一の製造方法を用いれば、常温、常圧と呼ばれる穏和な反応条件でも環状トリチオカーボネートを製造することができるので、本発明の第一の製造方法は、従来の製造方法で求められるような高温、高圧条件を必要としない、工業的により効率的な方法で、収率よく環状トリチオカーボネートを製造できる優れた方法である。 本発明の第一の製造方法における反応時間は、エピスルフィド(チイラン)の種類、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒の種類、エピスルフィド(チイラン)に対する二硫化炭素の使用量、エピスルフィド(チイラン)に対する上記シリカ触媒の使用量、二硫化炭素以外の反応溶媒の有無、その種類及びその使用量、反応温度、並びに反応時の圧力等に影響を受ける場合があるので一概には言えないが、通常0.1時間〜168時間、好ましくは1時間〜96時間の範囲に設定される。 本発明の第一の製造方法に係る環状トリチオカーボネートの単離方法としては、通常この分野で行われている後処理操作による単離方法を挙げることができる。その代表例としては、例えば反応系中に残存する第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒をろ過等により除去した後、当該シリカ触媒の除去の際に使用した溶媒を留去すればよく、場合によっては、適当な溶媒で再結晶を行って、目的とする環状トリチオカーボネートを単離してもよい。また、例えば二硫化炭素以外の溶媒を使用せずに反応を行った場合には、反応終了後の反応液をそのまま蒸留することにより、容易に目的とする環状トリチオカーボネートを単離することもできる。更に、例えば反応終了後の反応液を適当な抽出操作の後、カラムクロマトグラフィー等の操作を行って目的とする環状トリチオカーボネートを単離することもできる。 なお、反応に使用した、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒は、上でも少し述べたように、反応終了後の反応液からろ過等の操作によって容易に回収することができる上、その活性を低下させることなく、いつでも再利用することができる。 次に、本発明の第一の製造方法と、エポキシド(オキシラン)を原料にエピスルフィド(チイラン)を製造する方法と組み合わせて環状トリチオカーボネートを製造する、本発明の第二の製造方法について説明する。 本発明の第二の製造方法とは、エポキシド(オキシラン)と、チオ尿素とチオシアン酸アンモニウムとから選ばれる少なくとも一方とを反応させてエピスルフィドを得る第1の工程と、当該エピスルフィドと二硫化炭素とを第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒の存在下で反応させる第2の工程とを含んでなり、当該第1の工程と当該第2の工程とを連続的に行って環状トリチオカーボネートを製造する方法である。この方法は、エピスルフィド(チイラン)よりも安価なエポキシド(オキシラン)を原料として用いることができ、更に、従来の製造方法と比較して、エポキシド(オキシラン)から環状トリチオカーボネートを1ポットで効率よく製造できる方法である。 本発明の第二の製造方法に係る第1の工程で使用されるエポキシド(オキシラン)は、後述するチオ尿素、チオシアン酸アンモニウムと同様に、エピスルフィド(チイラン)を製造するための第1の工程の原料として用いられる。当該エポキシド(オキシラン)としては、通常この分野で用いられているエポキシド(オキシラン)であれば特に限定されず、具体的には、例えば一般式[0](式中、R1、R2、R3及びR4は上記に同じ。)で示される化合物が挙げられる。 上記一般式[0]で示されるエポキシド(オキシラン)の具体例としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、ペンチレンオキシド、ヘキシレンオキシド、へプチレンオキシド、オクチレンオキシド、ノニレンオキシド、デシレンオキシド、ウンデシレンオキシド、ドデシレンオキシド、トリデシレンオキシド、テトラデシレンオキシド、ペンタデシレンオキシド、ヘキサデシレンオキシド、ヘプタデシレンオキシド、オクタデシレンオキシド、ノナデシレンオキシド、イコシレンオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、シクロヘプテンオキシド、シクロオクテンオキシド、2,3-ブチレンオキシド、トリメチルエチレンオキシド、テトラメチルエチレンオキシド、メトキシメチルエチレンオキシド、イソプロポキシメチルエチレンオキシド、フェノキシメチルエチレンオキシド、クロロメチルエチレンオキシド(エピクロロヒドリン)等が挙げられるが、本発明の第二の製造方法においては、ここに例示されるエポキシド(オキシラン)に限定されず、上記一般式[0]で示されるエポキシド(オキシラン)に包含されるものであれば特に問題なく用いることができる。なお、これらの一般式[0]で示されるエポキシド(オキシラン)は、市販のものを用いるか、常法により合成したものを適宜用いれば足りる。 これら一般式[0]で示されるエポキシド(オキシラン)のなかでも、目的とする環状トリチオカーボネートの単離が容易となる等の、本発明の効果とは別の有利な効果が得られるという観点からすれば、一般式[0]で示されるエポキシド(オキシラン)のなかでも、一般式[0'](式中、R1'、R2'及びR3'は上記に同じ。)で示されるエポキシド(オキシラン)が好ましい。 本発明の第二の製造方法に係る第1の工程で得られるエピスルフィド(チイラン)としては、具体的には、例えば上記一般式[1]で示されるものが挙げられる。また、その具体例も、本発明の第一の製造方法で述べた具体例を挙げることができる。 更に、上記一般式[1]で示されるエピスルフィド(チイラン)のなかでも、目的とする環状トリチオカーボネートの単離が容易となる等の、本発明の効果とは別の有利な効果が得られるという観点からすれば、一般式[1]で示されるエピスルフィド(チイラン)のなかでも、上記一般式[1']で示されるエピスルフィド(チイラン)が好ましい。 本発明の第二の製造方法に係る第1の工程で使用されるチオ尿素、チオシアン酸アンモニウムは、上述したエポキシド(オキシラン)と同様に、エピスルフィド(チイラン)を製造するための第1の工程の原料として用いられる。当該チオ尿素、当該チオシアン酸アンモニウムは、市販品をそのまま反応系内に供給してもよいし、精製等して高純度のチオ尿素、チオシアン酸アンモニウムとしたものをそのまま反応系内に供給してもよいし、これらチオ尿素、チオシアン酸アンモニウムをあらかじめ適当な溶媒に溶解させてそれを反応系内に供給してもよい。すなわち、どのような供給形態のチオ尿素、チオシアン酸アンモニウムであっても差し支えない。また、本発明の第二の製造方法に係るチオ尿素とチオシアン酸アンモニウムとから選ばれる少なくとも一方とは、チオ尿素を単独で用いる場合、チオシアン酸アンモニウムを単独で用いる場合、並びにこれらを併用する場合のいずれかを指し、本発明の第二の製造方法においては、チオ尿素を単独で用いることが望ましい。 本発明の第二の製造方法に係る第1の工程で使用されるチオ尿素、チオシアン酸アンモニウムの使用量としては、第2の工程に悪影響を与えない使用量であれば特に限定されないが、例えばエポキシド(オキシラン)のmol数に対して、通常0.8mol当量〜10mol当量、好ましくは0.9mol当量〜5mol当量となるように設定される。なお、チオ尿素、チオシアン酸アンモニウムは、市販のものを適宜用いれば足りる。 本発明の第二の製造方法に係る第1の工程で使用される反応溶媒は、当該第1の工程と第2の工程を連続的に行うことを特徴とするものであるから、第1の工程のみならず第2の工程に悪影響を与えない溶媒を用いることが望ましい。このような溶媒の具体例としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン(クロロホルム)、テトラクロロメタン等のハロゲン系非極性溶媒、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、例えばジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、例えばアセトニトリル等のニトリル系溶媒、例えば水等が挙げられる。また、これらの溶媒は、1種類のものを単独で用いてもよいし、複数種のものを適宜組み合わせて用いてもよい。 上記した如き溶媒の使用量としては特に限定されるものではないが、例えば原料として用いられるエポキシド(オキシラン)1gに対して、通常0.1mL〜1000mL、好ましくは1mL〜100mLである。なお、本発明の第二の製造方法に係る第1の工程を無溶媒で実施することもあり得るが、上記第1の工程の原料として用いられるチオ尿素、チオシアン酸アンモニウムがいずれも常温で固体であることから、当該第1の工程は、溶媒を使用して実施することが望ましい。 本発明の第二の製造方法に係る第1の工程における反応温度は、原料として用いられるエポキシド(オキシラン)と、チオ尿素とチオシアン酸アンモニウムとから選ばれる少なくとも一方とが効率的に反応し、第1の工程の生成物であるエピスルフィド(チイラン)が高収率で得られるような温度に設定することが望ましく、具体的には、例えば通常0℃〜200℃、好ましくは10℃〜180℃である。 本発明の第二の製造方法に係る第1の工程における反応時の圧力は、原料として用いられるエポキシド(オキシラン)と、チオ尿素とチオシアン酸アンモニウムとから選ばれる少なくとも一方とが効率的に反応し、第1の工程の生成物であるエピスルフィド(チイラン)が高収率で得られるような圧力に設定することが望ましく、具体的には、例えば通常0.1MPa〜2MPa、好ましくは0.1MPa〜1MPaである。なお、加圧条件下によるエピスルフィド(チイラン)の製造は、シールドチューブ、オートクレーブ等の通常この分野で用いられる耐圧装置を用いて行えばよい。 本発明の第二の製造方法に係る第1の工程における反応時間は、エポキシド(オキシラン)の種類、チオ尿素とチオシアン酸アンモニウムのいずれを(又は両方を)使用するか、エポキシド(オキシラン)に対するチオ尿素又は/及びチオシアン酸アンモニウムの使用量、反応溶媒の種類及びその使用量、反応温度、並びに反応時の圧力等に影響を受ける場合があるので一概には言えないが、通常0.1時間〜168時間、好ましくは1時間〜96時間の範囲に設定される。 本発明の第二の製造方法は、上述した第1の工程と第2の工程とを連続的に行うことを特徴とするものであるから、上記第1の工程は後処理等を実施しない。なお、本発明の第二の製造方法における連続的にとは、第1の工程と第2の工程とを1ポットで実施することをいう。なお、ここでいう1ポットとは、本発明の第二の製造方法におけるすべての原料を同時に仕込んで反応させること、並びに、本発明の第二の製造方法係る第1の工程における原料を仕込んで反応させた後、後処理をせずに、その反応液に、第2の工程における原料を仕込んで反応させることのいずれも含むものとする。 本発明の第二の製造方法に係る第2の工程における反応条件等は、本発明の第一の製造方法で述べた条件をそのまま適用することができる。 このように、本発明の第二の製造方法は、安価なエポキシド(オキシラン)を原料として用いることができるため、工業的規模の生産に有利であり、また、第1の工程及び第2の工程を比較的穏和な条件で実施することができるという優れた製造方法である。また、本発明の第二の製造方法に係る第2の工程が、実質的に本発明の第一の製造方法であることから、本発明の第一の製造方法は他の方法と組み合わせることが可能な優れた方法であるともいえる。 以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、生成物等の測定は、1H-NMR[測定溶媒:重クロロホルム、内部標準物質:メシチレン]により行った。また、ここでいう変換率とは、反応前のエピスルフィド(チイラン)のmol量に対する、反応時のエピスルフィド(チイラン)の消費mol量(転化量)を%で表したものである。 合成例1 ヨウ化エチルジメチルアンモニウムプロピルトリメトキシシランの調製ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン(Aldrich社製)7.0g(29.7mmol)にアセトニトリル35mLを加えた溶液に、ヨウ化エチル5.6g(35.6mmol)を滴下し、加熱還流条件下で24時間反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、その反応液を濃縮することにより、濃縮残渣としてヨウ化エチルジメチルアンモニウムプロピルトリメトキシシラン10.5g(29mmol)(収率:98%)を得た。以下に1H-NMRの測定結果を示す。1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):0.72(2H,t,J=7.97Hz),1.43(3H,t),1.78-1.90(2H,m),2.23(2H,q,J=7.47Hz),3.34(6H,s),3.50-3.56(2H,m),3.58(9H,s) 合成例2 モノメチルアミノプロピル基(第二級アミン性基)で修飾されたシリカ(TMPS-4)触媒(MeHN/C3/TMPS-4触媒)の調製十分に乾燥させたメソポーラスシリカ(TMPS-4:太陽化学(株)社製)10gにトルエン300mLを加えた溶液に、モノメチルアミノプロピルトリメトキシシラン(アヅマックス社製)2.26g(11.7mmol)を投入し、加熱還流条件下で24時間反応させた。反応終了後、反応液をろ過して目的とするシリカ触媒をろ取した後、得られたシリカ触媒をクロロホルムで洗浄後、真空乾燥することにより、本発明の製造方法に係るモノメチルアミノプロピル基で修飾されたシリカ(TMPS-4)触媒(MeHN/C3/TMPS-4触媒)10.7gを得た。得られたシリカ触媒を元素分析で測定したところ、シリカ触媒中の窒素原子の含量は1.37重量%であった。 合成例3 ジメチルアミノプロピル基(第三級アミン性基)で修飾されたシリカ(TMPS-4)触媒(Me2N/C3/TMPS-4触媒)の調製合成例3では、合成例2で用いた含ケイ素化合物(モノメチルアミノプロピルトリメトキシシラン)2.26g(11.7mmol)の代わりにジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン(Aldrich社製)2.34g(11.3mmol)を用いた以外は、合成例2と同様の操作を行うことにより、本発明の製造方法に係るジメチルアミノプロピル基で修飾されたシリカ(TMPS-4)触媒(Me2N/C3/TMPS-4触媒)10.6gを得た。得られたシリカ触媒を元素分析で測定したところ、シリカ触媒中の窒素原子の含量は1.40重量%であった。 合成例4 4-ピリジルエチル基(第三級アミン性基)で修飾されたシリカ(TMPS-4)触媒(4Py/C2/TMPS-4触媒)の調製合成例4では、合成例2で用いた含ケイ素化合物(モノメチルアミノプロピルトリメトキシシラン)2.26g(11.7mmol)の代わりに4-ピリジルエチルトリメトキシシラン(アヅマックス社製)3.30g(12.2mmol)を用いた以外は、合成例2と同様の操作を行うことにより、本発明の製造方法に係る4-ピリジルエチル基で修飾されたシリカ(TMPS-4)触媒(4Py/C2/TMPS-4触媒)11.5gを得た。得られたシリカ触媒を元素分析で測定したところ、シリカ触媒中の窒素原子の含量は1.36重量%であった。 合成例5 アミノプロピル基(第一級アミン性基)で修飾されたシリカ(TMPS-4)触媒(H2N/C3/TMPS-4触媒)の調製合成例5では、合成例2で用いた含ケイ素化合物(モノメチルアミノプロピルトリメトキシシラン)2.26g(11.7mmol)の代わりにアミノプロピルトリメトキシシラン(アヅマックス社製)2.07g(11.7mmol)を用いた以外は、合成例2と同様の操作を行うことにより、比較用のアミノプロピル基で修飾されたシリカ(TMPS-4)触媒(H2N/C3/TMPS-4触媒)10.8gを得た。得られたシリカ触媒を元素分析で測定したところ、シリカ触媒中の窒素原子の含量は1.43重量%であった。 合成例6 ヨウ化エチルジメチルアンモニウムプロピル基(第四級アンモニウムイオン性基)で修飾されたシリカ(TMPS-4)触媒(EtIMe2N/C3/TMPS-4触媒)の調製合成例6では、合成例2で用いた含ケイ素化合物(モノメチルアミノプロピルトリメトキシシラン)2.26g(11.7mmol)の代わりに合成例1で得られたヨウ化エチルジメチルアンモニウムプロピルトリメトキシシラン5.34g(14.7mmol)を用いた以外は、合成例2と同様の操作を行うことにより、比較用のヨウ化エチルジメチルアンモニウムプロピル基で修飾されたシリカ(TMPS-4)触媒(EtIMe2N/C3/TMPS-4触媒)13.5gを得た。得られたシリカ触媒を元素分析で測定したところ、シリカ触媒中の窒素原子の含量は1.41重量%であった。 合成例7 4-ピリジルエチル基(第三級アミン性基)で修飾されたシリカ(Q-3)触媒(4Py/C2/Q-3触媒)の調製合成例7では、合成例2で用いた含ケイ素化合物(モノメチルアミノプロピルトリメトキシシラン)2.26g(11.7mmol)の代わりに4-ピリジルエチルトリメトキシシラン(アヅマックス社製)1.65g(6.11mmol)、メソポーラスシリカ(TMPS-4)10gの代わりにアモルファスシリカ(CARiACT-Q-3:富士シリシア化学(株)製)5g、並びにトルエン150mLを用いた以外は、合成例2と同様の操作を行うことにより、本発明の製造方法に係る4-ピリジルエチル基で修飾されたシリカ(Q-3)触媒(4Py/C2/Q-3触媒)5.2gを得た。得られたシリカ触媒を元素分析で測定したところ、シリカ触媒中の窒素原子の含量は0.97重量%であった。 合成例8 4-ピリジルエチル基(第三級アミン性基)で修飾されたシリカ(Q-6)触媒(4Py/C2/Q-6触媒)の調製合成例8では、合成例2で用いた含ケイ素化合物(モノメチルアミノプロピルトリメトキシシラン)2.26g(11.7mmol)の代わりに4-ピリジルエチルトリメトキシシラン(アヅマックス社製)1.65g(6.11mmol)、メソポーラスシリカ(TMPS-4)10gの代わりにアモルファスシリカ(CARiACT-Q-6:富士シリシア化学(株)製)5g、並びにトルエン150mLを用いた以外は、合成例2と同様の操作を行うことにより、本発明の製造方法に係る4-ピリジルエチル基で修飾されたシリカ(Q-6)触媒(4Py/C2/Q-6触媒)5.2gを得た。得られたシリカ触媒を元素分析で測定したところ、シリカ触媒中の窒素原子の含量は0.91重量%であった。 合成例9 4-ピリジルエチル基(第三級アミン性基)で修飾されたシリカ(SBA-15)触媒(4Py/C2/SBA-15触媒)の調製合成例9では、合成例2で用いた含ケイ素化合物(モノメチルアミノプロピルトリメトキシシラン)2.26g(11.7mmol)の代わりに4-ピリジルエチルトリメトキシシラン(アヅマックス社製)0.825g(3.06mmol)、メソポーラスシリカ(TMPS-4)10gの代わりに同じくメソポーラスシリカであるSBA-15を2.5g、並びにトルエン75mLを用いた以外は、合成例2と同様の操作を行うことにより、本発明の製造方法に係る4-ピリジルエチル基で修飾されたシリカ(SBA-15)触媒(4Py/C2/SBA-15触媒)2.6gを得た。得られたシリカ触媒を元素分析で測定したところ、シリカ触媒中の窒素原子の含量は1.04重量%であった。 実施例1 合成例2で得られたシリカ触媒(MeHN/C3/TMPS-4触媒)を用いたブチレントリチオカーボネートの合成合成例2で得られたシリカ触媒(0.98mmol/g;MeHN/C3/TMPS-4触媒)51mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)、ブチレンスルフィド88mg(1.0mmol)、二硫化炭素381mg(5.0mmol)、並びにメシチレン8μLを耐圧ガラス容器に仕込んだ。なお、ブチレンスルフィドに対するシリカ触媒の使用量は5mol%である。次いで、ガラス容器を密閉し、100℃で3時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、反応液をジクロロメタン10mLで希釈後、希釈溶液をメンブランフィルターでろ過して触媒を除去し、得られたろ液をガスクロマトグラフィーにより分析して、未反応のブチレンスルフィド及び目的とするブチレントリチオカーボネートを定量した。なお、ガスクロマトグラフィーによる分析と定量は、カラムにジーエルサイエンス製TC-1(0.25ID×60m)を用い、温度を40℃から250℃まで上昇させ、FID検出器で測定し、あらかじめメシチレンを標準物質として作成したブチレンスルフィド及びブチレントリチオカーボネートの検量線から定量した。定量の結果、ブチレンスルフィドの変換率は54%であり、目的とするブチレントリチオカーボネートの収率は50%であった。以下に1H-NMRの測定結果を示す。1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.09(3H,t,J=7.03Hz),1.89-2.07(2H,m),3.71(1H,dd,J=7.57Hz,12.4Hz),3.99(1H,dd,J=5.40Hz,12.4Hz),4.28-4.37(1H,m) 実施例2〜3 合成例3〜4で得られたシリカ触媒(Me2N/C3/TMPS-4触媒又は4Py/C2/TMPS-4触媒)を用いたブチレントリチオカーボネートの合成実施例2では、実施例1で用いたシリカ触媒(MeHN/C3/TMPS-4触媒)51mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)の代わりに合成例3で得られたシリカ触媒(Me2N/C3/TMPS-4触媒)50mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)を用いた以外は、実施例1と同様にして合成を行った。また、実施例3では、実施例1で用いたシリカ触媒(MeHN/C3/TMPS-4触媒)51mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)の代わりに合成例4で得られたシリカ触媒(4Py/C2/TMPS-4触媒)52mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)を用いた以外は、実施例1と同様にして合成を行った。実施例2〜3におけるブチレンスルフィドの変換率と目的とするブチレントリチオカーボネートの収率を表1に示す。 比較例1〜2 合成例5〜6で得られたシリカ触媒(H2N/C3/TMPS-4触媒又はEtIMe2N/C3/TMPS-4触媒)を用いたブチレントリチオカーボネートの合成比較例1では、実施例1で用いたシリカ触媒(MeHN/C3/TMPS-4触媒)51mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)の代わりに合成例5で得られたシリカ触媒(H2N/C3/TMPS-4触媒)49mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)を用いた以外は、実施例1と同様にして合成を行った。また、比較例2では、実施例1で用いたシリカ触媒(MeHN/C3/TMPS-4触媒))51mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)の代わりに合成例6で得られたシリカ触媒(EtIMe2N/C3/TMPS-4触媒)50mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)を用いた以外は、実施例1と同様にして合成を行った。比較例1〜2におけるブチレンスルフィドの変換率と目的とするブチレントリチオカーボネートの収率を表1に示す。 表1の結果から明らかなように、本発明に係るシリカ触媒、すなわち、第二級又は第三級アミン性基で表面修飾されたシリカ触媒を用いることにより、収率よく目的とする環状トリチオカーボネートが得られることが判った。その一方で、第一級アミン性基で表面修飾されたシリカ触媒、並びに第四級アンモニウムイオン性基で表面修飾されたシリカ触媒の場合には、ほとんど反応が進行せず、目的とする環状トリチオカーボネートが得られないことが判った。これらのことから、アミン性基を有するものであればどのようなシリカ触媒であっても、目的とする環状トリチオカーボネートが得られるというわけではなく、特定のアミン性基が修飾されたシリカ触媒を用いることにより、本発明の目的が達成できるようになることが判った。 実施例4 合成例2で得られたシリカ触媒(MeHN/C3/TMPS-4触媒)を用いたブチレントリチオカーボネートの合成合成例2で得られたシリカ触媒(0.98mmol/g;MeHN/C3/TMPS-4触媒)204mg(窒素原子量換算で0.20mmol含有)、ブチレンスルフィド356mg(4.04mmol)、二硫化炭素1.54g(20.2mmol)、並びにメシチレン30μLを耐圧ガラス容器に仕込んだ。なお、ブチレンスルフィドに対するシリカ触媒の使用量は5mol%である。次いで、ガラス容器を密閉し、100℃で24時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、反応液をジクロロメタン40mLで希釈後、希釈溶液をメンブランフィルターでろ過して触媒を除去し、得られたろ液をガスクロマトグラフィーにより分析して、未反応のブチレンスルフィド及び目的とするブチレントリチオカーボネートを定量した。なお、ガスクロマトグラフィーによる分析と定量は、カラムにジーエルサイエンス製TC-1(0.25ID×60m)を用い、温度を40℃から250℃まで上昇させ、FID検出器で測定し、あらかじめメシチレンを標準物質として作成したブチレンスルフィド及びブチレントリチオカーボネートの検量線から定量した。定量の結果、ブチレンスルフィドの変換率は100%であり、目的とするブチレントリチオカーボネートの収率は98%であった。 比較例3 トリエチルアミンを触媒として用いたブチレントリチオカーボネートの合成合成例6で得られたシリカ触媒の代わりとなるトリエチルアミン20mg(0.20mmol)、ブチレンスルフィド356mg(4.04mmol)、二硫化炭素1.54g(20.2mmol)、並びにメシチレン30μLを耐圧ガラス容器に仕込んだ。なお、ブチレンスルフィドに対するトリエチルアミンの使用量は5mol%である。次いで、ガラス容器を密閉し、100℃で24時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、反応液をそのままガスクロマトグラフィーで分析して、未反応のブチレンスルフィド及び目的とするブチレントリチオカーボネートを定量した。なお、ガスクロマトグラフィーによる分析と定量は、カラムにジーエルサイエンス製TC-1(0.25ID×60m)を用い、温度を40℃から250℃まで上昇させ、FID検出器で測定し、あらかじめメシチレンを標準物質として作成したブチレンスルフィド及びブチレントリチオカーボネートの検量線から定量した。定量の結果、ブチレンスルフィドの変換率は10%であり、目的とするブチレントリチオカーボネートの収率は10%であった。 実施例4及び比較例3の結果から、本発明に係るシリカ触媒を用いて、24時間反応させれば、目的とする環状トリチオカーボネートがほぼ定量的に得られることが判った。その一方で、本発明に係る第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒と同様の効果が生じると予想されるトリエチルアミンを触媒として使用しても、目的とする環状トリチオカーボネートはほとんど得られないことが判った。これにより、第二級又は第三級アミン性基を有する化合物(第二級又は第三級アミンそのもの)を用いればよいというわけではなく、シリカにこれら第二級又は第三級アミン性基を担持させたものが、環状トリチオカーボネートの製造に効果的であることが判った。 実施例5〜7 合成例7〜9で得られたシリカ触媒(4Py/C2/Q-3触媒、4Py/C2/Q-6触媒又は4Py/C2/SBA-15触媒)を用いたブチレントリチオカーボネートの合成実施例5では、実施例1で用いたシリカ触媒(MeHN/C3/TMPS-4触媒)51mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)の代わりに合成例7で得られたシリカ触媒(4Py/C2/Q-3触媒)72mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)を用いた以外は、実施例1と同様にして合成を行った。また、実施例6では、実施例1で用いたシリカ触媒(MeHN/C3/TMPS-4触媒)51mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)の代わりに合成例8で得られたシリカ触媒(4Py/C2/Q-6触媒)77mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)を用いた以外は、実施例1と同様にして合成を行った。更に、実施例7では、実施例1で用いたシリカ触媒(MeHN/C3/TMPS-4触媒))51mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)の代わりに合成例9で得られたシリカ触媒(4Py/C2/SBA-15触媒)67mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)に代えた以外は、実施例1と同様にして合成を行った。実施例5〜7におけるブチレンスルフィドの変換率と目的とするブチレントリチオカーボネートの収率を、実施例3の結果とあわせて表2に示す。 表2の結果から明らかなように、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒におけるシリカとして、実施例3の市販のメソポーラスシリカを用いた場合のみならず、実施例5及び実施例6のアモルファスシリカを用いた場合であっても、穏和な条件かつ短時間で収率よく、目的とする環状トリチオカーボネートが得られることが判った。また、実施例7の自製したメソポーラスシリカを用いた場合であっても、実施例3の市販のメソポーラスシリカと同様に、穏和な条件かつ短時間で収率よく、目的とする環状トリチオカーボネートが得られることが判った。 実施例8 合成例3で得られたシリカ触媒(Me2N/C3/TMPS-4触媒)を用いたドデシレントリチオカーボネートの合成合成例3で得られたシリカ触媒(1.00mmol/g;Me2N/C3/TMPS-4触媒)50mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)、ドデシレンスルフィド200mg(1.0mmol)、二硫化炭素381mg(5.0mmol)、並びにメシチレン8μLを耐圧ガラス容器に仕込んだ。なお、ドデシレンスルフィドに対するシリカ触媒の使用量は5mol%である。次いで、ガラス容器を密閉し、100℃で24時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、反応液をジクロロメタン10mLで希釈後、希釈溶液をメンブランフィルターでろ過して触媒を除去し、得られたろ液を一旦濃縮して溶媒を留去した後、留去後の残渣を重クロロホルムに溶解し、メシチレンを内部標準物質として1H-NMRにより分析して、未反応のドデシレンスルフィド及び目的とするドデシレントリチオカーボネートを定量した。定量の結果、ドデシレンスルフィドの変換率は100%であり、目的とするドデシレントリチオカーボネートの収率は100%であった。以下に1H-NMRの測定結果を示す。1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):0.88(3H,t,J=6.6Hz),1.20-1.37(14H,m),1.39-1.46(2H,m),1.84-2.01(2H,m),3.70(1H,dd,J=8.0Hz,12.0Hz),3.96(1H,dd,J=6.2Hz,12.0Hz),4.35-4.43(1H,m) 実施例9 合成例3で得られたシリカ触媒(Me2N/C3/TMPS-4触媒)を用いたイソブチレントリチオカーボネートの合成実施例9では、原料として用いられるエピスルフィド(チイラン)として、実施例8で用いたドデシレンスルフィド200mg(1.0mmol)の代わりにイソブチレンスルフィド88mg(1.0mmol)を用いた以外は、実施例8と同様にして合成を行った。定量の結果、イソブチレンスルフィドの変換率は100%であり、目的とするイソブチレントリチオカーボネートの収率は100%であった。以下に1H-NMRの測定結果を示す。1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.74(6H,s),3.75(2H,s) 実施例8〜9の結果から、本発明の製造方法は、種々のエピスルフィド(チイラン)に適用することができ、なおかつ収率よく目的とする環状トリチオカーボネートが得られることが判った。これにより、本発明の製造方法は、種々の環状トリチオカーボネートの製造に有効な方法となり得ることが判った。 実施例10 本発明の第二の製造方法によるブチレントリチオカーボネートの合成ブチレンオキシド72mg(1.0mmol)、チオ尿素114mg(1.5mmol)、合成例3で得られたシリカ触媒(1.0mmol/g;Me2N/C3/TMPS-4触媒)50mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)、二硫化炭素381mg(5.0mmol)、エタノール0.5mL、水0.5mL、並びにメシチレン8μLを耐圧ガラス容器に仕込んだ。なお、ブチレンオキシド(ブチレンスルフィド)に対するシリカ触媒の使用量は5mol%である。次いで、ガラス容器を密閉し、100℃で24時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、反応液をジクロロメタン10mLで希釈後、希釈溶液をメンブランフィルターでろ過して触媒を除去し、得られたろ液をガスクロマトグラフィーにより分析して、本発明の第二の製造方法に係る第2の工程の生成物(最終的な目的物である)ブチレントリチオカーボネートを定量した。なお、ガスクロマトグラフィーによる分析と定量は、カラムにジーエルサイエンス製TC-1(0.25ID×60m)を用い、温度を40℃から250℃まで上昇させ、FID検出器で測定し、あらかじめメシチレンを標準物質として作成したブチレントリチオカーボネートの検量線から定量した。定量の結果、目的とするブチレントリチオカーボネートの収率は35%であった。 実施例11 本発明の第二の製造方法によるブチレントリチオカーボネートの合成ブチレンオキシド72mg(1.0mmol)、チオ尿素114mg(1.5mmol)、合成例3で得られたシリカ触媒(1.0mmol/g;Me2N/C3/TMPS-4触媒)50mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)、二硫化炭素381mg(5.0mmol)、エタノール0.5mL、水0.5mL、並びにメシチレン8μLを耐圧ガラス容器に仕込んだ。なお、ブチレンオキシド(ブチレンスルフィド)に対するシリカ触媒の使用量は5mol%である。次いで、ガラス容器を密閉し、室温で24時間反応させた後、100℃に昇温して更に12時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、反応液をジクロロメタン10mLで希釈後、希釈溶液をメンブランフィルターでろ過して触媒を除去し、得られたろ液をガスクロマトグラフィーにより分析して、本発明の第二の製造方法に係る第2の工程の生成物(最終的な目的物である)ブチレントリチオカーボネートを定量した。なお、ガスクロマトグラフィーによる分析と定量は、カラムにジーエルサイエンス製TC-1(0.25ID×60m)を用い、温度を40℃から250℃まで上昇させ、FID検出器で測定し、あらかじめメシチレンを標準物質として作成したブチレントリチオカーボネートの検量線から定量した。定量の結果、目的とするブチレントリチオカーボネートの収率は46%であった。 実施例12 本発明の第二の製造方法によるブチレントリチオカーボネートの合成ブチレンオキシド72mg(1.0mmol)、チオ尿素114mg(1.5mmol)、合成例3で得られたシリカ触媒(1.0mmol/g;Me2N/C3/TMPS-4触媒)50mg(窒素原子量換算で0.05mmol含有)、二硫化炭素381mg(5.0mmol)、エタノール0.5mL、水0.5mL、並びにメシチレン8μLを耐圧ガラス容器に仕込んだ。なお、ブチレンオキシド(ブチレンスルフィド)に対するシリカ触媒の使用量は5mol%である。次いで、ガラス容器を密閉し、室温で84時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、反応液をジクロロメタン10mLで希釈後、希釈溶液をメンブランフィルターでろ過して触媒を除去し、得られたろ液をガスクロマトグラフィーにより分析して、本発明の第二の製造方法に係る第2の工程の生成物(最終的な目的物である)ブチレントリチオカーボネートを定量した。なお、ガスクロマトグラフィーによる分析と定量は、カラムにジーエルサイエンス製TC-1(0.25ID×60m)を用い、温度を40℃から250℃まで上昇させ、FID検出器で測定し、あらかじめメシチレンを標準物質として作成したブチレントリチオカーボネートの検量線から定量した。定量の結果、目的とするブチレントリチオカーボネートの収率は59%であった。 実施例10〜12の結果から、本発明の第二の製造方法は、安価なエポキシド(オキシラン)を原料として、目的とする環状トリチオカーボネートを簡便に得られることが判った。これにより、本発明の第二の製造方法は、安価なエポキシド(オキシラン)を原料とする環状トリチオカーボネートの製造に有効な方法となり得ることが判った。 本発明の製造方法は、例えば電子デバイス作製用化学品材料の用途等として期待されている環状トリチオカーボネートを、従来の方法と比較してより効率的な方法で高収率に生産することを可能にするものである。また、本発明の触媒は、このような環状トリチオカーボネートをより簡便に製造することを可能にする触媒である。エピスルフィドと二硫化炭素とを、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒の存在下で反応させることを特徴とする、環状トリチオカーボネートの製造方法。前記第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒が、シリカ中のシラノール基の一部が第二級又は第三級アミン性基で修飾されたものである、請求項1に記載の製造方法。前記第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒が、一般式[3]{式中、R5は、結合手、炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基又はアラルキレン基を表し、2つのR6は夫々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基又はアリル基を表し、Yは、第二級又は第三級アミン由来の基を表し、Zは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基、アリル基又は一般式[4](式中、R5、R6及びYは前記に同じ。)で示されるシラザン基を表す。}で示される含ケイ素化合物とシリカとを反応させることによって得られるものである、請求項1に記載の製造方法。前記第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒が、一般式[5](式中、R5は、結合手、炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基又はアラルキレン基を表し、2つのR6は夫々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基又はアリル基を表し、Yは、第二級又は第三級アミン由来の基を表す。)で示される構成単位、一般式[6](式中、R5、R6及びYは前記に同じ。)で示される構成単位、又は一般式[7](式中、R5及びYは前記に同じ。)で示される構成単位を有するものである、請求項1に記載の製造方法。前記第二級又は第三級アミン由来の基が、一般式[8](式中、R7は、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、R8は、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。)で示される非環式第二級又は第三級アミノ基、一般式[9](式中、R9は、二重結合を有していてもよい炭素数4又は5のアルキレン基を表す。)で示される複素環式非芳香族第三級アミノ基、一般式[10](式中、R10は、二重結合を有する炭素数5又は9の4価の基を表す。)で示される複素環式芳香族第三級アミン由来の基、又は一般式[11](式中、R11は、二重結合を有していてもよい炭素数4又は5の3価の基を表し、R12は、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基を表す。)で示される複素環式非芳香族第二級又は第三級アミン由来の基である、請求項3又は4に記載の製造方法。前記第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒が、一般式[12](式中、R5'は、炭素数2〜6の直鎖状アルキレン基を表し、R7は、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、R8は、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、R13は、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基を表す。)で示される含ケイ素化合物、又は一般式[13](式中、R5'は、炭素数2〜6の直鎖状アルキレン基を表し、R10は、二重結合を有する炭素数5又は9の4価の基を表し、R13は、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基を表す。)で示される含ケイ素化合物と、シリカとを反応させることによって得られるものである、請求項1に記載の製造方法。前記第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒が、式[14]で示される含ケイ素化合物、式[15]で示される含ケイ素化合物、又は式[16]で示される含ケイ素化合物と、シリカとを反応させることによって得られるものである、請求項1に記載の製造方法。前記エピスルフィドが、一般式[1](式中、R1、R2、R3及びR4は夫々独立して、水素原子、ヘテロ原子で置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基又はヘテロ原子で置換されていてもよいアラルキル基を表し、R2とR3とでこれらが結合している炭素原子と共に炭素数4〜10の環状構造を形成していてもよい。)で示されるものであり、前記環状トリチオカーボネートが、一般式[2](式中、R1、R2、R3及びR4は前記に同じ。)で示されるものである、請求項1に記載の製造方法。前記エピスルフィドが、一般式[1'](式中、R1'、R2'及びR3'は夫々独立して、水素原子、ヘテロ原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基又はヘテロ原子で置換されていてもよいアラルキル基を表し、R2'とR3'とでこれらが結合している炭素原子と共に炭素数5〜8の環状構造を形成していてもよい。)で示されるものであり、前記環状トリチオカーボネートが、一般式[2'](式中、R1'、R2'及びR3'は前記に同じ。)で示されるものである、請求項1に記載の製造方法。エポキシドと、チオ尿素とチオシアン酸アンモニウムとから選ばれる少なくとも一方とを反応させてエピスルフィドを得る第1の工程と、前記エピスルフィドと二硫化炭素とを、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒の存在下で反応させる第2の工程と、を含んでなり、前記第1の工程と前記第2の工程とが、連続的に行われることを特徴とする、環状トリチオカーボネートの製造方法。前記エポキシドが、一般式[0](式中、R1、R2、R3及びR4は夫々独立して、水素原子、ヘテロ原子で置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基又はヘテロ原子で置換されていてもよいアラルキル基を表し、R2とR3とでこれらが結合している炭素原子と共に炭素数4〜10の環状構造を形成していてもよい。)で示されるものであり、前記エピスルフィドが、一般式[1](式中、R1、R2、R3及びR4は前記に同じ。)で示されるものであり、前記環状トリチオカーボネートが、一般式[2](式中、R1、R2、R3及びR4は前記に同じ。)で示されるものである、請求項10記載の製造方法。第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカを含有する、エピスルフィドと二硫化炭素とを反応させることにより、環状トリチオカーボネートを製造する際に用いられる触媒。 【課題】比較的穏和な条件下で反応を行っても、目的とする環状トリチオカーボネートを高収率で製造することができ、種々の反応基質にも適用できる当該環状トリチオカーボネートの製造方法を提供する。【解決手段】(1)エピスルフィド(チイラン)と二硫化炭素とを、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒の存在下で反応させることを特徴とする、環状トリチオカーボネートの製造方法、(2)エポキシド(オキシラン)と、チオ尿素とチオシアン酸アンモニウムとから選ばれる少なくとも一方とを反応させてエピスルフィド(チイラン)を得る第1の工程と、上記エピスルフィド(チイラン)と二硫化炭素とを、第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカ触媒の存在下で反応させる第2の工程と、を含んでなり、上記第1の工程と上記第2の工程とが、連続的に行われることを特徴とする、環状トリチオカーボネートの製造方法、並びに(3)第二級又は第三級アミン性基で修飾されたシリカを含有する、エピスルフィド(チイラン)と二硫化炭素とを反応させることにより、環状トリチオカーボネートを製造する際に用いられる触媒。【選択図】なし


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