タイトル: | 公開特許公報(A)_エチレンクロロヒドリンの製造方法 |
出願番号: | 2011077765 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | C07C 29/66,B01D 61/36,B01D 71/02,C07C 31/36 |
後藤 琢真 島田 昌紀 JP 2012211109 公開特許公報(A) 20121101 2011077765 20110331 エチレンクロロヒドリンの製造方法 積水化学工業株式会社 000002174 新樹グローバル・アイピー特許業務法人 110000202 後藤 琢真 島田 昌紀 C07C 29/66 20060101AFI20121005BHJP B01D 61/36 20060101ALI20121005BHJP B01D 71/02 20060101ALI20121005BHJP C07C 31/36 20060101ALI20121005BHJP JPC07C29/66B01D61/36B01D71/02C07C31/36 7 OL 9 4D006 4H006 4D006GA28 4D006KA02 4D006KA12 4D006KA31 4D006KB18 4D006KB30 4D006KE16R 4D006MA09 4D006MB09 4D006MB10 4D006MC02 4D006MC03 4D006MC22 4D006MC33 4D006MC58 4D006PA03 4D006PB70 4H006AA02 4H006AC21 4H006AC30 4H006AC41 4H006AD11 4H006AD19 4H006BC51 4H006BD60 4H006BE53 4H006DA15 4H006FE11 4H006FE71 4H006FE75 本発明は、エチレンクロロヒドリンの製造方法に関する。 塩素、水およびエチレンを反応させてエチレンクロロヒドリンを製造する方法は従来から知られている(非特許文献1)。 この反応は(1)塩素と水の反応による次亜塩素酸(HOCl)と塩化水素(HCl)の生成および(2)エチレンと次亜塩素酸の反応によるエチレンクロロヒドリンの生成で示される2段階で進行すると考えられている。 (1)の反応は平衡反応であるため、通常ある一定の割合に達すると進まないが、反応により生じた次亜塩素酸が(2)の反応によりオレフィンの二重結合に付加してオレフィンクロロヒドリンとなって消費されることにより、さらに(1)の平衡は右に傾き、塩素が水と反応する。このとき、(1)の反応で次亜塩素酸と同時に副生する塩化水素は消費されず、塩酸として系内に残る。従って、(2)の反応を進めエチレンクロロヒドリンの濃度を高めるほど、系内の塩酸の濃度も高くなる。 前記反応により生成されたエチレンクロロヒドリンを濃縮するためには、エチレンクロロヒドリンが水と共沸する化合物であることから、共沸蒸留法や膜分離法などを用いた分離工程に付すことが考えられる。 共沸蒸留法は従来から共沸組成物の分離に使用される技術であるが、多量の熱エネルギーが必要で、共沸蒸留塔、エントレーナ再生塔を要するため、一般の蒸留塔に比べ、設備も大型であり、コストがかかるという問題点がある。 一方、膜分離法を利用した分離手段は、液体混合物を分離膜の片側(供給側) に接触させて、反対側(透過側) を減圧することにより、特定の液体(透過物質) を気化させ、分離するパーベーパレーション法(浸透気化法)、気体混合物を蒸気状態で供給し分離膜に接触させて、供給側を加圧または透過側を減圧して特定の蒸気を分離するベーパーパーミエーション法(蒸気透過法) などがある。 しかし、分離膜は酸性環境下では劣化が起こりやすく、耐酸性であるT型ゼオライト膜においても、多くの副生塩酸が発生するエチレンクロロヒドリンの製造工程においてはpH=3以下になるため、劣化が免れないという問題点があった(例えば、特許文献1)。J. Am. Chem. Soc., 41, p1419(1919)特開2000−42387号公報 本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、塩素を水に溶解することにより得られた次亜塩素酸を、エチレンと反応させてエチレンクロロヒドリンを製造する方法において、膜分離を行う前に蒸留に付すことにより、副生する塩酸濃度を有効に低減させ、分離膜の劣化を大幅に抑制して、効率良くエチレンクロロヒドリンの製造方法を提供することを目的とする。 本願は、以下の(1)から(7)の発明を提供する。 (1)塩素を水に溶解することにより得られた次亜塩素酸を、エチレンと反応させてエチレンクロロヒドリンを製造する方法において、 得られたエチレンクロロヒドリンを蒸留に付し、その後、膜分離して高純度のエチレンクロロヒドリンを得ることを含むエチレンクロロヒドリンの製造方法。 (2)前記蒸留に付す際のエチレンクロロヒドリンを10wt%以下の濃度にする(1)に記載のエチレンクロロヒドリンの製造方法。 (3)前記蒸留を理論段数3段以上5段以下の蒸留塔を用いて行なう(1)又は(2)に記載のエチレンクロロヒドリンの製造方法。 (4)前記蒸留に付して得られた蒸気を凝縮させることなく膜分離に送りこむ(1)〜(3)のいずれか1つに記載のエチレンクロロヒドリンの製造方法。 (5)前記膜分離においてゼオライト膜を分離膜として利用する(1)〜(4)記載のいずれか1つに記載のエチレンクロロヒドリンの製造方法。 (6)前記ゼオライト膜をT型又はNaA型ゼオライト膜とする(5)記載のエチレンクロロヒドリンの製造方法。 (7)前記蒸留から膜分離までを55〜140℃の温度範囲で行う(1)〜(6)のいずれか1つに記載のエチレンクロロヒドリンの製造方法。 本発明によれば、エチレンクロロヒドリンの製造において、膜分離する前に蒸留に付すことにより、副生する塩酸濃度を有効に低減させて、膜分離に使用する分離膜の劣化を抑制することができ、効率良くエチレンクロロヒドリンを製造することを可能とする。本発明の方法を実施するためのシステムを説明するための概略図である。 本発明のエチレンクロロヒドリンの製造方法では、塩素を水に溶解することにより次亜塩素酸を得、得られた次亜塩素酸をエチレンと反応させてエチレンクロロヒドリンを得る。 この工程自体は、従来から公知の方法のいずれをも利用することができる。 例えば、次亜塩素酸を生成する反応及び次亜塩素酸とエチレンとの反応は、室温でも十分に反応が進むため、特に加温の必要はなく、塩素と水との反応をより促進するためには、例えば0℃〜室温程度の範囲が好ましい。 塩素は、通常、気体状のものが用いられる。塩素の水への溶解量は特に限定されない。 ただし、塩素を水に溶解することによる次亜塩素酸の生成とともに副生する塩酸は、後述する分離膜の劣化を引き起こすことがある。塩酸による分離膜の劣化を抑えるために前段の反応過程でエチレンクロロヒドリン濃度を20wt%以下及び塩酸濃度を10wt%以下とすることが好ましく、特にエチレンクロロヒドリン濃度10wt%以下及び塩酸濃度5wt%以下が好ましい。 また、エチレンの供給は安全の観点から上述した塩素量よりも多いことが好ましい。 これらの反応は、従来の反応器を用いて行うことができる。例えば、バッチ式又は連続式の反応器等のいずれでも利用することができる。 次いで、得られたエチレンクロロヒドリン(好ましくは20wt%以下の濃度で、より好ましくは10wt%以下の濃度で)蒸留に付す。 蒸留は、通常、蒸留塔を用いて行うことが好ましい。蒸留塔の形態は特に限定されず、例えば、本体である塔部分に加えて、気化器及び/又は凝縮器(パーシャルコンデンサー、トータルコンデンサー等)が付属しているものを用いてもよい。また、気化→揮発性成分の増加→液化→再気化→揮発性成分の増加というサイクルを塔内で効率よく起こさせることができる棚段塔、充填塔などを用いることが好ましい。このとき、精密蒸留の前に単蒸留を組み合わせることにより、塩酸の濃縮効果をさらに高めることができる。 また、膜の劣化を防ぐために蒸留塔内でより精密に塩酸を分離、除去するために、理論段数が2段以上の精密蒸留が望ましい。 ここで理論段数とは、蒸留装置の分離性能を表す指標である。その装置と同じ分離の程度を達成するために、その装置と運転条件が同じ理想的なバッチ式の分離装置を何段重ねる必要があるかで表す。よって、本願においては理論段数は、単蒸留を繰り返した回数とする。 エネルギー効率の観点から、分離膜への供給段階において共沸組成に近づけることが望まれる。ここでエチレンクロロヒドリン水溶液の共沸組成は50〜57wt%程度であり、エチレンクロロヒドリン濃度が10wt%程度のものを蒸留によって共沸組成に近づけるためには3段以上5段以下の理論段数をもつ蒸留装置が好ましい。 充填塔を用いる場合、気液接触面積を大きくするための充填物は、蒸気が流通可能であれば特に限定されることなく、任意に選択して使用することができる。例えば、材質は、ガラス、ステンレスなど、形状は、球状、円筒状、サドル状、レッシングリングなどが挙げられる。 蒸留のための内圧及び温度等は特に限定されない。例えば、蒸留時にはエネルギー効率の観点から大気圧以下の減圧下で行うことが好ましい。しかし後述する膜分離に付す際には蒸気を気体のまま送ることが望ましく、蒸留時に加圧などによって蒸気温度を高く維持し、そのまま膜分離に付すこともできる。 蒸留した後、得られた蒸留物を膜分離に付す。 蒸留によって塩酸が分離され、エチレンクロロヒドリンが濃縮された蒸気が得られるため、エネルギー効率の観点から、蒸気を凝縮させることなく蒸気のまま、膜分離に付すことが好ましい。そのため蒸留後に加圧及び加温することも可能である。 この際、膜による分離効率を向上させるため及び膜の劣化を防ぐために、分離後のエチレンクロロヒドリンの高濃度蒸気を、蒸留後に得られた共沸組成の蒸留物に戻して再度膜分離を行ってもよい。 通常、膜分離では、分離膜が用いられる。分離膜は、一般に、多孔質支持体表面に分離膜を合成して構成されたものが用いられる。多孔体支持体としてはアルミナ、炭化ケイ素、チッ化ケイ素などのセラミック;ステンレス、アルミニウムなどの金属;ポリエチレン、ポリイミド等の有機高分子;等からなる多孔質材料が挙げられる。分離膜は、通常、親水性膜及び疎水性膜に分類される。親水性膜としては、ゼオライト、PVA(ポリビニルアルコール)などがあり、また疎水性膜にはシリコン系材料等によるものが挙げられ、本発明の膜分離においては、いずれをも用いることができる。なかでも、ゼオライト膜が好ましく、T型又はNaA型ゼオライト膜がより好ましい。分離膜の孔径は、例えば4.1〜5.2オングストローム程度が挙げられる。 なお、高分子材料に代表される有機材料による分離膜は、耐熱性、耐久性、さらには分離の際の選択性及び透過速度などに課題があるため、無機材料による分離膜が研究されており、特にゼオライト膜が注目されている。ゼオライト膜は、処理温度が高いほど分離性能が向上する性質を有している。一方、エチレンクロロヒドリンは、高温では二分子がエーテル化し、ジクロロエチルエーテルを生成する。よって、膜分離における処理温度は55〜150℃の温度範囲が好ましく、分離性能を考慮すると、より好ましくは80〜130℃の温度範囲である。 膜分離を、上述した蒸気を透過させる蒸気透過法で行う場合、例えば、図1に示すシステム又はこれに準じたシステムを利用して行うことが好ましい。 まず、エチレンクロロヒドリン溶液を気化したエチレンクロロヒドリン含有ガスAを蒸留塔1に導入する。あるいは、エチレンクロロヒドリン溶液をそのまま、気化器を備えた蒸留塔に導入し、気化させてもよい。 蒸留塔1を利用してエチレンクロロヒドリン溶液を蒸留することにより、塩酸Bを高濃度の溶液として留去することができる。一方、塩酸が留去されたエチレンクロロヒドリン蒸気Cは、保温/加温室2内に設置された膜モジュール3に導入される。膜モジュール3では、分離膜4を透過した蒸気が収容される透過蒸気室5(濃縮蒸気出口)が、蒸気凝縮器6を経て真空ポンプ7に接続されている。また、膜モジュール3には、分離膜4を透過しないで分離されるエチレンクロロヒドリンの濃縮液Dを回収するための開閉バルブ8が設けられている。 エチレンクロロヒドリン蒸気Cは、真空ポンプ7を利用して各分離膜4内部を適当な真空度で減圧することにより、分離膜4を通過させる。これによって、エチレンクロロヒドリンが、分離膜4で凝集し濃縮液として回収することができる。この際の減圧する真空度は特に限定されないが、例えば、0.013〜5kPa、好ましくは0.13〜2.6kPa(1〜20mmHg)程度が挙げられる。一方、透過蒸気室5から排出される蒸気は、蒸気凝縮器6で凝縮させて液化し、透過液として回収される。 なお、蒸気凝縮器6と液化した回収物を収容する容器は、両者を組み合わせたトラップで構成してもよい。 また、蒸気透過法では、分離膜の表面に混合蒸気が凝縮すると、凝縮部分では分離操作ができず、有効な分離膜面積が減少する。従って、膜内での凝集を防止するために、膜分離工程では保温、加温が必要である。そのために、膜モジュール3を保温/加温室2内に設置することが好ましい。保温/加温室2では、蒸気を保温、加温するための熱媒、リボンヒータ等の加熱装置、蒸気を加圧凝縮し昇温し得る手段を用いることができる。これにより、例えば、分離膜での分離を、55〜140℃の温度範囲で行なうことができる。分離膜の長さ、モジュールの数は、特に限定されず、任意に増減することができる。 本発明のエチレンクロロヒドリン溶液の製造方法における蒸留及び膜分離の一連の工程は、プロピレンを用いたプロピレンクロロヒドリン、アリルクロライドを用いたジクロロプロパノールなどの溶液の製造方法、つまり、これらの溶液を濃縮する工程を含む製造方法にも適用することができる。 以下に、本発明のエチレンクロロヒドリンの製造方法を詳細に説明する。 (エチレンクロロヒドリンの生成) エチレンクロロヒドリンの製造は、容量500mlのガラス製反応容器を用いて行った。 まず、塩素ガスを水中へ吹き込み、同時にエチレンを注入することにより、エチレンクロロヒドリン、塩酸水溶液を得た。 (蒸留) 得られたエチレンクロロヒドリン水溶液を、精密蒸留塔(内径18mm、高さ450mm)に充填物としてガラスビーズ(外径4mm×長さ4mm)を用いて、120℃で蒸留を行い、ほぼ共沸組成に近い蒸気を得た。この際、高濃度で塩酸溶液を回収した。 (膜分離) 得られた蒸気を、図1に示すシステムにおける分離膜4に通し、高純度の濃縮液状のエチレンクロロヒドリンを得た。 得られた濃縮液のエチレンクロロヒドリン濃度は、98%であった。 実施例では分離工程後の濃縮液及び透過液のエチレンクロロヒドリン濃度から以下の式を用いて劣化の影響を調べた。分離膜は劣化が進むと透過液中にエチレンクロロヒドリンを含むようになる。 濃縮液中のエチレンクロロヒドリン量と透過液中のエチレンクロロヒドリン量の比は膜に通過するエチレンクロロヒドリンの分離比を示す。分離比が大きいほど、ロスが少なく、エチレンクロロヒドリンを濃縮できることが分かる。以下に示した実施例を各10回繰り返し、初回時と10回目のエチレンクロロヒドリン量の分離比を比較することで膜の劣化を定量化した(初回時の膜の分離比を100とした)。 分離比=濃縮液中のエチレンクロロヒドリン量(g)/透過液中のエチレンクロロヒドリン量(g) 上記濃度を計算するに当たり、反応液組成は、ガスクロマトグラフ(島津製作所製、商品名GC−2010)、キャピラリーカラム(Agilent J&W社製、商品名DB−1、30m×0.25mm(内径)、膜厚1.0μm)水素炎イオン化検出器(FID)を用い定量した。 各生成物(モル%)=各生成物量(mol)/総生成物量(mol)×100 実施例1 エチレンクロロヒドリン23wt%、塩酸11wt%の500mLの水溶液を調整した。膜モジュールに接続しているポンプを真空度2.6kPaとなるように設定した。蒸気温度100℃で2時間、単蒸留を行った。得られた蒸気を外径12mmφ、長さ300mmのNaA型ゼオライト膜に通し、分離膜の劣化による影響を分離比を用いて定量化した。 初回時の分離比を100とすると10回目の分離比は2.54であった。 比較例1 ガラス製反応容器に水500mLを入れ、塩素(70sccm)及びエチレンガス(110sccm)を吹き込み、エチレンクロロヒドリン7.2wt%、塩酸4wt%の水溶液を得た。この溶液を200℃に保った気化器に200g/hの流量で送り込み、全量気化させて外径12mmφ、長さ300mmのNaA型ゼオライト膜に通し、分離膜の劣化による影響を分離比を用いて定量化した。 初回時の分離比を100とすると10回目の分離比は0.05であった。 実施例2 ガラス製反応容器に水500mLを入れ、塩素(70sccm)及びエチレンガス(110sccm)を吹き込み、エチレンクロロヒドリン7.2wt%、塩酸4wt%の水溶液を得た。蒸気温度100℃で2時間、理論段数1段の単蒸留を行い、その蒸気を外径12mmφ、長さ300mmのNaA型ゼオライト膜に通し、分離膜の劣化による影響を分離比を用いて定量化した。 初回時の分離比を100とすると10回目の分離比は13.01であった。 実施例3 ガラス製反応容器に水500mLを入れ、塩素(70sccm)及びエチレンガス(110sccm)を吹き込み、エチレンクロロヒドリン7.2wt%、塩酸4wt%の水溶液を得た。膜モジュールに接続しているポンプを真空度2.6kPaとなるように設定した。蒸気温度100℃で2時間、理論段数3.6の蒸留塔を用いて、精密蒸留を行った。 得られたの蒸気を外径12mmφ、長さ300mmのNaA型ゼオライト膜に通し、分離膜の劣化による影響を分離比を用いて定量化した。 初回時の分離比を100とすると10回目の分離比は58.62であった。 本発明によれば、副生する塩酸による分離膜の劣化を大幅に抑え、効率的なエチレンクロロヒドリンの製造方法を提供することができる。 1 蒸留塔 2 保温/加温室 3 膜モジュール 4 分離膜 5 蒸気透過室 6 蒸気凝縮器 7 真空ポンプ 8 開閉バルブ A エチレンクロロヒドリン含有ガス B 塩酸 C 回収したエチレンクロロヒドリン蒸気 D エチレンクロロヒドリンの濃縮液 E 透過液 塩素を水に溶解することにより得られた次亜塩素酸を、エチレンと反応させてエチレンクロロヒドリンを製造する方法において、 得られたエチレンクロロヒドリンを蒸留に付し、その後、膜分離して高純度のエチレンクロロヒドリンを得ることを含むエチレンクロロヒドリンの製造方法。 前記蒸留に付す際のエチレンクロロヒドリンを10wt%以下の濃度にする請求項1に記載のエチレンクロロヒドリンの製造方法。 前記蒸留を理論段数3段以上5段以下の蒸留塔を用いて行なう請求項1又は2に記載のエチレンクロロヒドリンの製造方法。 前記蒸留に付して得られた蒸気を凝縮させることなく膜分離に送りこむ請求項1〜3のいずれか1つに記載のエチレンクロロヒドリンの製造方法。 前記膜分離においてゼオライト膜を分離膜として利用する請求項1〜4記載のいずれか1つに記載のエチレンクロロヒドリンの製造方法。 前記ゼオライト膜をT型又はNaA型ゼオライト膜とする請求項5記載のエチレンクロロヒドリンの製造方法。 前記蒸留から膜分離までを55〜140℃の温度範囲で行う請求項1〜6のいずれか1つに記載のエチレンクロロヒドリンの製造方法。 【課題】副生する塩酸濃度を有効に低減させて、膜分離に使用する分離膜の劣化を抑制して、効率良くエチレンクロロヒドリンを製造する方法の提供。【解決手段】塩素を水に溶解することにより得られた次亜塩素酸を、エチレンと反応させてエチレンクロロヒドリンを製造する方法において、得られたエチレンクロロヒドリンを蒸留に付し、その後、膜分離して高純度のエチレンクロロヒドリンを得ることを含むエチレンクロロヒドリンの製造方法。【選択図】なし