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タイトル:再公表特許(A1)_アミノ安息香酸誘導体の有機アミン塩及びその製造方法
出願番号:2011075218
年次:2014
IPC分類:C07D 333/32,A61K 31/381,A61P 7/04,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

岩本 俊介 中野 智 石田 まりこ 山本 正雄 竹内 和也 JP WO2012060388 20120510 JP2011075218 20111101 アミノ安息香酸誘導体の有機アミン塩及びその製造方法 日産化学工業株式会社 000003986 泉名 謙治 100090918 小川 利春 100082887 岩本 俊介 中野 智 石田 まりこ 山本 正雄 竹内 和也 JP 2010246632 20101102 C07D 333/32 20060101AFI20140415BHJP A61K 31/381 20060101ALI20140415BHJP A61P 7/04 20060101ALI20140415BHJP A61P 43/00 20060101ALI20140415BHJP JPC07D333/32A61K31/381A61P7/04A61P43/00 111 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN 再公表特許(A1) 20140512 2012541883 21 4C023 4C086 4C023FA01 4C086AA01 4C086AA02 4C086AA03 4C086AA04 4C086BB02 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA53 4C086ZC02 4C086ZC42 本発明は、新規なトロンボポエチンレセプター活性化剤3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸の有機アミン塩に関する。本発明化合物は、特に血小板数の異常を伴う疾患の治療剤や血小板増多剤として有用である。 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸(以下、化合物Aと呼ぶ)は、トロンボポエチンレセプター活性化剤として有用である。化合物Aはその互変異性体、プロドラッグ若しくはその医薬的に許容され得る塩又はそれらの溶媒和物とともに国際公開第04/108683号パンフレット(特許文献1)や特表2006−527187(特許文献2)に一般式に含まれる形で開示されている。また化合物Aは、米国公開公報US2006094694(特許文献3)では特定の化合物として開示されている。しかしながら、化合物Aの塩については、医薬的に許容される塩としてアルカリ金属塩などの例示はあるものの、具体的な塩の実施例はない。国際公開第04/108683号パンフレット特表2006−527187米国公開公報US2006094694 本発明の目的は、3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸の遊離体やアルカリ金属塩に比べて、体内動態特性や安定性の向上した、医薬の有効成分として有用な性質をもつ新規な塩及びそれらの塩を有効成分とする医薬を提供することである。本発明のその他の目的は前述の新規な塩の製造方法を提供することである。 本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、新規な3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸の有機アミン塩または四級アンモニウム塩、当該有機アミン塩または四級アンモニウム塩を有効成分とする医薬及び当該有機アミン塩または四級アンモニウム塩の製造方法を見出した。驚くべきことに、これらの有機アミン塩または四級アンモニウム塩は治療剤として用いる場合に有用な利点を有する。即ちこれらの有機アミン塩または四級アンモニウム塩は、その遊離体やアルカリ金属塩に比較し著しく体内動態特性及び/又は安定性の向上が見られた。 すなわち本発明は以下を特徴とするものである。(1) 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸の有機アミン塩または四級アンモニウム塩。(2) 有機アミンまたは四級アンモニウム塩が、水酸基を有する有機アミンまたは四級アンモニウム塩である、(1)に記載の有機アミン塩または四級アンモニウム塩。(3) 水酸基を有する有機アミンまたは四級アンモニウム塩が、エタノールアミン、トロメタミン又はコリンである、(2)に記載の有機アミン塩または四級アンモニウム塩。(4) 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸のエタノールアミン塩。(5) 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸のトロメタミン塩。(6) 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸のコリン塩。(7) (1)乃至(6)の何れかに記載の有機アミン塩または四級アンモニウム塩を有効成分とする医薬。(8) 医薬がトロンボポエチン受容体活性化剤である、(7)に記載の医薬。(9) 医薬が血小板増多剤である、(7)に記載の医薬。(10) 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸と、有機アミンまたは四級アンモニウム塩とを、溶媒中で反応させることを特徴とする3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸の有機アミン塩または四級アンモニウム塩の製造方法。(11) 0〜70℃で反応させ、生成した有機アミン塩または四級アンモニウム塩を結晶化させる、(10)に記載の製造方法。(12) 有機アミンまたは四級アンモニウム塩が、エタノールアミン、トロメタミン又はコリンである、(10)又は(11)に記載の製造方法。(13) 有機アミンがエタノールアミンであり、溶媒がアセトニトリルである、(10)又は(11)に記載の製造方法。(14) 有機アミンがトロメタミンであり、溶媒がテトラヒドロフランであり、有機アミン塩生成後溶媒にアセトニトリルを添加して結晶化させる、(10)又は(11)に記載の製造方法。(15) 有機アミンがトロメタミンであり、溶媒がアセトンと水との混合溶媒であり、有機アミン塩生成後溶媒を1−プロパノールに置換して結晶化させる、(10)又は(11)に記載の製造方法。(16) 有機アミンまたは四級アンモニウム塩がコリンであり、溶媒がアセトニトリルである、(10)又は(11)に記載の製造方法。 本発明の有機アミン塩は、体内動態特性及び/又は安定性に優れ、トロンボポエチンレセプター活性化剤や血小板増多剤などの医薬の有効成分として有用な性質をもつ。図1は、実施例のイヌ経口吸収性試験の結果を示すグラフであり、化合物A(Free Acid)、化合物Aのカリウム塩(Potassium Salt)、化合物Aのコリン塩(Choline Salt)、化合物Aのエタノールアミン塩(Ethanolamine Salt)及び化合物Aのトロメタミン塩(Tromethamine Salt)を投与した後の経過時間に対するそれぞれの血漿中濃度推移を示す。 本発明中、「t」はターシャリーを意味する。 まず本発明における化合物Aについて説明する。 化合物Aとは、3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸を意味する。化合物Aの構造式は以下の式(II)で示される。 化合物Aは、その幾何異性体又はそれらの互変異性体も含む。また、化合物Aはその幾何異性体、互変異性体同士が任意の割合で含まれる混合物も含む。 また、化合物Aは、3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸(E体)、及びその幾何異性体である3−{[((2Z)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸(Z体)を含むが、本発明においては、E体が好ましい。 次に本発明における有機アミンについて説明する。 本発明における有機アミンとは、アンモニアの水素原子を炭化水素基で1つ以上置換した化合物を言う。 本発明の有機アミンは、置換基を有していても良い炭化水素基1つで置換された1級アミン、同じく2つで置換された2級アミン、及び3つで置換された3級アミンを含む。 なお、四級アンモニウム塩は、化合物Aと塩を形成する前は、別のカウンターアニオンと塩を形成しており、化合物Aと塩を形成する際には、所謂カウンターアニオン交換により塩を形成する。 さらに本発明の有機アミン塩及び四級アンモニウム塩の特徴について説明する。 本発明における有機アミン塩及び四級アンモニウム塩は、イオンを表示する化学式で記載すると以下の式(I)で示される。 ここでA−とは、化合物Aから水素イオンをn個(nは0より大きく4以下を意味する。)除いたn価の有機アニオンを意味し、好ましくは、nが1又は2である下記式(III)で表される有機アニオンなどが挙げられる。 特に好ましくは、nが1である下記式(IV)で表される有機アニオンが挙げられる。 さらに特に好ましくは、下記式(V)で表される有機アニオンが挙げられる。 式(I)中、Bとは、n個のアミノ基を有する一級、二級若しくは三級有機アミン又は、n価の四級アンモニウム塩を意味し、同一若しくは異なっていてもよい有機アミン又は四級アンモニウム塩の組み合わせでもよい。好ましい具体例としては、水酸基を有する有機アミン及び水酸基を有する四級アンモニウム塩が挙げられ、特に好ましい具体例としては、ジオラミン、メグルミン、エタノールアミン、トロメタミン、コリンなどが挙げられ、さらに特に好ましい具体例としては、エタノールアミン、トロメタミン、カチオン部がコリンである四級アンモニウム塩が挙げられる。 B+とは、n個のアミノ基に水素イオンをそれぞれ1個加えた有機アンモニウムカチオンを意味するか、若しくはn価の四級アンモニウム塩のカチオン部を意味し、同一若しくは異なっていてもよい有機アンモニウムカチオン又は四級アンモニウム塩のカチオン部の組み合わせにより、n価のカチオンになっていてもよく、好ましい具体例としては、水酸基を有する有機アンモニウムカチオン及び水酸基を有する四級アンモニウム塩のカチオン部などが挙げられる。特に好ましい具体例としては、nが1である下記式(VI)で表される有機アンモニウムカチオンなどが挙げられる。 さらに特に好ましい具体例としては、下記式(VII)で表される有機アンモニウムカチオンが挙げられる。 本発明の有機アミン塩または四級アンモニウム塩の概念には、当該有機アミン塩または四級アンモニウム塩の溶媒和物も含まれる。溶媒和物を形成する溶媒としては、有機アミン塩または四級アンモニウム塩の製造過程で用いられる溶媒や製造後に付着する溶媒が考えられる。溶媒和物を形成する溶媒の具体例としては、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトンなどのケトン系溶媒、メタノールなどのアルコール系溶媒、及び水が挙げられる。溶媒和物を形成する可能性が高い溶媒としては、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトン、メタノール、1−プロパノール及び水が挙げられる。 本製造法で用いる溶媒は、反応を阻害するもので無ければ特に限定されないが、水溶性溶媒、酢酸エステル又は水が望ましい。より望ましくはアセトニトリル、アセトン、アセトンと水との混合溶媒、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、酢酸エチルであり、さらに望ましくはアセトニトリル、アセトンと水の混合溶媒、テトラヒドロフラン又は1−プロパノールである。 なお水溶性溶媒とは、水と任意の割合で溶解する溶媒をいう。 本製造法において、有機アミンまたは四級アンモニウム塩は、溶媒に溶解させずにそのまま反応系中に加えても、有機アミンまたは四級アンモニウム塩の溶液として系中に加えてもよいが、工業的製造法としては取り扱いの容易さから有機アミンまたは四級アンモニウム塩の溶液で加えることが望ましい。有機アミンまたは四級アンモニウム塩の溶液の溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール又は水が望ましく、より望ましくはメタノール又は水である。反応系中に加える順番は、化合物Aの溶液に有機アミンまたは四級アンモニウム塩を加えても、有機アミンまたは四級アンモニウム塩の溶液に化合物Aを加えても良いが、化合物Aの溶液に有機アミンまたは四級アンモニウム塩を加えることが望ましい。 本製造法においては、工業的製造法の取り扱いを容易にするため、また望む性質をもつ生成物を再現性よく得るためにも、生じる塩は結晶化して取り出すことが望ましい。 結晶化の際には、貧溶媒を用いても良い。かかる貧溶媒としては酢酸エチル、アセトニトリル、1−プロパノール又は2−プロパノールが望ましく、さらに望ましくはアセトニトリル、1−プロパノール又は2−プロパノールである。貧溶媒を加える際は、少量ずつ徐々に加えることが望ましい。化合物Aと有機アミンまたは四級アンモニウム塩に対して良溶媒であり、生成物である有機アミン塩または四級アンモニウム塩に対して貧溶媒である溶媒を使用して反応を行うことにより、生成物の形成とその結晶化を同時に行って生成物の結晶を得ることもできる。 結晶化の際には、必要に応じて種晶を加えても良い。かかる種晶は、目的とする化合物を含む溶液の入った容器の内壁をスパーテルでこするなど、当業者に良く知られた方法で取得可能である。 具体的には、例えば、有機アミンまたは四級アンモニウム塩がエタノールアミン又はコリンである場合、溶媒としてアセトニトリルを使用することにより、化合物Aのエタノールアミン塩又はコリン塩の結晶を製造することができる。有機アミンがトロメタミンである場合は、溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、化合物Aのトロメタミン塩が生成した後テトラヒドロフラン溶媒にアセトニトリルを添加して結晶化させることができ、また、溶媒としてアセトンと水との混合溶媒を使用し、化合物Aのトロメタミン塩が生成した後上記混合溶媒を1−プロパノールに置換して結晶化させることができる。 化合物Aと有機アミンまたは四級アンモニウム塩が反応する際の反応溶液・懸濁液の温度は、反応が進行する温度であれば溶媒の凝固点から沸点の間で実施できる。望ましくは、内温−78℃から80℃であり、さらに望ましくは内温0℃から70℃であり、さらに望ましくは、内温10℃から60℃である。また、有機アミン塩または四級アンモニウム塩を晶析させる際の溶液・懸濁液の温度は、晶析が進行する温度であれば溶媒の凝固点から沸点の間で実施できる。望ましくは、内温−78℃から50℃であり、さらに望ましくは内温−10℃から40℃であり、さらに望ましくは、内温0℃から30℃である。 化合物Aと有機アミンまたは四級アンモニウム塩が反応する際の反応時間は、分解反応が起こらない限りの時間であれば実施できるが、望ましくは1分から5時間であり、さらに望ましくは1分から3時間である。また、有機アミン塩または四級アンモニウム塩を晶析させる撹拌時間としては、分解が起こらず晶析が進行する限りの時間であれば実施できるが、望ましくは1時間から48時間であり、さらに望ましくは2時間から24時間である。 本製造法においては、原料の化合物Aとして、化合物Aの溶媒和物を用いても良い。かかる溶媒和物の具体例としてはメタノール和物、2−プロパノール和物、2−ブタノール和物などが挙げられる。 本発明の医薬の形態の具体例としては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤若しくはシロップ剤などの経口投与剤、直腸投与剤、経皮吸収剤又は注射剤が挙げられる。 本発明の医薬は他の治療剤と併用しても良く、また混合剤として投与しても良い。 本発明の医薬は、化合物Aの有機アミン塩または四級アンモニウム塩を有効成分とする。 本発明の医薬は、化合物Aの有機アミン塩または四級アンモニウム塩のみで構成されても良い。しかし、本発明の医薬は、医薬として適切な性質を付与するため、化合物Aの有機アミン塩または四級アンモニウム塩を有効成分とし、さらにその他の成分を加えた組成物とすることが好ましい。 それらの組成物は、治療用に許容しうるビヒクルを加え、常法により製造することができる。すなわち、経口剤には通常の賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、湿潤剤、可塑剤、コーティング剤などのビヒクルを使用することができる。経口用液剤は、水性又は油性懸濁液、溶液、乳濁液、シロップ、エリキシルなどの形態であってもよく、あるいは使用前に水又はほかの適当な溶媒で調製するドライシロップとして供されてもよい。前記の液剤は、懸濁化剤、香料、希釈剤あるいは乳化剤のような通常の添加剤を含むことができる。直腸内投与する場合は坐剤として投与することができる。坐剤はカカオ脂、ラウリン脂、マクロゴール、グリセロゼラチン、ウィテップゾール、ステアリン酸ナトリウム又はそれらの混合物など、適当な物質を基剤として、必要に応じて乳化剤、懸濁化剤、保存剤などを加えることができる。注射剤は、水性あるいは用時溶解型剤形を構成しうる注射用蒸留水、生理食塩水、5%ブドウ糖溶液、プロピレングリコールなどの溶解剤ないし溶解補助剤、pH調節剤、等張化剤、安定化剤などの製剤成分が使用される。 本発明の「有機アミン塩または四級アンモニウム塩を有効成分とする医薬」の概念を別の表現で表す場合、「医薬としての使用のための有機アミン塩または四級アンモニウム塩」又は「有機アミン塩または四級アンモニウム塩を用いる治療方法」と表現することもできる。 医薬がトロンボポエチン受容体活性化剤の場合は、本発明は「トロンボポエチン受容体活性剤としての使用のための有機アミン塩または四級アンモニウム塩」又は「有機アミン塩または四級アンモニウム塩を用いるトロンボポエチン受容体活性化による治療の方法」と表現することもできる。 医薬が血小板増多剤の場合は、本発明は「血小板増多剤としての使用のための有機アミン塩または四級アンモニウム塩」または「有機アミン塩または四級アンモニウム塩を用いる血小板増多による治療方法」と表現することもできる。 医薬が血小板減少症治療剤の場合は、本発明は「血小板減少症治療剤としての使用のための有機アミン塩または四級アンモニウム塩」または「有機アミン塩または四級アンモニウム塩を用いる血小板減少症の治療方法」と表現することもできる。 本発明の医薬をヒトに投与する場合は、その投与量を患者の年齢、状態、症状等により決定するが通常成人の場合、経口剤あるいは直腸内投与では0.1〜1000mg/ヒト/日程度、注射剤で0.05mg〜500mg/ヒト/日程度である。これらの数値はあくまでも例示であり、投与量は患者の年齢、状態、症状等にあわせて適宜決定されるものである。 本発明の有機アミン塩または四級アンモニウム塩又は当該有機アミン塩または四級アンモニウム塩を有効成分とする医薬を使用する場面としては、トロンボポエチンレセプター親和性及びアゴニスト活性を有する化合物を使用することにより病態の改善が期待できる、すなわちトロンボポエチンレセプター活性化作用が有効な疾患の予防、治療、改善が期待できる場面が挙げられる。そのような具体的な疾患としては、血小板数の異常を伴う血液疾患が挙げられる。より詳細には巨核球による造血過程の異常に起因するヒトを含む哺乳類の疾患、とりわけ血小板減少を伴う疾患の治療や予防に有用である。このような疾患としては例えば、癌化学療法及び又は癌放射線療法に伴う血小板減少、C型肝炎等の抗ウイルス療法に伴う血小板減少、骨髄移植、手術、及び重症感染症による血小板減少、あるいは消化管出血等をあげることができるが、これらに限定されることはない。血小板減少を伴う代表的な疾患である再生不良性貧血や特発性血小板減少性紫斑病、骨髄異形成症候群、肝疾患、HIV感染症、トロンボポエチン欠損症なども本発明の医薬適用対象である。また、本発明は末梢血幹細胞放出促進剤、巨核球性白血病細胞の分化誘導剤、血小板ドナーの血小板増多剤などとして使用することもできる。またこの他、血管内皮及び内皮前駆細胞の分化増殖により、血管新生療法に用いたり、動脈硬化症、心筋梗塞、不安定狭心症、末梢動脈閉塞症などを予防・治療したりする場面が想定されるが、これらに限定されることはない。 以下に合成例、試験例、製剤例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 なお実施例中、LCは液体クロマトグラフィー、HPLCは高速液体クロマトグラフィー、MSは質量スペクトル分析、LC/MSは液体クロマトグラフィー-質量分析、LC/MS/MSは、液体クロマトグラフィー-タンデム型質量分析、TGは熱重量分析、Cmaxは最高血漿中濃度、Tmaxは最高血漿中濃度到達時間、AUCは血漿中濃度時間曲線下面積を示す。 尚、機器分析はそれぞれ以下の装置条件を用いて行った。1H-NMRは300MHzで測定した。TGは、TG8120(リガク社製)で測定した。参考合成例1 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸は、米国公開公報US2006094694記載の方法により合成した。参考合成例2 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸カリウム塩 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸カリウム塩は、米国公開公報US2006094694に記載の方法により合成した。合成例 13−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸エタノールアミン塩 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸(10.25 g, 21.92 mmol)のアセトニトリル懸濁液(218 mL)に、エタノールアミン(1.47 g, 24.07 mmol)のメタノール溶液(24.0 mL)を加えて、室温で2時間50分撹拌させた。生じた析出物をろ取し、アセトニトリルで洗浄、減圧下乾燥することで、目的物10.88 g(94%収率)を得た。形状:淡黄色固体1H-NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 1.30 (9H, s), 2.39 (3H, s), 2.84 (2H, t, J=5.0Hz), 3.56 (2H, t, J=5.0Hz), 7.27 (1H, dd, J=8.0&7.5Hz), 7.40 (2H, d, J=8.5Hz), 7.46 (1H, d, J=7.5Hz), 7.62 (1H, s), 7.73 (2H, d, J=8.5Hz), 7.91 (1H, d, J=8.0Hz), 8.50 (1H, s)合成例 23−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸トロメタミン塩 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸(9.4 g, 20.1 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(100 mL)にトロメタミン(2.7 g, 22.3 mmol)水溶液(20 mL)を加え、続いてアセトニトリル(400 mL)を加え、室温で1日撹拌させた。生じた析出物をろ取し、減圧下乾燥することで、目的物11.3 g(95%収率)を得た。形状:白色〜淡黄緑色固体1H-NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 1.30 (9H, s), 2.38 (3H, s), 3.45 (6H, s), 7.29 (1H, dd, J=8.0&7.5Hz), 7.40 (2H, d, J=8.5Hz), 7.47 (1H, d, J=7.5Hz), 7.64 (1H, s), 7.72 (2H, d, J=8.5Hz), 7.89 (1H, d, J=8.0Hz), 8.51 (1H, s)合成例33−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸トロメタミン塩 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸(4.7 g, 10.0 mmol)のアセトン(130 mL)と水(5.2 mL)の混合溶液にトロメタミン(1.27 g, 10.5 mmol)水溶液(4.7 mL)を加え、50℃にて30分攪拌させた。溶媒を1−プロパノールに置換させ、生じた析出物をろ取し、減圧下乾燥することで、目的物5.14 g(91%収率)を得た。形状:淡黄色固体合成例43−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸コリン塩 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸(9.40 g, 20.11 mmol)のアセトニトリル懸濁液(300 mL)に、コリンの3.5 Mメタノール溶液(6.11 mL, 21.39 mmol)を加え、室温で40分撹拌させた。種晶(およそ10 mg)を投入し、室温で15時間撹拌させた。生じた析出物をろ取し、アセトニトリルで洗浄、減圧下乾燥することで、目的物10.05 g(82.3%収率)を得た。形状:淡黄色固体1H-NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 1.30 (9H, s), 2.39 (3H, s), 3.10 (9H, s), 3.37-3.40 (2H, m), 3.80-3.85 (2H, m), 7.24 (1H, dd, J=8.1&7.5Hz), 7.38-7.41 (3H, m), 7.55 (1H, s), 7.74 (2H, d, J=8.4Hz), 7.92 (1H, d, J=8.1Hz), 8.61 (1H, s)試験例 1イヌ経口吸収性試験 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸の遊離体(化合物A)、カリウム塩及び有機アミン塩(エタノールアミン塩、トロメタミン塩)並びに四級アンモニウム塩(コリン塩)を、ビーグルイヌにカプセルを用いて1頭当たり360mgの投与量で経口投与した。投与後0.5, 1, 2, 4, 6, 8及び24時間に採血を行い、血漿サンプルを得た。それらのイヌ血漿中濃度の測定は、LC/MS/MSを用いて実施した。得られた血漿中濃度を用いて、最高血漿中濃度(Cmax)、最高血漿中濃度到達時間(Tmax)及び血漿中濃度時間曲線下面積(AUC)を算出した。図1に化合物A、カリウム塩及び各種有機アミン塩または四級アンモニウム塩を1頭当たり360mgでイヌに経口投与した後の血漿中濃度推移を示す。 なお図1中で、化合物Aは*(Free Acid)で、カリウム塩は◆(Potassium Salt)で、コリン塩は□(Choline Salt)で、エタノールアミンは▲(Ethanolamine Salt)で、そしてトロメタミン塩は○(Tromethamine Salt)で表される。 本発明の有機アミン塩または四級アンモニウム塩は、化合物Aや国際公開第04/108683号パンフレットに例示のあるカリウム塩に比較し著しく体内動態特性の向上が見られた。すなわち、最大血漿中濃度で比較すると、カリウム塩は化合物Aの7.2倍であったのに対し、有機アミン塩または四級アンモニウム塩は、カリウム塩のさらに1.7乃至2.2倍であり、化合物Aの12.0倍乃至15.7倍という明らかな向上が見られた。また、血漿中濃度時間曲線下面積で比較すると、カリウム塩は化合物Aの6.3倍であったのに対し、有機アミン塩または四級アンモニウム塩は、カリウム塩のさらに2.9乃至4.4倍であり、化合物Aの18.4乃至27.6倍という著しい向上が見られた。上述のように、カリウム塩に対し、有機アミン塩または四級アンモニウム塩(とりわけ、コリン塩、エタノールアミン塩、トロメタミン塩)において、このような体内動態特性の著しい向上がみられることは、当業者であっても予想できない効果であり、本発明の有用性を示すデータであると考える。 以下の試験例2〜4で、3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸の、それぞれエタノールアミン塩(1)、トロメタミン塩(2)、コリン塩(3)及びカリウム塩(4)の温度、湿度、光に対する安定性を評価した。なお評価方法は、以下に示す類縁物質増加(%)の他、重量変化(%)及びTG減量変化(%)を適宜選択して評価した。類縁物質増加(%); 処理前及び処理後の各試料を以下の条件の高速液体クロマトグラフィーで測定し、各資料の類縁物質の面積百分率(%)の総和を算出した。カラム:L-column ODS((財)化学物質評価研究機構 内径4.6mm,長さ250mm)検出器:紫外吸光光度計(測定波長;254nm)カラム温度:40℃流量:1.0mL/min注入量:10μL移動相:(a)0.01M ギ酸アンモニウム緩衝液(pH3.0) (b)アセトニトリル上記(a)(b)液を用い、グラジェントによる測定を行った。 類縁物質の初期値からの増加は、化合物が分解した可能性を示唆する。そのため、類縁物質増加は化合物の安定性の指標となる。重量変化(%); 各試料の処理前後の試料重量を測定し、重量差より増加率を百分率(%)で算出した。処理前後での重量変化の大きさは化合物の安定性の指標となる。TG減量変化(%); 処理前及び処理後の各試料を約5mg量り、アルミパンにつめ、開放条件でTG測定し、各試料のTGでの減量率を百分率(%)で算出した。測定条件を以下に示す。 測定条件; 装置:TG8120(リガク社製) 測定範囲:室温〜105℃ 昇温速度:5℃/分 雰囲気:空気 50mL/分 TG減量の初期値からの増加は、吸湿や化合物分解などの可能性を示唆する。そのため、TG減量変化の大きさは化合物の安定性の指標となる。なお、各サンプルのTG減量及び類縁物質の初期値を表1に示す。(表1)────────────────────────────────── (1) (2) (3) (4)──────────────────────────────────類縁物質(%) 0.34 0.07 0.34 1.86TG減量(%) 0.64 0.11 1.19 3.18────────────────────────────────── 試験例2熱安定試験 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸の、それぞれエタノールアミン塩(1)、トロメタミン塩(2)、コリン塩(3)及びカリウム塩(4)の熱安定性を以下の通りに評価した。(処理条件) 試料を褐色ガラス製容器に入れ、蓋をして、60℃/湿度なりゆきの条件下で2週間放置した。2週間後に試料を取り出し、類縁物質増加(%)を評価した。結果を表2に示す。(表2)────────────────────────────────── (1) (2) (3) (4)──────────────────────────────────類縁物質増加 0.16 −0.01 −0.01 2.46────────────────────────────────── 本発明有機アミン塩または四級アンモニウム塩は、本熱安定性試験条件下での類縁物質の増加がカリウム塩に比べ格段に低く、顕著な安定性を示した。 試験例3湿度安定試験 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸の、それぞれエタノールアミン塩(1)、トロメタミン塩(2)、コリン塩(3)及びカリウム塩(4)の湿度安定性を以下の通りに評価した。(処理条件) 試料約1gを透明なガラス製容器に入れ、開放のまま、25℃/90%RH(相対湿度)の条件下で2週間放置した。2週間後に試料を取り出し、類縁物質増加(%)、重量変化(%)及びTG減量変化(%)を評価した。結果を表3に示す。(表3)────────────────────────────────── (1) (2) (3) (4)──────────────────────────────────類縁物質増加 0.04 −0.03 −0.01 0.39重量変化 0.29 0.00 0.10 23.22TG減量変化 −0.26 −0.13 0.66 7.86────────────────────────────────── 本発明有機アミン塩または四級アンモニウム塩は、本湿度安定性試験条件下での類縁物質増加、重量変化及びTG減量変化がカリウム塩に比べ格段に低く、顕著な安定性を示した。これは、カリウム塩に対し、本発明の有機アミン塩または四級アンモニウム塩が非常に有用であることを示すデータである。 試験例4光安定試験 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸の、それぞれエタノールアミン塩(1)、トロメタミン塩(2)、コリン塩(3)及びカリウム塩(4)の光安定性を以下の通りに評価した。(処理条件) 試料約1gを透明なガラス製容器に入れ、開放のまま、25℃/60%RH(相対湿度)の条件下で、光安定性試験装置にて200W(ワット)・hr・m2の光を57時間露光した。2週間後に試料を取り出し、類縁物質増加(%)、重量変化(%)及びTG減量変化(%)を評価した。結果を表4に示す。(表4)────────────────────────────────── (1) (2) (3) (4)──────────────────────────────────類縁物質増加 −0.01 0.01 0.00 0.27重量変化 0.23 0.01 0.17 9.36TG減量変化 −0.25 −0.13 0.58 3.16────────────────────────────────── 本発明有機アミン塩または四級アンモニウム塩は、本光安定性試験条件下での類縁物質増加、重量変化及びTG減量変化がカリウム塩に比べ格段に低く、顕著な安定性を示した。製剤例1以下の成分を含有する顆粒剤を製造する。成分 式(I)で表される化合物 10mg 乳糖 700mg コーンスターチ 274mg HPC−L 16mg 1000mg式(I)で表される化合物と乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらをV型混合機にて混合する。混合末に低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)水溶液を添加し、練合、造粒(押し出し造粒 孔径0.5〜1mm)した後、乾燥する。得られた乾燥顆粒を振動ふるい(12/60メッシュ)で篩過し顆粒剤を得る。製剤例2以下の成分を含有するカプセル充填用散剤を製造する。成分 式(I)で表される化合物 10mg 乳糖 79mg コーンスターチ 10mg ステアリン酸マグネシウム 1mg 100mg式(I)で表される化合物と乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらとステアリン酸マグネシウムをV型混合機にて混合する。10倍散100mgを5号硬ゼラチンカプセルに充填する。製剤例3以下の成分を含有するカプセル充填用顆粒剤を製造する。成分 式(I)で表される化合物 15mg 乳糖 90mg コーンスターチ 42mg HPC−L 3mg 150mg式(I)で表される化合物と乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらをV型混合機にて混合する。混合末に低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)水溶液を添加し、練合、造粒した後、乾燥する。得られた乾燥顆粒を振動ふるい(12/60メッシュ)で篩過し整粒し、その150mgを4号硬ゼラチンカプセルに充填する。製剤例4以下の成分を含有する錠剤を製造する。成分 式(I)で表される化合物 10mg 乳糖 90mg 微結晶セルロース 30mg ステアリン酸マグネシウム 5mg CMC-Na 15mg 150mg式(I)で表される化合物と乳糖と微結晶セルロース、CMC-Na(カルボキシメチルセルロース ナトリウム塩)を60メッシュのふるいに通し、混合する。混合末にステアリン酸マグネシウムを添加し、製剤用混合末を得る。本混合末を直打し150mgの錠剤を得る。製剤例5 静脈注射用製剤は次のように製造する。式(I)で表される化合物 100mg飽和脂肪酸グルセリド 1000ml上記成分の溶液は通常、1分間に1mlの速度で患者に静脈内投与される。 本発明の有機アミン塩または四級アンモニウム塩は、トロンボポエチンレセプター活性化剤や血小板増多剤などの医薬の有効成分として有用である。 なお、2010年11月2日に出願された日本特許出願2010−246632号の明細書、特許請求の範囲、要約書及び図面の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸の有機アミン塩または四級アンモニウム塩。 有機アミンまたは四級アンモニウム塩が、水酸基を有する有機アミンまたは四級アンモニウム塩である、請求項1に記載の有機アミン塩または四級アンモニウム塩。 水酸基を有する有機アミンまたは四級アンモニウム塩が、エタノールアミン、トロメタミン又はコリンである、請求項2に記載の有機アミン塩または四級アンモニウム塩。 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸のエタノールアミン塩。 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸のトロメタミン塩。 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸のコリン塩。 請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の有機アミン塩または四級アンモニウム塩を有効成分とする医薬。 医薬がトロンボポエチン受容体活性化剤である、請求項7に記載の医薬。 医薬が血小板増多剤である、請求項7に記載の医薬。 3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸と、有機アミンまたは四級アンモニウム塩とを、溶媒中で反応させることを特徴とする3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸の有機アミン塩または四級アンモニウム塩の製造方法。 0〜70℃で反応させ、生成した有機アミン塩または四級アンモニウム塩を結晶化させる、請求項10に記載の製造方法。 有機アミンまたは四級アンモニウム塩が、エタノールアミン、トロメタミン又はコリンである、請求項10又は請求項11に記載の製造方法。 有機アミンがエタノールアミンであり、溶媒がアセトニトリルである、請求項10又は請求項11に記載の製造方法。 有機アミンがトロメタミンであり、溶媒がテトラヒドロフランであり、有機アミン塩生成後溶媒にアセトニトリルを添加して結晶化させる、請求項10又は請求項11に記載の製造方法。 有機アミンがトロメタミンであり、溶媒がアセトンと水との混合溶媒であり、有機アミン塩生成後溶媒を1−プロパノールに置換して結晶化させる、請求項10又は請求項11に記載の製造方法。 有機アミンまたは四級アンモニウム塩がコリンであり、溶媒がアセトニトリルである、請求項10又は請求項11に記載の製造方法。 下記式で表される3−{[((2E)−2−{1−[5−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−チエニル]エチリデン}ヒドラジノ)カルボノチオイル]アミノ}安息香酸の、新規な有機アミン塩または四級アンモニウム塩を提供することを目的とする。 該有機アミン塩または四級アンモニウム塩は、体内動態特性や安定性に優れ、医薬として有用な性質を有する。


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